がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2022 J1リーグ第31節 サンフレッチェ広島vs浦和レッズ メモ

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スタメン

広島

ルヴァンカップで復帰していた茶島がリーグ3試合ぶりのメンバー入り。

代表帰りのピエロスはメンバー外。

東と鮎川が負傷離脱中。

 

浦和

親善試合で負傷していたリンセンがリーグ初のメンバー入り。

モーベルグ、シャルク、馬渡がメンバー外に。

大畑、小泉が4試合ぶりの先発。大畑はU-21日本代表イタリア遠征帰りで先発。

犬飼が負傷離脱中。

 

流れ

1分、荒木に警告。浦和がセットプレー守備からカウンターに出たところで、小泉を後ろから倒した。

浦和は江坂が1トップで、2列目が左から松尾、小泉、大久保。

2分、柏の落としを森島がシュートも枠外。

3分、浦和の自陣での組み立てに対し、強烈にプレスを掛けていく広島。

5分までは浦和のビルドアップを許さない広島。ルーズボールが生まれて回収できるシーンもあるが、クリーンに前進できる場面はまだない。

6分~、広島の連続セットプレー。浦和は我慢の時間。

8分、CKのこぼれ球を茶島がミドルを狙い、西川がはじいたところをヴィエイラが詰めるも枠外。決定機。茶島のシュートはブレ球になっていた。

10分、右に抜けた大久保の折り返しに江坂が飛び込むも枠外。角度がなくなって難しくなった。

11分、満田の間受けから柏のクロス。中には合わなかったが、クリーンな前進からチャンスを作れている。

12分、大久保が深さを作ってから酒井にわたしてCK獲得。浦和は大久保のところまで届ける形が何度か見られる。

14分、岩尾のインスイングCKを松尾が合わせるも枠外。飛び出した大迫が触れなかったが、枠へ飛ばせず。うまくファーを空けるデザインがされていた。

16分、満田がプレスで岩波から奪い、ショートカウンター。追い越す野津田からの折り返しが入るも西川がキャッチ。

浦和はビルドアップがなかなか決まらず、相手のプレスに苦しんでいる。

16分、中盤で回収してから川村のミドル。西川が一度はこぼしたが、セカンドアクションで処理。

ビルドアップがうまくいかない浦和は岩尾、伊藤、小泉がそれぞれ列を下ろして後ろの調整をしにかかっている。

19分、右での作りから松尾が背後を取って抜け出し、シュートを狙うも荒木が粘ってブロック。結果的にオフサイド

20分、満田が左45度からミドル。広島は多少遠めでも積極的にシュートを狙っていく。

21分、広島先制、1-0。浦和のビルドアップにハイプレスを掛け、バックパスが短くなったところを森島がさらってゴールへ流し込んだ。浦和は相手がプレスに来てもショートパスでのつなぎにこだわったが、危険なエリアでのミスが出て、失点に直結した。

24分、前プレから左サイドで奪う広島。追い越した野津田のクロスが逆まで流れ、詰めていた茶島がシュートを狙うも枠外。広島がハイプレスからゴールに迫り続ける。

24分、飲水タイム。ここまでは圧倒的に広島ペース。浦和も何度かは敵陣へ入れたが、立ち上がりからずっとビルドアップで苦しんでいる。ミドルサードにすら進めない状況。

28分、満田のFKは西川が飛び出してクリア。以前広島のペースで試合が進む。

28分、浦和がプレスを掛けて蹴らせるもヴィエイラが落として森島が拾う。

中盤での球際やセカンド回収の出足は広島のほうが上。

浦和はゴールキックからつながず蹴るようになったが、浦和の前線にはターゲットタイプがおらず、広島のバックラインには強い選手がそろっているため、ポイントは作れない。

35分、広島のハイプレスを西川→江坂で回避。江坂が深くまで下りるとマークがつきづらい。おそらく初めてくらいで、浦和がうまくボールを前進させられた。

37分、最終ラインから江坂がライン間でパスを引き出して前進。攻めきれなかったが、少しずつゴールへ近づいてきた。

39分、岩波に警告。ヴィエイラへのチャージがラフプレーととられた。

40分、川村が左サイドで追い越してクロス。ヴィエイラにはつながらず。広島は野津田も川村も左サイドを追い越していく動きを見せる。

41分、西川のフィードに小泉が抜け出すが、オフサイド。広島のハイラインを逆手に取った良い狙い。

42分、壁パスを使いながら塩谷がPA手前まで上がってきてミドル。

43分、浦和が広島のハイプレスを外して、小泉のシュートまで。初めて浦和らしいビルドアップからシュートまでの流れを作れた。

45分、江坂がライン間で受けてからの配球で、最後は大久保がシュートを狙うが、大迫が好セーブ。浦和にこの日最大のチャンスも決め切れず。前半終わり際になってリズムが出てきた。

 

立ち上がりから30分くらいまでは広島がハイプレスで圧倒。先制点以外にも多くのチャンスを作り出したが決め切れず、残りの10分は浦和がらしさを取り戻しながら押し返した。広島としてはチャンスの数と質を考えるともう1点くらいは欲しかったのではないか。浦和は最後でようやく良いビルドアップを出せたが、これをもう少し早い時間で出してペースを握りたかったはず。ハーフタイムで流れが切れてしまうのが吉と出るか凶と出るか。広島は左で作ってクロスを入れるパターンが非常に多かったため、右サイドの選手がフィニッシャーとしてシュートの質を上げられるかがカギになるか。浦和は途中からリンクマンとして機能した江坂までうまく届けることがポイント。

 

 

後半

後半は浦和が前半よりはボールを持てるようになった。広島のプレスがやや落ちてきたように見え、また、広島のパスミスが散見されるようになった。

52分、野津田の縦パスを受けたヴィエイラが自らシュートまで。後半に入って互いに中盤から先でミスが出ていた中、ようやくシュートが生まれた。

55分、塩谷が茶島に当ててからリターンを受けてうまく抜け出したが、パスはつながらず。

55分、満田のシュート性のクロスは誰にも合わず、ゴールラインを割る。広島が中盤でのバトルを制しながら、徐々にゴールへ迫ってきた。

58分、広島がハイプレスから回収成功。浦和もショートパスでつなぎながら逃げどころを探したが、相手のコース切りよりも早いパス交換ができず。

60分、浦和のプレスに対し、大迫のフィードを満田が中盤で受けて前進。浦和はラインが押しあがらず、スペースが消し切れていない。

61分、広島追加点、2-0。CKの流れから茶島がミドル。こぼれ球を拾った森島がGK-DF間に流し込み、荒木が押し込んでゲット。広島が自分たちの時間帯で追加点を奪取。浦和は交代選手を入れる前に失点。

62分、浦和交代

松尾、小泉、伊藤→ユンカー、リンセン、柴戸

ユンカーが最前線に入り、その近くにリンセンがいる2トップ気味。その少し下に江坂がいる。

66分、満田のCKに荒木が合わせるも西川の正面。

66分、飲水タイム。立ち上がりは少し浦和も持てそうな雰囲気があったが、徐々に広島の圧力に屈するようになると、広島が押し込んだ流れからセットプレーで2点目をゲット。広島は自分たちの時間でうまくスコアを動かし、浦和は再び組み立てのところで悩みを抱える展開になっている。

69分、浦和交代

大畑→関根

システムを変更。右から酒井、岩波、ショルツの3バックになり、関根と大久保のWBに。

70分、広島追加点、3-0。浦和の組み立てを奪ってショートカウンター。川村の縦パスを受けた満田が1stタッチで岩波をうまく外し、ニア上を完璧に打ち抜いた。浦和はまたしてもビルドアップミスからの失点。非常に苦しい。

71分、広島交代

森島、茶島→エゼキエウ、野上

72分、岩尾のフィードをリンセンが落として、セカンドを回収したユンカーが突破を図るも広島守備陣が止める。浦和はようやく2トップの関係性が見られた。

74分、大久保のラストパスを受けたユンカーが抜け出し、パスを受けたリンセンがシュート。大迫がはじいたボールを頭で押し込みに行ったが、大迫がセカンドアクションで防ぐ。ビッグセーブ2連発。

75分、浦和得点、3-1。ショートコーナーをリンセンがすらし、柴戸が頭で押し込んでゲット。意地の1点。

78分、広島の速攻。エゼキエウがスピードで左をちぎって折り返し、ヴィエイラと野上が詰めたが枠へ飛ばせず。

81分、広島が左での連係からエゼキエウの折り返しまで。広島は奪ってからそこまでスピードを上げ過ぎず、テンポを落とそうとしているか。

82分、広島追加点、4-1。満田の直接FKがそのまま決まった。西川はクロスへ対応しようと一歩動いたことでボールに間に合わず、ニアを抜かれた。

84分、アバウトなボールを右で収めて、中へ入れるとリンセンがシュート。広島守備陣がブロック。リンセンには何度かチャンスが訪れている。

85分、広島交代

満田、ヴィエイラ→柴﨑、ベンカリファ

86分、浦和交代

大久保→明本

88分、広島交代

野津田→松本

89分、岩波のパスを受けたユンカーが振り向きざまにシュートを狙うも大迫の正面。

90分、広島が速攻で左からのクロス。柴﨑が落とすもつながらず。

93-94分、トランジションから江坂のラストパスでユンカーが抜け出し、仕掛けからシュートも大迫の正面。

 

浦和も前半の終わり際や、オープン気味になった終盤にいくつかチャンスを作ったものの、8割以上の時間を広島が支配し、内容がスコアに反映されたような結果に。浦和がスタイルを貫いて後方からつなぐ選択をしたこと自体は決して悪いことではないが、広島のプレスをもろに食らい続ける結果となり、組織の決壊に繋がってしまったと言える。特に3失点目の岩波の対応や、4失点目の西川の逆を取られたプレーには、どこか糸が切れてしまったような感覚を感じた。

浦和は最近のリーグの流れから、ルヴァンのC大阪戦を2試合挟んで、あらためてビルドアップの課題が晒されてしまった。公式戦2戦連続4失点で非常に難しいチーム状態。

広島はルヴァン決勝進出を決め、天皇杯準決勝に向けても良い流れを作った。また、リーグ戦においても3位以上確保に大きく前進する勝点3。

 

個人的MOM

★満田 誠

相手の心を折る3点目と4点目、そして序盤からアグレッシブなプレスと間受けで保持も非保持も質を高めることに貢献した。

 

抜け目ないプレスから先制点を挙げた上、2点目のアシストを記録した森島、前後半で好セーブを見せた大迫、中盤でセカンドを回収したり、サイドへ進出して3人目の動きで追い越したりと、攻守で縦横無尽に動いた川村と野津田のボランチコンビも高評価。

浦和の収穫はリンセンがデビュー戦で一定の存在感を見せたことくらいだったか。

 

トピックス

荒木が累積警告4枚目で次節出場停止。

リンセンがJリーグデビュー。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ミヒャエル スキッベ監督 ]
本当にオープンで面白いJリーグの試合だったと思います。自分たちは前からどんどんプレスに行くことができました。前から行けたので、相手にサッカーをさせず、自分たちの良いチャンスを作ることができました。1点目は運も味方してくれたというふうに思っています。相手のカウンターが前半も後半も自分たちにとって脅威でした。それゆえに自分たちが引き続き前半のような良いプレーがどんどんできたこと、それからそのプレーによって2点、3点とリードを広げられたことが非常に良かったと思います。

全体的に自分たちのチームは素晴らしいパフォーマンスだったと思いますし、勝点3を広島で取れたことは良かったと思います。

--前半終了間際に危ないシーンを大迫 敬介がストップしました。彼の安定したプレーはチームを支えていると思います。
敬介に関して言えば、ディフェンスライン3枚と一緒に守ってくれていますし、もちろんウチのディフェンスを安定させる要因の1つとして、欠かせない要素になっていることは間違いありません。自分たちは前から行くディフェンスをしている中で、前からどんどん行くんですけど、浦和のようなクオリティーのあるチームと対戦したときには何回か抜けてくるシーンもあります。そういったときにしっかりと対応できているところで、自分たちの成功の要因の1人になっていると思います。

--満田 誠のFKについて。
いつも練習をしていますから(笑)。素晴らしいゴールだったと思っていますし、もともとシュートの能力が高いということは分かっていました。3点目、4点目を右足、左足と両足で点を取ったことは素晴らしいと思います。

 

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
まず攻撃の部分において、特に前半の終盤辺りの大事な時間に点を取ることができていれば、もしかしたら展開が変わっていたかもしれないというところがあります。相手は非常に強力なチームですが、そのチームに対して全部ができなかったわけではなくて、もちろんできたところもあります。

失点の部分では、ああいった形で失点をしないようにさらに積み重ねていかないといけない。防げる失点だったというふうに思っています。もちろんつないでいくところはわれわれが努めているところですけど、時にはひっくり返すところもまた1つわれわれの考えとしてあるので。

