がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2021 J1リーグ第35節 大分トリニータvsガンバ大阪 メモ

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スタメン

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大分

前節メンバー外だった町田が先発復帰。

定着していた伊佐ではなく、呉屋が1トップで先発。

G大阪

昌子が7試合ぶりのメンバー復帰。

山見が久しぶりのメンバー入り。

奥野に代わってチュ・セジョンが4試合ぶりにメンバー入り。

 

 

流れ

両チームとも後ろでしっかりつなぐというよりも、、いかにして敵陣でボールを持つかに重心を置いている戦い方。アバウトなボール例えロストしようが、敵陣へ入ることを優先する。

 

大分は左で作り、香川×三竿の二段構えの砲台から積極的にクロスを送りこむ。ガンバは重心低めで、大分はそこまで工夫せずともある程度敵陣へ入れる。

 

10分前後くらいから大分保持×ガンバ非保持の色が濃くなる。ガンバはSHが出てこず、中盤でセットするので、外に穴が空きにくいかわりに前への圧力はかからない。大分はずっと左偏重の保持。

大分はカウンターを受けても、直線的なスピードアップは許さず、トランジションでのリスク管理も悪くない。

 

16分、珍しくガンバがスイッチを入れて前からプレスを掛けたが、高木→呉屋で背後を取られかける。大分からすると呉屋を起用している旨味が出やすくなるので、ガンバが前から来てくれるのは逆にありがたいのかもしれない。

 

大分の三竿×香川×町田の連係に対して、守備の対応でやや困っているガンバ。ハーフスペースに抜け出される場面が目立つ。

 

飲水まで

10分頃までの様子を見合うような展開が終わると、ほとんど大分の時間。左からの打開を図りながらボールを回し、敵陣でのプレーを増やす。ガンバも宇佐美とパトリックのキープ力を使いながら中盤がトランジションで前へ出ていってのカウンターを狙うが、ほとんどシュートまでいけず。福田が1対1で抑えられているのも難しいポイントの1つ。

 

27分、大分先制、1-0。執拗に左で作っていた中、香川がカットインから右足でクロスを送るとしぼってきた藤春がオウンゴール。ガンバはクロス攻撃に耐え切れず。

28分、ガンバがすぐ追い付き、1-1。敵陣で保持していた流れから山本→パトリックでゲット。ガンバはほとんどシュートシーンすらなかった中で、ワンチャンスを確実に決め切った。大分は中央にスペースができており、山本なら通せてしまう“花道”を作ってしまった。

 

35分あたりからガンバも押し返す時間を作り始めた。ボールを持つだけ、カウンターで出ていくだけ、ではなく、シュートに持ち込めるシーンも増えている。

 

38分、大分勝ち越し、2-1。下田のミドル(パス?)を呉屋が胸で合わせてゲット。ガンバも人はそろっていたが、ボールスピードが速かった上、点で合わせられたので対応が難しかった。

 

39分、香川と髙尾の接触から小競り合い発生。少しラフプレーになっていた髙尾にイエロー。

 

42分、右サイドを抜け出した小出→呉屋でチャンスも、中でギリギリ合わず。合えば1点ものだった。

44分、大分はシャドーが積極的にプレスを掛けてあっさり奪取。開始から[5-2-3]で前向きに出ていく守備が目立ち、ガンバはビルドアップからの前進があまりうまくいかない。ただ、大分はシャドーの運動量がかなり上がっていそうなので、後半どこまで持つかという不安はあるかもしれない。

46分、FKにトレヴィザンが合わせるもシュートはGKの正面。大分が勢いを保って攻撃し続けるがゴールまでは一歩届かない。

 

ほとんどの時間を大分が掌握し、1点リードで折り返し。「ようやく1点入った!」という先制点の1分後に追い付かれたのはダメージが大きかったが、2点目をとって精神的な余裕が生まれたのは非常に大きかったはず。

ガンバは前節の横浜FM戦同様に重心を低く置き、バランスを崩さないことを優先したが、今回は耐え切れず。前半は宇佐美の一発とパトリックの馬力でなんとかする、くらいの攻撃パターンしか見られなかったが、1点ビハインドの後半でどのように攻勢を強めるか。

 

 

後半

大分交代 渡邉→長沢

ガンバ交代 髙尾→昌子

ガンバは右サイドを崩されていた上、髙尾がイエローをもらっていることもあってテコ入れ。システムを[5-4-1]に変更。福田が右WB、倉田と宇佐美がシャドー。

ミラーゲームになるため、各所の1対1の重要性が増す。

 

前半とは異なり、立ち上がりからかなり勢いを持って前プレを掛けに行くガンバ。

→ただ、大分がうまく回収し、保持する展開はさほど変わらず。左での作りも前半と同じ。

50分あたりから、大分はガンバのプレスがかみ合わないように下田を下ろして後ろの枚数を調整。ガンバは時間で考えていたのか、相手が形を変えたからなのかは分からないが、プレスの圧が弱まった。

 

52分、ガンバ同点、2-2。大分が下がったところでゴール前に入れたガンバがこぼれ球→倉田→パトリックでゲット。ガンバはまったくと言っていいくらいリズムを作れていなかった中でゴールを奪えた。

得点を境にガンバが前に出てきた雰囲気がある。

 

大分は明確に[4-1]ビルド。ガンバの前3枚はどこを切り取っても1対2のような構図になるため、なかなかプレスに出ていけない。

逆に大分は前からそのまま寄せるとハメられるため、ガンバは個人で違いを作らないとなかなか前進できない。

 

59分

大分交代 小出、呉屋→井上、伊佐

 

ガンバは2点目のシーンもそうだったが、左寄りから大外で待つ福田に当ててからパトリックへ、という攻撃を狙っている印象を受ける。

 

64分

ガンバ交代 倉田→山見

67分、ガンバが中央突破から宇佐美がシュートを放つも高木好セーブ。ギリギリまで動かず、残した足で反応した。

 

飲水まで

ガンバもいくらか押し返す時間を作ってきているとはいえ、おおよそ大分のペース。ただ、より決定機的なシーンに近づいているのはガンバのほうにも思える。勝利が必要な大分は、すでに攻撃的なカードを切っている中でどのように+αを加えるか。

 

75分

ガンバ交代 宇佐美→小野瀬

 

徐々にボールを持てなくなってきた大分。球際で勝てなくなっていることや、安易なパスミスが出ていることが要因。

 

81分、ガンバがPK獲得。自陣から1人で敵陣PA付近まで運んだ山見のシュートを刀根が手に当ててしまった。

82分

大分交代 香川、刀根→野村、ペレイラ

83分、PKをパトリックが決めてガンバが逆転、2-3。

大分は最近よくやっている、ペレイラをCBに配置する[4-4-2]に変更。

 

大分は後ろを2CBのみでリスク管理をするため、ガンバは奪ったあとパトリックをスペースへ走らせればキープできる。

 

90分

ガンバ交代 福田、山本→柳澤、チュ・セジョン

 

最後はパワープレーで放り込みを続けた大分だが、ガンバにうまく時間を使われながらこれといったチャンスも作れず終了。前半から60分過ぎまではほとんど大分のゲームと言ってもよかった。終盤は押され始めていた上、1点を取りにいかなければならず、1点を取られるリスクは許容しなければいけない状況だったと考えると、やはり2失点の場面をどうにかして耐えなければならなかっただろう。

 

個人的MOM

★パトリック

ハットトリックで文句なし。PK以外の2得点は少ないチャンスをしっかり決め切った点で非常に価値があった。

ひさびさの出場ながら後半開始から出てきて守備陣をまとめた昌子と、中盤からの配球で1点目はアシスト、2点目は起点になるパスで得点に絡んだ山本も好評価。

 

トピックス

64分、ツインシュートのようになった宇佐美と井手口が両方倒れる。→負傷などはなかった

パトリックがハットトリック

パトリックの試合後インタビューは日本語スタートから途中で母国語に切り替える恒例のパターン

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 片野坂 知宏監督 ]
今日のホームでのG大阪戦にたくさんのサポーターにお越しいただき、最後まで手拍子で力をそそいでいただいたのだが、非常に残念な結果となって悔しい。

われわれは残留を目標にしている中で、ホームゲームの残り2試合は絶対に勝たなくてはならなかった。そのうちのG大阪戦だったのだが、結果が出なかったことに関して、自分も選手も悔しい思いをしている。このゲームが戻ることはもうないので、とにかく切り替えて残り3試合に向けやっていくしかない。

選手たちはしっかりとG大阪戦に向けての準備をしてくれて、前半も自分たちが主導権を持った中で試合を展開することができた。二度リードすることもできたし、勝たなくてはならない内容だったと思う。1失点目は前半の自分たちがロストしたところからやられて、2失点目も攻撃で成立できずにカウンターを受け、3失点目はスペースがある中でPKを与えてしまい、もったいない失点だったと思う。もちろん、G大阪さんのクオリティーが高く、強度のある選手がいるクラブではあるが、今日の内容からすれば、われわれは勝点を少しでも積み上げなくてはならなかったと思う。

