2020 J1リーグ第1節 清水エスパルスvsFC東京 プレビュー
前試合のスタメン
清水
今季からピーター・クラモフスキー監督を招き、[4-2-1-3]のシステムに取り組んでいる。昨季の横浜FMのようなイメージで作り上げている予想はできるが、選手のタイプが横浜FMとは異なるのがやや気になる点。
岡崎は契約上の理由で出場不可。川崎F戦ではU-21枠の関係もあってボランチの一角に西村を起用したが、その縛りがないリーグ戦では誰を起用するか。
20日にはカルリーニョスの加入が発表された。登録が間に合えば当日のメンバーに名を連ねる可能性もある。左からのカットインを得意にするタイプらしいが、出場可否やいかに。
カルリーニョス ジュニオ選手(FCルガーノ)完全移籍にて加入決定のお知らせ|清水エスパルス - 公式WEBサイト
※図はACLのGS第2節・パース戦のメンバー
今季から挑戦中の[4-3-3]は自由な3トップが特徴的。
ここまでの公式戦2試合はブラジリアントリオがそろって先発しているが、原や紺野が右WGに入る可能性もある。直近2試合は11人が固定されているが、国内リーグでも同じメンバーを起用するか。
清水の戦い方予想
初めに断っておくとルヴァンカップ・川崎F戦を見ていないため、分析結果ではなく完全に推測。実際と異なる可能性はあるが、ご容赦願いたい。
以降はヒロさん(https://twitter.com/hiro121720_yfm)が作成したレビューを参考にしながら進めていく。
今日見に行ったルヴァン杯の感想になります。
— ヒロ@hiro17 (@hiro121720_yfm) 2020年2月16日
✅川崎のビルドアップと崩し
✅清水のビルドアップと川崎の守備対応
✅試合を見た雑感
✅新しいものを見れて楽しい試合でした。
【2020 ルヴァン杯 GL 第1節】川崎フロンターレ vs 清水エスパルス - hiro's football report https://t.co/KqkAuas6bI
ボール保持
清水の布陣は数字で表すならば[4-2-1-3]だが、実際の配置は異なってくる。
DHの一人をCBの間に下ろし、両SBを中盤の内側へ押し込む。SBは左右が非対称気味であり、右の奥井はDHの脇、石毛はトップ下近くまで移動。
表現が難しいが、無理やり表すのであれば[3-2-2-3]とでも言うだろうか。
これを東京の布陣と噛み合わせると以下のようになる。
図中にも記したとおり、前線は[3-2]のところが完全に噛み合う。その背後にいる石毛とドゥトラに関しては明確なマーカーが定まりにくいため、彼らをどう捕まえるか、もしくは彼らまで到達させないことが重要だ。
これまでの東京の試合を見てきた限りでは、そこまで届けさせないように前線から圧力を強めていくのがベターだろう。ACLの2試合では不本意な前半が続いているが、ゲーム開始からエンジンをかけられるかどうかは最初の見どころになる。
また、3トップと2IHの5人は確実に前向きの意識が強くなるため、アンカー橋本の守備タスクは難しくなりそうだ。プレスを掻い潜られたときは中盤エリアを一人で管理しながら、相手WG(特に左の西澤)にボールが渡ったらカットインのコースを消す作業も行うことが好ましい。しかし、この役割を90分まっとうできるとは考えにくいため、相手のWGはSBに頑張って止めてもらう、といった割り切りが必要な時間も出てくるだろう。
最も狙いたいのはカウンター。清水がビルドアップで可変するならば、裏を返すと守備の配置が整っていないことになる。
川崎F戦でもカウンターからSBがいないスペースを使われ、ダミアンと竹内が競り合うミスマッチを突かれていた様子。スペースさえあれば一人でゴールまで近づける選手が東京にもそろっているため、サイドのスペースを積極的に利用したい。このときに中央に残っていてほしいのはアダイウトン。ブラジリアントリオの中では競り合いからのヘディングやゴール前の嗅覚に優れているアタッカーをサイドではなくゴール前で勝負させたい。
このカウンターを軸に考えると、個人的には安部は右サイドに起用してほしい。SBが本職の奥井がいる(東京から見て)左サイドより、本来中盤より前が本職の石毛がいる右サイドでの攻撃に力を使いたいから。右WGの守備を極力減らし、そのぶん安部がカバーする。カウンターに転じたら安部と室屋の走れる二人がWGを素早くサポートする、といった攻撃を多くできればゴールを割ることはそう難しくないのではないかと考える。
ボール非保持
(こちらは特に情報がないため、ほぼ推測)
ボールを持ちたい清水は[4-2-1-3]の形で前線から強めのプレスを掛けてくると予想する。右の金子は追い直しをしてくれる上に気が利いた守備ができるため、清水としては極力そちらのサイドに誘導したい考えがあるかもしれない。
東京のボール保持におけるストロングサイドは左。つまり金子がいる清水の右サイドとバッティングすることになる。そこでの攻防を優位に進めたほうが主導権を握りそうだ。
カウンターでは右を狙っていきたいと記述したが、ビルドアップは左で作っていくと思われる。狙いたいのは奥井を定位置の外へ引っ張り出すこと。奥井をどかせばおそらくCBが外に出てくるが、そのときにスライドの関係でおそらく石毛がゴール前を守らなければならなくなる。
例えばそこにアダイウトンをぶつければミスマッチが生まれることは言うまでもない。この状況を作り出すために左からのビルドアップは工夫していきたいところだ。
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注目選手
清水:石毛 秀樹
ルヴァンカップ・川崎F戦でゴールを決めた今季唯一の得点者。左SBとは名ばかりで、トップ下のように振る舞う役割は良くも悪くもカギを握る。彼が的確にサポートできれば、ビルドアップでも脅威を与えられるだろう。
青赤のユニフォームをまとって3年目を迎えた大エース。今季はスタートポジションをサイドに移すことが増えそうだが、昨季までと変わりなく理不尽さを見せつけることができるか。
SBがサイドからいなくなる清水を相手にしたとき、彼が使えるスペースは広がるはず。そこからゴールを演出できれば勝点3は手にできるはずだ。