【FC東京】 J1リーグ第12節 vs北海道コンサドーレ札幌 プレビュー
がちゃです。
12節札幌戦の展望を行っていきます。
チーム状況
11節終了時成績
(G大阪プレビューで東京の失点数に間違いがありましたm(__)m)
FC東京は1位、札幌は6位につけています。
得点力はおおよそ同じくらいですが、東京の失点数の少なさは非常に際立っています。
直近5試合の成績
※リーグ戦限定
お互いに4勝1分けでとても良い流れで来ています。
札幌は4~6節で3連敗があり、嫌な雰囲気ではありましたがしっかりと立て直してきた印象です。
札幌は攻撃に特徴があるイメージですが、直近の試合を見ると失点も非常に少なく、安定した戦いができていると見てよいでしょう。
スタメン予想
主な欠場選手
東京
チャン・ヒョンス(首の痛み?)※出場微妙
札幌
アンデルソン・ロペス(左膝靭帯損傷)
チャナティップ(筋肉系)※出場微妙
駒井(開幕から長期離脱中)
東京は髙萩が出場停止から復帰。
おそらく小川もスタメンに戻り、いつものメンバーを予想。
チャンヒョンスの状態が不明なため、渡辺が入る可能性もあり。
札幌はロペスが長期離脱で欠場が確定。
チャナティップも筋肉系の軽い怪我があるということで前節の松本戦はメンバー入りを回避。全治1~2週間ということで今節も欠場が既定路線にはなりそうですが、脅威の回復力を見せているという情報もあり、メンバー入りしてくる可能性も十分にあります。
展望 ~幅で攻める札幌vs圧縮で守る東京~
東京がカウンター中心の攻撃であるのに対し、札幌は元々ボールを保持して攻めたいチーム。
自分達よりも平均支配率で上回るチーム(横浜FMや神戸)に対しては引いて構えるゲームプランで戦いましたが、東京相手ではおそらくボールを持つ選択をしてくるでしょう。
中央を固める東京に対して5トップとも言える布陣で幅を取った攻撃で外の選手に判断を突き付けてくる攻防が多くなってくると思います。
札幌の攻撃
ビルドアップ
基本形は4-1-5でミシャ式と呼ばれる形。
深井が一列下りて4バック化、宮澤がアンカーの配置になります。
WBは大外で高い位置を取り、WGのような振る舞い。
シャドウの選手はキャラクターにもよりますが、前に張っているというよりは少し引いて受ける動きもしてくる印象。
形だけなら磐田と少し似ている部分もありますが、各ポジションのキャラクターがまるで異なります。
WBに入るルーカス・フェルナンデスと菅は単独での突破ができるWG要素の強い攻撃的な選手。特にルーカスはわかっていても止められないようなクオリティがあります。
トップに入る鈴木武蔵は基本的に中央から動かず、常に背後を狙ってくる印象。
一番特徴的なのは左右に入るCB。磐田はどちらかというと守備的なCBでしたが、札幌のCB両脇は非常に攻撃的。
右の進藤は直近5試合で3得点とCBとは思えぬゴールゲッターぶり。3得点ともセットプレーからですが、流れの中からPA内に侵入してくる回数も多いです。
左の福森は札幌配球の中心であり、チャンスシーンのほとんどに絡んでくるキック精度お化け。多少低い位置であってもフリーで持つとピンポイントのロングパスやクロスをゴール前に供給し、何もないところから決定機を作りだしてきます。
※イメージ
こうなると福森を自由にさせない必要が出てきますが、ここで厄介なのが彼は縦パスもプレス回避も非常に上手いということ。そして常に大外に張るWBが存在しているということ。
いつもであれば相手の大外で張る選手には東京のSHが極力対応することでDFラインの配置を崩さないようにしていましたが、対面に福森がいるとなるとそうもいかなくなる可能性が高いです。
久保が福森に寄せた場合、大外のWBは必然的に室屋が見る形になります。
SHがプレスバックで対応するという手もありますが、あまりにもタスク過多なので特に久保のサイドでは現実的ではないでしょう。(大森が出てきたらやるかもしれませんが。)
となるとSBの裏・CBの脇が空いてきますが、ここをどう埋めるかが問題となります。
ここが空いたままだとおそらく上図のような一発でチャンスになるようなパスが選択肢として優先されると思います。
SBが留守にしていることでゴール前に入れても跳ね返す人がいない。また、留守にしたところに流し込むことで誰がついていくのかという状況が発生します。
武蔵へのパスについてはそもそも出されないように寄せきるか、CBがしっかり対応するしか方法がありませんが、荒野(ここに誰が入るかは不明ですが)のランニングにどう対応するかはポイントになるかもしれません。
ヒョンスがスライドして対応するのか、髙萩が埋めに入るのか。
ヒョンスが出ていけば荒野とのマッチアップに優位性は出ますが、中央の強度は落ちます。髙萩が出ていけば中央の強度は保てますが、対荒野での優位性は落ちます。
仮にこのポジションににチャナティップが入ってくると余計に話がややこしくなるので不在であることを願います。
久保が福森の左足を切ればいいんじゃないの?