攻撃の最後のところでも、ボックスの中にボールを入れる、クロスの精度にも残念なものがあったし、守備でも粘り強さのところで、今日はG大阪さんのほうに分があったか。非常に残念に思う。切り替えて、次の鹿島戦からの残り3試合を勝つしかない。選手とともに、最後までしっかりと戦っていきたい。

 

[ 松波 正信監督 ]
中3日でのゲームでしたし、(前節の)マリノスとの戦いでは非常にアグレッシブに戦ってくれて、そのままの勢いでいこうということで臨みました。相手のボールの動かし方というのは、ここ数年形になっています。ああいうボールを持たれるというところはマリノス戦同様、少しプランの中に入れながらやっていた。ただ、やっぱり相手の左サイド、ウチの右サイドで非常にミスマッチが多くて、相手のポジションの取り方とかが非常にうまかったので、いつやられてもおかしくないという中で失点は抑えていたんですけど、先に点を取られてしまった。取り返した時間帯も良かったですが、勝ち越されて後半途中で3バックに変更というのは考えていました。でも、その混乱が非常に大きかったので、マンツーマン気味にして守備の構築をした中で攻撃にパワーを持てれば、ゲームとしてはコントロールできるんじゃないかなということを考えて(後半開始から)3バックにしました。それをしっかりと選手たちが理解して、やるべきことをやってくれたのが逆転につながったのかなというふうには思っています。

--今日の試合でJ1残留が決まりました。松波監督の就任後、最大のミッションだったと思いますが、その気持ちはどうでしょうか。
今季途中から少し目標を変更した中で、それを達成できたというところでは、選手たちはよくやってくれたなと思います。

--3得点したパトリック選手への評価を。また、チームとして3得点がなかなか取れなかったことについては、長かったという感じでしょうか。
パト(パトリック)は本当に守備でも献身的に動いてくれているし、やっぱりあの強さとかゴール前に入っていく迫力というのはある。ボールがああいうところに入っていけば、パトの力であれば得点は取れると思っています。ただ、パトだけではなくて、宇佐美(貴史)や倉田(秋)など、1人じゃなくて数人入っていくことでパトの得点にもつながると思いますし、その辺は単発というよりは連動してきたなと思います。今年初の3得点ということ、逆転ということで選手たちは本当によくやってくれました。

--松波監督も相当のプレッシャーの中で戦ってこられたと思いますが、ホッとされた気持ちもありますか?
そうですね。今日勝ち切ったというところでは本当に良かったと思います。ただ、われわれが目指すポジションでは決してないので、諸手を挙げて喜べる状況ではありません。次の相手はルヴァンカップのチャンピオンですし、(第37節の)川崎FはJリーグでのチャンピオンなので、そういう相手に対してどこまでわれわれが今年積み上げてきたものを出せるか。湘南との最終戦も、やはりホームでなかなか勝星を挙げられていない中で、サポーターにしっかりと勝利をプレゼントしてシーズンを締め括りたいと思います。このインターバルの期間、しっかりともう1回厳しくトレーニングして残りの3試合に臨みたいと思います。

 

2021 J1リーグ第35節 サガン鳥栖vs川崎フロンターレ メモ

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スタメン

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鳥栖

小泉が出場停止。

和田が4試合ぶりのメンバー入り。

 

川崎

連戦も考慮してか、先発を5人変更。

大島は13試合ぶり、今季二度目の先発。

旗手はSBでの起用。

 

 

流れ

両者ともにボールを持ちたい、そしてボールを奪いに行く立ち上がり。

鳥栖は2トップでスイッチを入れて、IHが中央管理、WBがSBへ長い距離出ていく。

 

2分、鳥栖先制、1-0。飯野が個人でサイドを突破し、クロスに岩崎が合わせた。プレスをハメ切って良い形で奪えていた流れで、個人技を生かして早々に先行できた。

 

自陣に押し込まれてもホルダーにプレスを掛け続けてボールを下げさせる鳥栖

FWがサイドに流れればIHがゴール前でフィニッシャー役になる。

 

11分、島川の逆をとってマルシーニョが背後のスペースへ抜け出してチャンス演出も遠野のシュートは枠外へ。決定機。

 

川崎はGKからのセットされたビルドアップだとハメられて前進の手段に困る場面が多い。鳥栖2トップの追い方で中央を消してサイドに誘導できるので、川崎はサイドでこの質で上回るか、フリックなどでスペースへ流すしか逃げ道がない。

 

19分、鳥栖追加点、2-0。大外で時間を得た飯野から高精度クロスが入り、酒井がうまく合わせた。川崎は大外からなら大丈夫、となっていたかもしれないが、その予想を上回る精度のクロスが出てきた。

 

詰まる川崎に対して鳥栖のビルドアップはスムーズ。相手が前からハメにくればIHらで枚数を調整してフリーを作り出し、近場でつなげなければ、空洞化した中盤にFWが下りて起点を作る。GKの朴からそこへ届けられるのも大きい。

 

序盤はマルシーニョのところを積極的に使って攻めていた川崎だが、徐々に右からの作りが増える。鳥栖WBの強度が飯野>中野嘉なところも影響している?

 

飲水まで

ほぼほぼ鳥栖のペースで時間が進み、スコアも動いた。鳥栖のプレスに対して川崎はビルドアップで問題を抱えており、IHを下ろして試行錯誤している様子はうかがえるが、それでもまだ安定感はない。ただ、そのような難しい状況であっても一定数ゴールへ迫っているのはさすがの一言。

 

30分、右からの緩いクロスから酒井のフィニッシュで、DFのハンドの判定で鳥栖がPK獲得。小屋松が決めて3-0。

すべて右からのクロスによって得点が生まれている。

 

35分あたりから川崎もある程度落ち着いて持てる時間ができたが、鳥栖のプレスも強く、中盤から前へはなかなか運べない。

 

38分、岩崎がタッチライン際で粘って決定機を演出したが、酒井へのラストパスは合わず。受ける時間帯になっていた中でカウンターの脅威も示した。

 

変わらず川崎が持って鳥栖が受ける時間。鳥栖は受けすぎず、しっかりプレスを掛けていくが、それゆえに生まれるスペースがあるので、川崎としては縦に速い攻撃が完結できればという展開。

 

30分まではほぼ鳥栖ペース、それ以降は川崎ペースで進んだ。ただ、受けに回ったほうもチャンスシーンは作れていたので、決して一方的な展開の時間はなかった。川崎は家長やダミアンといった強引にキープできる選手がいなかったことで落ち着きどころが見つからず、CBがいつものセットではなかったことがクロス攻撃を受けきれなかった要因に挙げられるかもしれない。

 

後半

川崎交代 脇坂→登里

登里を左SBに入れ、旗手をIHに。

大島をアンカー位置に置き、橘田を1つ前へ。さらにWGも左右を入れ替える。

→変則[3-5-2]?のような形かもしれない。山根が3バックの右、登里とマルシーニョのWB。

 

後半立ち上がりは川崎が保持して鳥栖が受ける構図。鳥栖はカウンターもちらつかせるが、ボールは持てなくなった。

 

51分、ひさびさに落ち着いてボールを持つ鳥栖。一度セットされた状態にできればある程度は落ち着くので、どうやってトランジションを潜り抜けるかがカギ。

 

54分

川崎交代 マルシーニョ、遠野→ダミアン、家長

旗手が右WB、家長がIH。

 

川崎のシステム変更に対応できてきたのか、鳥栖が非保持からリズムをつかみ始める。プレスがハマり始め、受けるにしても高い位置での守備の時間が増えた。

 

62分

川崎交代 大島→ジェジエウ

65分、酒井との競り合い時に倒れ込んでかなり痛がるジェジエウ。深刻そうな雰囲気。

 

飲水まで

立ち上がりこそ川崎が勢いを持ってハーフコートゲームに近い状態に持ち込んだが、鳥栖も徐々に慣れてくると守備が安定。ゴール前で守る場面が減り、盛り返しつつある。川崎は攻撃的な選手を多く投入し、前がかりになっていくが、まだ穴を見つけられていない印象がある。

 

70分

川崎交代 ジェジエウ→宮城

ジェジエウの負傷により、意図しないタイミングで交代枠をすべて消費。

 

川崎はダミアンが入ったことで中央最前線でのポイントができるようにはなっている。ただ、マッチアップがエドゥアルドなので、確実に収まるわけではない。

 

再び自陣はりつけ気味になってきた鳥栖。酒井が最前線で体を張っているが、1人だけではなかなかキープが難しい状況。

 

FWがサイドに流れたところでポイントを作り、サイドの選手が中に入ってくるコンビネーションでの打開を図る川崎。

 

78分、右サイドを攻略して中野嘉がフリーでシュートを放つも山根のシュートブロックに遭う。決定機。

 

80分

鳥栖交代 小屋松、酒井→相良、山下

82分、旗手を倒した中野嘉にイエロー。次節出場停止。

 

86分、鳥栖のIHを動かしたところをスイッチに、CBを引き出し、その背後へ出てシュートまで持ち込む旗手。鳥栖のプレス意識を利用した崩し。川崎は少しずつゴールに近づくが、鳥栖も最後のところは崩れていない。

