がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2024 J1第5節 鹿島アントラーズvsジュビロ磐田 メモ

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スタメン

鹿島は佐野が欠場。

磐田はペイショットが初先発。中村、伊藤、山田が欠場。

 

流れ

藤井に対して2人がつく磐田。マイナスの人は空けておいて、戻したときにアップして寄せる。その寄せを利用して、3人目を経由して藤井の1対1を作る。

ジャーメインとペイショットはそこまで縦関係ではなく、ジャーメインが最前線で収め役になるシーンも。

チャヴリッチがSB裏に走り、名古が左バイタルにとどまることでポケットケアとバイタルケアの両方で迷わせる。

6分、右サイドを完璧に崩した鹿島の攻撃も、川島がビッグセーブ。

磐田はSHをプレスに加えないでブロック参加を徹底。2トップのみで前線で制限をかける。中盤の大外対応は絶対にSHが行う。

ジャーメインがライン間に下りる動き、ペイショットが同サイドで待つ動きからトランジションのポイントを作る。

知念のサリーで3-1ビルドになる鹿島。下りるボランチに対して、磐田は2トップの管轄内まで下りていったらついていかない。

鹿島は対角フィードや大きなサイドチェンジから浮いた大外の選手を使う意識が高い。

知念が下がって3バック化することで、磐田は2枚でプレスを掛け切れず、ラインは下がる。ただ、そうなっても磐田はSHを出さず、コンパクトさを保って出しどころを消すほうを優先。実際に鹿島はCBが2トップ脇から運んだあとの選択肢に困っている雰囲気がある。

17分、名古に警告。

磐田は中盤で奪ってからコンビネーションを駆使しての素早いカウンター、サイドからの早めのクロスでゴールをうかがう。

関川から積極的に対角フィードで藤井、もしくは濃野を狙って仕掛ける局面を作り出す。2トップ脇では自由なので、そこから蹴るのはそこまで困難ではない。

安西が中に入ると松本も絞るため、チャヴリッチへのパスコースが空き、磐田のSBを引き出せる。

22分、上原に警告。

30分、CKを関川がファーで折り返したところで松原の手に当たり鹿島がPK獲得。チャヴリッチの縦突破からのクロス起点で得たセットプレーから。サイドからの突破を作っていたことが実った。

32分、鹿島先制、1-0。鈴木がPKをど真ん中に蹴り込む。

磐田はサイドで正対されたときに2枚がホルダーに対応するため、マイナスのコースは空ける。左右両サイドで構造は同じ。

積極的にSB裏に走る松本。磐田は深い位置を取った際に人数を掛けてPA内へ入ってくる。ボランチPA内か、もしくはすぐ外まで押し上げる。

失点後から?磐田が徐々にSHやSBを押し上げてプレスに出ていくようになった。

安西が追い越したときに磐田は受け渡しで若干重心にブレができるので、そのタイミングでチャヴリッチがカットインしていく。

39分、ゴメスに警告。

松本の大外と上原のハーフスペースで右サイドで連係。クロスには2トップとファーサイドのSHである平川の3枚が飛び込む。ゴール前に送った際に、磐田の枚数は2~3は確保されている。

45分、土居のフライスルーパスに鈴木が抜けてボレーで狙うも枠には飛ばせず。決定機。チャヴリッチの個人突破も効いた。磐田はチャヴリッチ×安西の縦抜けに苦戦している。

これまでは保持でつなぐ意識が高かった磐田だが、ペイショットが入っていることもあってか、この日は最終ラインからガンガン蹴っている印象がある。

 

鹿島は関川→藤井の一発展開からの仕掛けと、安西×チャヴリッチのスピードに優れたコンビでサイドの奥を取って攻めていく。磐田はプレスを掛けるよりも4-4ブロックを崩さないことを意識しつつ、トランジションで2トップを起点にしてコンビネーションから素早くゴールまで迫る。鹿島は名古や土居が絡んでサイドでのコンビネーションから突破して際どいボールを入れる、磐田は2トップのコンビネーションやサイドからのクロスで枚数をかけることでゴールへ迫る。鹿島の左サイド突破が効いたところで獲得したCKからPKを奪取し、先制したが、磐田もそれまでに質の高いチャンスを二度三度作っていた。ジャーメインが良い潤滑油になっており、背負いも足元での収めも秀逸。ボランチも加わってくるゴール前の圧力は高かった。

 

後半

鹿島交代

藤井→松村

磐田は2トップのCBアタック意識が高まり、2人の間が空きやすくなっている。間に顔を出すボランチに対しては磐田もボランチをマークにつかせて出ていく。鹿島は相手を引き出してからバイタルをのぞいてくる鈴木へロングボールを入れる。

松本と上原のコンビネーションがよく、右サイドはその2人のとおろで活性化している。右サイドからゴール前に送れたときには平川が+1ターゲットに。

上原が下りるボラ位置までついていき、ゴメスがバイタル管理。

上原の左下りビルドで3-1を作って2トップ脇から運ぶ。SBが切る位置を取って、SHがインサイドでパスコース作り。

59分、磐田交代

平川→古川

大外での古川の仕掛けに鹿島は2人で対応。相手SHを引きつけられていないので、古川が1対1になれない。

降りるボランチに上原がついてくることを利用し、もう1人のボランチが空いた場所に顔を出してフリーマン作り。そこにもマークにつかれたら名古が下りてきて枚数調整。

松原がオーバーラップをかけることで古川のカットインコースを空ける。

磐田が前向き矢印強めの守備になってきたので、名古がうまく降りてポイントになる鹿島。限られた時間でスキルが問われる仕事をしているが、うまく落としたりはたいたりして味方につなげるリンク役をこなせている。

磐田FWがGKまで寄せてきたときはボランチを経由してレイオフから浮いたCBへ預けて前進。磐田はプレスに出ていっているが、ハメ切れずに疑似カウンターを受けるシーンが目立つ。

古川は強引な仕掛けからでも際どいシーンを作る。コンビネーションでの打開が多かった1stセットから攻撃に色がつく。

磐田は2CBのみで最後方のリスク管理。鹿島は鈴木と名古が前残りしているので同数になる。

72分、磐田交代

ゴメス、松本→藤原、藤川

72分、鹿島交代

名古→パレジ

パレジが左SHに入り、チャヴリッチがトップへ移る。

2トップで中央プロテクト優先になった際には、古川が植田までジャンプしてプレスに出ていこうかうかがっている。

75分、古川が2人を引きつけてスルーパス。松村のチャンネルケアが遅れて上原が抜け出して折り返しから藤川が打つもブロックに遭って枠外へ。ビッグチャンス。鹿島は知念がサイドサポートに出たあとのスペース埋め判断に遅れが出た。

77分、鹿島交代

チャヴリッチ、土居→仲間、樋口

仲間が左SHに入り、パレジがトップへ移る。

相手2トップの間に立つ知念。受けたときに思いのほか圧縮してこないので、そのまま前を向いて前進成功。磐田は狙いどおりにボールを奪えない。

松村とパレジが位置を入れ替えている。

87分、知念が足を攣る。

88分、鹿島交代

知念→須貝

須貝を右SBに入れ、濃野をボランチへ移す。

鹿島はフレッシュになった前線がチェイシングを掛けて出所を制限。磐田はパワープレー気味に前へ送って行って陣地を上げに行く。

91分、PA内での混戦から最後はつないで上原がシュートも早川の正面。ビッグチャンスを決め切れず。

磐田の放り込みに対し、鹿島はSHが戻り切れておらず、回収部隊が少ないため、はね返したあとにマイボールにできない。

 

1点ビハインドの磐田は後半から守備で前向きの矢印を強めて追っていく。2トップが2CBにアタックに出て、降りるボランチには上原がマークして深くまでついていく。それに対して鹿島は、その3人を前に引きつけておいて、CBからの配球でバイタルに潜り込んでくる鈴木や名古を経由して、ポイントを作る。磐田はSHがあくまでもSB対応優先で、あまりプレスに出てこないことから、2トップと上原がどれだけ多くの人を消せるかに依存しており、鹿島は知念と土居、場合によっては名古も流動的に動きながらパスコースにのぞくことで、磐田が監視し切れない人を作り出して前進。疑似カウンターを多く繰りだした。磐田は主にトランジションから2トップの関係性で押し上げて攻撃に転じることはできていたが、プレスで主体的に奪うことはできず、ストレスは多かったように感じる。古川の投入後からは個人での打開という色がつき、鹿島がそこに2人つけてくるようなら、追い越しやインサイド抜けを使う。そこに人がつけば古川が空いて仕掛けやすくなる。古川サイドを軸にしつつ、左サイドからのクロスには2トップ+逆SHが入ってきてターゲットを3枚確保。古川→上原でPA内を取って藤川に決定機が訪れるも、決め切れなかったところがこの試合で一番のターニングポイントになったか。磐田はやりたいことができたかと言われたらかなり渋いが、チャンスの質で言えば相手を上回っていた印象。内容を踏まえれば、完封負けという結果は相応しくなかったかもしれない。ただ、鹿島が瀬戸際でしっかりと守れていたとも言える。最後は植田の壁が厚く、早川も落ち着いて処理できた。

 

個人的MOM

★関川 郁万

前半は対角フィードで攻撃を加速させ、先制点につながるPKを獲得した折り返しも。守備では藤川の決定機でシュートブロック。危険なシーンでは、シューターに最後のプレッシャーをかけていた。

 

磐田は上原が組み立てにも関与しながら、サイド攻撃で+1を作り、ゴール前にも入ってくる。守備では途中からアンカーつぶしを担うなど、仕事の幅と量がすさまじい。攻撃に変化をもたらしていた。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ランコ ポポヴィッチ監督 ]
非常に難しい試合でした。Jリーグに簡単な試合なんてないのですが、非常に難しい試合でした。今日の相手のパフォーマンスがわれわれの中にあるものを引き出してくれた試合だったと思います。