--今日の試合は何が一番悪かったのでしょうか?
まずは、われわれのビルドアップのところで相手のプレスにハマってしまった。中盤で数的優位を作ってフリーな選手がいましたけど、なかなかそこまでうまく運ぶことができなかったことが1つ大きくあると思っています。もちろん、そういった中でつなぐだけではなくて相手の背後を狙っていくこともあったんですけど、背後のスペースになかなか入れることができなかったというのも1つあります。

あとは、先ほど話したとおり前半の良かった時間帯でうまく取り切れなかったことは改善点だと思っています。後半は交代をしながら少し状況を一変させることができたと思っていますが、失点をしてしまってわれわれとしてはやれることがかなり限られるような展開になってしまった。

先ほども話したとおり、つなごうとするときにうまく突破できているのか。うまくできないとき、繰り返してしまっているときに、どうするべきなのかっていう判断をチームでより上げていかないといけないと思っています。

広島に関して言うと、やはりつなごうとしますけど、無理なときには前線に蹴る判断もしているので、われわれも時に簡単に前線に入れることも選択肢の1つとして持てるようにしていきたいと思います。

 

2022 J1リーグ第31節 セレッソ大阪vs湘南ベルマーレ メモ

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スタメン

C大阪

ルヴァンで復帰していたジンヒョンがリーグも先発復帰。

清武、メンデスがメンバー外に。

U-19日本代表の活動で離脱していた北野がリーグ4試合ぶりのメンバー入り。

原川と丸橋が負傷離脱中。

 

湘南

日本代表ドイツ遠征帰りの町野はベンチスタート。

U-21日本代表イタリア遠征帰りの畑はメンバー外。

福島が5試合ぶりのメンバー入り。

第29節で負傷した大野は前節に続き欠場。

舘がメンバー外に。

 

流れ

セレッソの組み立てに対して強みにプレスを掛ける湘南。ラインを上げて、強度も高くいく。セレッソはサイドからの斜めのクサビでアンカー脇にポイントを作ろうとしている。

湘南が5-3-2でプレスを掛けてくるのに対し、セレッソはジンヒョンをCBの間に入れるような形を取って、相手2トップのプレスに出るタイミングを迷わせる。CBが開くと、距離が遠くなるので、どこまで深く追うかが難しくなる。

3分、茨田の縦パスを池田がライン間で受けてスピードアップ。中野に展開して仕掛けまで持ち込むがシュートまでは行けず。

6分、ヨニッチが開いた位置で受けた際にIHがプレスを掛ける湘南。SBのところにWBが出ていったことでずれが生じ、セレッソはそのずれを生かしながら逆まで展開。湘南のプレスをコントロールするような駆け引きが見られる。

7分、セレッソの右から左への展開。為田が斜めに抜けてWBを引きつけ、山中にスペースを空けた。

8-9分、湘南のビルドアップ。セレッソは2トップが横幅も広く見ながら深めに追って制限を開ける。湘南は茨田が間で受けてそのまま縦に加速させるパスを出すシーンが作れている。

10分、湘南がライン間で受けてからスピードアップ。中野から瀬川でシュートまで。ともに積極的なプレスを見せるが、ビルドアップで良い形を作れている。

11分、岡本→茨田で2トップ裏を取るが、上門が素早いプレスバックで捕まえる。ただ、その後すぐにロスト。レベルの高い攻防。

12分、松田が中野のマークを個人で剥がして逆へ展開。山中のクロスをタガートが合わせるも枠へ飛ばせず。

13-14分、池田がバイタルで受けて左足シュート。

18分、上門がスプリントをかけてGK谷にプレッシャーを掛けるも、切り返したところに足がかかってファウルに。怖さは与えたが、奪うまでには至らず。谷も冷静に対処。

21分、杉岡の持ち出しからの縦パス。瀬川から右に展開し、石原の仕掛けでCK獲得。2トップはMFもこなせる2人なので、下りてポイントを作る動きがよくみられる。

24分、杉岡に毎熊が寄せに行ったが、下りる中野を捕まえる選手がおらず、プレスが空転。

ここ5分くらいは湘南が良いリズムで保持を続けながらペースを握る。

28分、セレッソが右サイドで良い連係で密集をくぐって左へ展開。前に5人くらい張り付いている形なので、ロストすると中盤が空いており、カウンターは受けやすいが、密集をくぐれれば、ゴール前の枚数は十分。

ともにセットされた攻防が多く、保持からチャンスをどう作るかがポイントになっている。

33分、ジンヒョンが体をひねって逆サイドへ展開し、為田のインスイングクロスまで。湘南は2トップと中盤で片方のサイドに圧縮していく守り方なので、サイドに寄ってから逆へ展開されると、陣形を整えるのに時間がかかる。

36分、ジンヒョンから下りる上門にあてて、落としを鈴木が受けてプレス回避。ルヴァン浦和戦と同様、上門と奥埜がIHに近いタスクを持っている。

38分、上門に警告。自身のロストから池田に運ばれ、後ろからチャレンジして倒した。

球際の攻防は湘南のほうが上回っている印象。一瞬のスキで寄せきって奪ったり、出足の速さで先に触ったりというシーンが多くみられる。

42分、湘南のプレスを松田のキープから斜めのクサビで剥がし、スピードアップ。左からのクロスに奥埜が飛び込んで混戦を作り出すも、湘南が粘ってかき出す。

43分、松田のフィードに上門が抜け出し、タガートを狙った折り返しが湘南のオウンゴールを誘うが、追うサイドの判定。かなりギリギリだったが、VARとの長い交信を経て原判定支持。ここまでは2トップの動き出しをなかなか使えずに迷いがあったセレッソだが、ここはシンプルに背後を突いて2トップだけで完結できるシーンを作りだした。

47分、茨田が奥埜を倒して、PA手前でセレッソがFK獲得。

→48分、上門の直接FKは壁に当たって枠外へ。

 

チャンスやシュートの数自体は少なかったものの、ビルドアップとプレスの面白い攻防が繰り広げられた45分。互いに停滞している印象はなく、工夫を凝らしながら前進し、敵陣へ入っていっていた。ただ、最後のところを崩すところではもう一歩であり、後半はそこをどう打開するかが見どころ。1人だけで打開するようなタイプが先発にいないため、チームとしての完成度が担保されていた印象だった。サブに控えるパトリッキ、町野、ウェリントンら、一芸を持つ選手たちがプラスαをもたらせるかどうか。

 

 

後半

セレッソ交代

上門、為田→北野、パトリッキ

上門は警告をもらったため、カードトラブルも考慮したか。

立ち上がりはセレッソが敵陣でプレーして押し込む。

47分、パトリッキのインスイングクロスにファーで松田が飛び込むも届かず。入りはセレッソペース。

49分、ジンヒョン→鈴木で湘南のプレスを回避。これをやられると、湘南は安易に前へ出づらくなる。

52分、湘南が左で密集をくぐり、中野が抜け出してクロスを送るも、鈴木が戻ってCKに逃げる。

開始5分はセレッソペースだったが、50分を過ぎたあたりからは湘南も押し返し始める。

54分、右での作りから平岡が左足でミドルを狙うがジンヒョンの守備範囲。

55分、左からスペースに流してパトリッキを走らせるも石原が良いカバーで対応。

56分、北野のインスイングクロスは谷が飛び出してキャッチ。

57分、左から平岡がラストパス。阿部が反応するがつながらず。

後半も前半と同じく、互いに保持からチャンスを作ろうとする構図だが、やや中盤での強度向上の意識が高まったか。

59分、松田のフィードをファーで受けたパトリッキの折り返し。CK獲得で湧くセレッソゴール裏。

61分、湘南交代

茨田、池田→米本、タリク

セレッソ交代

毎熊→中原

62分、中原のインスイングクロスでパトリッキを狙うも湘南がクリアでCKに。中原が入ったことで、右からのクロスの球種が2パターンになった。

湘南は米本と平岡が横並びの3-4-2-1気味に変わった?

65分、タガートがルーズボールを粘ってキープし、シュートまでCK獲得。セレッソが連続CKでゴールへ迫る。ゴール裏も声援を大きくして後押し。

66分、中原の仕掛けを中野がファウルで止めてFK獲得。セレッソの押せ押せペースになっている。

67分、湘南交代

瀬川、平岡→町野、山田

69分、タガートがどこかを少し痛めた模様。自力で歩いており、そこまで重くはなさそう。

70分、セレッソ交代

タガート→加藤

71分、SHを上げてプレスを掛けるセレッソ。湘南は相手SB裏に2トップを流してきてを作ろうとする。

72分、湘南が敵陣でパスを回し、町野が華麗なターンからクロスを送るも中野が頭でうまく当てきれず。セレッソは自陣撤退時は、2トップも深くまで戻ってしっかりめに4-4-2を形成。

73分、ヨニッチからのアバウトなボールをパトリッキが競り勝ってシュートまで持ち込むもブロックに遭う。パトリッキには多少アバウトなボールを入れても、湘南側からしたら迫ってくる怖さがありそう。

74分、タリクから阿部に預け、PA内右で受けた町野がシュートもジンヒョンがブロック。町野はワンテンポ持ったことで角度がなくなった。

76分、ヨニッチが足を攣った模様。セレッソは奥埜→喜田の交代を準備していたが、アクシデントを見て判断を変える。

77分、セレッソ交代

ヨニッチ→舩木

セレッソは交代回数、交代枠ともにすべて消化。

79分、ジンヒョンを使いながら相手2トップを外し、フリーの舩木から背後を狙うも加藤にはつながらず。

79分、鈴木の縦パスから加藤→中原→北野とつないでシュートまで持ち込んだが、谷がセーブ。セレッソが惜しいチャンスを作った。

80分、岡本が座り込む。足を攣ったか。以前は足を攣ってもプレーを続けられることが印象的だった岡本だが、ここは下がる模様。

81分、湘南交代

岡本→福島

湘南も交代回数を全て消化。

82-83分、湘南がセットプレー守備からカウンター。最後は町野がシュートを狙うもジンヒョンがセーブ。

84分、ロングボールに中原が抜け出して折り返し、北野がマイナスのボールをダイレクトで狙うも大きく枠外。形は完璧だったが、フィニッシュの精度が伴わず。

87-88分、連続トランジションで湘南が攻撃。タリクが右からクロスを狙うもはね返される。

終盤に入ってトランジションからのやり合いが増えてきた。

89分、セレッソが押し込み、湘南が奪うも、加藤がプレスを掛けて山本のファウルを誘ってPK。背後から迫る加藤に先に触られて、山本が倒す形に。加藤の抜け目ない守備が上回った。

91分、セレッソ先制、1-0。パトリッキがPKを決め切った。谷が手でコースを誘導するような駆け引きをし、わずかに触ったがはじき切れず。コースの良さが上回った。

92分、加藤が右サイドを抜け出して折り返すも、湘南DFが戻ってカット。

点を取るしかない湘南はタリクがチェイシングを掛けてボールを奪いに行く。セレッソは背後にできたスペースを使いながら時間を使うプレー選択。

95分、湘南同点、1-1。FKをクリアしようとした加藤のヘディングが枠内へ飛び、オウンゴール。ジンヒョンも反応して触ったが、はじき切れず。FKのボールの質が良かった。加藤は価値あるPK獲得に貢献したが、最後に悔やまれるオウンゴール

 

均衡したゲームは終盤に大きく動いて引き分けで決着。押し込んだからこそ生まれたPKでセレッソが先制したものの、湘南が執念で勝ち取ったFKからゴールを生み出して勝点1をもぎ取った。後半でセットプレーを多くとるなど、敵陣へ押し込めたセレッソのほうがどちらかと言えば勝ちに近い内容だったかもしれないが、引き分けが妥当とも言えるようなせめぎあいだった。得点シーン以外だと、湘南は町野に訪れた決定機、セレッソは北野のシュートチャンスを決め切れれば、というたらればはあった。

セレッソはタガート、ヨニッチが、湘南は岡本がアクシデントで交代カードを切らざるを得ず、最後の采配に影響が出た。山口監督は試合後インタビューで「本音を言えば最後にウェリントンを使いたかった」と言っていたが、岡本の交代時に入れなかったあたりに、勝点1もにらんだ采配を感じさせた。

 

個人的MOM

★松田 陸

この試合でもビルドアップの脱出場所として機能。個人での剥がし、球離れ良いつなぎ、背後への配球と、バリエーションも多く、湘南のプレスを受けながらも主導権を握れたのは彼の存在が大きかった。

 

松田と同様に後方からの球出しでビルドアップの質を高めたジンヒョン、攻守で中盤を支えた鈴木も高評価。加藤もオウンゴールしてしまったとはいえ、持ち味である前線での守備からPK獲得につなげたプレーは評価されるべき。