 

87分

鳥栖交代 中野嘉、樋口→中野伸、リャン・ヨンギ

中野伸を左CBに入れて、大畑をWBへ。

 

90分、川崎得点、3-1。かなり細かいパスワークで左サイドを崩して旗手シュート→跳ね返りをダミアンで押し込んだ。

 

91分

鳥栖交代 エドゥアルド→田代

エドゥアルドは足をつったため交代。

92分、橘田を倒した相良にイエロー。

 

96分、旗手が自身の直接FKの跳ね返りから再びシュートを放つとポスト直撃。その跳ね返りをダミアンが押し込むが、ギリギリ枠外。

 

最終盤は川崎がかなりゴールへ迫ったが、反撃は1点で終了。鳥栖は後半立ち上がりの押し込まれた時間で耐え切れたのが大きく、そこからは少しずつ落ち着きを取り戻せた。川崎はメンバーを入れ替えてもこれだけやれるのはさすがだが、ダミアン&家長で前線に個人でポイントを作れていたら、谷口とジェジエウで我慢できたら、というたらればが思いつく試合展開ではあった。

 

 

個人的MOM

★飯野 七聖

文句なし。2アシストに加え、PKにつながるクロスも送っており、全得点を演出したと言っていい。それぞれのフィニッシュもうまかったが、彼のクロススピードや精度がなければ、前半での大量得点もなかったはず。

 

トピックス

入場時に、前節で優勝を決めた川崎をガードオブオナーで迎える鳥栖

VAR担当紹介でカメラに手を振る家本さん

7分、マルシーニョの2人ぶち抜き

川崎は今季初の3失点。

47分、登里のファーストタッチでプレスを外す駆け引きとうまさ

×ジェジエウが負傷交代

74分、ダミアンのオーバーヘッド。いつものやつ

93分、くるくる回りながら囲い込みから抜け出す相良

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 金 明輝監督 ]
90分を通して、選手たちが相手に対してリスペクトし過ぎず、いまのわれわれができることを精一杯トライしてくれました。戦術的にもそうですし、肉体的にもそうですが、選手たちが相手を上回ることができたので勝てたと思っています。当然、川崎Fさん相手で難しい試合になると思っていましたので、つけ入るスキがあるのかどうかと思っていました。そこが思いどおりになって良かったです。

--後半、川崎Fが立ち位置を変えてきました。あの変化は想定できていなかったと思いますが、ピッチ上での選手の反応はどう見えましたか?
むしろ3バックをやっていたときは、相手も(普段とは)違う感があったので、逆にラッキーだなと。最後、(相手が)[4-3-3]に戻してきたときに、やっぱり連係が良くなってきたところもあった。ウチが体力的にも最後はキツかった中で、もう一刺しできたらなと思うシーンもありましたが、勝っている状況でなかなか出づらい状況でもあった。あれ以上を求めることはできないと思いますし、うまく試合を運べたかなと思っています。

--岩崎 悠人選手が今季初得点。ご自身も「なんとかしてあげたい」と話していたが、彼の良さを引き出すためにどんな指導をしてきたのか。また、得点後に岩崎選手が駆け寄ってきて抱擁をかわしていたが、その感想をお願いします。
うれしかったですよ。なかなかみんな来てくれないので(笑)。冗談ですけど。彼ももがきながら、苦しみながらいろいろなチームを渡り歩いて、今年も千葉からシーズン途中にここに来ました。点を取れそうなシーンは前節もありましたが、今日の試合にとっておいてくれて良かったなと思うところもあります(笑)。ただ、能力はあるので、あとはそのきっかけ。信じて使ってあげられるかどうか。足りないことについては、足りないぶんだけしっかりと伝えて、気づきを与えてあげられるかどうか。使わないと判断するのは簡単ですが、当然、正当な競争の中でパフォーマンスも良かった。われわれのチームの中では良いピースになってくれている。結果で報いてくれて良かったなと思いますし、これで満足せずにプレーを整理して、また点を取ってくれたら良いなと思います。

--岩崎選手のどういった部分を評価していますか?
見ているとおりですよ。エネルギッシュに90分間走り続けることができますし、スピードもある。あとはディテール。味方と合わせるとか、細かい技術的なところもそうですが、怖がらずに相手ディフェンスとイヤな駆け引きができるかどうか。そういったところだと思います。当然、味方のパスの出し方やアクションを理解しないと、それもなかなか難しい。われわれはやることを整理して、そういったものを伝えている。われわれの選手はみんなそうですよ。どこかで何かを勝ち得て鳥栖に来たというよりは、何かを探しに鳥栖に来たという表現のほうが合っていると思います。そういう選手にきっかけ、気づきを与えて、もう1つ上のレベルでプレーさせてあげられるように(したい)。そういう評価で他チームからオファーが来るとか、このチームで価値を高めるとか、そういったものがわれわれはできるクラブだと思っているので、そういった部分で岩崎も結果を残してくれた。あとはノリ(酒井 宣福)もそうですし、小屋松(知哉)も簡単なPKではなかったですし、三者三様、みんな頑張ってくれたと思います。

 

[ 鬼木 達監督 ]
勝負にこだわったゲームだった。優勝したあとも、(結果に)こだわろうと送り出しただけに、結果に関してはすごく残念。気持ちが入っていなかったわけではないが、サッカーの質、戦術眼を突き詰めていかないといけない。自分のマネジメントのところもいろいろ考え直さないといけない。1点を返すなど、疲労はあったが選手は最後まで頑張ったと思います。

--後半からのシステム変更について。
短い期間であったが、少しずついろいろな人を生かす上でもプラスにしないといけないと思って準備はしていました。

--前半の入りのところでの印象は?
相手の勢いはありましたが、それは想定できる範囲でしたし、それをひっくり返す作業、攻撃の優先順位をつけなかった。自分たちも前から行くときは、いろいろな形で空いているところがあっても行くわけだが、そこを見つける作業のところ、全体像をもっと理解しながらサッカーをやらないといけない。

--ジェジエウ選手の状態について。
まだチェックの段階ですが、決して軽いケガではないという認識はしています。

 

2021 J1リーグ第35節 ヴィッセル神戸vs徳島ヴォルティス メモ

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スタメン

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神戸

山口が第24節以来の先発復帰。

直近3試合で2得点を挙げていたドウグラスがベンチ外。前節で負傷交代していたが、中2日では間に合わなかった。

 

徳島

岩尾がメンバー外。前節・C大阪戦で違和感により前半のみで交代していた。

小西が久々の先発。

バケンガが久々のサブスタート。

松澤、西野が久々のメンバー入り、一美と藤田征が3試合ぶりの復帰。

 

 

流れ

徳島はいつもと[4-4-2]ベースではなく、[4-1-2-3]でスタート。

立ち上がりは大迫へのファウルが続く徳島。やや後手を踏んでいる。

 

徳島は両WGが外切りでCBへ寄せていくが、SBも見なければならず、プレスのコース取りや強度が少しでも足りないと、鳥かごのようになってしまう。神戸はそこを外しさえすればサイドでフリーが作れるので、困っていない。

徳島WGはいったり来たりを強いられるので、このまま続けると長い時間は持たなさそうな雰囲気。

 

また、徳島は前に人を当ててけん制してロングボールを蹴らせても、神戸は武藤と大迫の競り合いで上回ってくるので、徳島守備は落としどころが難しい。

 

飲水まで

神戸は個人のテクニックとキープ力によって、2対2の局面であればほぼほぼ前進できる。徳島はWGのハードワークでなんとか保っており、「一気に決定機」というシーンまでは作られていないが、狙いどおりの守備ができているようには見えず、ストレスはありそう。

 

~24分、シュートシーンでカカと足同士の接触があった郷家が負傷。一度ピッチの外へ出る。

→その後復帰。

 

徳島は構え方を[4-5-1]気味に変えた?