この2週間の中断期間でやりたいこともあったのですが、選手が全員そろわなかったことですべてができたわけではありませんでした。(佐野)海舟はトレーニングができませんでしたし、知念(慶)も離脱した期間がありました。チャッキー(チャヴリッチ)もそうです。(安西)幸輝は試合の3日前に離脱しました。

そういった中でもチャンスをしっかりモノにした、チャンスが巡ってきたときに自分の力を見せてくれた選手がいました。攻撃的で、ファンタジスタと言ってもいいくらい攻撃的である(土居)聖真と知念がボランチで並んでプレーするということは、鹿島に関わる人の中で誰一人として思わなかったのではないでしょうか。しかし、その2人が並んでプレーしても非常に良いものを見せてくれました。もちろん、彼ら2人だけで良いプレーをしたわけではありませんし、チーム全体でタフに戦えましたし、チーム全体でまとまって戦えたからこそ彼らも良いプレーができたと思っています。

良い時間帯では、良いアクションから、良いコンビネーションで決定的な場面を作れたシーンがありました。決め切らないといけない場面もいくつか作れました。そこに関しては、われわれが成長している証だと思います。今日こういった素晴らしい雰囲気を作ってくれたサポーターの皆さんには感謝しています。苦しい時間帯に力を貸し、背中を押してくれたのも彼らだと思います。

プランにはなかった選手交代、カードを切らないといけない決断を迫られたところもありました。しっかりと相手の攻撃をシャットアウトして無失点で切り抜けたところは非常に良かったと思います。個人名を挙げて特別に褒めることは本来ならあまりしたくないのですが、ギレ(ギリェルメ パレジ)についてはここで名前を挙げさせてもらいます。彼の姿勢であったり、普段から見せてくれる意欲は非常に素晴らしいですし、試合に出てチームのために自分の力を見せてくれるという意味で、彼は今日も全員の見本になるプレーを見せてくれました。最後、ガス欠になりそうなチームのエンジンにターボをかけてくれたのは彼です。だからこそ全員で勝ち取った勝利だと思いますし、チーム全員で取った勝点3だと思います。

--ボランチに土居選手を起用した狙いは?
聖真が入ったことで中盤に落ち着きをもたらしてくれたと思います。彼のところでボールがしっかり収まって、正確なボールを前に供給してくれる場面が何回かありました。そこが試合を分けた側面もあると思います。

彼ら(磐田)は逆にボランチにパワー系のフィジカルの強い選手を前節から替えて置いてきました。われわれは逆に、フィジカルの強さ的には劣るかもしれませんが、しっかり前にボールを供給できる選手を置きました。相手のことをどうこう言うつもりはまったくありません。ただ、私はサッカーは頭でやるもので、聖真はサッカーに関する賢さを持っている選手だと思います。もちろん、結果が伴わなかったら「この監督、何をやってるんだ!ボランチに土居 聖真を置くなんて考えられない!」と言われていたかもしれません。ただ、聖真は自分のパフォーマンスで、私がチームにもたらしたかったこと、そして彼がチームにもたらせることをしっかり証明してくれました。やはり、ボールを落ち着かせることができなかったら、良い守備もできないし、良い攻撃もできません。どういうことかというと、ボールを奪って前に出ていきたいんですけど、前に出ていくときにそのパスをインターセプトされてしまったら、前に出ていく場面でまた戻らなければなりません。ちょうど(0-1で敗れた前々節・)町田戦みたいにです。

 

[ 横内 昭展監督 ]
今日も1,200人以上のサポーターから相手チームの声に負けないくらいの大きな声援を頂いたが、それに応えることができずに非常に申し訳ないと思っています。われわれが2週間で鹿島戦に向けて準備してきたことを本当に選手たちがピッチで表現してくれたと思っています。ただ、勝点を持ち帰れない結果になってしまいました。そこは謙虚に、まだまだわれわれに力が足りない、良い試合をしても勝点を持ち帰れないところはまだ足りない部分が多いと思っています。

--ゲーム内容の部分で評価しているポイントはありますか?
今日のゲームのポイントの1つは、切り替えの部分があったと思っています。そこに関してはトレーニングでもやってきましたし、選手たちもトレーニングからすごく理解してくれた。鹿島のストロングはそこに強度もついてくる。そこに対しても今日は向き合ってやれたと思っています。ただ、すべてに勝利できたわけではないですし、相手のストロングを出させてしまって決定機も作られてしまったので、満足はしていません。いまいる選手が持っているものを十分に発揮してトライしてくれたと思っています。

 

2024 J1第5節 セレッソ大阪vs湘南ベルマーレ メモ

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スタメン

湘南はソンボムグンが初先発。小野瀬が初のメンバー入り。

セレッソは柴山が出場停止。ルーカスが負傷明けで先発復帰。

流れ

セアラがチェイスし、ルーカスがキムミンテまでアタックに出る。

湘南は4-4-2ブロック。

序盤はつなぎにこだわらず、2トップへ蹴っ飛ばしていく湘南。

セレッソはミドル損では4-1-4-1セット。

降りる田中聡にはブエノが深めまでついて行く。

毎熊に内側から寄せる平岡。ブエノが縦パスのコースを作り、そこには田中聡がマーク。

湘南は鈴木雄を絞らせ気味で3バックっぽい組み立てになっている?杉岡が少し高めの左上がり。

自陣トランジションではセアラが低い位置で背負ってキープすることで押し返しのポイントを作る。

登里が内に絞るいつもの3-2ビルド。左SB位置に置くのが流れることでSH裏に潜り込む。

16分、ルキアンのフリックから湘南のカウンター。鈴木章→平岡→杉岡とつないで最後はルキアンがプッシュするもセレッソが決死のブロックで枠内へは入れさせず。

内から寄せてくる平岡に対し、外の縦スペースを使って運び出す毎熊。ルーカスに預けてそのままインサイドを縦に抜けていく。

21分、杉岡とキムミンテの息が合わず、バックパスミス。セアラがさらって折り返すもブエノにはうまく合わず。湘南は痛恨のミスも失点にはつながらず。

セレッソが前向きに奪いにきたところをうまく外すことでオープンな局面の攻撃に持ち込めている湘南。崩しの意識が高いため、つながれば質の高い攻撃になるが、パスがズレるとシュートチャンスを失う。

トランジションで受け手に激しく寄せる田中聡。一度外されてもすぐに戻って二度目のチャレンジに移行する。

ルーカスへのチェックは杉岡がまず寄せてから平岡と2トップの一角がプレスバックに戻ってきて複数人で囲い込む。

湘南は右サイド起点のコンビネーションと左サイドから杉岡のクロスで攻める。

湘南は高い位置で奪ってから杉岡が素早く上がってきてクロス。前4枚で3-2ビルドにけん制を掛けながら、セレッソの前進ポイントを消す。

2トップがゴール前に入っていればシンプルにクロスを上げる湘南。杉岡も鈴木雄も低めのクロス精度の高さがあるので、ターゲットタイプ2人が入っていれば十分に際どいボールが入ってくる。

湘南は自陣撤退時、4-4-ブロックと2トップが若干分かれているイメージで、中盤ライン前のスペースは使える。

舩木のクサビでブエノがライン間で受けて前進。湘南は出所にプレスを掛けないと、選手間のパスコースやラライン間を使われる。セレッソはパスコースが見えれば積極的に縦に刺していく。

毎熊の縦運びに対して、田中駿が場所を埋めて、ブエノがボランチ位置に下りて全体のバランスを調整。

 

湘南が2トップと平岡で3バック化する3枚に当てて、前4枚が背中を切りつつ中央へのコース切も意識して3-2ビルドを効果的に機能させない。平岡が内から寄せてくるのに対し、毎熊が外のコースに運び出して違いを出そうとしていたが、平岡も簡単には振り切られず、時間はもらえない。また、中央は田中が何度も球際へ寄せていって、一度外されてももう一度チャレンジする局面を作っていく。ルーカスに対しては徹底して複数人で囲い込む。湘南の寄せやコース切りが甘くなったときには2トップ裏で登里、ライン間でブエノが受けてスピードを上げるなど、セレッソらしい中央経由の前進ができていた。湘南はルキアンのスピードや競り合いの強さを生かして起点を作り、主にカウンターからチャンスを創出。3人程度が絡んだコンビネーションや杉岡のクロスなどから惜しいチャンスを作ったが、セレッソも最後のところは踏ん張った。湘南のミスから迎えたセレッソの決定機も含め、互いに1点ぶんくらいのビッグチャンスがあったが、スコアレスでの折り返し。

 

後半

セアラがサイド制限役で、ブエノがキムミンテにけん制をかける。

平岡がIH位置に下りてきて縦パスを引き出す。毎熊が深めまでついてくる。

セレッソは2トップの1枚がCBに寄せたらもう1人は田中を監視。逆のCBが空くので、湘南はそこまで流して前進。

池田は舩木のところへのアタックを匂わせる中間ポジションを取る。そのサイドの中盤が空くため、奥埜がそこに流れて背中に入る。

セレッソは後半、一発でカピシャーバの裏を狙うシーンが多い。ショートパスでの前進も、ロングボールからの押し上げもあまり思いどおりにできていない。

湘南2トップの中央プロテクトが甘くなると田中に背後で受けられて一気にスピードアップされる。湘南SHが4トップ気味に前をにらむため、セレッソは一度中央に刺せたらサイド起点で運んでいける。

59分、セレッソ先制、1-0。CKから舩木が合わせてゲット。ゾーンで守る湘南に対し、大岩と茨田の間が空いたところを見逃さず、舩木がうまく後ろから入り込んで合わせた。