湘南は途中出場から前線を活性化させたタリク、ラストプレーの質を高めた阿部が高評価。町野も一度決定機を迎えたが決め切れず。プレーにキレはあった。

 

トピックス

タガートが負傷交代。自力で歩いているところや、表情を見てもそこまで重くはなさそう。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 小菊 昭雄監督 ]
14時からのこの暑さの中、連戦の蓄積疲労もある選手もいた中で、大一番(ルヴァンカップ準決勝)のあと、メンタル的にも肉体的にも難しい状況ではあったのですが、痙攣する選手が続出した中で、最後まで勝利を目指して走り、戦ってくれたと思います。最後、勝ち切れなかったことは、これからACL出場権、ルヴァンカップのタイトルを獲得するために宿題を与えられたとポジティブに捉えて、全員で課題を共有して、自分たちの目標であるタイトル、ACL(出場権)をダブルで獲得できるように、全員で準備していきたいと思います。

--前半から、ボールは握りながらも堅い展開になった中、普段より早いタイミングで選手交代もされたと思います。実際、途中から入った選手が機能し、いくつもチャンスを作ったが、交代の狙いについて。
先発で出た選手、プラスα途中で出た選手が、全員素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたことをうれしく思います。ここからのラストスパート、明日からまた高い競争が生まれるなと、うれしく思っています。前半は、スカウティングした中で、堅い試合になると思っていました。向こうも負けられない中で、この暑さで、強度を高く守備してくることも想定して、われわれはボールをしっかり握りながらもカウンターには気をつけないといけないと。そういったゲームプランも想定内で進みました。連戦の疲れもある中で、早めにフレッシュな選手を入れて、後半は自分たちからゲームを動かしていく。そういった狙いはありました。

--途中で交代したアダム タガート選手とマテイ ヨニッチ選手について。気候が暑く、その影響もあったのかなと思うが?
まだハッキリとは聞いていませんが、脱水の症状もありました。彼らだけではなく、たくさんの選手が、試合後の控え室でも倒れるくらいの状態で戦ってくれたこと、勝利を目指してくれたことを誇りに思います。

 

[ 山口 智監督 ]
暑さの中、難しい戦いになりましたが、終盤まで無失点に抑えたところは評価できます。ただ、攻撃のところで、奪ってから単純なミスだったり、呼吸が合わなかったり、準備不足だったり、まだまだ足りないところもあるので、トレーニングを含めて選手とやっていきたい。ハッキリした問題点と、できる部分と、やらないといけない部分が出た試合になったと思います。結果に関しては、最後によく追いついた。もちろん勝点3を目指している中で、難しい評価ですが、自分としてはポジティブに考えたい。この1がどうなるかは、この先の戦いにもよる。前向きに捉えたい。そんなゲームになりました。

--町野 修斗選手を途中起用されたが、狙いは?
試合は相手もあることで、それまでのトレーニングの流れ、関係性の中でのスタメンなので、その意図を詳しく言うつもりはないです。実際、シュートチャンスも作ってくれて、決めてくれたらな、というシーンもあったと思います。

--前半は守備でしっかり入ったが、これまでのC大阪との3試合の教訓を生かせた?
セレッソとの3試合の結果を受けて、だけではないので。選手にはそういう言い方もしましたが、セレッソだけと戦うわけではないし、自分たちはそこだけに対してやっているわけではない。ただ、そこへの悔しさはあったので、なんとか結果を出したいというところは準備してきました。難しい戦いになったのは事実ですが、準備してきた中での結果だと思います。

--マイボールから、ゴール前での勝負に持っていくことができなかったが、C大阪の守備が良かったのか。
僕が外から見て感じることと、中でやっている肌感覚は違うと思いますが、まだまだ視野を広げていかないといけない、選択肢も増やしていかないといけない。それぞれベストなプレーをしてくれていますが、もっとベストなプレーがあると思います。あとは、やり直す勇気や、やり直すタイミング。前に行けない場合の判断など、まだまだ足りないことも事実。単純なパスミスもあります。細かいことで言うと、体重の比重がどっちにあるかまで気にしないといけない。距離でパススピードも変えないといけない。多くを言ったらキリがないですが、サッカー選手である以上、やらないといけない。ただ、グループでの関係性はできているので、どう使うか。良いものを生めるかは判断にかかっている。ただ、フリーで3メートルのパスをズラしてほしくない、という思いは正直あります。そこはプロとして、追求させないといけないと思います。

 

2022 J1リーグ第31節 サガン鳥栖vs京都サンガF.C. メモ

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スタメン

鳥栖

ファンソッコが出場停止。

前節で負傷した小泉が欠場。

島川が9試合ぶりのメンバー入り。

手塚が加入後初先発。

中野がU-19日本代表から戻って3試合ぶりの先発復帰。

前節欠場した西川、垣田が復帰。

堀米がメンバー外に。

 

京都

前節欠場していた山﨑が先発復帰。

本多が5試合ぶりの先発。

メンデスが3試合ぶり、宮吉が7試合ぶりのメンバー入り。

佐藤は鳥栖からの期限付き移籍中だが、出場可能でベンチ入り。

木村、パウリーニョ、カリウスが、メンバー外に。

アピアタウィア、大前、荻原らのメンバー外が続く。

 

流れ

キックオフ直後からしっかりつなごうとする鳥栖と、一気に圧力を高める京都。

鳥栖はけん制を掛けられてもゴールキックからつなぐ。対する京都はハイプレスで対抗。この局面でどちらが上回れるかがこの試合のカギになりそう。

3分、右からの縦パスを宮代が受けてターンを狙うが京都守備陣がブロック。

鳥栖も高い位置から積極的にプレスを掛ける。互いにテンションを上げてアグレッシブに出て行っているため、ゲームスピードがかなり速い。

序盤は京都のプレスの勢いが上回り、鳥栖が自陣からなかなか抜け出せない。ただ、奪われる場所は注意を払っている印象で、奪われてもゴール前を固められる状況は作れている。

9分、鳥栖のビルドアップ。中央を経由してからうまく中野を浮かせて前進。岩崎のクロスまで持ち込むも中で合わず。鳥栖がようやく抜け出す形を作れた。

10分、山﨑が競り合いからルーズボールを作り出し、豊川が突破を図るが、原田が絞ってカバー。

13分、京都がスローインの流れからPA内に進入するもシュートまでは行けず。

10分過ぎまでは京都がプレスを機能させて、ペースを握る。ただ、消耗は激しそうで、長くは続かないはずなので、ペースを握れているうちに点を取りたいところ。

16分、京都先制、0-1。鳥栖がサイドでうまくプレスを外したと思われたが、1つ奥で寄せきって奪い取り、クロスのこぼれ球を拾った豊川がうまく決め切った。京都は高井インテンシティーを保っている時間帯で理想的な先制劇。鳥栖も徐々にプレスを回避できるようになってきていたが、京都が2段構えで上回った。

18分、鳥栖PA手前でFKを獲得。

→21分、手塚の直接FKは壁に当たる。

22分、福田の列落ち、原田のインサイドに入る動きなどで変化をつけようとしている様子はうかがえる。

25分、岩崎が左のスペースで受けて仕掛けからシュートまで。上福元の正面。白井もスピードでは劣っていないが、岩崎のアジリティーの高さのほうが少し上。

27分、本多に警告。カウンターで抜け出そうとした岩崎を後ろからのチャレンジで止めた。

29分、京都が右からの速いクロスを入れるも中で合わせきれず。きわどいボールが中まで抜けてきた。鳥栖は奪ってからカウンターを狙うも、京都のつぶしが早い。

手塚が少し下りて受け、岩崎に一発で展開する形を作り始めた。

32分、繰り返しのファウルで岩崎に注意が与えられる。次のファウルで警告が出されるかもしれない。

36分、鳥栖が久しぶりの敵陣保持。

徐々に鳥栖が安定してボールを持ち、敵陣へ入れるようになってきた。京都は豊川のプレススイッチで寄せて行ってはいるが、全体のテンションはワントーンくらい落ちた印象。

40分、京都が左サイドで細かく繋いで松田がポケットへ進入。クロスを送るも中で合わず。中の入りが間に合わなかったので、時間がかかった。

鳥栖ゴールキックで下からつながずに蹴るようになった。

46分、鳥栖の右からの連続クロス攻撃。京都がすべてはね返す。

 

京都が立ち上がりから強烈なプレスを掛けてゲームを掌握。良い流れで先制まで持ち込み、1点リードでの折り返しに成功した。鳥栖も30分前後あたりからボール保持がいくらか落ち着くようになり、敵陣でのプレータイムを増やした。ハイテンションで入った京都は間違いなく落ちてくるので、押し込める展開になったときに何ができるかが重要になりそう。京都は1点とはいえリードの展開に持ち込めたので、追加点をにおわせながらどのようにクローズできるかが試される。

 

 

後半

京都は再びエンジンを入れ直してかなり高い位置から圧力を高めて追いかけていく。

46分、京都が高い位置で奪ってショートカウンター。福岡がシュートを狙うも惜しくもバーの上。

鳥栖は前半から手塚のロングフィードでの展開が目立つ。

47分、鳥栖が細かいつなぎから菊地が折り返し、西川がシュートを狙うが京都守備陣がブロック。京都は前半から何度か攻められるシーンがあるが、ゴール前の集中力は常に高い。

49分、京都の攻めから鳥栖が奪ってロングカウンター。時間がかかって攻めきれなかったが、宮代、西川、岩崎のスピード感のある陣地回復は脅威があった。

50分、山﨑が座り込む。肉離れの疑いで担架が入る。

京都は一時的に1人少ない状況に。

53分、京都交

山﨑→武富

武富が右WGの位置に入り、豊川が中央へ移る。

55分、鳥栖交代

岩崎、菊地→ジエゴ、本田

55分あたりから鳥栖がボールを持って攻める展開が続く。京都もプレスを掛けているが、立ち上がりほどの勢いはなく、自陣で我慢の時間。

58分、ジエゴのクロスに宮代が飛び込むも、枠へ飛ばせず。京都DFも体を寄せてフリーにはさせず。

60分、本多が座り込む。またしてもももうらを触っており、筋肉系のトラブルとみられる。前半からスプリントが増えていたため、その影響が後半に出てきているか。

62分、京都交

本多、松田→メンデス、佐藤

メンデスが指で「3」を示しており、3バックに変更。右から井上、麻田、メンデスの3CB、佐藤と白井がWB。

64分、豊川が足を伸ばすしぐさを見せる。京都はすでに交代回数を2回消費しているので、アクシデントに備えてもう少し引っ張りたいところだが。豊川は足を気にしながらもまだある程度は走れそうな雰囲気。

豊川がスプリントをかけられないので、前線のプレス機能はかなり下がっている京都。鳥栖が持って攻め続ける。

67分、宮代が背後に抜け出して最後は本田がシュートもオフサイド

67分、鳥栖交代

手塚→小野

69分、久しぶりに京都の攻撃。豊川がPA内で受けてシュートを狙うもブロックに遭う。

70分、京都が敵陣で保持。時間を使いながら隙を伺う。左右からクロスを送るも中で合わず。豊川は再三足を伸ばすアクションを見せているが、交代の様子はない。

72分、京都が高い位置でプレスを掛けて奪い、カウンター。佐藤が仕掛けてシュートを狙うもブロックに遭う。

72分、中盤で奪って京都がカウンター。白井が長い距離を1人で運んでシュートまで。京都は前線のチェイシング能力が落ちてきている分、中盤がハードワークでカバーし、WBが推進力を見せて陣地を押し上げる。

74分、スローインの流れから福田の浮き球ラストパスに小野が反応するも上福元が飛び出してクリア。

75分、PA内で受けた小野の柔らかいクロスを宮代が合わせるも枠外。ピンポイントであったが、宮代の高さがわずかに足りず。

70分過ぎに一度京都も押し返したが、再び鳥栖が押し込む時間が続き、京都は我慢の展開。

78分、京都交

川﨑、豊川→金子、宮吉

豊川は足を攣ったようなしぐさを見せてから20分近く粘った。京都は交代回数3回を消化。

宮吉は独力で打開できるタイプではないので、京都はどちらかと言うと追加点を取るよりも、1点を守り切るような采配を打ったように感じる。

80分、鳥栖交代

西川、福田→垣田、藤田

82分、ジエゴと垣田のつぶれから本田が回収してシュートを狙うも枠外。得意のニア抜きを狙った。

83分、宮代が背後に抜け出して仕掛けからシュートを狙うも、京都DFがブロック。結果的にオフサイド

京都が選手交代からプレスのギアを入れ直した。

86分、プレスで陣地を押し上げた京都が時間を使う。オープンな局面ではゴールを目指すが、セット状態では時間を使うプレー選択。

88分、ジエゴのアーリー気味のクロスから混戦を作るも押し込めず。

90分、メンデスに警告。足を高く上げてラフプレーを取られた。

京都は前線がプレスを掛けようとしているが、WBが数的不利になっていることからなかなか前に押し上げられない。

91分、ジエゴのクロスのこぼれ球を小野がコントロールショットで狙うも枠外。ジエゴのクロスを上福元が処理しようとして、接触からこぼれ球が生まれるシーンが多い。

94分、ロングボールのこぼれ球から長沼がシュートを狙うも、京都守備陣が粘ってかき出す。

京都は色気は出さずに、はっきりとクリアでプレーを切る。

 

