がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2024 J1第4節 アビスパ福岡vsFC東京 メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

福岡は新加入のザヘディが初のメンバー入り。

FC東京エンリケが出場停止で木本が先発。ディエゴ、小柏がメンバー外に。高が初のメンバー入りで先発。

 

流れ

左からのクロスに4枚近く飛び込んでくる福岡。

高がアンカー位置。小泉が左前サポート。

福岡はウェリントンがアンカー監視でセットしたところからスイッチを入れて前プレ開始。

松木と荒木は落とし役として列降りしてくる。

東京はショートパスでプレスを外して保持の陣地を上げる。

福岡は一度外されたら割り切ってラインを下げて5-4ブロックに以降。バックパスでラインをアップできたらまたプレスのフェーズに切り替える。

荒木が下りて受けに行くところのバランス取りか、左にボールがあるときは仲川がストライカー位置に入ってくる。

小泉と高の2人がウェリントンの両脇に立って、数的優位を作る。

福岡は撤退時にPA内の人数が多く、密集度がかなり高い。中央突破は至難の業。

シャドーがCBに出ていくことでプレススイッチが入る福岡。ウェリントンはアンカー位置プロテクト。WBがSBに出ていって縦のふたを作る。

東京は小泉と高が最終ラインのサポートに入って、相手のプレス隊の人数が合わない状況を作ることで保持のエリアを押し上げる。福岡はシャドーがプレススイッチを入れるタイミングを計っているが、ボランチが下りてくることで基準がズレるので、行かない判断を取っているか。

14分、前に警告。

荒木が縦パスのレイオフ役で効いており、福岡はつぶしに出てくるが、ワンタッチではたかれて起点をつぶせない。

小泉が重見をピン止めしたところで、松木がトップ脇に潜り込んでいくことでフリーマンを作る。

東京は4-4-2ブロック。2トップで3バックの横幅を見る。

ボランチがサイド守備のサポートに入り、中に入れさせないようにする。

遠藤が大外に張り、バングーナガンデがインサイドのライン間に入る。SH-CH間を通してライン間受け。

27分、東京先制、0-1。バングーナガンデが大外からグラウンダーの速いクロスを入れると、ファーで待っていた長友がコントロールからのボレーでネットを揺らす。シンプルに入れてもはね返されるので、地上で抜いてパスを通した。松木と荒木がニアに入っていたことで、福岡DFの目線がそっちへ行っていたこともある。

31分、東京追加点、0-2。一発のロングフィードに抜け出した遠藤がタメを作って、追い越した荒木がゲット。ショートパスでのつなぎで安定したところから、相手が前に出てきたら一発の背後を狙ってゴールまで。完璧すぎる流れの試合運び。

2点ビハインドになった福岡は保持の時間を作りにかかる。プレス強度も上げる。井上を右の高い位置まで出してクロスを入れる場面も。東京は4-4-2セットでWGもしっかり中盤のブロックに入れて守る。前線は2トップで横幅を見る。

福岡は小田と長友の高さのミスマッチを突いて、そこの空中戦を起点にセカンド回収を図る。

荒木でサイドを制限し、松木がボールサイドのボランチを捕まえ、サイドで閉じ込める東京。福岡は無理めなパスを入れてロストするシーンが多い。

45分、小泉に警告。

ここ3試合と異なり、WGがかなり深い位置まで戻って守備をする東京。SBが前に出たときには最終ラインの高さまで戻り、大外での1対1の役も担う。

 

東京は立ち上がりからビルドアップを安定させて、保持のエリアを高めてコントロールする時間を長くする。また、ロスト後もカウンタープレスで福岡に前進の時間を与えず、ボール保持を続ける。ロングボールを受けるシーンでも、セカンド回収率を高めることでゲームを落ち着かせる。保持でのコントロール、敵陣での試行回数増加から先制点い結び付け、その後福岡が前に出てきたら背後を使って追加点奪取と、東京が理想的な試合展開に持ちこむ。福岡は2点ビハインドになってからプレス強度を上げて保持の時間を作り、クロスからゴールへ迫るも東京のはね返しも強い。東京は4-4-2ブロックで2トップが横幅を見ながらプレスを掛け、WGもしっかりと深い位置まで守備に戻す。荒木でサイドを限定し、松木が同サイドボランチをケアすることでサイドに蓋をしてパスコースをなくす。東京が自分たちのゲームプランを遂行し、2点のリードを奪う流れ。福岡はプレスをハメる時間を全然作れなかったことが誤算だろう。

