がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2022 J1リーグ第16節 京都サンガF.C.vs川崎フロンターレ メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

京都は前節で好セーブを連発した若原をサブに戻して上福元が先発復帰。

川崎は谷口が出場停止明け。相変わらずバックラインと中盤は変えず、前線のセットだけ入れ替える。大島、登里、チャナティップ、ジェジエウが負傷離脱中。

 

流れ

京都が相手のプレスを外しながらうまく前進する立ち上がり早々。

2分、川崎のハイプレスに対して、ショートパスで剥がそうと試みる京都。

5分、京都のハイプレスにソンリョンからWGへのフィードで裏返そうとする川崎。

6分、ソンリョン→小林で一気に前進。京都はハイプレス時に最終ラインに広いスペースができるので、川崎はそこをダイレクトに狙う。

京都は1stプレスをくぐられた後は割り切ってブロックを形成。4-5-1で組んで、縦に入ってきたところには強く出ていく。

10分、右サイドの連係から脇坂が3人目の動きで右ポケットへ進入。

12分、谷口→宮城で左サイド奥を取ってから佐々木のシュートまで。京都がラインを高く保っているので、川崎はシンプルに背後を狙っていく。

13分、ハイプレスに出るが、球際を作らせてもらえない京都。

14分、京都が自陣ビルドアップでミスを犯し、バックパスをダミアンに拾われてシュートを打たれるが上福元が距離を詰め切ってブロック。京都は命拾い。

17分、中盤の大外で張っていた白井に預けてプレス回避。

18-19分、川﨑が中盤で1人剥がしてから縦パスでスピードアップ。山田が仕掛けてシュートを狙うもカットインが読まれて対応された。作りのところはgood。

21分、飲水タイム

京都はホームらしくアグレッシブな戦いで、攻守にリスクあるプランでチャレンジしている。ビルドアップでもつぼをつかみつつあるが、まだ敵陣でのもう一工夫は必要。川崎は背後は突けているので、そこからのスピードアップをどうするか。

23分、切り替えからの寄せのスピードが異常な京都。川崎は少しでも判断を迷うと寄せきられる。

川崎のWGがCB付近まで出てくる傾向が強くなってきたので、上福元→白井でのプレス回避が増えてきた。

28分、谷口→小林で前進し、ダミアンの中央起点を狙うが京都DFがうまく対応。

29分、小林のシュート。橘田から鋭い縦パスが入り、一気にPA前で前向きを作った。川崎の縦パスからのスピードアップが出始めた。

32-33分、宮城がスルーパスで抜け出しかけるも1stタッチが決まらず。その後ダミアンへつながったが京都DFが対応。

36-37分、ダミアンがポケットへ進入し、落としを小林が合わせるもポスト。結果的にオフサイド。川崎がゴールに近づいてきている。

白井が宮城を抑えつつ、前にも出ていく働きで目立っている。

徐々に京都が押し返す。サイドからのクロスを中心に攻める。ただ、川崎も中央は堅い。

 

互いに自分たちの時間を作ってチャンスを作った前半。チャンスの質で言えば川崎のほうが高かった印象があるので、どちらかといえば川崎がスコアを動かせなかったことを悔やんでいるかもしれない。

京都はビルドアップで前進の形を見つけながら敵陣へ入り、サイドを取るところまでは行けたが、ゴール前を外すところがやや足りなかった印象。白井のところで比較的攻め込めているので、右サイドからの攻撃をどうゴールにつなげられるか。

川崎は小林をサイドから中央へうまく動かしながら良いフィニッシュを何度か見せた。ダミアンが京都DFに囲まれてつぶされるシーンが何度かあったが、彼がPA内でポイントを作れれば、よりシュートの本数を増やして行けそう。

DAZN集計で支配率は完全な五分五分。

 

 

後半

都交

山田→宮吉

川崎交代

宮城→マルシーニョ

49分、右から脇坂がアーリークロスを入れてファーのマルシーニョへ届けるもシュートはミートし切れず枠外へ。後半立ち上がりは川崎のペースで試合が進む。

京都はウタカを使って陣地回復を図るが、谷口がタイトなマークで自由を与えない。

51分、ウタカを起点にしてスピードアップした京都が荻原のクロス→ウタカでチャンスを作るも枠外。京都が1つ押し返した。

53-54分、遠野が左サイドを抜け出してからグラウンダークロスにダミアンが入っていくも合わせきれず。川崎は決定的なチャンスが訪れているが決め切れない。京都は我慢できているというよりも、相手の最後の精度に助けられている状態。

京都が中盤での切り替えと球際で上回り始め、徐々にボールを持てるようになってきた。

59分、京都先制、1-0。荻原が3人目の動きで左サイドを抜け出し、仕掛けから1人抜いて速いクロスを入れえると佐々木のクリアがオウンゴールに。佐々木は流経大時代に指導を受けた曺貴裁監督との対戦で皮肉なことにオウンゴール。京都は苦しい時間が続いた中で相手のミスに助けられ、自分たちの時間にし始めたところでうまくスコアを動かせた。

川崎交代

ダミアン、遠野→家長、瀬古

小林が中央に移り、家長が右WGに入る。

62分、宮吉の落としからウタカがシュートまで持っていくも、谷口の寄せと佐々木のスーパーゴールカバーで阻止。佐々木はオウンゴールの汚名を返上する1点もののクリア。谷口の寄せがファウルにも思われたが、おとがめなし。

64分、京都の攻撃時にボールをかき出そうとしてポストに当たったソンリョンが少し痛んで一時中断。両軍の選手が一斉に水分補給。

67分、アピアタウィアに警告。川崎がかなり狭いところを通してスピードアップから小林を狙った攻撃。

69分、飲水タイム。

川崎が少しずつゴールへ近づいている雰囲気は漂いつつある。

70分、川崎交代

脇坂→知念

瀬古と橘田の2ボランチになり、システムを4-4-2に変更。

72分、京都交

福岡→井上

井上を中央に入れる3バックシステムに変更。京都リード時のいつもの逃げ切りパターン。

京都はボールには出ていくが、後ろの枚数が増えていることもあって、ラインは下がりやすくなっている。

76分、右からのクロスにマルシーニョがヘッドで合わせるも枠外。少し距離があったので難易度は高め。

78分、白井がインターセプトからカウンターを狙うもパスミスをした車屋が自分でカバー。川崎は2CBだけを残して攻めるため、不用意なロストは被カウンターのスイッチになってしまう。

