がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第32節 京都サンガF.C.vs名古屋グランパス メモ

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スタメン

京都

前節で負傷交代した山﨑がメンバー外。足を攣ったままプレーを続けていた豊川もメンバーから外れた。同じく途中で交代していた本多は先発。

荻原が3試合ぶりのベンチ入り。

イスマイラがリーグでは久しぶりのメンバー入り。

 

名古屋

甲田がメンバーから外れ、レオナルドが2試合ぶりのベンチ入り。

重廣が負傷離脱中。

 

流れ

名古屋は5-3-2気味。内田がベースはIHのように見えるが、稲垣がよりボランチ寄り、内田がよりシャドー寄りといった雰囲気に見える。

立ち上がりは京都ペース。どちらも中盤での攻防で強度を上げる中、上回っているのは京都。そして組織が整わない間に縦に速く攻め切る。福岡がライン間でラストパス役になる。

名古屋は自陣での守備時は永井とマテウスの2人を前残り気味にして、カウンターに備えさせる。

京都は撤退時は5-4-1ブロック。ライン間付近へ入られたら、1人が強く寄せて、もう1人がサポートで囲い込むようなアプローチ。

8分、こぼれ球をPA手前で拾ったマテウスがミドルで狙うもわずかに枠外。徐々にゲームが落ち着き始め、名古屋がボールを持つ時間も増えてきた。

中盤での激しい攻防が続き、どちらも中盤からなかなか抜け出せずに、ミドルゾーンで過ごす時間がかなり長くなっている。

18分、京都の敵陣保持。名古屋は5-3で構えながら、永井も少し下ろして中盤のサポートに入れる。

京都が保持から切り替えで上回り、即時奪回で相手に攻撃の機会を与えない。

21-22分、後方からの配球で白井が背後へ抜け出してクロス。相馬が前に出て守備をした背後を良いタイミングで白井が抜けて行った。

23分、武田のスルーパスを佐藤が受けてPAで仕掛けるもシュートまでいけず。名古屋守備陣が囲んでファウル気味に奪ったが、判定はノーファウル。

→VARとの長い交信が行われる。オンフィールドレビューの結果、京都がPK獲得。

名古屋は前から追っているが、なかなか奪いどころを見つけられずに、攻められるスペースを作る結果になってしまっている。

→28分、武富のPKをランゲラックがセーブ。名古屋はうまくいかない時間の中で迎えたピンチを守護神が救った。

名古屋が押され気味の展開だったが、ランゲラックのセーブから雰囲気が少し変わった。名古屋の選手にもメンタル的な好影響が出ているか。

33分、京都のビルドアップ。3バックに対して名古屋はIHを前に上げてプレスを掛けていくが、福岡がサイドに流れることでフリーを作り出して回避。京都の対応も良かったが、名古屋の守備のちぐはぐ感が目立つ。

35分、京都の波状攻撃。右の密集から抜け出し、バイタルまで上がってきていた本多のミドル。ポスト直撃でこぼれ球を押し込みにかかるが枠外。名古屋はPKストップ直後は盛り返したものの、再び京都ペースに。

36分、後方からのロングボールで佐藤が抜け出してゴール前へ折り返したが、惜しくも中と合わず。京都は名古屋最終ラインに生まれやすいスペースをうまく活用できている。

38分、名古屋のビルドアップを高い位置で奪った京都がショートカウンター。左から速いクロスで折り返したが、ゴールにはならず。

39分、レオシルバのクリアがバイタルで拾われて、松田のシュートまで。名古屋は落ち着くポイントを作れず、また、守備のプレー選択がことごとく悪いほうに出ている印象。

京都は後ろが3バックであること、全体的に中盤タイプが多いことで、両WBが思い切って前に出ていけており、白井も佐藤も存在感が際立つ。

44分、名古屋先制、0-1。マテウスのインスイングCKを藤井が薄く当て、ファーに流れたボールを武田が触ってゴールへ吸いこまれた。武田もマークにつきながらとっさの対応を強いられてクリアが難しかった。

 

京都が球際や切り替えで上回り、主導権を掌握。組み立てでも名古屋のプレスを観察しながら、低い位置で起点を作るボール回し、前線のスペースへ早めに送る速攻など、うまく使い分けができていた。PK失敗かつ終了間際の失点で難しい展開になったことはは痛かったものの、内容としては決して悪くない。一方で名古屋は保持では落ち着かせられるポイントを見つけられず、非保持でも奪いどころが見えてこない。ただ、プレスに行く意識だけは変わらずに続けているため、後方にスペースが生まれて危険な状況。攻守においてちぐはぐ感は否めないものの、リードしているといういびつな試合に。

 

 

後半

名古屋交代

レオシルバ→永木

レオシルバは前の試合でもインアウトで短い時間しかプレーできなかったので、コンディションが万全ではないのかもしれない。

45分、中盤での球際を制した流れから川﨑のシュートまで。

46分、佐藤の仕掛けからクロスを入れるが、わずかに合わず。立ち上がりは京都ペース。

48分、マテウスが右に流れて深さを作り、永井との連係からシュートまで。

50分、京都の組み立て。川﨑が最終ラインまで下りて4-1気味のビルドアップから、背後に抜ける武富を使ってシュートまで。名古屋はまだ前線のプレスと最終ラインの設定がうまく合っていない印象がある。

53分、白井が縦に仕掛けてクロスまで。京都は切り替えで相手に息継ぎさせず、自分たちのペースに引き込む。

54分、名古屋交代

永井→酒井

57分、マテウスの深いプレスバックでボールを奪うも、京都が素早い切り替えでプレスを掛けて回収。川﨑のミドルでCK獲得まで。名古屋はボールに触る位置を上げられない。

58分、京都同点、1-1。ショートコーナーの流れから数回作り直し、後方からのフィードを麻田が競り勝ち、折り返しを井上が押し込んでゲット。CB2人の空中戦でこじ開けた。苦しい時間が続いていた名古屋はしのぎ切れず。京都は自分たちの時間でようやく得点に至った。

62分、右からのFKをマテウスが直接狙い、ポスト直撃。普通なら直接狙える位置ではないが、マテウスならシュートレンジになる。

67分、白井のクロスを武富が頭で合わせるもランゲラックの正面。ビッグチャンスだったが、GKを外せず。得点の勢いのまま京都が攻め立てる。

68分、ランゲラックがバックパスを手で処理し、京都にPA内での間接FKが与えられる。角度はないが距離は近い。

72分、内田が自陣でロストし、京都のショートカウンター。稲垣がブロックに入り、ピンチをしのぐ。京都はボールを失っても前向きに圧力を掛け続けて押し込む時間を増やす。

76分、名古屋交代

内田、森下→仙頭、宮原

都交

本多→メンデス

77分、酒井のドライブシュート。名古屋はマテウスで強引に進むか、遠目から強引に狙うくらいしか攻めの手段がない。

82分、右からのクロスに飛び込んだ宮原と、飛び出してクリアした上福元が接触。空中でバランスを崩して着地し、腰あたりにダメージがあった模様。

87分、京都交

武富→ウタカ

ここまではあまり交代をせずに、スタートの選手のバランスを維持することを優先していたが、残り時間が少なくなり、得点の期待値が高い選手を入れてきた。

ウタカが入ったことで個人でのキープや、サイドに流れての深さ作りには違いが生まれた印象。

92分、京都の左からの折り返しでウタカが合わせるも藤井がブロック。その後の混戦も藤井がカバーしてクリア。

93分、京都の攻撃から一転、マテウスがスペースに抜け出してカウンター。メンデスが後ろから手を掛けて倒し、警告。同点の場面での危険な状況だったため、賢明なタクティカルファウル。ゴールからの距離も遠く、直接狙うには難しい。

94分、京都交

福岡、佐藤、松田→イスマイラ、荻原、パウリーニョ

 

最終盤は京都が攻めながら名古屋もセットプレーから2点目を奪いに行ったが、ゴールは生まれずに引き分けで決着。90分を通じて多くの時間で京都がゲームを支配したものの、決定機という決定機はなかなか作れずにゴールをこじ開けられなかった。内容を踏まえれば勝点3を取れなかったことが悔やまれる。逆に名古屋は内容が悪い中でも勝点1を取れたことが唯一の収穫と言えるか。京都が少しバランスを崩した最終盤こそ敵陣でのFKを獲得して得点への可能性を作れたが、それ以外の時間では敵陣でプレーする時間を作る事すらままならない内容だった。

 

 

個人的MOM

★ランゲラック

ビッグセーブと呼べるシーンが多くあったわけではないが、前半のPKストップがあったからこそ、勝点獲得につなげられたと言える。あの時間でビハインドを背負っていたら、より多く失点していたかもしれない。

 

京都は両サイドでアグレッシブな仕掛けから攻撃に厚みをもたらした佐藤と白井、ダイナミックな動きと積極的な攻撃参加で攻守に強度をもたらした川﨑が高評価。

 

トピックス

名古屋は5試合勝ちなしに。

井上と藤井はそれぞれJ1初得点。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 曺 貴裁監督 ]
勝点3が取れたのか、勝点1で良かったのか、勝点ゼロじゃなくて良かったのか。いろいろな考えがありますが、自分たちが1つのボールに向き合ってやってきた結果の勝点1を、前向きに捉えたいです。各チームの状況も頭に入れながらやったつもりです。少しケガ人が出ている中でも、水曜日の天皇杯と今日の試合でわれわれの総合力は見せられたと思います。最近は戦術的な落とし込みを多くしているんですが、そこへの対応や相手を見ながらプレーすることは、リーグ戦の前期と比べてできる場面が多くなっています。選手が大人になったというか、J1のプレースピードに慣れてやれることが増えてきたという印象の試合でした。欲を言えば、前半のPKも含めて勝点3を取りたかったですが、よくやってくれたと思います。

--試合の狙いについて。
名古屋さんのストロングポイントは、2トップを生かしたスピードです。1人でカウンターへ行くこともできるし、ドリブルで行くこともできる。スペースに出る選手も多いという中で、われわれは今季(名古屋と)3試合した中で逆に狙われて自分たちの勢いをそがれるところもありました。少し後ろのスペースを消しながら、前に出たときには本多(勇喜)と井上(黎生人)が前に入っていって厚くして攻撃をしようとしました。攻撃の部分はそんなに変えていないんですが、お互いにミラーゲームになったときのマークというのはハッキリしがちですから、全体の躍動感やモビリティーでは少し上回れるんじゃないかと思っていました。選手はよくやってくれました。

 

[ 長谷川 健太監督 ]
今日は難しい展開でした。京都の選手は天皇杯(でリーグ戦メンバー)を温存してというところで、気持ちの部分でも運動量の部分でも圧力を掛けてきて、押し返す展開になかなかできなかったと思います。その中でGKのランゲラックを中心に前半はゼロで抑えて、先制点を取ったということは非常に大きかったと思っています。

後半も非常に難しい展開が続く中で、1点は取られましたが、その後はしっかりと対応できて、メンバーを交代したあとはこちらも押し返すという形で、終盤は落ち着いたゲーム運びができたと思います。

もちろんアウェイの勝点1で満足するわけにはいかないですが、こういう難しい展開、内容が良くない中で勝点を取るということが、今季なかなかできなかったので、内容が悪い中でもしっかりと勝点を積み上げたということは、選手たちが頑張ってくれたと思いますし、チームの成長を感じました。中断を挟んで(残り)2試合、ホームでしっかりと勝って、良い形でファミリーやサポーターに喜んでもらえる試合をしていきたいと思っています。

--藤井 陽也選手がJリーグ初ゴールを挙げたが。
PKを与えてしまったことで、本人も期するものがあったと思います。ランゲラックが止めてチームがまた気持ちを強くしたと思いますので、「自分がなんとかしないといけない」という思いがゴールにつながったと思います。これだけ試合に出て1点は少ないと思いますので、あれだけのフィジカルを持っているのであれば、これをきっかけにセットプレーでも得点の取れるDFになってほしいと思います。

--後半に修正したところは?
ずっとミスマッチで戦っていましたが、(仙頭)啓矢を入れたときにダブルボランチに変えて相手のシステムに合わせました。そこからは落ち着いてゲームを運んでくれたと思います。ミスマッチがこちらにプラスになる要素があったので、少し引っ張っていましたが、なかなか相手の勢いが止まらず、途中でシステムを変えて落ち着いたと思います。

 

