がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2021 J1リーグ第5節 名古屋グランパスvs横浜FC メモ

 

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スタメン

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名古屋

 

保持

ボックスビルドに両SBがサポート。CBが相手2トップの脇から運ぶ。稲垣が下りて数的優位を作りに行くことが多い。

前田は外に張ることが多いが、相馬は比較的内側へ入ることが多い。 

 

非保持

[4-4-2]セット。 

相手の3バック化に対しては機を見てSHを足上げて枚数を合わせたプレス。

 

 

セットプレーはゾーン+数人のみマンツー。

 

横浜FC

保持

瀬古を下ろした[3-1]ビルド。下りるのが手塚になるときも。

SHは内側に入って縦パスを引き出す。手塚からのクサビ。

  

非保持

[4-4-2]ブロック。

 SHが2トップ脇に出てくるCBへアタックに行くが、そうなるとサポートに入る相手SBを捕まえられない。

2トップもブロックに加わり、低い位置でも守備に参加する。 

 

流れ

 両チームともビルドアップから2列目の選手のスピードを生かした攻めを見せる。横浜FCは松尾に前を向かせる、名古屋は相馬、前田に仕掛けさせる、もしくはシャビエルに運ばせられるかがポイント。

 

15分、シャビエルのFKからマギーニョと六反の連係ミスで事故が起きかけた。

19分、相馬のインスイングクロスから惜しいシーン。六反が出てきて防いだ。

 飲水まで

立ち上がりはイーブンな内容だったが、徐々に名古屋が主導権を握る展開に。サイドでの仕掛けを使いながら、事故を起こしにいく。横浜FCは2トップが深い位置まで戻るので、カウンターで一刺しを狙うよりも、ボールを持つ時間を増やしたい。

 

 26分、名古屋がクロスの応酬。横浜FCはギリギリのところでカットするがCKが続く。

 

30分あたりからは横浜FCの時間。クレーベの高さを生かせそうなシーンが作れてきた。

 

38分、後方からのロングボールをクレーベがそらし、武田が抜け出す。クロスを上げたが、中にいたジャーメインには合わず。

 

名古屋が前からハメに来た時は後方のスペースが空くので、横浜FCはクレーベへのロングボールからオープンな展開を狙う。

 

43分、クレーベがライン間で受けてからミドル。ランゲラックがキャッチ。

 

どちらもチャンスらしいチャンスは少なかった前半。名古屋のほうが事故を起こせそうな場面は多かったが、横浜FCもゴール前ではしっかり守れた。互いにカウンターをうてる場面も少ないので、ボールを多く握れたほうが優位に進められそう。

 

後半

47分、横浜FCが縦パスをカットしたところからカウンター。武田→ジャーメインでシュートまで持ち込むが、ランゲラックの正面。その後すぐに名古屋のカウンターが発動。シャビエル、柿谷のシュートを六反が好セーブ。

 

51分、横浜FCが前からハメて奪取に成功。そのままビルドアップに持ち込むが、名古屋もプレスを掛け、奪うとカウンター発動。吉田豊が持ち上がってクロスを送り、ファーで前田が合わせて名古屋が先制。横浜FCは久しぶりにビルドアップの時間を作れそうなところで、つなぎに行ったのが裏目に出た。

 

56分、シャビエル→マテウス

前田がトップの位置へ移り、マテウスが右SHに入る。

 

横浜FCはビルドアップから前進を図るが、中盤より前へ進めない。

60分、横浜FCが全体のラインを上げてプレスを掛けたところをランゲラックのロングキックで一気にひっくり返す名古屋。前田が抜け出してチャンスを迎えるも、パスが合わず。

 

62分、名古屋が自陣からプレスを剥がしてスピードアップ。相馬が放ったシュートを六反が弾き、こぼれ球をマテウスが拾ってゴールへ流し込んだ。

 

63分、ジャーメイン→伊藤

飲水まで

名古屋が先制する前もあとも横浜FCがリズムを持って戦えている時間はかなり少ない。守備でボールを奪えない(奪いに行かない)のはまだいいが、特長であるビルドアップが思うように機能していないのはかなり厳しい。名古屋はビルドアップでもカウンターでもチャンスが作れており、どの局面においてもコントロールが効いている。

 

70分、前田→山﨑

 

73分、名古屋が自陣でのつなぎでミスを起こし、クレーベがシュートを打つも枠外。

73分、齋藤→杉本

 

80分あたりから名古屋のラインが徐々に下がってくる。

82分、クレーベ、松尾→渡邉、小川

 

ボールは持てるが、ゴール前まではほとんど入れない横浜FC。名古屋は低い位置からでもマテウスや相馬の推進力でカウンターが打てる。

 

90分、柿谷、米本→齋藤、木本

93分、マテウスのシュートをこぼれ球を相馬が拾ってクロス。ファーに詰めた山﨑が押し込んで3点目。

 

終始名古屋のペースで90分が進んだ。ビルドアップも守備もカウンターも精度が高く、安定感がある。また、アタッカーがしっかりと守備もこなすので、組織として崩れにくい。

横浜FCはビルドアップがうまくいかないことで自分たちの時間を作れず、受けなければならなくなる。さらにプレスや自陣でのビルドアップを強気に行おうとすると、一気にゴールを脅かされる負の連鎖が続いた。

 

トピックス

 名古屋

42分、中谷からのロングフィード

60分、ランゲラックのナイスロングキック。 

柿谷がプレスもプレスバックも精力的に行い、守備でも存在感があった。

78分、近くで笛を吹かれて驚く相馬。

開幕5連勝を達成。

横浜FC

開幕から5連敗。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ マッシモ フィッカデンティ監督 ]
前半は難しい立ち上がりでした。ポゼッションもしていましたけど、相手も戦術的な部分で、しっかりとまずは守るということをしてきて、なかなか動きの少ない前半になったと思います。

我慢しながら前半を戦っていた中で、ハーフタイムにスピードを上げ、どう相手のスキを突いていくか、スピードを上げるタイミングを統一してやっていこうと。その中で1点を挙げることができ、そうすると相手も取り戻さないといけないということで、よりスペースを与えてくれました。相手をじっくりと見ながら、冷静に2点目、3点目という試合運びができたと思います。

--柿谷 曜一朗、ガブリエル シャビエルに期待したことは?
前半の攻撃面は、チーム全体としてどこから崩していくのかという部分で崩し切れていませんでした。前半は横浜FCがしっかり守ると決め込んでいたようなゲーム運びだったので、しょうがないかなと思います。後半は、チャンスシーンを見ると2人が絡んだシーンもありましたし、かなりゴール前に入り込んでくれました。2人がどうこうというよりも、チーム全体として我慢しながら、相手の出方によってチャンスができたと思うので、特に前線でチャンスを作ってほしいと彼らに求めていましたが、そういう意味ではちゃんと結果をもたらしてくれたのではないでしょうか。

 「動きの少ない前半」ではあったが、試合のコントロールはできていた。1点入ればさらに主導権を握れそうな中で早めに先制でき、アタッカーの個性を生かしやすい展開に持ち込めたことが複数得点での勝利につながったと言える。

[ 下平 隆宏監督 ]
選手たちはチームとしてすごく一体感を持ってトライしようとゲームに入った。前半は苦しい時間が多く、自分たちが攻撃する時間は少なかったが、しっかりと中でオーガナイズして、守備でハードワークして崩さないようにということで45分は過ぎた。ただ後半、相手のほうが少しパワーやスピードがあったり、また自分たちが攻めに行ったところでスキを突かれた。守っているときは守れていたが、逆に攻撃に行ったときにカウンター気味に失点を重ねてしまったところは非常にもったいなかった。まだまだ守備の改善もしながら、自分たちの攻撃の時間も長くすることにトライし続けなければいけない。

--次節・徳島戦に向けて最も改善したいポイントは?
やっぱり一番は守備ですね。この5試合で16失点ということで、1試合平均で3失点しているので、守備の立て直しが急務だと思っています。

--今日の試合の前半のような、ブロックを引いての守備がベースになる?
守備でブロックを作ってというのは去年から継続してやっていること。ただ、それ以上に攻撃する時間が少ないと、われわれがボールを持っている時間が少なかったので、そういった時間を増やしていかないと。守備だけを90分間していたら疲弊してやられてしまうので、自分たちが攻撃する時間を増やさなければいけない。また、ああいう時間帯をしっかりしのげるような力強さも必要。選手が代わっても同じような守備ができないといけないと感じています。

