がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2021 ルヴァンカップ第1節 FC東京vs徳島 メモ

www.jleague.jp

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20210304121009p:plain

FC東京

中盤で前向きで奪ったところからカウンターに移行。押し込んだ時にはコンビネーションからサイドの突破を狙う。髙萩が入ってからは敵陣でのパス回しがなめらかになり、2列目の選手が流動的に動けるように。

保持

[4-1]ビルド。青木は2トップの間。サイドに出たらFWとSHの間に顔を出す。

中村拓海がいる右サイドを中心にビルドアップ。

敵陣でボール回しが停滞したときなど、青木が後ろから上がってくることも。

SB、WG、IHの3人のコンビネーションでサイドを崩しに行く。

 

非保持

WGの外切りプレス。内側に誘導させて縦パスを入れさせたところを後ろから強く当たって奪う。

三田が前に出る[4-4-2]プレスも。 

 

徳島

後方からしっかりとつなぎプレスを外す。大外で浮く選手から仕掛け、クロスなどでゴールへ送る。

保持

 内側へ縦パスを指してからワンタッチでサイドにはたいてプレス回避。

ジエゴの内への持ち出しで個人でプレス回避。

SBが高い位置に上がるとSHは連動して内側へ。

 

非保持

 [4-4-2]セットだが、佐藤が前で河田が少し後ろ気味。

全体がボールサイドに寄る。

 

 

流れ

徳島がうまくプレスを外しながら保持する時間を作る。ただ、FC東京もラインを高く保ちながら守れているので、怖さはそこまでない。

 

徳島は守備ブロック全体がボールサイドに寄るので、FC東京は逆サイドへの展開を狙う。特に三田のキックで左へ送ることが多い。

 

FC東京のほうが縦のスピード感があるぶん、一気にゴールへ近づく場面を作れている。徳島は意図的に持つ時間を増やせているが、ゴールへ近づく手段が少ない。2トップが背後への動き出しで最終ラインを動かせると良さそう?FC東京にとってはあまり怖さのない時間が続く。

 

徳島はつないで相手守備を片方のサイドに寄せて外して逆サイドに展開、まではできるので、外に仕掛けられる選手が欲しいか。藤田征が外で浮くことは浮くが、そこから危険なクロスはあまり入れられていない。

 

徳島は、小西→ジエゴのホットラインで、前半終了間際にしてようやくゴール前でチャンスを作る。

 

 

FC東京は3トップでプレスを掛けて、中盤&SBが前向きに当たって奪おうという狙いが強かった。連動自体は良かったが、それ以上に徳島のパス回しがうまく、想像以上にボールが取れなかった。ただ、ゴール前まで運ばれるシーンは少なかったので、悪かったわけでもない。

徳島は狙ったとおりにボールは持てていたので、あとはゴールまでどう運ぶかというところの詰め。西谷や垣田がいないと推進力が足りない雰囲気はある。

 

後半

徳島は佐藤、安部→鈴木輪、田向の交代。

ジエゴがCB、田向が左SB。鈴木輪が右SH、渡井がトップ下。

左SHの川上が明確に幅を取るように。攻撃に出て行っていたジエゴとは対照的に後方サポートに専念する田向。

ゴールキックは鈴木輪を狙ったロングボールになった。

 

61分、永井→アダイウトン

スペースさえあればゴール前まで1人で行けてしまうアダイウトン。永井よりも低い位置で受けるが、そこから一人で敵陣まで突っ込める。

 

68分、紺野→髙萩

システムを[4-2-3-1]に変更。髙萩トップ下、内田左SH、三田と青木のダブルボランチに。SBを高くして2CBとボランチ2枚でボックスビルド。

髙萩投入後は彼を中心にゴール付近での崩しがかなり滑らかになった。

 

78分、河田→垣田

垣田が入ってからアバウトなボールの競り合い、背後への抜け出しなどで攻撃の幅が広がった。

 

徳島は徐々にゴール前に入ってくるプレーも増えたが、最後までゴールは割れず。

 

 

FC東京はプレスがハマらないなりにしっかり守り、ラッキーな形ではあったがサボらないで詰めていた田川にご褒美のゴールが生まれた。とりわけ交代で入った選手も含めてWG(SH)の運動量が際立っており、そこがサボらなかったからこそ、崩されるシーンを減らせていたと思う。

攻撃は停滞感があった中、永井のスペースへ送り込むセンスや髙萩のアクセントを付ける動きは必要だと感じさせる内容だった。

 

徳島は垣田が投入されてからは高い位置でポイントを作れたものの、それまでは敵陣への進入に苦労している雰囲気は見られた。ただ、自陣でのビルドアップはさすがの一言。グループでの立ち位置の連動が見事で、FC東京は狙った位置でボールを奪えなかった。

 

