がちゃのメモ帳

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J1リーグ第27節 松本山雅FCvsFC東京 プレビュー

がちゃです。

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第27節・松本山雅FC戦の予習を行っていく。

参考は25節・松本vs大分と26節・神戸vs松本の2試合。

 

 

前節スタメン

 

 

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松本

 スタメンはほぼ固定状態。主にシャドウに入るセルジーニョの相方が少し入れ替わる傾向。

神戸戦に限り、セルジーニョがトップ、阪野がシャドウという配置だったが、おそらく神戸対策だと思われる。

杉本と町田のボールを持てるタイプの選手2人が途中から出てくるパターンが定番化。

 

FC東京

 シーズン序盤からメンバーは固定気味。

直近数試合は右SHに大森が起用され続けているが、今節は相手が比較的守備的な松本ということもあり、三田やナ・サンホがスタートから出てくる可能性も。

 

 

松本の簡易分析

 

ボール保持

 

ビルドアップ

 前回対戦時よりも後方でつなぐ意識が強くなってきたように感じる。

WBも低い位置でビルドアップに参加させながら、まずはCHにフリーで持たせることを目指す。それに成功したら前線の選手(主に永井龍や阪野が多い?)を裏のスペースに走らせる。

 

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※イメージ

 

また、サイドで持ったWBからのクロスに突っ込んで行くパターンもやや減った印象。松本のイメージとしては意外と言えるかもしれないが、中央に入ってシュートを狙ってくるケースが増えた気がする。

特に左WBに入る高橋がカットインなどで内側に入ってきたところから、逆足のシュートを狙うシーンが多く見られるようになった。

 24節・浦和戦でその形からゴールを決めて、良い感触が残っているのか、右足シュート以外にもコンディションの良さはうかがえる。元々縦の突破にも強みがある選手で注意すべき存在になるかもしれない。

 

 

チャンスメイクパターン

最も注意すべきはセットプレー。

総得点の約半数はセットプレーから生まれている。

(※参考ーfootballlab https://www.football-lab.jp/mats/


前節・鹿島戦ではCKからの失点を喫しているだけにセットプレーには注意したい。


 

ほかはシンプルな裏抜け。夏に前田大然が移籍したことで、対面の相手をぶち抜くよりも裏に抜け出して相手DFを置き去りにする形を狙う。

 

松本の最多得点者はCB飯田とFW永井龍の2得点(前田とレアンドロペレイラは移籍したため除外)。

参考数が少ないものの、薄っすらと攻撃の傾向が見える。

 

 

ボール非保持

 

 基本セットは5-4-1(5-2-3)。

25節・大分戦と26節・神戸戦では守り方が異なっていた。両チームともにJ1の中では比較的個性的なボール保持を行うため、それぞれに対策をうっていた可能性は考えられる。

 

まず大分戦。

5-4-1ブロックをベースに中央を固めたところからサイドへアプローチ。CHが1枚下りて4バック化する大分に対して、CBの位置にいる2人はほぼ無視。SB化した三竿と岩田(現在は負傷離脱中)に出たらシャドウがチェックに出ていく。

最後方の小林と鈴木をフリーにさせる代わりに自分たちのゴール前では絶対に人を余らせるような守り方に見えた。

 

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※イメージ

 

 

続いて神戸戦。

大分とは異なり、後方では純粋に3バック(+GK)でパスを回す神戸に対しては5-2-3をベースとし、前3枚を神戸の3バックにそのままぶつけるイメージ。

ただし、アンカーに入っていたサンペールへのコースは消すことを意識しながらのプレスとなっていたため、前の3人で神戸の4人(GKは含めない)を見るような守り方。

 

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※イメージ

 

後ろの2人を放置していた大分戦と違って、前からがっちり人についていくので、後方がマンツーマン気味になる。

神戸戦ではその部分を狙われてビジャの先制点を許していた。

 

 

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※イメージ

 

この2つを踏まえた上で東京に対してはどうしてくるか、という予想をすると、おそらく大分対応型になることが考えられる。CBを放置して、後ろの厚みを確保するパターン。

とはいえ、配球センスも持ち合わせている森重を完全にフリーとするのは是としないはずなので、ここはなんらかの対応をする可能性はある。

相方の渡辺については完全に放置するかもしれない。それくらい割りきってくるのが松本である。

 

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※イメージ 

 

 

また、どちらの試合でもどう対応するのか困っている印象を受けた部分はシャドウとWBの間にマーカー以外の選手が潜り込んできたとき。

神戸戦では1試合を通じて(主にIH古橋に)そこを突かれて、プレスがかからない状態となっていた。

 

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※イメージ

 

東京と神戸はシステムが異なるため、同じ手段を使うには思い切った配置移動が必要になりそうだが、松本のプレスが強まったときには1つの手札として持っておきたいところ。

 

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※イメージ  

 

展望

 ボール非保持型である東京が珍しくボールを持ち、松本は相手に持たせておいて、奪ってから縦に速い攻撃を狙う。

そんなゲームが予想される。

 

これらの予想から、東京はボール保持で生き、セットプレーのキッカーにもなる三田を右SHに、松本はスピードがあって裏抜けができる永井龍をシャドウに起用するかもしれない。

 

 

前節・鹿島戦の後半では東京が相手DF陣を崩してゴールに迫る場面を何度も作り、どこか期待を感じさせる内容に映った。

しかし、松本相手に同じことができるかと言えばそうではないとも感じる。当たり前ではあるが、鹿島と松本ではシステムも守り方も違うからである。

鹿島は(おそらく色々な要素が重なって)CHが中央からいなくなる現象が続き、東京がそこを使えている展開だったが、松本戦で同じことが起こることは考えづらい。

ボールを持っても、得点の可能性のあるシュートまで持ち込むのが難しい状況になりそうだ。

 

 

こうなると、一番チャンスが作れそうなのは松本が全体のバランスを崩したとき。

ボールを奪ってカウンターを狙いにきたところだ。

カウンターではシャドウやWBが切り替えのスピードで相手を上回ることによってチャンスを作ろうとする。そうすると奪った瞬間は前に出る。

そこをすぐにこちらが奪い返してしまえば、切り替えの意識が高い選手ほど、後ろに戻るのが遅れる。松本の意識の高さを逆手に取ろうという狙い。

事実、前回対戦の先制点はこの流れから久保→永井と繋いだところから生まれた。

球際で紙一重の勝負になるかもしれないが、この部分で勝てなければ勝点3を得ることは難しくなる。失敗すれば失点の確率は非常に高まるが、展開次第では得点を奪うためにそういうリスクをかけることも必要になる。

 

 

ロースコアに持ち込んでくる傾向がある松本に対して、どこでリスクをかけるのか、もしくは取るべきところできっちり取り切るか。

首位をキープするためにも引き分けが許されない一戦をものにするためにどこで勝負を仕掛けるのかは見どころになる。