62分、湘南交代

池田、茨田、平岡→小野瀬、奥野、畑

畑が右SH、小野瀬が左SHに入る。

65分、カピシャーバが外切りでプレスをかけて、大岩のタッチミスからさらってカウンター。最後はセアラに決定機が訪れるもソンボムグンが距離を詰めてビッグセーブ。両韓国籍GKが奮闘。

72分、セレッソ交代

ルーカス→為田

湘南交代

鈴木章→阿部

小野瀬、奥野、阿部とガンバ色の強い選手投入をしていく湘南。

為田が左WGに入り、カピシャーバが右に移る。

カピシャーバのプレスを外して、その背後にもぐる平岡を使う。そこには田中駿がスライドで対応。

湘南は平岡に当ててから横に下りてくる阿部を起点にしようとするが、セレッソもマークと圧縮の整理ができている。

湘南は4-4でPA近辺を固め、ルキアンがボールサイドの外で待ってトランジションから押し返す役割。

78分、セレッソ交代

ブエノ→北野

79分、湘南交代

大岩→福田

鈴木雄が右CB、畑が右SBに移り、福田が右SHに入る。

81分、セレッソ追加点、2-0。後方からのロングボールでワンクッション挟んでから北野が抜け出してゲット。北野は投入後に早速ひと仕事。

セレッソがサイドでのパス交換から突破口を探しつつ、深い位置で時間を使ってコントロール。ロスト後も素早く囲い込んで湘南に時間を与えない。湘南はつないで局面を打開しようとするが、狭いエリアから抜け出せずに息継ぎをさせてもらえない。

88分、セレッソ交代

セアラ、奥埜→渡邉、上門

アンカー脇に出てくる福田に当ててから右サイドを縦に抜けていく湘南。

大外で持ったときは1人がSBに走り、空けたパスコースの延長線上に入り込んでくる湘南。相手の動き方によって縦と横を使い分ける。

 

後半立ち上がりは湘南が4トップ気味でセレッソのビルドアップに制限をかけて前進を抑止できていたが、セレッソも一瞬の隙があれば中央経由でサイドに展開して仕掛ける流れを作り出す。先にビッグチャンスを迎えたのは湘南だったものの、ジンヒョンのビッグセーブで止め、その後にセットプレーからセレッソが先制。一度押し込むフェーズを作り出せさえすれば、セレッソはカウンタープレスが機能し、攻撃の時間を長くできた。湘南はビハインドを背負ったことで、ボールを持つフェーズを作らなければならなくなり、平岡を経由する前進で何度か敵陣へ入り込むことはできたが、脅威は与えられず。また、ビルドアップで無理をすることが多くなり、ロストからピンチを迎える場面も増えた。セレッソは終盤はしたたかにゲームをコントロールし、しっかりと追加点も取って危なげなくクローズした。序盤は守り切るフェーズに入ってから逃げ切れずに落とした勝点があったり、バタバタしたりしていたが、ここ2試合はセーフティーに試合をクローズできている印象。湘南はプランの遂行は悪くなかったが、ペースを握った時間帯でそこまでチャンスを作れず、また、訪れたチャンスを決め切れなかったことで難しくなっていった。

 

個人的MOM

★キム ジンヒョン

自分たちの時間ではないときに迎えたピンチをしっかりと止めたことで相手にペースを渡さなかったのは大きかった。結果的に2点目のゴールの起点にもなった。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 小菊 昭雄監督 ]
前半は一進一退、お互いにチャンスを作って、非常に強度の高い前半でした。前半は我慢の時間帯もありました。前節の鳥栖戦と同様、選手たちと共有しながらゲームを進めることができました。相手のカウンターやリスタートからピンチもあったのですが、焦れずに全員でゲームをコントロールできたことが後半につながったと思います。

後半は想定どおり、しっかりと自分たちでゲームをコントロールする時間帯も増えてきて、意図的にボールを運んで、ファイナルゾーンに前進していく。その中で、セットプレーから点が取れたこと、こういう勝ち方ができたことはチームの成長を感じます。強くてうまくてしたたかなチームに成長しつつあるという実感があります。追加点も挙げることができて、素晴らしい試合になりました。ただ、課題はまだまだあります。自信は持ちながらも過信にならないように、チーム全体でやっていきたいと思います。

--今季は「勝って修正」ということを選手もよく話している。あえて課題に目を向けると、前半はややパスが引っかかる、カウンターを受けるシーンも多かったが、その原因について。
相手を見ながら、ロングボールとショートパスを使い分けること。相手の矢印がどうなのか。そのジャッジのところ(が課題)。強く前向きに矢印を向けてくるなら、その矢印を折りながら前進していく(ことが大事)。矢印が強いときにショートパスを多用し過ぎて、カウンターで運ばれた。そこがまず1点と、攻めているときのバランス、ポジショニング。そのあたりはハーフタイムでも修正した。その2点が、前半はボールを握りながらもカウンターを受けるシーンが多かった理由だと思います。

--アカデミー出身の2選手の得点で勝利できたことについて。
アカデミーの選手たち、スタッフに希望を与える素晴らしい活躍をしてくれたと思います。私自身もうれしかったです。(舩木)翔に関しては、チーム事情で本来のポジションとは違うCBをやってくれているのですが、日に日に試合ごとに成長していると感じています。本来のビルドアップの素晴らしさに加えて、守備の部分でも予測、守備範囲、対人プレーでも負けず、高さもあって、駆け引きもうまい。どんどん成長しています。たくさんある武器の1つに、セットプレーからの得点もあります。どんどん結果として示してほしいです。まだまだ成長していく選手だとあらためて感じています。

(北野)颯太はケガで長い間苦労したのですが、もともと彼のことは、セレッソの宝、セレッソの明るい未来というだけではなく、日本を代表する選手に成長していく選手だと以前から言っています。そこはいまも変わっていないですし、ケガをしたことで、サッカーに取り組む姿勢もさらに高くなったと思います。翔と同様、彼のこれからの成長にも大いに期待しています。

 

[ 山口 智監督 ]
トータルで見ると、自分たちの力負けだと思います。前半はチャンスもありましたが、ピンチもあった中でよくしのいでくれたという捉え方と、決め切りたかったというところ。後半に関しては、相手の時間帯になってセットプレーから失点をしてしまった。課題の残るゲームになりました。

--失点までの流れを思うと、もったいない印象も残る。
もったいない、という捉え方もできると思いますし、攻守に意図してできたところもありました。でも、もったいないというだけではなく、勝てていない現状には甘さがある。やらないといけないことはあります。相手のミスを誘ってカウンターというシーンもありましたが、そこにもっともっと人数をかけていきたかった思いがあります。

 

2024 J1第5節 浦和レッズvsアビスパ福岡 メモ

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スタメン

浦和は大久保が負傷明けで初のメンバー入りで先発。関根が欠場。監督コメントによるとケガをした模様。岩尾が初先発。

福岡は宮が初のメンバー入りで先発。ザヘディが初先発。

 

流れ

福岡は岩崎とザヘディの2トップ気味。紺野が渡邊をチェック。GKまえ寄せに行った際にはザヘディが中央プロテクトで紺野がホイブラーテンまで出ていった。

岩崎が佐藤へのアタックへ行きながら、酒井へのプレスバックにもいく1人2役。開幕戦にもやっていたタスク。ただ、前嶋も縦スライドでSBまで出ていく。

福岡が一度セットしたところからプレスを掛けていくため、浦和の保持と福岡の非保持という構図が早くからでき上がる。

サイドに流れて受けようとする伊藤には前がついていく。

かなり前方向への強さを出していく松岡。寄せとあたりが激しい。

酒井に所は岩崎のプレスバックと前嶋の縦スライドで半々ずつ見ているようなイメージなので、若干時間をもらいやすい印象。

浦和は後方からつないでいくよりも、シンプルに前へ送ってからのセカンド回収狙いも多い。

ゴールキックでは、ザヘディが中央プロテクト、シャドーがCBへのアタックを担う。ザヘディがグスタフソンを見ていることを利用して、グスタフソンがサイドへ流れてアンカー位置を空け、そこに岩尾が入ってきてフリーマンを生み出す。

福岡はプレスの掛け方を左右で同じに変えた?紺野もホイブラーテンに出ていくようになった。

浦和は伊藤と岩尾が下りて両ボランチを引き出してから、その背後にグスタフソンが潜り込んで前田へ展開。IHとアンカーの入れ替わりで相手のマークを惑わす。

大久保が大外で張って湯澤をピン止めし、渡邊をフリーにする。福岡は紺野がCBのほうに出ていくようになったので、SBへの寄せをどうやっていくかがぼやけている。

前嶋のほうは比較的早くから高い位置を取ってSBへのプレスを見せるが、湯澤の方はワンテンポ遅れてくる印象。

27分、福岡先制、0-1。トランジションの連続からザヘディが運んで遠目から狙ってネトを揺らす。渡邊がパスカットをミスし、運ばれたところから痛恨の失点。ザヘディは選択肢が限られた状態だったが、浦和はコースを消し切れなかった。

福岡は前プレをやめ、3トップで中央3レーンを埋めながら、シャドーがSBの幅も見る。中央を埋めきれないところはボランチが出てきて迎撃。

岩崎が背後に出てくる伊藤を気にしながら佐藤のところへプレスに出ていき、1人の強度で蹴らせるところまで持っていく。

岩崎が酒井まで見に行って、前嶋がステイするときは、前田が前嶋をピン止めしておいて、ボランチ脇に出てくる伊藤を使う。

伊藤が右サイド流れで+1を作ろうとしているが、前がついて行くことと、宮がスライドで大外までカバーが間に合っていることで、前進の形は作れていない。

福岡はリードを得たこともあってか、重心を下げて、無理にバランスを崩さないセットに変えたので、浦和は保持ラインは上げられるが、ブロックの穴を見つけることは難しくなっている。