トピックス

FC東京

紺野の持ち出し〇

三田のサイドチェンジ〇

前半、永井から「もっとクロスを上げてくれ」という要求。自分が持ったときはガンガンクロスを入れる。

カシーフの対応が良い。スライドも素早く、大外へのパスをカットできる。

児玉のビッグセーブ。

 

徳島

ゴール前でシュートを打たせたら一級品の河田 。

前後半でポジションを変えた渡井(前半:右SH→後半:トップ下)。中央で自由に動かしたほうが特長が出やすく、チームとしても機能していた印象。

 

コメント抜き出し

(※Jリーグ公式サイトから引用)

 [ 長谷川 健太監督 ]
今日出た選手たちがよく頑張ってくれたと思います。1点しか入りませんでしたけど、前半から非常にバランスの良いサッカーができたと思います。強いて言えば、奪ったボールをもう少し大事にすればもっともっとチャンスが増えたと思いますが後半の良い時間帯に点が取れたと思いますし、その後も慌てることなく時間を進めることができたと思います。今日出た選手たちは良い形でシーズンのスタートができたんじゃないかなと思っています。

--ボールを持たれる時間が長かったが?
ボールを持たれたというよりは、見解の違いですけど、彼らはボールを持っていましたが、ほとんどシュートを打たれていないですよね。後半に1本危ないシーンがありましたけど、それ以外はシュートはなく、前半から危ないシーンはないと思っていて、しっかり対応できたと思っています。シュートをガンガン打たれているわけではなく、ボックスの中に入られた感じでもなかったので、焦れずにやるしかないと思っていましたが、行くところは行ってしっかり奪えていた。奪ったあとにもっとつなげればもう少し違う展開にもなったと思いますが、最後までしっかり規律を持って戦ってくれたと思います。

--田川 亨介選手の評価は?
前半からよい形で奪うんですけど、その後、スプリントして疲れていたこともあるかもしれないですけど、しっかりつなぐことができればもっとプレーに関係する時間が増えてくると思います。点を取ったことは本当に素晴らしい。相手のクリアミスですけど、しっかりと狙ってゴールを取ってくれたことは大きな仕事だと思います。ただ、それ以外にももっとプレーする時間、出てくる時間を増やしてくれるとさらに良くなっていくと思っています。

前半、ボールを持たれたこと自体は問題なく、むしろボールをもっと大事にしたかったとのこと。 「行くところは行ってしっかり奪えていた」というのはまさにそのとおりで、奪いどころは定まっていた。ただ、もっと多く奪える想定だった気はする。

 

[ 甲本 偉嗣ヘッドコーチ ]
個人の力が強い相手に対して、どれくらいできるかというチャレンジをしました。多くの時間でボールを握ることはできましたが、有効な崩しが今日はできませんでした。また、ビルドアップで相手にダメージを与える攻撃ができませんでした。守備面に関しては大きく崩れてやられてはいませんが、一方で僕たちが意図的にプレッシャーを掛けて奪えたかどうかという点で言うとできなかったです。

--リーグ戦からメンバー変更を加えた。その狙いについて。
徳島には若い選手が多くいます。生きの良い、これから伸びていきそうな選手を多く起用したかった中でチャレンジしました。

--ボールは握れていました。その先の攻撃に関して、組織作りの進ちょくをどう捉えていますか?
ボールは握っていましたが握らされていた部分が多く、ビルドアップで有効なポジションを取れなかったことに加えて、有効な場所にボールを入れられなかったというのが正直な感想です。意図的に相手をうまく引き出せなかった部分は修正が必要だと感じています。

攻撃の崩しに関しては、有効な場所にボールを入れられなかったのでその先の崩しにつなげられなかったと思います。苦し紛れに前まで運ぶことはできたとしても、その先の攻撃を見たときに攻撃のオーガナイズがうまく作れてはいない状態でボールが入っているので、なかなか崩しのスタートまで至らなかったという印象です。

 

小西 雄大

前半についてはうまくできていたと思いますし、プレーしている感触としては悪くありませんでした。それを続けられれば相手の足も止まってくると思っていました。一方で後半のようなサッカーになってしまうと厳しくなると感じました。

--「後半のようなサッカー」という言葉について。
ボールを持てなくなり、相手に持たれる時間が増えて守備に回る時間が増えました。その結果として、スライドしたり、前に出ていったり、後ろに下がったり、その繰り返しで疲労も蓄積されて最後の10分位は明らかに運動量が落ちてしまいました。僕たちはボールを持つチームなので、そこを積み上げてしっかりやっていきたいです。

持ててはいたが、有効な崩しの手段がなかったという感想。後方でのつなぎはうまくいったがなにか前進できず、シュートまでいけなかったことは課題に挙げられるだろう。

「相手の足も止まってくると思っていました」とあるようにFC東京もけっこう走らされてはいた。ただ、特にサイドの選手の運動量があまり落ちなかったことは徳島にとって想定外だったかもしれない。また、選手交代でフレッシュになってくると、前半から与えてきたダメージがいくらかリセットされてしまうのは厳しかった。