FC東京 2020編成について考えよう ~原点の[4-4-2]編~
さて、もう新シーズンでございますな。
移籍も一通り終わったんじゃないかってことで編成について考えよー!
今オフの動き
(ポジションは公式の登録ポジションに合わせる。細かい分類は個人的に振り分け。)
IN
※1 期限付き移籍からの復帰
※2 期限付き移籍から完全移籍へ移行
OUT
※3 期限付き移籍
※4 期限付き移籍期間満了
編成
(バングーナガンデ 佳史扶はカシーフ表記)
GK
J3リーグも同時並行で戦う中、「3人体制でいける??」といった不安を取り払うために野澤を飛び級でU-18から引き上げて4人体制に。
林が正GK、控えに児玉。J3正GK波多野、控え野澤の構図が既定路線だとは思うが、波多野がJ1の控えに入る可能性も。基本的には昨年と変わらず、ACLが入ることで負担が増えるであろう林を全試合使うのかどうかがやや不安な点になるか。
DF
CB
岡崎が急に抜けたことでオマリを(おそらく)緊急で補強。森重、渡辺、オマリの3人で回すと考えればそこまで問題はなさそうだが、オマリの獲得によって外国籍選手の枠問題が生まれた。ここはあとで触れる。
SB
やけに層が厚くなった右に比べて左が手薄。ACLとJ1の両方で小川をフル出場させるのはさすがに厳しいので、ターンオーバー時にどういう起用をするか。1年目のカシーフを試すのか、右の誰かを回すのか。どちらにせよ少し苦しい起用にはなりそう。カシーフが想像以上にやれたぜ!ってなるのが理想。
MF
CH
橋本&髙萩の盤石コンビの負担を減らすことは重要ポイント。昨季戦力になりきれなかったシルバと新加入の安部にかかる期待は大きい。結局橋本と髙萩に頼らないとダメだ!となってしまうと絶対どこかで潰れるので、健太さん的に多少気に入らなくてもターンオーバーはしてほしい。
SH
走力のあるインスと気が利く大森が抜けたことで守備面の保証ができなくなりそう。おそらく攻守両面で健太さんの基準を満たせそうなのが東と三田だけな気がする。内田と宮崎が割って入れるようになればそこの不安もいくらか解消できるか。
一方でアダイウトンとレアンドロが加わったことで攻撃的な選択肢はかなり増えた。この2人をスタートからSHで使うことはやや考えにくいのだが、ビハインド時などのオプションとしては非常に優秀な働きができそうなので、得点に直結するプレーを期待したいところ。
FW
アダイウトンはFWとして考える。図では永井とディエゴを一番上に置いているが、永井はおそらく前半戦欠場濃厚、ディエゴもいつ復帰するかが不透明。ディエゴが復帰してくるまでアダイウトンと誰かのコンビで乗り切らないといけない。昨季の最強2トップが不在だと心もとなさもあるが、2人が戻ってくるとやや溢れ気味か。
大卒3年目の矢島は今年が正念場。同じようなタイプがほかにいないだけに、得点源2人がいない間に存在感を見せることができれば立ち位置を確保できそうか。J3の帝王にしておくにはもったいない原もJ1に絡んでくるポテンシャルはあるはずなので、この若手2人にはいい意味で期待を裏切ってほしい。
外国籍選手の枠について
2020の外国籍選手
●ディエゴ・オリヴェイラ
●ナ・サンホ(ACL:アジア枠)
●アルトゥール・シルバ
計6選手
J1で1試合に登録できる外国籍選手は5名まで、ACLは4名まで(3名+アジア枠1名)。つまりリーグでは1人、ACLでは少なくとも2人はあふれる。
リーグ
ディエゴが不在の間はほかの5人をフルで使えるが、戻ってくると1人あふれる。トーキョーの大エースディエゴに加え、3人目のCBとして不可欠なオマリ、永井の代わりにエース格として期待されるアダイウトンはおそらく確定。残りの2枠を3人で争うことになるか。安部柊斗の出来次第ではあるが、CHの控えに2人は割かないはずなのでシルバが抜ける可能性は高い気がする。ただ、サンホとレアンドロもタイプこそ違うが、“攻撃に色を加えるアタッカー”括りで見ると「2人とも入れる必要性はあるか?」という点では考える部分なのかもしれない。
リーグと同じくオマリ(アジア枠)とアダイウトンはおそらく決まり。ディエゴは状態次第だが、よほど長引く予定でない限りは入るだろう。そうなるとあと1枠しかないが、個人的にはシルバがここに入るのではないかと思う。そうでないとシルバを完全移籍に移行してまで獲得した理由がつかさそう。フィジカル能力にたけたシルバをACL、安部をリーグという使い分けになるのではないか。一方でこの4人にするとSHがかなり苦しい。東と三田で2つのコンペティションをフルで出るのは無理なので、ACLではアダイウトンをSHで起用するプランは大いに考えられる。となると今度は2トップが空くので矢島、田川、原の誰かが十分に戦える状態でなければならない。がんばれ。仮にアダイウトンを2トップで起用するならその枠は内田、宮崎、紺野にがんばってもらうことになる。
まとめると
あくまで個人的な推測だが、ディエゴ、アダイウトン、オマリはリーグとACL両方、サンホとレアンドロはリーグ専念、シルバはACL専念になるのではないかと思う。
全体の印象
ポジティブ要素!