41分、岩崎がしつこく寄せてグスタフソンからボールを奪い、カウンターから紺野のフィニッシュまで持ち込むも、ループは西川の手中に。

41分、宮に警告。

42分、浦和の波状攻撃。PA内で混戦を作ったあとにグスタフソンのミドル。永石が好セーブ。福岡はゴール前でのブロックが強い。

大久保が湯澤を中に引き寄せておいて、岩尾がサイド奥に走って深さ作り。

 

浦和の保持と福岡の非保持という構図で進行。福岡は岩崎とザヘディで2CBにプレスを掛けるプランでスタートしたが、途中から紺野サイドもCBにアタックに出すようになり、ザヘディを中央プロテクトタスクに変更。ただ、浦和のSBまでプレスに出ていくのに時間がかかってしまうシーンが散見され、あまり効果的なプレスにはできず。それでもトランジションからザヘディが決め切ってリードを得ることに成功すると、ラインを下げて、前プレを中止。3トップで中央3レーンを封鎖したところから、SBの幅まで追いかけて、後ろから人を押し出さない形に修正。5バックが見なければならない人を整理した。浦和は伊藤が右サイドに流れて酒井と前田の中継点になろうとしていたが、前がしっかりとついてきたこと、前嶋がズレても宮がスライドで十分に対応できていたことから円滑にはできず。福岡のプレスがうまくハマっていたとは言い難いが、三度の細かい調整を施しながら無失点かつ1点のリードを得て折り返すことに成功した。

 

後半

シャドーが前に出てくることから、SBへの寄せが若干遅れ始めており、渡邊のところで湯澤を引き出してから、大外へ張る大久保へ届ける形が見え始めている。紺野がSBのところまで戻り切れず、湯澤が迷い、田代もスライドが遅れるという順序。

大久保が中に入ってマーカーを引き連れ、大外で渡邊を浮かす。

敵陣に入ったときに渡邊が大外で浮き、仕掛けるシーンが増えた。

福岡は撤退時、ザヘディ以外の全員を深くまで下げて5-4ブロックを形成。

58分、福岡交代

ザヘディ、宮→ウェリントン、井上

宮は復帰初戦なので、プレータイムコントロール

浦和交代

大久保→大畑

そのまま左WGに入る。大久保も復帰初戦なのでプレータイムコントロール

福岡は自陣トランジションからザヘディ、交代後はウェリントンに預けてポイントを作ろうとするが、浦和両CBがかなりタイトに寄せてクリーンにつぶし続ける。

62分、福岡がWBの左右を入れ替えた。

岩崎がプレススイッチを入れて、佐藤→ホイブラーテンのパスで紺野も前に出ていくが、SBに出されたあとの寄せはワンテンポ遅れる。

浦和は大畑と渡邊の前後を入れ替えた。渡邊がインサイドに入り、大畑が大外レーン担当。

64分、浦和同点、1-1。福岡が重心を下げて守っているところで酒井がシンプルにクロス。ファーの前嶋の頭を越えたところで渡邊がうまく合わせてゲット。後半は渡邊がずっと大外で浮いており、その形が得点に結びついた。

65分、湯澤と前嶋の位置が元に戻る。

浦和は自陣では4-5-1ブロック。

福岡は前3枚が強気にプレスへ出ていくが、前の強度と全体の連動が甘くなってきている印象で、浦和は最後方から空いたところへ縦につけて前進していける。

70分、井上のハンドで浦和がPK獲得。前田の仕掛けからのシュートで井上がゴールカバーに戻ったところで手に当たった。おそらく枠外だったため、警告で済んだ。

72分、浦和逆転、2-1。サンタナがPKを決めた。

ビハインドになった福岡は前プレを強めてボールを奪いにいく。

74分、福岡交代

紺野、湯澤→金森、小田

浦和は非保持時、渡邊が大畑の外を埋めて、ファーサイドへのクロスをケアする。

76分、浦和交代

伊藤→中島

中島がトップ下に入り、4-4-2ベースのセットに変わった。

福岡が前向きの矢印を強くし、敵陣へ入ってゴール前の圧力を高めていく。

奈良が酒井との接触で脳震盪の確認?一時ピッチを出る。

福岡の矢印が前向きに強くなっているため、トランジションでスペースを得やすい浦和。中島が足元でもらって運び出していく。

前が右に下りて3-1の形を作り、2トップに対して数的優位を作る。

なかなかプレーが切れず、奈良の交代ができないため、10人でのプレーが続く。

86分、福岡交代

奈良、松岡→重見、鶴野

奈良は脳震盪による交代で交代枚数に含まれない。

浦和交代

サンタナ→興梠

福岡は4-4-2に変更。

中島は左に流れることが多く、渡邊と連係して囲いに来る相手をいなしていく。

左からウェリントンを目指してロングボールを入れるパワープレー。

岩尾が足を攣る。

最後はウェリントンを生かしたパワープレーで際どいシーンを作るも、ゴールを割ることはできず、浦和が逃げ切り成功。

 

福岡はミドルゾーンで構えながら岩崎がプレススイッチを入れて、それに紺野が連動していく形で入る。ただ、SBのところまでのアプローチがやや曖昧で、渡邊のところを起点に浦和が左サイドでの小さい穴を見つけていく。そこで時間を作れることも含め、相手陣でボールを持ちながらゴールへ送り込める回数も増え、渡邊が大外で浮く形ができてくる。そして、右サイドからのクロスを入れたところに渡邊が大外で浮いて同点に追いつき、福岡のプレスが半端になっているところから前田が仕掛けてPK獲得。逆転に成功。終盤は福岡がウェリントンを軸にしたパワープレーでゴールへ迫り、際どいシーンを作ったものの、浦和が逃げ切り成功。福岡は前半からハマっていなかったSBへのアプローチの課題が後半も出て、そこが解決できないまま進んだことでペースをつかめず。浦和はリードしたあとに後ろを固めるのではなく、中島を入れて推進力を高める選択を取ったのも色が出ていて面白かった。

 

個人的MOM

★渡邊 凌磨

これまでは立ち位置固定もあって苦しそうに見える試合が多かったが、この試合では福岡のプレスとの相性もあり、時間をもらえるシーンが多かった。特に後半は彼のところを起点にしてズレを作ったり、大外で浮いて仕掛けたりと存在感があった。得点のご褒美も。

永石は決定機を二度ほど止めたが、勝点獲得には結びつかず。

 

トピックス

奈良が脳震盪の疑いで交代。連戦の残り2試合は欠場が濃厚?

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ペア マティアス ヘグモ監督 ]
本日の試合は、アビスパに感謝したいと思います。前半で4つの大きなチャンスを作ることができました。相手が作ったチャンスは1回です。しかし、ハーフタイムでは0-1とリードされていました。ハーフタイムでは、選手たちには落ち着いてボールを動かそう、無理に難しいところを通そうとするのは避けようという話をしました。前半はダイレクトに狙い過ぎたプレーが多かったので、後半はよりサイドからサイドにボールを動かしながらギャップを作ろうという話をしました。

その後半では、6つか7つくらいの大きなチャンスを作って2点取ることができました。2-1になったあとに、あまり行かなくなったことには満足していません。攻め続けて3点目、4点目を取りにいかないといけません。アビスパも攻めにきていましたので、試合を終わらせるためにも攻めなければいけません。アビスパもわれわれを押し込む時間帯がありました。

攻撃でたくさんの良いプレーが見られたと思います。素晴らしいサポーターの前で勝利を収めることができてうれしいです。

--関根 貴大がベンチ外となっていたが、彼に何かあったのか。
関根は火曜日にケガをして、本日の試合に間に合いませんでした。松尾(佑介)もケガをして戻ってきている状態で本日はベンチに入りましたが、3連戦ですので、本日はできればリスクを冒したくない、使いたくないと考えていました。

--大きなチャンスを先に仕留めることができずに相手に流れを渡してしまったと思う。強いクラブの戦いぶりではないと思うが、これを改善するには?
試合は90分ですが、本日のようなマンツーマン気味にマークするチームと対戦するときには、スペースを見つけながらプレーすることになります。ケガ人が出て少しメンバーは変わりましたが、選手の関係性のところを深めていけば、より連動してスペースを見つけていくことができると思います。

前半は前線で3対3になるような場面がありましたので、(前田)直輝とトモ(大久保 智明)が前に張ることによって、そこを使おうというプレーが多かったと思います。そしてトモにとっては本日が(今季)初めての試合でしたので、個の関係性の中で今後良くなっていくと思います。

 

[ 長谷部 茂利監督 ]
立ち上がりにピンチもありましたが、失点するまでは自分たちの戦いがある程度できたんじゃないかなという印象です。ただ、ピンチを最後のところでセーブやブロックで返すところもあったので、もう少し前でボールを取りたかったなということも感じています。

最後は形を変えながらどうにか1点取ろうとやっていましたが、残念ながら敗戦してしまいました。2連敗は残念ですし、次こそはという思いです。

--シャハブ ザヘディが先発し、1トップかと思っていたが、下がった位置でプレーすることも多かった。狙いと評価は?
1トップ、2トップというよりは、彼が真ん中気味でボールを引き出したり守備をしたりというタスクを与えていました。シュートもタイミングも良いしコースも良いし、センスがありますね。ああいうプレーと、またゴール前でもう少し良いボールが入れば、点を取れるんじゃないかなという思いはありますけど、得点を挙げて良い動きをしてくれたので、十分良い働きをしてくれたと思います。

--奪ったあとにもう少しつなげると展開も違ったのではと思ったが?
そのとおりだと思います。粘り強く守備をし、そこから攻撃へ準備をして押し返していく力がないと、押し込まれていつかは失点してしまいます。ただ、失点の場面だけを見ると、簡単だったなと思います。あれだけしぶとく、粘り強く守っている中で、ああいうふうに簡単に失点をしてしまうというのがこの競技であり、自分たちの物足りないところ、弱さだなと思います。

 

