がちゃのメモ帳

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2024 J1第8節 柏レイソルvs浦和レッズ メモ

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柏は細谷、関根が代表活動により欠場。川口、戸嶋が初先発。

浦和は大畑が代表活動により欠場。岩尾が欠場。札幌戦で負傷したショルツがベンチ復帰。

 

流れ

柏は4-4-2ベースでサヴィオがアンカーケア。

伊藤がCH-SHのゲートの奥に立つ。

3分、CKから柏の波状攻撃。浦和がゴール前に人の壁を作ってなんとかブロック。

ヴィオがCBまでプレスに出ていくとグスタフソンが浮く。SBに預けてからアンカー経由で前に行く。

浦和は小泉上げの疑似4-4-2プレス。戸嶋が松尾-グスタフソンの間に立ってフリースペースに潜る。

柏は奪ったらすぐに縦。サヴィオに当ててそこから運んで周りが動き出す。

11分、ホイブラーテンに警告。

浦和は浅い位置でのロストからクリティカルな攻撃を許すシーンが何度か。IHがライン間待機でSBも同サイドは上がるので、DF3枚とアンカーでのカウンター対応になる。柏の前4枚が全員バイタルで前を向いて運べる選手なので、そこが効いている。

グスタフソンが下りるとアンカー位置に伊藤が入る。石原に渡してからグスタフソンを経由して前に送ったり、逆のサイドに送ってやり直したりするシーンが見られる。

浦和のWGがCBまでジャンプしてアタックに出てきたときにはGK松本からサイドに張っているSBへ浮き球で送る。

浦和はグスタフソンを下ろして、IHがボランチ位置まで下がるバランスのとり方を試している。SBが大外を上がり、WGがインサイドライン間に入る調整。

浦和はイレギュラーケースであっても敵陣保持に持ち込めると攻撃に雰囲気が出てくる。松尾と前田の仕掛けにSBとIHが絡んでいく。

柏は撤退守備時、2トップもしっかりとブロックに加え、4-4-2で組む。

26分、サヴィオのクロスをジエゴが折り返す。関根がいないぶん、サヴィオからファーサイドを目指す形でジエゴを使う。

29分、右サイドで前田が仕掛けたところからサンタナが折り返し、グスタフソンが飛び込むも川口がカバー。きわどいシーン。

柏は奪ったあとに敵陣へ入って攻撃の局面を作れる割合が非常に高く、そこからのカウンタープレスで一気に畳みかける。ボールは浦和が持っているが、一度の攻撃の質、アベレージが高い。敵陣保持に入ったらサヴィオがボールをピックアップしに動き回り、そこからの配球で歯車が回り出す感じ。

浦和はグスタフソンが左に下りて2トップ脇に位置し、戸嶋のところの守備基準を崩しにかかる。渡邊がファジーな高さを取り、松尾がインサイドに入ってSBをピン止め。

グスタフソンはアンカー位置にいると、縦向きではボランチにタイトにつかれるので、受けるのは難しい。サイドを経由するか、降りるかしないと受けられない。ただ、浦和は押し上げられさえすれば、攻撃の色は出せているので、降りて前進の形を作れればOKでもある。

浦和はプレス時は小泉が押し上げて2トップ気味になるが、撤退時はIHに戻って4-5-1セット。WGは下がり過ぎず、中盤ラインにとどまる。大外をSBが見て、チャンネルをIHが埋める設計。

 

柏が4-4-2セットでミドルブロック形成で浦和のビルドアップをけん制。浦和は石原→グスタフソンで前進、やり直しの開放で探りを入れていたが、なかなか前進の突破口が見つけられず、浅い位置でのロストからピンチを招いた。柏はボール保持を相手に与えながら一回の奪取から一気にゴール前まで迫る攻撃を繰り出し、一度の攻撃の質を高めていく。浦和はグスタフソンが下りて、それに伴って全体の配置を微調整することで前進できる形も徐々にできた。ただ、柏が奪取から一気に攻めていく構図は大きく変わらず。浦和は敵陣保持に持ち込めさえすれば前田や松尾の仕掛けを軸にして相手ゴール前に圧力を掛けられていたので、どれだけ安定して押し上げられるかがポイント。柏は高い位置で押し返す時間をどれだけ長くできるか。関根が不在になっているぶん、ジエゴが上がってきての大外折り返しが見られる。サヴィオは右に関与して、いつもとは逆のバランス取り。

 

後半

49分、小泉のミドル。佐藤→石原で深さを作ってから折り返しを狙う。前田が内に入っていくことでSBを引きつけ、大外の石原を空ける。

浦和は右サイドの背後を狙う形、前田で引きつけて石原を使う形が何度も見られる。足元にこだわらず、まずはどうやって深さを取るかに重心を置いた?

53分、山田の配球からジエゴが背後へ抜け出して折り返しも中の飛び込みが間に合わず。

→サヴィオの右からのクロスをジエゴがファーで合わせるも西川がファインセーブ。その後、ジエゴのクロスにサヴィオが合わせるも枠外。柏が決定機を迎える。

55分、ジエゴとサヴィオの連係で深さを取っていく。ジエゴが躍動。

グスタフソンの左下りと小泉のアンカー移動。伊藤はゲート奥待機継続。石原→伊藤のコースは白井がサイドへ寄って遮断。

57分、柏交代

戸嶋、小屋松→島村、木下

柏は前の2人を代えてギアを入れ直す。浦和はSBからシンプルに背後へ送る。蹴らざるを得ない状態でもある。

59分、木下に警告

59分、浦和交代

前田、小泉→中島、大久保

中島をトップ下に入れた4-2-3-1に変更。

柏は若干プレスのテンションを落とし、浦和はSBのところに多少時間が生まれるように。

グスタフソンが左下りで2トップ脇から運び、中島が左スクエアでピックアップしてポイント作り。

67分、柏交代

土屋→熊坂

71分、柏先制、1-0。島村、白井、サヴィオの連係で右サイドの奥を取ったクロス。マイナスで合わせた木下がゲット。浦和は泣き所のポケット→バイタルを突かれて失点。柏は前節と似たようなサヴィオのポケット進入からのマイナスクロスで木下が合わせる形。

中島は左流れでパス交換に参加しながらカットインで中に入ってくる。

75分、浦和交代

松尾→安居

安居がトップ下に入り、中島が左SHに移る。

78分、浦和交代

伊藤→興梠

興梠が2トップに入り、安居がボランチへ移る。

グスタフソンが左下りで中島がインサイドを取り、渡邊が大外を上がるバランス取り。変則4バックのような配置。

柏はサヴィオが左に流れながら受けて陣地回復。サイドの奥を取ってから時間を使うのか、パス交換から打開を狙うのかを探る。

浦和は背後へ走る興梠と背負うサンタナをシンプルに使って押し上げを図る形が増えてきた。

91分、柏交代

ヴィオ→熊澤

柏は引くことなく徹底的に前からのプレスで浦和を自陣へ入れさせない。

 

柏が後半も継続してミドルゾーンセットからのプレスでプレーエリアを押し上げて、主にカウンターからゴールに攻める。サヴィオジエゴの推進力、馬力でPA内で圧力を掛け、ビッグチャンスを作るも西川が好セーブを見せて浦和も我慢。浦和はサイド奥や背後をシンプルに使う形も増やしながら押し上げを図るが、思うようにゴールへ迫るシーンは作れず。中島の投入から左サイドが活性化し、カットインミドルや大外で渡邊が浮いてのクロスなどでゴールへ迫るも、クリティカルな攻撃は繰り出せず。柏は全体が押し下がりながらもサヴィオの推進力で陣地を回復し、攻撃のチャンスを作り、押し返すフェーズを作る。また、選手交代を駆使しながらラインを下げないようにエネルギーを上げていき、最後まで自陣撤退の局面をほどんど作らないまま逃げ切り成功。前節は試合の入りでパワーが高められずに良くない流れとなったが、この試合は90分を通じてエネルギーが高く、自分たちのプランどおりに進めることができたといえる。浦和はグスタフソンのポジション調整などで押し上げのポイントを探ったものの、安定して敵陣保持のフェーズを作ることができず、柏のカウンターの脅威のリスクにおびえながら保持する時間が長くなってしまった。

 

個人的MOM

マテウスヴィオ

攻撃も守備もスーパー。前節と同じような形でのポケット攻略から決勝点をアシスト。また、アシスト未遂もあり、守備でのハードワークも際立った。後半の我慢の時間帯でも彼がいることで陣地回復のフェーズを作ることができ、押し込まれ続ける時間を作らせず。