79分、武田に警告。中盤を抜け出しかけた選手を手で止めた。

この日36℃との話がある暑さもあって京都の面々はかなり苦しそうな表情を浮かべる。

81分、ウタカが背後へ抜け出すもソンリョンがカバー。

京都はなかなか運動量を上げられないので、押し返すためにはウタカの収めや抜け出しがカギを握る。

京都は奪ったあとは一目散にウタカへ届けようとするが、谷口のハードマークの中でなかなか収めるまでは至らない。また、つぶしも中盤のプレスバックもワンテンポ遅れている印象で、ライン間を消せないでいる。

86分、アピアタウィアが足をつっている。

86分、荻原に警告。

87分、川崎交代

佐々木→山村

山村をCBに入れて車屋を左SBに移す。

都交

ウタカ→山﨑

アピアタウィアはかなりきつそうな表情だが、交代せずにそのままやらせる判断。

京都は割り切って1点を守り切るプラン。山﨑には前の運動量を高めながら前線で時間を作ってもらう働きが求められる。

92分、京都交

松田、宮吉→豊川、武富

ハーフタイムに入った宮吉を下げる。前での運動量を高めることでクローズに入る采配か。

93分、PA内で知念のポストから小林のフィニッシュも枠外。ここも決め切れない川崎。

94分、知念に警告。バイシクルを狙った足がクリアした川﨑に入ってしまった。

 

京都が1点のリードを守り切って勝利。川崎は何度かあったビッグチャンスを決め切れず、少ないチャンスをものにされて撃沈。内容は決して悪くなかったが、決めるところを決めないとこうなるという典型的な流れだった。

京都は前節のマリノス戦に続き、受ける時間が長くなったが、前節と違ったのはチャンスで1点をもぎ取れたこと。もちろん相手がチャンスを外してくれたこともあるが、1点を取ったことで勝点を得る権利が生まれ、それを粘り強く守ることで3にしたといった印象。ただ、暑さの中でこのハードな戦い方を続けていくことはかなりきつそうであり、夏場の戦い方は気になるところ。

川崎は充実の内容とは言えずとも、それなりに質の高いチャンスを作れていたので、それを先に決め切れていれば流れは大きく変わっていたと思われる。チームがうまくいかないときは不思議と「なぜそれを決め切れない」というシーンが増えるイメージがあり、川崎もその領域に入ってきてしまっている印象を受ける。

 

 

個人的MOM

★川﨑 颯太

中盤での圧倒的な運動量とゴール前のカバーなど、90分間で不可欠な存在に。彼のフル出場が計算できるからこそ、前線の選手も替えやすくなっており、終盤のエネルギーアップを間接に引き出したとも言える。序盤はビルドアップの起点になって組み立てを落ち着かせる役割も担った。

 

 

トピックス

アピアタウィアは累積4枚目で次節出場停止。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 曺 貴裁監督 ]
気温が高く36℃あったと聞いていますが、タフなコンディションの中の試合でした。チャンスの数はあまり多くありませんでしたが、相手にボールを持たれたときに、いかに入れ替わって前にボールをつなげていくのかというところが自分たちの本質です。それプラス、ビルドアップやプレスなどもありますが、そこなくして京都スタイルはあり得ないと思っていました。

ここ最近はJ1の技術の高さや相手の判断の速さに振り回されたところもあり、今日も危ない場面はたくさんありましたが、選手のファイティングスピリットがゴールマウスからボールを遠ざけた部分があったと思います。得点シーンも粘り強くやったことで、神様が得点をくれたのかもしれません。この暑い中、足を止めずに最後まで戦った選手を誇りに思います。

--プレスの出足やボールへの執念が前節より見違えて良かったが。
自分たちは何なのかということを映像で見直し、練習で取り組みました。勝ち負けはありますが、その前に自分たちのスタイルを見せていくことをどんな試合においても実行していくことで、選手やチームの成長があると思います。前半は苦しい時間帯もありましたが、粘り強く戦い、後半は相手のビルドアップを寸断する場面もありました。

卵が先か鶏が先かというところはありますが、自分たちはいつも攻撃を考えているんだというマインドは、どの試合でも消しちゃいけません。見違えるようだと言ってもらえたのはうれしいですが、それをノーマルにしていかないといけません。それを今日強く感じました。

--選手交代について。
点を取るときに川崎Fが前に人数をかけてくことも含めて、少し早いかなとは思いましたが井上(黎生人)を入れて3バックとして、構えながらカウンターを狙いました。(途中出場・途中交代となった)宮吉(拓実)が悪かったわけではなく、フレッシュな選手を前に入れて、カウンターから願わくば追加点を取りにいこうとしました。

--去年から「川崎Fに勝てるチームを」ということを選手に話していましたが、実際に戦ってみて。
今日は相手のシュートが入っていれば、勝点3を失った試合だったと思います。試合後に鬼木(達)監督とも少し話しましたが、本当に素晴らしいチームを作っている事実は揺るぎません。今日はわれわれは勝点3を取れましたが、実力的にハマったり、戦力で上回ったとは思っていません。

 

[ 鬼木 達監督 ]
今日のゲームは何がなんでも勝つという形で送り出したが、なかなか結果的に難しくなった。前半を含めてチャンスをいくつか作り出していた中で、決め切るべきところで決めないとこういうゲームになる。1点が重くのしかかるゲームにしたくなかったが……。ここからまた立て直しが必要だった。やろうとしているところができてきたり、やり始めていることがチームとしてあったり、一人ひとりやれるところが増えた選手もいる。そこを評価しながら進んでいければと思う。