 一番必要なのは「自分たちの攻撃の時間も長くすることにトライ」することだろう。元々強固な守備が売りのチームではないので、ボールを持つことで「攻撃されない」時間を多くしたい。「われわれがボールを持っている時間が少なかったので、そういった時間を増やしていかないと。守備だけを90分間していたら疲弊してやられてしまうので、自分たちが攻撃する時間を増やさなければいけない」の言葉がすべてだが、苦しい時間帯を「しっかりしのげるような力強さも必要」なのは間違いない。

2021 J1リーグ第5節 セレッソ大阪vs大分トリニータ メモ

 

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スタメン

 

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C大阪

保持

[4-2]ビルド。2枚のボランチが相手1トップの背後をうろうろする。

清武も坂元もかなり内側へ入る。清武はトップ下にも見えるくらい内に入る。

相手が1トップしかおってこないので、最終ラインは自由に持てる。 

 

非保持

 [4-4-2]セット。ボールサイドに全体が寄る。

豊川をスイッチにして全体が前に押し上げる。

 

大分

保持

 [3-2]ビルド。低い位置でも簡単には蹴り出さずに繋ぐ。ギリギリまで引き付けてから高木のロングキックで解放。

クロスは多め。

 CBがプレッシャーを受けると、WBが下りてサポート。相手SBが引き出せたらその裏へ流す。

下田から背後へのフィード。

 

非保持

 [5-4-1]セット。1トップの伊佐のみ、最終ラインにけん制をかける。

 [5-4]はセットが優先でほとんど前に出ていかない。

 

流れ

2分、C大阪が前プレをハメきって、ダイレクトなショートカウンター。豊川のシュートはうまくヒットせず。大分は縦につなぎに行ったところを狙われた。

中央を抜いたところからこぼれ球を坂元がつめたが、シュートはギリギリ枠外。

C大阪がチャンスを作る立ち上がり。

 

大分は高い位置から奪いに行かないので、必然的にC大阪が持てる時間が長くなる。一方でC大阪は2トップでスイッチを入れられれば全体を押し上げて奪いに行くので、大分はそこから疑似カウンターの局面を作り出せるかがカギになりそう。

豊川と大久保がしきりに背後を狙うことで大分は最終ラインが下がり、間延びしがち。その空きやすいスペースに清武や坂元がもぐりこむ。

C大阪も最終ラインのリスク管理は2CBのみで行っているため、スペースはあるが、伊佐がトップなので、1人でカウンターはやや厳しい。

 

21分、ようやく大分らしいボール回しでプレスを回避。SBの裏は狙っている雰囲気がある。

飲水まで

大分は無理に飛び込まず、大味なゲームにしないようにしているが、守備が安定しているとまでは言えず、1つのミスでゴールが割られそうな予感もある。ボール保持の時間も作れていないので、ここまではじり貧状態。

 

26分、大分の自陣ビルドアップで豊川がバックパスをさらうも大分がなんとかした。こういうミスが1つ起きると、メンタル的につなぎに不安が出そう。

C大阪は高い位置に張るWBに坂元を下ろして対応。

 

34分、久しぶりに敵陣へ入りシュートを放つ大分。

大分はひきつけてからスペースに流し込むアプローチを狙うが、C大阪の出足がそれを上回り、カットされる。

大分は相手SBの裏へ狙って流せているが、伊佐が西尾と瀬古に抑えられてしまうのでポイントが作れない。知念のようなタイプがいたらどうなっていたのかは見てみたいが…。

 

大分は理想的な展開ではないだろうが、スコアレスで折り返せたので、プラン的に悪くはない。ただ、もう少し攻撃で縦への速さを足さないとゴールが遠そうな上、持つ時間も作れなさそうなので、そこをどう調整するか。

C大阪はピンチも少なく、優位にコントロールできているのでこのままのペースで早めに1点目が取れれば完全に流れを持っていけそう。

 

後半

50分、前プレで奪ったC大阪がダイレクトにゴール前へ送る。大久保が浮いていたが、トラップが決まらず。

52分、ゴール前の混戦から大久保が横パスを選択したが、誰にも合わず。ずっこける大久保。

 

 

57分、中央の狭い所をコンビネーションで打開し、丸橋の「誰かに当たれ」というようなクロスも中で合わず。

57分、下田、高畑→小林裕、三竿

 

63分、大久保→西川

西川と清武の位置が流動的。ベースポジションも定まっていない?

飲水まで

大分がプレスラインを少し上げ、深めまで追いに行くようになったことでC大阪も前半よりは簡単につなげなくなったが、ロングボールも駆使したプレス回避も含めてそこまで困っている様子は感じない。チャンスを作れているのは変わらずC大阪のほうで、大分は奪ったボールをもう少し大事にしたいか。

 

70分、中盤でカットした大分がカウンターに出ていくが、髙澤に対して瀬古が横に立ってスピードを落とさせた。

70分、伊佐、黒﨑→小林成、松本

髙澤が1トップに入る。

74分、原川が右からDF-GK間にクロスを流し込むが、誰にも合わず抜ける。

 

小林裕が最終ラインに下りる[4-1]ビルドになった大分。

79分、大分がクサビからスピードアップし、最後は小林成がシュートを打つもポストに阻まれる。大分はおそらく初のビッグチャンス。

 

82分、渡邉→屋敷

84分、豊川→加藤

86分、敵陣PAへ押し込んだC大阪。こぼれ球を坂元がボレーで豪快にたたき込みついにこじ開けた。大分は攻められても我慢を続けていたが、このシュートを打たれてはどうしようもない。

89分、奥埜→藤田

92分、加藤→坂元の最小人数でチャンスを作ったが、高木が粘った対応で阻止。

93分、大分のCKに高木も上がる。流れから松本がシュートを放つも枠外。オフサイドフラグも上がっていた。

 

小林裕を入れたあたりから(おそらく)ビルドアップの形を変え、攻撃の型を1つ見つけた雰囲気はあったが、小林成がチャンスを決め切れず。勝つためにはあれを決め切るしかなかった。押し込まれても我慢を続けていた中で、坂元のゴラッソを食らって敗戦。無失点で長く耐えたのはよかったが、あれだけ受けてしまうとこういう失点も起こり得る。

C大阪は攻め込みながらも点が奪えず、小林成に決定機を作られるもポストに助けられる。その後個人の力でこじ開け、3ポイントを獲得。内容で上回りながらもワンチャンスをものにされて敗れる展開もあり得たが、しっかりと結果につなげることができた。

 

トピックス

29分、瀬古と渡邉のバチバチ

 C大阪
自陣での守備の時間が短く、ジンヒョンが全然出てこない。

52分、後ろからの浮き球のパスをきれいに整えた状態にして落とす清武。

坂元のゴラッソ。強烈なボレー。

瀬古、西尾のCBコンビが相手のアタッカー陣をほぼ完封したと言っていい。

 

大分

小林裕の投入からビルドアップが改善。長谷川も生きるようになった。

伊佐は献身的な働きはこなしたが、あまり良さを出せなかった。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ レヴィー クルピ監督 ]
互角のきっ抗した試合だったと思います。両チームとも、まずまずの内容だったと思いますが、逆に両チームとも、まだまだシーズンを通して成長していけるんじゃないかと思いました。その中で、決定的なシーンが2つあったのですが、1つは大分さんのシュートがポストに当たって入らなかった。もう1つのシーンでは、われわれのスーパーゴールが決勝点になった。ここが違いだったということになると思います。こういう厳しい試合で勝利を勝ち取った選手たちは本当によくやってくれたと思いますし、サポーターの皆さんのためにも、良い勝利になったと思います。

--開幕から起用し続けているが、決勝点を決めた坂元 達裕選手のポテンシャルをどう評価している?
これから先、彼の将来がどうなるか断言はできませんが、技術的には本当に非凡なものを持っていると思います。今日のようにアグレッシブな姿勢を見せ続けて、ゴール、あるいはドリブルで彼の迫力を見せ続けていくことができれば、日本を代表するアタッカーになるんじゃないかと思います。

--我慢比べのような展開の中、選手交代は難しい試合だったと思うが、結果的に、最後まで残していた清武 弘嗣選手と坂元選手からゴールが生まれた。今日の采配の意図について。
選手交代に関しては、特に後半、ベンチにいるスタッフともかなり話をしながら、考えていました。今日の試合の流れとして、きっ抗した試合で、パフォーマンスが際立って良い選手もいなければ、悪い選手もいない。その中で交代を決断していくのは難しい部分もありました。その中で、フィジカル的な要素で、彼ら2人は最後まで行けるだろうと。