2024 J1第5節 川崎フロンターレvsFC東京 メモ

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スタメン

川崎は欠場していたエリソンが先発復帰。丸山が欠場。山本が初のベンチスタート。

東京は前節欠場したディエゴと小柏がメンバー復帰。

 

流れ

川崎は4-2-3-1スタート。エリソンがサイド制限役で、脇坂がアンカー位置を捕まえる。

東京はボランチがチャンネルを埋め、もう1人のボランチがバイタルケア。

東京は4-4-2セット。CBに出たタイミングでプレススイッチを入れる。かみ合うので、そこから人を当ててプレスを掛ける。川崎は落としから背中側を取る動きでスペースを突こうとする。

川崎は2CBとボランチのボックスビルド。ボランチがアンカー位置と最終ラインを移動しながら基準ずらしを図る。

7分、小泉からのすらしを荒木が受けてプレス回避成功。そこからのスピードアップで遠藤が突破。

東京はロスト後にすぐカウンタープレスを掛けに行く。両ボランチがどちらも前に出ていくシーンがあるのはリスク管理としてどうか。ロスト後にエリソンに運ばれるシーンも。

小泉の左下りでエリソンに守備基準を2つ作り、高を経由してCBをフリーにする。保持ラインを上げるのには苦労していない東京。

川崎はボランチを1枚上げてアンカー番をつけることで、東京のプレス回避を許さないバランスに変えた?2トップは前にプレスを掛ける役割に専念させる。

ゴールキックでは、両SHがCB位置までアタックに出てきて、エリソンが中央プロテクト。川崎はよりプレスを掛けて前に出ていくやり方にシフトした?

26分、木本に警告。

瀬古と橘田のパス交換で目線をずらして前進する川崎。東京はサイドへ誘導して、SHとSBのところで球際を作れればハメられている。

34分、川崎先制、1-0。三浦が長友とのマッチアップからDF-GK間に流し込むと木本がクリアし切れず、ポストに当たると、跳ね返りを脇坂が押し込んでゲット。三浦が縦に抜けきってクロスを上げたところで東京の最終ラインは対応が難しくなった。

川崎はプレスに出てこず、ミドルゾーンで構えるように。

松木が左流れでフリースペースに入ろうとするが、川崎がDF-MFラインをコンパクトに保てているため、アプローチが間に合う。

42分、ライン間で受けた小泉がプレー選択を迷ったところで4人で囲い込まれてロストから被決定機。後ろからの寄せに気づいていなかったか。東京はパス交換にテンポが出ず、川崎の守備基準にズレが作れていない。

 

立ち上がりは東京が2ボランチの立ち位置調整で川崎の2トップをうまく外しながら保持のラインを上げることに成功。そこから遠藤の縦突破クロスなどでチャンスを作ろうとしたが、効果的な攻撃にはならず。川崎は途中から中盤の選手を押し上げて東京のCBとボランチに人を当てながらプレスを掛けるようになると徐々にペースを握っていく。東京も小泉→荒木とつながってスピードアップする形などがありながらも、安定して保持の時間確保と、保持ラインを上げることができなくなる。また、東京は4-4-2でプレスを掛けていく中、SBのところで球際が作れたが、中盤で目線をずらされるとなかなか奪いどころを作れず。

 

後半

立ち上がりは川崎が敵陣保持からカウンタープレスで即時奪回し、攻撃のフェーズを続ける。東京は2トップも低い位置まで戻ってくることもあり、前線のポイントがない。

川崎は非保持時にエリソンと家長を押し返し要員に使い、推進力で押し上げていく。

荒木と松木が下りて受けに行くため、左サイドにボールがあるときは仲川がストライカーポジションに流れてくる。

川崎は2トップが中央プロテクトしながらCBの運びをけん制。SBが高い位置で受けられれば、相手SHが押し下がり、そのスペースで受け直すことで保持ラインは上げられる。

63分、家長が大外に出たことで長友が吸い寄せられ、チャンネルで三浦が完全に浮く。

63分、東京交代

遠藤、荒木、松木→シルバ、小柏、ディエゴ

川崎交代

瀬川→佐々木

71分、ドグソで波多野に一発レッド。東京は両SBが上がっているために、トランジションでそこを使われるケースが増えており、川崎は遠野がそこで受けてからのラストパスで急所を突いた。木本が走れなくなっていたので、波多野は出ていく選択肢しかなかった。

75分、東京交代

仲川→野澤大

東京は4-4-1と4-2-3のスイッチシステム。

東京は保持して地上戦で攻める。ディエゴの収めで時間を作る。

80分、川崎交代

エリソン、遠野→山田、山内

82分、川崎追加点、2-0。山内がスペースに抜け出して仕掛けから折り返し。山田が合わせてゲット。投入したばかりの選手2人が早速ゴールにつなげる仕事を完遂。

83分、東京交代

木本→中村

中村を右SBに入れて、長友を内に入れる。

91分、川崎追加点、3-0。オープン局面から左→中央とつないで橘田が振り抜いてゲット。東京は自陣へ戻る体力も気力も残っておらず。2人前に入っていたが、ブロックも効かなかった。

93分、川崎交代

脇坂、家長→小林、山本

 

後半は終始球際、切り替えの速さで上回り、東京は自陣からなかなか抜け出せず。東京は保持でも地上でつなげず、選択肢がなくなった中でのロングボールを蹴るだけになってしまい、そこから回収した川崎が攻撃を続ける展開に。川崎は左サイドの連係や、トランジションからSB裏を突く攻撃でゴールへ迫る。その中で東京はハイラインの背後を突かれて波多野が退場。川崎は交代選手が2人の関係性で2点目を奪取し、最後に3点目を取って勝負あり。各局面で川崎が上回り続け、東京は何もできないままゲームが終了した。

 

個人的MOM

★橘田 健人

各所でのバトルで完勝し、敵陣保持と攻撃を続けるために大きな役割を果たした。また、保持でもさすがのスキルで落ち着きどころになったほか、前進の起点になった。最後には得点のご褒美も。

 

トピックス

波多野が一発退場で次節出場停止。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 鬼木 達監督 ]
まず多くのサポーターの方に集まっていただいたこと、連敗をしていて苦しい状況でしたが、選手たちが自分たちらしく闘う姿勢とゴールへの意欲をしっかりと見せてくれたことに感謝しています。

ゲームのほうは自分たちがこれから目指していこうというものをアグレッシブに出してくれたと思いますし、何より闘う部分、走る部分を欠かさず、やるべきことをしっかりとやってくれたことが良かったと思います。ただ、この1勝に満足するのではなく、ここからがスタートだと思って、とにかく次のゲームに勝たないと意味がないので、しっかりとつなげていきたいと思います。

--中盤の配置をダブルボランチにしてこれまでと少し変えたが、良い形でボールを奪い返して攻撃に転じる場面もあったと思う。狙いと評価は?また、これが今季の戦い方のベースになるのか?
ここまでの戦い方を考えた中で、システムのところも含めて考えなければいけないというところに至っていました。ただ、システムだけではなく、自分たちの本来目指しているものをしっかりと出せる状況をどうやって作り上げていくかということも考えながらの形になりました。短い間ですけど、選手たちがしっかりと取り組んでいければと思いますし、また今後、改善も含めて良い形で続けていければと思っています。

--クラブの哲学をベースに、アカデミー出身選手も躍動して、J1ホーム通算200勝目を挙げたが、鬼木監督が現役のころから積み上げてきた勝利の数ということで感慨などはあるか?
こういうものはいろいろな方々の歴史が詰まったものだと思いますし、200勝という記念のゲームがクラシコの勝利ということ、また今季ホーム初勝利ということ、いろいろなものが詰まったものがあったからこそ、こういうゲームができたと思っています。まずこういう舞台に立てたことに感謝しています。大事なのはやはり次の201勝目、そういうものにしっかりとつなげていきたいです。また、今日のゲームではスタートの選手だけではなく、交代選手が非常に重要になると話していた中で、いま言われたようなアカデミー出身の選手たちが活躍するのも感慨深いものがあります。続けていくこと、競争していくことが重要だと思います。

 

[ ピーター クラモフスキー監督 ]
結果が出なかったことで全員が痛みを感じております。パフォーマンスを見てみると、最初の60分から70分までは何かが多くあったわけではなかったと思っています。接戦の中で相手が1つの場面で決め切ったと思います。自分たちのフットボールを続けていけばまた流れが来て、報いが返ってくると思って戦いを続けていました。その中で1人少ない状況になって試合は難しくなってしまいましたが、選手たちは必死に同点に追いつこうとアグレッシブに戦ってくれました。しかし、失点を重ねてゲームを決め切られたと思っています。みんなが痛みを感じていますので、もっと強くなって帰ってきたいと思っています。

--後半に3枚代えを行いましたが、予定どおりの交代だったのでしょうか?
少しフレッシュな選手を出すことのバランスを考えて使いました。攻撃にエネルギーを注ごうと思って、タロウ(荒木 遼太郎)、(松木)玖生、(遠藤)渓太は非常によくやってくれていた中で、ディエゴ(オリヴェイラ)、(小柏)剛、ジャジャ(シルバ)を使って攻撃のエネルギーを付け加えようとしました。そこまで試合に大きな場面はなかったと思うので、1つの場面が自分たちに来るようにと考えていました。そのあと、すぐに10人になってしまったので、登る山が高くなってしまったと思っています。10人でもアグレッシブに戦い、同点に追いつこうと必死に戦ってくれたと思っています。選手たちはすべてを出し切ってくれたと思いますけど、ここで勝点をつかめませんでした。ファン・サポーターに笑顔をもたらすことができなくて、残念に思っております。

--最後の交代カードとして中村 帆高選手を投入したのは、木本 恭生選手の状態の問題なのか、戦術的なものだったのでしょうか?
木本を代えようと思っていたわけではなかったですけど、「つりそう」という話がありました。攻撃的にどういった場面を作っていけるかと考えていました。帆高は前に行ったり戻ったりできる選手で、そこのパワーを使えればと思って起用しました。