 

2024 J1第7節 東京ヴェルディvs柏レイソル メモ

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ヴェルディは前節途中交代となった森田が問題なく先発。

柏は熊坂が初先発。小屋松がメンバー復帰。

 

流れ

柏はそこまで前から行かず、高いライン設定で構えてからCB同士のパス交換でジワジワ寄せていく。一度スイッチを入れたら全体で人を捕まえるが、そこまで強度は上がり切っていない印象で、ヴェルディ側がつなぐ余裕は多少ある。慌てて蹴らなければいけないような圧にはなっていない。

柏は白井が左に下りて、熊坂がアンカー位置。

4分、松本のパスミスが木村に渡ってビッグチャンスも、松本が戻って自分でなんとかする。

柏はプレスを受けた際に右に上がった関根を目指しているか。

細谷が1人でサイドを限定し、縦のコースは人を捕まえる。ヴェルディは柏のハイラインの裏に2トップが走り、そこへロングボールを送る。ただ、ある程度の制限は掛けられているので、柏CBも対応できる。

9分、ヴェルディ先制、1-0。マテウスからのフィードを山田楓がうまくコントロールし、ジエゴを交わすと、縦に運んでニア上を抜いた。ヴェルディは林がスパイクを交換していて、一時的に1人少ない状況になっていたが、そこで先制点を奪取。結果的に林が戻ってくる時間も作れた。

島村が内に入ってきて大外に関根が上がるスペースを空ける。

白井が左に下りる3-1ビルドで2トップ脇から運ぼうとしている柏。

柏のプレスががっちりハマっている印象はないが、ヴェルディが前に急いでつないでロストしたり、技術的なミスで失うという流れがあり、柏はトランジションから押し上げて攻撃に転じられるようになっている。

柏は3-1で持ったところで2トップ脇から運び、島村やサヴィオがタイミングよくおりてピックアップすることで前進を図る。タイミングが相手に捕まるところだと前を向けないので、視野外からすっと出てこないといけない。

30分、柏の右での作り。関根の大外で深さを作り、熊坂が3列目からチャンネルに入ることでマークを受けずにPA内でポイントを作る。ヴェルディは3人目の刺客が出てきて、マークに困っていた。

山田楓が外切りでCBまで出てきたら古賀が内に運んで熊坂を経由してからSH裏で浮く選手に届ける。

柏が簡単に蹴らずにショートパスでつなぐようになり、保持でコントロール、打開を狙っている。

34分、染野がトランジションの起点になり、ロングカウンター。ただ、3人でシュートまではいけず。柏が前がかり気味になっているところで裏返しの形を作った。

ビハインドの柏はボールを奪いに行きたいが、前線の強度があまり上がらず、少ない人数で横幅をみられないので、ヴェルディはやり直しを続けながらゲームをクローズ展開に持っていく。ボランチを捕まえに出てくるボランチの裏に染野と木村が待機する。

柏は広がったCBから降りてくる2列目の選手に入れていくが、ヴェルディもそのパターンを把握してきており、受け手に圧力がかかって、つぶされるシーンが増えてきた。

 

いつもハイテンションでハイプレスから主導権を取っていく柏があまり強度が上がらず、ヴェルディに保持から前進される流れに。ただ、それでもトランジションからチャンスを作れていたので、悪くはなかったが、先制を許したことで保持で違いを作らなければならない状況に。時間の経過とともに微調整を施し、白井を下ろした3-1ビルドから2トップ脇を使って縦パスを刺していく形でゴールへ近づいて行くが、そこでクリティカルな攻撃を繰り出せずにいるとヴェルディも慣れてきて受け手をつぶせるように。ヴェルディは1点リードを持っているため、無理に急ぐことなく、クローズな展開を作りながら、オープン局面で攻められるときは一気にゴールへ向かうメリハリで自分たちの土俵に持ち込んだ。柏はサヴィオのキックフィーリングもイマイチ上がり切っていない雰囲気があったり、前線のチェイシング強度が上がらなかった、連戦による疲労の影響がいくらか出ているか。

 

後半

柏交代

熊坂、島村→土屋、小屋松

小屋松がトップ下に入り、サヴィオが左SH、山田が右SHに移る。

48分、密集を抜け出してオープン局面から山田楓の仕掛けからのシュート。前半で縦突破から得点を決めているので、古賀も縦を捨てられず、得意のカットインが生きてくる。

50分、細谷が体を当てられながらも理解不能なボディバランスで持ちこたえて前に運び、PA内で倒されるもノーファウル。個人の強さと推進力でビッグチャンスを創出。

51分、白井に警告。

白井が2トップ間に入って受けて引きつけてから広がったCBに預けて前進。

55分、ヴェルディがビルドアップからのルーズボール回収からオープンアタックに入り、PA内で木村にチャンスが訪れるもブロックに遭う。ヴェルディは染野を左のSHのような位置に流して起点を作り、見木とのつながりを強くする。

小屋松投入の影響もあり、柏は高い位置からのプレスが効くように。ヴェルディは保持で受けるストレスが前半より高まっている。その中でも安易に蹴らずつなぎにいっている。柏は後ろの選手の前向き矢印も強まっており、受け手は時間がもらいにくい。

60分、見木に警告。

62分、ヴェルディ交代

山田楓、見木→山見、松橋

ヴェルディは割り切って自陣で4-4ブロックを作りながら、2トップはある程度切り離した状態でトランジション準備。2トップに当ててから山見が切り替えの速さで出てくる攻撃が目立つ。ただ、2トップが分離している分、しっかり奪ってつながないと、第2バイタルが空いているのでそこでのセカンド回収は難しい。

70分、ジエゴに警告。

70分、柏交代

山田→木下

木下が2トップに入り、小屋松が左SH、サヴィオが右SHに移る。

72分、柏同点、1-1。右でのサヴィオと細谷の連係で右ポケットを取り、クロスを木下が下がりながら合わせてゲット。木下の投入とサヴィオの右サイド起用がドンピシャでハマる。

ヴェルディは2トップと2ボランチの間のスペースを狭めきれずに起点にされるシーンが増えた。

77分、ヴェルディ交代

木村、深澤→齋藤、綱島

齋藤がトップ下に入る。綱島ボランチに入れて、稲見を左SBに移す。

細谷が横幅を見て木下がやり直しのコースを消すことでヴェルディのホルダーの選択肢を奪う。柏の圧力に対して蹴るしかなくなっていくヴェルディ

85分、大外の小屋松からのクロスを木下が合わせるもマテウスの正面。強く当てられず。互いに引き分けOKの雰囲気がなく、アグレッシブに2点目を取りにいくのでオープンになりやすい。

88分、柏交代

ヴィオ、関根→戸嶋、川口

90分、ヴェルディ交代

森田→翁長

翁長が左SBに入り、稲見がボランチへ戻る。

91分、山見がPA内に入り込んでシュートも松本が好セーブ。ビッグチャンス。

 

選手交代でギアを入れ直した柏がハイプレスが効くようになり、プレーエリアを押し上げる。ただ、前向きの矢印が強くなる分、ヴェルディはオープンアタックの機会を作ることができ、2トップの起点作りから山田楓の仕掛けでゴールへ迫る。ただ、ペースは柏が持っており、細谷がスペースに抜け出してあわやPKというシーンを作るなど、押し込んでいく。また、ヴェルディは中盤と2トップの間が徐々に開くようになり、2トップ脇に加え、中央起点でも前進を許すように。さらにパワーを上げたい柏が木下を投入したタイミングで早速ゴールを決めて同点に。その後は互いに2点目を狙いにいく流れでオープンになり、柏は細谷、ヴェルディは山見を生かしてゴールへ向かっていったが、追加点は生まれずに引き分けで決着。柏は押し切れるかどうかというシーンがあり、ヴェルディも後半は流れを持っていかれながらも山見や木村にビッグチャンスが訪れていたので、どちらにも十分勝機があったゲームだった。

 

個人的MOM

★木下 康介

主導権はつかめているのであとはどうやって点を取るか、という局面での投入で、一発回答のゴール。おそらく1stタッチだったはず。その後もハイテンションで圧力を掛けていき、流れを持ってくるという役割を十分に果たした。追い付いた後に訪れた小屋松のクロスからのヘッドが決まっていれば100点だったが、それでも十分に評価できる活躍。

