がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第32節 京都サンガF.C.vs名古屋グランパス メモ

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スタメン

京都

前節で負傷交代した山﨑がメンバー外。足を攣ったままプレーを続けていた豊川もメンバーから外れた。同じく途中で交代していた本多は先発。

荻原が3試合ぶりのベンチ入り。

イスマイラがリーグでは久しぶりのメンバー入り。

 

名古屋

甲田がメンバーから外れ、レオナルドが2試合ぶりのベンチ入り。

重廣が負傷離脱中。

 

流れ

名古屋は5-3-2気味。内田がベースはIHのように見えるが、稲垣がよりボランチ寄り、内田がよりシャドー寄りといった雰囲気に見える。

立ち上がりは京都ペース。どちらも中盤での攻防で強度を上げる中、上回っているのは京都。そして組織が整わない間に縦に速く攻め切る。福岡がライン間でラストパス役になる。

名古屋は自陣での守備時は永井とマテウスの2人を前残り気味にして、カウンターに備えさせる。

京都は撤退時は5-4-1ブロック。ライン間付近へ入られたら、1人が強く寄せて、もう1人がサポートで囲い込むようなアプローチ。

8分、こぼれ球をPA手前で拾ったマテウスがミドルで狙うもわずかに枠外。徐々にゲームが落ち着き始め、名古屋がボールを持つ時間も増えてきた。

中盤での激しい攻防が続き、どちらも中盤からなかなか抜け出せずに、ミドルゾーンで過ごす時間がかなり長くなっている。

18分、京都の敵陣保持。名古屋は5-3で構えながら、永井も少し下ろして中盤のサポートに入れる。

京都が保持から切り替えで上回り、即時奪回で相手に攻撃の機会を与えない。

21-22分、後方からの配球で白井が背後へ抜け出してクロス。相馬が前に出て守備をした背後を良いタイミングで白井が抜けて行った。

23分、武田のスルーパスを佐藤が受けてPAで仕掛けるもシュートまでいけず。名古屋守備陣が囲んでファウル気味に奪ったが、判定はノーファウル。

→VARとの長い交信が行われる。オンフィールドレビューの結果、京都がPK獲得。

名古屋は前から追っているが、なかなか奪いどころを見つけられずに、攻められるスペースを作る結果になってしまっている。

→28分、武富のPKをランゲラックがセーブ。名古屋はうまくいかない時間の中で迎えたピンチを守護神が救った。

名古屋が押され気味の展開だったが、ランゲラックのセーブから雰囲気が少し変わった。名古屋の選手にもメンタル的な好影響が出ているか。

33分、京都のビルドアップ。3バックに対して名古屋はIHを前に上げてプレスを掛けていくが、福岡がサイドに流れることでフリーを作り出して回避。京都の対応も良かったが、名古屋の守備のちぐはぐ感が目立つ。

35分、京都の波状攻撃。右の密集から抜け出し、バイタルまで上がってきていた本多のミドル。ポスト直撃でこぼれ球を押し込みにかかるが枠外。名古屋はPKストップ直後は盛り返したものの、再び京都ペースに。

36分、後方からのロングボールで佐藤が抜け出してゴール前へ折り返したが、惜しくも中と合わず。京都は名古屋最終ラインに生まれやすいスペースをうまく活用できている。

38分、名古屋のビルドアップを高い位置で奪った京都がショートカウンター。左から速いクロスで折り返したが、ゴールにはならず。

39分、レオシルバのクリアがバイタルで拾われて、松田のシュートまで。名古屋は落ち着くポイントを作れず、また、守備のプレー選択がことごとく悪いほうに出ている印象。

京都は後ろが3バックであること、全体的に中盤タイプが多いことで、両WBが思い切って前に出ていけており、白井も佐藤も存在感が際立つ。

44分、名古屋先制、0-1。マテウスのインスイングCKを藤井が薄く当て、ファーに流れたボールを武田が触ってゴールへ吸いこまれた。武田もマークにつきながらとっさの対応を強いられてクリアが難しかった。

 