--この3試合は無得点。もっとよくしたいと思っているところは?
今日のゲームは、また別のゲームかなと思う。それ以外の2つの試合はチャンスの数も多くなかった。自分たちが最後、フリーで打てるくらいの崩しだったり、逆に迫力のあるところ、相手のイヤなところに入れていく作業が必要だと思っているが、少し最近の2試合よりは出たところがあった。

その中でもう1回決め切るというところ、チャンスの数を増やすことが仕事になる。そこに対してもう1回惜しいではなく、決め切るところにもフォーカスしないといけない。攻守は一体で守備もそう、そこもしっかりやった中で得点というところだと思う、前から行って引っかけて、チャンスも多く作り出すためには少しのところになると思う。

--最後、瀬古 樹選手から小林 悠選手が縦に入れたようなパスが増えるといい?
おっしゃるとおりで、あの数を増やしたい。前に強い選手を入れた中でも、全部がパワープレーだけではなくて、ああいうものを狙っていた。そこの意図をくんでくれた。パスもクロスもそうだし、相手のイヤなところを感じる数を増やしたい。それは個人、みんなとしてやっていければ。

 

2022 J1リーグ第16節 FC東京vs鹿島アントラーズ メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

スタメン

 

東京は前節の東からアンカーは青木に戻す。長友が先発に復帰。トレヴィザン、林が負傷欠場。

鹿島は関川ではなく、ブエノが先発。東京の外国籍選手対策か。右SHも和泉からアラーノに変更。仲間、荒木、名古、松村らが負傷欠場。

流れ

鹿島は予想どおり、ピトゥカがアンカーの青木についてきて2-1でハメに来る。

中盤での球際の攻防はかなり激しい立ち上がり。

東京はゴールキックからつなぎにいったように、捨てない意志を見せている。

5分、カイキ→上田で背後狙い。東京が前から来たところを一気に裏返しに図った鹿島。

7分、鹿島に詰められても自陣でつなぐ東京。東京は1対1の状況から2人のカバーが出てくるスピードがかなり速い。

11分、SBに当ててから青木で前につけようとしたが、これだと青木の前向きが窮屈すぎて厳しい。

14分、後方からのボールを上田が競り合って落とし、スウォビィクが出てきて空いたゴールへカイキが狙うも枠外。東京もゴールカバーに2人戻っていたので、難易度は高めだった。

スウォビィクと接触した上田が痛む。

一時的に1人少ない状況で戦う鹿島。→17分に上田が復帰。

21分、鈴木との連係でスペースへ安西が出てクロスを狙うも渡邊がついていって阻止。

鹿島はSHをそのままSBに当ててくる。東京はSBに当ててからどのように前進していけるかが肝。

23分、飲水タイム。

25分、アダイウトンが左大外で収めてからヒールパスで出てきた松木へ預け、折り返しを渡邊のシュートまで。

27分、アラーノのクロスに鈴木が飛び込む。東京がトランジションで自陣から抜け出そうとしたところを鹿島が圧力を強めて回収。

29分、青木が2トップ裏で受けてスピードアップ。鹿島はどこかのタイミングでピトゥカも樋口も青木に出ていかず、2トップで3人を管理するオーガナイズになった。

32分、東京先制、1-0。森重が相手2トップ脇から運び、小川へ預けたところから流れるようなパス回しで最後は渡邊がゲット。クォンスンテとの駆け引きでも完勝。

33分、鹿島がすぐさま押し返し、樋口のシュートまで。

35分、最後方からの球出しから左奥でポイントを作った鈴木からカイキへ送ってシュートまで。鹿島は何もないところからチャンスを生み出せる強さがある。

38分、SB裏に出ていく安部。鹿島のボランチが前に出始めているので、IHがSB裏へ出ていくとCBをつり出せるようになっている。

40分、アダイウトンが左のスペースを抜け出してシュートまで。クォンスンテが股を閉じてブロック。ブエノも速かったので、やや角度がなくなってしまった。

41分、東京追加点、2-0。アダイウトンが左サイドでブエノとのマッチアップを制して抜け出し、ディエゴ→渡邊とつないで渡邊が完璧なフィニッシュでネットを揺らした。

47分、上田がPA手前でファウルを受けてFK獲得。鹿島はゴール前に人数をかけて、サイドからシンプルにクロスを送る攻撃で圧力を強め始めている。ただ、そのぶん背後は手薄になっており、リスクは負っている状況。

48分、上田のFKは壁に直撃。

 

23分の飲水タイムまでは激しいデュエルが繰り広げられ、拮抗した展開に。それ以降は東京が保持する時間を作りながららしさを出し始め、キレイな崩しから先制点をゲット。少し前がかり気味になったところをアダイウトンでひっくり返す展開に持ち込み、追加点も取った。東京は球際での攻防で一歩も引いていないことが、鹿島にペースを渡していない一因で、ポジトラでも安部が必ずゴール前に入ってくるなど、攻撃の厚みもある。

ただ、鹿島も球際の攻防で押されているわけではなく、鈴木と上田を中心に何もないところからチャンスを作りだせる脅威はある。

 

 

後半

49分、トランジションで鹿島がカウンターに出ようとしたところを、青木の素晴らしい守備。中央へのコースを切りながらサイドへ寄せていき、選択肢を狭めた。

49分、アダイウトンがサイドを抜け出し、PA内でブエノに倒されてPK獲得。

51分、東京追加点、3-0。ディエゴがPKをいつものやつで決めた。

52分、鹿島交代

アラーノ→和泉

53分、鹿島得点、3-1。左での作りから上田が見事に決めた。鹿島は3点先行されて逆転まで持ち込んだ前節の流れとまったく同じ。取られた時間帯も取った時間帯もかなり酷似している。

