がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第10節 横浜F・マリノスvsヴィッセル神戸 メモ

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スタメン

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畠中と岩田が出場停止。

マルコスは前節の負傷によりメンバー外とみられる。

 

流れ

神戸はフラットの[4-4-2]。山口と扇原の元セレッソ&ロンドン五輪コンビのボランチセット。

神戸は高い位置からハイプレスを仕掛ける。前から人を当てるための[4-4-2]とも言えるか。

マリノスは西村がボランチ監視役の[4-2-1-3]セット。WGが外目に立ちながらCBにもプレスへ出る。

マリノスは繋ぐ意識は崩さないが、SBやボランチのところで食われがちで、プレスを外すにはもう数テンポスピードを上げないといけなさそう。

相手の2トップを噛み合わせないように山根が下りて藤田がアンカー位置に入る[3-1]6分、ビルドを見せるマリノス。プレスタイミングがはっきりしない神戸は中央を経由されて前進を許す。

11分、ロングボールを入れる神戸。マリノスははね返しきれずセカンドを拾われてシュートを許す。

13分、實藤が持ち運んで敵陣へ進入するが、ロストするとそのまま被カウンター。神戸は小田が個人でPA内まで運んで武藤に届けたが、高丘にセーブされる。マリノスは良い前進だったが、ロストとリスク管理が最悪だった。

14分、シュートを打った際に山根と接触した武藤が負傷。ひざか足首に負荷がかかったように見える。

一時的に[4-4-1]で守る神戸。

16分、神戸交代

武藤→大迫

カウンターを打てている立ち上がりなだけに、個人で背後を取ってゴールまで迫れる武藤が欠けたのは痛い。

18分、松原が囲まれながらプレスを回避して宮市へ届けると、折り返しにロペス。神戸がギリギリでしのいだが、囲い込みが外されると一瞬でサイドからピンチを招くことが分かったシーン。

20-21分、2CBと山根で組み立て、巧みにプレス回避。アンカー位置には山口がついてくるが、それを逆手にとって西村が中盤でポイントを作る。

山根がアンカー位置でリズムを作りながら相手の2トップをずらし、ときにはロングフィードで展開もする。

28分、左で崩して最後はロペスのフィニッシュも、枠に阻まれる。

立ち上がりこそつなぎに苦労し、カウンターを受ける場面も多かったマリノスだが、20分前後からペースを握ってチャンスを量産できる状況に。

神戸は変わらずに縦に速くゴールへ迫る。武藤がいなくなったぶん少ない人数で攻め切るのは難しくなった印象があるが、大迫が入ったぶん前線のポイントは作りやすくなったか。

33分、右サイドをコンビネーションで崩すとクロスに郷家が合わせるも枠外へ。神戸は敵陣へ入りさえすればチャンスの空気感は漂う。

マリノスは自分たちの時間を作れているが、プレッシングはそこまで強くかけない。ラインは高く設定するが、ある程度は相手に持たれてもいいという考えもあるだろうか。

30分頃からは神戸の時間。マリノスは自陣では[4-2]で守るのでスペースが生まれやすく、神戸はコンビネーションからの打開を図る。

37分、CKから西村のゴールでマリノス先制。神戸の時間をしのいで流れを引き戻したタイミングのセットプレーで仕留めた。

38分、神戸の不用意なロストからFK献上。スコアの動きで互いのメンタルにも影響が出ているか。

神戸は再びハイプレスを仕掛け始める。ただ、マリノスもかなり慣れた様子があり、西村の列下り、ロペスの列下り等を駆使しながら回避する。

神戸は保持時は扇原がアンカーのような位置で山口が半列高い位置にいるイメージ。

 

神戸は立ち上がり10分こそ相手のビルドアップを遮断し続け、カウンターでゴールへ迫れたが、そこで決め切れずにいるとマリノスの攻撃を受け続ける流れに。30分頃に訪れた反撃のチャンスもものにできず、セットプレーで仕留められた。ビルドアップが落ち着かないこともあり、前進は難しくなっているが、敵陣まで入りさえすればチャンスはある。そこまで運ぶ手札が欲しい。