→一時的なものでその後元に戻った。

 

37分~、プレスのタイミングが1つずつ遅れてボールへ寄せ切れない神戸。徳島は低い位置から丁寧につなぐ姿勢は崩さず、ビルドアップからの局面打破を狙う。

 

神戸は敵陣で持つ展開に持ち込めれば、イニエスタを軸にした打開と、武藤×大迫の迫力でゴールの雰囲気を出せる。

 

徳島も徐々にボール保持からリズムを作って敵陣へ入り込むが、基本的には神戸のペース。[4-3-3]で、これまでの流れからすると意外性のある形で臨んだ徳島だが、特に守備面ではそのデメリットのほうが目立った印象。宮代と西谷のスプリント回数が多いデータに、WGの負荷が示されている。一方で保持はIHの流動的なポジショニングで相手のマークをぼやけさせる旨味は出ている。

走る距離が増えている徳島に対して、神戸は45分を通して、最終ラインがビルドアップでストレスを抱えるシーンは少なかった。徳島はボールを持てればいい形に持ち込めるため、どうやってボールを奪うかがカギ。強度がキープできそうな後半立ち上がりでペースを握れるかがポイントになりそう。

 

後半

49分、徳島がCKから決定機を迎えるもクロスバーに阻まれ、跳ね返りは初瀬がギリギリでカバー。

 

徳島がボールを持てれば良い形でチャンスを作れている立ち上がり。神戸もビルドアップで困っている様子はないが、ゴールまでは迫れず、徳島に持たれると守備はやや危うさがある。

 

55-56分、神戸先制、1-0。右で完全に浮いた酒井から高精度で上がってきたクロスを武藤のすらし→大迫でゲット。徳島は中の枚数はそろっていたが、クロスの精度のほうが上回った。

 

どちらかというとメンタル的に優位に立っていそうなのは徳島だったが、スコアを動かしたのは神戸。隙はちょっとしたものだったが、相手の質を出させてしまったのが痛恨だった。

 

57分

神戸交代 郷家→リンコン

武藤をIHに入れた。

 

60-61分、追い詰められながらも上福元の浮き球でプレスを回避してシュートまで。

 

徳島が神戸のプレスを安定していなせるようになっており、疑似カウンターでゴールへ迫れる回数が増えた。神戸はリードがあるので無理していかなくてもよさそうではあるが、撤退向きの11人ではないので、ある程度前から行かざるを得ないという判断か。

 

62分

徳島交代 垣田→バケンガ

 

神戸は前3枚(+1)でプレスを掛けるが、枚数調整をする徳島に対して1人で複数人を消す守備ができないので、比較的あっさり外される。

 

飲水まで

リードを奪ったのは神戸だが、試合をうまく運べているのは徳島。ビルドアップがかなり安定し、神戸がそこまでボール保持にこだわっていなさそう&ビルドアップで前半ほど安定を作り出せていないことからボール保持の時間が伸び、ペースを握れている。

 

70分

神戸交代 初瀬、サンペール→小林、大﨑

神戸はリードはしているが、プレスがほとんどかからない状態なので、撤退でも受け切れるような選手を投入。そのままのポジションに入る。

 

大﨑と小林を入れてなお、「1点を守り切る」より「2点目を取って決着をつける」のほうが強そうな神戸。深い位置からでも武藤とリンコンの推進力でゴールへ向かうことはできる。

 

78分

神戸交代 大迫、イニエスタ→佐々木、中坂

徳島交代 ジエゴ、小西→藤田征、杉森

神戸は二度目の交代も守備強度と運動量が上がる選手を選択。再び武藤がトップに戻り、佐々木がIHへ。ここまではどっちつかずな戦い方になっている印象もあるので、はっきりさせたいところ。

徳島は藤田征が右SBに入り、岸本が左SBへ移る。杉森が右SHで宮代トップ下気味の[4-2-1-3]っぽい布陣に。

 

88分

徳島交代 鈴木徳→一美

中盤の枚数を減らしてでもゴールを奪える選手を増やす。

 

藤田征のクロスに対して5~6枚くらいがゴール前でターゲットになる徳島。

神戸は個人でサイドの深い位置を取りにいって時間を使う。

 

後半は徳島はかなりの時間で支配したが、勝点3を手にしたのは神戸。第3Qは“らしい”形でゴールへ迫り、最終盤は丁寧なつなぎとパワープレーのミックスのような戦い方でゴール前の圧力を高めたが、ゴールを割ることはできなかった。徳島の前線は前半は守備で走らされた印象も強かったが、終盤になっても運動量が落ちなかったことで、ボールを取り上げ、保持する時間を長くできたと言える。

神戸は個人の質でキープすることはできたが、非保持の局面が続くと、弱みを晒される展開に。選手交代を駆使して“スタイルチェンジ”も図ったが、そこまでハマらず、二度目の選手交代で運動量と強度を保ったことでなんとか逃げ切れたという印象。ただ、苦しい内容でも「The・質」で奪った1点で勝ち切れるのは評価できる。

 

個人的MOM

★酒井 高徳

決勝点の実質アシスト(※シュート直前で武藤が触ったので直接的なアシストではない?)と言える高精度クロスが最も目立つシーンに挙げられるが、それ以外にも攻守で絶大な存在感を発揮。ある程度整った状態での1対1はほとんど止め切り、保持の局面でもボールを奪われずに、的確につなぐ。そしてイニエスタとの“息ぴったり”の連係も目を引いた。

 

敗れてしまった徳島側は、西谷が圧巻のパフォーマンス。前半は守備で走らされる時間が増えた中で、後半も運動量がまったく落ちず、前線でチャンスメーカーとして機能しながらも何度もプレスバックでボールホルダーにチャレンジする姿が印象的だった。

 

トピックス

7分、小西のサイドチェンジ

22分、イニエスタの意味不明キープ

32分、イニエスタと山口だけで翻弄する崩し

34分、福岡の好縦パス

35-36分、倒れているジエゴを見てプレーを止めるイニエスタ。なぜかボールは外へ出さずに待って、プレーは切らずに再開された

37分、プレスを受けた上福元の落ち着いたつなぎでのプレス回避

47分、垣田と菊池のゴリゴリフィジカルマッチアップ

61分、小西のボディーフェイクでのプレス回避

65分、イニエスタ→酒井の完璧な2対2の攻略

67分、自分でボールを浮かしてボレーでのパスをするイニエスタ

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 三浦 淳寛監督 ]
徳島さんは残留争いをしている中でとにかくハードワークしてくると思い、前半は体力もあるので厳しい展開も想定していた。しっかりゲームコントロールしながらチャンスをうかがうところはうまくいったと思う。ハーフタイムに背後を突くところと、相手がワンサイドに寄りやすい傾向があったので、引きつけて逆サイドを使いたいと意識しました。実際にそういう展開で、いつもトレーニングしているクロスからの得点が生まれたのは良かった。最後は徳島さんも点を取りにくる中でしっかりと抑えることができた。選手がすごく頑張ったし、良いプレーをしたと思う。

--大迫 勇也選手が先発復帰。80分近くプレーしたが予定していた?
それは彼とコンタクトを試合中にとりながら。最後は疲れが見えてきたので、そこでの交代になりました。

--大迫選手は代表戦を控えるが?
自分の役割をしっかりとこなしてくれる選手なので、間違いなく、代表の力になれる選手だと思っています。

 

[ ダニエル ポヤトス監督 ]
一言で言うと、残念という気持ちです。多くの面で神戸さんを上回ることができていたと感じています。ただ、チャンスを決め切るという点では神戸さんが上回り、この結果になったと思います。今日の試合でできたようにボールを握ってゲームを支配し、チャンスを作り続けるということを継続してやっていきたいと思います。

--今節は[4-3-3]にシステムを変更しながら、サイドに展開する攻撃も効果的だったと思います。その中で大きな展開が得意な小西 雄大選手を起用した意図が感じられました。振り返っていかがでしょうか?
神戸さんのシステムは中央に人が多いということを理解しており、サイドから攻撃しようとすることはチームとして共通認識を持てていたのではないかと思います。小西選手をうまく生かせる場面は多く作り出せませんでしたが、素晴らしい自分の力は発揮してくれました。ただ、足を痛めた様子を見せていた場面もあり、負傷で選手を失いたくない状況でもあるので交代させました。

 

2021 J1リーグ第35節 ベガルタ仙台vs名古屋グランパス メモ

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スタメン

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仙台

アピアタウィアが出場停止。

西村がSHでの先発。

名古屋

キム・ミンテがメンバー外。

 

 

流れ

開始早々、中谷のサイドチェンジから相馬→前田でビッグチャンス創出。ギリギリ中で前田に合わず。

真瀬が攻撃的な立ち位置をとっているからか、左の相馬が浮きやすくなっている。

 

仙台は極力2トップだけで相手のCBとボランチを見ようとするので、名古屋のCBは比較的余裕をもってボールを持てる。

 

12-13分、名古屋先制、0-1。立ち上がりから目立っていた相馬が個人で突破し、折り返しを前田→柿谷でゲット。仙台はバランスを取りながらの守りだったが、いくらか問題があった右サイドから突破を許した。

至近距離からのシュートだったので、そもそも止めるのは難しいという前提にはなるが、スウォビィクは足元にきたシュートが得意ではなさそう?あまり足で止めているイメージがないかもしれない。

 

仙台の低い位置からのつなぎを高い位置からけん制する名古屋。

21分、稲垣サリーの3-1ビルド。仙台は、3バックの左右にSHを上げて対応させる。

22分、仙台も富田の右下りで3-1ビルド。上原が下りるパターンもあるのである程度流動的。

 

飲水まで

仙台は落ち着いた立ち上がりでバランス重視の戦いを試みたが、相馬のところを抑えられず失点。その後も戦い方は変えずにまだリスクは掛けない。名古屋はリードがあるので、ボールを持つ時間を作りながら、スキを見て一発を狙う。

 

30分、名古屋CBの位置から1本のパスで相手SHを切る。仙台はこれをやられてしまうと一気にラインを下げざるを得なくなるので、対応したい。

 

32分、名古屋が右サイドでのダブルパンチ。パスは出てこなかったが、石原は下りるSHと上がってくるSBの両方を見なければならなくなっていた。

 