という考えもできるかもしれませんが、福森は右足もそこそこ使えます。
おそらく上図のようなパスが出てくるでしょう。
これ以外にも菅とのワンツーで中に入ってきたり、ボールサイドに寄ってきたことろを一発で逆サイドのルーカスに展開したりと、様々な手段での攻撃を試みてくるはずです。
ここまで守備の不安を考えましたが、札幌は前に5人が張り付くことでネガティブトランジション(攻→守の切り替え)には弱点を抱えています。
例えば、上図の荒野にパスが出てきたところで髙萩が奪ってすぐ縦に付ければ瞬間的に守備者が4人(+宮澤)しかいない状況になります。
CHの深井が入っていることもあり、札幌のバックラインは前向きの守備ではそれなりの強さを見せますが、晒された状態で仕掛けられると少し脆い部分はあります。
特に福森はプレーの判断に迷ったとき隙を見せます。
10節の神戸戦ではビジャのシュートを許したシーン、西にPKを献上したシーン等、福森一人の責任ではありませんが、選択を迫られる場面だと中途半端な対応が目立つ印象です。高い位置まで出ていくことも多いため、トランジションではより難しい守備を強いられるでしょう。
攻撃の軸であり守備の弱点でもある福森。そして向かい合う選手は久保。
ここでの駆け引きはこの試合を左右する大きなテーマとなるはずです。
札幌の守備 ~SHには誰がつく?~
基本は5-4-1ないし、5-2-3でセットし、各マーカーに対して迎撃してくるイメージ。
おそらく上図のようになると考えられます。
ハイプレスでボールを取り上げる選択を取る可能性もありますが、そうすると東京の強力2トップ(+久保)と札幌バックラインがスペースのある状態で対峙する必要が出てくるため、そこのリスクは避けてくるかなと予想します。
そして札幌の各選手に対する意識は以下のようになると思います。
武蔵がCBの運びを抑止し2人を見る形。シャドウはSB、CHは対面のCHというマーク意識で守ると考えます。
そうなるとバックライン5枚で東京の4人を見る形になります。
東京のSHは内側に入ってきて仕事をするタイプなので札幌WBがどう対応するのかは序盤の見どころかもしれません。
また、磐田戦に引き続き、東京のCHが札幌のCHをどれだけ引き出せるかは重要です。
東京選手のキャラクターを見たときに中央で仕事ができる選手が多いですから、中央を縦に速くこじ開ける攻撃ができることが理想です。そのために中央のスペースを空けさせたい。髙萩は一発でチャンスを作れるパスを出せるので対面の深井がプレッシャーをかけてくると思います。そうしたらその背後を久保がついて一人ずつ引き出していく。
この試合だけでなく、これは東京の王道パターンになると思いますが、札幌戦でもこれが出せるかどうかはボール保持のフェーズにおいて重要になるでしょう。
試合展開予想
チャナティップがいるかいないかで話が大きく変わりますが、いない前提で考えます。
展望の項で記載したとおり、札幌がボールを保持して東京が守る、そしてカウンターを狙うという構図ができると予想。
札幌は前の強烈なクオリティを持つ2人(ロペスとチャナティップ)がいないとなると武蔵のスピードとルーカスの突破力、福森の配球。この3つを頼る攻撃が増えるはずです。
前の3人が揃うと武蔵の裏抜けを気にしながら下りる2シャドウを捕まえるというなかなか高度なミッションとなりますが、今回は供給元の福森をどう消せるかに注力できるはずなので札幌に殴られ続けることはないと思います。
東京のゲームプランとしてはいつも通りでカウンターでの先制狙いでしょう。
特に札幌は可変システムを使用することでトランジションは脆い設計なので、カウンターは絶対に刺さります。
0-0で推移すれば後半でナサンホや(怪我でなければ)ジャエルを入れて馬力でこじ開ける手段。リードして終盤を迎えれば、大森を右に入れて福森とWBのケアをしてもらう展開になると思います。
今年は雨が降らないことを祈りましょう。