56分、右で持った鈴木のクロスから和泉がボレーで狙うも枠外。鹿島が一気に攻勢を強めてきた。

60分、東京交代

長友、渡邊→中村、永井

押される時間が続いていたので、テクニックに長けた渡邊から走力で攻守に違いを生み出せる永井を入れて守備と陣地回復を強化。

東京が選手交代を機に少しずつ陣地を押し返し始める。

63分、和泉に警告。

65-66分、抜け出しかけた永井を手で押さえた三竿に警告。東京は下からつなぎながら3トップの収めを生かして前に出ていく。

67分、松木のスルーパスからアダイウトンが抜け出してディエゴとの連係でゴールを狙うも鹿島が対応。鹿島は前がかりになっているので、アダイウトンに抜け出されるのはある程度許容しなければいけない。

70分、鹿島交代

ピトゥカ→土居

鹿島は中盤中央を樋口1枚で見させるようなオーガナイズに変更。

70分、松木のワンタッチでアダイウトンが抜け出し、ディエゴのシュートまで。

東京が敵陣でボールを持ちながら時間を使っていく。

77分、木本→中村で右奥を取って、一時はロストしたがすぐに切り替えてスローイン獲得。

79分、東京交代

ディエゴ→紺野

紺野が右WGに入り、永井が左WG、アダイウトンが1トップへ移る。

79分、空中戦の競り合いで森重と木本が痛む。

82分、アダイウトンが左を抜けてシュートまで持ち込むもクォンスンテが好セーブ。

82-83分、上田のキープから鹿島がシュートを打つも小川が好ブロックで阻止。

83分、東京交代

木本、松木→岡崎、東慶

85分、鹿島交代

三竿、安西→関川、染野

87分、東京のショートコーナーからのシュートをはね返した鹿島がカウンター。最後はフリーになった土居がシュートを打つも枠外。東京は命拾い。

88分、東京がショートカウンターに出るもアダイウトンが決め切れず。東京は4点目のチャンスが何度か来ているが、鹿島も粘っている。

鈴木がPA内で倒されるもノーファウルの判定。その後のブエノと安部の一悶着も含めてVARのチェックが入り、数分の中断に。鹿島は一気に畳みかけたい流れだったが、自分たちで勢いを削ぐ結果に。

92分、鈴木に警告。かなりいら立ちを態度に見せていたので、意義やそれに対してのカードか。

追加タイムは敵陣で時間を使う東京。鹿島は力づくでボールを取りに行くもアダイウトンが無限キープ。

 

後半も前がかりになる鹿島をアダイウトンを使いながらカウンターを量産。立ち上がりすぐに3点目につながるPKを獲得。その後鹿島がすぐに1点を返し、一気に攻勢を強めたが、60分の選手交代で押し返し始め、全体の強度を落とさずに進められたことで鹿島の勢いを殺すことに成功。カウンターをちらつかせながらゲームを落ち着かせ、最後もうまく時間を使って危なげなくクローズした。アダイウトンが4点目を決めていれば、もっと楽な展開に持ち込めていただろうが、それを差し引いても東京のエネルギーと鹿島を押し返せる術を見せたゲーム運びが1枚上手だった。

 

 

個人的MOM

アダイウトン

広くとらえれば全ゴールに関与。1点目は左でポイントを作り、2点目と3点目は得意のゴリゴリドリブルで、ブエノを完全にちぎった。チーム4点目を取れれば理想的だったが、鹿島の勢いを逆手にとって押し返す術を作ったという意味では得点を挙げる以上の貢献度があった。

 

限られたチャンスを確実に決めて殊勲の2得点を挙げた渡邊、驚異の運動量と強度で中盤を制圧した安部&松木、途中出場でしっかりと試合に入って押し返す一手になった永井と中村など、全員のパフォーマンスが素晴らしかった。

 

 

トピックス

木本が負傷交代。着地時に足をひねった模様。試合後のリポートによると交代直後はアイシングをしていたらしいが、小川のセレモニー中にはなにも処置を施していなかったとのこと。大事には至らなさそうか。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ アルベル監督 ]
アントラーズさんがクオリティーの高い選手をそろえていること、最初からインテンシティーの高い守備をしてくることは予想していました。アビスパ戦で犯したミスを修正して臨みました。最初に失点してしまうと難しい試合展開になってしまいますのでそれを避けることを求めました。まだチームは成長段階です。インテンシティー高く守備をしてくるチームをいなすまでは成長していません。ただ、今日は暑いことが予想されましたし、過密スケジュール内での試合でしたので、前半も後半も20分ほど鹿島のインテンシティーが下がることも予想していました。飲水タイムのあと、良い形でボールを保持することができたと思います。そこからボールとともに試合を支配でき、決定的なチャンスを作れるようになりました。幸運にも恵まれて3つほど作ったチャンスのうち2点を決められて、流れに大きく影響したと思います。

後半も立ち上がりに苦しむことを予想していました。ただ、その時間帯に3点目を奪うことができたことは大きかったです。3-0にしたあとにしっかりボールを保持して終わらせることを期待していましたけど、残念ながらそうはいかず早い段階で失点をしてしまいました。あの失点が大きな影響を及ぼしたと思いますが、そこからわれわれもうまく対応できていたと思います。そこから2つの展開が予想できました。1つは守備ブロックを下げて、長いボールを多用して対応すること。しかし、ブロックを下げて守備に回ることは危険だと思いました。なぜなら前線にクオリティーの高い選手をアントラーズさんはそろえているからです。

私はいつも最善の守備はボールを保持する形での守備だと思っているので、それを選びました。難しい時間帯でもシンプルにクリアしてボールを収めてつなぐ判断をしました。カウンターアタックというよりは、良い形での守備から攻撃への切り替えでチャンスを作ることができていました。そして試合を終わらせるために終盤も選手たちは勝負にこだわる姿勢を見せてくれました。やはり、勝負の世界にいるわれわれとしては戦うことも重要なポイントの1つです。

いつも言っているとおり、今季の目標は日々成長することです。試合毎に相手はさまざまなスタイルがありますし、戦い方があります。クオリティーの違いもあります。別々の特徴を持った選手と対戦を重ねることでさらに成長することを目指していますし、今日もこの試合を通じて成長することができたと思います。