2022 J1リーグ第32節 浦和レッズvsサガン鳥栖 メモ

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スタメン

浦和

リンセンが加入後初先発。

馬渡、モーベルグ、シャルクが2試合連続で欠場。

柴戸がメンバーから外れ、安居が4試合ぶりのメンバー入り。

犬飼が負傷離脱中。

 

鳥栖

ファンソッコが出場停止明けで先発復帰。

手塚、本田、田代がメンバー外に。

福井が二度目のメンバー入り。

小泉が負傷離脱中。

 

流れ

鳥栖は3-4-2-1スタート。

45秒、浦和がトランジションから大久保が運んでユンカーへパスを送るも、うまくシュートまで持ち込めず。

1-2分、右の連係から菊地が岩尾との競り合いに勝ってシュートまで。

2分、自陣でのトランジションからリンセン→ユンカーでカウンター。浦和はある程度持たれることを許容しながら、前の2人の推進力を生かしていく。

3分、小泉が左サイドを抜け出し、折り返しがオウンゴールを誘うもオフサイドの判定。DFとしては触らなければ背後にユンカーが待っていたため、難しい対応を迫られた。

4分、大久保が中央から縦に刺してリンセンがシュートまで。ボールを持っているのは鳥栖のほうだが、効果的にシュートまで持ち込めているのは浦和のほう。

鳥栖は垣田のチェイシングをスイッチに、かなり激しくプレッシャーを掛けていく。一方で浦和は中盤での4-4-2ブロックがベース。相手の最終ラインにはそこまで出て行かない。

9分、浦和がハイプレスを仕掛けるが、鳥栖は朴を経由して逆へ送って回避。

9分、伊藤→リンセン→伊藤で抜け出してシュートまで持ち込むがシュートは枠外。

11分、長沼の競り合いから垣田がキープして右からの攻撃。右から折り返すも、岩尾が戻ってカバー。

14分、鳥栖が敵陣で持ったところからパスミスで浦和のカウンター。小泉がタメを作ってからユンカーにスルーパスを送って、敵陣でFK獲得。倒したジエゴには警告が提示。原田が戻ってきていたぶん、ドグソにはならなかった。

→17分、岩尾の直接FKは枠を捉えるも朴が好セーブ。

18分、ロングボールから原田がポイントを作って一気にCK獲得まで。

20分、ジエゴスローインから福田がクロスを入れて混戦を作り出すも最後は西川が処理。

21分、鳥栖のハイプレスに対し、浦和がうまく中盤にポイントを作って速い攻撃へ移行。鳥栖がハイプレス、浦和が縦に速い攻撃を意識しているのも相まって、ゲームスピードは上がりやすくなっている。

22分、岩尾のCKをニアでリンセンが合わせて、ファーに酒井が飛び込んだが押し込めず。リンセンのヘッドが狙いどおりかは不明だが、目線を変える面白い狙い。

鳥栖は相手のプレスを受けて詰まりかけたときは右の長沼や、シンプルに垣田を狙って蹴る。そこでのセカンド回収率も高い。

27分、浦和のハイプレス。鳥栖は右で浮き球を使って福田が右で抜け、ジエゴで左のスペースを取ってから最後は長沼がバイタルからミドル。鳥栖はプレスを受けてもミドル緒明日を交えながら前進の術を見せてくる。

31分、浦和が保持の時間を作る。酒井がポケットに抜け出して折り返すも朴が処理。

32分、右に流れたリンセンからスペースへ走るユンカーへ配球するも、朴がかなり高い位置まで出てきてカバー。リンセンはトランジションでサイドに動いたり、わりと広く動きながらポイントを作ろうとしているか。

鳥栖の守備はシャドーが下がらずに、プレスとけん制役をこなす。5-2-3セット言うべきか。サイドの守備は基本的にWBが行う。

30分あたりからは鳥栖がプレスのテンションを1つ下げたイメージで、浦和も保持の時間を作れるようになってきた。大畑を上げて酒井を内に絞らせる3バック気味の組み立て。

38分、鳥栖の連続シュート。左で岩崎が仕掛けてから西川が抜け出してシュート。こぼれも続けざまに押し込みにかかるが、浦和DFがゴールカバーでかき出す。

39分、浦和先制、1-0。後方からの配球で大久保がスペースで受け、右サイドで岩崎をはがして深くまでえぐり、折り返し。マイナスで受けたユンカーがワンタッチで流し込みゲット。鳥栖はWBがサイドの守備を一任するような仕組みだったため、大外の戻りがワンテンポ遅れ、そこをうまくはがした大久保の突破で勝負あり。

42分、鳥栖が右サイドで細かく繋いで内側へ進入し、左で岩崎を浮かせたが、シュートまでは持ち込めず。

43分、鳥栖が敵陣保持から菊地のミドル。鳥栖は相手PAbox手前でボールを持てる流れになっているが、ブロック攻略までは至っていない。

西川潤がライン間で相手4選手の四角形の間で受けようと狙っているシーンが多い。

49分、鳥栖のFKをジエゴがファーで競り勝つも西川が処理。

 

保持でうまくいかない試合が続いた浦和は、相手にボールを持たせることをある程度許容したプランで入り、縦に速い攻撃を志向。鳥栖がボールを持つ展開が続いたが、浦和がしっかりと4-4のブロックを組んで、カウンターからゴールへ迫るシーンが多かった。ユンカーをスペースに走らせる攻撃をメインにしながらも、ゴールをこじ開けたのは大久保のドリブル突破から。ボールを持ったときには、鳥栖のプレスを逆手に取るようにサイドのスペースを取ってうまく攻めることができ、効率の良い試合運びができた。

 

 

後半

46分、後方からクリーンに前進して最後はリンセンのシュートまで。浦和は敵陣へ入ったら、手数をかけずにゴール前まで一気に向かう。

立ち上がりは浦和が切り替えで上回って縦に速くゴールへ迫る展開。

47分、ようやく落ち着いて鳥栖が保持して浦和が構える構図に。

浦和は自陣撤退時も2トップは前残り気味でカウンターに備える。鳥栖は相手4-4の前では比較的自由に持てる。

49分、浦和追加点、2-0。鳥栖のビルドアップを小泉がカットし、そのままシュートまで持ち込んでゲット。パスをカットされた原田に対してすぐに声をかける朴。

52分、酒井が右からグラウンダーのクロスを入れてニアで伊藤が合わせるも枠外。さすがに角度が足りなかった。

後半は浦和が相手コートでほとんどの時間を過ごしている。鳥栖はボールこそ持てるが、なかなか安定して前進できる形を見つけられていない。

55分、鳥栖交代

福田、垣田、岩崎→小野、宮代、藤田

2点ビハインドかつ、流れも良くない鳥栖が早めに交代で試合を動かしにかかる。藤田がアンカー位置に入り、島川が3バックの右、原田が右WB、長沼が左WBに移る。

54分あたりからは徐々に鳥栖が敵陣で持てるようになった。

57分、長沼が左サイドで抜け出してクロスも、ファーへ流れる。

58分、浦和のロングカウンター。鳥栖が浦和陣内へ入れば入るほど、ユンカーのスピードが生きてくる。

59分、浦和交代

リンセン→松尾

松尾が左SHに入り、小泉がトップ下へ。

59分、藤田のFKのこぼれ球を宮代が拾って狙うも枠外。鳥栖が少しずつゴールへ近づいている雰囲気はある。

61分、鳥栖得点、2-1。背後からの配球に抜け出した宮代が良いコントロールから左足でうまく決めた。前半にあった小泉のオフサイドと似たようなケースに見えたが、今回はゴールが認められた。

鳥栖は守備時は4バックベース?藤田がアンカー、宮代が頂点以外は中盤でかなり自由に動いている印象。

64分、鳥栖がハイプレスで奪い、藤田→宮代とダイレクトに縦へ差し込むが収め切れず。立ち上がり10分は浦和ペースだったが、それ以降は鳥栖ペースに変わりつつある。

68分、GK西川のキックから松尾がうまくコントロールして突破を図ったところで島川が倒してファウル。島川には警告が提示。2人だけでチャンスを作り出した。

71分、浦和交代

小泉、ユンカー→関根、明本

関根が右SHに入り、大久保が左SH、松尾と明本の前2枚に。

71分、鳥栖交代

島川→中野

非保持時の4バックが右から原田、ファンソッコ、ジエゴ、中野になった。

73分、藤田のFKを小野がヘディングで合わせるも、バーの上を叩いて枠外へ。

浦和は明本を藤田のマーク役にして、松尾が1トップ気味にチェイシングを掛けていく役割分担。

76分、鳥栖が高い位置で奪ってカウンター。中野が連続切り返しで抜け出し、クロスを送るも中の飛び込みが届かず。

78分、明本が右で起点を作って、ポケットに抜け出した伊藤の折り返しまで。伊藤はこの時間になっても中盤でのデュエルや攻撃参加で存在感がある。

79分、藤田が判断を迷った一瞬のスキで明本がボールをからめとってマイボールに。押され気味の展開の中で価値あるワンプレー。

浦和は関根がWB、明本が右SHのような立ち位置になり、5-4-1での守りになっている。

81分、浦和のロングカウンター。松尾が背後のスペースに抜け出してGKと1対1を迎えるも朴がうまくブロックしてしのぐ。

浦和は敵陣での守備は4-4-2っぽく見えるときもあるので、守る場所によって2段構えのような形にしているかもしれない。

82分、上がってきたファンソッコがミドル。やや遠めからだったが、かなりきわどいシュートが飛んだ。

83分、鳥栖交代

菊地→福井

鳥栖がリスクをかけながら1点を取れるか、浦和が守備を固めてゴールを守りながらカウンターでとどめを刺せるか、という終盤の構図。

86分、ジエゴパスミスをさらった浦和がショートカウンター。松尾が抜け出してまたしてもGKと1対1のような形になるが、ポスト直撃。松尾は決定機二度を決め切れず。鳥栖パスミスもかなり安易だった。ジエゴにも疲労の影響が大きく出始めているか。

88分、浦和交代

大久保、大畑→江坂、知念

90分、右に人数をかけて攻める鳥栖。リスクは承知でバランスを崩してでも前線を厚くする。

 

後半は立ち上がりこそ浦和が高い位置でのプレーを繰り返し、ゴールへ迫り、2点目を奪ったが、55分あたりからは鳥栖のペースに。浦和は低い位置での守備が増え、ゴール前で我慢しながらロングカウンターで追加点を狙う流れとなる中、次の1点は鳥栖に入る。1点差になってからは浦和にも守りにストレスがありそうだったが、守備時は5バックにして受けるなど、割り切りも見せて、逃げ切った。

鳥栖はあわや同点というシーンを作れはしたが、自陣でのなんでもないロストも目立ち、「内容は良かったが」といえるものではなかったと言える。特に最終ラインでのパスミスや、対応の甘さが目立った印象。ただ、リスクをかけて同サイドに人数をかけてくる攻撃は浦和にとっていやなものになっていたようには感じた。

浦和は最近の試合でうまく行かないことを受けてこの日はスタイルを大きく変更。自陣撤退を受け入れつつ、どの局面においても縦に速い攻撃を志向しながらゴールへ迫った。鳥栖の前がかりなスタイルも相まって、ユンカーや松尾が生きやすい展開で、実際にその2人には多くのチャンスが訪れた。失点シーンはどこかフワッとした印象も受けたが、90分を通じて「闘う」姿勢を見せられたのではないか。

 

 

個人的MOM

★伊藤 敦樹

ブロック守備においても縦に速い攻撃においても、彼の強度とゴール前に飛び込んでいくダイナミックさは欠かせない要素。最近は相手のハイプレスに対して低い位置での絡みに難しさを感じるシーンも多かったが、やることがはっきりしたことで、彼の長所がかなり引き立ったように感じた。

 

スペースをもらえればパワーが倍増するユンカー、空きやすいサイドでチャンスメイク役を担った大久保、守備のスイッチ役やリンクマンとして攻撃を円滑にさせた小泉も高評価。松尾も決定機を二度決め切れなかったとはいえ、戦術的な機能は十分に果たしていたと言える。

鳥栖は勝負を決める3点目を決めさせなかった朴、さすがの決定力を見せた宮代、途中出場から攻撃を活性化させた小野が良かった。

 