マリノスは若いボランチセットだったこともあって最初はバタバタだったが、山根がこなれてくるとビルドアップが安定。西村も中盤でポイントを作れるようになり、保持の形を作れたことが大きく、WGやロペスが仕掛けられる場面を多く作れた。あとは自陣での守備の時間を減らすことが求められる。

 

後半

45分、早速宮市で右サイド奥を取ったが、折り返しが合わず。

46分、自陣から抜け出したマリノスのカウンター。立ち上がりからかなりオープンな展開になっている。

神戸はシステムを[4-3-1-2]に変更。開幕からのシステムに戻した。

マリノスとしては西村を扇原にマンツーでつけられるので、ハメやすくなった気がするが、神戸の意図やいかに。

神戸が後方からつなぎにいくが、人につかれた状態でまったく前進できない。マリノスがシュートを打ちゴールキック→神戸ビルドアップを奪ってシュートまでの繰り返し。

50分、左サイドから敵陣に進入すると最後は山口のシュートまで。

52分、小田が抜け出してGKと1対1になるも高丘がセーブ。後方から戻ってきたDFのプレッシャーも感じたか。マリノスは相手のうまくいかないビルドアップの隙を突けているが、後方のリスク管理は甘い。

54分、神戸交代

佐々木、郷家→サンペール、イニエスタ

54分、左からの折り返しに小田が合わせるも枠外。チャンスに絡めているのは良いが、小田の日ではなさそうなシュートの外し方が続く。

57分、大迫がサイドへ流れてポイントを作る。マリノスは相手SBにSBが縦スライドで出ていくため、その背後は空きやすい。大迫が中央からいなくなるぶんターゲットは減るが、小田がスペースで勝負できればいいという考え方か。ただ、その小田が今日当たっていなさそうなのは難しいポイント。

イニエスタとサンペールが入ってからは神戸のペースになり始めた。

60分。小池裕→宮市でうまく合わせたがシュートはサイドネット。

61分、マリノス交代

宮市、藤田→水沼、小池龍

小池龍はそのままボランチの位置へ入る。

神戸のビルドアップをカットした流れから仲川→小池とつないで高速クロスをファーの水沼まで届けるがシュートブロックに遭う。

神戸は無理につながなくてもロングボールのセカンド狙いで前進できる。マリノスボランチが高さと強さに欠けるセットなので、そこでの勝負に持ち込めれば勝てる。

67分、小池裕→水沼で大きくサイドを変えてから水沼→西村でダイレクトにゴールを狙った。

両チームとも敵陣へ入ればシュートまでいけるという殴り合いの様相になっている。

68分、神戸交代

山川、小田→中坂、リンコン

小田は足をつっていたこともおそらく考慮されての交代。中坂を中盤に入れて扇原を左SB、酒井を右SBへ移動。

70分、マリノス交代

ロペス、仲川→エウベル、吉尾

71分、縦に速い攻撃から水沼→エウベルでチャンスもヘディングがヒットし切らずGKの守備範囲。

75分、左から大きく空いた右サイドで待つ水沼へ展開し、最後は後ろから走り込んだ松原のフィニッシュ。神戸は水沼のところが大きく空き、頻繁に使われている。

77分、水沼から西村もシュートはバー直撃。得点にこそなっていないが、何度もチャンスを演出する職人クロス。

80分、マリノス交代

小池裕→永戸

80分、右サイドでいとも簡単に抜け出すと、マリノスが3対1に近い局面を作り出すが、ラストパスがずれる。神戸はとんでもないバランスの取り方で、一度背後を突かれるとほぼ2人での対応になる。

82分、何度もシュートチャンスを作るが、決め切れないマリノス

マリノスは西村が強い圧力を掛けられるほど体力が残っていない雰囲気で、限定できないので後ろも守備が後手になりがち。

87分、リンコンのシュートは高丘がセーブ。シュートが乱れ飛ぶ展開。

90分、FKで遅延行為を取られた永戸に警告。相手の目線を変えるためのキッカーチェンジだったので、少し厳しい判定にも思える。

80分台後半あたりから實藤がかなり足を気にしている様子だが、大迫の突破を止めるなど奮闘。ケガにつながらないといいが…。

94分、カウンターから西村のゴールでマリノスが追加点。トドメとなる一撃。

 

