がちゃのメモ帳

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2021 J1リーグ第29節 清水エスパルスvsベガルタ仙台 メモ

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スタメン

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清水

 

保持

基本は[4-2]ビルドで、松岡が下りて3バック化したときにはホナウドがアンカー位置へ。

SBは外で張り、アンカー位置の両脇にSHや藤本が下りて引き出す動きを見せる。

 

非保持

[4-4-2]セット。

2トップは背中でボランチを消したところからCBへアタックする。仙台ほど「2トップが絶対にアンカー位置を消す」というほどの徹底は感じない。どちらかというとしっかりプレスを掛け切ることが優先に見える。

 

仙台

保持

[4-2]ビルド。

SHは内に絞って、ハーフスペースで縦パスを引き出す。

 

  

非保持

[4-4-2]セット。

2トップでアンカーを消す意識が非常に高い。

 

 

流れ

仙台が比較的人とスペースの管理に慎重になっているぶん、清水がボールを持ち、敵陣へ入っていくことが多い立ち上がり。

10分をすぎると両者のテンションが落ち着き、保持と非保持がはっきり分かれる流れに。清水のほうがラインを上げて最終ラインにも寄せていく意識が高いように見えるが、基本的には両チームともビルドアップからどうやって打開するかを考える状況。

 

18分、清水先制。西澤のCKから最後はサンタナがファーで押し込む。一度はオフサイドの判定が下るが、VARのチェックによりゴールが認められる。

仙台は決してバランスを崩したわけではなかったが、清水に多くのセットプレーを与えてしまったのは失点につながる一因になった。

 

飲水まで

手堅い展開が続いた立ち上がりだったが、清水が先制したことで、勝点3が欲しい仙台もバランスを調整しなければならなくなった。比較的後ろ目に置いていた重心をどう制御していくか。セットプレーを与えないアプローチは最低限必要になる。

 

飲水タイムで指示があったのか、仙台のSHが前に出てプレッシャーをかけるようになったように見える。

 

仙台は上原や中原にライン間で前を向かせようとするが、清水の寄せをなかなか上回れない。

清水が強い圧力を掛けているわけではないが、仙台は後ろ向きのパスを選択させられることが多く、やむなくロングボールを蹴ったり、なかば強引に中盤につけてロストする場面が目立つ。

 

37分、カルドーゾの左足シュートはわずかに枠外。一瞬の隙でゴールを奪えそうな雰囲気を感じさせた。このシュートシーンでは、セカンドボールの回収が続き、シュートまで持っていけたが、仙台はビルドアップからの前進でかなり苦戦している。ブロックの中で起点を作れない。

 

2トップがアンカー位置を監視する意識は依然高いが、最前線に入る西村が横にも広くチェイシングし、運動量をあげることで最小限の人数でサイドを限定する。

 

 

40分を過ぎたあたりから仙台もサイドの深い位置を取れるようにはなったが、得点を取れる形は見えてこなかった。シュート数も少なかったため、どこかのタイミングでリスクをかけて勝負に出る必要があるだろう。

清水はセットプレーで先制点を取れたことによって、ゲームをコントロールすればいい状況になった。組織を崩さないようにしながら相手が後ろ向きになればプレスを掛けて回収する。仙台が西村のチェイシングを強めてからは安定してボールを回すシーンは減ったが、相手のFWの体力を削れたという言い方もできる。

 

 

後半

中原→福森

仙台はシステムを[4-4-2]→[3-4-2-1]に変更。加藤と西村がシャドー、福森が左CB。

 

47分、セットプレーの流れから吉野がシュートも権田が好セーブ。立ち上がりからテンションを高めて入った仙台が、いくらか清水を慌てさせられている。

 

51分、清水追加点。GKまでプレッシャーを掛けに行った藤本がスウォビィクからカットして無人のゴールへ転がした。仙台は立ち上がりからギアを入れて入れていただけに悔やまれる失点。前半から後ろへのパスが多くなっていたことがここにつながったかもしれない。

 