 

2024 J1第5節 サンフレッチェ広島vsガンバ大阪 メモ

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スタメン

広島はソティリウが欠場で松本泰が今季初先発。

ガンバは松田が負傷離脱。前節欠場した三浦が先発復帰。岸本が欠場で、逆に欠場していたアラーノが先発復帰。

 

流れ

広島はいつものお得意の東が持ったところから加藤が半端な位置を取って、その後ろに1トップが入る形。加藤がサイド裏に走れば大橋へのパスコースが空く。

ガンバは宇佐美がプレススイッチを入れる役。

広島は3トップに加え、逆サイドのWB、状況に応じてボランチもボックス内に入ることでクロスターゲットが4枚前後入る。

ガンバは前からプレスを掛けていくというよりも、ある程度ミドルゾーンで構えてから守備をスタートするイメージ。プレスに出ていくかは宇佐美のスイッチ次第。

ガンバはウェルトンに持たせて1人で運ばせて深い位置を取る。

加藤が左バイタルに入って4人の間に立つ形。大橋が左サイドに流れても、中野がファーサイドターゲットに入ってこられることから、ゴール前の枚数も極端に少なくなることはない。

ガンバはトランジションで宇佐美や山田が運び出し、上がってくるウェルトンに預けて仕掛けさせる。それまでは4-4ブロック+2トップの戻りで守備を固める。

アラーノが佐々木への後ろからのアプローチの繰り返しで注意を受ける。おそらく次やったら警告。

広島は大橋と加藤が2CBにプレスを掛けていくも、WBが中間ポジションから出ていくのが遅れている印象で、SBからパスの供給を許している。後方は手薄になっているが、塩谷がウェルトンの突破を簡単に許さないことでバランスを保てている。

広島は素早く後方のスペースを突く形と、サイドに人数を掛けて深さを取ってから、シンプルにクロスを入れてゴール前の圧力を高める形で攻撃。ガンバは自陣で耐えながら、2トップがトランジションの起点となり、最終的にウェルトンの仕掛けでゴールへ迫る形で攻める。ガンバは広島のビルドアップに対してそこまで前に出ていかず、まずはミドルゾーンで構えて危険なスペースを消す。コンビネーションを許さないために、パスコースを消せるように人数を確保。広島は左の東を起点に加藤と大橋のコンビネーション、そこにボランチも絡んでいく形で左サイド奥とバイタルに厚みをもたせ、クロスからファーサイドに中野が入ってくるパターンがよく見られた。ガンバはウェルトンの個人の推進力はもちろん、黒川の上がりと背中を取るところでうまく連係できており、明確にストロングサイドになっていた。

 

後半

満田がSB裏に走ることでボランチをどかし、そこに入ってきた松本泰のシュート。

ガンバはSHがインサイドレーンを埋め、WBに出てきたらSBが縦スライド。その動きに合わせてCBがマークと立ち位置を調整。ミドルゾーンではSHが下がらないように守備のバランスを整える。CBがサイドまでスライドを強いられるので、逆サイドは手薄になる。

55分、ガンバ交代

アラーノ、鈴木→倉田、ラヴィ

選手交代でエネルギーを高めた影響からか、プレスに出ていくようになったガンバ。

59分、佐々木→松本泰→満田でうまくつながって松本泰がエリア内まで出ていくも1stタッチが決まらず。

広島が押し込んでセットプレーを増やす展開。強ターゲットのCBも上がってくるので、なかなかの迫力がある。

3人目の動きで後ろからポケットに出ていく松本泰。死角から出ていかれるのでガンバのボランチはワンテンポカバーが遅れる。

65分、ガンバ交代

宇佐美→坂本

坂本が1人でプレス強度を上げてチェイシング。後ろの人数を減らさないようにしつつ、1人のチェイシングで蹴らせる。

満田と松本泰の入れ替わりでマークを惑わせる。穴はできずとも、ボールを受ける際に時間をもらいやすくなる。

74分、広島交代

満田、中野→小原、新井

75分、ガンバ先制、0-1。ラヴィが中盤の密集を個人でかいくぐり、スルーパス。スペースで受けた坂本からのクロスを大迫が弾き、ウェルトンがプッシュしてゲット。ラヴィが3人近くをはがしたところでチャンスの質が一気に上がった。

78分、広島同点、1-1。東が左サイドから中に運び出し、逆まで流れてきたところを新井が左足で振り抜いてゲット。強烈なシュートが枠内へ吸い込まれた。

81分、広島交代

松本泰→エゼキエウ

83分、ガンバ交代

ダワン、黒川→食野、福岡

食野が左SHに入り、倉田がボランチ、ウェルトンが右SHへ移る。福岡はそのまま左SBに入る。

86分、中谷の運びから縦パスで坂本がライン間で受け、左サイドで浮いた食野へ。持ち替えて狙うも枠外。

88分、広島交代

加藤→中島

 

広島は保持の局面を作って、シャドーとボランチの押し引きを生かしてバイタル近辺やポケットにスペースを作り出し、そこから攻めていく。深さを取って攻撃を続けることで、CKの回数を増やし、ゴール前に圧力を掛ける時間を増やす。ガンバは自陣へ引き込んでからウェルトンを左サイドの背後へ走らせる形でカウンターを狙うも、塩谷がうまく対応して簡単には仕掛けを許さず。ただ、先にスコアを動かしたのはガンバ。オープン局面を作り出したところからウェルトンがゴールを挙げるも、広島もすぐに新井のゴールで同点に。終盤は広島が小原、ガンバが食野のところを中心にオープン局面が多くなった中で攻め込むもスコアは動かせず引き分けで決着。広島がさすがの強度と、ポケット&バイタル攻略、ガンバはCBを軸としたゴール前の強固さと、トランジションからウェルトンを出す形で互いに迫力のあるサッカーを展開し、見ごたえのある一戦となった。

 

個人的MOM

★川村 拓夢

90分を通じたハードワークと強度の高さ。トランジションでボールを奪い取り、相手に攻撃のチャンスを与えないシーンが何度もあった。

途中からはウェルトンに簡単に仕掛けを許さなかった塩谷もさすが。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ミヒャエル スキッベ監督 ]
今日は本当にJリーグの中でも面白い試合だったと思います。特に相手は前半にカウンターの脅威を非常に与えていました。自分たちのセットプレーのところがうまくいかなかったところと、セカンドボールに対する対応があまり良くなかったためにカウンターを受けるシーンがありました。

ただ、前半に最後の最後まであきらめずに守り切った結果、最後に止めることができたと思っています。後半になってからは自分たちのほうが確実に多くの良いチャンスがあったと思います。ファンタスティックなゲーム展開を見せられたと思いますけど、最後の最後のシュートの部分で運が足りなかったと思います。

さらに、唯一と言ってもいいと思います。それまですごく良いサッカーができていた中で許したカウンターから失点してしまいました。ただ、そういう状況になりながらも、自分たちは勇敢にアグレッシブにサッカーを続けました。早い時間帯で新井(直人)の素晴らしいゴールが決まって同点に追いつくことができました。そのあとにも3つ、4つ良いシーンがあったと思います。ただ、ポストに当たったり、GKのファインセーブに遭ったり、最後に相手のDFが体を張って止めたり、そういうことでゴールを阻まれてしまいました。

今日の試合結果に関しては少し残念に思っています。自分たちは勝ちに値するゲームをしたと思います。ただ、勝てなかったと同時に負けなかった。同点に追いつくことができての勝点1は良かったなと思います。

 

[ ダニエル ポヤトス監督 ]
今日の試合は全体的に均衡した展開だったんじゃないかなとは思っていますし、この1-1という結果は両チームにとって平等な結果になったんじゃないかなと思っています。前半は自分たちが自分たちのやり方でダメージを与えるシーンを作っていた中で、相手も逆にチャンスというのを作っていたと思いますが、チームとして前後半を通して苦しい時間を耐える力がついてきたんじゃないかなと思っていますし、しっかりと耐えたことによって先制点を取ることができたと思っています。

そのあとに相手に得点を与えてしまったんですが、そこは時間や流れを考えても反省しないといけないと思っています。ただ、そのあとにしっかりと自分たちの切り替えとか、やるべきことをしっかりとして、相手をもう一度押し込むことができたので、その点は本当に良かったんじゃないかなと思っています。

今日は一番難しいスタジアムで勝点1を取れたことが良かったんじゃないかなと思っています。

 

2024 J1第5節 名古屋グランパスvs横浜F・マリノス メモ

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スタメン

名古屋は河面が初先発。

マリノスはポープが出場停止。エドゥアルドが欠場。畠中が長期離脱から復帰し、メンバー入り。

 

流れ

森島は永戸へのマーク意識がかなり高い。中盤のスペースを空けてでも人についていくようなイメージ。アンカーと森島の間が空いたら、マーカーが下りる選手にベタ張りでマークしてつぶす。

内田は加藤蓮まで出ていく様子があり、プレス時は4-4-2に近いセット。

喜田は2トップ裏で待機、IHは名古屋IH裏で待機しながら選手間が開いたタイミングで縦パスを受ける動き。

名古屋の2トップが中央レーンで狭めて守っているので、マリノスのCBは広がって受けるとストレスなく持つことができ、運ぶフェーズに移れる。

名古屋は相手に持たせたところから中盤が圧縮を掛けて奪い、カウンター狙い。保持ではけっこうあっさり前に蹴って捨てるような感じになっている。

名古屋の保持は、三國を右に押し上げる右上げ3バック。三國からの配球で山岸や永井を狙う。

外に預けてから1人がサイド裏に走ることで内側を通すコースを空けるマリノス

左サイドのナムテヒとエウベルが連係と推進力で深さを取っている。

22分、山岸が座り込む。ひざを気にしている。

23分、名古屋交代

山岸→パトリック

山岸は負傷交代。状態は不明だが、負傷箇所がひざだったので大事を取ったところもあるか。

24分、ロペスに警告。

25分、バックパスでマリノスがラインを一気に上げたタイミングで裏返すように久保が背後に出ていく。

28分、米本が中盤で刈り取ってから永井にスルーパス。抜け出してシュートも白坂が好セーブ。名古屋は守りの時間が長くなっているが、一撃の質は高い。

ナムテヒは森島-稲垣間のスペースを狙っている立ち位置に見える。

名古屋は撤退すると永井が左シャドーのようになり、5-4-1っぽくなる。2段構え?

