がちゃのメモ帳

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2021 J1リーグ第34節 アビスパ福岡vs大分トリニータ メモ

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スタメン

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前節・札幌戦から継続して[3-4-2-1]を採用した福岡。ジョン・マリは第20節以来、ジョルディ・クルークスは第26節・川崎戦以来の先発。

大分は町田がメンバー外。小林成が負傷からの復帰で4試合ぶりのメンバー入り。

 

 

 

流れ

福岡も勢いよく入ったが、大分が敵陣深くまで進入し、CKを得る回数が多くなる立ち上がり。開始から球際の激しさがある。

 

相手のボール保持ではブロックを固める大分だが、敵陣でのロストからはラインを上げて圧力を掛ける大分。福岡も窮屈そうな印象。

 

福岡はネガトラから1本目のパスに対しての寄せがかなり速い。

10分過ぎあたりから両軍ともに保持局面を作り、落ち着いてきた。カウンターを打とうとする意志も感じるが、どちらも寄せが速いのでなかなか縦に出せる時間がもらえない。

 

14分~宮のロングフィードをマリに合わせる→シャドーがセカンドを拾うというダイレクトなビルドアップを狙っている福岡。

 

18分、相手のパス交換を狙っていたマリが奪ってゴールを狙ったが、ロストしたトレヴィザンがギリギリで対応。ファウルっぽくも見えたが、家本さんの基準ではノーファウル。

 

飲水まで

立ち上がりから大分が積極的な入りを見せ、どちらかというと大分のペースでここまでは進んでいるように感じる。ただ、ともにシュートは少なく、スコアが動きそうな雰囲気はあまりない。福岡は慣れない3バックでのビルドアップに加え、マリにそこまで収まっていないので攻撃の形を作れない。

 

大分もかなり最終ラインから蹴っ飛ばす傾向があり、伊佐が頻繁に背後へ動き出す。

 

25分、トレヴィザンとの競り合いで痛む山岸。

→福岡の選手から「×」が出され、急いで準備する金森。ぶつかったときか着地したときに肩を痛めた模様。

28分

福岡交代 山岸→金森

 

31分、福岡先制、1-0。志知のアーリークロスにマリが合わせた。中央のターゲットはマリ1人しかいなかったが、志知がピンポイントで合わせる。普通に考えればゴールの確率が低い選択をしているが、志知のキック精度やマリの強さを考えると有効な手段になり得ることが示された。福岡は攻め手が見つかっていなかったので、シンプルな攻撃で得点を奪えたのは非常に大きい。

 

ロングボール→落とし→シャドーに前を向かせるという狙いがはっきりしている福岡。

相手の3トップに対して、ボランチを1枚下ろして数的優位を作る大分。下田と羽田が流動的にポジションを変える。それに対して福岡は前がボランチを捕まえに行ったり、細かく立ち位置を修正して全体が下がらないようにする。

 

野村が低い位置まで下りてくることから、マーカーの奈良も前へ引っ張り出されるケースが多い。大分としてはそこが1つの狙いどころになりそう。

→野村と奈良はボールのないところでもバチバチやり合っている。

大分がボールを持ち続けて敵陣へも入れているが、急所を付けてはおらず、福岡の逆襲のほうが怖さがある状況。

 

持ち前の我慢強さで守備は安定していたものの、攻撃でどうゴールを取るかがなかなか見えなかった福岡。しかし、シンプルな攻撃からあっさりゴールを奪って自分たちが得意な逃げ切りの形に持ち込んだ。ラインが低くなり、受ける時間が続いたが、前半は1-0で終えられれば十分という考え方だったかもしれない。

一方で大分は良い入りをしながらも、相手の急所へはなかなか迫れず、少しの隙から失点。40分頃からは一方的に攻めたが、割り切った福岡の守備を崩すのは難しかった。引いた相手からゴールを奪うために長沢や呉屋を早めに投入するかもしれない。

 

後半

大分交代 刀根→井上

井上が右WBに入り、小出が右CBへ移る?

大分は後半からシャドーの左右を入れ替えた

 

50分、福岡の良いビルドアップからクルークスのシュートまで。ボランチが浮いた位置でポイントを作れるようになってきたか。

 

後半も大分がボールを持って福岡が低い位置で受ける構図は継続。野村×井上で攻めの引き出しが1つ増えたようにも思えるが、急所に入り込めないのは変わらず。逆に福岡はカウンターでも保持でもゴールへ迫れる回数が増えたような印象を受ける。

「チャンスあるところに野村あり」というような状況なので、野村をいかにゴールへ近い位置でプレーさせられるかが重要になるか。

 

55分

大分交代 伊佐→呉屋

呉屋が抜け出せるスペースは無いようにも思えるが、ゴール前に飛び込んで点を取れる選手というところでの強化か。

 

66分

大分交代 香川、小出→ペレイラ、長沢

 

飲水まで

大分がボールを持って攻める展開が続く。福岡は低い位置で受ける時間が長くなっているが、これ自体は得意なパターンなのでそこまでストレスは感じていないかもしれない。ただ、もう少し高い位置で守備を行うことが理想ではあるだろう。

 

68分

福岡交代 マリ、クルークス→フアンマ、田邉

 

大分は前節・徳島戦でも見せた[4-4-2]オプションに切り替え。2トップ+両SHが内側3レーンに入り、SBが大外の高い位置を取る、極端に言うと6トップのような布陣。ビルドアップは2CBと2CHだけで行う。

 

72分

大分交代 渡邉→小林成

福岡は極力ラインを上げて守ろうとするが、呉屋の“背後一発”が脅威になる。ただ、ラインを下げるとサイドから長沢に放り込まれるので、それも困るといった状況。

大分がリスクをとってきている分、カウンターは打ちやすいが、ロングカウンター向きの選手が少ないので、あまり効果的な逆襲も繰り出せない福岡。

 

82分、中盤で密集をくぐってからサロモンソンに展開する良いカウンター。サロモンソンのキック精度を生かしてピンポイントで合わせ、最後はフアンマに渡ったがシュートはサイドネット。(その前にオフサイド?)