トピックス

浦和は4試合ぶりの複数得点、勝利。

鳥栖は4試合勝ちなしに。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
非常に良い入りをすることができたと思います。相手にとって危険なプレーが前半のうちからいくつかできていました。(オフサイドで)取り消されたゴールにしてもそうですし、前半からいくつかチャンスがあり、その中でしっかりと1点目をつかむことができました。この試合に至るまでに困難な状況にぶつかりながら来ていたので、われわれにとって大きいゴールでした。

その中で2点目も取れて、チームを大きく助けるような、打開してくれるようなゴールでした。そこからもう少し流れをもってくることができれば良かったのですが、相手にゴールを決められ、いくつかピンチも作られてしまいました。

ただ、途中から入った松尾(佑介)も良い働きをしてくれて、2つ決めてもおかしくない場面を作ってくれました。ほかの交代選手たちも非常に良い働きをしてくれましたし、最後のほうはシステムを変えながら守り切ることもやりました。今回の相手の特長的にも必要でしたので、どうしてもやり方を変える部分もありましたが、出場した選手とチームが一丸となって、良い働きをしてくれたと思います。

--ブライアン リンセンが初スタメンとなったが、キャスパー ユンカーとの2トップの評価は。
リンセンはまだチームに順応している途中なので、やるべきことがまだたくさんあります。特にディフェンスのほうをやってきましたが、試合の中でもうまくやれていたと思います。今回の前線は個の力のある選手たちですし、チームとしても戦ってくれる選手たちです。非常に良いシチュエーションを試合の中で作れていたと思います。ただ、プレスの部分はまだ伸びシロだと思っています。前から行くよりは構える形が試合では多くなりました。

--4日の公開練習では元気がなく見えたが、今日は良い雰囲気で試合に入れていたと思う。どのように立て直してきたか。
負けたあと、2つの大敗のあとでしたので、そういった部分も練習に出てしまっていたと思います。試合に向けて少しずつ良くなっていった部分もあったと思いますが、今回の相手はやはり難しい相手ですので、ゲームプランをどうやって立てるかを重点的にやってきました。非常に皆の働きには満足していますし、うれしく思うほど努力してくれたと思います。

チームで1つになりながら、そしてサポーターと一体感を持ちながら、一緒に戦って勝つことができたと思います。われわれが目指すべきは浦和のサッカーをしっかりと表現することで、この試合ではできたと思います。前回の試合とルヴァンカップでタイトルを逃したことも大きなダメージになりましたが、こういった困難な状況、逆境に選手がしっかりと立ち上がって戦ってくれたことをうれしく思います。

 

[ 川井 健太監督 ]
まずはアウェイの地まで800人も来てくれて、ファン・サポーターに感謝していますし、ラスト2試合でもっと良いものを見せたいなと思いました。本当に浦和さんが良いパフォーマンスを見せたので、われわれが少し力が足りなかったなという試合です。ただ悲観する必要はないので、しっかりと次に向かっていきたいと思います。

--具体的にはどういった部分で力が足りなかった?
やはりゴールをもう1つ、2つ取れたのかなと思いますし、次の人に選択肢を与えるというところがもう1つ足りなかったなと思います。ただ、いまいる選手たちはそこも気づいていると思いますし、そこをしっかりとトレーニングすれば解決できると思っています。

--普段はサイドから攻める中で、得点シーンはあまりない形だったと思うが。
素晴らしいゴールでした。僕らがあえて試合トータルでサイドに目線を振っている中で、誰もがはっとするような、ああいうシチュエーションを狙っていきましょうというのは共有していました。相手の目線を先にどこに持っていく意味では成功した部分ではあります。

-- 残り2試合に向けてどう取り組んでいくか?
しっかり休むことも含めて、良いトレーニングをすることだと思います。ただやはり、まず自分のメンタリティー、モチベーションを保たなければいけません。選手には「モチベーションを上げるのは僕の仕事ではない」とハッキリ言っていますので、ファン・サポーターの皆さんに最後に何を届けるか、それに尽きると思います。そうすればおのずと、どういうプレーをしなければいけないか、日々どのように取り組まなければいけないか分かると思いますので、あまり僕が必死に頑張ろうと言わなくても、オフが明けたらいい貌をして集まってくれると思います。

 

2022 J1リーグ第32節 柏レイソルvsセレッソ大阪 メモ

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スタメン

前節とまったく同じ先発&サブ。

出場停止も含め、大南が3試合連続で欠場。

中村が負傷離脱中。

 

C大阪

前節で違和感を抱えていたような雰囲気があった奥埜が欠場。代わりに前節欠場した清武が先発復帰。

舩木がメンバー外になり、前節は代表帰りで欠場した西尾がメンバー入り。

石渡が二度目のメンバー入り。ボランチのケガ人が相次ぎ、喜田ではなく石渡にチャンスが与えられた。

丸橋、原川が負傷離脱中。

 

流れ

前節は5-4-1セットだった柏だが、この日は細谷をトップに上げた5-3-2セット。

立ち上がりはセレッソがボールを持って柏が構える構図。ジンヒョンを使いながら後ろを安定させる。

2分、柏が自陣でのカットからカウンター。細谷とドウグラスの2人で攻めようとしたが、セレッソの戻りが早く、いったん落ち着かせる。

セレッソのプレスに対して柏はある程度割り切って背後へ蹴る柏。

セレッソは鈴木がアンカー位置で清武と上門がIHのように振る舞う保持の形。

セレッソが保持して柏がカウンターを狙う構図がはっきりし始めた。立ち上がりは柏のほうが効果的にゴールへ向かえている印象。

4分、細谷が右サイドから強引に仕掛けてFK獲得。おいて行かれた鳥海が手を使って倒し、警告。

7分~、セレッソが保持を安定させて敵陣でのプレータイムを増やす。

セレッソの非保持は4-4-2セット。

セレッソは素早くサイドを変えて、柏のスライドが間に合わないうちに前進したい意図が見えるが、なかなかライン間に潜り込めない。

11分、柏がプレススイッチを入れ、セレッソがジンヒョンから清武へ送るが、上島がタイトについてつぶす。柏は中盤が動いて空けたスペースを最終ラインが素早く埋めて人をつぶしにいく。

12分、セレッソが左サイドから連続攻撃。柏はブロックしてしのぐ。

14分、松田とタガートのパス交換からこぼれ球を松田がアーリークロス。上門が飛び込むも届かず。

少しずつセレッソが前進の術を見つけてきている。柏は左右に振られる回数が増えて、中盤の負担が大きそう。

17分、自陣での奪取からサヴィオが1人で運び出して深さ作り。

18分~、柏の保持。3-1ビルドで椎橋にあてながら相手2トップを外していく。

20分、山中の大外からのクロスに毎熊が飛び込むも枠へ飛ばせず。難しいバウンドになった。

21分、柏は細谷を左SHの位置に下ろして、5-4-1セットに変えたか。

22分、ヨニッチのフィードで山中へ届け、バイタルで受けた上門がミドル。佐々木がセーブしてCKに。

10分を過ぎたあたりからセレッソが保持を安定させてペースをつかんでいる。柏はカウンターに出られる回数がかなり減った。

28分、久しぶりに柏の攻撃。北爪のクロスに三丸が飛び込むが、松田が絞ってクリア。

29分、右からのクロスを上門が落とし、クリアボールを松田が狙うも柏DFがクリア。柏も攻められてはいるが、決定的なシーンは作られていない。

柏は5-4-1にしたことで、高い位置でのプレッシャーは掛けにくくなったが、サイドのスライドが間に合うようになったことで深いところまで進入されるシーンは減った。ただ、攻撃には移りにくいので、押し返しが難しい。

34分、サヴィオのキープで柏が保持の局面を作り、ドウグラス、細谷、サヴィオで攻め込み、最後は北爪のクロス。柏は前線の枚数が少なく、一気にゴールへ迫るのが簡単ではないので、一度中盤で時間を作るフェーズが必要に見える。その役をこなすのがサヴィオ

古賀は下りるタガートにかなり深くまでついていく。

柏がシステムを変えてからセレッソはボールは持てる一方でチャンスの質が下がった印象。

42分、古賀→細谷の縦パスで前進。右での連係からサヴィオが右ポケットに抜けてシュート。セレッソ守備陣がブロック。保持から良い攻撃を見せた。

44分、ヨニッチのバックパスが短くなったところを細谷がさらって抜け出しかけるが、鳥海とジンヒョンがなんとかして事なきを得る。その際の接触でジンヒョンが少し痛む。

 

立ち上がりは柏がカウンターでチャンスを作ったものの、10分を過ぎたあたりからはセレッソのペースに。5-3-2でははった柏は守備がうまくいかないことを受けて途中から5-4-1に変更。カウンターの迫力は落ちる一方、サイドへのアプローチが間に合うようになり、持たれる位置を少し押し上げることができた。ただ、柏がペースを握れたかと言えばそういうわけではなく、セレッソがボールを持ってコントロールする構図は大きく変わらなかった。セレッソは引かれた相手をどう崩すか、柏はどこで押し返すポイントを作るかがカギになるか。

 

 

後半

セレッソ交代

鳥海→西尾

鳥海が警告を受けていたため、カードトラブルのリスクを考えたか。

前半と変わらず、柏は5-4-1セットで中盤に構え、受け手をつかまえるアプローチ。

セレッソは為田を外から内に走らせて外を空けようとする。

48分、柏の攻撃から一転、セレッソのカウンター。為田が運んで最後は上門のコントロールショット。惜しくも枠外。

51分、セレッソの右からのクロスをはね返した流れで柏がカウンター。サヴィオが運ぶも攻め切れず。トランジションが続き、やや中盤がオープンになる展開に。

53分、上島→三丸で前進し、クロスをドウグラスが収めようとしたが、キープできず。

56分、柏交代

ドウグラス→武藤

57-58分、素早いスローインからタガートが折り返して清武?がシュート。ブロック後、ドッジのハンドをアピールするが、ノーファウルの判定。

58分、ドッジに警告。清武に後ろから手を掛けて倒した。

柏はドウグラス→武藤の変更で、1トップからの守備の方向付けの意識が高まった印象。

59分、柏が縦に速く攻めて北爪が抜け出しかけるもセレッソ守備陣が蓋。

60分、ラストパスに細谷が反応するもわずかに届かず。ペースが柏に傾き始めた。

60分、セレッソが中央突破でタガートがゴールネットを揺らすもオフサイド。流れとシュートは完璧だったが、ラインから出てしまっていた。

若干局面がオープン気味になりつつあり、両者ともによりゴールへ近い位置まで入れそうなシーンが増えてきた。

63分、切り替えから武藤が左のスペースに抜け出し、GKの位置を見てループを狙うが枠外。

63分、柏交代

椎橋→加藤

64分、セレッソ交代

為田、毎熊→パトリッキ、中原

柏が鈴木に後ろからタイトについてくるので、セレッソは2列目の選手を下ろして、鈴木へ落とすことで前向きを作る。このパターンができたときは、1つ深いところまで入れる。

68分、北爪がゴールラインぎりぎりで折り返し、細谷が飛び込んで合わせたが枠外。

セレッソがCB→SBのパスで相手のシャドーを切ろうとしているが、ここまでは柏のプレスバックが間に合っているのでサイドからのシンプルな前進はできていない。

73分、セレッソ交代

タガート→加藤

76分~、セレッソが敵陣深くまで押し込み続け、柏の守備ブロックを叩いていく。柏は我慢の時間。武藤を最前線において、最低限の色気は残しているが、押し返せる雰囲気はそこまでない。

78分、北爪が右サイドで深さを取ってマイナスに戻し、加藤がワンタッチでゴール前に流すも誰も入ってこず。面白いボールだったが、プレーの共有ができていなかった。

79分~、柏の保持。セレッソは2トップも深くまで戻してしっかりと4-4-2で組んで守る。

79分、トランジションから山中がトラップでマーカーを外して自らシュートまで。攻撃のターンが移り変わるような展開に。

80分、セレッソ交代

上門→北野

81分、柏交代

ヴィオ、ドッジ→小屋松、戸嶋

ヴィオは鼠径部あたりを痛めたか。ただ、70~80分くらいにいつも痛めるようなアクションを見せるので、程度は不明。小屋松が左シャドーに入り、細谷が右へ移る。

84分、ヨニッチが座りこむ。武藤との接触でひざのあたりを痛めた模様。メディカルスタッフのチェックの末、プレーは続ける。

88分、山中の後方からの配球で加藤が左ポケットに抜け出して折り返し、CK獲得。山中にしか出せないようなスペースに流し込むパス。

90分、山中の速いクロスに数人が飛び込むが、押し込めず。かなりきわどいチャンスを作った。ここ数分はセレッソがボールを持って押し込む。

94分、セレッソに攻め込まれている中、ルーズボールを制して北爪→武藤とつないでシュートまで持ち込むが、ジンヒョンがキャッチして試合終了。

 