54分、片山のロングスローの流れからシュート→こぼれ球をサンタナがプッシュでゴールネットを揺らしたが、これはオフサイド。2点目の直後から清水が勢いに乗ってチャンスを作っている。

 

55分、加藤、富田→関口、松下

 

58分、松下のミドル。清水はトランジションの流れから少し間延びし、そこを関口に使われた。

59分、仙台が1点返す。CKの流れからカルドーゾがゴール。少し流れをつかみかけていた雰囲気の中で価値ある一発が決まった。

 

62分、仙台がカウンターから関口のシュートまで。清水はホナウドが攻撃参加したことで中盤が空き、オープンな展開に持ちこまれた。

63分、福森のSBロールで左サイドの攻撃に厚みを持たせる。

 

67分、藤本→カルリーニョス

 

飲水まで

仙台が選手交代とシステム変更でバランスを変えたことで、試合はかなり活性化された印象。サイドから嫌なボールを供給する攻撃は何度か見せている。一方で清水も落ち着かせるだけでなく、要所ではゴール前に出ていく積極性も見せる。ただ、そのリスクの掛け方が危険な場面を招く引き金になったシーンもあった。

 

72分~、原が接触でかなり痛んだ表情を見せるが、そのままプレーは続行。

非保持時は、原を1つ内側に入れて[5-4-1]気味でのセットに変えた清水。保持の形はこれまでどおり。

 

77分、痛むサンタナ。首の負傷?起き上がれないまま治療が続く。

 

80分、蜂須賀、上原→皆川、赤﨑

サンタナ→ディサロ

仙台はピッチにFWが4枚入る超攻撃的な布陣に。[5-1-4]のような形。

 

86分、カウンターから清水がチャンス。ホナウドと松岡も絡んでコンビネーションから中央を打開したが、スウォビィクの壁は超えきれず。仙台はWBをあげている上に中盤も1枚削っているので、こういうシーンは許容しながら最後のところで我慢するしかない。

 

仙台はフレッシュな選手たちによる捨て身プレスでボールの回収はできているが、ゴール前で事故を起こせそうなシチュエーションをなかなか作り出せていない。

 

最前線に残るディサロがアピアタウィアとの競り合い、駆け引きで上回ってファウルをもらい、時間を作る。

 

93分、アピアタウィアに警告。ディサロにポイントを作られているストレスもあってか、メンタルをコントロールできていないように見受けられる。

 

94分、仙台がロングカウンターからゴール前へ迫るも、最後のところでスムーズにシュートまでいけず、チャンスを逸す。清水はリスク管理が徹底できず、ヒヤリとした。

 

96分、鈴木唯→滝

 

 

最終盤は仙台の放り込みを受けた清水だったが、危険なシーンは作らせずに逃げ切り成功。3点目という欲が出てピンチを招いたシーンもあったが、セットされた状態では危なげなく守れたといっていい。一方で仙台は、バランスを重視した序盤でセットプレーから先制を許し、ゲームプランの変更を余儀なくされる。そして後半は形を変えて勢いを生み出したが、その流れの中で失点。終盤はFWを増やしてなりふり構わずの姿勢を見せたが、なかなかFWへ送れず、という要所でうまくいかないことが多く、苦悩が感じられた。

 

 

個人的MOM

★松岡 大起

最後まで落ちない運動量で起点を潰したり、切り替えで穴を作らせなかったりと、その献身性で大きく貢献。カウンターを受けたときも絶対にスプリントで自陣まで戻ってくる。本当に危険な場面では警告覚悟でプレーを切るズル賢さも勝点3を引き寄せた。

 

裏MVP

★ディサロ 燦 シルヴァーノ

重心を下げて逃げ切りを図った中、最前線で収めるプレーやファウルをもらって時間を作り出すことで、一方的に押し込まれることを回避した。また、前からのチェイシングも効果を発揮。この働きがなければ、放り込まれる回数が増え、危険なシーンも生まれていたかもしれない。プレータイムは約15分といったところだが、貴重な働きだった。

 

 

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ロティーナ監督 ]