あらためて、アントラーズさんを称えたいと思います。素晴らしいクオリティーを持ったチームでした。アントラーズさんの監督にも今日初めてお会いしましたけど、彼のことも称えたいと思います。素晴らしい人物だと感じましたし、チームを素晴らしい方向に導いていると思います。また、アントラーズサポーターの皆さんも称えたいと思います。多くの人にスタジアムに足を運んでもらいましたし、素晴らしい形で応援していたと思います。審判団も素晴らしい判定をしていたと思います。最後にわれわれのサポーターの皆さんも称えたいと思います。素晴らしい天気に恵まれ、(小川)諒也の最後のホームゲームにおいて素晴らしい雰囲気を作ってくださり、ありがとうございました。

--2得点を奪った渡邊 凌磨選手のポジショニングについて聞かせてください。
松木)玖生にもう少し青木(拓矢)の横に下りてもらって、数的優位を作ってもらうことを狙っていました。それがうまくできた際にその次のフェーズに相手のワンボランチ気味の横に(安部)柊斗と凌磨を配置して数的優位を作ることを狙っていました。

--今日の勝利がFC東京にとってJ1通算300勝となったが?
私にとってはJリーグで100試合目の記念の試合です。今日はいろいろとお祝いすることがあるので、シャンパンとともに今晩はたくさん祝いたいと思います(笑)。そういう記念の勝利を収めることができたことはうれしいことです。

この数カ月でおおよそ前半戦を終えました。開幕当初はコロナに苦しみ、CBにケガ人が多い難しい時期も乗り越えたと思います。そしてレアンドロのケガも長引いており、大きな戦線離脱です。そのようないろいろな障壁がある中でプレースタイルの変更を狙った数カ月でした。開幕序盤とここ最近のチームのプレーを比較した場合、明確な成長が見受けられると思います。だからこそ、このチームを強く誇りに思っています。

 

[ レネ ヴァイラー監督 ]
--立ち上がり、飲水タイムまでは鹿島が圧倒的。その後変わってしまったが何が変わった?
飲水タイムのあと、自分たちが簡単に失点してしまったことが一番の要因だと思っています。自分たちのディフェンス面において克服しなければいけない課題ですし、それはディフェンスラインだけでなく、チーム全体としてディフェンスの改善は必要です。

--失点のところ。集中力が途切れてしまったように見えた。トーンダウンする瞬間が生まれた理由は?
立ち上がり良い形で試合に入れましたけど、そこで点を決められなかったとしてもそれでもやり続けること、自分たちの良い流れを続けることが大事になってくると思います。失点のあと、自分たちからそれを信じて続けることがいまちょっとチームにとって足りないと分析しています。それは不可能なことではなく、改善できることだと思っています。

--2試合で7失点ということをどう受け止めていますか?
そこに関してはあらためて質問が必要ないくらい失点は多いと思っています。

 

2022 J1リーグ第16節 アビスパ福岡vs浦和レッズ メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

浦和は前節ベンチ外だった明本が先発に復帰。前節前半に負傷したとみられるユンカーはメンバー外。

 

 

流れ

浦和の前線は1トップ松尾、2列目は左からシャルク、小泉、明本

2分、前から行く福岡。浦和は岩波→伊藤でプレス回避。福岡は2トップでアンカー位置を消せず、ボランチも人に出るよりスペース管理を優先していた。

4-5分、浦和がテンポを上げながら敵陣へ入って最後は明本がシュートもポスト直撃。これが決まらないのは浦和の良くない流れを感じてしまう。福岡は前プレがはまらず、自陣でのブロックもかいくぐられかけており、浦和ペースで進む立ち上がり。

6-7分、大畑からボールを奪ってショートカウンター。最後はフアンマがミドルを狙うも西川の正面。

7分、その後西川のフィードに明本が抜け出すも村上がギリギリでカバー。

浦和の非保持は2トップで広めに追ってボールを回収しに行く。

9分、岩波が2トップ脇から運び出して縦パスを入れて前進。福岡は前から行かない中で中央も締めきれていないシーンが目立つ。

12分~大畑を最終ラインに組み込んで3バック気味に回す浦和。福岡はクルークスを押し出して対応。

福岡は中盤4枚と2トップの間のスペースが大きく空いてしまっていることが気になる。

21分、宮本からのクロスに松尾が折り返して明本が待っていたが福岡が先に対応。

24分、大畑がうまく左ポケットに抜け出して折り返すも松尾と合わず。浦和がずっと敵陣でプレーする時間帯。

28分、松尾への縦パスで前進。福岡は2トップで制限を掛け切れず、中盤の間をスパスパ通されている印象。

34分、ここはハメ切れた福岡。ただ、浦和もスローインで切れているので、悪いロストにはなっていないので問題なし。

38分、中盤での奪取からクルークスの右足クロス→山岸でチャンスも枠外。前節も同じようなシーンがあった。

41分、岩波の直接FK。志知がクリアがディフレクションでコースを変える結果になったが枠内へは飛ばず。

福岡が前から深めに追ってきたときは、浦和はボランチ2枚をポイントにして前進を図る。やや綱渡りになっているシーンもあるが、ここまでは綱を渡り切れていることが多い。

 

浦和がしっかりとボールを握って主導権を掌握した前半。福岡が立ち上がりから守備がうまくハマらずに苦戦したが、うまくいかないなりに我慢強い守りを見せてスコアレスでの折り返し。浦和は福岡が前からきてもプレス回避がうまくいっているので、スピードアップから一気にゴールへ迫りたいが、最後のところをこじ開けるまでには至らず。後半もゲームをコントロールしながら訪れたチャンスを確実に決めたいところ。

福岡はおそらくどこかでルキアンを入れると思われるので、そのタイミングで強度を上げて高い位置で奪う展開に持ち込めるかどうか。

 

 

後半

48分、福岡が中盤で奪ってショートカウンターに出かけるが、浦和が戻って対応。福岡は相手CBの運びに対して、2トップがどれだけプレッシャーを掛け切れるかが生命線。

49-50分、福岡が右からのクロスで攻めた後、浦和のカウンター。シャルクの仕掛けを奈良が止めて浦和がFK獲得。その後、変なタイミングで奈良に警告が提示。執拗な異議か。