34分、中途半端になった名古屋のビルドアップの隙を逃さず、関口→富樫で直線的なカウンター。つながらなかったが、意識は良かった。

 

名古屋が前から来たら2,3本のパス交換から一発で裏を狙う仙台。赤﨑と富樫が前でポイントを作ってくれる。

 

44分、関口が出口になる仙台のビルドアップ。名古屋が前から来てくれれば、いくらかオープンが作れそうな仙台。

 

仙台はロングカウンターが何回も打てるメンバー構成ではないので、点を取るなら保持かショートカウンター。守備はしっかりブロックを組むやり方なので、必然的に保持からがメインになる。その中でボランチに前を向かせたり、相手中盤の裏で受けられたりと、様々なパターンを見せられた。ただ、名古屋もゴール前の枚数は絶対にそろっており、そこを崩すのは簡単ではない。それだけに序盤に相馬を抑えられなかったのが痛かった。

ただ、名古屋がある程度前に出てきてくれている間は良い形で攻められそう。割り切って自陣で固められる前に追い付けるかどうかがポイントになるか。

 

後半

46分、仙台同点、1-1。富樫の落としを西村が振り抜いてゲット。最高の立ち上がりを見せた仙台。

 

53分

名古屋交代 マテウス、相馬→森下、シャビエル

シャビエルが中央に入り、前田が右へスライド。

54分、PA手前で持ったシャビエルから前田へ送りチャンスを演出。石原が被って前田が抜け出したが、中央でなんとかした仙台。

 

58分

名古屋交代 柿谷→シュヴィルツォク

 

61分

仙台交代 関口→加藤

62分、西村を倒した長澤にイエロー。

富樫が最前線で体を張ってくれるので、どの局面でも前で時間が作れる。

 

66-67分、仙台は軽率なパスミスからシュヴィルツォクのシュートまで持ち込まれる。良い流れで来ているだけにミスからの失点は絶対に避けなければならない。

 

67分

仙台交代 富田、富樫→中原、フェリペ・カルドーゾ

かなり効いていた富樫が下がって仙台はどう変わるか。

 

飲水まで

名古屋はシュヴィルツォクが入ってから速い攻撃の脅威はかなり増したが、ボールを持っても思うような攻撃はできていない印象。仙台ペースで進んでいたが、それをかなりけん引していた富樫が下がったので、それがどのように影響するか。

 

71分、名古屋決定機。仙台の中盤でのミスからショートカウンターで最後は前田。シュートはスウォビィクがビッグセーブ。チームを救った。

 

名古屋がボールを持つ時間が続く。仙台もボールを持てたときは中央での良いコンビネーションを見せるが、突破口はあまり見えてきていない。

名古屋も仙台のミスが絡んだときにはゴール前まで一気に行ける印象がある一方で、自分たちの回しからはそこまでチャンスのにおいはしない。

 

81分

仙台交代 上原、西村→フォギーニョ、蜂須賀

蜂須賀を左SBに入れて石原を1つ前へ。

82分、カルドーゾの収めから真瀬の駆け上がりを使ってクロスもGKにキャッチされる。攻撃のスピード感は良かった。

 

83分、中央突破から名古屋のチャンス。少ないタッチでつないでシャビエル→森下でシュートまで。両軍ゴールに迫ってきている。

 

86分、速い展開から前田の枠内シュートをスウォビィクがビッグセーブ。またしてもチームを救う。仙台は1つのミスが致命傷になりかけている。

一度はカルドーゾ起点のカウンターがあったものの、奪ってから落ち着くポイントがない仙台は防戦一方になりつつある。

 

89分

名古屋交代 前田、長澤→山﨑、齋藤

押せているので、ターゲットタイプと仕掛けられるタイプを追加。

 

91分、CKから福森のシュート→赤﨑でネットを揺らしたが、オフサイド

 

名古屋が攻勢を強め、仙台も数回のチャンスでゴールを脅かしたが、どちらにも2点目は生まれず引き分け。ともに勝点3が必要なゲームで痛み分けになった。

仙台は早い時間帯の失点で苦しくなりながらも、後半は最高の入りで押し返せただけに富樫がいるタイミングで2点目を取れていれば最高だった。名古屋はスウォビィクさえいなければ勝てていたと言えるかもしれない。

 

個人的MOM

★ヤクブ スウォビィク

前田の決定機を二度止め、逆転の望みをつないだ。結果として勝点1で終わってしまったが、勝つためのプランを大きく修正することなく進められたのは彼の存在が大きかった。

 

次点は富樫。65分あたりまでの出場だったが、彼がいた時間はトランジションでポイントを作って押し返す、保持の局面ではパスを引き出す動き出しで攻撃をけん引。65分以降の展開を見れば、彼がいるのといないのとでは大きく違うと感じさせる。

 

トピックス

12分、プレスを外されたあとの関口の猛烈プレスバック

38分、富樫のがっちりキープ。木本でもしっかり背負える

前田と石原の元松本の同僚マッチアップ

74分、詰まったところからうまく縦に運び出した加藤だが、吉田豊の素早いプレスバック

93-94分、カルドーゾのナイストラップ

清水時代に同僚だった平岡と吉田豊、名古屋が古巣の赤﨑ら、それぞれが旧友との挨拶を交わす

試合後、ベンチで談笑するシュヴィルツォクとスウォビィク。ポーランド国籍同士の“クバ対決”だった

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 手倉森 誠監督 ]
後半の立ち上がりに同点にしたときに、ひっくり返さなければいけない状況だったのが、名古屋も攻勢を強めてきて一進一退のゲームになり、最後はお互いに仕留められなかったゲームだったと思います。

--同点に追いついた後半立ち上がりについて。
ホームで、ビハインドで迎えた後半にパワーを示さなければいけない。逆に、名古屋に前半の立ち上がりのように仕掛けてこられたら受け身になってしまうという展開でした。西村(拓真)のあのゴールは反撃体勢を整える一撃だったと思うし、そのあとは名古屋にうまくいなされたかな、というゲームになったと思います。

--次節の湘南戦に向けて。
去年は17位という順位で、コロナ禍でのルールがなければ、本当は今季のJ2でやっていたかもしれない。今季、ここまでJ1でやらせてもらっているというところを考えたときに、(残留の)可能性があるところで、「いま力を出せなくて、いつやるんだ」というところの戦いをあと3回できます。このブレイクの間に立て直し、逆にそういった試合をさせてもらっていることで、たくましくなれるチャンスがあるんだということに対して、力を注ぎたい。

 

[ マッシモ フィッカデンティ監督 ]
試合を通してほぼコントロールできていたが、結果が引き分けという形で終わってすごく残念に思っている。試合開始から、仙台は走ることをしっかりと行ってくると分かっていたので、「こちらも走り負けないように入ろう」と伝えた。選手はそれを理解して、チャンスもすぐに前田(直輝)が触ればというシーンも作り、その後も立て続けに良い形を作った。その中で柿谷(曜一朗)がうまくゴールを決めて、相手にほとんど何もさせずに試合をコントロールすることはできていた。後半、相手に(1点を)あげてしまうような点の取られ方をしてしまった。相手がより慎重に守りながらというところで、あらゆる手を尽くして2点目を狙いにいったが、最後までこじ開けられずに終わってしまった。繰り返すが、本当に残念な結果だと思う。

--後半の入り方について。
前半の終わり方、相手の予測をした上で、みんなでイメージを持って後半に入ったが、後半すぐにやられそうだなという空気があったわけではなく、入り方が悪かったわけではない。1つのボールの失い方、失点をする可能性があるという失い方をしたし、そのチャンスをしっかりと決められてしまった。その後、ドタバタしたようなところもなかったので、そういう意味でもすごく残念に思っている。

 

2021 J1リーグ第35節 横浜F・マリノスvsFC東京 メモ

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スタメン

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品田が第20節・大分戦以来の先発。前節で出場停止が明けたレアンドロが先発に復帰。

 

流れ

開始直後から永井の全力スプリント。前から行く意志を見せる。

1-2分、前田が背後へ抜け出してチャンス。CBは間に合わず、GKも出られないくらいの絶妙な位置に走られた。

東京はレアンドロとディエゴのフィジカルの強さを存分に生かしてポイントを作る。

 

5分過ぎあたりからマリノスがボールを持つ時間が増えてくる。

 

9分、マリノス先制、1-0。前、そして同サイドにかなり密集を作っていた東京をマリノスが1本のパスで置き去りにして、ごちゃついたところを前田がかっさらった。波多野がうまく間合いを詰めたが、こぼれ球が前田にわたってしまった。ただ、改善すべきはリスク管理のところだったと思われる。

 

13分、ビルドアップからプレスをかわし、品田の展開からオープンを作り出す東京。マリノスはあっさり抜け出させてしまった。

 

20分、少し前の森重のプレーがオンフィールドレビューでファウルを取られ、PK献上。マルコスが決めてマリノス追加点、2-0。さらに森重にはイエロー。

 

2点目のあとからか、ディエゴが前、東が右SH、永井が左SHに変わった。

 