誰をどのタイミングで入れるのか、ベンチでスタッフともかなり話をしました。勝ったので交代が良かった、ということにはならないと思うので、交代の意図も含めて、具体的な話は控えたいと思います。ただし、交代に関しては、かなり悩んだ試合でした。

 「決定的なシーンが2つあったのですが、1つは大分さんのシュートがポストに当たって入らなかった。もう1つのシーンでは、われわれのスーパーゴールが決勝点になった。ここが違いだった」。展開としてはC大阪のゲームだったが、勝負を分けたのはこの2つのシーンだった。「交代に関しては、かなり悩んだ」とあるように、交代カードを切るのは比較的遅かった。

[ 片野坂 知宏監督 ]
水曜日のナイトゲームで、これまでも苦戦しているC大阪さんに、残念ながら敗戦することになった。非常に悔しい。アウェイ大阪まで多くの大分のファン・サポーターの方がお越しくださり、最後まで応援していただいたのだが、勝点をプレゼントできず申し訳なく思っている。

われわれは中2日、C大阪さんは中3日で、準備期間が1日短く、厳しいゲームになることは覚悟していた。ただ、今日出たメンバーは、大分のサッカーをしっかりとプレーし、チャレンジしてくれたと思う。最後の最後にああいう形で失点して勝点を失ったが、内容的には良いゲームをしてくれたと思う。勝点につながらなかったのは本当に残念。

勝点3、勝点1、0。このリーグではちょっとしたことで勝敗が決まるので、本当に厳しいと感じる。選手もそれを学んでまた次に生かしてほしいし、中3日での次節、ホームでの広島戦に向けて、また良い準備をする。今度はホームで勝利して、ファン・サポーターの方と喜び合えるよう頑張りたい。

 中日の差もあり、メンバーを変える必要もあった。開幕からの3戦はしぶとく勝点を手に入れる戦いができたが、今回は坂元の一撃に沈む。ただ、最終盤まで勝点獲得の可能性を残せたのは悪くなかった。

2021 J1リーグ第5節 ヴィッセル神戸vs川崎フロンターレ メモ

 

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スタメン

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神戸

保持

 ボックスビルドにSBサポート。かみ合わせ的にSBが浮くので、そこが逃げ場所になる。前川からの配球も。

 井上は比較的自由に動いて、中央でボールを引き出す役割。

 相手SBが前に出てきたら、背後へ流す。

 

非保持

 [4-4-2]セット。2トップでアンカーを監視。

高い位置から追い、つなぎをけん制する。

菊池が三笘への対応のサポートに出ていく。

 

川崎

保持

 [4-1]ビルドでIHサポート。

途中からWGが張りすぎず、内側のポジションを取るようになった?

  

 

非保持

 [4-3-3]セット。家長が外から内に寄せ、外で浮くSBへはIHがスライドしてケア。3トップは3人がかなり中央に寄る。

 SBが出ていった背後のスペースはCBがカバーする。

 

 

流れ

高い位置からけん制してボールを取り上げに行く神戸。川崎が思うように運べていない。神戸は保持でもボランチでリズムを作りながらSBへ逃がす循環がうまくいっている。

 

9分、神戸のカウンターから古橋が折り返すもDFがカット。

11分、スローインの流れから解放して家長→ダミアン。シュートは大きく枠を外れた。

14分、左からのクロスに郷家が飛び込むも惜しくも合わず。

神戸は切り替えが速く、球際においても優位に立っている。

 

24分、川崎は、前に出てくる相手SHの背後にSBを潜らせ、プレスに対してはIHのサポートで安定させる。

川崎はカウンターに出られそうな雰囲気も見せるが、神戸がPA前でしっかりと潰せている。

25分、古橋が個人のスキルでマークを剥がしたところから、チャンスメイク。ドウグラスのシュートはブロックされるが、セカンドを拾って2次攻撃。再びドウグラスがフィニッシュに持ち込むも、惜しくも枠外。

 

両者ともにシュートは多くないが、飲水タイムまでは神戸のほうが狙いを表現できている。

 

32分、神戸が前プレから脇坂のパスミスを誘発し、最後は古橋がフィニッシュ。ソンリョンの正面に飛ばしてしまった。

川崎もいくらかゴールに迫るシーンもあるが、神戸のほうがオープンなスペースを生かしながら攻められている。

34分、ドウグラスを倒したジェジエウに警告。

35分、セットプレーの流れから山川のクロスを中で合わせるも、うまくヒットせず。

36分、ゴール前で空いた家長からダミアンへのクロスもうまく合わせきれず。決定機。

 

どこからか三笘が内寄りでプレーするようになった気がする。

 

40分、神戸の時間。左サイドは3人で回しながらスペースが空くのを待つ。

 

46分、旗手のアーリークロスからジェジエウのヘッド。しっかり合わせたが、わずかに枠外。決定機。

 

神戸のほうが狙いどおりに進められた前半だが、川崎も決定機に近しいシーンを数回作れていた。神戸のスタミナが落ち始めたときが勝負の分かれ目。神戸はペースを握れているうちに先制できないと苦しくなりそう。川崎は最低限我慢し、選手交代でギアを変えられるか。

 

後半

50分、川崎がボールを持てていたが、古橋が1人で運びだしてカウンター。田中がファウル覚悟で後ろから倒して警告。

 

52分、右のタッチライン際でぎりぎり残ったボールを家長が拾ってクロス。ダミアンがファーで合わせて川崎が先制かと思われたが、家長のところがオフサイドの判定になり、得点取り消し。

 

57分、ダミアンが抜け出してシュートを打つが、前川が好セーブ。神戸が豊富な運動量とプレスバックでよく守れているが、川崎も徐々にペースを握り始めている。

 

60分、ドウグラス→増山

増山が右SHに入り、古橋がトップへ移る。

 

63分、家長→遠野

 

古橋を最前線においたことで、最終ラインから一発で背後、というラインを見せられる。前に後ろにハードワークが求められるSHを入れ替えたこともプラスに働いている。

 

71分、前川のクリアを谷口がダイレクトでダミアンへ送り、ダミアンがボレーで無人のゴールへ流し込む。一度はオフサイドの判定が下されたが、VARのチェックで得点が認められる。スーパーなゴールだった。

 

76分、井上、サンペール→佐々木、藤本

藤本がトップに入り、郷家をボランチに下ろす。

脇坂、シミッチ→橘田、塚川

 

川崎が押し込む時間が増えてくる。神戸も中盤の運動量がまだ落ち切ってはいないので、ホルダーに寄せることはできている。

 

82分、最後方のフェルマーレンから一発で古橋。GKと1対1になるが、交わしに行ったところで谷口の戻りが間に合った。三浦監督は「なんで、打てよ」という口の動きで残念そうな表情。この「一発」があるので、川崎も安易にラインを上げづらくなる。

84分、PA内まで三笘が抜け出すも、神戸も懸命のプレスバックが間に合う。

 

86分、山川→初瀬

初瀬が左に入り、酒井が右へ。

89分、ダミアン、旗手→小林、車屋

91分、古橋が谷口からカットし、1人で抜け出したところから、最後は藤本がフリーでシュートを放つもソンリョンがビッグセーブ。超決定機。

 

最終盤、神戸は菊池を最前線に上げてパワープレー。

96分、ソンリョンの膝があばらあたりに当たり、ジェジエウが痛む。

99分、初瀬が個人で縦に突破し、クロス。中央で待っていた菊池が合わせて神戸が同点に。ラストプレーでの同点劇。

 

後半は徐々に川崎のペースになる中で、神戸も運動量を落とさずに粘りのある対応。受ける時間が多くなっても古橋がいることで、「一発」ちらつかせたが、決め切ることはできず。ただ、最後にジェジエウをかいた川崎の一瞬の隙を突いて菊池が大きな価値がある同点弾を決めて引き分けに持ち込んだ。

神戸はペースを握れた前半に得点が奪えれば理想だったが、思ったようにスコアが動かせない中でも我慢と「一発」のバランスを保って進められらた。

川崎は柏戦同様、うまくいかない中でも結局は1点を奪って逃げ切る強さを見せた、はずだったが、最後の最後で勝点3を逃す結果となった。

 

