2021 J1リーグ第4節 ヴィッセル神戸vs名古屋グランパス メモ
スタメン
神戸
保持
[4-2]ビルド。山口はアンカー位置で、安井が右側に開いたり下りたり。
佐々木は内に入る。下りて受けにくることも比較的多い。
増山の個人での推進力。スペースがある状態で受けられれば、ぐいぐい進んでいける。
非保持
[4-4-2]セット。ライン間で受けられたときの囲い込みはかなり速い。
2CBはゴール前に残る。高さがあり、単純なクロスでシュートに持ち込むのは難しそう。
名古屋
保持
[4-2]ビルド。ベースポジションは大きく崩さない。SB→SHでSHの個人の能力で打開を図る。
非保持
[4-4-2]セット。極力ラインは高く保ち、機を見て2トップでスイッチを入れていく。
流れ
互いにサイドを起点に前進する。ラインは高く保つが、奪いにいくまでのアクションはかけない。
8分あたりから両者ともに、奪いに行くスイッチを入れ始めた。システムがかみ合うので、1対1での優位を作れないとなかなか前進できない展開が続く。また、ボランチのポジショニングが大事になっている。
13分、神戸のビルドアップをハメに行った名古屋が前向きで奪い、稲垣がGKと1対1を迎えるが前川が落ち着いた対応で防いだ。1点ものの好プレー。
両チームとも、ライン間での囲い込みが相当早い。
18分、稲垣のスーパーミドルで名古屋が先制。増山は好守備で吉田豊からボールを奪ったが、その後のパスミスが軽率だった。
25分あたりから、リードしていることもあり、名古屋はライン設定が低くなった。2トップがスイッチを入れて奪いに行くシーンもほぼなくなった。
30分くらいからは神戸が持って攻める時間を増やす。名古屋は徐々にラインが下がっていくが、中央は固められており、シュートを打たれるシーンは少ない。神戸は左で前進して右へ届ける流れができているが、大外で浮くのが山川だとクロス精度が足りない印象。
43分、名古屋がCKからサインプレーで稲垣がミドルも枠外。
両チームともにチャンスというチャンスが非常に少ない締まった試合。スコアが動いてからは神戸のほうが持つ時間を増やしたが、相手ゴールに迫れたシーンは作れなかった。名古屋はもう少しカウンターを打てたら、もしくはボールを持ってコントロールできればもっとラクに運べそうだが、受ける展開でも守備が崩れる雰囲気はあまりないので、悪くはない前半。神戸はミスによる失点が悔やまれる。
後半
安井、佐々木→サンペール、井上
神戸は立ち上がりから積極的にボールを奪いに行く。丸山のところで内側から寄せていって蹴らせる。
サンペールがアンカー位置、井上が中央サポートのビルドアップ。
52分、井上の左足ミドル。枠内に飛ばしたが、ランゲラックの守備範囲内。
神戸が持って、ミスしたらすぐにプレスバックで取り返す、という良い時間帯が作れている。ドウグラスも精力的にプレスバックを行うなど、切り替えの意識はかなり高い。
58分、シャビエル、齋藤→柿谷、相馬
63分、山川、増山→初瀬、古橋
初瀬が左SB、酒井を右SBへ。
押し込めている時間がかなり長くなっているので、敵陣でのクオリティーを高める交代。
名古屋は交代も行ったが、流れを変えられない。守備が崩れていないとはいえ、もう少し自分たちの時間帯を作りたい。
名古屋はSHが前に進出してプレスを掛ける形をかなり減らした。前は2トップだけで制限をかけ、後ろの[4-4]はスペースを消すことを優先。
76分、長澤、山﨑→米本、前田
79分、前プレからのショートカウンターで名古屋が久しぶりにチャンスを作ったが、前川がセーブ。決定機。
82分、井上がFKを獲得。初瀬が蹴るが枠外。ランゲラックは一歩も動けなかった。
85分、サンペールが危険なタックルでファウル&警告。マテウスのFKは前川の正面。
88分、マテウス→中谷
システムを[5-3-1-1]気味に変更。
神戸はフェルマーレンを上げてパワープレーに。
後半は終始神戸がボールを持ち、攻める展開が続いたが、決定機という決定機は作れずに、最後まで名古屋が1点を守り切った。名古屋は受ける時間が続いた中で、運動量もそこまで落ちず、長い時間隙を見せることも少なかった。
神戸は初瀬や古橋を入れて攻勢を強めたものの押し切れず。相手に主導権を渡さず、攻撃的な交代の裏面を突かれなかったことはよかったが、それ以上に1点が遠かった。
トピックス
神戸
7分、佐々木の高速プレスバック。
24分、増山の推進力。
名古屋
稲垣のスーパーミドル。2試合連続ゴール。
56分、マテウスの守備。酒井から完璧にボールを奪う。
コメント抜き出し
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 三浦 淳寛監督 ]
非常にもったいない試合になった。特に前半は失点したシーンも含めて不用意なミスパスからピンチになったと思うが、もっとしっかりと基本的なところを修正する必要がある。後半に関しては、1試合通して完全にペースはわれわれが握っていたと思うんですが、守備を固めた相手を崩すところに関しては課題が残った。すぐ試合がありますから修正して次に挑んでいきたい。--前半の安井 拓也選手や佐々木 大樹選手の立ち位置について。
無駄なロストがちょっと多かったかなと思います。立ち位置は考えながらとっていたと思うが、そこで普段ないようなミスをして相手のボールになってしまっていた。ロストに関しては修正しないといけない。--失点もボールロストからだった。
良い奪い方をしているんですけど、そこから相手にパスをしてしまった。相手のスーパーゴールだったと思うんですが、それ以前にわれわれがしっかりとマイボールになったときに落ち着いて、味方を使いながら前進していくところが課題になったと思う。
「1試合通して完全にペースはわれわれが握っていたと思う」。完全にペースを握っていたという表現が適切かはわからないが、ボールを持つ時間自体はかなり多く作れていた。ただ、「守備を固めた相手を崩すところに関しては課題が残った」とあるように、決定的ななにかを見せることはできず。
[ マッシモ フィッカデンティ監督 ]
まず前半が素晴らしかったと思う。いろんな形でチャンスも作ったし、ボールの動かし方も良かった。得点もあった。内容的にもちゃんと1-0で折り返すサッカーができた。代表ウィークまでの連戦でどんどん疲れがたまっている。今日も何人か柏戦からメンバー変更をしたが、チーム全体としての疲れが抜け切れていない中でどう戦うか。前半にリードを奪って後半に入ったので、そこで点の取り合いになる展開に持ち込んではいけない。まずわれわれがゲームを支配していくということをしっかりとやり切れたと思う。やるべきゲームをちゃんとやった。チームとしての成長を感じた。
--集中力が必要な試合だったが、選手に求めたものは?
一瞬のスキを作ったり、試合の流れによってカッとなってしまったり、例えば失点をして慌てて得点を取りにいって2点目を取られるとか、そういったことをやっていたら絶対に強いチームにはなれないと、こだわりながら練習からやっている。逆に試合中にどうしたら集中して90分戦えるか、それができないと勝てるわけがないので、日頃から選手たちにはそれを求めている。今日の試合は選手たちが淡々とやってくれたと思う。
「まずわれわれがゲームを支配していくということをしっかりとやり切れた」。「支配する」のニュアンスが具体的になにかはわからないが、守備の面で崩れずにコントロールできていたのはポジティブ。もう少しボールを持って時間を使えればなおよかった。