おおよそセレッソが保持して柏が守る構図は変わらず、セレッソは中盤を下ろしながらうまく前進させ、柏も中盤の4枚でけん制を掛けながら中盤で球際を作って奪って、と両者が狙いを出しながら拮抗した展開が続いた。どちらかといえばセレッソのほうが押し込む時間が長く、チャンスの数も多く作った印象だが、決定機というほどの好機はなかなか作れなかった印象。柏のゴール前の粘りも続いた。終盤は互いにへばりながらもゴールを目指す展開でオープンになる場面もあり、試合終了後には互いの疲労感が感じられた。

柏は前半にうまく行かない時間がありながらもシステム変更で守備を安定させ、勝点1を死守した。ただ、ボールを持つ時間が少なかったことや、前線が薄くなったことでカウンターへ出ていきにくくなったなど、攻撃面の課題は残ったのではないか。

セレッソは柏のタイトなマークに食われるシーンもあったが、おおよそ保持は安定させられ、ロストしても素早い切り替えで遅らせていた。柏が5-4-1に変えてからはシンプルにサイドで相手の中盤を越したり、アンカーの鈴木に前を向かせたりのところで難しさはあったが、柏が落ちてくれば押し込み続けることができ、左右に回し続けたことの効果が終盤に表れたともいえる。

 

 

個人的MOM

★山中 亮輔

後方からの配球、高い位置へ上がってからの高速クロスなど、チャンスメイクの面で彼が最も脅威を見せていた。中で合わせれば1点、というシーンもあったが、中が合わせきれず。

 

柏はサヴィオがキープして時間を作り、北爪が追い越すという最近の鉄板右サイドコンビが機能していた。

 

トピックス

鳥海が累積警告4枚目で次節出場停止。

柏もセレッソも3試合連続引き分けに。柏は8戦勝ちなしだが、直近2試合はクリーンシート。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ネルシーニョ監督 ]
前半は入りから非常にきっ抗した内容の試合で、主導権の奪い合いになった展開だと思います。後半に入る前には「相手が出てきたところでボールを奪い、カウンターに出ていこう」というプランを話して、選手たちを送り出しました。後半に入ってからは相手にボールを握られる時間が増え、相手を引き込んでから良い形でボールを奪うというところで何度か守備が機能したと思います。

ただ、ボールを奪ってからカウンターまでつなげることができませんでした。カウンターに出ていけない時間帯が続いたために、どうしても相手に自陣で押し込まれる時間が長く続いてしまいました。それでもいくつか守備から攻撃への良いサイクルは作れていましたが、最後決め切れなかったところで次節に課題が残ると思っています。

 

[ 小菊 昭雄監督 ]
両チーム、ACL出場権獲得に向けて勝点3を最後まで取りにいく熱いゲームだったと思います。引き分けに終わったのですが、柏レイソルの一番のストロングポイントである、堅い守備からのカウンター、そこをしっかりとゲームコントロールしながら、いかに自分たちで安定して運び、ファイナルゾーンに全員で進入できるか。そこが大きなポイントになると思っていましたが、多くの時間でわれわれのゲームとしてコントロールできたと思います。

再三、ファイナルゾーンにもボールを運ぶことはできました。あとは決め切るところ。そのためには回数を増やしていく、最後のクロスの質、入り方、最後のコンビネーションのところ。ラスト4試合、詰めていきたいと思います。全体的には選手たちがファイトして、「勝点3を持ち帰る」という強い気持ちで最後まで走り切ってくれたと思います。

--ボール保持の際、上門 知樹選手、清武 弘嗣選手のインサイドハーフ、鈴木 徳真選手がアンカーのようなシーンもあったが、この中盤の組み合わせは公式戦では初めてだったと思うが、今日の内容を振り返ると?
今週、時間が短い中でもトレーニングをして、映像でミーティングも重ねながら準備しました。この短時間の準備の中で彼らの良さは出せたと思います。それぞれの良さを出しながら、個々が輝く。それがチームにとっては大事。それぞれの良さを出しながら、しっかりとゲームができたと思います。さらに今後、時間を重ねるごとにクオリティーが上がっていくと思っています。

--復帰後、初めてフル出場した清武選手について。
実は70分くらいで(交代を)最初は考えていたのですが、彼のパフォーマンスを見て、守備の強度も含めて(フル出場を決めた)。もちろん攻撃ではアクセントになりますし、ゲームコントロールも含めて90分トライしようと。そういう決断をするくらいのプレーでした。久しぶりのゲームで最後は足もつっていましたが、技術、戦う気持ち、リーダーとしてのキャプテンシーも含めて、僕は彼に託そうと思って、最後まで出場させました。

--残りリーグ戦3試合に向けた思いについて。
今季がスタートしたとき、「アジアに出ていく」、「3つ目の星を刻む」。この大きな目標を掲げてスタートしました。いま、その目標をダブルで達成できる可能性があることに、私自身感謝しています。

常々、選手には言っているのですが、「80、90点のシーズンではなく、ダブルを取って、100点で終わろう」と。その意味でも、リーグ戦ラスト3試合と、ルヴァンカップのファイナル。4試合ありますが、一戦一戦、全員で戦って、全勝で終わりたいと思います。

 

2022 J1リーグ第32節 ジュビロ磐田vs鹿島アントラーズ メモ

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スタメン

磐田

グラッサが出場停止明けで先発に。同じく前節出場停止だったゴンザレスはメンバー外。

鹿沼が出場停止。

前節欠場していた大津、鈴木、黒川らがメンバー復帰。

遠藤は2試合連続でメンバー外。

高野と大森が負傷離脱中。

 

鹿島

常本が負傷明けで先発復帰。

エレケが3試合ぶり、キムミンテが7試合ぶりの先発。

土居と林が負傷離脱中。

 

流れ

立ち上がりは鹿島がボールを持ってゴールへ向かう。

鹿島は4-4-2でスタート。

エレケはかなり右に流れる傾向がみられる序盤。

2分、ルーズボールを制したところから松本のコントロールショットまで。1stシュートは磐田。

4分、素早いスローインの流れから樋口のミドル。三浦がキャッチ。鹿島が敵陣へ押し込んでコンビネーションからの打開を図っている。

6分、磐田の保持。左から右への展開で鈴木が仕掛けて折り返し、山田が合わせる。こぼれを金子が狙うも枠外。サイドチェンジで鹿島のSBの背後を取り、良い攻撃を見せた。

7-8分、鹿島がダイレクトな展開で鈴木→エレケでオープンな展開に持ち込むもシュートまでは行けず。

9分、鈴木優のライン間受け。磐田は5-4-1セットなので、鹿島がCBに時間が生まれやすい。

9分、鹿島先制、0-1。右から前進し、エレケの落としを樋口が完璧なミドルを決めた。鹿島の深いところで圧力を掛けた攻撃が早くも実を結んだ。樋口のシュートの質はお見事の一言。

13-14分、鹿島がプレスを掛けて磐田に蹴らせるが、山田がうまいコントロールでキープ。左サイドの連係からCK獲得。

鹿島のゴールキックにはプレスを掛けていく磐田。ただ、全体的にそこまで強度を上げる意識は感じない。基本的にはいつもと同様に、ペースを落としつつバランスを整えることを重視しているか。

18分、樋口の直接FKはわずかに枠外。

19-20分、磐田が右サイドの連係で密集を抜けてから、再び右に出してクロス。鈴木雄と山田がうまく絡むと攻撃の質が高まる。

23分、エレケが左で仕掛けてクロスまで。仲間が中に入って合わせるもバーの上へ。

25分、鈴木雄が右ポケットへ抜け出してシュートを狙うもサイドネット。磐田はやはり右サイドが攻撃の中心。

28分、トランジションから磐田が敵陣へ押し込んで攻撃。山本康から積極的に縦パスを入れてスピードアップを意識しているか。今季の中では良い攻撃が出せているシーンが多く、ゲームもある程度コントロールできている。

30分、磐田同点、1-1。金子が左に流れながら受け、深い入りからの折り返しを杉本がスルー。その1つ奥に入っていた鈴木雄が左足で合わせてゲット。磐田が良い時間帯で追い付いた。

31分、ロングボールのセカンドを拾った山田がミドル。磐田がイケイケの雰囲気に。

32分、磐田逆転、2-1。右で作って上原の縦パスを受けた山田がラストパス。受けた金子がGKを外して角度のないところから決め切った。会場の雰囲気も借りて一気にペースをつかんだ磐田が一気に逆転成功。またしても早い時間に先制を許して嫌な空気が漂ったが、すぐに跳ね返したことは大きい。

35分、鈴木優がライン間でうまくターンして前を向き、和泉のシュートまで。久しぶりに敵陣へ入れた。

37-38分、鈴木優がライン間で受けてスピードアップし、エレケが仕掛けるも鈴木雄が対応。磐田は5-4の間で受ける鈴木優を捕まえ切れていない。

41分、磐田が右で作りながらクロスを入れて押し込み、最後は上がってきた伊藤のミドル。磐田はボールを持ってコントロールしながら右サイドを軸に攻撃の試行回数を増やせている。

45分、樋口のFKをキムミンテが頭で合わせるも惜しくもバーの上。この日の樋口はキック感度がかなり良さそう。

46分、山本康のインターセプトから右サイドを抜け出してクロスまで。逆まで流れたが、三竿のハンドを取られて磐田がPKを獲得。

49分、磐田追加点、3-1。杉本がPKを落ち着いて決めた。内側からサイドネットを揺らす完璧なコース。PKではあったが、杉本はようやく今季初得点。リスタートされずにこれがラストプレーに。

 

立ち上がりこそ鹿島が敵陣へ押し込んで圧力を掛け、先制に成功したが、20分あたりからは磐田が守備も保持も安定させながらゲームをコントロール。持っているだけでなく、パスを交換しながら敵陣へ押し込み、右サイドを軸とした攻撃を何度も仕掛けられた。中でも山田が入ったことで攻撃の最後の質が上がっている印象があり、積極的に縦パスを打ち込みやすくなっているようにも見えた。

鹿島は鈴木優の間受けから攻撃を加速させられる良いシーンもあったが、途中からは前進もままならなくなり、停滞。守備も左右に動かされるイメージで、「ボールを持たせている」という状態は作れていなかった。攻撃面ではエレケが左右に広く動いてチャンスを作れていること、樋口のキック感度がかなり良さそうなことが明るい要素だったか。

 

 

後半

鹿島交代

ピトゥカ、仲間→関川、松村

関川がCBに入り、三竿がボランチへ移る。

磐田は立ち上がりから勢いよくプレスを掛ける。

46分、山田が高い位置でインターセプトするもラストパスは合わず。

46分、鹿島得点、3-2。安西が縦に仕掛けてクロス。ファーに流れたボールを常本が狙い、エレケが押し込んでゲット。磐田は悪くない入りだったが、1stチャンスをものにされてしまった。鹿島はすぐに1点差にできたことが大きい。

得点後から鹿島が押し込んでいく展開。

49分、ロングボールを杉本がうまく収めてクロスまで持ち込むが、ファーの山田までは通らず。

磐田は立ち上がりこそ前からプレスを掛けたが、落ち着いたら5-4-1ブロックで撤退に移行。

55分、スローイントランジションから鈴木雄のクロスまで。

56分、鈴木優がライン間で受けて前進。磐田は人数をかけてブロックを作っている割には、ライン間のスペースがあり、コンパクトさに欠ける。

57分、磐田が右からグラウンダーのアーリークロスを供給するも関川がブロック。磐田は前半と同じく攻撃は右サイド偏重。

早川はPAの外まで積極的に飛び出してくる。

磐田は前半のように保持でコントロールできず、チャンスはトランジションから作っていることが多い。ビルドアップは相手のプレスに対してうまく回っていない。

60分、鹿島交代

常本、和泉→カイキ、広瀬

鹿島はクロス攻撃で押し込む。磐田はゴール前に撤退して我慢の守備が続く中、各所に空洞が生まれているのが気になる。

65分、岩田が久しぶりに敵陣へ入ってCK獲得。

66分、CKを杉本がニアで合わせるもバーの上。

67分、鹿島が縦パスをカイキに刺してエレケへラストパス。大井がカバーしたが、きわどいチャンスを作った。やはり磐田はライン間に簡単に刺される回数が多いのが気掛かり。中盤が4枚いる中で間を通されすぎている。

