2021 J1リーグ第8節 川崎フロンターレvsサガン鳥栖 メモ
スタメン
川崎
保持
[4-1]ビルド。IHとSBの立ち位置を動かしながら相手のマンツー気味のプレスを外しにかかる。
非保持
[4-3-3]セット。3トップは相手2CBとGK、IHがボランチを見る。SBに出されたらWGかIHがスライドで対応。
保持
ボックスビルド。両SBが逆足配置。
相手のIHが前に出てきたら、仙頭がその背後に潜る。仙頭と樋口は中央でライン間に潜る役。
非保持
[3-4-1-2]で川崎のビルドアップと完全にかみ合う配置。仙頭でシミッチをマーク。
流れ
川崎が持つが、鳥栖も前からハイインテンシティーでプレスを掛ける。
6分、フリーになった小林のシュートを朴が距離を詰めてセーブ。
鳥栖はビルドアップ時に両サイドのスペースが大きく空くので、川崎はトランジションでそこを狙う。エドゥアルドと田代を外に引き出せばクロスも効く。
鳥栖が自陣でビルドアップするところには川崎が高いところから捕まえに行く。鳥栖もGKを含めながら前進を図るが、おおよそ蹴らされて回収される。
23分、島川→中野嘉
27分、川崎がカウンターからゴールを狙うが、無人のゴールへ放たれたシュートは松岡がギリギリでブロックして防いだ。
鳥栖はビルドアップで詰まると酒井へ蹴るが、マッチアップがジェジエウなので競り合いになると分が悪い。
40分、長谷川の突破から最後はダミアンがフリーで合わせるも枠外。
マンツーマンで捕まえに来る鳥栖を個人で剥がせれば、サイドを一気に突破できる川崎。
川崎はIHを下ろすと鳥栖のCHがどこまでついていくか曖昧になり、そこで少しの時間が生まれる。鳥栖はボールサイドと逆のCHは中盤を埋めるので、逆のIHは空く。そこへ早く届けられれば、前向きを作れる。
チャンスは圧倒的に川崎のほうが作っているが、スコアは動かず。鳥栖も枚数を合わせたマンツー気味のプレスと、仙頭を背後へもぐらせる攻撃でやりたいことをある程度やれているが、まだゴールに迫るシーンは少ない。ただ、スコアレスで折り返せたことは大きく、仙頭が前を向く回数を増やせれば十分にチャンスは作れそう。
川崎はマンツー気味のプレスにいくらか苦戦もしたが、それを逆手にとって個人の剥がしからチャンスを作るシーンも。また、奪ってから縦に速い攻撃で右サイドのスペースを取ることができていた。
後半
CB→CH→SBでサイドを取れると相手WGの位置を動かして中央で時間を作れる。この落としのパスが安定して決まるかどうかが、鳥栖のビルドアップの生命線になりそう。
56分、最後方で1枚でリスク管理していた田代がダミアンに抜け出されたところを倒して一発レッドで退場。鳥栖は直前で可能性のある攻撃を見せていただけに悔やまれる退場。
59分、小屋松、本田、酒井→飯野、松本、林
61分、長谷川、脇坂→三笘、遠野
鳥栖は[5-3-1]⇔[5-2-2]のような形。明確にシミッチのマークにつける選手がいなくなった。
64分、中盤の脇から運んで最後は中央を抜け出した遠野が押し込み、川崎が先制。数的不利になった鳥栖が我慢の時間をしのげず失点。
飲水後から(?)鳥栖は[4-4-1]に変更。
75分、仙頭→山下
点を取らないと勝点が奪えない鳥栖はスコアラータイプをピッチ内に増やす。
1人多い川崎が左→右で決定機を多く作り出したが、鳥栖も朴を中心に最後のところはやらせずに1点差のまま終盤へ。山下への放り込みなども使いながらワンチャンスを狙った鳥栖だが、ジェジエウと谷口の壁は高く、起点が作れずに相手PA内に入れないまま終わった。
うまく行かないシーンもありながらも、準備してきたプランはある程度奏功し、失点せずに我慢できれば、という展開に持ち込めたが、1人少なくなるとさすがに厳しかった。とはいえ、最後まで1点差を継続させ、可能性を残したのは評価できる。
川崎は決定機を決め切れなかったことは課題になるだろうが、マンツーで来られても剥がせるだけの対応ができてしまうのは強い。また、SBとIHのポジション取りでマークをぼかしながら前進する術も見せた。切り替えの速さは言わずもがな。
トピックス
川崎
島川が負傷交代。途中までプレーできていたので重くはなさそう。
27分、松岡の1点を防ぐゴールカバー。
コメント抜き出し
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 鬼木 達監督 ]
前半から、選手はアグレッシブに奪いにいく姿勢を数多く見せてくれました。チャンスがかなりあった中で、決め切らないといけなかったというところが反省点ですが、最後まで戦う姿勢を出してくれたことは次につながると思います。--鳥栖の対策がうまくハマったか?