●アタッカーの層が厚くなり、試合終盤でも攻撃力を落とない&ギアチェンジして戦えそう!永井とディエゴのどちらかが不在でもなんとかやれそうか!
●右SBの層が厚くなった!室屋の離脱(もしかすると夏の移籍)にもある程度対応できそう!
懸念点…?
●左SBの2番手どうするよ!
●攻守にバランスの取れたSHが少ないか
●FWと右SBがやや飽和気味。ちゃんとマネジメントしないとモチベ低下につながるかも?
期待したいこと
★若手の台頭
期待したいというか「やってもらわなきゃ困る!」の状態。前述したとおりACLでは外国籍選手枠でメンバーが制限される影響で2トップ及びSHは昨季のメインメンバーだけでは回せない。もちろんCHも昨季の2人だけでは無理だ。既存&新加入の若手には頑張ってもらわないと主力が確実につぶれる。わずかながら昨季メンバーに絡んだ内田や新加入の安部あたりは、先発で使っても問題ないくらいのパフォーマンスを見せてほしい。
★小川のシーズンフル稼働
ACLとリーグの全試合に出場してほしいということではなく、1年を通じてケガをせずに過ごしてほしいという意。左SBを高水準でこなせる選手がいない(高卒ルーキーのカシーフにどこまで背負わせられるか分からない)ので、小川が昨季のように長期でいなくなるとチーム全体のバランスを保てなくなる可能性はけっこうある。逆に小川がケガせず1年間戦えれば、チームの懸念点を1つ潰すことにも繋がる。
★FW陣の奮起
永井が長期離脱、ディエゴも復帰時期微妙となると得点力は確実に落ちる。そこをアダイウトンを中心にどれだけカバーできるか。序盤でそこを埋めきれなければ、負けずとも勝点を積めない展開になるだろうし、混沌としたJ1の中で下を気にしなければならないイヤなプレッシャーに晒される可能性がある。逆に永井とディエゴ抜きで勝てるなら、その2人が戻ってきたときにギアを1段も2段も上げることができそう。
予想される昨季からの変化
先行逃げ切りから殴り合いで勝つチームへの移行
個人的に陣容で一番変わったと思うのは守備的に使える選手が減って、攻撃的に使える選手が増えた点。昨季は先制点を取ったあと、自陣で守って逃げ切るのが定番パターンだったが、今季は守って逃げ切るよりも追加点を取って突き放さなければならない状況が多くなりそうな印象だ。
出場機会が限られていた中で必要な選手だった大森と岡崎が抜け、あの手この手でクローズさせるために必要な選手がいなくなった。長谷川健太監督の基準としてSH守備の最低基準を満たしている(と思われる)のは東と三田のみ。たぶん三田でギリギリくらいのような気がする。仮にその2人を先発で使うと、SHの控えは攻撃的な選手になる。攻撃的な選手にクローズを託すのはどう考えても非効率的である上に計算が難しくなるのは間違いない。そうなると自陣で守るのは得策とは言いづらく、点差を広げていくことを狙うほうが勝点3には近づきそう、というのが個人的な捉え方だ。
ポジティブに捉えれば、リード時もビハインド時も点を取りに行きやすいメンバーなので、昨季のようにビハインド時に攻撃で手詰まることは減るかもしれない。その代わりある程度の失点は受け入れる必要がありそうなので、殴り合いで勝つチームになる必要があるかもしれない。