前半も後半も互いにチャンスを作る時間が5分5分くらいにあった印象で、ノーガードで打ち合うような展開が続いた。マリノスにかなり疲弊しているが数名いたが、これだけ行ったり来たりすれば90分持たないのは妥当な流れ。決定機の数を考えればもっと早い段階で相手の心を折る追加点が欲しかったが、結果的に完封で勝てたことには意味がある。

神戸は小田が多くのチャンスを作ったが決め切れず、サンペールとイニエスタの早期投入で流れを変えたものの、無得点で敗れたのは痛い。相手も決定機を決め切れていなかっただけに、良い流れの時間帯で決められなかったのは痛かった。

 

個人的MOM

★西村 拓真

2得点で勝利に貢献。チャンスの数を見ればもっと決め切れたとも言えるが、加入1年目ながら早めに点が取れたことは今後に向けて大きいだろう。

 

途中出場でチャンスを量産した水沼も出色の出来。また、高卒ルーキーで先発を飾った山根も組み立てでリズムをもたらした。

 

トピックス

武藤が負傷交代。ひざか足首あたりへのダメージがありそうで、重くなる可能性も考えられる。

→全治8~10週間

ヴィッセル神戸 ニュース/レポート : FW武藤嘉紀選手の負傷について

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ケヴィン マスカット監督 ]
たくさんの良いところが見えた試合でした。選手一人ひとりがピッチ上でやらないといけないことを出し切りました。ナーバスな時間帯もありましたが、チーム全体でアグレッシブにあれだけのパフォーマンスを出してくれたことを誇りに思います。

--プロデビューを飾った山根 陸選手が素晴らしいパフォーマンスを見せました。彼の評価を聞かせてください。
自分はチーム全体を見ているので、個人の評価は控えたいのですが、彼がうまくパフォーマンスを出せるよう、周りが助けてくれました。そして、彼のパフォーマンスを見たご家族も、彼を誇りに思うはずです。90分通し、彼は素晴らしいプレーを思い切り表現してくれました。自分は日々の練習で彼を信じることができなければ、ピッチに送り出しません。彼を信じてピッチに立たせ、チーム全体で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

--ケガ人、出場停止が多い中、出番の少ない選手が活躍しました。この試合の意義を教えてください。
直近の柏戦でたくさんのことが起こりました。その中でメディカルチームが中2日で選手のケア、リカバリーをしてくれ、最高のパフォーマンスにつながりました。チーム全体で勝ち取った勝利です。自分たちを信じる強さ、試合の入りの姿勢も含めて、良い表現をしてくれたゲームでした。

--2ゴールの西村 拓真選手の評価をお願いします。
責任感を持って、相手にプレッシャーを掛け続けてくれました。そして、チャンスがいつ来てもいいように準備し、素晴らしい2ゴールが生まれました。また、チーム全体で自分たちのサッカーを表現したからこそゴールが生まれたと思いますし、素晴らしい結果を出してくれました。

 

[ 三浦 淳寛監督 ]
試合の入り方は非常に良かったと思う。その中でビッグチャンスもありましたし、試合を通じてビッグチャンスがけっこうあった印象があります。攻撃の修正点に関しては選手が意識を持ちながら狙いを持った攻撃ができたと思う。セットプレーの失点に関しては当然ながら修正していく必要があると思っています。

--今節は中盤ボックス型の[4-4-2]を敷いた。
選手の特徴を考えてのシステムです。昨季もトライしているが、途中からシステムを変えても選手がよく対応してくれたと思う。

--先発出場した小田 裕太郎選手について。
彼の特徴を生かした戦術をすごく考えている中で、彼自身も良いプレーがたくさんあったし、チャンスにも絡んでいた。あとは最後に決め切るところだと思うが、ポジティブに考えていきたいなと思う。