 

85分からは福岡がボールを持って落ち着く時間。大分も攻撃的な姿勢は変わらないが、福岡が慣れてきたのか、少しずつ勢いを吸収されているような印象を受ける。

 

90分

福岡交代 金森→渡

前に出る動きもプレスバックもかなりこまめにやっていたので、途中出場ながらやや疲労が見えていた金森を交代して前線をフレッシュに。

 

最後は危なげなく福岡が逃げ切って1-0で終了。大分がリスク覚悟で攻めの一手を打ってすぐは福岡も嫌がっていそうな空気感があったが、徐々に慣れてくるとトランジションからカウンタープレスをかいくぐり、自分たちの時間を作って安定させた。福岡もトータルで見ると「うまくいっていた」わけではなかったようにも見える一方で、先に1点取ってしまえばうまくいってなかろうと“自分たちの型”に持ち込める強さは感じられた。

福岡は開幕前から掲げていた目標である勝点50を達成。

 

個人的MOM

★志知 孝明

先制点を生んだピンポイントクロスが最大の見せ場と言えるが、詰まったときのサイドでの運び出しや、人への強さ、高さといった攻守両面において“個人の質”が際立った。

 

 

トピックス

額に大きな絆創膏のようなものをつけている志知。札幌戦(?)で流血したのでそれの処置か。

4分、明らかに自分が触ったのに、当前のようにゴールキックにしようとするグローリ

18分、相手DFのパスとトレヴィザンのコントロールを狙ってあわやゴールまでというマリ。抜け目なく狙っていた

23分、対面の選手を出し抜く、前のターン

×山岸が負傷交代

39分、オンプレーでリフティングを始めるマリ。長谷部監督から注意の声を受ける。

42分ころからの奈良と野村のバチバチのやり合い。ボールのないところでもちょっかいを掛け合っている。

前半45分、野村のきれいなターン

46分、野村のヒールパスから井上が突破し、チャンス演出

87分、サイドで孤立した志知が個人で縦に運び出して時間を作る

93分、飛び出してクロスをキャッチする村上。1点リードの最終盤で迷いなく出てこられるメンタルが素晴らしい

試合後、今季限りでの勇退が決まった家本さんに挨拶してお辞儀で別れる長谷部監督。

残留が確定し、「5年周期を終わらせた」Tシャツを皆が着る

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷部 茂利監督 ]
決定的なチャンスが少なく、五分五分のゲームだったと思います。ただ1つのプレーがチームを勝利に導いた、そんなようなゲームでした。失点してもおかしくないようなボールの握られ方もしたのですが、粘り強い福岡らしい守備ができたんじゃないかと思います。また次に向けて修正しなくてはいけないことはいくつもあると思うので、また映像を見て解析していきたいなと思います。

--決勝ゴールを挙げたジョン マリ選手を先発で起用した理由は?
コンディションを含めていろんなことが良い状態だったので、試合で活躍するのではないか、と。また今日も通常の[4-4-2]ではなく1トップの形にしたのですが、その1トップを張れる選手なので、マッチするんじゃないかなという思いもあってスタートから起用しました。

--先制後に守備が効果的になりましたが、どのような修正を?
1人でボールを取りにいっても取れないと思いますし、ジョギングのようなゆっくりとしたスピードで取りにいってもダメで、そのスピード感やいつも言っている守備の強度が足りなかった。加えて連動できていなかった。その2つをチームで実行していこうと、飲水タイムやハーフタイムに伝えました。

--今日の勝利でチームが掲げていた「勝点50」という目標を達成しました。
非常に良かった。目標を立てたときに、いろいろな角度から「そんなに勝点取れるの」という声を耳にしました。開幕戦では負けましたが、それで落ち込むことなく、自分たちのやるべきことをしっかりやって、勝点1を、勝点3を積み上げて、やっとここまで来たので、本当に選手たち、スタッフたちがよくやってくれたと思います。またそれができたのは当然ファン・サポーターの方々の後押し、またスポンサー様のバックアップがあってのことなので、すべての方に感謝したいと思います。

 

[ 片野坂 知宏監督 ]
今季最後の“九州ダービー”ということで、われわれのサポーターもたくさん駆けつけて後押ししてくれたのだが、ダービーで勝って勢いに乗らせることができずに大分に帰らせてしまうことを本当に申し訳なく思う。

今日のゲームは90分通して福岡さんがやりたいことをされた。ここまで勝ってきている要因をゲームで示したのかなと思う。そういう中でわれわれも得点を目指して勝点を取るために出し切ってやったと思う。結局、無得点で終わって、あの1本のシュートからの失点でこういうゲームになってしまい、まだまだ私を含めて力不足だと感じている。

今季は残り4試合しかないので、この負けを引きずらないように、次節はホームでG大阪戦があるので、とにかく今日の悔しい思いをG大阪戦で晴らせるように、そしてまた大分のファン・サポーターとホームで喜び合えるように、しっかりと準備して戦っていきたい。