トピックス

山川と三笘の筑波大同級生マッチアップ。

神戸

 菊池がダミアンとの空中戦でかなり勝つ。三笘との1対1でも壁になる。

決定機を逃した古橋が悔しそうな表情を見せる。 

 

川崎

田中がかなり足を滑らせている。

67分、三笘のトラップ。 

ダミアンのスーパーゴール。

ソンリョンはビッグセーブで勝ちを引き寄せたかに見せたが、最後はゴールを破られて引き分けに。ヒーローになりそびれた。

旗手のフルタイム出場がストップ。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 三浦 淳寛監督 ]
シーンは別ですけども、うまくわれわれが考えていたゲーム運びができたと思う。フロンターレさんは個の能力の高い選手もたくさんいますし、そこに対しての対策もある程度できたのかなと思う。最後、追いついたシーンも含めて、選手たちの気持ち、メンタリティー、アグレッシブな姿勢、点を取りにいくということが最後の結果につながったのかなと思う。

--守備の評価について。
守備に関してはめちゃくちゃ良かったと思う。もちろん、コンビネーション含めてフロンターレには個の能力の高い選手がいますけど、われわれが集団でしっかりと守ることができた。ドリブラーもいますし、そのケアも含めて守備は良かったと思います。

--勝ち切るために必要なことは?
終盤になってオープンな展開になり、われわれもビッグチャンスが何回か訪れたんですが、しっかりと勝ち切るためにはその決定機での決定力を上げる、決め切ることができれば勝点3につながってくるのかなと思います。

--勝点1という結果をどう受け止めているか?
よく追いついた気持ちもあるし、ビッグチャンスを決めることができれば勝点3を取れたのかなと両方ある。ただフロンターレさんは素晴らしいチームだと思いますから、その中でもわれわれの良さをゲームで出すことができたので、そこは収穫だったと思う。チームコンセプトも含めて、われわれがやりたいサッカーはある程度、ピッチ上で表現することができたんじゃないかと思う。

 「守備に関してはめちゃくちゃ良かった」とあるように、ハードワーク&カバーで相手のタレントをかなり消せていた。特に中盤4枚の運動量と守備意識の高さは素晴らしかった。「ビッグチャンスを決めることができれば勝点3を取れた」のは間違いないが、5連勝中の相手から追い付いての勝点1には価値がある。

[ 鬼木 達監督 ]
アウェイの神戸ということで、お互い激しい試合になるなと予想していましたけれど、そのとおりになったと思います。先制したので最終的に勝って終わりたかったですけど、自分たちのやるべきことをやらないとなかなか難しい展開になると感じました。あとはしっかり自分たちのサッカーをすれば、自分たちらしさは後半に出たと思うので、そこを勝ちにつなげるために(活かしながら)、次(の試合)が来るので集中していきたいと思います。

--自分たちのサッカーができなかった前半。反省点は?
少し慌ててサッカーをしたかなというところだけですね。しっかり相手を見てやれれば、プレッシャーはありましたけど、やはり空いているところはあった。あとは止めるところ、狙い過ぎないところ。慌ててやらなければ、もう少しボールは動いたかなと思っています。

--連勝が止まった。次に向けての準備は?
やはり自分たちらしさというか、そういうものを前面に出していかないといけない。どんな相手にも強気でサッカーをやることが結局勝利に近いと思っている。それをアウェイでもやり続けられる、そんなタフなチームになっていければいいかなと思います。

 「自分たちらしさは後半に出た」中で先制にも成功したが、最後は追い付かれた。柏戦から良い流れが作れずとも0-0で推移させ、1点取って逃げ切るパターンに持ち込めそうだったが、うまくいかないときもある。対策もあってか、内容で完璧に上回れなくなっているが、それでもしたたかに戦えているのには強さを感じる。

2021 J1リーグ第5節 浦和レッズvs北海道コンサドーレ札幌 メモ

 

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スタメン

 

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浦和

保持

CBと2CHのボックスに阿部もサポート。山中は高い位置に上がる。

 

 

非保持

[4-4-2]ブロックっぽい配置にも見えるが、明本がやや下がり目の変則的な[4-5-1]っぽくも見える。明本と小泉が杉本の脇を埋めに出てくる。

関根がSHのように前へ出たり、WBのように最終ラインに吸収されたりする。

 

 

札幌

保持

宮澤が左に下りて[4-1]ビルド。[1]の脇にはシャドーやロペスが下がってきてサポートもする。

福森や田中から背後を狙うロングパス。

前線の選手を下ろしてポスト役にして、落としから3人目に前を向かせるのがかなりスムーズに行えている。 

中野小からサイドで浮く選手へミドルフィード。

 

非保持

 金子を1つあげて2CBに枚数を合わせたプレス。相手ボランチには駒井と深井をつける。

自陣では[5-4-1]⇔[5-2-3]気味で、人についていくので全体的に動きやすい。

 

 

流れ

4分、敵陣で奪った小泉がシュートもわずかに枠外。惜しいシーンを作った。

札幌のつなぎに対して高い位置から強めにプレスを掛ける浦和。札幌はミドルレンジのパスも駆使しながら回避を狙う。

 

8分、金子のプレスバックからカウンター。持ち出した金子がミドルシュートを狙うが、わずかに枠外。

 

11分、セットプレーの流れの中でミンテと接触した槙野が痛む。浦和ベンチ前では給水しながら指示を出す。

札幌は後方から一発で背後を狙う形を出し始めている。WBが背後へ走り出す。

 

20分、札幌のターン。敵陣で押し込んで即回収を繰り返す。

23分、最終ラインからロペスへ1本で通し、前を向いたロペスがそのままシュート。西川がセーブ。

26分、深井の奪取からカウンター。最後は金子がカットインからシュートを放つも、バーをたたく。

 

 札幌が長短のパスを使い分けたビルドアップで押し込み、守備でも素早い切り替えで回収。浦和は我慢の時間が続く。杉本が個人のがんばりで収めようとするが、札幌は2人で挟み込んで奪う。

 

39分、札幌のカウンタープレスを浦和がようやく外し、自分たちの時間を作る。杉本の収めと小泉の外しが効いた。浦和も一度落ち着いて持てれば、攻撃の時間を作れる。

 

41分、汰木のクロスから杉本のヘッドも、中野小が好セーブ。

42分、福森→菅で背後を取り、折り返しを金子が合わせるもふかしてしまった。

 

多くの時間を札幌が支配した前半。浦和もカウンタープレスを回避できれば、ボールを持って敵陣へ入っていくことができるが、なかなか回避できる回数が増えていかなかった。札幌は後ろで持つだけでなく、常に背後を意識、そして中盤でクッションを作りながらスピードアップと、状況に応じた攻撃を繰り出せていた。素早い切り替えも機能し、回収も○。

浦和はこの試合も我慢の時間が長い。そういう意味では無失点で折り返せたのは悪くないといえるが、カウンターを数多く打てそうな雰囲気はあまりないので、やはりボールを持つ時間は増やしたい。

 

後半

後半も立ち上がりから札幌が一気に攻め込み、押し込む。

47分、後方からのクロスに田中がヘディングで合わせたが、西川が好セーブ。

51分、中野小のフィードから中盤を抜け出した駒井がそのままシュート。枠へ飛ばせず。

52分、関根→田中

54分までは札幌のワンサイドゲームに近かったが、ようやく浦和も敵陣へ入れた。

56分、田中の高さを起点にしたところからルーカスが持ち運び、最後は菅の突破からロペスの落としを駒井がシュート。選手の特長に合わせたアプローチとそれぞれの連係のレベルが高い。

 

人数を合わせてプレスに出てくる札幌に対し、浦和はロングボールで逃げるか、個人で1枚剥がすかのどちらかができないといけない。ただ、ロングボールは杉本でも五分以上に持ち込めるかは微妙。個人で剥がせそうなのも小泉くらいしかおらず、ビルドアップは苦しい。

 

右SHは関根→田中に代わっても大外を埋める意識はそのまま。5バック気味になるケースが見られる。ただ、右SHと右SBの距離感が曖昧で、間を使われることも多い。

 

63分、汰木、小泉→大久保、伊藤敦

66分、完全に[5-4-1]になった。少し前からシステムを変えていたのかもしれない。

 

70分、セカンドボールを拾った大久保がタッチの細かいドリブルでファウルを誘発しFKを獲得。良い仕掛けだった。

FKは阿部が蹴り、枠内へ飛ばしたが中野小がセーブ。少しスピードが足りなかったか。

 