70分、鹿島交代

エレケ→エヴェラウド

エレケは直前のプレーで足を気にしていたため、大事をとって下げた。

71-72分、鹿島の波状攻撃。磐田はゴール前でクロスをはね返す。鹿島はターゲットタイプが増えているので、シンプルに上げても怖さがある。

磐田はなかなか保持の局面が落ち着かず、敵陣に入れてもCKを取るのが精いっぱい。安定した落ち着きどころが作れない。

75分、CKの流れからクロスのこぼれ球を鈴木雄が拾ってミドル。バーをたたいて枠外へ。磐田は後半で最も惜しいチャンスを作ったが、追加点とはならず。

77分、鹿島が右サイドを縦に進んで松村がポケットを取るが、大井のカバーが利く。PA内の危険なエリアに入られたときは大体大井がカバーしている。金子が前に出て空けたサイドのスペースを使われた。

78分、松村が右からカットインして左足ミドル。バーのわずか横を通って枠外へ。

80分、磐田のロングカウンター。山田が自陣から持ち運んで金子とのパス交換でヘディングシュート。やはり山田が絡むと攻撃の質が上がる。

81分、グラッサ→山本義

グラッサは座り込むシーンがあり、疲労が来ていたかもしれない。

83分、連続CKからエヴェラウドがヘディングで合わせ、枠内へ飛ばしたが三浦が重心を動かされながら好セーブ。樋口のキックが冴えているので、セットプレーの怖さも増している。

85分、磐田交代

金子→ジャーメイン

鹿島がサイド攻撃やセットプレーからひたすらクロスを入れていく展開。磐田は自陣深くで我慢を続ける。

89分、ロングボールをカイキが収めてクロスまで。中に飛び込みが間に合わず。

磐田はいくらか前に出てプレスを掛けに行く姿勢も見せるが、早川も含めたパス回しで簡単に外される。

91分、割り切って強度を上げてプレッシャーに出た磐田が前で奪って山田→ジャーメインでシュートまで持ち込むが枠外。ここではプレスがハマった。

92分、鹿島同点、3-3。アバウトに入れたボールを広瀬が競り合って倒れた状態から折り返し、エヴェラウドが合わせてゲット。磐田は流してゴールキックにしようとしたが、競り合いの中で残されてしまったところが痛恨。1つの判断と、プレーをやり切れるかどうかの紙一重が悪いほうに転んでしまった。

93分、磐田交代

杉本→松原

95分、広瀬に警告。セットプレー守備からカウンターに出ようとした松原を強引に止めた。

96分、オープンな殴り合い。ボールを奪ったほうが一気にゴールへ迫る。

 

後半はほとんどの時間を鹿島が支配し、開始早々に1点を返す。その後もクロス攻撃をメインに磐田の守備の壁を叩き続け、終了間際に追いついた。どちらも勝利を目指す中、最終盤はオープンな殴り合いでどちらが4点目を奪うかという勝負になったが、スコアは動かずに引き分けで決着。磐田は残留のために、鹿島は停滞感を打破するために勝点3が必要だったが、それはどちらの手にもわたらなかった。

鹿島は内容的にも良くなかった前半から、選手交代も含めて後半でうまく押し返しはしたが、追い付くのに時間がかかってしまった、磐田が陣地回復できない流れだったため、押し込んで逆転まで持ち込めてもおかしくなかった。ただ、データ上は「最下位に負けた」となると、チームが大きくぐらつきかねない状況だっただけに、最悪の結果を免れたことをポジティブに捉えたい。

磐田は今季の中でもかなり良いほうに分類される前半を過ごし、ゲームをコントロールしながら2点のリードを得る最高の展開に持ち込めたが、後半の守備は反省が必要。個人の粘りは目立ったが、「守れている」雰囲気がほとんどなく、失点するかは相手の攻撃の質に委ねられている感じだった。残留に向けて崖っぷちだが、杉本に初得点が生まれたこと、山田の状態が非常に良いことを次につなげていきたい。

 

 

個人的MOM

★大井 健太郎

3失点したとはいえ、後半の苦しい時間で最も効いていたのは彼のカバーリング。さすがの経験値を感じさせる準備と読みが感じられた。

 

攻撃で最も存在感があったのは山田。推進力、ラストパス、起点作りと、彼がいるだけで攻撃に幅と質が出た。伊藤監督のチームに彼がいればどうなっていたか…と感じさせる出来だった。

鹿島は先制点を挙げ、セットプレーのキッカーとしても脅威を与えた樋口が高評価。

 

トピックス

エレケが加入後初ゴール。

PKながら杉本に今季初得点が生まれた。

鹿島は7試合勝ちなし。磐田も7試合勝ちなし。

樋口と広瀬が累積警告4枚目で次節出場停止。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 渋谷 洋樹監督 ]
まずは静岡県内で水害によって非常に厳しい中で生活している方にお見舞い申し上げます。先日、選手とともに災害のところにお手伝いに行きましたが、そういう方々が厳しい状況にいることをあらためて分かって、今日私たちは勝利を届けて力や勇気を与えたいということで試合に臨みました。

またわれわれのファン・サポーターも、とにかくホームで勝点3をということでたくさんの方が駆けつけてくれて、勝利を期待したと思いますが、最後の最後で勝利を届けられなかった。毎試合言っていますが、非常に悔しいし、残念で本当に申し訳なく思っています。

ゲームに関しては、良い入りができたと思います。(1失点目の)ミドルシュートは気をつけていたが、あのタイミングだけプレッシャーに行けずにやられてしまった。あそこは受け身に立ってしまったと思います。

ただ前半は自分たちがやろうとすることを選手たちが遂行してくれて、結果的に3得点できて、今季初めて(杉本)健勇が得点することができて、本当にわれわれが勝利に値するゲームを前半はできていたと思います。

ただ後半始まってすぐに失点してしまったことで、少し受け身に回ったまま試合を続けて、何度かチャンスもありましたが、やはりあの時間帯までずっと後ろにセットしていると、一発というところでやられてしまった。そこは私自身、もう少し勇猛果敢に前にボールを運ぶという部分を選手たちに伝えたり、そういう選手交代をしながら戦わせられなかったことをすごく反省しています。

今日は90+3分までは勝てていたので、次は優勝争いしているマリノスさんですが、今日の90+3分までやれていたゲームを最後の最後まで戦い抜いて次は勝点3をもぎ取って、自分たちで取ることを意識して戦いたい。アウェイでなかなか勝っていませんが、次は勝点3。残留するための勝点3を取れるように私自身も選手たちとともに戦っていきたい。

--交代に動けなかった理由は?
もしかしたら選手たちの中でも、前線を代えてパワーを持って規制をかけないとやられる感じがあったかもしれません。ただ、私自身はバランスよくプレーしていたと判断しました。私自身、もっと交代をうまく使えればいうのはありましたが、選手たちを信頼していた。最後失点してしまったので、あとから言うことはできます。ただ後ろの選手にとっては、前線からの規制がもしかしたら必要だったかもしれないので、そこを含めて交代選手を使えれば良かった。交代選手もしっかりと準備してくれていたので、そこも含め私自身はもっとうまくできたと思います。あとは時間の使い方も含め、もう一度マリノスさんに向かっていくために、しっかりと選手に伝えていきたい。

 

[ 岩政 大樹監督 ]
選手たちは素晴らしい戦いをしてくれました。DAZNのほうでもお話しましたけども、サポーターの皆さんですね。試合前に選手たちにも話したんですけども、あの試合(天皇杯準決勝・甲府戦)があって中2日で磐田戦があると。それに対しておそらく1回は迷われたと思います。ここに来るかどうかを。それを選手たちともう一度戦うという決意を固めてここにいらっしゃった皆さんが、最後まで一緒にこの空気を作ってくださって追いつけたというところは、一歩まではいきませんけど、半歩前進できたと思っています。

 

2022 J1リーグ第32節 川崎フロンターレvs清水エスパルス メモ

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スタメン

川崎

橘田が出場停止。

前節で負傷したジェジエウ、車屋、チョンソンリョンがメンバー外に。丹野は2試合目の先発。

遠野と山村も久しぶりの先発。

永長が初のメンバー入り。

ダミアン、大島、チャナティップが負傷離脱中。

 

清水

定番のセットだった乾とピカチュウの両サイドをベンチスタートに。

ホナウドがメンバー外になり、松岡が先発復帰。

北川が6試合ぶりの先発。

神谷、オセフン、西澤、髙橋らが負傷離脱中。

 

流れ

立ち上がりからあまり前に出て行かない清水。4-4-2で中盤セット。川崎が持つ構図が最初から。

川崎のIHは相手ボランチーSH間をうろうろしながらクッション役になってパスを引き出す。

2分、ハイプレスからのショートカウンターで小林が抜け出してシュートも権田がセーブ。

清水も保持の局面になれば、後方から丁寧につないでいく。

4分、清水がクリーンに前進して、サンタナのミドルまで。川崎の3トップの外切りプレスに対し、鈴木義→原で浮く場所をうまく使って運んだ。

5分、山原のインスイングクロスに中山が飛び込むも川崎DFがクリア。CKに。

7分、カルリーニョスインターセプトからカウンター。奥の中山を狙ったボールがサンタナに当たってしまい、ゴールラインを割る。ここまでは清水が攻守に良いペースで進めている。

9分、山原→サンタナとつないでカルリーニョスへうまく落として疑似カウンター。川崎の守備戦術を把握しながら、清水がうまく前進できている。

相手2トップに挟まれるシミッチが受けられず、ブロックの外まで下りてくるシーンが増えた。

清水は2トップも中盤と離れないように、下がって守備をする。4-4-0-2にならないように、バランスを保つ。

13-14分、谷口→家長で右サイドに深さを作り、右サイドのコンビネーションから折り返し、こぼれ球を山根のシュートまで。

15分、サンタナの収めから全体を押し上げ、右サイドのコンビネーションから原の折り返しを北川が合わせる。枠外だったが、良い崩し。

16分、鈴木義のパスをカットした川崎がショートカウンターPA内で粘ってクリア。鈴木義からSBへ届けたかった意図は分かったが、ややリスキーなプレー選択になった。

21分、立田から中山にフィードが出るが、惜しくも合わず。川崎がプレスを掛けず、ラインを高くしてきたら一発の裏があることを見せた。

22分、山根の幅取り→脇坂のハーフスペース抜けで折り返し。右サイドの連係はうまくいっている川崎。

守備時のシミッチはアンカーというよりも、相手のボランチを捕まえに積極的に前へ出ていく。IHはその近辺にうろつく白崎や北川を意識しているか。

25分、中盤でのトランジションから清水の攻撃。サンタナを経由して左へ展開し、最後は山原のカットインミドルまで。

26分、相手2トップ裏で受けた脇坂が鋭い縦パスで小林へ。シミッチや脇坂からスイッチを入れるパスが何度か入っている。また、川崎はIHをサポートさせながら後方でリズムを作ろうとしているか。

27分、川崎先制、1-0。CKのこぼれ球を拾った遠野が思い切りよく左足を振り抜いてゲット。清水のほうが安定したゲーム運びを続けていたが、川崎も良い縦パスを入れたところで生まれたCKから先制に成功。

30分、シミッチ→脇坂で2トップ近辺を崩してから山村の運び→縦パスもつながらず。相手の前線を崩すまでは悪くない流れ。

34分、後方のつなぎから右で細かく繋いで密集を突破。脇坂が運んでそのままシュートまで。清水は徐々にボールを持つ時間もカウンターに転じられるシーンも作れなくなってきた。

36分、マルシーニョのシュート。川崎が敵陣でパスを回し、ロストしても即時奪回で押し込む展開に。清水はサンタナのポストを使って押し返そうとしているが、囲まれて収め切れないシーンがチラホラ。

37分、清水が右サイドでの連係でうまく外しかけるが、川崎のカバーが間に合う。川崎は後ろの選手が迷いなく押し上げられるようになった印象。

40分、プレスに出たがっているサンタナが周りが連動しないことに不満げなアクション。

43分、清水の保持。立田の縦パスをシミッチがカット。清水は序盤よりもCBが判断する時間を奪われており、選択肢が狭められて、川崎の中盤がそれをカットする。

44分~、清水の久しぶりの保持。ポイントを作れず、なかなか内側に入り込めない。

46分、権田のパスを奪った川崎が引っかけ、ショートカウンター。素早いパス交換から脇坂が完全に抜け出したが、シュートは枠外へ。決定機。

権田が直前にあった谷口との接触で体のどこかを痛めた様子。自ら交代を要求するようなアクションを見せる。

 