京都が球際や切り替えで上回り、主導権を掌握。組み立てでも名古屋のプレスを観察しながら、低い位置で起点を作るボール回し、前線のスペースへ早めに送る速攻など、うまく使い分けができていた。PK失敗かつ終了間際の失点で難しい展開になったことはは痛かったものの、内容としては決して悪くない。一方で名古屋は保持では落ち着かせられるポイントを見つけられず、非保持でも奪いどころが見えてこない。ただ、プレスに行く意識だけは変わらずに続けているため、後方にスペースが生まれて危険な状況。攻守においてちぐはぐ感は否めないものの、リードしているといういびつな試合に。

 

 

後半

名古屋交代

レオシルバ→永木

レオシルバは前の試合でもインアウトで短い時間しかプレーできなかったので、コンディションが万全ではないのかもしれない。

45分、中盤での球際を制した流れから川﨑のシュートまで。

46分、佐藤の仕掛けからクロスを入れるが、わずかに合わず。立ち上がりは京都ペース。

48分、マテウスが右に流れて深さを作り、永井との連係からシュートまで。

50分、京都の組み立て。川﨑が最終ラインまで下りて4-1気味のビルドアップから、背後に抜ける武富を使ってシュートまで。名古屋はまだ前線のプレスと最終ラインの設定がうまく合っていない印象がある。

53分、白井が縦に仕掛けてクロスまで。京都は切り替えで相手に息継ぎさせず、自分たちのペースに引き込む。

54分、名古屋交代

永井→酒井

57分、マテウスの深いプレスバックでボールを奪うも、京都が素早い切り替えでプレスを掛けて回収。川﨑のミドルでCK獲得まで。名古屋はボールに触る位置を上げられない。

58分、京都同点、1-1。ショートコーナーの流れから数回作り直し、後方からのフィードを麻田が競り勝ち、折り返しを井上が押し込んでゲット。CB2人の空中戦でこじ開けた。苦しい時間が続いていた名古屋はしのぎ切れず。京都は自分たちの時間でようやく得点に至った。

62分、右からのFKをマテウスが直接狙い、ポスト直撃。普通なら直接狙える位置ではないが、マテウスならシュートレンジになる。

67分、白井のクロスを武富が頭で合わせるもランゲラックの正面。ビッグチャンスだったが、GKを外せず。得点の勢いのまま京都が攻め立てる。

68分、ランゲラックがバックパスを手で処理し、京都にPA内での間接FKが与えられる。角度はないが距離は近い。

72分、内田が自陣でロストし、京都のショートカウンター。稲垣がブロックに入り、ピンチをしのぐ。京都はボールを失っても前向きに圧力を掛け続けて押し込む時間を増やす。

76分、名古屋交代

内田、森下→仙頭、宮原

都交

本多→メンデス

77分、酒井のドライブシュート。名古屋はマテウスで強引に進むか、遠目から強引に狙うくらいしか攻めの手段がない。

82分、右からのクロスに飛び込んだ宮原と、飛び出してクリアした上福元が接触。空中でバランスを崩して着地し、腰あたりにダメージがあった模様。

87分、京都交

武富→ウタカ

ここまではあまり交代をせずに、スタートの選手のバランスを維持することを優先していたが、残り時間が少なくなり、得点の期待値が高い選手を入れてきた。

ウタカが入ったことで個人でのキープや、サイドに流れての深さ作りには違いが生まれた印象。

92分、京都の左からの折り返しでウタカが合わせるも藤井がブロック。その後の混戦も藤井がカバーしてクリア。

93分、京都の攻撃から一転、マテウスがスペースに抜け出してカウンター。メンデスが後ろから手を掛けて倒し、警告。同点の場面での危険な状況だったため、賢明なタクティカルファウル。ゴールからの距離も遠く、直接狙うには難しい。

94分、京都交

福岡、佐藤、松田→イスマイラ、荻原、パウリーニョ

 

最終盤は京都が攻めながら名古屋もセットプレーから2点目を奪いに行ったが、ゴールは生まれずに引き分けで決着。90分を通じて多くの時間で京都がゲームを支配したものの、決定機という決定機はなかなか作れずにゴールをこじ開けられなかった。内容を踏まえれば勝点3を取れなかったことが悔やまれる。逆に名古屋は内容が悪い中でも勝点1を取れたことが唯一の収穫と言えるか。京都が少しバランスを崩した最終盤こそ敵陣でのFKを獲得して得点への可能性を作れたが、それ以外の時間では敵陣でプレーする時間を作る事すらままならない内容だった。