76分、駒井→高嶺

76分、球際を制したところからカウンターで出ていき、最後は田中がシュートを放ったが、中野小が正面でセーブ。少しこぼしたが、その後キャッチ。決定機。

 

80分、ルーカス→青木

浦和は[5-4-1]にしたことで陣形は下げざるを得なくなったが、そのぶん外で浮く選手がいなくなり、カウンターで札幌の背後を使えるようにもなった。

 

86分、深井→岡村

岡村は3バックの右に入り、田中が中盤に上がる。

 

89分、明本→武藤

90分、山中のクロスに杉本が合わせるもわずかに枠外。決定機。

 

最終的にスコアレスドローで決着。90分トータルの内容で言えば札幌が複数得点を奪って勝つようなゲームだったが、0-0で試合を進めた浦和が終盤で一刺しできるチャンスもあったので、お互いに3ポイントのチャンスはあったと言える。ただ、やはり札幌は前半に先制し、優位に進めたかったはず。浦和は[5-4-1]で割り切るなど、現実にかじを切った印象もあるが、これをどうとらえるべきか。勝点1を拾えたことはポジティブだが、形を変えてまで勝点獲得にこだわらなければならない現状は苦しいのかもしれない。

 

トピックス

浦和

宇賀神が不在で阿部が右SBに入る。

大久保がJリーグデビュー。 70分のドリブルはタッチが細かく面白かった。

終盤は[5-4-1]にシステム変更。

札幌

中野小が今季初スタメン。中距離フィードの安定感が素晴らしかった。

最終ラインからのフィードがどこからでも正確。 

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
お互い、どちらが勝ってもおかしくない試合だったと思います。札幌は前半、われわれのロストからゴールポストに当てるシーンだったり、ウチは杉本 健勇のヘディングシュートといったチャンスがありました。後半も同様に(札幌は)われわれのボールを奪ってからのチャンスがあり、われわれは杉本のヘディングシュート、カウンターの田中 達也のシュートが止められてしまったようなお互いにチャンスがありました。

ただ、今回の試合ではどうしてもわれわれは中2日で消耗している状態で、あれだけの強度のあるチームが1試合飛ばしての試合だったので、もちろん勝ちたいですが、そういった状況を加味すると勝点1はポジティブに捉えられると思います。

今回は相手の強度が高く、中盤で簡単にロストしないようにするということがあったので、ダイレクトなプレーを選択することが多くなりましたけど、準備の時間を考えると仕方ない、ポジティブな勝点1ではあったかと思います。

--右SBに阿部 勇樹選手を起用していたが、宇賀神 友弥選手はアクシデントか。また代わりは阿部選手しかいなかったのか、それとも戦術的な理由などがあったのか。
宇賀神は前回の横浜FM戦の接触で足を痛めていたので、今回の試合は回避することにしました。阿部の右SB起用に関して言うと、うまさがある選手ですのでビルドアップの出口になるような意図を持ちながら起用しました。ただ、ディフェンスを考えると、完全に右SBだと対人のところが増えるので、関根 貴大や田中 達也を下げて5バックという形でカバーしました。今回の彼のパフォーマンスは良かったですし良い試合をしてくれました。

「どちらが勝ってもおかしくない試合だった」が、内容では札幌が上回ったと言える。ただその中でも「勝点1はポジティブに捉えられる」と前向き。関根や田中をWBのように下ろして守らせたのは、右SBで出場した阿部のケアのためだったようだ。

[ ペトロヴィッチ監督 ]
どんな状況であってもアウェイゲームは簡単ではない。その中でわれわれは試合をコントロールしてチャンスを作れていた。しかし、それを決めることができなかったという試合だった。ここ最近の試合と同様に、なかなか得点を決め切れなかった。良かったところを見つけるならば、無失点に抑えたこと。内容を見れば、相手は前節の試合のように後ろからつなぐことをあまりせず、ロングボールを使う形で戦ってきた。そうした相手に多くのチャンスを作らせない戦いができていたと思うし、われわれが勝利しなければいけない試合だった。

--相手のペナルティーエリアに入るところで選手が消極的だったように見えたが。
おっしゃられたように、ゴール前での迫力、質のところでは相手に脅威を与えられたとは思っていません。ケガでチャナティップやジェイら複数の選手を欠く状況で、今日出場した選手はよくプレーしてくれたとは思うが、チャンスは作れていながらもそれを決められていない。決める割合を高めていく必要がある。ただ、今日は相手に最後にチャンスがあり、こういう試合ではああいった場面から得点を奪われてしまうということがサッカーにはある。あれが決まらなかったことはラッキーだったと思う必要があるかもしれない。

 チャンスを多く作りながらも「決めることができなかった」。本来ならば前半で勝負を決め切れた内容だったように思う。スコアレスで推移し、終盤にはピンチもあった中で、無失点に抑えられたことはポジティブ。「内容は上回ったが、スコアでは負けた」という典型的な試合は回避した。

2021 ルヴァンカップ第2節 FC東京vsヴィッセル神戸 メモ

 

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スタメン

 

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FC東京

保持

2CBと2CHでのボックスにSBもサポート。相手のプレスに詰まったらCBから前のスペースへ放り込む。CBが両側とも順足なので、蹴るのはスムーズ。

 

非保持

[4-2-3-1]セット。髙萩はボールサイドのボランチを優先で見ながら、CBにもプレスを掛ける。

森重が相手ボランチを捕まえに行く。

ブロックを組むときはSHが相手のSBに突いていき、大外を埋める。ただ、ホルダーにプレッシャーが掛からないと、1本のパスでSHが背中側を取られるシーンが目立つ。 

両CBが相手の動き回るFWに突いていくので、逆サイドまで出張してカバーすることが多い。

 

神戸

保持

ボランチを下ろしながら、小林を左にスライドさせて相手2トップ脇から運ぶ。ボランチが中央にとどまらないため、トランジションではフィルターが消えがち。

2トップはサイドへ流れたり、横幅を自由に動く。

  

非保持

[4-4-2]ブロック。マークをはっきりさせて1対1で負けないようにする。

 

 

 

流れ

 1分、小田が足を取られてロストすると三田をファウルで止めて早々に警告。

 

7分、神戸ベンチから中坂に対して「森重の背後に入れ」という指示。森重が前に人を捕まえに出ていくので、そこを狙いたい模様。

 

10分、岡崎の背後へのパスにディエゴが抜け出してGKとの1対1を制す。FC東京が先制。神戸は前がかりになった、背後のスペースのケアが甘くなってあっさり抜けだされた。

 

13分、敵陣の深い位置で奪った三田がそのままシュートを決め切ってFC東京が追加点。神戸は無理なつなぎが失点につながった。

 

15分、自陣で奪ったところからアダイウトン→ディエゴでロングカウンター。タッチが長くなったことでGKにキャッチされたが、決定機だった。

 

なかなか前進できない神戸。

19分、大﨑のフィードから2対1を作り出し、最後は安井のミドル。児玉がキャッチ。

 

24分、右から増山が入れたボールを小田がボレーで合わせたが、至近距離で児玉がキャッチ。好プレー。

 

FC東京も自陣で受ける展開になると、危ない雰囲気はある。全体的に後ろに重く、1回止めても、押し上げられない。

 

30分あたりから神戸のターン。FC東京はSHが大外を埋めるために下がるので、前向きでプレスを掛けにくい。神戸は2トップ脇から進入していく。

FC東京がサイドにふたをできず、初瀬からクロスを入れられるシーンが多くなってくる。

 

神戸のほうがボールを持ちたい意志は強く、プレスを掛けられても後ろでつなぐ。ただ、序盤はそれをひっかけられてピンチを招くシーンが頻発し、2失点。30分ころからはFC東京がテンションを落としたこともあり、落ち着いて持つことができたが、チャンスで決め切れず。

FC東京は勢いを持って入った立ち上がりで連続得点を奪い幸先の良いスタート。ただ、飲水タイムのあとくらいからは受ける時間が長く、サイドにふたをできないシーンも目立った。2トップ脇から入られて、SBに高い位置で受けられる。基本的にそこにはSHがついていって対応する守り方になっていそうだが、2トップ脇を塞げないことでパス1本で背後を取られるので、対応が間に合わない。守備面での課題はいくらか出た。

 

 

後半

三田→シルバ

三田は前半途中でテーピングをぐるぐる巻きにしていたので、軽い負傷があったのかもしれない。

 

神戸の左サイドvsFC東京の右サイドで神戸が上回る後半。

 