53分、岩尾がCB左に下りて3バック化。追ってきた2トップの背後で伊藤が受けてプレス回避してスピードアップ。

54分~、敵陣で回す浦和。福岡のブロックが非常に堅く、なかなか穴を見つけられないでいるが、ロスト後の素早いカウンタープレスで押し込み続ける。

55分、サイドチェンジからスペースをもらって受けたシャルクがカットインミドル。村上がセーブ。

58分、岩尾へアフター気味に突っ込んでしまったグローリに警告。福岡は両CBがイエローをもらってしまった。

63分、福岡交代

フアンマ→ルキア

福岡はトランジションから前に出ていこうとしているが、浦和が寄せの速さ、プレスバックの速さで上回って、抜け出させない。

66分、山岸が起点を作って左から田中がクロスを送るも中で合わず。

68分、小泉→明本のバックドアで完全に抜け出すがシュートは難易度高めになって枠外へ。結果的にオフサイド。浦和が着実にゴールへ迫っている雰囲気があるが、福岡も一発が見える流れには持ち込めている。

69分、伊藤が抜け出し、飛び出した村上が触れずにゴールががら空きになるもポスト直撃で流し込めず。結果的にオフサイドの判定。しかし、映像を見るとオンサイドだったため、ゴールが決まっていれば認められていた可能性が高い。前半の明本の決定機に続き、これも入らないか…という浦和。

74分、福岡交代

クルークス→金森

浦和交代

シャルク、宮本→大久保、関根

関根はそのまま右SBに入る。

78分、小泉のシュートは村上がセーブ。こぼれ球を関根が拾って折り返すが中には合わず。浦和がチャンスを多く作っているが、福岡の粘りも利いている。

79分、浦和交代

小泉→江坂

福岡はターゲットが個人でも強いので、人数がそろっていなくても比較的シンプルにクロスを入れる。回数を増やしながら点で合うのを待つ。

83分、福岡が敵陣まで入って、ルキアンがシュートまで持ち込むも西川がキャッチ。浦和が押し込む流れにはなっているが、福岡も縦に速くチャンスを作り、ややオープン気味の展開になりつつある。

85分、明本がライン間で引き出して前進すると、左サイドからのクロスに明本が合わせるが福岡DFが阻止。福岡はあっさり間を通されるらしくない守備が多くみられる。

87分、中村のFKに西川が前のポジションを取ったが触れず。ボールが枠外へ飛んだことで助かった。

90分、オープンになったところで江坂の抜け出しを手で止めた前に警告。

91分、バックドアで岩波がフリーで飛び出すが、バウンドを合わせきれずにシュートまでは行けない。

92分、金森が1人で縦突破を図るが、大畑の勝ち。

どちらも1点を取りに行く中でかなりオープンな展開に。スペースがあれば福岡のほうが強そうなメンバーだがどう転ぶか。

 

終盤は両者がリスクをかけてゴールへ迫ったが、ゴールは生まれずスコアレスドローで決着。90分を通じて浦和のほうがやりたいことができていた印象で、ゴール前に入る試行回数はかなり多く作ったが、最後に決定的なシュートを放つところまではなかなか行けず。伊藤のシュートが決まっていれば勝ちの確率をかなり高められたと思うが…。

福岡はトータルでシュート3本と、名古屋戦に続いて攻撃面で大きな課題が残った。また、珍しく前からのプレスがはまらず、中盤のラインもあっさり超えられるなど、守備でも意図した守備ができず。連戦による疲労も影響したかもしれないが。そこは浦和の保持が上回ったとも言える。ただ、最後で粘り強く守れるところは間違いなく強み。

 

 

個人的MOM

★岩波 拓也

ビルドアップにおいて1stラインを超えるパスを多く出し、保持を安定させた。また、強気な縦パスを何度も入れてスピードアップのスイッチ役にも。守備でも最後のところに立ちはだかり、無失点に貢献した。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷部 茂利監督 ]
ACLを戦っているチームに勝点1を取れたことは良かったと思います。内容は非常に良くなかったと思います。後半は少しだけ良くなったと思いますが、前半はいつ点数を取られても、という場面がありました。それでも選手たちは力を、特に自陣ペナルティーエリアの中、周辺で最大値を出してくれた、よくやってくれたなと思います。ただ見ている福岡の方には良いものを届けられなかったと思うので、もう少しボールをつないで攻撃ができるようにしていきたいなと思います。

--今日は相手に良い縦パスを入れられる場面が多かった印象です。
理由は2つあると思います。1つは、コンディション重視という基本的な考えを逸脱して、このメンバーでいきたいという私の考えの下で、ベンチメンバーを含めて決めました。そこがこれまでとは違うところ。つまり選手に疲れが少しあった。スプリントも含めて、出足のところが少し悪かった。出足が非常に大事な戦術なので、真ん中を通されたというところでいうと、そこが足りなかった。

もう1つは、相手のCBが2人とも上手です。そこだけを切り抜いたらおそらくリーグでトップだと思います。皆さんデータをお持ちだと思いますが、縦パスの本数、縦パスの成功率は、あの2人はめちゃくちゃ高いです。つまりは、良い選手なんです。なので、取れそうだなと思いながら取れないという場面が前半から何回かありました。その2つが理由だと思います。

 

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
試合を支配するという部分はかなりできたと思います。相手にチャンスを作らせない、ということはほぼ1試合通してできたと思います。相手がゴール前まで来ることはありましたが、危険な場面は作らせず、そしてわれわれはチャンスを多く作ることができました。引いた相手に対して、また福岡のように堅い相手を崩すのは容易ではありませんが、それでもいろいろな形でチャンスを作り、ミドルシュート、ポストに当たる場面、また前半にGKの前をボールがすり抜けていくような場面もありました。後半もいくつかあったと思います。

それでもボールがゴールに入っていかない状況が続いていて、今日のようにチャンスを作ってもポストに嫌われるなど、これまでありましたが、これがサッカーだと捉えているので、ゴールが入らないときは本当に入らないもの。われわれとしてはそれを入れるために、というところを突き詰めてやっていければと思っている。