 

 

個人的MOM

★ランゲラック

ビッグセーブと呼べるシーンが多くあったわけではないが、前半のPKストップがあったからこそ、勝点獲得につなげられたと言える。あの時間でビハインドを背負っていたら、より多く失点していたかもしれない。

 

京都は両サイドでアグレッシブな仕掛けから攻撃に厚みをもたらした佐藤と白井、ダイナミックな動きと積極的な攻撃参加で攻守に強度をもたらした川﨑が高評価。

 

トピックス

名古屋は5試合勝ちなしに。

井上と藤井はそれぞれJ1初得点。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 曺 貴裁監督 ]
勝点3が取れたのか、勝点1で良かったのか、勝点ゼロじゃなくて良かったのか。いろいろな考えがありますが、自分たちが1つのボールに向き合ってやってきた結果の勝点1を、前向きに捉えたいです。各チームの状況も頭に入れながらやったつもりです。少しケガ人が出ている中でも、水曜日の天皇杯と今日の試合でわれわれの総合力は見せられたと思います。最近は戦術的な落とし込みを多くしているんですが、そこへの対応や相手を見ながらプレーすることは、リーグ戦の前期と比べてできる場面が多くなっています。選手が大人になったというか、J1のプレースピードに慣れてやれることが増えてきたという印象の試合でした。欲を言えば、前半のPKも含めて勝点3を取りたかったですが、よくやってくれたと思います。

--試合の狙いについて。
名古屋さんのストロングポイントは、2トップを生かしたスピードです。1人でカウンターへ行くこともできるし、ドリブルで行くこともできる。スペースに出る選手も多いという中で、われわれは今季(名古屋と)3試合した中で逆に狙われて自分たちの勢いをそがれるところもありました。少し後ろのスペースを消しながら、前に出たときには本多(勇喜)と井上(黎生人)が前に入っていって厚くして攻撃をしようとしました。攻撃の部分はそんなに変えていないんですが、お互いにミラーゲームになったときのマークというのはハッキリしがちですから、全体の躍動感やモビリティーでは少し上回れるんじゃないかと思っていました。選手はよくやってくれました。

 

[ 長谷川 健太監督 ]
今日は難しい展開でした。京都の選手は天皇杯(でリーグ戦メンバー)を温存してというところで、気持ちの部分でも運動量の部分でも圧力を掛けてきて、押し返す展開になかなかできなかったと思います。その中でGKのランゲラックを中心に前半はゼロで抑えて、先制点を取ったということは非常に大きかったと思っています。

後半も非常に難しい展開が続く中で、1点は取られましたが、その後はしっかりと対応できて、メンバーを交代したあとはこちらも押し返すという形で、終盤は落ち着いたゲーム運びができたと思います。

もちろんアウェイの勝点1で満足するわけにはいかないですが、こういう難しい展開、内容が良くない中で勝点を取るということが、今季なかなかできなかったので、内容が悪い中でもしっかりと勝点を積み上げたということは、選手たちが頑張ってくれたと思いますし、チームの成長を感じました。中断を挟んで(残り)2試合、ホームでしっかりと勝って、良い形でファミリーやサポーターに喜んでもらえる試合をしていきたいと思っています。

--藤井 陽也選手がJリーグ初ゴールを挙げたが。
PKを与えてしまったことで、本人も期するものがあったと思います。ランゲラックが止めてチームがまた気持ちを強くしたと思いますので、「自分がなんとかしないといけない」という思いがゴールにつながったと思います。これだけ試合に出て1点は少ないと思いますので、あれだけのフィジカルを持っているのであれば、これをきっかけにセットプレーでも得点の取れるDFになってほしいと思います。

--後半に修正したところは?
ずっとミスマッチで戦っていましたが、(仙頭)啓矢を入れたときにダブルボランチに変えて相手のシステムに合わせました。そこからは落ち着いてゲームを運んでくれたと思います。ミスマッチがこちらにプラスになる要素があったので、少し引っ張っていましたが、なかなか相手の勢いが止まらず、途中でシステムを変えて落ち着いたと思います。