終盤は鳥栖が攻め込んだが、京都が前からのプレスを続けながら自陣で我慢を続けて1点を守り切った。京都はシーズン序盤で見せていた、強度を高めた前半でリードを奪い、運動量が落ちる終盤は5バックでしのぎ切るというパターンに持ち込めた。山﨑、本多が負傷して交代を強いられ、早い時間帯に豊川が足を攣るなど、ベンチもかなり難しい判断を強いられたが、状況を見極めながら逃げ切るプランを遂行し、選手がそれに応えた。鳥栖は崩してどうこうというよりも、出し手の質と、ゴール前の混戦で何が起こせるかという展開になってしまった。惜しいシーンはあったとはいえ、前回対戦同様、京都のプランを上回れなかったことには課題が残った。

 

 

個人的MOM

★豊川 雄太

殊勲の決勝点を記録。ハイプレスを行う上でも、彼のチェイシングは欠かせないものとなっており、足を攣ってから20分近く粘ってプレーを続けたことも最後の交代策の判断を助けたと言える。

 

フル出場ながら落ちない運動量で前線からの守備を支えた武田と福岡と白井、ゴール前やFWとのマッチアップで粘りの対応を続けた井上と麻田も高評価。

鳥栖は途中出場の小野がラストプレーの質、ジエゴがクロスでチャンスメイクしたが、ゴールにはつながらず。先発で起用された手塚も左足フィードでらしさは見せた。本職CBがいない中で、カバーリングと対人の強さを見せた原田も目立った。

 

トピックス

山﨑が負傷交代。古巣対戦で気合いが入っていたが、無念の交代に。腿裏を抑えており、肉離れか、違和感程度か。下がったあとは自力で普通に歩いているので、重くはなさそう。

本多も負傷交代。筋肉系のトラブルとみられるが、自力で歩けており、こちらも重くはなさそう。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 川井 健太監督 ]
久しぶりの声出し応援ということで、最後全員で笑って終わりたかったんですが、その結果が得られず残念に思いますし、申し訳なく思います。ただ、まだ試合は続きますし、最終戦もまた同じようなシチュエーションでここでのゲームを迎えられますので、もっともっと成長していきたいなと本当に思った試合でした。

--京都のプレスが印象的でしたが、どう対応しようと思われていましたか?
やはり前半は京都さんの出足が鋭くて、われわれもピンチになるようなシチュエーションをあまり感じなかったんですが、ただ、やはり圧力はあったなと思います。そこからうまく後半は修正してゲームを進めたんですけど、典型的な試合ですね。やはり1点取られて少し守られて、最後ゴール前まで行くんですけど、本当にこれは選手たちの勝ちたい意欲だったりが氷山の一角しか出ていないというわけではなかったですし、やはり最後のボールを扱う部分だったり、タイミングだったり、そういう細かい部分が足りなかったと思います。その質を次の試合のために鍛えたいと思います。

 

[ 曺 貴裁監督 ]
10月に入りましたが、非常に日差しの厳しい、ある意味、サッカー日和ということも言えるかもしれない、そういう気候の中、たくさんのお客さんがここに集まって声出し応援というのを、京都としても久しぶりに、鳥栖さんも(コロナ禍以来)初めてだと聞いていました。このピッチの中で、声援が行きかう中で、お互いにハードな、インテンシティーの激しい試合になったんじゃないかなと思います。

ここ最近、インテンシティーの高さを担保したところでも、セットプレーや少しのことで失点して勝点3を取れない試合が続きましたが、選手がブレずにやってくれているのは分かっていたので、なんとか今日、勝点3を取るために、今日ここに来ていない選手も含めてですが、みんなで2週間準備したことが形になってうれしく思います。今日は勝ったので、勝てばすべてのことを肯定的に監督として言うことができるんですが、負けたあとも引き分けたあとも、自分たちが大事にしているものは何なのかという姿勢を選手たちに示し続けることが、僕が彼らに唯一提示できる一番の案件だと思っています。

こういう残留争いをしているチームですが、その中でも後ろに引かず、攻撃的に自分たちの良さを出そうということをやれる。むしろ、やってくれる選手たちを非常に頼もしく思います。リーグ戦はあと4試合、天皇杯は今度の水曜日に、いまリーグで一番力があると言ってもおかしくないくらいの広島さんとやりますが、ホームで2試合続くので、この流れをしっかり次につなげて、もっともっと良いチーム、もっともっと強いチームになりたいと思います。結果、たくさんのお客さんに喜んでもらえることを想像して、この一カ月を過ごせればいいなと思います。

--対鳥栖というところで準備してきたことは?
鳥栖さんも残り3試合があるので、戦術的な狙いをここでコメントすることは差し控えさせていただきますが、同じようなことを狙っているスタイルであることは間違いないですし、機動力というか、機敏性の中で鳥栖さんはわれわれよりも上の順位で、当然、リスペクトする相手でした。自分たちの戦術的にも気持ち的にも引いてしまうと、彼らの良さが出てくるなということがここでやったルヴァンカップでも分かっていたので、そうさせないような戦術は組みました。それでうまくいった部分もありますが、後半はちょっとケガ人も出たりして押されたところがありましたが、よく粘ったと思います。

--守備では最後まで集中して守り切りましたが。
決定的な場面もそんなにたくさん作られていなかったと思いますが、セットプレーの守備も含めて、守備をするだけではなくて、しっかりとはね返して攻撃に出ていけるようなことを目指してやっているつもりなので、その意識はこの2週間で高められたと思うし、それを今日、証明することができて良かったなと思います。

--勝利の瞬間はピッチに倒れ込んでいましたが。
倒れちゃったんですが、誰も来なかったのですぐに立ちました。最近、こういう試合を取れなかったので、僕以上に選手が苦しかったと思います。やってきたことは間違っていないと自分では思っていたので、それを証明できて良かったです。

 

2022 J1リーグ第31節 ガンバ大阪vs柏レイソル メモ

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スタメン

G大阪

宇佐美と山本理が負傷明けでそれぞれ先発、ベンチ入り。

福岡、倉田、ダワンがメンバー外に。

 

脳震盪後から欠場が続いていた高橋が4試合ぶりに先発復帰。

U-21日本代表のイタリア遠征帰りの細谷と佐々木は先発。

前節出場停止だった大南が今節も欠場。

U-19日本代表の活動で離脱していた田中がメンバー復帰。

岩下と中村が負傷離脱中。

 

流れ

立ち上がりからプレスは掛けず、ブロック形成意識が高めのガンバ。ホームにしては慎重な入りに感じる。また、4-4-2で組んでいるが、2トップと中盤のラインは気持ち離れているような形。

2分、右サイドでペレイラが抜け出してシュートも佐々木がブロック。角度がなくなり、難しいシュートになった。

ガンバがあまり寄せてこないため、柏は蹴らずにショートパスで組み立てていく。

柏は攻守両面で、椎橋とドッジが横並びになる。細谷は守備時は左シャドー気味で、攻撃時はFWに近い位置取りをする。

柏は5-4-1セットで、ボールサイドのボランチには、そのままボランチが捕まえに出ていく。もう1人はスペースを埋める。

柏もそこまで前から出てこないので、ガンバもボールを持てる。両者落ち着いたゲーム運びで、トランジションがかなり少ない展開に。

ガンバはボールは持てているが、中盤で起点を作る術があまり見えない。宇佐美が下りてきて作りに参加しているが、効果的に前進につながっているようにも見えず。

11分、三丸のクロスをドウグラスがドンピシャで合わせるも東口がファインセーブ。サヴィオが右流れで深さを取ったところが起点。

11分、柏がCKから連続クロス。合わなかったが、ドウグラスがいることで迫力がある。

13分、宇佐美→髙尾とつないでラストパスを受けたペレイラが右サイドに抜け出してシュートもポスト直撃。跳ね返りを山本悠が押し込みに行くも柏DFがスーパーブロック。結果的にペレイラのところでオフサイド。ガンバはペレイラがフィニッシュのカギになっている。

下りる宇佐美に対しては、柏DFが比較的深くまでついていく。

20分、柏の敵陣保持から奪ったガンバがカウンター。ペレイラがスペースへ出ていくもわずかにオフサイド

21分、柏の連続シュート。北爪のクロスのこぼれ球をサヴィオがミドルで狙い、こぼれ球を細谷が詰めに行くもともに東口が連続セーブ。柏が質の高いチャンスを作っているが、東口がゴールを許さない。ガンバはプレスを掛けず、自陣での守備を受け入れている割にはけっこう危ないシーンが多く生まれている。

下りる宇佐美に高橋が深くまでついてくるため、その空いたスペースを食野が斜めのランニングで狙う。

ガンバは大外をSHが見て、4バックを極力ボックスから動かさないようにコントロール

26分、昌子の縦パスをライン間で受けた食野?が前を向き、最後は宇佐美のミドル。ガンバが保持から良い形を作り出した。左右に振られている間に、柏はスライドが遅れてフィルターを作り損ねた。

29分、ガンバの自陣でのビルドアップにハイプレスを仕掛ける柏。ギリギリのところでガンバが抜け出して、ペレイラがスペースで上島との1対1に。倒されたがノーファウル判定。つなぎのところは結果的に抜け出せたが、かなりリスキーでピンチと紙一重

32分、ガンバの保持から髙尾→宇佐美で背後を狙うもつながらず。ゴール方向へのパスだったが、宇佐美はもう少し外で受けたかった模様。

33分、ガンバが保持から山本悠のミドル。

36分、ガンバの保持。ペレイラとアラーノの連係でシュートまで。宇佐美が自由に幅広く動くのと同様にアラーノも逆サイドまで流れていく傾向がある。ガンバが保持で形を作れるようになってきた。

ここ10分くらいはガンバペースに。

ガンバは守備時のラインを気持ち上げた印象。大外の選手に対しても、SBが縦にスライドして出てくるようになったことで下がるだけでなく、押し返す守備ができ始めた。

43分、左CKからファーで拾った食野が左足のシュートでニアを抜いてネットを揺らすも、VARでハンドのチェックがされ、ゴール取り消しに。

46分、食野がライン間で受けてドリブルからシュートまで。ゴール取り消しでギアが上がったような印象。

 

20分あたりまでは消極的なガンバを柏が上回ってチャンスを作ったが、東口の好守でしのぐと、25分あたりからはガンバペースに。序盤はブロックの外で回しているだけの時間が長かったが、徐々に保持からチャンスを作れるようになり、惜しいシーンを作り出した。最後は食野がこじ開けたと思われたが、VARのチェックで取り消し。それぞれの時間を作り合った末にスコアレスでの折り返しに。柏はハイラインでブロックを組む守備を敷いていたが、徐々にライン間を突かれるシーンが目立つようになった。

ガンバはアタッキングサイドで左が79%とかなり偏った数字。

 

 