立ち上がり15~20分くらいは清水が守備を安定させながらカウンターを打ち、保持でもうまくプレスを交わしてコントロールできていたが、川崎が先制したあとは川崎の一方的な展開に。清水は自陣へ押し込まれる時間が続き、陣地回復の術を見つけられないまま進んだ。サンタナが「プレスに出ろよ」といったようなアクションを見せるなど、ストレスは割とあった雰囲気。ただ、苦しい時間でもピンチを迎えながら2失点目を許さなかったことは好材料。川崎は最後に訪れた脇坂の決定機を決められなかったことは痛かった。

 

 

後半

清水交代

権田→大久保

46分、中山の突破で得たFKの流れからカルリーニョスのコントロールショットまで。川崎のパスミスから清水が攻撃に転じ、立ち上がりは良い流れを作れている。

48分、清水同点、1-1。左サイドを突破したカルリーニョスのマイナスの折り返しを白崎がうまく合わせてゲット。トランジションから素早くゴールへ迫り、ゴール前の枚数も確保できた。白崎らしい、ボックスtoボックスの動き。

52分、自陣での奪取から清水がカウンター。山原が個人で仕掛けて突破からクロス。後半立ち上がりは完全に清水ペース。

清水は後半からプレスのスイッチを入れ直して前プレに出ていくようになった。一度深さを取られたら、撤退してバランスを整える。

53分、シミッチに警告。中盤のロストからサンタナに運ばれそうになったところを後ろから倒した。

56分、清水逆転、1-2。右で作ってから左へ流し、上がってきた山原の速いクロスをカルリーニョスが合わせてゲット。清水が良い時間帯で一気に逆転まで持ち込んだ。

59分、川崎交代

遠野→知念

知念と小林が2トップ気味になり、中盤はシミッチと脇坂のダブルボランチ。攻撃時は縦関係っぽい。知念と小林は流動的に中盤のタスクもこなしているイメージ。

62分、川崎が敵陣で回しながら知念で左ポケットを取って折り返し、脇坂がバイタルからシュート。大久保が処理。

64分、脇坂→山根で背後を取り、クロスをマルシーニョが頭で合わせるも枠外。

65分、清水交代

中山→ピカチュウ

中山はどこかを少し痛めていた様子があった。接触時の影響?

65分、清水が自陣で奪ってサンタナが運び出すが、川崎も素早く戻って囲い込み、奪取。

徐々に川崎が押し込む展開になってきた。清水はカウンターへ移行できそうなシーンもあるが、自陣で我慢の時間になってきている。

68分、川崎の後方での組み立てにプレスを掛けていく清水。うまく詰めていったが、シミッチのところを消しきれずに、川崎が前進成功。その流れで小林のシュートまで。清水は悪くないプレスだったが、気持ち強度が足りなかったか。

69分、カルリーニョスが座り込む。表情はそこまで険しくないが、担架に乗せられてピッチの外へ出る。

71分、清水交代

カルリーニョス→乾

71分、清水がカウンターにでてPAまで運び出したが、連係が合わず。

74分、川崎の敵陣での回し。マルシーニョの配球に山根が抜け出して折り返すも、清水がはね返す。

75分、川崎同点、2-2。CKから山村が頭で合わせて、ループのような形でゴールへ吸いこまれた。川崎が押し込んだ流れからセットプレーでこじ開けた。清水は流れの中ではギリギリ耐えていたが、セットプレーで守り切れず。

77分、川崎逆転、3-2。右で作って上がってきた山村が逆サイドへパスを送り、マルシーニョがつぶれながら折り返したボールを小林が押し込んでゲット。清水は2失点目のCKにつながる前のシーンもそうだが、横の揺さぶりに対応できなかった。

79分、清水交代

サンタナ、北川→コロリ、鈴木唯

81分、ショートコーナーから乾がコントロールショット。枠外だったが、可能性を感じさせた。山原と乾の連係は良い感じ。

鈴木唯は1.5列目で自由に動き回り、ボールを受けに行く。

84分、下りて受けにきた鈴木唯が中盤でロストし、川崎のカウンター。清水は相手2トップのプレスに対し、IH化する2人が中盤を落ち着かせようとしているか。

85分、左からの展開で原が折り返し、ピカチュウが押し込んだがわずかにオフサイド。川崎は命拾い。

86分、川崎交代

小林→宮城

88分、知念が原との競り合いで肩あたりを痛めた模様。

90分、川崎交代

知念、登里→小塚、佐々木

知念は負傷によってインアウトの交代に。家長を最前線に入れ、小塚をトップ下気味に入れる。

清水は立田を最前線に上げる。

川崎は小塚を前に置くことでプレスの強度を上げるアプローチ。

清水はつないで前進しようとしているが、川崎の2トッププレスをうまく外しきれない。

95分、清水が左でうまく作ってクロスを入れ、CK獲得。ラストプレー。

 

後半立ち上がりは川崎のしょっぱなのパスミスから清水がペースを握り、同点、逆転とうまくスコアを動かすことに成功。ただ、その後は前半と似たような展開で川崎がボールを持って押し込むような展開に。その流れで川崎が一気に2点を奪って再逆転。最終盤は清水がボールを持ってゴールを目指し、ネットを揺らしたシーンもあったが、わずかにオフサイドの判定。川崎はリード後も前からプレスを掛けて自陣へ入らせないアプローチを続け、守り切った。清水は終盤はなかなか思うように前進できず、交代後からは特にちぐはぐ感があった。ただ、良い時間帯では保持も非保持も全体での意思統一されている雰囲気があり、特定の時間を切り取れば内容は決して悪くなかった。

 

 

個人的MOM

★山村 和也

ジェジエウ、車屋負傷によって久しぶりにめぐってきた先発の機会で2得点に絡む活躍。相手の引いた守備をどう崩すかを考えている時間にセットプレーでこじ開け、攻撃参加&精度の高いパスで3点目を生み出した。

 

2点目のCK獲得につながるパスと、3点目のアシストを記録したマルシーニョも高評価。

清水はカルリーニョスが攻撃をかき回して存在感を見せたが無念の負傷交代。

 

トピックス

カルリーニョスが負傷交代。そこまで重くはなさそうなので、次節も出てくる可能性はありそうだが状態は不明。

川崎は4試合ぶりの勝利。清水は4試合勝ちなしで、暫定ながら自動降格圏に転落。

シミッチが累積警告4枚目で次節出場停止。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 鬼木 達監督 ]
試合の内容として思うところはいくつかあるが、一部だが2年半以上ぶりに等々力での声出し応援が行われ、そのサポーターの後押しが今日の結果につながったと思う。これを次につなげたい、その思いだけです。

--遠野 大弥選手、山村 和也選手と、出場機会が多いとはいえなかった選手が結果を残したことについて。
うれしく思う。日頃から、出場機会がなかなかない中でもやり続けたこと、トレーニングでは100%を出してくれていて、それが終わってからも、それぞれが個人の向上のためにやり続けて、それが結果に残ったということ。それが姿を見ている中での結果であり、いろいろな選手に希望を与えた得点だったと思う。これで満足することなく、続けてほしい。

--首位・横浜FMとの勝点差が『5』に縮まったが?
自分たちの立場は変わらない。2022年のラストは、このあとのホーム2つ、それもまた声出し応援が可能になると思う。そういう意味では、自分も、選手も悔いの残らない試合をしたい。あきらめている選手は1人もいない。その姿勢の部分を見せ続けたいと思うし、信じ続けたいと思う。すぐに試合があるので、そこに備えたいと思う。

--同点ゴールが生まれる前、3人の交代をしようとしていたが?
少し、動かしのところもそうだが、幅と迫力、個の打開も含めてチャレンジしようという思いだった。あのタイミングで得点を取り、そこで少し息を吹き返したかなというのがあったので少し待った。追加点が取れたことは良かったが、そうでなかったら、時間がかかれば同じような形で交代していたかなと思う。

 

[ ゼ リカルド監督 ]
非常に激しいゲームになったと思います。川崎Fを相手にここで戦うのは難しい構図だということは理解していました。だが、立ち上がりからチャンスを作ることもできていて、それをモノにできず、その後川崎Fが得意のボールを保持する流れになりましたが、そこからわれわれも逆転をするところまで持っていくことができました。ただ、残念なのはその後、インテリジェンスに欠けてしまったと思います。こちらがボールを保持して相手を苦しませる展開に持っていきたかったが、それができず、また相手に流れを渡してしまいました。ただ、最後まで戦う姿勢は欠けていなかったので、これから頭を切り替えて次に向かいたいと思います。

--ハーフタイムに修正した点は?
主に守備のところ、奪い方のところ。前半からやりたかったところですが、奪い方を明確にしました。それによって後半に良い入りもできてゴールを奪うこともできました。2点を決めたあと、3点目を決めるチャンスもありましたが、それをモノにできず残念な流れになりました。ですが、先ほども言ったように、しっかりと戦ったゲームではあったと思います。この試合を見ている方にとっては、非常にスペクタクルなゲームになったと思います。それだけに良い結果を得て、このスタジアムを去りたかったが、それができず残念です。

--権田 修一選手の交代は前半終了間際の接触が原因か?
まだ詳しいことは、彼自身とも、メディカルスタッフともコミュニケーションをとっていませんが、このゲームを続けることができないという判断になったと思います。残念ながらそれで交代になりました。ただ私が選手を選ぶにあたって、全選手を信頼しているし、権田自身もすべての試合に準備してくれています。そしてほかのGKは大久保 択生、永井 堅梧もいるし、2人ともハードワークを続けてくれています。権田にもまたしっかりと回復をしてほしいし、ほかのGK陣にも引き続きハードワークを続けてほしいです。

 

2022 J1リーグ第32節 横浜F・マリノスvsガンバ大阪 メモ

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スタメン

横浜FM

前節とまったく同じ先発&サブ。

マテウスが外国籍枠の問題でメンバー外に。

宮市が負傷離脱中。

 

G大阪

齊藤が出場停止で、前節欠場していたダワンが先発復帰。

鈴木、クォンギョンウォンがメンバー外になり、シウバ、福岡がメンバー入り。

小野瀬が久しぶりの先発。

 

流れ

立ち上がりからマリノスが持ってガンバが構える構図。40秒でポケットを取ってシュートまでいくマリノス。ガンバは前から行こうとする様子もみえるが、基本的にはそこまでバランスを崩しすぎないようにしているか。

1分、CKの流れからマリノスが連続シュート。開始早々から畳みかける。

4分、エウベルのインスイングクロスに水沼が飛び込むも合わせきれず。マリノスが敵陣で回し、奪われても即時奪回で取り返し、ガンバに反撃のチャンスを与えない。ガンバは我慢の時間が続く。組織は崩れていないが、際の攻防などにフワッとした印象を受ける。

6分、ようやくガンバがのボールを持てた。パトリックらで深さを作って、CK獲得。

7分、ガンバ先制、0-1。宇佐美のCKをダワンが競り勝って折り返し、アラーノが押し込んだ。ガンバが1stチャンスでゲット。松田体制になってから、苦しくても少ないチャンスで先制する不思議な力がある。

スコアが動いても、マリノスが持って支配する展開は変わらない。ただ、1点あるかないかでは、ガンバの守備意識もかなり変わってくるはず。

ガンバはハイプレスを受けたらシンプルにパトリックを目指す。

17分、ロペスの展開から永戸のクロス。ゴール前で混戦を作り出したが、ガンバがかき出す。

19分、CKの競り合いで山本悠が痛んでいる間に、マスカット監督から小池龍に指示が与えられた模様。

マリノスはボールを持てているが、徐々にガンバのボールサイド圧縮に詰まるシーンも見られてきたか。

22分、トランジションからマルコスが回収し、クロス。エウベルがファーでフリーになり、合わせたが枠外。フリーではあったが、バウンドは難しかった。

24分、永戸のミドルは東口がキャッチ。

25分、マリノスが右サイドを縦に進んで小池龍の折り返しまで。ガンバはボランチとSHがボックス内までしっかり戻り、スペースを埋めてはね返す。深くまで戻る選手が多い分、カウンターに出ていくのは難しいが、最優先はゴールを守る事。