23分、マリノス追加点、3-0。左からのクロスに波多野が出てくるも目測を誤り、触れなかったところを小池に流し込まれた。

 

飲水まで

立ち上がりは良かった東京だが、1失点をきっかけにバタバタし始め、ミスも含めて3失点。前節・清水戦と真逆のスコアになってしまっている。

 

東京は[4-4-2]でブロックを組んでいるが、危険なエリアに入らせない守りができているわけでもなく、プレスが掛かっているわけでもなく、あっさりゴール前まで運ばれてシュートを許す。トランジションでも良い形で2トップには渡らず、レアンドロはかなりストレスがたまっていそうな様子。

 

27分

東京交代 中村拓、品田→渡邊凌、青木

かなり早い段階で手を打った長谷川監督。アクシデントによる交代ではない。

 

37分、CKからPA内で森重がチアゴを倒し、PK。さらには森重に2枚目のイエローで退場。PKを前田が決めて4-0。

 

41分

東京交代 ディエゴ→大森

東京は負傷によるアクシデントなしで前半のうちに3枚の交代カードを消費。

 

立ち上がりこそ積極的なプレスで良い入りをした東京だが、前半のうちに4点ビハインドと数的不利を背負い、完全にゲームが壊れた。右SBは本職ではない渡邊凌、CBはJ1デビューの大森と不安材料は多いが、これ以上傷口を広げないような45分にしなければいけない。

 

後半

東京は[5-3-1]気味にシステムを変更。東がリベロポジションに入る。

→試合後の長谷川監督のインタビューによると、1人少ない状況でのリーグ戦初出場になった大森のメンタル的なカバーの意味を含めて東を大森の隣に置いたということだった模様。

 

47分、マリノス追加点、5-0。前田ハットトリック。東が真ん中にいたが、誰も競り合えずフリーでヘッドを許した。

 

52分

東京交代 レアンドロ、永井→アダイウトン、三田

この時間で交代カードをすべて消費。

 

少しずつ東京もある程度は守れるようになった。マリノスのテンションが落ちているのかもしれない。アダイウトンの個人技のみでゴールまで迫ることも数回。

アダイウトンが最前線で体を張れる、三田が球際の強度で負けないあたりは、かなりプラスに働いている。

 

61分

マリノス交代 喜田、仲川、エウベル→天野、レオ・セアラ、水沼

セアラを中央に入れて前田が左へ。また、[4-1-4-1]気味にシステムを変更。

 

67分

マリノス交代 岩田→角田

68分、マリノス追加点、6-0。

 

どこかで渡邊凌と長友のサイドを入れ替えた。

 

77分

マリノス交代 扇原→渡辺

84分、86分、マリノスが得点を重ね、8-0。

 

東京は1失点目を引き金に、戦える土台が崩れ、大量失点。そこに森重の退場が重なり、もうどうにもできなくなった。途中交代から強い気持ちを持って入ったアダイウトンと三田がいくらか押し返すパワーをもたらし、最後までゴールを狙い続けたが無得点に終わった。

点差が広がって余裕ができたマリノスは[4-1-4-1]を試したり、渡辺皓太をアンカーに入れたり、今季初出場となる角田をCBで試運転したりと、様々なオプションを試す機会にもなった。

 

トピックス

7分、前田を止める渡辺剛。好対応

63分、アダイウトンとチアゴバチバチマッチアップ

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ケヴィン マスカット監督 ]
最高の試合をすることができました。ゴール数も勝ったこともそうなのですが、戦う姿勢やピッチ上の表現が素晴らしかったです。多くのサポーターが足を運んでくださり、このサッカーをお見せすることができてうれしいです。

--前田 大然選手を3トップ中央に起用した狙いを教えてください。
自分はいつもベストなコンビネーションを求めています。中央の素早い突破だけでなく、周りをサポートする姿勢も素晴らしかった。プレー以上にメンタルや戦う姿勢を、彼だけではなく、チーム全体で表現してくれました。

--前節で敗れて優勝を逃しましたが、素晴らしいリバウンドメンタリティーを発揮した要因は何でしょうか。
ここ数週間、90分間を通して自分たちのサッカーを続けるのが難しい試合が続きました。ただ、その試合で打ったシュート数と変わりません。サッカーは面白いもので、良いサッカーをしていても結果がついてこないこともあります。今日は全員がメンタルを強く持ち、表現してくれました。

ボールの動かし方、人の動き方、パス交換のテンポが素晴らしく、たくさんのチャンスを作り、表現したかったサッカーを見せることができて、結果もついてきました。選手たちが素晴らしいサッカーを見せ、サポーターのためにエンターテインメント性の高いワクワクするサッカーをしたことをうれしく思います。

--前田選手のセンターFWの可能性をどう感じていますか。そして、彼のベストポジションはどこだと感じていますか。
最高のプレーを見せてくれました。裏への抜け出し、中央の突破ができるので、FC東京を苦しめると思い配置しました。彼のパフォーマンスは彼だけの力ではありません。他の10人、ベンチメンバーがいるからこそ彼が生きたのです。

ベストポジションについては難しい質問ですが、前線でマルチなポジションができる選手の1人です。1トップでも右でも左でもできる柔軟性を持った選手です。最後に言いたいのは、彼の素晴らしいパフォーマンスがヨーロッパで放送されないことを祈ります(笑)。

 

[ 長谷川 健太監督 ]
今日は本当にやられました。自分が監督になってこれだけコテンパにやられたのは初めて。悔しさを通り越して情けないというしかないと思います。選手は精一杯やってくれましたし、サポーターも最後まで応援し続けてくれて感謝しています。これも自分の力のなさ。悔しいです。この悔しさをまた返せるように自分自身力を蓄えてやっていきたいと思います。

--選手にはどんな言葉を伝えた?
同じような話をしました。サポーターの応援が途中で止まってしまうかと思っていましたが、最後まで応援をし続けてくれた。このサポーターの思いを汲んで残り3試合戦わないといけないと話しました。

--2年前の最終節で優勝争った横浜FMとここまで差が開いてしまったことへの思いは?
今季はデティールの部分で組織として戦えなかったと反省しています。今日も人はいたし、クリアできそうではあったけど、相手にこぼれてしまって失点を重ねてしまうことにつながっていると思います。

8点ほどの差はないと思いますが、確かに優勝を争ったマリノスはいまの上位にいるわけでウチは中位に沈んでいる。デティールの差が積もり積もってこの順位や勝点の差につながっていると思います。そういう部分をしっかりやっていかないと上位と差は離されてしまうと思います。

--後半は東 慶悟を3バックの中央に入れたがどんな狙いだった?
レーニングではまったくやっていないです。大森 理生が10人でJリーグ初出場ということで心臓がバクバクだったと思います。その中で後半、少しでも落ち着いてプレーさせるにはキャプテンをそばに置いて落ち着いてプレーさせたいという思いと、マリノスが両サイドが張り出してきて、4バックを新しいメンバーの組み合わせでやるにはちょっと辛い状況であった。

攻撃でもサイドで高い位置を取れるように、その意味では東を真ん中に置いて、攻撃時には長友(佑都)と渡邊(凌磨)を高い位置に持ってきてワンチャンスどうにかできればという思いでやりました。

トリプルボランチでサイドの補填と1トップに入ったときのフォローを狙いましたが、これはトレーニングでやっていないので選手たちも戸惑ったと思います。その中でも最後の最後まで切れることなくよくやってくれたと思っています。

 

2021 J1リーグ第35節 清水エスパルスvs北海道コンサドーレ札幌 メモ

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スタメン

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清水は監督交代直後で数名変更。

荒野が前で駒井が後ろ。

 

 

流れ

札幌が勢いを持って入るたち上がり。清水もハイプレスに変えるなどなく、これまでの試合とおなじようにしっかりとセットした守備。

 

4分、ここでは清水が高い位置からプレス。2トップがしっかりチェイスする。

徐々に清水がプレスの強度を高めてきた。ただ、中盤にはスペースがあるので、札幌のパスワークを寄せの速さと強度で上回れるかどうかの勝負になる。

 

サンタナは高嶺や福森とのマッチアップが増えるので、アバウトなボールでも起点にできそうな雰囲気。

 

12分、清水は初シュート?サンタナの収めからトランジションでも上回れた。

 

清水の前4枚が押し上げてきたタイミングで菅野→サイドの高い位置で待つ福森で一気にプレス回避。つながらなかったが、狙いとしては良い。

立ち上がり10分は札幌に攻め込まれる時間が長かった清水だが、少しずつ落ち着き始めた。

 

16分、清水先制、1-0。セットプレーからのこぼれ球をサンタナが振り抜いた。序盤の我慢どころを耐え抜き、それが報われるような得点。チームとして4試合ぶりのゴール。

得点後からメンタル的にも余裕が出たのか、清水のプレーに自身が生まれたように感じる。

 

22分、札幌追い付き、1-1。清水のブロックの外で回していたところから福森が背後へ飛び出した金子にピンポイントで合わせてゲット。清水は得点後から良い流れができていただけに、すぐに追い付かれたのはかなり痛い。