 

2024 J1第3節 横浜F・マリノスvsガンバ大阪 メモ

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マリノスは水沼が欠場。特別指定選手の塩貝がメンバー入り。

ガンバは唐山が先発。

 

流れ

マリノスはロペスがサイド制限し、2列目の4枚がフィルターを作る。

ガンバは坂本がアンカー監視。

3分、宇佐美のプレスバックで自陣からロングカウンター。3対3の局面でウェルトンの仕掛けからシュートまで。1stチャンスはガンバ。マリノスは全体を前重心にしたところを裏返された。

ガンバはあまり保持に固執していない雰囲気で、前に蹴っ飛ばして押し上げる。非保持からのカウンターでチャンスを作ればいいという割り切りもあるかもしれない。

サイド流れの山根に対して鈴木がついていってつぶす。

坂本はアンカー消しが第一タスクで、背中で消しながらCBに出ていき、サイドへ追い出したら再びアンカー監視に戻る。個人戦術が問われるタスク。

マリノスはCBが比較的時間をもらえるが、受け手がマークにつかれており、簡単に渡すと迎撃に食われてカウンターを受ける。ガンバはCBに運ばれる分、ラインをそこまで高く設定できないが、前向きの奪取から縦に速く攻めることで十分に距離は運べる状況を作れている。

ロペスが大外流れで起点作り。さすがにCBは外までは出てこない。

ガンバは宇佐美と坂本の前線なので、クリアになってしまうと個人で収めるのは難しい。前向きに刈り取れるかが肝。

12分、ガンバが自陣トランジションからのカウンターで宇佐美のシュートまで。ポープが好セーブ。前に出てくるマリノスに対し、ガンバのカウンターが効いている序盤。

ガンバは坂本でアンカーをケアし、SHが外切りでプレスし始めた。ボールサイドのボランチはIHへのパスをケア。

ガンバは自陣ビルドアップでつなぐようになり、攻守でプレー選択がいくらか攻撃的になった?

降りる喜田にはそんなについていかない坂本。あくまで警戒するのは背中側で受けられること。

唐山は元々FWタイプなこともあって、サイドに張らず、中に入ってくる。

マリノスはIHらをクッション役に使いながら前向きの喜田を使って前進を図る。ただ、ガンバも坂本と宇佐美のプレスバック意識がかなり高く、簡単には時間をもらえない。また、IHへのケアも速く、角度と時間を制限された中でのプレーを強いられるケースが多い。

20分、素早い切り替えから敵陣でカウンタープレスをハメ切り、村上の折り返しから山根のシュート。ポスト直撃。マリノスにもビッグチャンス到来も決め切れず。

プレーが止まった際に一森を呼んでなにやら指示を出すポヤトス監督。

一森が持った際にマリノスはプレスを掛ける。空いている場所を確認しつつ、ギリギリまで引きつけて降りてきた坂本へ預ける。つながらなかったが、フリースペースをうまく見つけて潜り込んだ。

マテウスが外切りでプレスを掛け、ガンバは降りてくる坂本をポイントにしようとしている。

外に流れる山根に黒川がチェックし、チャンネルに出ていく選手は中谷が出ていってつぶす。

敵陣トランジション時にフィルターとしてパスをカットしまくる鈴木。かなり効いている。

マリノスのIHはガンバのボランチに対してかなりタイトにチェックするが、ガンバはそこを経由してワンタッチでサイドへはたく。マリノスはSBが高い位置まで出ていくので、密集を抜けられるとサイドのスペースを突かれる。

ウェルトンが思うように仕掛けられず、ファウルをアピールするシーンが目立つ。それだけ突破がうまくいっていない。加藤蓮と喜田の対応が良い。

34分、右からの細かいパス交換でガンバの陣形をずらし、ミドルシュートも一森がファインセーブ。両GKの好対応が目立つ。

ガンバはサイドにボールがあるときの守備で両ボランチがかなりボールサイドに寄ってくるので、圧縮度は高まる一方で、そこを抜かれるとバイタルケアが難しくなる。

マリノスはIHが動いてガンバのボランチをコントロールし、SBがインサイドを取ってWGからのパスをピックアップ。ガンバはSBにIH位置を取られるとマークの設定が難しい。

ウェルトンがインサイドに入る加藤蓮を気にしてポジションを取り始めるが、そうなると2トップ脇が大きく空き、そこからCBが運び出せる状態に。

 

保持するマリノスと非保持からカウンターを狙うガンバという構図でスタートし、序盤は高いプレスバック強度と迎撃の強さを見せたガンバが前向き奪取からカウンターでチャンスを創出。マリノスはボールは持てるが、なかなか前進できず、チャレンジのパスを入れると受け手にタイトにつかれているところで食われるという良くない循環に。ガンバは立ち上がりは簡単に前へ蹴って、カウンター打てるから持たせてOKくらいの雰囲気だった。ただ、マリノスも徐々に保持で微調整を加え、IHが相手のボランチをコントロールしつつ、SBをインサイド位置にいれることでマーカーをぼかす。WG→SBでインサイドを使うことで、浮きどころを作って前進した。ただ、それでもガンバ前線のプレスバック意識の高さもあり、保持で主導権を握れるまでは至らず。マリノスはサイドからバイタルに潜り込んでの崩し、ガンバは前線4枚を生かしたカウンターやサイドでの連係からポケットを取りにいく攻撃がパターンとしてはあった。

 

後半

福岡が果敢に攻撃参加で受け手としても出し手としてもポケット進入を狙う。福岡×唐山の右サイドは連係のイメージがあまりわかなかったが、予想よりも機能している。

前半から再三村上が仕掛けを図るが、福岡がほぼほぼシャットアウト。

51分、ラヴィがチャンネルへ走ってIHをどかし、空いたパスコースに宇佐美がのぞいてシュートまで。

52分、マリノス先制、1-0。左サイドのパス交換にエドゥアルドも上がってきて人数をかけ、ポケットに入ってきた山根のパスを受けたロペスがうまくシュートに持ち込んでゲット。中谷が後ろについていたが、背中で抑え込まれた。マリノスはロストすればエドゥアルド不在の最終ラインで受けなかればならないリスクを背負っていたが、フィニッシュまで持ち込んで得点にまでつなげた。

54分、マリノス交代

村上、山根→宮市、植中

55分、マテウスボランチ脇で受けてスピードアップ。ファークロスを宮市が落として植中がフリーになるも決め切れず。決定機。

56分、ガンバ交代

唐山→食野

59分、食野に警告。

60分、永戸に警告。

61分、宇佐美のデザインFKからウェルトンが抜け出して折り返し、三浦がプッシュしてネットを揺らすもオフサイド

ウェルトンが持った際には中と縦で2コースを消すマリノス

65分、ガンバ交代

坂本、鈴木→ジェバリ、ダワン

66分、マリノス交代

マテウス、加藤蓮→塩貝、小池龍

1stプレーで黒川に突っ込んでいく塩貝。黒川に詰め寄られても引かず、むしろケンカを買っていく強メンタル。

ガンバはCKでニアに走る中谷ですらしを狙うパターンがよく見られる。

ガンバはジェバリが最前線に残ってトランジション準備。宇佐美がトップ下にタスクチェンジ。

サイドにボールが渡った際にゴール前へ入っていくダワン。強いターゲットを1枚増やす。

食野がトップ下的に自由に動くため、大外は福岡の担当エリアに。三浦のフィードなどで出ていき、クロスを入れる。

1対1でウェルトンが受けられると、どのコースを切るかで2択が生まれるとともに、黒川が追い越してくるので守備者のプレー判断が難しくなる。

ジェバリもアンカーチェックを分担で持っているが、やはり坂本と比べると強度は落ちる上、準備の遅さがあり、消しきれない印象。

ルーズボール回収からガンバがオープン局面で運んでゴール前でどうするか、というシーンまでは持ち込めている。

81分、マリノス交代

天野→榊原

82分、降りるロペスがSBを引きだして空けたポケットに入って折り返し。塩貝がシュートもヒットせず。

福岡が内側に運んで左足で逆サイドまで展開する形を狙っている。

86分、ガンバ交代

福岡→中野

中野はそのまま右SBに入る。

89分、植中に警告。

91分、エドゥアルドが負傷した模様。足を攣ったか、筋肉系のトラブルか。マリノスは交代枠を消費済で、代わりの選手を入れることはできない。マリノスは残り5分近くを10人で戦うことに。喜田がCBに入り、植中がボランチ気味の立ち位置に。