58分、櫻井、安井、小田→山口、サンペール、藤本

中坂が左SHに移り、藤本がトップ。

60分、髙萩→永井

 

62分、被カウンターを防いでアダイウトンが永井とのワンツーで抜け出すと最後は中村拓のフィニッシュ。枠内へ飛ばせず。

 

65分、ディエゴ&永井の2トップコンビでPAに進入し、右で浮いた中村拓へ。クロスは合わず。

 

69分、アダイウトン、ディエゴ→内田、レアンドロ

71分、中坂、増山→菊池、酒井

菊池を最前線にいれて、アバウトなクロスを増やす。左サイドは酒井と初瀬の2段構え砲台。

受ける時間は長くなっているが、永井の走力を生かした陣地回復、自陣でのつなぎからプレスを外してカウンターも打てているFC東京

 

86分、中村拓→青木

森重をCBに下ろし、岡崎を右SB、青木をボランチへ。

 

95分、カウンターからトランジションで出てきた中村帆がシュートも、GKにあててしまった。

98分、東が足をつる。

 

FC東京は立ち上がりで奪った2点を守り切って勝利。安定感はまだまだだが、リード後はラインを下げて耐え切る流れは19年っぽさもあった。カウンターから3点目を決め切れていればもう少し楽に運べたが、無失点で抑えきったのはポジティブ。

神戸は前半から後方でつなぐ意思を見せていたが、終盤は菊池を最前線にいれるなど、なりふり構わず点を取りに来た。理想と現実のどちらを優先したのかが見えづらく、事故も起こせないまま終わった。 

 

トピックス

アダイウトンと櫻内の元ジュビロマッチアップ。

FC東京

 9分、髙萩のサイドチェンジ。

40分、三田が左ふとももあたりにテーピングをぐるぐる巻きにする。さらにピッチへの復帰が認められないタイミングでプレーに関与し、警告。試合後に「モモカン食らっちゃって」と言っていたので、打撲か。

 

神戸

19分、大﨑のナイスフィード。

菊池のFW起用。

 小林が脳震盪の疑いで交代。

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷川 健太監督 ]
ルヴァンカップの予選リーグと考えても、リーグ戦で少しずつ内容が伴って勝つことができている状態で、この試合は非常に大事な試合と位置づけて戦いました。この試合で悪い結果になってしまうと、また流れを持ってくるのは時間がかかるので、継続という意味では非常に良いゲームをやれたと思います。特に立ち上がりで2得点を取れたことは東京らしい立ち上がりを再現できたと思います。その後、少し疲れて前半は押し込まれる場面もありましたけど、後半はしっかりラインを上げて3点目を取れるようなチャンスを何回か作ることができた。チーム全体としては非常に良かったと思っています。ここから大事な試合が続くので、この流れをしっかり継続させて(リーグ次節・)名古屋戦に向けて準備をしていきたいです。

--髙萩 洋次郎選手が今季初先発となったが?
アクセントをつけられる選手なので、攻撃のアクセントを期待して使いました。もちろんバランサーとしても優れた選手ですので、攻守のバランスをとりながら彼の攻撃センスを出してもらいたいと思っていた。神戸戦は非常に相性の良い選手の1人だと思うので60分間素晴らしいプレーをしてくれたと思っています。

--無失点で抑えたが?
最後まで集中力を切らさずに、前半に2回くらい危ないシーンはありましたけど、児玉(剛)が非常に集中してセーブしてくれた。後半は集中を切らさずにディフェンスラインも対応してくれたと思いますし、全体的なラインも押し上がってチーム全体で攻守のバランスはとれたと思っています。

FC東京らしい形で「立ち上がりで2得点を取れた」のが大きかった。時間がたつにつれて「押し込まれる場面」もできたが、児玉を中心に守り、完封勝利。髙萩の起用も攻守に効いており、特に守備ではボランチを消す立ち位置で、ほかの選手と差別化できる特長を見せられた。

[ 三浦 淳寛監督 ]
失点のところはもったいなかった。2点とも予測していた中で、われわれのミスがその失点につながってしまったことは反省しないといけない。0-2から追いつく気持ちで後半トライしたが、なかなかFC東京さんの守備が堅くて1点も取れなかったこともしっかりと反省しないといけない。

--1失点目はロングボールから一発だったが、そこも予測が必要だった?
前線が前からプレスに行っていて、FC東京さんもそのプレスで多少なりとも圧力を感じて背後のスペースに蹴ったボールだと思うんですね。両CBに関してはしっかりと予測をした中で防げるシーンだったと思います。

--2失点目は丁寧につなぐべきだった?
そうですね。パスが少しズレたのはあるが、それが結局、自陣でのそのミスが失点につながってしまったことは良い経験になったんじゃないかと思う。

--リーグ戦から先発メンバーを変更。若手選手も多かったが評価について。
できた部分とできなかった部分、それぞれの選手が感じていると思う。ハーフタイムにも、試合後にもロッカーで話をしました。当然ながら課題は毎試合あるが、その課題とどう向き合って克服していくかが一人ひとりの成長に必ずつながる。今日の改善点はしっかりと改善して、個々の成長に期待したい。

1点目のシーンについて「プレスで多少なりとも圧力を感じて背後のスペースに蹴ったボール」ではあったかもしれないが、岡崎の配球能力を考えたら、両CBのリスク管理が足りなかったと言わざるを得ない。2失点目についても無理につなぎすぎているように見え、道筋が頭の中で整理されていないのか、リリースがワンテンポずつ遅れて食われていた印象があった。

2021 J1リーグ第6節 FC東京vsベガルタ仙台 メモ

 

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スタメン

 

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流れ

 仙台は西村しかおってこないので、FC東京がボールを持てる。

バックライン+森重から左サイドに預けてアダイウトン、ディエゴ、小川らでゴールに迫っていく。

CBへの圧力が弱いため、渡辺剛もオマリもストレスは少なそう。

 

トランジションでは、敵陣深くまで人を捕まえに行って激しく潰すFC東京

5分、渡辺剛が潰してカウンターに移行したところで田川がファウルを受けてゴール前でFK獲得。 

 

落ちついた入りの仙台、激しく寄せるFC東京という立ち上がりで、FC東京のほうが勢いを持って入れている印象。

 

強めのボディーコンタクトも流し気味な山本主審。

10分、右サイドからのクロスで初めてPA付近まで攻め込めた仙台。しかし、そこからのカウンターを受け、マルティノスに警告。

 

17分、ディエゴの抜け出しから1人でシュートまで。平岡がブロック。

 

21分、東→中村帆→三田で完全に崩したがシュートはスウォビィクの正面へ。中村帆の背後への動き出しと東のフィードが完全に合った。

 

22分、クイックリスタートからマルティノスとオマリの1対1。マルティノスが縦突破で交わしてクロスまで持ち込んだが、渡辺剛がクリア。

23分、それで得たCKから蜂須賀が決めて仙台が先制。小川が上がり、オマリの守備が広がったところを狙った攻撃から得点につなげた。

 

25分、右から中盤をワンツーで抜け出した田川がカットインミドルを突き刺して同点。特に狙った流れではなかったが、失点直後に追い付いた。ミドルでスウォビィクの壁を破る素晴らしいシュートだった。

 

28分、アダイウトンが何もないところから仕掛けて3人をぶち抜く。パスは防がれたがCK獲得。

 

29分、仙台がカウンターからゴールに近づくが、児玉がクリア。逆にカウンターを防ぎに行った平岡が警告を受ける。

 

36分、イーブンボールに足を出した結果、氣田の足を踏みつけてしまった渡辺剛に警告。

 

42分、スローインをカットしたところからディエゴがファーへ流し込んでFC東京が逆転。中盤でのワンツーで相手の2ndラインを突破する形が効いている。

 

 強度、テンションともに良い入りができたFC東京。押し込みながら自分たちの時間を多く作り出せたが、ちょっとした隙から先に失点。ただ、直後に田川のゴールで同点にできたことによって、ダメージはほぼないに等しい状態に戻せた。そこからカウンターでピンチを迎えるシーンもあったが、渡辺剛、児玉らがしっかりと防いで、43分にはディエゴが決めて逆転に成功。前提として内容が悪くないのはもちろんだが、田川が失点の直後にゴールを決めたことがメンタル的にも非常に大きかった。

 