後半

46分、椎橋の展開から北爪が受けてクロスまで。

ガンバがかなり内側を閉めているため、椎橋→北爪で幅を使っていく柏。

49分、椎橋が中盤で奪ってカウンター。北爪がスプリントを掛けてポケットを取るが、昌子がカバーしてCKに。

51分、宇佐美がライン間で受けてドリブル開始。PA手前でファウルを受けてFK獲得。

互いに、ライン間を有効活用できるかがカギになってきているか。

→52分、宇佐美の直接FKはわずかに枠外。佐々木は一度逆を取られたが命拾い。

ガンバが持つ時間が長くなり、柏がカウンターを狙う構図になってきている。

57分、山本主審が副審と何か話して一時中断。通信機器のトラブルか何か?→リポートによると、副審の体調不良があった模様。ひとまず一呼吸おいてからそのまま続ける。

59分、ガンバのハイプレス。サイドに当ててからドッジの横サポートで回避。PA手前のコンビネーションで打開を図るもつながらず。

ガンバは相手の中盤4人の前で持ってどう崩そうかを考えている状況。宇佐美とSHの計4人がライン間で待っている。

柏は非保持を受け入れながら、トランジションでの速攻を狙っているか。

63分、細谷の深さ取りから押し上げて、北爪への展開からサヴィオがポケットを取ってCK獲得。

→64分、サヴィオのCKを高橋が合わせるも枠外。

65分、食野が左で入れ替わり、追い越した山本悠がクロス。ペレイラが合わせるも枠外。古賀がギリギリまで寄せたことで角度を消された。

66分、サヴィオルーズボールをキープし、三丸のクロスをドウグラスが合わせるも東口がビッグセーブ。この日何点阻止しているのか。

どちらのペースと言い難い拮抗した展開。前半よりもトランジションから素早くゴールを目指そうとする意志は感じる。

72分、ガンバ交代

宇佐美→パトリック

柏交代

ドウグラス→武藤

74分、齊藤に警告。球際でのスライディングが危険なプレーととられたか。

76分、武藤が背後へ動いてパスを引き出し、深さを作る。CK獲得まで。ここ5分くらいはやや柏のペースになってきているか。

ガンバ保持、柏カウンター狙いの時間が続いたが、徐々に構図が逆になってきた。

82分、高橋に警告。カウンターに出て行こうとしたペレイラを強引に止めた。

83分、ガンバ交代

食野、山本悠→福田、山本理

柏交代

ヴィオ→戸嶋

86分、柏が押し込んで、クロスのこぼれ球を椎橋が狙うもガンバ守備陣がブロック。回収したガンバがカウンターに出るも、柏が蓋をして阻止。

87分、柏交代

椎橋、細谷→加藤、小屋松

柏がガンバの守備の門をたたき続けている展開だが、ガンバも最後の踏ん張りは効いている状態。

88分、ガンバ交代

アラーノ、ペレイラ→小野瀬、鈴木

90分、柏が左での連係からクロス。こぼれ球を武藤が巧みにコントロールしてシュートまで持ち込むも東口の正面。技術の高さとアイデアが光った。

91分、自陣でのトランジションから武藤へラストパスを送り、切り返しからシュートを打つも、ここも東口がセーブ。

ドッジが足を攣った模様。

 

終盤は柏が多くゴールへ迫ったが、東口の壁を破れずにスコアレスドローで決着。ガンバもチャンスがなかったわけではないが、時間の経過とともに、深いところまで進入できなくなった印象で、内容的には「勝てた」というには都合が良すぎるかもしれない。柏も最後の連係が合わないところがあったとはいえ、ドウグラスを目指した攻撃は迫力があった。ただ、東口を突破するには至らず。ガンバは立場的に勝点3が欲しかった試合だったが、交代選手がなかなか存在感を示せず、後半は尻すぼみになっていった印象。勝点1も悪い結果ではないが、次に勢いが出るような内容にはならなかったと感じる。宇佐美の復帰が唯一の収獲か。

 

 

個人的MOM

★東口 順昭

勝点獲得に最も大きく貢献した。多すぎてもはや覚えていないが、決定機を5回くらい防いだのではないか。彼が止めていなければ、フィールドプレーヤーたちのモチベーション維持も難しくなっていたかもしれない。

 

柏は右サイドを活性化させた北爪のサヴィオの連係が良かった。また、ドウグラスと武藤は1点ずつくらい決めていてもいいようなシーンがあったが、東口を褒めるしかない。展開と守備強度のところで目立った椎橋も高評価。

 

トピックス

齊藤が累積警告4枚目で次節出場停止。

ガンバは4戦勝ちなし、柏は7試合勝ちなしに。

柏は8試合ぶりのクリーンシート。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 松田 浩監督 ]
どうしても勝点3が欲しい試合で、勝点1ということは満足できないですし、残念です。何が足りなかったのかなというのを、一人ひとりが突き詰めていく作業がまた必要だなということを感じた試合でした。特に守備はなんとか無失点に抑えたので、得点が足りなかったということはいえると思うのですけども、そこのところで「何が」というところは検証していく必要があると思います。

--宇佐美 貴史選手を先発で起用しましたが、どういった狙いがあったのか教えてください。
クオリティーですね。選手としてのクオリティーの高さというのが、ボールを引き出したり、ボールを収めたり、攻撃を活性化するというところに寄与してくれるので、支配した落ち着いた試合を進めるという意味で期待しましたし、その期待には応えてくれたなと思います。相手にとっても脅威であるはずですから、そこで相手がちょっと構えるところとかができる、そういうところも利用しながら戦うという意図がありました。

--仕方ないことだと思いますが、後半になって少し早めに運動量が落ちたのは松田監督にも織り込み済みだったのでしょうか。
そうですね、本当に長い離脱のあとですから、基本的には60分ぐらいを目安ということだった中で、状態が良いということで70数分まで引っ張りましたけど、それはしょうがないことかなと思います。

--宇佐美選手がピッチに立つと、彼のところにボールが集まって必然的に良いリズムだったと思われますが、悔やまれるとすれば宇佐美選手がピッチに立っている間に得点を取り切れなかった点でしょうか。
そうですね。それは一番理想的な展開としてはそういうことだと思いますね。それで、お役御免みたいな形になって、あとは他の選手がカバーして逃げ切るみたいな形、もしくはその勢いで追加点ということが一番理想的ではあったということですね。

 

[ ネルシーニョ監督 ]
われわれが予想していたとおり、非常に厳しい戦いになるだろうと思って、ピッチに入ったのですけど、予想どおりの展開になった。相手のG大阪は非常に厳しい状況にある中で残留を懸けて戦っている。その中で相手も相当前がかりにくると予想していましたが、逆にウチとしては相手を引き込んでからのショートカウンターをゲームプランとして持って入った。前半はあまり効果的な攻撃に出ていくシーンが見られなかったのですけど、ハーフタイムに入って、守備のところを修正して、後半に入ってからは良い守備から良い攻撃に出ていく形がいくつも作れたと思いますし、実際に決定機をいくつも作れたと思います。

 

2022 J1リーグ第31節 名古屋グランパスvs横浜F・マリノス メモ

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スタメン

名古屋

酒井とマテウスが負傷明けでそれぞれベンチ、先発に復帰。

日本代表のドイツ遠征帰りの相馬はベンチスタート。

レオナルドがメンバー外に。

重廣が負傷離脱中。

 

横浜FM

西村が負傷明けでベンチ入り。想定よりも早く戻ってきた。負傷(違和感?)で欠場していた小池龍も先発に復帰。

藤田はU-21日本代表のイタリア遠征帰り。ベンチスタート。

エドゥアルドが出場停止明けで先発復帰。再び外国籍枠問題でマテウスがメンバー外に。

松原がメンバー外に。

宮市が負傷離脱中。

 

流れ

1分、永井が右サイドに流れて起点を作り、追い越した森下からクロス。

1分、ロペスが背後へ抜け出しかけるも名古屋CBが挟み込んで止める。

3分、名古屋がプレスをハメて回収。森下がクロスを送るも中の仙頭には合わず。名古屋がセットしたところから積極的にプレスを蹴けてペースをつかんでいる。

4分、名古屋がプレス回避から右へ展開して森下のクロス。名古屋が連続で森下からゴール前へ送る攻撃ができている。

5分、マリノスが右サイドの連係で深さを取ってCK獲得。

7分、マリノスが3人の連係からプレス回避。狭いところで細かくつないで密集を抜けた。マリノスでしか見ないようなハイレベルのパス交換と連動。立ち上がりは名古屋が良いプレスからペースを握ったが、マリノスも10分と立たない間にアジャストしてきた。

9分、マリノスが左からのクロスに3人飛び込むもいずれも合わせきれず。名古屋守備陣も体を当てて対応した。

10分、水沼のプレスから高い位置で奪うも、打ち切れず。名古屋は危険なロスト。その後、マテウスを走らせてカウンターへ移るもシュートまでは行けず。

マリノスはサイドに当ててからのボランチの平行サポートでポイントを作ろうとしているか。

13分、仙頭の縦パスから永井の落とし→稲垣でシュートを狙うも永戸が絞ってクリア。仙頭と永井はコンビネーションをうまくまわすための潤滑油になっている。

15分、左右からのクロスで名古屋が攻め込む。ここ5分くらいはマリノスペースになりつつあったが、名古屋も押し返す。

15-16分、マリノス先制、0-1。永戸がインサイドで受けてロペスとのワンツーのような形でポケットへ進入。折り返しを水沼が合わせてゲット。名古屋のボランチ脇が空いた瞬間を逃さずに永戸が良いポジションを取り、良い連動からうまく崩した。

17分、マリノスが自陣でのパス交換からマルコスが中盤を運び出して水沼の折り返しまで。名古屋はプレスが空転し始めている。

19分、トランジションから右で粘った名古屋。マテウスの強引なキープから森下のクロスまで。

20分、中盤のルーズボール回収からエウベルの仕掛けからクロスまで。

名古屋も防戦一方まではいかないが、マリノスのコントロール下になってきている。

名古屋の組み立ては基本3-2の形で仙頭が流動的にサポートへ入る。

25分、マルコスへ後ろからチャレンジしたマテウスに警告。

マリノスのつなぎに対し、名古屋の最終ラインが深くまでついていってマークするようになった?前向きの矢印が強くなったように感じる。

27-28分、下げたマリノスに対し、ラインを上げてプレスを掛けていく名古屋。ボランチと下りるマルコスで回避してスピードアップ。ロペスへのラストパスからうまくシュートにつなげ切れず。

29分、マテウスが強引に運んでCK獲得まで。

32分、マリノスがプレスをハメ切ってショートカウンター。完結できなかったが、奪い方までは完璧だった。3トップとマルコス+渡辺で3-2ビルドに人を合わせる。

33分、エドゥアルドの縦パスをマルコスがライン間で受けてスピードアップ。エウベルのタッチが少し流れたことでクロスの精度は上がらず。

34分、名古屋がプレスに出ていくも、マリノスがGKを使って回避。名古屋はGKまで出て行った際にボランチが捕まらない。

36分、マリノスが中盤で奪って速攻。ロペスがマルコスへのラストパスを狙うも角度が難しかった。

マテウスが単騎で運び出すようなシーンはあれど、15分過ぎあたりからは完全にマリノスペース。名古屋は保持も前進の策がなく、守備もプレスがハマらない。特にプレスがハマらないのはかなり厳しい。

永木が痛んでいた時間を使って名古屋が戦術変更を指示しているか。マテウスと仙頭がサイドを入れかえた。

39分、エウベルが巧みなコントロールで中盤を抜け出し、ラストパスを水沼が受けるもうまく打ち切れず。

42分、名古屋が永井のプレススイッチで押し上げ、回収成功。ショートカウンターへ移行するが完結できず。エドゥアルドが冷静な判断でラインを上げてうまくオフサイドをとった。マリノスがリズムよくパスを回していた中、久しぶりに名古屋が良い守備を見せられた。

44分、名古屋が左で作って右へ展開。良い形で折り返すが、シュートまでは行けず。名古屋が少しずつ押し返してきた。

 

立ち上がりこそ名古屋が良い入りを見せて右サイドを中心にして攻め込んだが、10分もたたないうちにマリノスがアジャストしてペースをつかむ。うまく先制点も奪い、その後もチャンスを量産したが、追加点は奪えず。名古屋は終了間際に少しだけ押し返したが、攻守にうまくいかず苦しい時間が長く続いた。マリノスとしてはゲームをうまくコントロールしながらチャンスを作れた内容はポジティブだが、仕留め損ねた部分は反省材料。逆に名古屋はうまくいかない時間が長かった中、1点ビハインドで収めたことは不幸中の幸いとでもいえようか。

DAZN集計で名古屋はシュート1本のみ。

 

 

後半

45分、マリノス追加点、0-2。ロペスが右から運び出して左へ。エウベルのパスを氣田がワンタッチで縦に出して、フリーで受けた水沼が落ち着いて流し込んだ。マリノスが開始早々に勢いをつける追加点をゲット。