エドゥアルドがピッチに復帰し、最前線にいるだけいるという状況に。

ガンバはパワープレー気味に放り込んでいく。三浦が最前線に上がる。

97分、マリノス追加点、2-0。ガンバが前がかりになり、バランスを崩したところでスペースに抜け出し、流し込み成功。中谷がコースを消したが、GKとともにファーサイドまでは消し切れず。勝負を決定付ける1点。

 

後半立ち上がりはガンバが前に出ていき、チャンスを作ったものの、先制したのはマリノスエドゥアルドを攻撃参加させるアグレッシブな形で左サイドに人数を掛けて崩してゲット。その後は早めの交代で選手を入れ替えていくものの、なかなか安定して押し返す形に持ち込めず、プレスからのルーズボールを回収されて攻撃を受ける展開に。ガンバは宇佐美、食野といった運び役が前向きにつけていって攻撃の加速させるもクリティカルな攻撃は繰り出せず。宇佐美とウェルトンが左斜め45度から際どいシュートを打つも決まらず、最後はパワープレーに出たが、逆に崩れたバランスを突かれてマリノスは2点目を取って、終了。90分を通じてガンバのほうがペースを握った時間は長かったように感じたが、最後の崩しがあと一手足りなかった印象があること、惜しいチャンスが得点に結びつかなかったことが痛かった。逆にマリノスは訪れたチャンスを決めて先制し、その後の好機は決め切れなかったが、ポープを中心に耐え抜いた。内容的には苦しい時間が長かったが、中2日でプレータイムもコントロールした中で大きな勝点3。

 

個人的MOM

★喜田 拓也

システム的にライン間の広いスペースやトランジション時に1人で中盤を守らなければならないという役回りでも、攻撃を遅らせる、自分の間合いに引き入れて奪い取る守備が光る。最後はアクシデントでCBをやることになったが、もうそこまで不安なくこなせているように映った。

 

Jデビューとなった塩貝はまだ粗さこそ見えたが、連携がハマったときなどの質は十分通用するレベルにあると感じた。あとはプレーをどう安定させるか。

ガンバは鈴木の守備時のフィルター機能が見事。球際を作り出さなくてもボールを奪えると言わんばかりに、ポジショニングの妙と予測で何度もインターセプトを見せた。

 

トピックス

エドゥアルドが負傷。筋肉系のトラブル?

 

2024 J1第7節 浦和レッズvsサガン鳥栖 メモ

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浦和は酒井が欠場し、石原が初先発。

 

流れ

鳥栖の保持に対し、浦和がプレスを掛けていく立ち上がり。中盤5枚でフィルターを作りながらサンタナがボールサイドを塞いで閉じ込めに行く。

堀米がグスタフソンを監視しつつ、CBアタックも担う。

4分、浦和先制、1-0。岩尾のインスイングCKにサンタナが頭で合わせてゲット。鳥栖はプレスとビルドアップでセット局面を落ち着かせる前に失点。

堀米が前に出ていったときは福田がグスタフソンへ出ていく。ただ、どの位置まで出ていくかの連動が曖昧に見える。

浦和の圧を受ける鳥栖。前からプレスを掛けに行っているが、受け手への圧力が弱く、押し返すポイントを作れないままフリーマンへ経由されて前進されている印象。

浦和は前田の外切りと岩尾の押し上げで前線のプレスを掛ける。鳥栖は前田の裏で浮くキムテヒョンへ届けてから福田のサポートでフリースペースを作る。

9分、右サイドのパス交換から前田がスペースに抜け出してシュートも朴が好セーブ。結果的にオフサイド鳥栖は前からいっているが、球際を作り出せず、抜け出されて後方のスペースを突かれる展開。

12分、菊地のポケット進入からのクロス。チャンネルに走られた際に浦和は岩尾のカバーが遅れ、蓋をし切れず。グスタフソンはバイタルケアで残っていた。

堀米はグスタフソンマークの色を薄め、福田を押し出してアンカーケアをするようになった。2トップは2CBにアタック。長沼が内側から寄せて外へ誘導し、降りてきた伊藤は河原が深くまでついて行ってつぶす。

浦和は前田が前に出ていく守備基準になっているので、鳥栖はその背後のキムテヒョンを起点にしようとしている。浦和は石原と佐藤をスライドさせて圧縮する。

伊藤がボランチ脇で縦パスコース作り。最終ラインと前田をつなぐ役割。

26分、石原に警告。

29分、菊地と長沼がサイドを入れ替えた。

浦和は撤退守備でWGが下がり過ぎず、SBがインサイドを埋めたところから大外対応に出ていく。そこでチャンネルが空くので、鳥栖はポケットに走る。浦和はIHかアンカーが対応。

浦和はWGが下がり過ぎないぶん、WGとSBの守備連係に繊細さが求められる。SBが外に出ていくかステイするかの判断力が問われる。WGが下がればマイナスの位置で待つボランチからワンタッチでクロスを入れる鳥栖

鳥栖は前からプレスを掛けようとしているが、思うようにかからず、後ろの連動もいけなくなってきているので、ラインが下がり、受け身の展開に。ホルダーにもプレスが掛からないので、ライン間の選手に時間が生まれ、縦にスピードを上げて攻められている。浦和は最終ラインからスイッチパスを入れてエリア近辺まで運べている良い展開。

 

ゲームの構図が固まる前に浦和が先制。その後は浦和のプレスを鳥栖が左サイドで浮いたキムテヒョンを経由しての前進を図る。敵陣保持では渡邊を外へ引き出してからのポケット進入が多かった印象。志高くつないでエリアを押し上げられたシーンもあったが、技術的なミスや、構造的な隙間に入り込んでも第二陣のプレスに食われてカウンターを受けるシーンもあった。鳥栖もハイプレスを掛けに行ったが、強度不足が否めず、浦和のホルダーに余裕が残ったままつながれて高い位置で押し返せず。前のプレスがハマらないとなると、後ろの選手も連動に出にくくなり、前4枚はプレスに出ているが、後ろは後方のスペースをケアして中盤エリアに空洞が生まれるというシーンも散見された。それに伴って浦和が保持でストレスなくエリアを押し上げつつ、ホルダーにプレスが掛からなければライン間で待つ選手に積極的につけてスピードアップ。鳥栖もノーチャンスではなかったが、浦和に脅威を与えられるだけの攻撃は披露できず。浦和はペースを握って際どいチャンスを多く作り出したが、セットプレーの1点どまり。内容を踏まえればもう少しリードを奪えたら理想的だった。

 

後半

鳥栖交代

アラウージョ、福田→富樫、横山

横山が左SHに入り、菊地がボランチへ下がる。

鳥栖は2トップが2CBにアタックに出て、プレスを掛け切ることでアンカーを消すアプローチだが、佐藤が運んでうまくアンカーを経由する。

同数でプレスを掛けてくる鳥栖に対し、グスタフソンと西川を使って+1を作ってレイオフから浮きどころを作る浦和。佐藤の運び出しでパスコースを少し広げるアクションも良い。

52分、浦和追加点、2-0。佐藤の奪取から背後へのロブパスに松尾が斜めに抜け出し、GKを交わして流し込む。佐藤は右サイドでバランスがゆがんだ際にもカバーリングが冴えており、そこで回収から直接得点に結び付けた。

ゴールカバーに入ってポストにぶつかった原田が痛む。

55分、ロングボールのはね返しから伊藤と前田のワンツーっぽいパス交換から伊藤が抜け出してシュートも朴が好セーブ。鳥栖は一度前向きで奪われた際に、クリティカルなピンチを招いており、全体のリスク管理、プレー共有が怪しい状況。

56分、鳥栖交代

堀米→ヒアン

ヒアンが入ったことで富樫はトップ下タスクっぽく変わった。

63分、浦和交代

前田→大久保

65分、鳥栖交代

原田→中原

中原が右SHに入り、長沼が右SBに移る。

浦和は岩尾を上げてCBまでプレスを掛け、サイドで圧縮してロングボールを蹴らせる。

66分、山﨑に警告。

69分、富樫がタイミングよくボランチ前に出てきてクッション役になり、ボランチが前を向いて前進成功。

70分、浦和交代

松尾、岩尾→中島、小泉

中島はトップ下ではなく、そのまま4-3-3の左WGに入る。

浦和は3トップで4バックを見て、IHがダブルボランチを見る基準に変えた?