マリノスは外から逆サイドへのボールで、相手SBの外を突こうとしているか。

28分、ガンバが久しぶりのチャンス。後方からのパスに抜けたアラーノの仕掛けから、こぼれ球を最後はパトリック。

29分、ダワンに警告。ポケットあたりに抜け出しかけたマルコスを背中側からチャージした。

31分、アラーノが自陣でファウル。ガンバは少しだけアプローチが遅れるシーンが出始め、自陣でのファウルが増えてきた。

31-32分、FKの流れからエドゥアルドがきわどいクロスを送るも誰も触れず。

32分、ガンバが相手のパスミスをカットしてショートカウンターを狙うも、マリノス守備陣が素早い切り替えで火消し。前に出ようとしたところで受けたマルコスをダワンが倒してファウル。警告を受けているダワンはカードトラブルが怖い。

37分、マリノスが左サイドを崩して折り返し、バイタルからフリーで狙うも東口がブロック。マリノスは質の高いチャンスを生み出しつつあるが、最後のところはガンバの集中力が上。

41分、ロペスが背負いながら粘ってシュートまで。枠内へ飛ばしたが、東口がキャッチ。

42分、久しぶりにガンバの保持。深い位置で持てるが、急所には入れされてもらえないまま、囲い込まれる。

43分、アラーノに警告。オフサイドになったあと、ボールをけり出して遅延行為を取られた。完全に不必要なカード。

45分、右のパス交換から逆まで届けて永戸がシュートを狙うも髙尾がブロック。マリノスは良い攻撃を見せているが、ゴール前のDFは外せない。ガンバも気持ちが切れずによく集中している。

 

キックオフからマリノスがボールを持って攻め込み、ガンバが自陣で受け続ける展開がずっと続いた。ただ、リードしたのはガンバ。立ち上がりに奪ったセットプレーから最初のチャンスでこじ開け、リードを奪い、決死のディフェンスでゴールを死守した。おそらくガンバのチャンスというチャンスは得点シーンだけだったのではないか。マリノスも引かれた相手に対して良い攻撃を見せていたと思うが、ガンバの献身的な守備と、ゴール前での集中力がそれを上回っていた。

 

 

後半

後半の頭はガンバが少しプレスラインを上げて前から追うようになった。そのぶんスペースは生まれやすく、マリノスが押し込み続けるというよりも中盤でのオープンを取り合うような構図に。

48分、喜田がバイタルでテンポを上げて永戸のクロスまで。黒川が絞ってクリア。ガンバはSBが間を必ず埋めている。

49分、トランジションから右にマルコスが中にパスを入れ、細かい連係から岩田の左足ミドルまで。

ガンバは最初こそ前から行っていたが、徐々に撤退の色が濃くなってくる。宇佐美とパトリックも低い位置まで下げてまずはバランス重視のオーガナイズを組む。

53分、宇佐美のクロスからチャンスメイク。山本悠が外から折り返し直そうとするがCKに。

ガンバのセットプレーキッカーは宇佐美で固定。

前半同様、マリノスが深い位置へ押し込んでガンバがゴール前を固めて守る構図になってきた。

57分、宇佐美のFKをファーでダワンが合わせるも高丘がキャッチ。ガンバはセットプレーだと優位がある。

61分、ガンバがカウンター。左で運んでから右の小野瀬へ送ったが、永戸が戻ってカバー。

62分、マルコスがPA右角で受けて柔らかいクロス。ファーに流れて東口がキャッチ。より深い位置を取って崩そうとしているが、あと一歩二歩足りない。

63分、マリノス交代

マルコス、喜田、エウベル→西村、藤田、仲川

66分、左へ上がったエドゥアルドからグラウンダークロス。きわどいボールが送られたがガンバもはね返す。

69分、ガンバが右サイド奥を取って宇佐美から速い折り返し。高丘が防いだが、ガンバがきわどいシーンを作り出した。

72分、右で受けた小池龍のクロスにロペスが飛び込むも枠外。

72分、ダワンが座り込む。足を攣ったか。

73分、ガンバ交代

ダワン→山本理

75分、マリノス交代

小池龍、渡辺→角田、セアラ

マリノスは早くも交代枠を全て消費。ボランチを1枚削って前線のターゲットを増やす。

77分、ガンバが右サイドで起点を作り、小野瀬→髙尾で折り返し、アラーノが合わせるも高丘がかき出す。数は限られているが、ガンバも反撃を打つシーンは定期的に訪れる。

78分、ガンバ交代

小野瀬→食野

78分、ガンバ追加点、0-2。CKの流れからゴール前へ入れたボールをパトリックがコントロールして押し込んでゲット。耐えに耐えたガンバが終盤に大きな1点を加えた。

マリノスエドゥアルドが高い位置まで進出して厚みを出そうとしている。

84分、ガンバのカウンター。左からのクロスに山本理がフリーで合わせるも枠外。ビッグチャンスが訪れたが、3点目はならず。

85分、食野に警告。遅延行為?

85分、アラーノがルーズボールに反応してスプリントを掛けてループシュート。攻守でハードワークが際立つ。

86分、藤田のミドルがポストに当たり、跳ね返りから永戸のシュート→混戦から押し込むもその前にオフサイド。初めてネットは揺らせたが、ゴールは認められず。

ガンバは前線で持っても時間を使うことを優先。前の4人でキープしてもらう。

89分、持ち上がった岩田のミドル。東口がセーブ。

91分、ガンバ交代

アラーノ、パトリック、髙尾→福田、ペレイラ、福岡

全員体力的に難しくなってきたための交代。パトリックは直前にあったキックミスで足を少し痛めたか。自分で歩けてはいる。

96分、仲川が背後を取って折り返し、バイタルで西村がシュートを狙うも枠外。マイナスをうまく空けたが、シュートも難しかった。

 

マリノスが圧倒的にボールを持ってコントロールし、ガンバが自陣で守り続けるという、稀に見るハーフコートゲームの様相になったが、勝ったのはガンバ。ガンバが少ないチャンスを生かし、ゴール前では絶対にやらせないという極端に割り切ったプランを最後まで遂行し切った。マリノスも引かれたら何もできないというわけではなく、目線をずらしながら内側を取ってクロスを送るなど、壁を叩き続けてはいたが、ガンバの守備の集中力が上を行った。ガンバは早めにリードを奪えたとは言え、ほぼほぼ90分自陣での守備で我慢を続け、無失点で耐え凌いだのは素晴らしいの一言。メンタル的にも身体的にも厳しかったはずだが、気持ちの乗り方が違った。前節は東口の好守でなんとか勝点1を拾ったという内容だった一方、この試合では東口のビッグセーブに助けられるというよりも全体でうまく守れた。

 

 

個人的MOM

★ファン アラーノ

先制点を生み出したほかに、守備でのスライド、攻撃への切り替えで前にスプリントをかける部分など、彼のハードワークが最も目立った。何度か作れたチャンスも彼の献身性がもたらしたからこそと言えるものが多かったはず。

 

サイドを振られるシーンが多い展開で、ポジショニングを間違えることなくはね返しと迎撃を続けた黒川と髙尾の両SBも高評価。宇佐美のキックの質も脅威を与えた。

 

トピックス

マリノスは日産で初黒星。また、失点もかなり久しぶり。リーグ戦は7試合ぶりの敗戦。

ガンバは5試合ぶりの勝利。日産で3連勝。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ケヴィン マスカット監督 ]
もちろんこの結果に対し、すごく悔しい気持ちでいっぱいです。日産スタジアムで今季初めての敗戦となり、フラストレーションがたまる試合になりました。立ち上がりは自分たちがコントロールしていた中、セットプレーから失点してしまいました。セットプレー以外の形からの失点は見えない内容でした。失点すれば、相手は深い位置でより堅い守備をしてきました。それを崩す責任が自分たちにはあるし、チャンスはたくさん作りました。良いボールの動かし方からゴールに向かうチャンスもありましたが、結果を残せませんでした。

--結果論かもしれませんが、個人的に采配ミスではないかと感じている点があります。76分にレオ セアラ選手の投入で2トップにして中盤を1人減らしました。それまで試合をコントロールできていたので、アディショナルタイム含めて15分以上あった中、リスクを負う必要はあったのでしょうか。
自分はあなたの考えには同意できません。自分はリスクを負いますし、それが自分たちのサッカーです。0-1で負けていてゴールを奪わないといけない状況で、2トップにし、逆にそこでなぜボランチを2枚にしないといけないのでしょうか。相手が押し込んできているわけでもなく、ほぼ敵陣でボールを持っていました。前に人数をかけることはよりゴールを増やす可能性が高まります。そこでリスクを負わなくてどうするという思いがあります。西村(拓真)にしろ、仲川(輝人)にしろ、攻撃的な選手を入れることで前進するのが自分たちのやり方です。自分のやり方はこのやり方です。

--崩しの局面で相手が守備のリズムに慣れてきたタイミングでパスの選択が多く、シュートやドリブルでブロックを崩す選択があっても良かったと思いますが、監督はどう感じられましたか。
いくつかの場面ではそうしないといけなかったと自分も感じています。今日の試合のキーポイントは先制点でした。自分たちが先制点を取っていれば、2点目、3点目を取れたはずです。相手に先に取られると、より守備的に固めてきます。そうすると崩すのは簡単ではありません。

一方、前後半とも早めにクロスを上げるシーンが目立ちました。そこの判断は大事です。クロスを選択するのではなく、中が少ないときにはつないで崩していくことも大事になります。ご覧になって分かるとおり、ほとんど敵陣ボックス付近に押し込んでいた中、シュートやドリブルが必要だったのではないかというのはありますが、あれだけ固められた中、シュートを打ってもはね返されるのであれば、もう少しパスを回して様子を見て崩していくことが大事になります。フラストレーションがたまる中、よりチームのための判断になると考えています。

 

[ 松田 浩監督 ]
守る時間が多い試合でしたけれども、これはやっぱり相手との力関係だとか、スコアだとか、そういうところから来るものかなと思います。その中で選手は本当に90分間集中を切らさずよく戦ってくれたなと、本当に感謝したい気持ちがいっぱいです。それと多くのファンの皆さんにも駆けつけていただいたし、地元ではパブリックビューイングとか、そういうところでも応援していただいている方がいる。そういう人たちへの恩返しがわれわれの使命の1つじゃないかということで戦い始めましたけど、本当に最後までよく戦ってくれたなと思います。

守備をしているだけでは勝てませんけど、うまいことセットプレーとか、われわれの強みを生かして得点も奪うことができましたし、1点目も大きかったですけど、2点目もカウンターでというか、セットプレーの流れからということで、そういうところはうまく効率よく試合を運べたのが勝因かなと思います。

--先発を変更した考え方を教えてください。
前節の柏戦で勝点1しか取れなかったということは、やっぱり何かが足りなかったということ。そういう中で、何かの変化が必要かなと。そのままのメンバーでいっても、ある意味で遜色はないと思うのですけど、何か変化がないとまた同じことが起こるんじゃないかなというようなメンタリティーになってしまうかなと。そんな中で調子が良い選手はたくさんいるので、あとは今日は小野瀬(康介)選手を先発起用しましたけど、彼は何試合か後半から投入とかがあったのですけど、タイプ的には先発で生きるなのかなというのも考えたりした中で、彼をそういう使い方をしてみたいなということですね。そのあたりが先発の起用では考えたところです。

--横浜FMは今季、セットプレーでニアを越えたボールがファーに折り返されて失点するという形が多いのですが、そこを狙っていたのでしょうか。
ゾーンで守っているチームの弱点、マンツーマンのチームの弱点、いろいろあると思うのですけど、その中の1つにそういう部分からの折り返しとかはあると思う。そこにダワンというそういうものが得意な選手がいたということも、それを選択した1つの理由ですけども、そのあたりは(試合)前日本当に惜しい場面がたくさん作れていたのですが、今日に取っておいたのかなという感じがします。ラッキーでした。

 

2022 J1リーグ第32節 FC東京vs湘南ベルマーレ メモ

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スタメン

FC東京

松木がサブに回り、安部が3試合ぶりに先発。

前節代表帰りだった長友が先発復帰で中村がサブに回る。

林、トレヴィザン、青木が負傷離脱中。

 

湘南

前節で足を痛めた様子があった岡本がメンバー外になり、舘が4試合ぶりに先発復帰。

 