自分たちの精度の部分だと思っています。特に、前半はかなりフリーでえぐったり、抜け出すシーンがありました。攻め切るにしても慌ててしまったり、フリーで打ってもミートできなかったり、ちょっとしたところの丁寧さ、大胆さというのがうまくいかなかった。フリー過ぎる場面もあったが、だからこそ、最善の判断がもっとよくできればというところだった。相手が守備を固めてきた中でも、コンビネーションで崩していくところで、スピードを上げ過ぎずに丁寧にいくことも良かったと思います。
--クラブJ1通算300勝を挙げたことについて。1勝目を知る鬼木監督としては?
2000年からですから、かなり長い歴史だと思いますし、一番苦しい時代を過ごしたという思いもあります。いろいろな人達が力を合わせた結果、こういうところまで来られたと思う。強化部、クラブを含めて、何よりサポーターがいつどんなときも応援してくれたからいまがある。自分たちはやっとこういう舞台で300勝となり、チャンピオン、星を付けられるようになってきた。戦ってくれた人の思いをくんで、突き進んでいきたい。長く携わってきた身としては、これからもフロンターレらしく、歴史を作っていきたい。
[ 金 明輝監督 ]
川崎Fさんとゲームすることで難しくなることは分かっていました。前半は自分たちが準備したことが出来た部分も当然ありながら、イージーミス、細かい技術的なミスがすごく目立った印象です。後半も少し、相手の足が止まりかけて、プレッシングを回避できつつある中で、ああいうアクシデントというかイレギュラーが起こったときにうまく対応できなかった。難しいゲームだったなと思いました。--攻撃と守備、それぞれの課題は?
攻撃で言えば、さっき話したようにイージーミス、細かいミスが前半から(起こった)。勇気を持って空いているところにつけられれば、チャンスをいくつか出すようなシーンはもっともっと出せたかなと思っています。まだ、足りないところが多いですけど、そういった部分かなと思います。守備に関しては、引き締まったゲームをしてもらったと思います。--右と左でチームのメカニズムを変えていたと思われる。ファン ソッコ不在の影響か。それとも、川崎Fのストロングポイントを消したかったからなのか?
狙いとしてはそういう狙いはありましたし、それとは別で川崎Fさんのプレッシングをはがすための準備ということで配置転換をしました。狙いどおり出来たところもあれば、さっきも言ったようにイージーミス、技術的なミス、見るのもそうですね。グラウンドレベルで感じる強度は、外から見ている僕らとギャップがあったのか。もっともっと前に出せるのかと思ったんですが、横パスや後ろへのパスが増えたなという印象です。後半、少し修正してうまくいきかけたところでああいう状況が起こったのでちょっと残念だなと思う反面、あれが実力だなと思います。--退場者が出るまでは勇敢な戦いが出来ていたが、最近薄れかけていた部分も取り戻せていたのではないか?
高い位置で引っかけて、フィニッシュにいけるようなシーンもありましたし、勇敢に戦うというのは当然。勝ちにきたのでそれだけをフォーカスされても、負けて当たり前というのが世の中の人の見解でしょうけど、僕らはそうではなくて勝ちにきたので悔しい気持ちでいっぱいです。自分の落としどころにしたくないと思っています。