浦和は3トップかIHの誰かしらがジャンプして二度追いすることで人数の不足を補うプレス。後ろの選手はマーカーをつぶすことに集中。鳥栖はビルドアップ隊が浮いた場所を経由しながら前進を図るが、浦和のプレスバックもかなり速く、余裕はもらえない。

78分、鳥栖交代

山﨑→丸橋

丸橋を左SBに入れ、木村とキムテヒョンを1つ右にスライドさせる。

80分、小泉のスルーパスに中島が抜け出してシュートも朴が好セーブ。鳥栖は左バイタルが空き、いくらか空いていたチャンネルに潜られた。

80分、浦和交代

サンタナ、伊藤→興梠、安居

82分、浦和追加点、3-0。中島が空いたバイタルで受けると、横から入ってきた大久保へパス。大久保は横断しながら受けることでキムテヒョンの矢印を折って剥がし、ニアを打ち抜いてゲット。鳥栖は空きがちだったバイタルを起点にインサイドから潜られるというピンチの似たパターンが失点に。

佐藤がプレスを受けつつもグスタフソンへつなぎボランチを引き出して、その裏に潜る興梠を経由して前進。鳥栖はプレスを掛けても佐藤→グスタフソンで1stラインを越されるシーンが何度か見られる。

95分、中原がピッチを出る。詳細不明だが、アクシデントがあった模様。

 

後半から選手を替えるとともに強度を上げてプレスに出ていった鳥栖。前半よりも前に出て攻められるシーンは作れたが、ゴールに近い位置への進入はなかなかできず。徐々に浦和がアジャストし始め、浮いたグスタフソンを経由した前進パターンを作り始め、プレスでも蹴らせて後ろで回収ができる。良いサイクルに入り始めた流れで、佐藤→松尾とトランジションから一発で背後を取って追加点を奪取。その後、鳥栖がさらに選手交代で流れを変えにかかるも浦和ペースは変わらず。基本的には前からのプレスで陣地を押し上げる戦略で狙いどおりの回収とトランジションでチャンスを創出。途中から守備基準を少し変えたようにも見えたが、前線のエネルギーを高めることで後ろの負担を減らしつつ、バランスも保つ。朴の好セーブが光ったことで3得点にとどまったが、90分を通じて質の高いチャンスを多く作り、ゲームもコントロールできた完勝だったといえる。鳥栖は勝てずとも1stプランの遂行力の高さを見せる流れがあったが、この試合ではプランを思いどおりに遂行できなかった印象が強い。また、1つのミスがクリティカルなピンチにつながってしまうリスク管理と全体のプレーの共有も良くなかった。

 

個人的MOM

★佐藤 瑶大

前田が前向きに出ていくバランスのとり方をしているため、サイドまで出ていって広いエリアをカバーしなければならない仕事があったが、穴を作らずに完遂。また、保持の面でも高いプレス耐性でグスタフソンへしっかりつなぐことで、相手にボールを渡さず、保持でコントロールする時間を増やす起点になっていたとも言える。松尾へのアシストも見事。

 

トピックス

中原が負傷。詳細は不明だが、途中でピッチを出る。

 

2024 J1第7節 北海道コンサドーレ札幌vsガンバ大阪 メモ

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札幌はガンバから期限付き移籍中の鈴木が契約上出場不可。

ガンバはジェバリ、中野が初先発。半田が欠場で福岡が先発。ターンオーバー気味のメンバー選考。

 

流れ

宮澤が右降りのミシャ式4-1ビルド。

ガンバは坂本がトップ下タスクの4-2-3-1セット。

坂本はCBにアタックしながら、横に出たら平行サポートを消すプレスバック。

ガンバはジェバリが横幅をあまり見られないことと、SHがそこまで前に出てこないので、札幌は後方で広がったCBらが比較的自由にボールを持てる。そこから前進の起点作り。

駒井と小林はIHに近い立ち位置取り。荒野が最終ラインサポートに下りたら、駒井がボランチの位置まで連動して下がる。

ガンバはつながずに前に蹴って押し上げてからのセカンド回収でエリアを上げる。ジェバリがメインターゲット。

ガンバは中盤の選手が下りてきた中で一森からロングボールをジェバリに入れるが、そうすると個人でキープできない場合にセカンド回収部隊が足りなくなる。

ガンバは重心低めなのでプレスが掛からず、保持でも敵陣でプレーする時間が作れないので、守勢に回る時間が多くなる。ジェバリが先頭だとカウンターも効果が弱まる。半田、ウェルトン、アラーノなど走力に長けた選手も不在なので、オープン局面よりもクローズ局面でエリアを押し上げたいが…。ただ、それでも最終ラインの堅さでピンチというピンチはない。

23分、鈴木に警告。

札幌が低い位置でロストしたり、ガンバが後ろからつないで浮き場所に入ることでスピードアップできるようになってきた。食野、倉田と運べる選手が運び出し役になり、ジェバリと坂本が動き出す形になると可能性を感じる。

札幌はマンツーマンだが、CBのところには持ち場を守りつつ出ていくので、ガンバのCBはそこまでプレッシャーを受けない。中盤より前の選手に対しては比較的タイトにマークする。

27分、近藤に警告。

29分、ジェバリの直接FKはポスト直撃、30分、CKの流れから福岡のシュートがゴールネットを揺らすもオフサイドの判定。ガンバが一気にゴールへ近づいてきた。

ダワンはボールサイド守備のサポートに出ていき、鈴木がバイタルとチャンネルのケア。ボランチが2人ともボールサイドに寄っていくバランスになっているので、バイタル管理が難しそう。倉田がしぼって埋めている。

ガンバは一森を使いながら保持。札幌が前に出てきたらジェバリへ蹴るが、鈴木が2トップ裏で浮いていても蹴っ飛ばしているので、チームとしての前進パターンはあまり定まっていないようにも映る。鈴木は足元で受けて前進させたいが、一森は蹴っ飛ばすといった感じ。ただ、ジェバリがイーブンのボールを作るので、セカンド回収で押し上げられるシーンはそれなりにある。

福岡を起用していることで、前線で攻撃の厚みを作るのは難しいが、はね返しのところは優位性がある。

 

序盤は札幌がボール保持でゲームをコントロールし、攻めの形を模索。近藤の仕掛けからPA内進入を狙うパターンが多かったか。ガンバは2トップが横幅をみ切れず、SHもステイするベースなので、2トップ脇のスペースを始発に前進を許す。また、足元でつながずにガンガン蹴って行ったことで、なかなか保持でのセット局面を作れなかった。特に、中盤の選手はボールを受けにおりにいくのに対し、前方へ蹴ってセカンド回収の選手が少なくなっているのはどういう理由だったのか。ただ、ジェバリがある程度イーブンなルーズボールを作り出して坂本がサポートすることで押し上げることもできていた。徐々にボールをつなぐようになり、鈴木を経由した前進や、札幌のミスを突いたカウンターなどでガンバも前に出られるようになると、ジェバリの直接FKとCKから福岡のシュートでゴールを脅かすも決まらず。札幌はボールを持てても最後の崩しで物足りなさがあった。ガンバのほうが、札幌がバランスを崩している分オープン局面で攻められたため、チャンスの質が高かったような印象が残った。

 

後半

ジェバリへのロングボールから前線でポイントを作り、押し上げるガンバ。

48分、ジェバリの落としから食野がバイタルまで運び、スルーパスに坂本が反応するも打てず。ジェバリのシュートは札幌守備陣がカバー。

倉田に入った際、マンマークの馬場が外に出ていき、チャンネルを宮澤が埋めて坂本のポケット進入を抑止。

ガンバは立ち上がりこそジェバリがうまく収めてプッシュアップできていたが、徐々に安直な前へのボールで簡単にロストし、自陣で守る時間を自分たちで作ってしまっている。札幌はボランチをどかしてからのバイタルパスでCBを引き出す、大外→大外でSB裏を突く攻撃を狙っているか。