49分、最終ラインからの縦パスでライン間のマルコスにつけ、ロペスへのラストパス。左足に持ち替えて狙うも枠外へ。マリノスが得意とする直線的な中央突破成功。

名古屋もプレスを掛けているが、マリノスからなかなかボールを奪えない。

51分、名古屋交代

丸山、永木、仙頭→チアゴ、レオシルバ、相馬

相馬が左WBに入り、内田がシャドーへ移る。チアゴが中央のCBに入り、藤井が左へ。

53分、水沼→エウベルで左右に振って、最後はマルコスがPA内で倒されるもノーファウルの判定。ややもらいにいった印象が強かった。

54分、トランジションから右サイドで起点を作り、最後はマテウスのオーバーヘッド。

55分、渡辺に警告。突破しかけた相馬を倒した。

59分、マテウスのクロスのこぼれ球を拾った内田がミドル。枠へ飛んだが高丘がキャッチ。

60分、マルコスが足を攣った模様。

60分、マリノス交代

マルコス、小池龍→西村、角田

足を攣る前からマルコス→西村の交代は準備されていた。角田はそのまま右SBに入る。

右ポケットをとったレオシルバからの折り返しでCK獲得。相馬が入ってから攻撃に推進力が生まれた印象。

62分、CKのこぼれ球を名古屋の選手が振り抜くも枠を叩いてはじかれる。

65分、永井がカウンターに出かけたところをエドゥアルドが良い対応で奪う。そのあとのパスはミスに。

66分、角田のワンタッチのクサビから3人の連係でPA手前まで入り込むマリノス。右SBの角田が左利きである効果があるパス出しと、連係のレベルの高さが見えたシーン。

68分、エウベルが1人で縦に突破して折り返しまで。最後のタッチが少し大きくなったことでチアゴのカバーが間に合った。中谷はかけっこで完全において行かれた。

70分、レオシルバの右からのクロスに永井が合わせるも枠外。

72分、永戸がサイドにあててワンツーで抜け出し、PA手前で3対2を作り出す。フリーの水沼に預け、きりかえしからシュートを狙うも枠外へ。決定機。

72分、名古屋交代

内田→酒井

マリノス交代

ロペス、エウベル→セアラ、仲川

74分、岩田が前向きのインターセプトからセアラにパスを送るもズレる。エドゥアルドも含め、CBが前向きに奪ったらそのまま前に上がってくるシーンが何度も見られる。

75分、ロングボールのセカンドを拾ったマテウスが遠めから狙うも高丘が処理。

77分、角田のフィードに仲川が抜け出しかけるもランゲラックがカバー。

名古屋がボールを持てる場面もあるが、マリノスのプレスに屈するシーンが多い。名古屋が敵陣へ入れる時間は少なく、マリノスのコントロール下にある。

78分、PA内で受けたセアラが左足で狙うもサイドネット。

78分、名古屋交代

マテウス→甲田

79分、PA内で受けた水沼が切り返しから左足で狙うもランゲラックが好セーブ。枠へ飛んでいた。

81分、水沼を後ろから寄せて倒した相馬に警告。

82分、FKのこぼれ球を渡辺が狙うもまたしてもランゲラックが好セーブ。

83分、喜田のインターセプトからカウンター。水沼が抜け出してシュートも、またしてもランゲラックがセーブ。マリノスが質の高いチャンスを量産しているが、ランゲラックが止めまくっている。

84分、直前のチャンスで足を攣った水沼。攻守両面でかなり走っていた。

85分、マリノス交代

水沼→藤田

藤田がボランチに入り、渡辺がトップ下、西村が右WGに移る。

86分、右からのクロスに甲田が合わせるも高丘の守備範囲内。

名古屋も攻勢を強めて右サイドを軸に攻められるシーンが出てきたが、いずれも単発に終わる。マリノスは一度奪えばスペースで受けて簡単に陣地を回復する。

89分、マリノス追加点、0-3。疑似カウンターで最終ラインから背後へ走る仲川へ。仲川がワンタッチで中へ入れ、受けたセアラが落ち着いて決めた。名古屋が前からきたのを見て、背後のスペースを取る判断、精度はさすが。

94分、名古屋がカウンターから永井が抜け出してシュートを打つも高丘がセーブ。結果的にオフサイド

95分、マリノス追加点、0-4。敵陣でセカンドを回収し、仲川→藤田とつないで力強くネットを揺らした。

 

前半立ち上がりこそ名古屋が良い入りでゴールへ迫ったが、マリノスが素早く相手のプレスにアジャストしてゲームを支配。前半は多くのチャンスを作りながらも1点しかリードを得られなかったものの、後半は開始早々に2点目を奪って、相手の勢いを削いだことが大きかった。名古屋もチャンス自体はあったがゴールを奪えず、マリノスが追加点を重ね、0-4でフィニッシュ。名古屋も決して悪かったとは思わないが、マリノスがほぼほぼ完ぺきにゲームを支配し、完勝を収めた。優勝争いをしている中でこのクオリティーのゲームをしてくるのはさすがの積み上げとしか言いようがない。ランゲラックも3点近く防いだが、失点シーンはさすがに難しかった。

 

 

個人的MOM

★水沼 宏太

殊勲の2得点。ランゲラックの好守によってハットトリックのチャンスは生かせなかったものの、ゲームの流れを決める価値あるゴールだった。リード後の献身的な守備でも存在感あり。

 

守備と組み立てで存在感があったエドゥアルドと岩田のCBコンビ&喜田と渡辺のボランチコンビも高評価。チーム全体のパフォーマンスが高く、良かった選手を挙げればきりがない。

名古屋はランゲラックが何度も好セーブを見せたが、4失点を喫し、大敗に。

 

トピックス

名古屋は内容上向きな雰囲気があったが4戦勝ちなしに。一方でマリノスはここ6戦4勝2分けで、公式戦4戦全敗の8月から完全に立て直した。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷川 健太監督 ]
たくさんのファミリーの皆さんが応援に来てくれた中で、なんとか勝利をという思いでやったんですが、結果を出すことができなくて本当に残念で申し訳ないと思います。選手は最後までゴールを目指してプレーしてくれたと思います。

横浜FMは)やはり優勝に王手をかけるだけのチームでした。ここ2試合上位を相手に自分たちのサッカーを見せることができていましたが、今日の試合では際の部分、やはり最後のところでついていけなかったり、最後の外し方だったりは横浜FMさんのほうがうまかったと思います。自分たちの足りなかったところは見習っていかないといけないし、伸ばしていかないといけないとあらためて思います。

ただ、0-4というスコアで負けたからといって、今季やってきたことがすべてダメだったとは思いません。しっかり切り替えて、残り3試合で最後の意地を見せ、しっかりとシーズンが終えられるように、戦っていきたいと思います。

--横浜FMとの差をどう感じたか?
横浜FMは、(ケヴィン)マスカット監督になってから時間も経っていてチームも熟成していると思っています。その差は当然認めなければなりません。

--決定機の質を高めるために必要なことは?
チームとしての練度を上げていくという部分と、個を伸ばしていく、その両方が必要だと思っています。

 

[ ケヴィン マスカット監督 ]
自分はいつもバランスを見ているのですが、結果以上に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。最初に笛が吹かれた瞬間から最後の笛が鳴るまで、交代で入った選手も違いを出してくれましたし、チームに力を注いでくれました。アウェイの地でメンタルをどう強く持っていくか、そして名古屋という強いチームに対して、どうマリノスのサッカーを、意図を持って表現するのかが大事でした。それを選手たちはピッチ上で強いメンタルを持ち、素晴らしいパフォーマンスを繰り広げてくれ、結果もついてきました。

--1点目に象徴されるように横浜FMらしいサッカーを表現できた理由を教えてください。
おっしゃっていただいたように、1点目は常に要求しているマリノスのサッカーで奪ったゴールでした。

この2週間、自分たちは何に集中して名古屋戦に準備したかと言いますと、ゲームコントロールの質を上げることでした。選手たちにはオフをそこまで与えず、選手もスタッフも意図を持って練習に取り組んでくれました。今日の試合に関しては、高いレベルで表現してくれたと思います。自分たちがボールを握ることで、相手を走らせ、相手が疲れてくれば、そこを突いていけばいいと考えていました。

--仕事上、聞かざるを得ないのですが、川崎Fが敗れ、残り4試合で勝点差が『8』に開きました。どうお感じでしょうか。
お仕事なので、どうしても聞かざるを得ない質問だと思いますが、自分と長く付き合っていただいているので、答えも分かっていただけるはずです(笑)。

残り5、6試合になって自分が強調したのはメンタリティーです。残り4試合ですが、今日や明日できることで影響を及ぼせるのは次のG大阪戦だけです。今日は強いパフォーマンスを見せてくれましたし、明日、スタッフは振り返ります。その分析をチームに展開するにあたっては、悪いところをいじくり回すのではなく、良かった部分、良い部分を見せることを重要視しています。そうすることで、「これをやっていけばいいんだ」という思いを体に染みこませることができます。自分たちは次のG大阪戦しか影響を与えることはできないので、そこに向けて準備をするだけです。

 

2022 J1リーグ第31節 北海道コンサドーレ札幌vs川崎フロンターレ メモ

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スタメン

札幌

菅、福森、スパチョークがメンバー外。

西、トゥチッチ、田中宏がメンバー入り。

深井が負傷離脱中。

 

川崎

ドイツでの代表活動から帰ってきたばかりの谷口と山根はサブスタート。山根は出場停止明け。

エジプトへの移籍の噂があったマルシーニョは先発。

3試合欠場が続いた車屋が先発。

山村がメンバー外に。

ダミアン、大島が負傷離脱中。代表活動で負傷したチャナティップも欠場。

 

流れ

つなごうとする川崎に対し、前から強めにプレッシャーを掛ける札幌。前3人は、そのまま奪い切るくらいの気概で寄せに行く。

左からのセットプレーのキッカーはルーカスが務める。インスイング意識?

札幌の組み立てに対し、高い位置からけん制をかける川崎。強度はそこまで上げていないが、全体をかなり押し上げている。

札幌はかなりホルダーに対して強く寄せに行くが、ここまではファウルになっているシーンが多い。球際を作り出すという面では、狙いの第一段階は突破しているともいえるか。

9分、中盤での回収から縦に速く攻めて青木のシュートまで。CK獲得。

10分、CK守備から川崎がカウンター。ルーズボールをマルシーニョが回収してゴールへ向かい、折り返しを家長が合わせるもバー直撃。最初のビッグチャンス。札幌は切り替え時の対応に失敗したが、枠に助けられた。

12分、札幌がプレスからショートカウンター。小柏がシュートを狙うも枠外。2CBにシャビエルと小柏、シミッチに青木を当ててソンリョンに蹴らせ、前向きで回収した。

川崎がセットされた状態からのビルドアップで安定して前進できなくなってきているか。

16分、川崎のプレスを、テンポの良いパス交換で剥がす札幌。技術的なミスが起きればカウンターを受けそうなリスキーなつなぎではあったが、自信を持ってやり切った。

18分、高嶺が個人ではがしてプレスを回避するが、パスミスでカウンターを受ける。マルシーニョの仕掛けからラストパスを狙ったがつながらず。札幌は良い前進から安易なミスからピンチを招いた。全体のバランスを崩す組み立てを行うので、パスミスは禁物。

22分、川崎の敵陣保持。家長が左に流れてパス交換に参加。マンツーマン対策?川崎は1stプレスさえ外せれば、問題なくボールを持てる流れに持ち込める。

23分、荒野がどこかを痛めた様子。

24分、札幌交代

荒野→興梠

興梠が最前線に入り、シャビエルがシャドー、青木がボランチに下りる。青木のボランチは見た記憶がないが、ぶっつけ?

25分、川崎が連係からシミッチがPA内で抜け出しかけるも、菅野が処理。

27分、川崎がPK獲得。家長→マルシーニョで左サイドへ送り、仕掛けからパスを受けた橘田がPA内で倒された。ここでは田中駿がマルシーニョを止め切れず、中で岡村が後手を踏んで手をかけてしまった。

29分、川崎先制、0-1。家長がPKを完璧に決めた。上の角ギリギリに入るシュートで、菅野はノーチャンス。

32分、札幌同点、1-1。金子が前向きでインターセプトし、左へ展開。興梠の折り返しからこぼれ球が生まれ、最後はルーカスが押し込んでゲット。良い守備から良い攻撃へ転じられた。

34分、田中駿に警告。マルシーニョとの走り合いで倒してしまった。

36分、金子が右から仕掛けて倒れるもファウルなし。金子の仕掛けに対して川崎は立ち上がりから2人で対応しようとしているように見える。

36分、シャビエルがPA外からミドルをたたき込むも、シュートコースにいた青木がオフサイドを取られてゴール取り消し。完璧なフィニッシュだっただけにもったいないオフサイド。川崎は命拾い。

39分、札幌が自陣からの縦に速い攻撃でシャビエル→ルーカスでPA内に入り込み、絞って対応した佐々木が倒してPKに。

41分、札幌逆転、2-1。興梠がPKを落ち着いて決めた。取り消されたゴールを取り戻すような得点に。

43分、車屋との競り合いでシャビエルが肩あたりを痛める。〇印が出て、プレー続行は可能な模様。

44分、スローインの流れからPA内に入り込んで、ルーズボールを脇坂が押し込みに行くもポストに当たってはね返される。家長のバー直撃に続き、枠に嫌われた。

46分、川崎のビルドアップをマンツーでハメて取り切る札幌。

47分、敵陣でパスを回して隙を伺う札幌。シミッチが我慢できず、ファウルで札幌がFK獲得。

→48分、ルーカスの直接FKは枠外へ。

 

札幌がマンツープレスでペースを握りながらも、川崎がトランジションから一発でチャンスを作り出してPKで先制。ただ、札幌もやることを変えずにアグレッシブな守備を続けたことですぐに追い付き、PKで逆転に成功した。