32分、森島に警告。

35分、ハチャンレが座り込む。

38分、名古屋交代

ハチャンレ→吉田

ハチャンレは負傷交代。詳細は不明。接触プレーによるものではなかった。名古屋は前半の内に負傷交代で交代回数を2回消費。

背後に出ていく永戸に対しては森島がそのままついていく。

渡辺は内田と米本の間に潜り込む。内田が前に出て間が広がったら、そこで受けて前進。

名古屋は最前線がパトリックになったので、ロングカウンターでパトリックがターゲットになるように設計しないと効果が弱まる。永井や森島の運びが肝。

 

名古屋がプレスに出ていかず、自陣でブロックを組む戦い方だったため、マリノスの保持と名古屋の非保持&カウンターという構図が続いた。マリノスはエウベルとナムテヒの連動を軸に左サイドで深い位置を取ってのクロスをメインに攻める。ゴール前に圧力を掛け続けたが、最後のところは名古屋も踏ん張りが利いており、ゴールをこじ開けるには至らず。名古屋はラインを下げ過ぎている印象があるが、カウンターを打つためのスペースを空けておくという意味では引き込めている。ゴール前に入れられるシーンは多々あったが、よりクリティカルな攻撃を繰り出しているのは名古屋のほう。永井が1対1になったしーんや、久保の折り返しに稲垣が出てきたシーンなど、質の高いシュートチャンスを作り出せていた。ただ、山岸→パトリックと最前線のキャラクターが替わった影響で、ロングカウンターのスムーズさはやや落ちたか。

 

後半

51分、エウベルの寄せが甘くなったところで三國が運び出してプレス回避。ライン間で浮く内田を経由して永井で縦を取って一気に前進。

53分、マリノス先制、0-1。波状攻撃を仕掛けた中で最後は永戸が打ち抜いてゲット。名古屋は最後のところで踏ん張りを見せていたものの、マリノスがその壁を叩き続けたことで破壊した。後半は名古屋が良いペースで進めていたが、先に動かしたのはマリノス

56分、マリノス交代

水沼、エウベル→植中、宮市

ここから連戦のため、プレータイムコントロールも意識した交代?

後半から名古屋はブロック意識よりもプレス意識が高まった。

名古屋のビルドアップに対し、マリノスが3トップを3バックに当てる。

59分、名古屋交代

内田、久保→山中、和泉

61分、植中に警告。

名古屋がプレスも攻撃も人数を掛けて前に行くようになったことで、マリノスは両WGがオープンスペースで持てることが多くなった。三國が正対して仕掛けられるシーンが増えた。

68分、マリノス交代

ナムテヒ→天野

天野がトップ下になり、4-2-3-1気味に変更。

永井が左奥に走って深さを取りにいく。

永井が深さを取ってから山中が追い越してクロスを入れていく形を多く出していく。

76分、名古屋交代

米本、永井→椎橋、倍井

ハチャンレは脳震盪による交代だった模様。

76分、名古屋同点、1-1。吉田のフィードに森島が抜け出し、ループを流し込んでゲット。マリノスは渡辺を下げるかどうかを迷っているうちに交代ができないままプレーを開始され、渡辺が下がって1人少ない状態のときに失点。キューウェル監督は激怒。警告を受ける。

78分、マリノス交代

渡辺、加藤蓮→山根、畠中

畠中が左CBに入り、松原が右SBに移る。

82分、上島に警告。

森島が右のポケットに入って折り返すシーンがかなり増えている。

マリノスのプレスが弱まったことで名古屋は保持でストレスが少なくなった。森島が自由に動き回りながらボール近辺のリズムを出して、前進していく。名古屋が敵陣での攻撃の試行回数を上げられるとパトリックが入っている効果が大きく出てくる。

91分、名古屋逆転、2-1。山中が直接FKを決めた。GK側に強烈なキックで白坂を破った。

 

前半はかなり低い重心の設定だった名古屋が後半からプレス意識を高めて前に出ていく。その分、マリノスはストレスを受けるものの、トランジションやプレス回避時にWGが仕掛けられるシーンも作れるように。中盤からは宮市が仕掛ける場面が何度かあったが、三國が晒されながらもなんとか対応。徐々にマリノスのエネルギーが落ちていくと、名古屋がボールを持てるようになり、山中やパトリックというスペシャリティーを持った選手が生きてくるように。また、森島が自由に動き回りながらボール回しを安定させながらポケット進入にも出ていくなど、各所でスムーズさを出す。マリノスが波状攻撃から1点を先制したものの、名古屋が森島のゴールで追いつき、終盤で山中がスーパーなFKを決めて逆転。前半は消極的なプランながら無失点でしのぎ、終盤で主導権を得た時間帯で押し切った。マリノスは終盤で押し返すパワーがなくなったこと、カウンター局面から2点差にできなかったことが試合を難しくした。

 

個人的MOM

★森島 司

前半は存在感希薄ながら、後半は一転して“森島のゲーム”といってもいいくらいに支配者に。同点ゴールの巧みさはもちろん、敵陣で押し込んでからの一工夫を足したことが逆転ゴールにつながったとも言える。

稲垣は苦しい時間帯でのカバーリング、シュートブロックが効いていた。Jリーグ屈指の守備者たる存在感。

 

トピックス

山岸が負傷交代。ひざになにかしらのアクシデントがあった模様。

ハチャンレが負傷交代。脳震盪による交代だった模様。

監督コメントによると、エドゥアルドと渡邊は軽いケガだったとのこと。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷川 健太監督 ]
ホームで勝てて本当に良かったと思っています。(ホームでは)ファミリーの皆さんにここ2試合勝利を届けることができなかったので、今日は横浜FMを相手にホームで勝てたということは、大きなプレゼントになったと思っています。チームとしても、横浜FMという素晴らしいチームに勝てたというのは大きな自信につながると思いますし、今日はいろんなアクシデントがありましたが、選手たちは最後まで集中力を切らさずによく戦ってくれたと思っています。

--アクシデントがあった中でどういう修正をしたのか。
キャンプからずっと2人ぶんでチームを作ってきたので、そういう意味では同じポジションに2人いるような形でトレーニングをしてきました。山岸(祐也)の代わりに同じポジションをやっていたパトリックを入れて、ハ チャンレのところも吉田 温紀でしたが、3バックのどこでもこなせる選手なので、昨年から中谷(進之介※今季G大阪へ移籍)の替わりに試合をすることもありましたし、そういう意味では非常に難しい状況でしたが、落ち着いてやってくれたと思っています。

--負傷した2人の状況は?
これから病院に行ってという形ですが、ハ チャンレに関しては脳震盪なので、ステップを踏んでという形になると思います。

 

[ ハリー キューウェル監督 ]
全体的に見れば、本当に素晴らしい内容のゲームができたと思います。自分たちがやろうとしていた部分をしっかりピッチ上で見せることができていました。名古屋がどういうふうにやってくるのか、そういう部分もしっかりと分析、把握してきて、カウンターやロングボールが多いと言われていたので、そういうところでしっかり自分たちがやらせずにボールを奪って、チャンスもたくさん作りました。同点弾が入るまでは1-0のリードというふうになるだろうと分かっていました。

自分たちがコントロールできる部分はしっかりとやっていきたいと思います。天候や他人のミスはコントロールできないので、こういう結果になってしまってすごく残念な気持ちでいっぱいです。

--エドゥアルド選手と渡邊 泰基選手がメンバー外だった理由は?
2人とも今日まですごくできていた部分が多かった中ですが、ちょっと軽いケガだと聞いたので、無理をせずにということです。

 

2024 J1第5節 FC町田ゼルビアvsサガン鳥栖 メモ

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スタメン

 

流れ

いつもどおり、サイドの深い位置を取ってスローインにさせたところからロングスローで押し込む町田。

4分、町田先制、1-0。ロングスローの流れから平河がダイレクトで中に入れると藤本が頭で合わせてゲット。いつもの町田の形。

鳥栖は保持で河原と福田が最終ラインサポートに流動的に入り、2トップ裏に堀米と菊地がもぐってくる。

ヒアンが背負て受けてから横に運び出してちぎりにかかるが、チャンミンギュがタイトについていって奪取。

9分、原田に警告。

福田と河原で3-1ビルドの形を作ってSHをCBのところにおびき寄せ、堀米と菊地で中盤の背後を取ってスペースにヒアンを走らせる。

鳥栖が後方に人数を掛けて保持するため、町田はプレスを思うように掛けられない。ただ、鳥栖は前の人数が減っている分、攻撃は少ない人数で完結させなければならないバランスでもある。そこでスピードでちぎれるヒアンがどれだけやれるか。