 

 

 

後半

福岡交代

井上→岩崎

システムを4-4-2に変更。岩崎が2トップに入る。

福岡は岩崎を背後へ走らせてシンプルに深さを作っていく攻撃パターンができた。

岩崎の左裏流れはかなり多くみられる。そこから長友らとの1対1を仕掛けていく。

福岡は奪ったらひたすら岩崎を走らせる形で陣地を押し返していく。そこからのパス交換からのクロスでウェリントンを狙う。

56分、東京追加点、0-3。オープンアタックで中央を運び、ルーズボールを回収して右サイドからクロス。中のターゲットには合わせきれずファーまで流れるが、そのボールをバングーナガンデがボレーで見事に合わせてゲット。福岡ペースで進んでいた後半だったが、東京が一撃で仕留めた。

58分、福岡交代

ウェリントン、金森→ザヘディ、鶴野

鶴野が2トップに入り、岩崎が左SHに移る。

高い位置でセットしたところから前プレスを掛けていく東京。4-4-2同士になっているので、マッチアップをはっきりさせて人を当てる。

64分、重見に警告。

プレスで奪ってからアンストラクチャーな局面で攻めていく東京。中央でためてからサイドへ送ってのクロス。ファーサイドの死角から入っていくことで、ターゲットの変化をつけている。ニアに人を入れて目線を向けさせて、本命はファーに置く。

人をハッキリ当ててプレス強度を高めることで東京のビルドアップをさせないようにする福岡。

福岡が前向きの矢印を強めて圧を掛ける。東京はその背後を狙おうとしているが、福岡の圧のほうが上回る時間が多い。

70分、東京交代

遠藤、長友→俵積田、中村

71分、福岡交代

重見、小田→松岡、亀川

福岡は交代カードをすべて消費。

東京は保持を安定させることでゲームをコントロール。福岡の前向きの圧も最前線のところは弱まったか。ボランチとCBらの迎撃は強い。無理にチャレンジのパスを入れず、サイドでパス交換しながら穴が空くのをうかがう。

東京は前半同様WGもSHとして振る舞って大外守備に戻り、2トップも中盤ブロックの前に入ってサポート。

79分、東京交代

荒木、仲川→シルバ、東慶

81分、福岡得点、1-3。

右サイドからのクロスで混戦を作り出し、最後は松岡がプッシュしてゲット。

福岡の保持はCBからの配球が起点。シルバがCBのところまでアタックをうかがってくるので、その背後にできているサイドの巣的優位を使おうとする。

福岡は狭い場所でも紺野の仕掛けでゴールへ近づく。ただ、東京も人はそろえているので、深いエリアでの突破は許さない。

88分、東京交代

東慶→安斎

東は入ったばかりだが、交代に。特に負傷した様子もなく、おかしなところもないように見えたが…。

90分、前嶋に警告。

安斎が右SHに入り、シルバが2トップの一角へ移る。

92分、安斎に警告。

福岡は徹底的にバングーナガンデの近辺でスペースを狙う紺野に配球して深さを作り、仕掛けのフェーズに入る。

 

前半はロングボールのセカンド回収で押し上げを図っていた福岡だが、岩崎を投入したことで、左裏へ走らせて深さを作り、敵陣での保持のフェーズを作りにかかる福岡。奪ったら徹底して背後の岩崎を狙っていく。サイドでのパス交換からクロスを送るタイミングを見計らい、ウェリントンを目指して蹴っていく。東京は押される時間が続きながらも、福岡の強度を上げたプレスに対し、つなぎと背後へのボールで押し上げを図る。そしてトランジションの流れから3点目を奪取。あとがなくなった福岡は2枚替えでエネルギーアップを狙うが、東京も保持を安定させてゲームをコントロール。WGを入れ替えたあたりからは個人の推進力が増す代わりにサイド守備に若干の不安が出たが、失点を1にとどめて逃げ切り成功。東京はいくらかオープンになってしまった終盤のコントロールは課題に挙げられるが、前半からやりたい展開に持ち込むことができたプランどおりのゲームだったと言える。福岡は前半でプレスがハマる時間が少なく、一気に2失点。もともと得点力に特長を持っているチームではないので、先に失点した時点でバランスを崩す選択をしなければならず、苦しくなった。また、ギアを上げたい終盤で前線の圧力がいまいち上がっていなかったのも誤算か。