 

25分、藤本のファウルにイエロー。

 

飲水まで

立ち上がりで札幌の攻撃を耐えてから先制に成功した清水だが、福森のところを抑えられずに失点すると再び盛り下がったような印象。立ち上がりの守備を見ると、受けすぎてしまうと危険な気はする。札幌はボールは持てる展開なので、大枠で変えるところはなさそう。セットプレーからの失点は対応の甘さがあったので、引いたときの個人個人の集中は重要になる。

 

札幌はボールこそ持っているが、サイドでもってクロスを上げる一辺倒の攻撃になっている印象で、中へ入ってくる人やタイミングもそこまで整理されていないので、ピンポイントで合わせか、速いボールで事故を起こすしかないように思える。

 

38分、久々に清水が前からプレスを掛けて回収。

40分、菅野のサイドへの逃がしから巧みなパスワークで密集をかいくぐる札幌

 

札幌のほうがボールを持つ時間は長かったが、DAZN集計でシュートは2本しか打てていない(※清水は8)結果を見ると、苦悩は感じられる。飲水後からは札幌も清水も、手段に違いはあれど、ともに「どうやって点を取るか」の部分で悩ましい状況だった。

 

後半

48分、札幌逆転、1-2。連続でセットプレーのチャンスを得た札幌が2度目でゲット。久しぶりに復帰した深井が早速ゴール。

 

54-55分、清水のプレスをチャナティップの列下りで回避し、一気にスピードアップ。

57分

清水交代 井林、藤本、中村→鈴木義、鈴木唯、中山

札幌交代 深井、荒野→岡村、青木

中山が右、西澤が左へ。

高嶺がボランチへ上がり、田中駿がCBの中央、岡村が右CB。

 

清水保持×札幌非保持の構図が強まってきた。ただ、札幌は受ける守備ではなく、あくまでも前からハメに行くのでオープン気味になりやすい。

 

66分

清水交代 西澤→滝

 

70分、金子の折り返しを駒井がコントロールシュートで合わせたが、権田がビッグセーブ。1点ものだった。

 

飲水まで

札幌の強度が落ちてきたこともあり、清水が持てる時間も作ってきたが、よりゴールへ近づいていそうなのは札幌。リードしたこともあってか、早めに岡村を入れて最終ラインも強化。ペトロヴィッチ監督が残り試合で強調しているらしい「負けない戦い」を体現した戦い方だろうか。

 

73分

清水交代 竹内→ホナウド

75分

札幌交代 福森→柳

柳が右WBに入り、金子がシャドー、青木が左WB、菅が左CBへ移動。

 

77-78分、サンタナの枠内シュートを菅野が好キャッチ。

札幌はホルダーにプレッシャーが掛からなくなり始めており、人についていく特徴から後ろに重くなりがち。

 

82分、清水同点、2-2。右からのクロスに滝が中央でコントロール→シュートでゲット。滝はゴール後すぐに平岡監督の下へ。

札幌は守備の選手を早めに、そして複数枚投入したが逃げ切りには失敗。

 

84分、ロングカウンターから中山が超決定機を迎えるが菅野がビッグセーブ。ホームの後押しも受けて清水がイケイケになっている。

 

86分

札幌交代 菅→ミラン・トゥチッチ

88分、背後への抜け出しを狙ったトゥチッチと接触するヴァウド。ヴァウドの腕が不自然にトゥチッチの首当たりに出てきており、オンフィールドレビューの結果、一発退場。

原をCB、中山を右SBにして応急処置。

 

清水目線だと先制してから逆転を許し、そこから追い付いたが、退場者を出し、という激動の展開。数的不利になった最後も防戦に回るわけでもなく、チャンスも作ったが決め切れず。札幌のパワーがかなり落ちていたこともあり、不思議な終わり方になった。監督交代直後で勝点1を拾えたことには大きな意味があるだろう。

札幌は攻撃的なだけではない新たな姿を目指したのかもしれないが、結局は不安定な戦いが続き、守備の選手を入れても逃げ切れないところには難しさがある。数的優位に立った最終盤もなかなか攻め込めず、最後は最終ラインでなんとなく回して終了のホイッスルが鳴った。体力的なきつさがあったかどうか。

 

個人的MOM

★権田 修一

70分のビッグセーブがなければ2点差になり、スコア的にもメンタル的にも難しくなっていたはず。権田が1点を防げたからこそ同点弾が生まれたといってもいいだろう。札幌にとっての勝点1よりも清水にとっての勝点1のほうが大きな価値があるので、清水側から選出。

 

次点は福森と菅野。福森は停滞する攻撃をキックの質で解決。2アシストは文句の付けようがない。菅野は77-78分の意味不明レベルのシュートキャッチや、中山の決定機阻止と相変わらずの好パフォーマンス。引き分けで収めた立て役者とも言える。

 

 

トピックス

40分、巧みなパスワークで清水のプレスをあっさり外していく札幌

66分、1人だけで長い距離を運んで陣地回復できる小柏

70分、権田のビッグセーブ

77-78分、強烈なシュートを菅野がキャッチ。両GKが魅せ合う

81分、スピードを落とさずに相手DFの前へ入るチャナティップ

87分、半端ないサンタナ。後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん

90分、ヴァウド退場。次節・広島戦出場停止

95分、当たられても倒れずに運ぶ金子

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 平岡 宏章監督 ]
準備期間として2日間の中でできる限りのことをやってきた。最初に押し込まれる時間帯があって、粘り強く耐えてセットプレーから取れた。しかしその後、またボールに行けない状況が続き、失点してしまった。後半の入りのところで、ウチの課題でもある中断、飲水が終わってからの時間も含めての試合の入り方、あとはセットプレーの課題がしっかりと改善されていなかった。しかし、その中でも前に行く気持ちを捨てずに得点を奪い、最低限の勝点かもしれないが、取れたことをポジティブに考えたいと思う。

--滝 裕太選手を入れた交代の意図と、ユース出身の彼がゴールを決めた意味は?
全員が最初から飛ばそうという言い方はおかしいが、交代選手が準備しているから18人で戦うというところで、(西澤)健太が疲れていたので滝を入れた。滝自身もここ数試合は調子が良いので、何かやってくれるということは感じていた。

--先発を4人代えた意図は?
ケガ人が2人出ていたこと、あとはボランチのところでタケ(竹内 涼)にメッセージを送ってもらいたかったのと、(西澤)健太に関してもメッセージを送って欲しかった。FWのところも点が取れていなかったので、ノリ(藤本 憲明)を出すことによって、得点を奪いにいくというメッセージを加えたつもりだった。

--準備期間の2日の中で選手たちに求めた変化の部分と、それに対しての評価は?
ティーナ監督は緻密なサッカーというか、ポジショナルプレーというところがあるので、それを壊すわけではないが、前に行くときは前に行く、仕掛けるときは仕掛ける、そのチャンスを逃さないというところを選手たちに強調した。守備のスイッチの入れ方を変えようと思ったが、うまくいかなかった。

 

[ ペトロヴィッチ監督 ]
今日の試合はわれわれにとって難しい試合でした。清水は監督交代という非常に厳しい判断をした中で残留に向けて重要な試合であり、彼らは高い気持ちで、強いモチベーションで何がなんでも勝つために戦ってきた。難しい試合でした。そこに加えて、今季の清水はシーズン前、そしてシーズン途中にも大型補強を行い、選手の質、層ともに手ごわく、今日はそうした状況すべてがわれわれにとって難しかった。

ただし、試合に関してはわれわれが立ち上がりから支配しながら進めることができたと思います。セットプレーでのワンチャンスから先に失点をしてしまいましたが、選手たちは落ち着いて試合をコントロールしながら同点、逆転というところまで持っていけた。もちろん勝利を目指してはいたが、非常に難しい状況の中で引き分けられたことは、われわれにとっては前向きに捉えていいと私は思っている。

残り6試合の段階で私は選手に「まずは負けない戦いをしよう」と話をしました。なぜならば今季の14敗中13敗は引き分けても良い内容の戦いができていた。そうした試合の中で勝点1を取ることができれば順位はもう少し上にいただろう。われわれのJ1残留が決まった中でさらに成長をして来季、上を目指すのであれば、そうした戦いができるようになっていかなければいけない。

福岡戦、湘南戦、清水戦と3試合を引き分けていますが、まずはそこの目標は達成できている。残留が決まると目的意識を持つことが難しい状況というのがよく生まれますが、われわれは残りの3試合も勝利を目指しながら、負けない戦いというものを続けていこうと思っています。それができれば札幌は来年さらに成長できると思っています。

 

2021 J1リーグ第34節 徳島ヴォルティスvsセレッソ大阪 メモ

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スタメン

f:id:brgacha:20211109114935p:plain

徳島

石井が欠場。

田向、佐藤、鈴木大が久々のメンバー入り。

 

 

 

流れ

開始40秒、ジエゴにイエロー。坂元とのマッチアップが続くことを考えるとかなり痛い。

 