鳥栖は右サイドでのコンビネーションでPA内に入っていき、惜しいチャンスを作る。

堀米がバイタルで受けてヒアンを背後に走らせる形。

鳥栖は非保持時、菊地が最終ラインに吸収される形で5-3-2のようになる。初期配置なのか、相手の立ち位置を見ながらなのかは不明。

河原が第2バイタルで受けて前を向き、バイタルの菊地に流す。ただ、町田もスペースを作ってもボランチの囲い込みが早い。

仙頭は保持時に左に流れて受ける。

鳥栖は保持でプレス回避を安定させて保持エリアを上げる。町田は自陣では2トップもしっかりとブロックに加えて、4-4-2を形成。かなりコンパクトに保つ。

藤尾とオセフンにロングボールを入れて、セカンド回収から押し上げる町田。両ボランチが前向きに当たっていくので、鳥栖は受け方が難しい。

33分、鳥栖同点、1-1。菊地の浮き球スルーパスに反応したヒアンがそのまま流し込んでゲット。チャンミンギュがついていき、谷もかなりコースを消していたが、狭いところを通して枠へ収めた。ライン間でキーマンになっていた菊地がひと仕事。

鳥栖ルーズボールを安易に蹴らずにしっかりと落ち着かせ、保持に移行し、プレスを外していくことで自分たちのコントロール下に置き、町田の土俵に立つ時間を減らす。町田は敵陣でのプレータイムを増やし、守備ではカウンター、保持ではセットプレーから押し込む展開にしたいが、自陣撤退が増えるとなかなかその局面には行けない。

44分、鈴木に警告。

鳥栖がラインを高く設定したときには、仙頭から背後へのパスを出す。藤尾とオセフンが狙う。

鳥栖は大外で対応したときに、その背後に出ていく選手に対してのカバーリングが間に合ってないシーンがチラホラ。

 

町田がいつものパターンで敵陣へ押し込む形を作り、早々に先制に成功。ただ、鳥栖も保持で後ろに枚数をかけることで相手のプレスを潜り抜け、ゲームをコントロールすることに成功。河原と福田が中盤と最終ラインをいったりきたりして枚数を調整し、相手が出てきたら菊地と堀米が背後に潜り込んで運び出す。町田もボランチの帰陣と最終ラインのディレイからのチャレンジが効いていたので、なかなかクリティカルな攻撃は繰り出せなかったが、それでも菊地→ヒアンでこじ開けてタイスコアに。簡単にボールを捨てれば相手ボールが増えて攻め込まれる、綱渡りのビルドアップをすれば食われてカウンターを受ける、ということで、前線の迫力は多少落としてでも相手のやりたいことをやらせないようにする鳥栖のアプローチは面白かった。自分の土俵に持ち込めずとも強固なブロックでゲームをクローズできる町田も手ごわい。

 

後半

町田交代

鈴木→昌子

鳥栖交代

上夷→富樫

昌子がCBに入り、チャンミンギュが右SBに移る。

富樫が右SHに入り、長沼が左SBに移る。

町田は林を上げて最終ラインを3枚気味で回したところからロングボールを入れていく。非保持では4-4-2セットに見える。

50分、長沼に警告。

52分、ヒアンがスプリント時に左もも裏を気にする。ただ、プレーは続行。

53分、町田勝ち越し、2-1。平河がプレスを掛けてボールを奪い取り、折り返しをオセフンが押し込んだ。キムテヒョンは痛恨のロスト。鳥栖は前半からしっかり保持するというコンセプトで臨んだ中、個人のエラーが発生。一度のミスが致命的なダメージに。

56分、町田追加点、3-1。左からのサイドチェンジを受けた平河がクロスを入れるとニアでオセフンが合わせてゲット。鳥栖は広島戦に続き、後半で立て続けに失点を喫し、苦しい展開に。

鳥栖は後ろ向きで受ける動きをしているときに追い越す選手を作って、前向きに強く出てくる町田の選手の背後を取りにいく。

62分、鳥栖交代

ヒアン→アラウージョ

前向きに奪えたら縦に速く攻め切る意識が高い鳥栖

67分、鳥栖交代

菊地、堀米→横山、丸橋

菊地は直前に足をつっていた。丸橋が左SBに入り、長沼が右に戻る。

69分、富樫が収めてアラウージョがシュートを狙うも町田が複数人でシュートブロック。絶対にゴール前正面では簡単に枠内へ打たせない。サイドへ送られても中央ではね返せればOKのスタンス。

69分、町田交代

藤本→奥山政

奥山は右SHに入り、平河が左SHへ移る。

丸橋→河原で内につけてから、外に運びながら背後への配球。

朴が3バックの中央のような位置に入って組み立てを行う。

富樫がラインブレイクしながら背負って深さを作る。

77分、町田交代

オセフン、柴戸→荒木、下田

町田はハイプレスをやめない。選手交代からギアを上げて徹底的にラインを上げていく。鳥栖ボランチを経由して前進を図るが、下田が深くまでついて行き、サイドに流したところには仙頭が斜めに出ていって塞がれるので詰まる。

84分、町田がPK獲得。山﨑に警告。ロングボールを受けて藤尾が縦に運んでいったところを我慢できずに倒す。疲労感を感じる無理な対応。

86分、鳥栖交代

福田→森谷

藤尾がPK失敗。朴は逆に飛んだが、枠内へ飛ばせず。

町田は奥山政が下がって5バック化。相手の位置というよりもはっきりとシステムを変えたように見える。

鳥栖は前からプレスを掛けに行っているが、全体の連動がまったくなく、個人の強度を上げているだけのような形になり、町田は空いているところを落ち着いて使っていけばいいだけの状態。鳥栖は途中から気持ちが切れている雰囲気で、プレスにも寄せにも覇気がない。

93分、町田交代

藤尾→デューク

 

鳥栖は前半はうまくゲームをコントロールしながら相手の攻撃試行回数を減らすことに成功したが、後半の早いタイミングで勝ち越しを許し、一気に2点差にされると意気消沈。やりたいことがそろわなくなり、後方での組み立てもうまくいかなくなった。ボールは持てるものの、持たされている状態で、ロストやプレスの空転からオープン局面でピンチを迎えるシーンが多数。スポット的に富樫の収めなどから相手陣へ入れることもあったが、町田の牙城を崩すには至らず。

鳥栖はどの試合も1stプラン遂行力の高さを見せながらもひょんなことから失点して一気にバランスが崩れていってしまうのは大きな課題。苦しくなったときにチームを奮い立たせることのできるリーダーがいないように感じる。

町田はここ3試合はプレスを抜け出されて自陣に撤退させられる場面が増えているが、それでも最後のところでシュートスペース、シュートコースを与えるシーンはほとんどなく、今回の1失点も狭いところを通されてのシュートだった。プレスがハマらずとも後ろがなんとかしてくれる、時間をかけてブロックを組みなおせばそうそう崩されることはない、という安心感からか、プレスに出ていき続けられる。それゆえに後半の平河の奪取からの勝ち越し点が生まれたといえる。

 

 

個人的MOM

★平河 悠

全3ゴールをアシスト。前に出ていくスピードに加え、ゴール前に入れるクロスの質も高く、守備の貢献度も高い。攻守において欠かせない存在。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 黒田 剛監督 ]
今節は2週間の間隔が空いての試合でした。相手を分析すると、鳥栖さんはビルドアップにクオリティーがあるチームでしたし、そういった相手をどうハメていくか。細かく詰めながら準備をしてきました。ただ、1点目を取られる前のあたりから、前がかわされたあとにSBのカバーリングが遅れたことでスペースを使われる形が2回ほど見られました。そこで、前半の途中から3バックに変えたほうが相手を見やすいのではないかと形を変えました。そこからはうまくチームが機能しましたし、つかむべき選手をつかみながらボールを奪ったあとは前に出ていく姿勢を選手たちが遂行してくれました。

後半のスタートからは昌子 源も入り、最終ラインでのリーダーシップを取ってくれました。後半は決定的なシュートを浴びることなく、選手たちはセーフティーに戦ってくれました。PKの場面があったように、欲を言えば4点目、5点目の追加点を取れないという詰めの甘さが見えたので、そのあたりは連戦の中で詰めていきたいことです。次節は首位争いをする広島さんが相手ですが、胸を借りるつもりで、しっかりとチームをオーガナイズし、練習に集中していきたいと思っています。

--2ゴールを決めたオ セフン選手をどう評価されていますか?
あの高さで上からヘディングで叩ける選手はJリーグにはなかなかいない中で、前線で起点になれることはありがたいです。またオ セフンに当てたあとのセカンドボールをいかに拾うかで矢印が相手に向くことになります。それがわれわれの狙いですし、そういった形を狙っていけることはとてもありがたい存在です。

さらにターゲットマンになるだけではなく、前から規制をかけられることも、彼の持ち味です。頼もしい選手だなという印象です。これまでは簡単なシュートを外していましたが、3点目は素晴らしいヘディングシュートを決めてくれました。これから先はもっと得点を取って、波に乗ってくれたらありがたいです。

途中から3バックに変えていた模様。見た感じではチャンミンギュ右SBの4-4-2のように見えたが…。

[ 川井 健太監督 ]
アウェイの地まで来ていただいたファン・サポーターの方々に勝点を持って帰ってもらうことができずに非常に残念に思います。ただ、連戦ですので次に向けてしっかり良い準備をしたいなと思います。

--立ち上がりに失点をしましたが、早かったぶん、立ち直りもしやすかったかなと思います。その点についてはいかがでしょうか?
ダメージがあったかと言われると時間帯的にはあったんですが、想定された(形の)失点というところで、そのあとの立て直しは早かったかなと思います。前半は良い流れを持続させるところもありましたし、町田さんの時間もありました。一進一退の前半だったかなというふうに思います。

--後半、ひっくり返せなかったことについて、現時点ではどんな要因があったとお考えでしょうか?
現時点で言いますとスコアがそのまま表れたかなというところで、われわれに少しイレギュラーがあった中、後半を進めるというところで足が最後は止まってしまったなというのがいまは少し印象にありますね。われわれもそこまで行こうとしたんですが、町田さんの素晴らしさを褒めるところも多々あったかなと思います。

--良い場面があった中で結果につながっていない試合が続いていますが、この現状についてはどのように受け止めていらっしゃいますか?
ダメですね。