--最後のところを崩し切れない現状の要因をどう考えていますか?
スケジュール上、中2日、中3日での試合がずっと続いているので、同じメンバーで戦うことが難しいところが1つの理由だと思います。試合にはフレッシュな選手で臨みたいという思いもあります。出ずっぱりだった(キャスパー)ユンカーのようにケガをしてしまうリスクもありますし、また試合間隔が短い中での練習時間が足りないこともありますし、外国籍の新加入選手の到着が遅れて考えを共有する時間が十分ではないなど、いろいろな要素があります。

メンバーが替わっていく中で、試合のアイディアを選手が一生懸命遂行してくれて、ただそういう環境の中でも、今日のように難しい相手に対してチャンスを作れているので、もし1-0で勝っていれば妥当な結果だと捉えられる、また2-0なら「よくやった」と言われるような内容だったと思います。ただゴールが足りていないのは事実で、クロスの質や合わせるところなどが、われわれが改善するべきところだと思っています。

 

2022 J1リーグ第16節 サンフレッチェ広島vs名古屋グランパス メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

スタメン

広島は森島が欠場。コロナトラブル発生中なので、その影響か。

名古屋はチアゴが出場停止で藤井が先発に復帰。中盤も前節の宮原からレオシルバに戻した。

 

流れ

名古屋は中盤が横並びの3-4-2-1。

1分、森下が前向きで奪ってからショートカウンター。柿谷からクロスが送られるも広島DFがカット。

2分、相馬が左奥を取って折り返し。立ち上がりは名古屋がWBを生かしながら敵陣へ入っていく。

~5分、広島のセットプレー祭り。

5-6分、野津田のFKをランゲラックがファンブルし、広島が押し込みにかかるも柿谷が決死のクリアでかき出す。その流れでランゲラックが負傷した様子で、座りこんでしまう。特に接触はなかったように見えたので、筋肉系のトラブルか?

8分、名古屋交代

ランゲラック→武田

ランゲラックは負傷交代。

名古屋は前3枚が中央3レーンを塞ぎながら、広島3バックへ寄せていく。広島はWBに預けてから平行サポートからのワンツーなどの連係でマークを外しにかかる。

名古屋の3バックビルドに対して、広島は2トップにIHを押し上げて枚数を合わせに行く。2トップのプレスバックは割と甘いので、名古屋はサイドからボランチに戻すパスで中盤を取れる。

16分、下りてくる仙頭にそのままついてくる塩谷。

17分、下りたところから列を上げて運んでいった仙頭にベンカリファがプレスバックで寄せてファウル。広島の2トップは少しプレスバック意識を強めた?

名古屋の3トップに対して、外に誘導される広島。大外からの配球で起点を作れないとなかなか前進できない。

20分、マテウスの敵陣での奪取から無回転ミドルを狙うも枠外。

20分、背後へ抜ける柴﨑へ後方からパスを出してサントスのシュートまで持ち込むも名古屋DFがブロック。広島は組み立てで野津田を最終ラインへ、柴﨑と満田を中盤へ下ろすなど工夫をし始めている。

22分、藤井が1人で持ち上がってシュート。ベンカリファに当たってゴール方向へ向かうもポスト直撃。

名古屋は自陣撤退時はマテウスを前に残し気味にする5-3-2っぽいオーガナイズ。

広島は前進できない時間が続いていたが、20分あたりから敵陣でのプレータイムを増やし始めている。

29分、素早く始めた名古屋。マテウスが中盤を抜け出しかけたところを佐々木が止めてファウル。SPAに近いようにも感じたが、カードは提示されず。

31分、藤井が縦に抜けてクロスまで。互いに切り替え時のスピードと激しさがあり、ヒートアップしかける瞬間も。先ほどの佐々木のノーカードも含めて、西村主審のゲームコントロールが試される。

広島が敵陣での保持の時間を増やし、ロスト後も素早いカウンタープレスで畳みかけにいく。名古屋はレオシルバあたりでポイントを作れるかどうかがカギ。

42分、PAまで入った名古屋が相馬の縦突破からクロスまで。

43分、藤井との球際での競り合いで痛む相馬。結果的に足裏が足首あたりに入っていたように見えるが…。

47分、右からのクロスに飛び込んだ相馬。藤井もしぼってギリギリで対応。

 

最初は名古屋がうまく前進を阻みながらゲームをコントロールしたが、20分あたりからは広島が主導権を掌握。敵陣で保持して押し込みながら、ロスト後も素早い切り替えで相手に息継ぎを許さず。名古屋はそこでかいくぐれるか否かで、自分たちの保持の時間やカウンターのチャンスを得られるかが決まる。また、最初は名古屋のビルドアップに対してのプレスでやや全体の絵が見えていなかった印象があった広島だが、全体のプレスバック意識が高まってくると、構造というよりも運動量でカバーし始めていた。

相馬と藤井のマッチアップは見ごたえ抜群。また、広島2トップと名古屋3バックの競り合いも迫力があって非常に面白い。

 

 

後半

名古屋交代

柿谷→石田

後半も広島が持って名古屋が受ける構図。

名古屋は序盤よりもラインが下がることを許容しているような印象を受ける。そのぶんカウンターではしっかりと後ろから押し出して枚数を掛けにいく。

53-54分、名古屋の保持。相手2トップの脇から中谷が運んで、縦パスを受けたマテウスからの落としで左へ展開して前進。

50分を過ぎたあたりから名古屋がプレスラインを一気に押し上げて前から圧力を掛けにいく。一方で広島はプレスの圧を落としたような印象。

57分、広島先制、1-0。野津田が直接FKを決め切った。武田は逆に重心がいってしまい、駆け引きで敗れた。

59分、中盤で奪った広島が満田→ベンカリファで一気にシュートまで。先制した広島が勢いを強める。

61分、名古屋交代

仙頭、森下→酒井、内田

石田が右WBへ回って、酒井が1トップ、内田が左シャドー。

62分~、広島が敵陣へ押し込む。名古屋もマテウスでポイントを作って前へ出ていこうとするが、広島の切り替えが上回っている。また、接触にかなり寛容な西村主審の基準も広島にとってありがたい方向へ転んでいる。