60分前あたりから札幌のペース。

60分、ガンバ交代

食野→ウェルトン

完全に札幌の時間帯。大外から大外へのクロスでガンバ守備陣が届かないところに送り、目線をずらして攻撃。ガンバは4-4ブロックでゴール前を守る。

64分、札幌交代

近藤、大森、小林→髙尾、長谷川、青木

66分、ガンバ交代

ジェバリ、倉田、坂本→宇佐美、黒川、石毛

黒川が左SBに入り、中野が左SHへ。

長谷川はプレス時右FWになるシャドー起用。髙尾が右CBに入り、馬場が左CB、菅が左WBに移る。

ガンバは交代から前プレスの強度を上げた。

72分、札幌先制、1-0。右サイドでの運びと崩しから長谷川が狭いチャンネルに入り込んでクロス。ファーサイドで宮澤が押し込んでゲット。徹底してたファーサイドクロスが得点に結びつく。

ガンバは宇佐美のみ最前線に残し、4-4-1ブロックで対抗。ただ、セット時の押し返し手段がなく、一度攻め込まれるとなかなかエリアを押し上げられない。

78分、ガンバ交代

鈴木→ラヴィ

79分、ウェルトンに警告。ファウルかどうかも微妙なラインのコンタクトだったので、かなり厳しい判定。

81分、ウェルトンがためてからのスルーパスで黒川がポケットに抜けて折り返し、混戦から押し込むもオフサイド。ウェルトンが左に移ったことで黒川との連係レベルが上がり、左サイドのパワーが上がった。

マンツー基調の札幌に対し、石毛を下ろしたりしながら前進を図るが、前のポイントが作れないガンバ。札幌も黒川のところまでWBが無理に出ていかないなど、多少の調整をしているか。下りる石毛は宮澤がついていってマーク。

85分、ラヴィに警告。

札幌は5-3-2ブロックに近くなっており、WBは高くまで出てこず、SBはある程度時間をもらえるガンバ。その代わりに中央レーンでのマークは強め。

92分、札幌交代

菅→中村

 

立ち上がりはジェバリへのロングボールからの押し上げで攻撃に転じられていたガンバだが、徐々に保持からの前進手段を失い、プレスでも押し返しができないようになると60分前あたりから防戦一方のような展開に。札幌はバイタルを使った崩しやミドル、大外から逆のSBを越えるファークロスを狙って攻め込み、惜しいチャンスを作る。ガンバも最終ラインの踏ん張りでなんとかはなっていたが、失点は時間の問題という質のピンチを招いていた。連戦もあって、互いに早めの交代を行い、ガンバがプレススイッチを入れ直し、ウェルトンのところを生かした攻撃で少し押し返すことはできたが、札幌のペースは変わらず。交代で入った長谷川のアシストで札幌が先制。ガンバはボールを持って攻めなければならなくなり、打開策を探すも、ミドルゾーンから前に進む手段を見つけられず。ウェルトン×黒川のストロングコンビは脅威になっていたが、札幌もWBを前に出し過ぎないように調整し、穴は作らず。ガンバは1点取らなければならない状況になってからこれといった攻撃を繰り出せず完封負け。札幌は相手との兼ね合いもあるが、札幌らしい攻撃を披露してようやく初勝利。

 

個人的MOM

★長谷川 竜也

ペースを握っていた時間帯で「ゴール前でのあと少しをどうするか」という課題を解決したアシストで決勝点を演出。狭いエリアで質を発揮できる技術が生きた。

 

2024 J1第7節 ヴィッセル神戸vs横浜F・マリノス メモ

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神戸は前節で負傷交代した広瀬と、途中出場途中交代の飯野が欠場。離脱していた井手が復帰してメンバー入り。

マリノスエドゥアルドとマテウスがメンバー復帰。小池龍が長期離脱明けでメンバー入り。前節負傷したエウベルが欠場。

流れ

神戸がGKまでプレスを掛けていく立ち上がり。神戸はシンプルにロングボール。

マリノスゴールキックに高い位置からけん制をかける神戸。WGが2人チェックする構造を使い、SBでWGのプレスバックを待ってから浮いたCBに戻し、相手のプレスラインを下げさせる。そこから空いた逆サイドへ展開。

ナムテヒが扇原の監視役。

神戸は佐々木の頭を目指してロングボールを蹴っていく。松原との競り合いで優位性を取っている。

神戸は4トップ気味に立ち、相手4バックに対して中央3レーンを埋めながらプレスを掛ける。マリノスはFW-SH間を通してクッションを入れ、SBへレイオフ。SBから前のスペースへ流し込むボールの供給が多い。

ロペスが右を切りながら前川に寄せていく。

7分、武藤が右サイド奥へ抜け出してクロス。中に宮代が飛び込んでDFを引きつけ、ファーで浮いた佐々木が狙うも枠外。早く攻め切ってチャンスを作るもフィニッシュ精度が上がらず。

神戸が人数を掛けてプレスにかけてくる中、マリノスも簡単には蹴らずに足元でつなぐ。

13分、加藤蓮に警告。武藤、酒井に後ろからタイトに行くシーンが続き、早い時間に警告。

WGがインサイドからCBへアタックに出てくるところを外してSBに出せるとマリノスは少し時間をもらえる。ただ、神戸も第二陣がかなり速く、考えているうちに時間を奪われる。マリノスのIHは相手ボランチの脇に顔を出す。

18分、渡邊に警告。マリノスは早くも最終ラインの2人が警告もちに。

21分、マリノスのビルドアップをひっかけてショートカウンターを仕掛ける神戸。マリノスはちょくちょくリスクが高いパスがあり、神戸が高い位置でひっかけそうになる形が散見。FW-SH間を通すパスを狙って前進のポイントにしようとしていたが、何度もやっていれば佐々木もそこをケアする意識になり、まんまと引っかけたが決め切れず。

大迫は渡邊のほうを狙って競っている。

佐々木は松原に、大迫は渡邊にかなり高い確率で競り勝つ。

前4枚に連動してボランチもサイド深い位置までプレスに出てくる。マリノスはサイドから脱出して、中盤を経由して逆サイドへ展開し、スピードを上げる。主に右で作って左の宮市へ開放する形が多い。宮市が仕掛けている時間で水沼がターゲットとして中に入ってくる。

神戸がハイプレスでマリノスのビルドアップに自由を与えず、保持ではロングボールで陣地を押し上げ、高いエリアでのプレーを続ける。

左サイドは佐々木が出ていった背後を扇原のスライドで埋め、右サイドは酒井が前に出てスペースを消しつつ人に当たっていく。

マリノスはサイドにボールが入った際の守備で、SBが背後へ流すコースを消せずに深さを作られ、CBがつり出されるシーンが多い。

38分、トランジションからロペスがバイタルで浮き、カウンター。宮市の仕掛けから最後は上がってきた加藤蓮が回収してシュートもポストをヒット。マリノスは人を捕まえに前に出ていくも、ロングボールを蹴られるので、中盤が前と後ろの動きを繰り返させられる。

42分、ロペスのボランチ前ピックアップで落として山根からの右への展開で前進。ロペスが下りることでもう1つのパスコースを作り出す。前線の厚みは一時的になくなるが、サイドからの攻撃で仕掛けている間にゴール前へ入る。

 

神戸が3トップへのロングボールとハイプレスでプレーエリアを押し上げ、主導権を掌握。マリノスは自陣でのビルドアップがかなり苦しかったが、それでも哲学は曲げず、蹴らずに地上戦で対抗。ひっかかって致命傷になりかけたシーンもあったが、徐々にプレスを外して前進できるシーンが増え、宮市の仕掛けを軸に何度かはゴールへ向かえた。総じて神戸がペースを握っていたといえるが、スコアは動かせず、マリノスが少しずつアジャストし始めていることを考えれば、後半はマリノスペースになることも大いに考えられる。神戸は4トッププレスと後ろの連動が体力的にどこまで続くかがカギになるか。

 

後半

46分、マリノス先制、0-1。自陣でのビルドアップからレイオフを使って浮き場所を使い、前進を図る。一度は引っかかるもルーズボールを回収して密集を抜け出し、フリーの水沼へ。クロスから宮市が合わせ、前川がはじいたところをロペスがプッシュしてゲット。マリノスはやり続けたことが実を結ぶ。神戸も1つ目のところは狙いどおり引っかけられたが、確実なマイボールにできなかったことで脱出を許してしまった。