札幌はマンツープレスがかなり機能しており、トランジションからチャンスが作れていたので、いかにセットした守備の局面を作れるかがカギになっていた。ただ、不用意なロストからピンチを招いたシーンもあり、トランジションが武器でもあり、弱点にもなっていた。

川崎は相手の1stプレスさえ外せれば敵陣での保持を安定させられたが、なかなか相手のマンツーを打開できず、トランジションから攻め込まれてしまった。また、枠に二度はね返されたこともツキがなかったと言える。

 

 

後半

川崎交代

佐々木→山根

45分、ルーカスの個人技から左サイドを突破し、最後は小柏がシュートを狙うもソンリョンが処理。後半立ち上がりは札幌が良い入りを見せる。

47分、マルシーニョの仕掛けからのシュートは岡村がブロックしてCKに。互いにスピード感を持ってゴールを目指す。

48分、ジェジエウの縦パスでライン間の脇坂を使い、CK獲得。

50分、中盤でのパス交換からスルーパスに小柏が抜け出しかけるも、ソンリョンがカバー。

51分、札幌のゴールキックからのつなぎにハイプレスを掛けて回収する川崎。

開始早々は札幌が良い入りを見せたが、それ以降は川崎がゴールへ迫る展開。セカンドの回収から全体を押し上げて保持に移る。

53分、小柏が背後に抜け出して切り返しからシュートを狙うも、シミッチが好カバーで阻止。切り返しで時間がかかり、ブロックが間に合った。ビハインドの川崎が前がかりになっていることから、小柏の裏抜けは効く。

54分、ジェジエウが手首あたりを抑えて痛そうにしている。→一時ピッチ外に出て処置を受ける。応急処置的にシミッチがCBの位置を埋める。→プレーに復帰。

56分、小柏が背後に抜け出してシュートまで。ジェジエウに寄せられたので、角度がなくなった。

56分、川崎交代

ジェジエウ、シミッチ→谷口、小林

指あたりを痛めたと思われるジェジエウも大事をとって交代。小林が1トップに入り、知念が右WG、家長がIH、橘田がアンカーに移る。

57分、脇坂に警告。シャビエルに後ろからチャレンジして倒した。

川崎は背後を一発で取られるようなシーンが増えてきている。札幌は追加点を取って相手の心を折りにかかりたいところ。

58分、右からのFKを金子がボレーで合わせるも枠外。

59分、脇坂の右からのクロスを小林が合わせ、混戦が発生。ゴールラインを割ったか割っていないか微妙なシーンを、プレーが切れた後にVARと検証。かなり長い交信を経て、ゴールが認められる。川崎同点、2-2。

64分、札幌が左での連係から打開を図る。その後、金子が右から折り返しを狙う。札幌は直前の失点から火がついたような雰囲気で、切り替えがかなり早くなったように見える。

66分、札幌の敵陣保持から川崎のカウンター。札幌も素早く戻って遅らせる。

67分、中盤から小柏を走らせるパスを出すが、コントロールし切れず。

68分、川崎逆転、2-3。札幌の攻めからトランジションで川崎の速攻。マルシーニョの仕掛けから小林のフィニッシュでゲット。菅野は一歩も動けず。小林はこの試合でも札幌キラーぶりを発揮。札幌は攻め立てながら決め切れないしっぺ返しがきた。札幌は直前の相手のPA内でのハンドをアピールするが、認められず。

71分、スペースへ抜け出しかけたマルシーニョが倒されるもノーファウルの判定。

72分、高嶺→シャビエルでスペースを狙うが、ソンリョンがカバー。

2-2になってから互いにかなりオープンな展開になってきた。特に札幌のロスト時に中盤に大きな空洞がある。

74分、マルシーニョがスペースで仕掛けるも岡村が好対応で止める。

76分、川崎交代

知念→遠野

知念は直前のプレーで足を伸ばすようなアクションがあり、疲労がありそうだった。

77分、札幌交代

金子→キム・ゴンヒ

ルーカスが右WB、青木が左WBへ移る。

78分、車屋が座り込む。直前のプレーでシャビエルとの走り合いがあり、その際に肉離れを起こしたか?川崎はジェジエウを下げて谷口を投入したことでCBの控えは残っていない。

80分、川崎交代

車屋→瀬古

車屋は肉離れの疑いで負傷交代。担架に乗せられて下がる。瀬古が中盤に入り、橘田が左SB、登里がCBに移る。

82分、札幌同点、3-3。左から青木が仕掛けてファーサイドへ送り、ルーカスのクロスをシャビエルが合わせてゲット。札幌が得意とするWB→WBの幅を広く使った攻撃が実を結んだ。

83分、キックオフ直後にすぐチャンスを作り、抜け出したシャビエルが倒された。倒した橘田にはドグソで一発レッド。一時はPKの判定が下されるも、VARとの交信でFKに変更。ボールにチャレンジできていないので、PA内でも外でも橘田のカードの色は変わらない。一連のプレーの中でソンリョンが足を痛めた模様。テーピングをぐるぐる巻きにしてプレーを続行しようとするが、スタッフや選手が止めている模様。川崎は交代枠を消化済なので、交代はできない。治療にかなり長い時間を費やす。

→中断時に鬼木監督の下へなにか話に行った登里が足を攣る。

→ソンリョンはプレーを続ける模様。

→93分、シャビエルの直接FKは壁に当たる。

94分、札幌交代

興梠→中村

川崎は1人少ない状態だが、前から守備を行ってつなぎをけん制する。ソンリョンの状態が良くないため、前で無理して自陣での守備に持ち込まないようにしているか。

95分、川崎がPA手前でパスを回し、シュートを打つも菅野の正面。

→アドバンテージが適用された場面をさかのぼって高嶺に警告が提示。ファウルを受けた脇坂が少し痛む。

97分、キムゴンヒが左ポケットに抜け出し、折り返しをシャビエルが詰めてネットを揺らすもオフサイド。キムゴンヒのところが少し出ていた。見た限りでは、ソンリョンはセカンドアクションは難しそうな雰囲気。

シャビエルもかなり足に疲労がきていそうなアクションを見せる。

1人少ない川崎のほうがアグレッシブにボールへアタックし、敵陣へ入っていく。

101分、札幌逆転、4-3。自陣での奪取から田中駿のロングパスを受けたキムゴンヒ。小柏へ渡し、マーカーを振り切ってゲット。後半はチャンスを決め切れずにいた小柏が最後に大仕事を果たした。

 

アグレッシブに入った前半立ち上がりから、壮絶な打ち合いを札幌が制した。前半は札幌がリードし、後半は札幌キラーの小林が活躍して川崎が逆転したが、札幌が同点弾から一気に畳みかけて最後に決勝ゴールが生まれるというシーソーゲーム。札幌もリード時のゲームコントロールや、数的優位時の振る舞いなどには課題があったが、それと同様に、川崎も相手に流れを渡したときに一気に呑まれた。特に3-3になった直後の退場&ソンリョンの負傷が完全にターニングポイントになった。札幌は残留を確実にする勝点3。川崎は優勝が遠ざかる敗戦。

 

 

個人的MOM

★ガブリエル シャビエル

2点目のPK奪取につながるラストパス、3点目、相手の退場を誘発する抜け出しとゲームの流れを大きく左右するプレーに多く関与。特に3点目→相手の退場という流れは勝利を手繰り寄せる大きな出来事になった。

 

1ゴール1アシスト、PK獲得と3ゴールに関わったルーカスもMOM級の活躍。チャンスを決め切れないシーンも多かったが、背後への抜け出しから多くのチャンスを作り出し、決勝点を挙げた小柏も高評価。

 

トピックス

荒野が負傷交代。自力では歩いていたが、足を引きずっているような歩き方だった。重症ではなさそうだが。

興梠がゴールを決め、J1通算単独2位のゴール数に。

車屋が負傷交代。肉離れの疑い。

CB2人が交代した影響で登里が急造CBに。

橘田が一発退場で次節出場停止。

高嶺が累積警告4枚目で次節出場停止。

フル出場したものの、ソンリョンが負傷。次節の出場も微妙かもしれない。

川崎はここ3戦勝ちなしに。終盤で一気に失速。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ペトロヴィッチ監督 ]
非常にハードなゲームでした。やはり川崎Fは強いチームであり、両チームともに勝点が欲しい状況。お互いの気持ちがぶつかり合いました。選手たちは高いモチベーションで挑んでくれました。セレッソに勝ち、磐田に勝ち、横浜FMに引き分けた。自信を持って自分たちの戦いをプレーしてくれたと思います。スペクタクルで、観る人にとっては面白い試合だったと思います。これはサポーターがともに作り上げてくれた試合だと思いますし、私自身、誇りに思っています。

私がノーマルではないように、選手たちもノーマルではないのでしょう。今日のような試合があれば、そうではない試合もある。今季は波のある戦いになっています。川崎に勝利できて勝点3が取れたことは素晴らしい結果だったが、われわれはまだ何も手にしていない。次も福岡との厳しい試合が待っている。まだまだ手放しで気持ちを緩めることはできない状況です。

--「交代選手の活躍がカギになる」と試合前から話していたが。
今季はケガ人が多い中で、最近はやっと復帰してきたが、またこの試合前には負傷欠場者が出てしまった。なかなかレギュラークラスの選手が出場できない。ただし、小柏(剛)、(ガブリエル)シャビエルの状況が戻ってきて、調子を上げてきていて、それが結果につながっている。きょう途中出場した選手も良いプレーをしてくれた。そうした選手たちの役割は試合を決定づけるには重要ですし、最終的に勝つにはスタートから出る選手、途中出場の選手、みんなの頑張りがここ最近は非常に良い結果につながっている。

--興梠 慎三選手のPKは監督の指名だったのか?
そのことについては選手間で話し合ったのだと思います。自信のある選手が蹴るべきでしょう。

 

[ 鬼木 達監督 ]
前半に関して、攻守にバタバタしたところがあった。後半に入って、選手たちは自分たちのやるべきことを分かってくれたので、そういう意味でも逆転までいけたと思う。勝ち切るところにもってかないといけなかった。自分として、その仕事をやらないといけなかった。

--2-1になってから、[4-4-2]のシステムを変えないところにもメッセージは感じたが、どんな意図があったか?
勝ち切ることを目指していた。難しい展開であったが、ゴールを目指すこと。ただ、やっている中の選手は不安もあったでしょうし、そこも含めて、いろいろなシステムもそうだし、攻撃に行くところと、守備に行くところ、どこを重点に置くのかなど、両方を伝えられればと思ったが……。

--首位・横浜FMが勝ち、優勝がより厳しくなったが、試合後、選手に伝えたことは?
選手には、今日のゲームをよく頑張った、持てる力をすべて出してくれたと伝えた。選手の頑張りに、周りからの期待に応えられなかった。多くのサポーターも応援してくれた中で、喜び合えなかったのは残念。自分がしっかりとマネジメントしていれば、もっと違う形もあった。厳しい状況でも、それでも良い形で終えられたと思う。みんな頑張ったと声をかけた。

--ジェジエウ、車屋 紳太郎と両CBのケガ、それに痛めたチョン ソンリョンの踏ん張りが利かなかったところも。負傷の影響は?
ケガの影響は、実際かなりあったと思う。(チョン ソンリョンは)立っているのが精一杯という状況だったので。そういった状況でサッカーをさせてしまったと思う。それも含めて、いろいろな意味でコントロールしてあげれば、もっと良かったと思う。

 

2022 J1リーグ第31節 鹿島アントラーズvsFC東京 メモ

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スタメン

鹿島

名古が初先発。

松村が負傷明けで第12節以来のメンバー入り。

常本と林が負傷離脱中。

 

FC東京

森重が出場停止で木村が復帰後初先発。木村はU-21日本代表のイタリア遠征帰り。

ドイツでの代表勝網から帰ってきた長友はベンチスタート。

前節メンバーから外れた紺野と安部がベンチ入り。

林、トレヴィザン、青木が負傷離脱中。

 