徳島は自陣低い位置でもつなぎを徹底。対してセレッソは高い位置までプレスへ出ていく。

セレッソのプレスを剥がして徳島がペースを握る立ち上がり。

 

セレッソの保持はSHがハーフスペース、SBが大外を担当。非保持は両SHを押し上げて4トップ気味のセットをする。

徐々にセレッソが徳島のプレスをいなし始め、非保持でも蹴らせて回収ができるようになる。

 

10分、セレッソ先制、1-0。セットプレーからファーへ流れてきたボールを加藤が押し込んだ。デザインした狙いどおりのプレーだったかもしれない。セレッソは前節に続き、リズムをつかみ始めた序盤でいきなり得点につなげた。徳島は危ないセットプレーが続いた中で耐え切れず。

 

徳島はセレッソの前4人のところを超えられなくなっており、ビルドアップが自陣の深い位置で詰まる。バックパスを入れたタイミングでかなりラインを押し上げられてしまうので、蹴るしかなくなる。蹴った先でセカンドを回収できるかどうかで徳島の保持時間が決まる。

17分、敵陣で回した中で岩尾→バケンガでチャンス。頭で行くか足で行くか半端になってうまくミートできず。

 

19分、垣田に決定機もシュートはGK正面。垣田へのロブパスから落として攻撃を展開。最前線で落とせれば、セレッソは全体的に前へ出ているので徳島がセカンド回収で優位に立てる。徳島が自分たちの時間帯にし始めた。

 

飲水まで

15分頃まではセレッソペース、以降は徳島ペースといったような展開。それぞれ自分たちの時間帯でチャンスを作れているが、決め切れたかどうかがスコアに反映されている。

 

徳島は敵陣でボールを持てれば自分たちのペースに持ち込める。セレッソはいかに相手を敵陣へ押し込めるかがポイントになりそう。

 

32分、上福元→岸本で前進。前は塞がれるが、相手のSHを一度戻させることができれば、セレッソはプレスに出づらくなる。

 

35分、横パスをカットした乾がそのままシュートを狙うが、ヒットせず。乾は自陣で構えていても常に押し上げる準備をしているように感じる。

 

セレッソはSHが出られなくなったのか、意図的に出ないのか、どちらかは分からないが、2トップへの加勢がなくなったことで相手のビルドアップを窒息させられなくなった。

43分、乾を手で押さえた岸本にイエロー。

 

15分頃まではセレッソペースで先制にも成功。ただ、飲水前あたりから徳島がボールを持ち始め、主導権を握る。セレッソもしっかりセットで来たタイミングで前からプレスを掛けに行くが、徳島は垣田へのロングボールを用いたところからのセカンド回収や、GKから一度サイドへ送ることで相手SHを下げさせるなど、足元でつなぐだけではないアプローチを見せた。セレッソはボールを取り上げるには強度を高める必要がありそうだが、1点リードしているので無理をする必要はない。連戦での疲労もあるはずなので、そもそも出ていきにくいコンディションなのかもしれない。

 

後半

徳島交代 岩尾→鈴木徳

→試合後コメントで違和感があったので代えたとのこと。

 

48-49分、徳島が前からのプレスで西谷の奪取→ゴール前でチャンスも、DFがギリギリ戻る。後半も徳島のペースで進み、セレッソは攻守において自分たちの狙いどおりになかなかできない。

 

50分、セレッソが中盤での奪取からミドルカウンター。相手のミスからだったが、久々にゴールまで迫った。

51分、縦に速い攻撃から右サイドを攻略し、決定機も上福元ビッグセーブ。セレッソが中盤での奪取からカウンターでチャンスを作り始める。

セレッソは非保持時に乾が前へ出てプレスを掛ける意識があるが、徳島は1人浮くように設計しており、乾が出ていけばその背後、そこにSBが出てくればその背後へ出せるようになっている。

 

57分

徳島交代 垣田→小西

宮代がトップへ移り、右SHに小西。

 

59分、前プレでハメ切るセレッソ。狙った守備からか、相手のミスからかを問わず、セレッソの縦に速いカウンターには迫力がある。前線4枚のコンビネーションが良好なのもその一因。

 

セレッソはSH上げはやらない中でも中盤のラインで潰せる回数が増えてきた。逆に言うと徳島が安定して敵陣で持てなくなった。

 

飲水まで

理屈で少し上回れていた徳島だが、だんだんとセレッソの圧に呑み込まれている。最前線で無理が効く垣田がいなくなったことで多少強引なキープができなくなっているので、クリーンに運ぶ必要があるが、そうなるとセレッソに奪われたあとのリスクも高まる。

 

70分

セレッソ交代 乾、山田→清武、豊川

 

徳島の3バックビルドに対してセレッソは2トップだけで3枚を見切れているので、セレッソの[4-4]ブロックがほとんど崩れない。そうなると徳島は縦に刺したときに捕まりやすくなる。

→岩尾がいればこのあたりも的確に調整できた?

 

80分

徳島交代 バケンガ、藤田譲→佐藤、杉森

セレッソ交代 加藤→松田力

 

徳島はPA付近までは来ているが、シュートブロックは外せない。もう一工夫ないとジンヒョンとの勝負に持ち込めなさそう。

 

89分

セレッソ交代 奥埜→藤田

シュートブロックで足首に衝撃を受けた奥埜が大事をとって交代。以前名古屋vsFC東京のランゲラックも似たような負傷があった。

 

92分、CKで最前線まで上がるGK上福元。

 

最終盤はなりふり構わずゴールへ突っ込んでいった徳島だが、セレッソゴールを脅かせずに終了。徳島は第1Qの終わり際から前半終了までは良い時間帯を作れていたが、終わってから振り返るとあのタイミングで得点を取れなかったことが厳しかった。前半のみで退いた岩尾、後半の早いタイミングで交代した垣田の影響がどれほどあったか。

セレッソルヴァンカップでこそチャンスを生かせずに敗れたが、リーグ戦では自分たちの時間帯で決め切る勝負強さが目立つ。

 

 

個人的MOM

★奥埜 博亮

「どこにでもいる男」として攻守に貢献。ボールを落ち着かせられる、運べる、広範囲で守れる、ゴール前で体を張れる、とそのプレーの幅は広い。先制点のアシストでゴールにも関与。

 

また、奥埜とコンビを組んだ喜田も安定したプレーを続け、先発で出ても十分にやれるところを示し続けている。

 

トピックス

24分、ジンヒョンの落ち着いた交わし

42分、岩尾の交わし

43分、乾の巧みなファーストタッチからの入れ替わり

66分、福岡の対角フィード

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ダニエル ポヤトス監督 ]
セットプレーから早い時間帯に失点を許してしまいました。私が間違っていなければ、C大阪さんはリーグで2番目にセットプレーから得点を挙げていると認識しています。ただ、そこでも崩れることなく良い試合運びはできたと思いますが、後半は相手にリードされているという状況も含めて少しナーバスになって、正確さを少し欠いた展開になったと思います。試合について満足はしていませんが、顔を下げることなく前を向いて続けていくしかないと思っています。

--後半の正確さが減ったことは岩尾 憲選手が交代したことも要因だと思います。負傷したのでしょうか?
「違和感を少し感じている」という話を岩尾選手から聞き、リスクを回避する意味でも最終的に私が判断して交代をさせました。

--小西 雄大選手の交代時に、2トップのどちらかを下げる選択肢がありました。結果、垣田 裕暉選手を選択されました。その理由を聞かせてください。
先ほど後半に正確さを欠いたという話をしましたが、垣田選手のポジションでも少しそう感じたので、交代することを決断しました。

--スタジアムに『WE ARE ONE』という横断幕が掲げられていました。サポーターからチームへのメッセージであり、監督に伝えたいメッセージでもあったと思います。どう感じましたか?
メッセージもスタジアムの雰囲気も含めてうれしく思いました。コロナ禍の影響で入場者数の制限もあったと思いますが、その条件の中で満席近くなるほどに多くの方が足を運んでくださっていたと思います。

ファン・サポーターの方々に勝利を届けることができず、まず僕自身が代表として悲しく感じており、申し訳ない気持ちでいっぱいです。次もすぐに試合が控えているので、改善するところはしっかりと改善して前進していきたいと思います。

 

[ 小菊 昭雄監督 ]
ルヴァンカップのファイナルに敗退して、中3日、アウェイということで厳しい状況ではあったのですが、選手たちはファイナルの敗退を糧に、悔しさを糧に、素晴らしい準備で取り組んでくれました。今日の試合も厳しい時間帯もあったんですけど、全員で絆を持って、チームの規律を守って、90分間ファイトしてくれたことが勝利につながったと思います。選手たちを誇らしく思います。

--前半、素晴らしい試合の入りから先制に成功しました。その後、相手に主導権を握られる時間帯も長かったが、先制後の前半の内容はどう見ていましたか?
入りはハイプレスもかかって、先制点も取れて、非常に良い入りができたと思います。その後は少しチームの中でハイプレスを掛けたい選手と、引き込んで相手にボールを持たせる選手と、意思の疎通でギャップがあったので、飲水タイム、ハーフタイムを含めて、全員でもう一度、共有しました。