流れ

40秒、左で深さを作ってから杉岡のクロスをウェリントンがファーで合わせる。

1分。東との競り合いでウェリントンが痛む。膝がお腹あたりに入った模様。

3分、東京がハイプレスから高い位置で奪ってショートカウンターに出るも、湘南がプレスバックで事なきを得る。東京はディエゴがアンカーを監視してWGがプレススイッチを入れるいつもの形。

4分、右からのクロスにウェリントンがニアで合わせるも枠外。1stチャンスは湘南に訪れた。

5分、舘がレアンドロを外して前進。スピードアップからタリクのシュートまで。スウォビィクが処理。立ち上がりは湘南ペースで試合が進む。東京は一度回収できたシーンがあったものの、プレスがハマり切っていない。

7分、東京のビルドアップにハイプレスを掛ける湘南。長友→安部のパスを中野が激しく寄せて奪い、敵陣でFK獲得。

→8分、杉岡が意表を突いて直接狙うもサイドネット。

湘南は深い位置では強度を上げてプレスを掛けていくが、一度進入されたらバランスを整える。

湘南が強度を気持ち落としたか。東京が少しずつ持てるように。

湘南は2トップでアンカーを抑え、IHがSBに出ていく形。

13分、安部がインサイドから右外へ流れて深さ作り。

東京は相手IHが動く近辺を塚川や渡邊がのぞいてフリースペースを作り出そうとしているか。

16分、湘南のハイプレスに対し、木本→渡邊でポイントを作ったが、湘南が素早い寄せで奪ってショートカウンターに。東京も湘南の守備構造が見えてきている雰囲気があるが、湘南の寄せの速さと強度が高い。

19分、湘南が敵陣で回し、即時奪回で押し込むと、最後は茨田のミドル。

20分、左でのスピードアップから渡邊に届けるもオフサイド

21分、東京が一発のカウンターでレアンドロ→ディエゴで完結を狙うがつながらず、

22分、バングーナガンデが縦に仕掛けてクロス。シュートまで持ち込むがブロックにあってCKに。東京が連続でチャンスを作る。

23分、飲水タイム。立ち上がりはテンションを上げた湘南が良い入りを見せ、惜しいチャンスを作ったが決め切れず。いくらかペースを落とすと東京がボールを持てるようになったが、効率よくゴールへ迫れているのは湘南のほう。東京はディエゴやレアンドロでポイントを作れた時は深くまで進めるが、まだクリーンに押し込むシーンは少ない。

27分~、湘南の連続セットプレー。東京は組み立てで奪われて苦しくなっている。

30分、渡邊が背後に抜け出して折り返しに安部が飛び込むが枠外。結果的にオフサイド

31分、湘南が右サイドで作って最後は平岡のシュートまで。

東京も裏取りからゴールへ近づいたシーンはあったが、飲水明けからは完全に湘南ペース。

34分、自陣深くからスピードを上げて、左でレアンドロが深くからクロスを入れるも谷が処理。

38分、湘南が右サイドの連係で崩しかけたが、東がカバーしてCKに逃げる。

39分、セットプレーの流れから平岡が角度のないところからシュート。スウォビィクがセーブ。

40分、東が下りて3バックビルド。

42分、湘南がプレスをハメ切ってウェリントンが抜け出しかけるが、スウォビィクが好判断でカバー。

43分、ディエゴが右ポケットでキープし、折り返すも誰も入ってこれずに流れる。

43分、レアンドロがキープして安部のミドル。

44-45分、バングーナガンデとレアンドロのコンビで崩しにかかるもつなげ切れず。

45分、右で運んで池田のボレーまで。ミートし切れず。

 

シュート数東京2-湘南11が示しているように、完全に湘南ペースで推移。ただ、スコアは動かず。東京は保持からクリーンな前進ができず、自陣でのロストを重ねた。また、プレスもサイドを制限し切れない、中央に誘導できないなど、ハマらないシーンが多く、中盤と最終ラインの負担だけが余計に増えていった印象。湘南は主導権を握って多くのチャンスを作っただけに、リードする展開に持ち込めなかったことは痛恨と言える。やることは変えることなく、あとは最後の質をどこまで上げられるか。

 

 

後半

45分、湘南の組み立てをインターセプトした東からレアンドロが敵陣でFK獲得。

→46分、FKをニアで渡邊がドンピシャで合わせるも谷がブロック。

48分、東京が左サイドで密集をくぐって右へ展開し、スピードアップ。

51分、中盤のカットから右での攻撃。長友→渡邊でポケットを取って折り返しも谷がキャッチ。

51分、東京がカウンターからレアンドロにチャンスが生まれるも、切り返しがうまく決まらずにシュートまでいけず。東京がトランジションからチャンスを作る展開になってきている。

53分、安部が上がり、渡邊が下りて中盤にポケットを作りだして起点作り。パス交換から渡邊のミドルまで。

54分、連続トランジションから東京にチャンス。バングーナガンデ→レアンドロとつないで、仕掛けから塚川のクロス。ディエゴが頭で合わせるも力が伝わらず。

56分、湘南の攻めから東京がロングカウンター。ディエゴとレアンドロで深くまで入り、CK獲得。この2人は自陣深くまで戻らずに、トランジションに準備している。

57分、レアンドロのインスイングCKに森重が合わせるもバーの上。

57分、湘南交代

平岡、池田→瀬川、町野

町野が2トップに入り、タリクがIHへ移る。

東京はディエゴがアンカーを捨ててCBへアタックし、安部がアンカー監視の基準に微調整した?

59分、バングーナガンデのパスミスをさらった湘南がショートカウンターも、タリクが抜け出しきれず。

60分、東に警告。自身のロストを取り返そうとして茨田にアフター気味に寄せた。

63分、バングーナガンデ→内に入ったレアンドロとつないでサイドを変え、右サイドの連係からクロスまで持ち込むが、味方に合わず。

64分、ディエゴが足を攣る。

66分、東京交代

ディエゴ→フェリッピ

67分、東京が湘南のプレスを外してスピードアップ。渡邊が低い位置で絡みながら落としのサポートに素早く入った。

68分、飲水タイム。

70分、塚川に警告。飲水前の町野へのチャージが警告の対象に。

71分、レアンドロがカウンターに出かけたところを石原がつぶして警告。

71分、東京交代

塚川、レアンドロ松木アダイウトン

75分、湘南交代

タリク→阿部

76分、杉岡が攻撃参加してクロス。石原がボレーで狙うが、東京守備陣がブロック。阿部がIHに入ったことで、中盤にスピード感が生まれている。

78分、湘南先制、0-1。阿部がバイタルで受けて切り返しから右足のコントロールショットを突き刺した。ゴラッソ。途中出場の阿部が足りなかった最後の質をもたらした。

79分、左サイドで深さを作って、バイタルからアダイウトンのシュート。

81分、湘南追加点、0-2。トランジションから町野が1人でマーカーを外してゴールまで。東京は人数は足りていたが、入れ替わられてカバーも間に合わず。

83分、東京交代

安部、長友→中村、紺野

84分、松木のFKが直接ゴールに向かって混戦を作り出したが、湘南がかき出す。

84分、湘南交代

ウェリントン、茨田→山田、米本

86分、左サイドで内を使いながら連係で抜け出しを狙ったが、渡邊へのパスが伸びてつながらず。

88分、縦パスをフェリッピが収めて振り向きざまのシュート。シンプルに背負うプレーは強さがある。

湘南は前へ抜け出しても無理にゴールへ向かわず、敵陣へ押し上げて時間を使うプレー選択。

93分、フェリッピに警告。谷に不要なアフターチャージ。フラストレーションがかなりたまっている模様。

 

後半は東京がゴールへ迫る時間を作り出したものの、徐々に湘南がペースを取り戻し、ゲームを掌握。オープン気味になる時間もあった中でスコアは動かなかったが、途中出場の阿部が素晴らしいシュートで先制点を挙げると、カウンターから町野が1人で取り切って勝負の行方が決まった。湘南は途中まではゴールが割れずに苦労したが、充実の内容で残留争いにおいて貴重な勝点3を獲得。

東京はディエゴやレアンドロのキープ力を生かして前進やカウンターを打てる場面こそあったが、チームとしてのビルドアップは最後まで安定せず。また、特に前半はプレスも決まらず、各局面において後手に回ってしまった。

 

個人的MOM

★阿部 浩之

湘南に足りなかった最後の質をもたらすゴラッソで先制点を奪取。あの1点でチームに勢いを与え、町野の追加点、そしてリードを守り切ろうという気持ちを生み出した。

 

追加点でゲームに落ち着きをもたらした町野、立ち上がりからエンジン全開のハードワークで攻守にかき回したタリクも高評価。

 

トピックス

湘南は5試合ぶりの勝利で4戦負けなしに。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ アルベル監督 ]
今日のゲームがすごく難しいゲームになることは分かっていました。モチベーションの部分で選手たちに不安があるのかなと思っていました。ただ、しっかりと戦う姿勢は見せてくれたと思います。戦術面では最初の10分でボールとともに、ゲームをコントロールすることを失ってしまった。湘南はボールを持つと素晴らしいチームだと思います。開始10分を過ぎた辺りからボールを支配され、ゲームを進められたと思います。両者ともに1点勝負になると想定していたと思います。後半はボールをしっかりと保持してゲームを支配できていたと思います。ただ、そこで決め切れず後半のラスト10分、15分とオープンな展開になってきたときにスコアレスのまま試合を進んでしまい、どちらかがゴールを決めるとそこで試合が決定してしまうところはあると思う。

鹿島戦ではそれがわれわれであって、素晴らしいゴールから勝つことができました。ただ、今回のゲームは湘南さんの素晴らしいシュート。ゴールから遠いシュートだったので危険はないように思えましたが、それが入ってしまった。最後、10分、15分で先制点を許してしまうと、相手も守りに入る。そこから追いついて逆転することが難しいのは皆さんも分かると思います。

チームは今週、素晴らしいトレーニングをして、モチベーションも問題なく、試合にも戦う姿勢を持って臨んでくれたと思います。サッカー面で言うと、前半からもっと積極的に先制点を狙って、後半の残り10分、15分までに試合を決めていくことに挑戦していかないといけないと思います。ただ、それをするには試合開始から相手を支配して、決定的なチャンスを作っていかないといけないが、まだそのレベルには達していない。

湘南が良くて自分たちが悪かったわけではなく、どのチームでも起こり得ることで、ラスト10分、15分でスコアレスな状況でオープンな試合展開になると、先制点を取ったほうが有利になることは当たり前の現象かと思います。湘南の幸運を祈っています。私たちは次のセレッソ戦がすぐに来るので、そこに集中して準備を進めていきたいと思います。

 

[ 山口 智監督 ]
用意してきたものを前半の立ち上がりから最後まで非常によく選手たちが出してくれた。なおかつ課題である、クオリティーのところ、決め切るところ、勝ち切るところへのみんなの意識がいつも以上に高いゲームだったと思います。何よりも負けたくない気持ち、勝ちたい気持ちが出たと思います。

前節に大きな反省があって準備してきた1週間だったので、非常に難しい試合、しんどい試合でしたけど、最後に勝ち切れたことに関してはすごく評価できる。前半の出来を見てもそうなるのではないかという、自分の中で“変な感じ”もあったので、そのとおりになって良かったです。非常に自信になるゲームでした。

--久しぶりの複数得点が、今までの試合との違いをあえて挙げるとすればどこになりますか?
速い攻撃ではミスもあったけれど、ボールを持ったときの余裕はいつも以上にあったのかなと。マイボールのときに動かす勇気もあったかなと。個人的なことで言えば、町野(修斗)の強引さは今までなかったし、阿部(浩之)に関してはスキルのレベルの違いを見せてくれた。結果論で何が良くなかったらではなく、積み上げてきたものの中で選手たちが、ボールを動かす、ボールを保持しているときと、さらに保持していないときでもしっかり意識してプレーできていたと思います。

--流れの中からは3試合失点をしていないが?
いま言われてそうなんだと思いましたけれど、そこがなくなると僕らの良さは消えてしまうと思う。ただ、守備をして守るだけのチームでは終わりたくないので、良い反面、当たり前だという意識を持ちたい。相手からしたら、やりづらさはあると思うので、それをベースにしていければいい。もちろん、評価はしているけどできる選手たちなので、それをしっかりと出してくれていると思います。