われわれにとって難しい挑戦でした。長い期間勝っていない状態だったので、サポーターに勝利を届けたいという思いで臨みました。良いスタートを切りましたが、簡単にボールを失ったり、いつも以上にファウルをしてしまうというナーバスなところが出てしまったと思います。それによって権田(修一)が守るエリアの近くに進入するチャンスを与えてしまいました。

後半は相手がシステムを変更してきましたが、それに対応している中で2点目が決まりました。2-0になって、より落ち着いて自信を持ってプレーできるという感覚はありましたが、そこから彼らのゴールが早く決まって、また難しい試合に戻りました。

最後の10分プラス、アディショナルタイム8分は、われわれにとってナーバスな時間帯でした。というのも、彼らはクロス、ロングボールのセカンドボールからのシュートなどで得点を決める自信を持って攻めてきたからです。難しい状況でしたが、しっかり最後まで守って勝利を得ることができました。この勝利が、チームに落ち着きを取り戻し、良いトレーニングを続けていく自信になってくれたらと思います。

--今日の試合運びについてどう思うか?
全体的に予想していた試合展開になりました。彼らは2つのシステムを使い分けていたので、それも予想していました。試合運びの部分で言うと、前半リードしたあとに自分たちのペースでプレーしていたところを簡単なミスだったり、ファウルで失ってしまいました。それによってポゼッションを彼らに与えてしまったことが課題です。

ただサッカーの分析は、感情の部分も含めて行わなければいけないと思っています。長い期間勝てていない、また前節良いプレーをしたのにもかかわらず勝点を逃してしまった。そのチームには自信が必要でした。その中で、われわれにとって非常に大きな勝利だったと思います。

--今日の試合の反省点、次の試合に向けて高めたいところは?
よりポゼッションを持つこと。それはベースでもあり、われわれのプレーモデルとして、ボールを動かして穴を作ってチャンスを作るというやり方のカギになるのはポゼッションだし、その部分は修正していくべき課題だと思います。

また守備では、セットプレーの場面でこぼれ球をケアをするということです。CKからのこぼれ球から失点するのは、今季初めてではないし、逆にわれわれはこぼれ球から得点を奪うことができていません。今日もこぼれ球を拾えずにカウンターを受けて、危ないシーンを作ってしまいました。その部分を来週トレーニングしていく必要があります。

--残り試合に向けて良い流れで試合を進めていける感じはしているか?
今季、戦うという部分で、相手と良い勝負をすることができている試合は続いています。その中で、ちょっとしたことだったり、何かの原因で相手に転がり、勝点を取れない、もしくは引き分けてしまうという試合が続いていました。そういう意味で、これからも難しいギリギリの勝負が待っていると思いますし、今日の試合で勝てたから改善できたというわけではありません。重要なのは変わらずに、ブレずにわれわれのトレーニングを続けて成長を続けること。そして、集中力を高めて試合に臨み、勝つ可能性を高めていくことです。そういった今までやってきたことを続けていくことが重要だと思います。

 

[ 手倉森 誠監督 ]

間違いなく一進一退のゲームで、こちらは先制点を取られ、追いつこうとしているときに向こうの執念で2点目を押し込まれたこと、それが痛かった。けれどもフェリペ(カルドーゾ)のゴールが決まったあたりから、同点、逆転、というにおいも感じさせられるような戦いも選手たちはしてくれました。よくやってくれたと思います。

--後半から[3-4-2-1]に変えたことについて。
ビハインドを負った時点で、4枚(4バック)で前半はやっていた中で、本来ならクロスを上げてもらいたいSBがサイドハーフだった中原(彰吾)だったり加藤(千尋)だったりのシチュエーションになってしまって、そのぶんゴール前に人数をかけられなくなったところがありました。

--この敗戦の持つ意味について。
今日のゲームで最高のシナリオは(勝って)勝点1差に詰め寄ることで、それができないときにはせめて離されないことが条件だったのですが、それを引き離されてしまったというところに対しては、痛い星を落としたなというところだと思います。けれども、残りの9戦を考えたときに、清水は少し遠いところに行きましたけれども、まだまだ残留の可能性はあると思っています。