後半も前プレ強度を維持する神戸。マリノスも変わらず足元でつなぎ続ける。

マリノスは山根がかなり縦向きに下りてくる動きが増えた。山口ががっちりマークについて深くまでついていく。山根と入れ替わるように前に出ていく喜田がライン間で待つ。

54分、佐々木が左ポケットを縦に運んでのクロスを山口が合わせるもポープがビッグセーブ。

宮市はSBを捨ててCBまでジャンプして出ていくことが増えた印象。前半のCBへのプレスはロペスのサイド制限方式だった。

57分、マリノス交代

松原、宮市→小池龍、マテウス

58分、トゥーレルに警告。

60分、神戸交代

佐々木→パトリッキ

マテウスが右WGに入り、水沼が左WGへ移る。

神戸は変わらずにハイプレスを掛けていくが、前半ほど高い位置で押し返せなくなっており、回収できそうなところまではいっているが、セカンドアクションのところでマイボールにできず、マリノスにオープン局面での攻撃を許すことが増えた。

64分、大迫が競り合い時に負傷。普通に歩けてはいるが、足首付近を痛めた模様。

64分、神戸交代

大迫→井出

井出をトップ下のほうのIHに入れ、宮代を1トップに。

66分、神戸同点、1-1。神戸が前プレからのセカンドアクションで前向きに奪い、左サイドを縦について初瀬から低いクロス。中で待っていた宮代が頭で合わせてゲット。神戸は悩みになっていたプレス後のセカンドアクションで良い奪い方ができ、そのままカウンターで刺し切った。

マリノスは自陣撤退時、DF-MF間が間延びしており、神戸はバイタルを使ってエリア内の攻略を図る。

神戸は判定にかなりフラストレーションを溜めている印象。判定自体が大きく間違っていることはないが、感覚的にファウルやオフサイドに納得いっていないような雰囲気に見える。

71分、マリノス交代

加藤蓮→エドゥアルド

エドゥアルドを左CBに入れ、渡邊を左SBへ移す。

74分、前川が一発退場。左で持った水沼の、スペースへのパスに抜け出したマテウスに対し、飛び出した前川が間に合わずファウル。ボールにはチャレンジしたが、ギリギリエリア外だったため、ドグソで一発退場。

77分、神戸交代

武藤→新井

神戸は井出を右SHにした4-4-1セットに。

82分、マリノス勝ち越し、1-2。神戸が後ろ重心になり、SHが大外、ボランチがポケットケアでバイタルを空けた中で、マテウスがコントロールショットを決め切った。神戸はバイタルよりゴール前のスペースを優先した結果なのか、意図せずバランスが崩れてしまったのかは不明。

83分、マリノス交代

渡邊、水沼→天野、植中

山根が左SBに入る。

神戸はパトリッキのスピードを生かしてサイドで深さを取り、プレーエリアの押し上げを図る。

神戸はビハインドになってしまったため、数的不利の中でもプレスを掛けていく。

初瀬のクロスに4人が飛び込む。マリノス疲労がある印象で、守っている時に中盤が陣形を組み切れていない。

天野は左WGに入っている。

ビハインドの神戸がガンガン前に出ていく、マリノスもオープン局面では攻め切ろうとする、という構図でかなりオープンな展開になってくる。

91分、マリノスが敵陣保持でコントロールしにかかったところで酒井がインターセプトファーサイドで駆け上がってきたパトリッキが合わせるも枠外。マリノスの意識がゴールに向かっていないパスを察知して奪取に出ていく嗅覚はさすが。

95分、ロペスに警告。

1点リードで数的優位に立っているマリノスだが、神戸のなりふり構わず間に出てくる圧力にナーバスになっている。

退場直後は3点目を取りにいく空気感があったが、徐々にコントロール意識が高まり、その消極性が神戸の前向き矢印に食われている印象。

98分、マリノスは相手のミスからマイボールにするとサイドへの展開から一気に押し上げて敵陣保持に。敵陣まで入れれば、前向きの動きで相手を押し下げ、攻撃的な選択を取っていく良い循環ができているマリノス

101分、初瀬が攻撃参加で上がってきてのクロス。中でパトリッキが合わせるも脇へ飛ばず。マテウスが大外での守備でもたついたら初瀬から高精度のボールが出てくる。

 

後半も前半と同様に神戸がハイプレスを掛け、マリノスが足元でのつなぎで対抗する構図。神戸は前半よりも回収ポイントが下がっている印象で、奪ったあとのセカンドアクションでマイボールにし切れず、マリノスが密集を抜け出すシーンが増える。マリノスが先制したシーンも神戸が回収しかけたところからマイボールにできなかったシーンから。60分過ぎに佐々木と大迫が下がったあと、1トップに入った宮代のゴールで追いついたものの、ロングボールのターゲットが減り、前に蹴っておけば押し上げられるという状況ではなくなった。それに伴ってマリノスが非保持で押し下がる場面も減り、神戸がセット局面から優位性を取れなくなる。ただ、マリノスもバイタル管理がやや甘い印象で、神戸は敵陣保持に持ち込めればそこを突いて攻める。前川が退場したあとはマリノスが押し込んで2点目を奪取。しかし、そのあとは神戸がなりふり構わず前に出てマリノスにストレスを与える。初瀬のクロスなどからパトリッキに惜しいチャンスが何度か訪れるもマリノスが逃げ切りに成功した。

神戸はハイプレスが高いレベルで機能していた前半のうちにリードを得られたら違う展開にできたかもしれない。佐々木の交代はおそらくプランどおりだったと思われるが、大迫のアクシデントに加え、前川の退場で武藤を下げなければならなくなったことは大きな想定外だっただろう。マリノスはプレッシャーを受けてもつなぐことにこだわったことで先制点につながった。前半に危険なシーンもあっただけに、ビルドアップミスが失点につながらなかったことが助かったポイント。

 

個人的MOM

★水沼 宏太

数字には残らないが、先制点の起点であり、前川退場の引き金を引いたラストパスもあった。それ以外にも際どいチャンスにつながる配球があり、相手DFが対応しにくい、かつ味方が合わせやすいパスの供給で存在感があった。

守備ではポープが最後のところで踏ん張り、ピンチを防いだ。

 

神戸は初瀬が得意のクロスから何度もチャンスを演出。あと1本2本が得点につながっていればMOM級だった。

 

トピックス

大迫が負傷交代。足首付近を痛めた?程度は不明。

前川が一発退場で次節出場停止。

 

2024 J1第7節 FC東京vs鹿島アントラーズ メモ

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スタメン

東京は荒木が契約上の問題で出場不可。

鹿島は新加入のミロサヴリェヴィッチがベンチ入り。

 

流れ

4-4で守る東京。鹿島は左サイドから中につけてCBの目線を引きつけてからポケットに入る3人の連係。

仲川が下りてボランチ前でピックアップ。クッション役になる。樋口がボランチスペースケアで、鈴木がCBへのチェイス。そこまで前から奪いにはっていない。サイドに入ってきたところで囲い込むイメージ化。

東京は4-4-2セット。SHは前に出さず、大外ケア。鹿島はCBがプレッシャーを受けないため、CB→SBで大外の切る位置を取って保持エリアを押し上げる。進ませないように東京は両SHが下がって対応。

仲間がボランチ前にタイミングよく降りてきてピックアップ。仲川と似たような動き。

8分、中盤のルーズボールを仲川が収めたところから俵積田のカットインシュートまで。

トランジションで降りて起点を作りにいく鈴木には土肥がタイトにマーク。背負われているが、前は向かせない土肥。

仲川がチェイスを掛けてボールホルダーへアタック。鹿島は無理につながず、早川から前に蹴っていく。鈴木をターゲットにしてCBを引き出し、その裏を仲間が狙う。

鹿島は最前線で追う役が鈴木のみなので、CBの空いたほうが運び出す。14分はエンリケ→俵積田でチャヴリッチを切ってそのまま縦に運び、インサイドに入ったバングーナガンデと連係。深さを取ってからの折り返しで、下がったボランチの前のバイタルを使う。

仲川が縦パスコース作りで降りてくるため、松木が最前線に残っているバランスのとり方が多い。

18分、自陣でのトランジションでサイドに当ててから中央経由で逆サイドまで運び、前に出ていく東京。鹿島は人はつけているが、サイドに閉じ込めきれず、広いほうへ開放される。

鹿島の前進パターンは関川→仲間で縦につけてからワンクッション入って落としを佐野がサイドにはたく。安斎が大外対応で戻るが、ラインは下がる東京。

佐野がアンカー位置に入り、知念がIHぎみのポジショニングに微調整?そこまでプレスを受けないので、前のポイントを増やす意図か?