流れ

1分。中盤で収めた鈴木がスルーパス。仲間が抜け出すもしぼった木本がギリギリでかき出す。

2分、インスイングCKをニアで仲間がフリックするも押し込めず。

3分、渡邊のルーズボール回収から東京の保持。仲間がチェイシングをかけるもスウォビィク→東でプレス回避。

5分、鹿島が敵陣で囲い込んで奪い、ピトゥカのシュートまで。鹿島は仲間のスイッチを中心に強めにプレスをかけていく。

6分、東京が自陣で奪ってから攻撃へ移行。レアンドロ→ディエゴで深さを取ってバングーナガンデへ送るが、クロスは上げ切れず。

鹿島は東京の中盤にはめ込むように人を見るとSBのところが浮く。それを生かして中村→ディエゴの斜めのパスで起点を作りにいったが、収め切れず。狙いは悪くない。

9分、起点を作ろうとした仲間に後ろからチャレンジした木本に警告。鹿島は激しい展開に強いだけに、早い時間でのCBの警告は痛い。

11分、鹿島がカウンターに出かけたところをひっかけてレアンドロのシュートまで。

ディエゴは守備時に名古を見る意識が強め。

12分、鹿島が右サイドで作りながら中央突破を図るが、ラストパスがつながらず。

東京はWGが外切りで相手CBへプレスを掛けるため、鹿島はSBが大外で浮きやすい。GKを使いながらそこへ届けようとしている。

東京も徐々に押し返せるようにはなっているが、トータルで見ると鹿島の土俵でゲームが進んでいるように感じる。トランジションが多くなり、ゲームスピードが上がる展開。

19分、東京がプレスから高い位置で奪ってショートカウンターレアンドロ→渡邊でPAまで入り込んだが、切り返したところでカットされる。

21分、東京が相手PA手前でパスを回して打開を図るも、シュートまでいけず。ただ、敵陣へ押し込んでコントロールするという面では、目指している形といえるか。

23分、塚川がレアンドロへラストパスを狙うも、少しずれてつながらず。

ここ5分は東京ペース。トランジションを抑えながら保持の時間を増やし始めている。

24分、レアンドロ→塚川でポケットを取りにいくが、惜しくも合わず。短い時間で互いにパスを出し合っており、感覚は合うのかもしれない。

25分、東京が前からけん制。早川→安西で回避を狙うが、つながらず。

27分、松木がななめのランニングで木本のパスを引き出し、抜け出してシュートを打つも枠外。フリーになったが、逆足の右でのシュートになり、精度が上がらなかった。

28分、中盤のトランジションからカイキのシュートまで。

29分、中村が上がり、渡邊が内、塚川が後ろとポジションを移動させて組み立て。斜めのクサビで前進成功。

30分、PA手前でパスを回してレアンドロのシュートまで。

31-32分、鹿島のプレスをスウォビィク→塚川の浮き球パスで回避して前進成功。

33分、鹿島がロングボールのセカンドを回収するも攻め切れず。

鹿島がプレススイッチを入れて奪いに行くが、東京も細かくつないで安定して外していく、

35分、ディエゴが中盤で粘って、左足ミドルまで。

20分あたりからは完全に東京のペースが続く。鹿島は守備でも攻撃でも陣地を押し上げられなくなってきている、

37分、FKの流れからこぼれ球を関川が詰めに行くも東京守備陣がブロック。

39分、仲間が東との競り合いから奪ってショートカウンター。折り返しからピトゥカと仲間が飛び込んで詰めに行くが押し込めず。鹿島は劣勢が続いていたが、1プレーから一気にゴールへ迫れる強さを感じる。

43分、東京がプレスからショートカウンターレアンドロPA内で仕掛けて左足で狙うも枠外。

45分、バングーナガンデ→松木で左ポケットをとって折り返すもはね返される。

 

立ち上がりはホームの鹿島が勢いよく入り、中盤での攻防、トランジションからゴールへ迫ったものの、20~25分あたりからは東京がゲームを掌握。プレスをハメ切ってのショートカウンター、敵陣での保持で多くのシュートシーンを作り出し、ゴールへ迫った。試合を動かせなかった点で言えば課題は残ったが、ビルドアップを安定させながら、敵陣での攻撃試行回数を増やせたことはポジティブ。あとはどうやって仕留め切るか。鹿島は押された中でもトランジションから一発で刺せる怖さは見せた。押し返すには、ビルドアップを安定させる作業とトランジションの局面を増やすことがカギになるか。

 

 

後半

鹿島は名古とピトゥカの位置を入れ替えた。

48分、鹿島がビルドアップからうまく前進してカイキのシュートまで。東京もブロック。うまく右で数的優位を作って、東京のマーカーを惑わせた。

50分、ピトゥカに警告。塚川にレイトでプッシングにいった。直前に自身のロストがあったので、そのイライラが出たか。

→52分、レアンドロの直接FKは枠外へ。

52分、鹿島のゴールキックにプレスを掛ける東京。早川→ピトゥカとつないで回避。

53分、左からのクロスの落としを樋口が狙うもスウォビィクがセーブ。

中盤で仲間のファウルが連続する。悪質なものではないが、主にマークを受ける東は繰り返しのファウルで警告を要求するようなアクションを見せる。

55分、バングーナガンデの配球に渡邊が背後に抜け出してシュートを狙うも、打ち切れず。

57分、鹿島交代

仲間→荒木

仲間はかなり精力的に動いていたので、スタミナ面も考慮したか。

57分、ディエゴとの連係からレアンドロのミドル。早川がセーブ。

後半は鹿島が保持を安定させたことで一進一退の攻防になった印象。

60分、安西がカットインミドル。東京のDFに当たってCKに。

61分、樋口のCKをカイキが頭で合わせるも枠外へ。

鹿島はライン間をうまく使いながら安定して前進できるようになってきた。東京は各ラインのスペースの埋め方が曖昧になりつつあるか。

63分、松木が座り込み、木村が足を気にするそぶりを見せる。

64分、鹿島交代

名古→和泉

東京交代

ディエゴ、松木アダイウトン、安部

アダイウトンが左WGに入り、レアンドロが中央へ。

66分、アダイウトンのカットインシュートは枠外へ、抜き切らずに柔らかく狙い、きわどいコースへ飛んだ。レアンドロへのロングボールのセカンドを渡邊が回収した流れも良かった。

東京も縦に速い攻撃でゴールへ迫れているシーンはあるが、60分あたりから鹿島のペースになってきている。

71分、安西の仕掛けを中村がとめてマイボールに。

72分、東京交代

レアンドロ→フェリッピ

74分、右に流れた安部に送って深さを作り、右ポケットを取ったフェリッピのシュートまで。

75分、鹿島が右で作って広瀬から折り返し、最後は和泉のミドル。鹿島は敵陣へ入るところまでは安定しているが、相手の陣形を崩すには至っていない。

フェリッピ投入から?渡邊がトップ下のような位置を取る、4-3-1-2っぽくなっているように見える。流れの中で動いているだけ?

78分、安部のチェックからショートカウンターに移ろうとしたが、関川が渡邊から奪って阻止。ファウルすれすれ。

79分、東京が自陣からうまく運んで、渡邊との連係からアダイウトンがシュートも、鹿島DFに当たってCKに。

80分、鹿島がCK守備からカウンターに出るも、中村が好カバーで奪取。そのまま東京が逆にカウンターへ出ていき、アダイウトン→フェリッピでシュートまで。早川がセーブ。

83分、東京先制、0-1。PA手前でボールを受けた安部が強烈なボレーを突き刺してゲット。若干オープンな局面になったところで、個人のクオリティーも高さでこじ開けた。早川も反応して触ったが、はじき切れず。

84分、鹿島交代

カイキ、樋口→エヴェラウド、松村

86分、東京交代

渡邊、塚川→紺野、長友

右から中村、木本、木村の3バック、長友が右WBに入る。3-4-2-1にシステムを変更。

88分、鈴木のラストパスにエヴェラウドが反応するも打ち切れず。難しいボールだったが、エヴェラウドだと何か起こしそうな期待感がある。

89分、フェリッピとアダイウトンで前線にポイントを作り、CK獲得。個人の力で陣地を押し上げ、時間を進める。

90分、遅延行為でバングーナガンデに警告。

90分、フレッシュな紺野が最前線でチェイシング。

東京は割り切って色気を出さずに、ボールを捨てるプレー選択。1トップ2シャドーは切り替えに備えている。

92分、紺野のクロスをキャッチした早川から素早く攻撃。シュートを狙うも東京もブロック。

93分、左からのクロスに鈴木とエヴェラウドが競り合うもスウォビィクが処理。

 

後半は鹿島がポジション変更も入れながら保持を安定させて押し込む時間を増やしたが、東京もゴール前ではやらせず。鹿島ペースでありながら、東京もチャンスを作る一進一退の攻防が続いた中、途中出場の安部が質の高いシュートを決めて、東京が勝利。互いに多くのシュートを打ちながら攻め手を欠いたが、最後の質でゴールをこじ開けたのは東京のほうだった。

鹿島は保持の局面を落ち着かせながらゲームを進めたい雰囲気があり、それができた後半はある程度主導権を握れた。一方で東京はプレスがハマらなくなったことで、保持の時間が減り、自陣で受ける時間が長くなった。ただ、アダイウトンというカードがあるため、多少押されてもひっくり返せるのは大きかった。

 

個人的MOM

★安部 柊斗

最後の質が求められる展開の中、素晴らしいフィニッシュで決勝弾をゲット。塚川の加入からプレータイムも減少傾向にあった中で、自身の価値を証明する大きな一撃になった。

 

この日のレアンドロは球離れが良かった印象で、個人のクオリティーもさることながら、チームの攻撃を円滑にする役割も担った。中村も安西ら突破力のある選手との対峙が何度かあったが、ほぼほぼ完ぺきな対応で守備を安定させた。森重の出場停止で出番が巡ってきた木村も、悪目立ちすることなく、無失点に貢献。

 

トピックス

試合後、安部、中村、早川と明治大同期の3人で話し込んでいた。

岩政監督は10月から衣替えでスーツ姿に変えた模様。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 岩政 大樹監督 ]
--この試合の内容をどう捉えているのかと、6試合勝ちがない現状をどのように受け止めていますか?
今日の試合に関しては、試合の映像を見直さないと、僕の勝手な印象が出てきているところがあるかなという気がしていて、あまり言葉を出すのは難しいなという試合内容だった気がします。自分たちでボールを奪って、その形のままビッグチャンスを迎えるというシーンがありつつ、相手に進入させてしまうシーン、特にプレスを自分たちからかけにいく試合をしたかった。それで足が止まってしまったというところは、フィジカル的なコンディションもそうですし、ボールフィーリングのパフォーマンスがそれぞれあまり良くないというところは、いろいろとトレーニングの組み方もそうですし、うまくいかなかったのだろうなというところが印象としてはあります。

後半はうまく試合運びができたと思います。そこから取り切る迫力は出てこなかったという印象もありますし、でもそうでもない印象もあります。アグレッシブに戦ってきた選手たちの絵も自分の中に残っていると思ってるので、その辺も含めてちょっと見直さないと難しいところがあるというところです。

6試合勝ちなしというのは天皇杯を勝っているのであまり気にしていないのですが、ただ今日勝つか負けるかによって結果が出ていると言われるか、出ていないと言われるかは、引き分けが続いてるチームはその最後のところで勝ちになれば負けなしになるし、負ければ勝ちなしと言われるというのは承知の上で今日の試合を迎えましたので、この時点で皆さんが結果が出ていないと言うことも分かりますし、そうだったと思います。

 

[ アルベル監督 ]
私の考えとしては、今季の試合において最も素晴らしい前半のプレーだったと思います。いろいろなコンセプトの部分で素晴らしいプレーをしていた前半でした。ボールを保持するところ、ゴールを目指すと。守備のところをアグレッシブにするところ。展開の中で選手一人ひとりが正しい判断を下しながらプレーする。それができた前半です。前半、明確な決定的なチャンスをいくつも作ることができていました。

そして私は監督としていつも目指しているのは、選手たちがサッカーをプレーすること、満喫しながら戦うという姿です。それができていた前半45分でした。選手たち自身がピッチの中で幸せそうな表情、時には笑顔を見せながらプレーしている姿ができていた前半でした。

一方で後半はより難しい展開が続いていました。当然ながら偉大なクラブのホームでの試合です。簡単に物事が進むとは思っていませんでした。今日この素晴らしいサッカースタジアムにおいて、そして素晴らしいアントラーズさんのサポーターの前でプレーできたことを、いちサッカー関係者として誇りに思います。そしてわれわれのFC東京サポーターの皆さんも多くの方々がここまで来ていただき、応援してくれたことをとても感謝しています。試合終盤、松木 玖生が昨日の夜少し体調不良があったので交代が必要となり、安部 柊斗が途中出場して、素晴らしいゴールを決めてくれました。木村 誠二は3日前までU-21代表としてヨーロッパ遠征へ行っていました。戻ってきてすぐですけれども、素晴らしい90分間プレーをしてくれました。

そしてゴールを決めたあとは、アントラーズさんがよりダイレクトにゴールを目指してくることを予想したので、試合結果を守るためにシステムを変更して、試合を終わらせることを試みました。そして長友 佑都、彼は2日前に日本に戻ってきたばかりでしたですけれども、彼の豊富な経験と、彼の賢さをもってピッチに立ち、チームがしっかりと結果を守り、試合を終わらせることに大きく貢献していました。彼のこのような難しい状況での貢献が、彼が偉大な選手の証だと思います。日本人選手、特に若い選手たちが長友 佑都から多くのことを学んでほしいと思います。