仙台はゲームを落ち着かせながら隙を狙いたいという意図がありそうだったが、ディエゴやアダイウトンの馬力を抑えきれないシーンが多く、予想以上にゴール前で受けるシーンが増えたのではないかと思う。その中で先制に成功したが、リードできたのはわずかに1,2分。さらに前半終了間際にも追加点を許し、かなり苦しくなった。

 

 

後半

かなり前からの圧力を強めて入ったFC東京。SBもかなり高い位置までWBを潰しに行く。当然リスクは高まるが、それ以上に、後半も勢いを持って入りたいという意図だろう。

 

53分、バックパスをかっさらったアダイウトンがそのままシュートも、枠外へ。

 

59分、仙台が左のクロスからファーで真瀬が余ってシュートも小川がブロックに間に合った。

VARとの長いコミュニケーションがあったあと、オンフィールドレビューでハンドチェックが行われたが、ノーハンドの判定。

 

63分、田川→渡邊凌

 

66分、カウンターからアダイウトンが1人でシュートまで持ち込むが、シュートに威力がこもらず枠外へ。

60分あたりからFC東京はテンションを下げてラインを低くする時間が増えた。仙台は敵陣でもって崩せるかどうか。FC東京はディエゴとアダイウトンを軸にしたカウンターがあるので、受けに回っても点を取れる雰囲気はかなりある。

 

71分、アダイウトン、三田→永井、内田。シマオ→赤﨑

仙台は[4-4-2]にシステムを変更。

 

73分、前プレからのショートカウンターで最後は渡邊凌がフィニッシュもシュートは惜しくも枠外へ。選手交代から明らかにプレスラインを上げたFC東京。永井のチェイス、渡邊凌のコースの切り方が効いている。

 

75分、西村、蜂須賀→皆川、石原

83分、真瀬、氣田→アピアタウィア、加藤

 

FC東京は前からの圧力が少しずつ弱まり、仙台はプレスを外せるようになる。FC東京は後ろの枚数を減らして前へ出ているので、1stラインを外されるときつい。渡邊凌と内田のハードワークでなんとか消す。

 

91分、渡邊凌が負傷。

仙台はCKから枠内へシュートを飛ばすが、ディエゴがゴールカバーでかきだした。

渡邊凌→シルバ

 

シルバは前目で放り込みと運びでの前進をけん制する役割。

 

自陣での守備は危険なシーンもあったが、前線のエネルギーを高めながら前から追う守備で押し返す流れを作ったのは良かった。欲を言えばショートカウンターが決まりそうな時間帯に追加点を奪えれば理想的だったが、試合の流れの作り方と選手の頑張り、両方が伴った勝利だった。

 

仙台はFC東京の圧力に屈し、後方で食われることも多かった。プレスを剥がせた時には敵陣まで入り込めるが、ちょっとしたパスミスも多く、リズムがつかみきれていないような印象を受けた。

 

トピックス

激しい接触には比較的寛容な基準で開始したが、警告はけっこう厳しめな山本主審。基準はブレていない。

FC東京

 28分、なにもないところから1人で3人をぶち抜くアダイウトン

ディエゴの不思議なゴールパフォーマンス21年ver.子ども関係?

45+3分、1人だけでキープしながら前進もしていくディエゴ。

中村帆高のバックドアが決まりまくる。守→攻の切り替えの早さも抜群。

最後までチェイシングに参加できる東の運動量。

ぶつ切りの出場機会でしっかりと安定したパフォーマンスを披露する児玉。

途中出場の渡邊凌磨が負傷交代。原因は不明。

 

仙台

 小川との競り合いで痛めた真瀬が自ら×印をベンチへ送る。負傷の可能性。

イラつくマルティノスを吉野が抑制する。 

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷川 健太監督 ]
前半の立ち上がりは非常に良く、内容的にも悪くなかったと感じます。先制はされましたけど、立ち上がりからゲームをコントロールすることができたと思います。その中で逆転することもできた。

後半に入ってからは立ち上がり15分くらいまでに3点目を取るチャンスが何回かあったと思いますが、そこで取り切れず、あとは体力的な部分で中3日、連戦の5試合目ということで全体的に最後は疲れて、仙台のほうがフレッシュで運動量を上げてきた。少し危ない展開にもなったけど、最後にゴールを死守して勝ち切ったところは選手たちが頑張ってくれたと思います。

--田川 亨介選手のゴールは展開的にも大きく、自分でドリブルで運んで決めたゴールだったが、長谷川監督はどのように感じている?
点を取られた直後だったので、チームにまた活力を与えてくれるゴールを取ってくれたと思っています。パワーは昔からあるが、なかなか狙ってという形でのゴールは少なかった。最近、練習でコースを狙ったシュート練習を個人でやっている成果が今日のゴールに出たと思っています。非常に素晴らしいゴールだったと思っています。

--児玉 剛選手と三田 啓貴選手の活躍が目立ったが?
素晴らしいプレーをしてくれたと思います。三田の調子が良いことはキャンプ中からずっと分かっていた。森重(真人)がアンカーに入るときに組み合わせて使いたいと思っていて、そういう意味では東(慶悟)と森重とうまく中盤をコントロールしてくれたことはチームにとって非常に大きな収穫だと思っています。児玉に関してもいつ出てもいいような準備を日頃からしてくれていますので、しっかりとした仕事をしてくれたと思っています。

 「3点目を取るチャンス」を決め切れていればもっとラクな展開にできたが、「ゴールを死守して勝ち切った」ことも評価に値すべき点。交代でギアを上げ、ハードワークも落とさずに乗り切れたのが大きかった。

[ 手倉森 誠監督 ]
まず自分たちとしては、仕切り直しだという意味合いを込めた試合にした中で、敵地で最初に点を取れたというところでは、良い入り方ができました。ただし、警戒していたFC東京のストロングのアタッカー陣の個に対して、2失点してしまったところは反省材料ですけれども、これまでの4戦を見てきた中で、失点を引きずってまた失点してしまうようなことが2つ以上は今日はなかったこと、なおかつチャンスを作れてよもや勝点1を取れそうな展開、もしくはひっくり返せるような展開を最後までやれるようになったところは、これまでのチームと変化が見られました。

--[3-4-3]でのゲームプランについて。
FC東京のダイレクトプレーで、(FWの)3人のパワーがあるところに(ボールを)入れてくるので、そこに人数をためておいて対応したい。その対応できた先に点を取れたというところまでは、本当にプランどおりでした。

--2失点について。
(寄せが)甘かったからこそやられました。あれくらいの人がいたときのチャレンジするタイミングと間、あと幅というものを思い切ってやらなければいけません。

 

2021 J1リーグ第5節 FC東京vs湘南ベルマーレ メモ

 

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スタメン

 

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FC東京

保持

[4-1]ビルド。背後への抜け出しと出し手の意図が合えば、前に流し込む。中盤でポイントが作れれば、敵陣まで押し込んでから中央でコンビネーションでの崩しを狙う。

森重は横幅も広く動き、ボールを受けに行く。 逆に動きすぎる分、トランジションで中盤が空く。

 

非保持

後方は2枚のCBでリスク管理

シルバが前に出てCBへプレスを掛けるシーンも。 

相手のアンカーには森重が出て捕まえる。

 

湘南

保持

[3-1]ビルド。後方でつなぐが、詰まったら迷わず前へ蹴る。 

大外で待つ高橋へ届けるロングフィードが多い。

相手アンカーが前に出てきた背後のスペースに2トップが下りて起点づくり。

 

非保持

 [5-3-2]ブロック。相手の右SBには高橋が縦スライドで対応。

 

 

流れ

球際へ激しくいくが、少し遅れ気味なFC東京

FC東京が前に速く攻める、湘南は比較的持つという傾向の中、湘南が保持してFC東京が受ける構図ができる。

 

水がかなり多く撒かれているように見える。

 

中盤が間延びし、バランスが悪いFC東京

 

連戦下ということもあり、両チームともにインテンシティーは低め。

 

18分、中村拓が自陣深い位置で軽率なプレー選択。自陣でも落ち着いて持てることは武器でもある反面、リスクでもある。

 

27分、森重のロストから湘南がショートカウンターFC東京は帰陣が間に合ったが、大橋の突破を止められず、最後は山田に決められた。

FC東京は中盤3枚が留守になることが多い。そのぶんCBが前に出て潰さなければならないが、CBが出ていくには距離が遠い。

 

32分、高橋の仕掛けから上がったクロスを岡本がファーで折り返すが、中で合わせられず。触れば1点のシーンだった。

 