チャヴリッチが大外、濃野がインサイドを取って、外→内をつなぐことでボランチを引き出し、そこで空けたスペースを素早く狙う。外に通った時点でSHがインサイドに入ったSBを捕まえるのは難しく、ボランチは引き出される。

4-4ブロックで組む東京に対し、濃野がインサイドを取ることで俵積田を引きつけ、大外のチャヴリッチを空ける。外に出たらSBが迎撃しなければならず、そのギャップをついて行く鹿島。

30分、鹿島がプレス回避からオープン局面で右へ展開し、濃野→チャヴリッチでSBの背後を取る。右サイドの連係はかなりスムーズでストロングサイドになっている。ただ、小泉も走って右サイドのホルダーに制限をかける。

東京は中央を狭く守るので、鹿島はCBが広がったり、サイドで大外を取ることで、時間を得て押し上げられる。東京はラインが下がるが、しっかりと陣形を整えられれば崩れる雰囲気はない。2トップも押し下がった局面では個人の判断でホルダーへのサポートに入る。鹿島は東京が大外の選手に意識が言っていれば、開いたゲートを通してライン間にポイント作り。

38分、小泉に警告。

チャヴリッチが前にプレスへ出た場所に松木が潜り込んでピックアップを図る。鹿島もボランチがスライドして対応。

序盤は仲川がピックアップ役になっていたが、徐々に松木が左に下りてピックアップしにきて、仲川が最前線に残るバランスに変わってきた。

仲川がピックアップに下りたら安斎が前のスペースに出ていく押し引き。ただ、松木と仲川のピックアップの動きにはボランチが対応できており、最終ラインを動かせていないので、安斎が背後へ出ても十分に対応できている。

 

ともにあまり積極的にプレスには出ていかず、セットされた局面での攻防が多くなった前半。東京は中央を固め、鹿島は外起点で押し上げと打開を図る。左では仲間がボランチ前にタイミングよく降りてきてクッション役をこなすことで相手を引きつけながらサイドで押し上げ。右サイドは濃野がインサイドを取ることでSHを引きつけつつ、大外へのコースを空けて少ないタッチでのパス交換で相手のギャップを狙う。東京は仲川がボランチ前に出てきてピックアップし、サイドへ展開。途中からはチャヴリッチの裏に松木が流れてピックアップを狙った。ただ、こちらには鹿島がボランチでの対応ができていた。鹿島は右サイドでのスピード感あるコンビネーションからの崩し、東京はオープン局面を作り出してからの俵積田のカットインシュート、またはポケットを取ってからの折り返しが攻撃のメインパターンになっていたか。東京の守備は、右は安斎が大外守備でしっかり戻って対応することでほぼほぼ穴ができることはなかった。左は濃野の立ち位置の妙もあり、俵積田が無効化されてズレが生まれるシーンはあったが、ボランチの寄せや、鹿島のスピードを上げた攻撃で精度が上がり切らなかったこともあり、致命傷にはならず。また、互いに最終ラインが動かされるシーンがあまりないので、大崩れがほとんどない。

 

後半

48分、中盤の球際からトランジションでSB裏を突いた鈴木から、折り返してバイタルで知念がシュート。

鹿島は前半に比べて前向きに出ていく意識が上がったように見える。

54分、東京先制、1-0。エンリケのパスからバングーナガンデと松木の連係で左サイドでポイントを作り、松木アーリークロスを仲川が点で合わせてゲット。鹿島は強いCBがゴール前の配置につく前に間に入られた。タイミングと精度がかみ合った良い攻撃。鹿島は前からの守備とサイドの寄せがワンテンポ遅れたことですべての寄せが少しずつ遅れ、クロスの供給を許した。

ボランチ脇のライン間に入ってくる濃野。

59分、連続トランジションで東京が前で槍きてなかったところから鹿島の攻撃。濃野→チャヴリッチでポケットを取って折り返し。濃野とチャヴリッチは連係良好。

60分、鹿島交代

仲間→藤井

61分、東京交代

俵積田→遠藤

鹿島は鈴木が横消しのプレスバックをかなり強度高く行っており、「ここが勝負所」という感じでテンションを上げていく。

鈴木が左スクエアに入ってきてマークを曖昧にする。

65分、白井に警告。

鹿島の降りて横サポートするボランチには東京もボランチを出してケア。ただ、ホルダーにプレスが掛かり切らず、スペースに下りてくる樋口にピックアップされる。

66分、オープン局面から遠藤が縦に運んでクロス。ファーで仲川が飛び込んで合わせるもバーをヒット。元マリノスのホットライン。やりたい攻撃の共有ができている感じ。

東京は自陣セットで中盤が後ろに吸収されやすくなっており、そのぶん2トップも下がってバイタル埋めに入る。前の脅威はなくなるが、まずは守備の安定が優先。

ビハインドの鹿島はかなりプレスのテンションを上げて前からくる。東京は後ろでのつなぎが安定しなくなり、ゲームをコントロールできなくなってきた。

鹿島はSB位置に選手を下ろして起点作り。東京はSHが上がってこないので、そこで時間を得ての配球でストレスなく保持エリアを上げられる。

スクエアに入ってくる鈴木に対しては、高が横からアプローチして対応。完全には自由を奪えないが、角度と時間を制限する。

73分、東京交代

高、仲川→原川、シルバ

トランジションから一気に縦に運び出してエリアを上げることで保持のコントロールフェーズを作る東京。

79分、鹿島交代

知念、樋口、チャヴリッチ→土居、松村、ミロサヴリェヴィッチ

東京は割り切ってラインを下げてブロック形成を優先。鹿島は広がったCBが自由にボールを持てるため、そこからの配球で押し上げ、クロス攻撃を軸にゴールへ圧力を掛ける。

84分、濃野の大外からのアーリークロスを鈴木が合わせるも枠外。CBの間にうまく入ったが、土肥も後ろから体を寄せて完全に自由にはさせず。

84分、鹿島交代

佐野→パレジ

86分、安斎が足を攣る。前半からかなり強度高く守備でふたをしていた。

87分、東京交代

安斎→徳元

徳元はそのまま右SHに入る。

95分、松木が足を攣る

96分、東京追加点、2-0。原川が前向きで奪い、松木とのワンツーから抜け出してニア上ズドンでゲット。逃げ切り態勢に入っていたが、前向きの守備を狙うことは続けたことがスコアに反映される。

 

前半よりも前に出てきた鹿島の寄せがワンテンポ遅れたところで松木のピンポイントクロスを合わせた仲川のゴールで東京が先制。その後も鹿島がテンションを上げて前がかりになってくる中、東京はある程度割り切ってラインを下げることを許容してまずは守備を固める。そこからなかなかプレーエリアを押し上げられなくなっていたが、そのぶんゴール前の守備は堅く、崩されるシーンは作らせない。鹿島は前がかりになっているぶん、トランジションからサイドのスペースを突かれてカウンターを許すシーンもスポット的にあったが、そのリスクは承知の上。個人の打開力に長けた攻撃的な選手を投入していき、敵陣で圧力を掛ける。東京はサイドからの押し上げがないので、鹿島は配置を調整しながらSB位置から前進して保持エリアを押し上げる。両ワイドの藤井と松村が個人で仕掛けてクロスや深さを取りにいく。東京はゴール前を固めつつ、2トップも低い位置まで下ろしてバイタルもしっかりケア。ラインを下げたところから前向きの守備を意識し、はね返す。基本的には1点を守り切る態勢だったが、最後に原川が2点目を決めて勝負あり。互いにセット局面から構造をどう壊すかという勝負で、東京は先制できたことで割り切って撤退するという選択肢が生まれ、ゲームをカオスにせず、強みのある局面で進めることができた。ただ、鹿島がテンションを上げて前からプレスを掛けてきた際に保持のコントロール時間が少なかったことは課題。撤退守備でクリティカルなシーンを作らせず、前向きの守備もバランスよくできたところは収穫。鹿島も途中まではイーブンな勝負ができ、後半はギアを上げてペースを握る時間も多かったが、ビハインドになったことで崩しにかかる繊細さが増してしまったことが難しくさせた。

 

個人的MOM

★仲川 輝人

この試合のゲーム展開を決める先制点を奪取。あの1点があったからこそ、受ける展開になっても慌てることなく守備のフェーズで我慢が利き、勝ちへの道筋を作れた。遠藤のクロスを詰めてバーに当てたシーンも連係の内容は〇。

 

鹿島は濃野の立ち位置取りと、チャヴリッチを生かす連係レベルの高さが秀逸。東京の左サイドにギャップと穴を作り出していた。