 

個人的MOM

★高 宇洋

中盤で動きながら各所とのつながりを作って保持を安定させる役割を担い、それによって前半の主導権を握ることに成功した。また、守備でもトランジション、非保持ともに中盤でフィルター役となり、横断を防ぎながらプレッシャーを掛けて押し返す仕事をやり切った。

ともに1得点1アシストを記録した両SBの長友、バングーナガンデも高評価。この試合の限らずだが、荒木のポストもかなり効いていた。

 

トピックス

東京は東福岡高校出身の荒木と長友がそれぞれスコアラーに。また、アウェイ福岡で勝利を挙げたのは24年ぶりとのこと。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷部 茂利監督 ]
苦しい展開となってしまいました。前半で自分たちが守れていそうで守れていない。2失点してしまった。入りこそ悪くなかったとは思いますが、自分たちのアグレッシブなスタイルを出すことができませんでした。出せたのは最後の10分、15分くらい。0-3になってからそういうものを出せたと思うので、ある意味敗戦は認めて、1得点と選手たちが最後まであきらめない、スタジアムがそれを後押ししてくれた雰囲気も含めて次のゲームにつなげていきたいなと思います。

--自分たちのリズムを作り出せなかった要因は?
自分たちのスタイルを前面に出しながらも、微修正を試合の中でしていかなくてはいけないのですが、その部分でアジャストできなかったところはあります。逆に、FC東京の選手たちはそれができたのではないかなと。そこに少し差が出てしまった感があります。

--シャハブ ザヘディ選手が加入後初出場となりました。
何度か味方選手とつながりながら攻撃のところ、守備のところもある程度理解しながらというところで、見切り発車というか、時間がない中で順応しようとしてくれていました。最後、得点のところにも絡んでくれましたし、そこは前向きに捉えて、もっと良くなると思います。活躍できるように選手、スタッフ含めてみんなで彼をピッチに送り出していきたいと思います。

 

[ ピーター クラモフスキー監督 ]
強く良いパフォーマンスを出すことができました。よく戦ってくれた選手たちを誇りに思っています。試合に関しては、自分たちがうまくコントロールしながら、その中で裏を取って、起点を作るようなプレーから得点が生まれたと思います。後半もそのまま継続して戦い、3点目、4点目を目指して戦えていたと思います。後半の中でコントロールを失っている時間帯がありました。それは福岡さんが長いボールを蹴ってくるとか、そういうダイレクトなスタイルがあったからだと思います。それを教訓として自分たちを改善して継続していけるようにしたいと思います。

非常に良いゴールを取れたと思いますし、良いチャンスを作ることができたし、良いフットボールをすることもできたと思います。選手たちが非常に献身的に、また自分たちがやっているフットボールに対して信念を持ちながら戦ったと思っています。自分もそれに感動しました。そして最後まで声援を送ってくれたサポーターの方々に笑顔で帰ってもらうことができてうれしく思っています。この試合で勝点3を手にするにふさわしいものを出せたと思いますし、ここからまたパフォーマンスを分析して、継続して自分たちのものを作っていければいいと思います。

--先制点を挙げた長友 佑都選手の評価をお願いします。
すごく良いパフォーマンスだったと思います。そして素晴らしいリーダーであり、クラブのレジェンドであり、特別な選手だと思っています。ゴールはすごく良かったと思いますし、それは前半、自分たちがボールを支配した中での得点だったと思います。アグレッシブに自分たちの良いところを持ちながらできたと思いますし、もう一度ビデオを確認しないといけませんが、おそらくペナルティーエリアの中だったと思いますが、SBがそこにアグレッシブに出てきていた。彼がよくやったから返ってきたと思いますが、それまではチームとしてみんながやったこと。

もちろん、FC東京を愛する方々は彼がもう一度日本代表に招集されたことを誇りに思っていることでしょう。彼にとっても特別なことだと思いますし、日本にとっても特別なこと。本当に彼は赤ワインのような選手。また年齢を重ねるごとに成熟していくと思います。