37分、前からハメに行って相手のパスミスを誘発。ディエゴ→渡邊凌でシュートまでいき、田川がこぼれ球を詰め切って同点。

 

39分、ビルドアップで中盤のプレスをかいくぐると中村帆のクロスをディエゴが合わせて逆転。フリーだったとはいえ、逆足での素晴らしいピンポイントクロスだった。

 

 

FC東京は少ないチャンスを連続でモノにできたことが大きい。先制点を許すなど内容が良かったとは言えないが、スコアを優位に進めるのは重要。ただ、毎回のようにディフェンスラインの前のスペースを使われて失点しているのはやはり気になる。

 

湘南は悪くない内容で先制したが、自陣でのミスから失点を許すと、そこから立て直せなかった。両チームともにいえることだが、あまりエネルギーの高さは感じないので、良さを出し切れていない印象もある。

 

後半

湘南はアンカー・田中のところを軸にしながら、保持で崩しに行く。FC東京はカウンターでチャンスを作りだす。

 

51分、カウンターからシュートまでいったが、体勢が悪く田川のシュートは枠外へ。中村拓の切り替えの早さが素晴らしかった。

 

湘南は敵陣での押し上げ、前線からのプレススピードが上がった。FC東京は自陣で余裕をもってつなごうとするとプレスに食われる。

 

55分、シルバ、渡邊凌→安部、アダイウトン

それぞれそのままのポジションに入る。

 

湘南はサイドからのクロスでチャンスを作ろうと試みる。FC東京は[4-3]で守るため、大外とファーが浮きやすい。

 

63分、ディエゴが個人でサイドを突破し、シュートまで持ち込んだが、谷の好セーブに阻まれる。

 

67分、最後方からのロングボールに田川が抜け出してシュートまで。角度がなく、谷にセーブされた。

 

68分、町野、大野→石原直、三幸

田中が左CB、三幸がアンカーに入る。

 

湘南はアンカーがマーカーに捕まらないように、最終ラインまで下りることが多い。そうなるとFC東京はマーカーが突いていけず、最終ラインでフリーが生まれる。

 

68分、ディエゴのスルーパスからアダイウトンループシュートを狙うも、GKの頭を越せず。FC東京は立て続けにチャンスを作る。

 

75分、ディエゴのチェイシングで石原広からボールを奪いかける。

 

78分、高橋が左サイドから斜めのランニングでボールを引き出すと、最後は山田の折り返しに髙橋が中で合わせて同点に。

FC東京は前線のプレッシャーが掛からなくなり、全体が下がり始めていたタイミングでの失点になった。

 

79分、中村拓、田川→小川、内田

小川が左SBに入り、中村帆を右SBへ移す。

 

80分、CKの流れから森重→渡辺剛で再度勝ち越し。それぞれの強さが際立ち、空中戦で二度競り勝てたことがゴールにまでつながった。

 

82分、ディエゴ→永井

 

85分、湘南のCKから枠内シュートを放つも、波多野がビッグセーブ。1点もの。

 

87分、山田→茨田

 

90分、CKで谷が上がってくる。その谷に内田をマークにつけるFC東京

 

最終盤は両WGの内田とアダイウトンがはっきりと深くまで戻って守備をする。

 

93分、カウンターの起点になりかけた永井がロスト。奪い返そうとプレスバックに戻ったが、ファウルで止めてしまいゴール前でのファウルを与える。

三幸が直接狙ったが、わずかに枠の外。

 

FC東京は守備の不安定さを抱えながらも、後半は前線のタレントを生かす攻撃ができていた。理想を言えばペースを握れた60~70分あたりで3点目、4点目を取れればもっとラクな試合運びができたはず。ただ、取られた中でも取り返すメンタリティーを発揮できたのは素晴らしかった。

 

湘南はボールを持たせてもらえる時間が長い中で、決定的な打開策がなかなか見つからず。得点シーンはいずれも、大橋の仕掛け、高橋のランニングと1つの工夫が加わっていた。シンプルなクロスでも事故を起こせそうな雰囲気を出せていたが、“違い”を作る回数を増やしたい。

 

トピックス

FC東京

 安部が黒髪に戻った。

 

湘南

町野のロングスロー。

 

コメント抜き出し

(※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷川 健太監督 ]
難しい試合展開で内容も褒められたものではないと思いますが、よく選手たちが頑張って勝点3をもぎ取ってくれた。非常に大きな勝利だったと思っています。

--SBからのアシストでディエゴ オリヴェイラ選手にゴールが生まれたが?
ディエゴは真ん中で起点にもなり、これで2点目なので、これで乗っていってくれると、前線の核になってくれるのかなと期待しています。(中村)帆高のクロスは、右サイドでもあのくらいのボールを上げてくれるとより頼もしいですが、今日は大事な場面でピンポイントで上げてくれたと思っています。昨季の課題であったSBからの得点が5節で生まれたことは、チームにとって非常に明るい結果だと思います。ただ、これを続けていかないといけないので、さらにチームとして得点を取れるように戦っていきたいと思います。

--湘南に押し込まれた時間帯をひっくり返せたことが1つのポイントだったと思うが、どんな指示を与えていた?
指示は与えていなかったです。試合前に思い切ってやれと話をして、良くても悪くても選手たちを見守って前半を戦おうと思っていた。前節、湘南が仙台に勝って内容的にも素晴らしく勢いを持って味の素スタジアムに来たことは当然分かっている。1点取って、湘南も気分よくサッカーをしていたと思うので、あの時間帯に選手たちがどういうリアクションをするのかベンチで見ていました。ミスも非常に多くて大丈夫かなと思っていましたが、田川(亨介)の得点が活力を与えてくれたのかなと。あれで蘇ってきたというか、動きが良くなってきたので、ゴールに勝る薬はないなとあらためて感じました。

--90分を通じた試合運びや最後のゲームの締め方についてはどう感じているか?
やっぱり序盤戦で勝星を重ねていくまで、よく私は「両目が開くまで」と言っているんですけど、2勝目を挙げるまではチームは勝ちにナーバスになる。勝っていてもどこかで追いつかれたくないと、守りの姿勢になりがちなんですが、前節はそういう形で追いつかれたので、今節は最後までアグレッシブに戦おうと話しました。それでもやっぱり選手はどこかで勝ち切りたいというか大事にいきたいという心理が働いて、最後にガチガチになってしまうのは致し方ないかなと。序盤戦はどのチームもそうだと思いますが、本当に1勝することが大変で、勝っていくと段々チームは乗っていくが、それまではどうしてもリードしていても不安はつきまとうし、自信は勝たないとチームに生まれて来ないので、乗っていくまではどうしてもバタバタ感は否めないと思っています。ただ、そういう中で勝ち切ったことは、よく選手たちが踏ん張ってくれたと思っています。

「内容も褒められたものではない」が「非常に大きな勝利」であることは間違いない。「最後までアグレッシブに戦おうと話した」中で「アグレッシブ」さが不安定な方向に出てしまっているのは課題。「バタバタ感」を早めになくしたい。

[ 浮嶋 敏監督 ]
ゲームの成り立ち的にはわれわれが予想していたゲームプランで、今日は先制点を取れると思っていましたし、選手にはそういう話をして送り出しました。点が入ったときに2点目を狙いにいくメンタリティーをあの時間帯は持てなくて、2失点してしまった。悪い流れを断ち切れなかったことは、前半の部分の反省だと思います。後半は自分たちの攻撃のメンタルをしっかり持って、良い形から同点に追いついたときに(勝ち越し点を)狙いにいくんですが、セットプレーのところで、相手の攻撃が終わるまでしっかりマークをすることをおろそかにした結果、ああいう失点をしてしまった。やるべきことをやる時間帯にやることをしっかりできなかった故に1点届かなかったゲームだと思います。

--1点差でもったいない負け方だったと思いますが。
そのとおりですね。1点差負けを狙っているわけではないので、そのとおりだと思います。

--勝点1を狙うこともできたと思われるが、そこについてはどう考えているか?
もちろんアウェイですし勝点1を狙う戦い方もできました。同点に追いついたタイミングで交代を待っている状態だったので、勝点1だけを狙うのであれば交代しないこともプランとしてはあったと思います。ですがこのゲームは勝点3を取れるゲームだったと思いますし、取りにいった結果なので、勝点3を取りたかったなと思います。

「2点目を狙いにいくメンタリティー」を持てなかった中で一発を食らい、連続失点。「悪い流れを断ち切れなかったことは、前半の部分の反省」になった。