65分、サントスがプレスバックで奪ってから藤井へ預け、クロスに飛び込んだが枠外。

名古屋は3バックが相手2トップ脇で持てた時には、シャドーが縦パスのコースを作る立ち位置取り。アンカーのレオシルバは落としを受けられるように準備。

67分、広島交代

柴﨑→東

69分、広島がカウンターから満田→東でゴールへ迫るもパスは通らず。

75分、左から持ち運んだ丸山からアーリー気味のクロスで酒井が入っていくも合わず。点で合っていればチャンスになっていたはず。広島はある程度割り切ってラインを下げて守る。

左サイドでのコンビネーションからゴールを目指す名古屋。

79分、広島交代

柏、サントス→青山、永井

東を左WBへ移して、青山をボランチへ入れる。

80分、名古屋交代

レオシルバ→阿部

81分、マテウスが強引に左サイドを突破してクロスをあげ、こぼれを阿部がボレー。マテウスが絡むと可能性を感じさせる。

84分、縦パスで一気にスピードアップして酒井の落としにマテウスのコントロールショット。会場もどよめくようなシーン。

85分、永井を入れたこともあって前から行くようになった広島。ただ、一度外されると自陣撤退にシフトチェンジする。

88分、相馬とのマッチアップで入れ替わられて手を使って止めた藤井に警告。

92分、広島交代

満田、野津田→野上、長沼

94分~、放り込みとセットプレーでなりふり構わずゴールへ迫っていく名古屋。

 

最終盤こそ名古屋が迫力を持って攻めたが、多くの時間で広島がゲームを支配。接触に寛容な判定基準も追い風になり、球際に激しく出ていくスタイルを存分に発揮することができた。得点は野津田の直接FKによる1点のみだったが、トランジションから多くのチャンスを作りだしていた。

名古屋は自陣から抜け出せない時間が続いて苦しくなり、点差を1点でとどめたことで最後まで勝点獲得の可能性は残せたものの、内容は非常に渋いものになってしまった。何度かあった縦パスからのスピードアップする攻撃をもう少し多く試行できていれば広島も嫌がったかもしれないが、サイドの選手やマテウスに依存する形に終始した。

 

 

個人的MOM

★野津田 岳人

直接FKによるゴールが決勝点に。また、広島でのゴールは7年ぶりと、彼にとってもエモーショナルなゲームになったことだろう。IHが広く動く中で負担が大きいアンカーながら広範囲におけるつぶしを見せ、攻撃面でも高さを調整することでビルドアップを安定させた。

 

献身的なプレスバックと推進力、前線の起点作りで目立ったサントスとベンカリファも好評価。普段での基準ならばファウルを取られそうなシーンも多かったが、この日はそれの多くが好奪取に変わった。

 

 

トピックス

ランゲラックが負傷交代。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ミヒャエル スキッベ監督 ]
今日の展開に関してはすごく満足しています。コロナで非常に苦しい状況になりましたが、その中で選手たち、スタッフみんなの頑張りがありました。特に後半のパフォーマンスに関しては満足しています。名古屋は非常にやりづらい相手ではあったんですが、自分たちが作り出したチャンスの数は前半も後半も相手を上回っていたと思います。野津田 岳人が練習後にいつも蹴っていたFKが今日、報われて非常にうれしく思います。それからやっぱりここ2、3日コロナで思うようにトレーニングができなかった中で、そういう苦しいときを乗り越えて今日3ポイントを取れた。本当によく頑張ったと思います。

--試合前にどんな言葉をかけて送り出したんでしょうか?
(第8節・)アビスパ福岡戦でも同じような状況を経験しました。また、こういった状況はわれわれサンフレッチェだけで起こることではなく、Jリーグ全体、もしくはサッカークラブ全体で起こることなので、自分たちの気持ちを失わないこと、ポジティブに持っていくことが重要で、自分たちのリミットまで行こうという話をしました。その中で特に前半はあまりエンジンがかからない部分があったんですけど、後半の出来に関しては素晴らしかったと思います。

 

[ 長谷川 健太監督 ]
タイトな日程の中で本当に選手たちは、暑い中で、移動もしてきた中で、よくやってくれたと思います。アクシデントもありましたが、あれは責められるプレーではないと思いましたので、切り替えてまた次の天皇杯に向かってしっかりと準備をしていきたいと思います。

--中盤の球際の戦いで勝ち切れず、ボールを奪われて攻め込まれましたが、連戦の影響があったのでしょうか?
中2日で、移動もあったので。広島の場合はコロナで試合(前節・G大阪戦)を飛ばしていますし、今日の陣容を見るとコロナに罹った選手があまり見受けられなかったので、逆に休みが取れた形じゃないかなというふうに思います。もちろん、コロナで休んだからといって準備は簡単ではなかったと思うんです。いろんなことを気にしながらトレーニングとか体を動かさないといけないので。(自分たちは)移動した部分と暑い条件が重なったというふうには思います。ただ、負けているからといって、決定機を何本も作られたわけではないので。最後のところはみんなよく対応してくれたと思います。途中交代で急きょ出ることになった武田(洋平)もひさびさのリーグ戦でしたが、慌てることなくしっかりとやってくれたというふうに思います。武田も切り替えて次の天皇杯に向かっていってほしいと思います。

 

2022 J1リーグ第15節 横浜F・マリノスvs京都サンガF.C. メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

横浜FMはロペスが出場停止。

京都は荻原が復帰。GKには上福元ではなく、若原が入る。

 

流れ

前半キックオフ直前にゴールネットのはずれが確認されて開始が遅れる。

京都が思いっきりプレッシャーを掛けにいく立ち上がり。マリノスマリノスでらしくつないでいく。

京都は自陣撤退時にはウタカのみを最前線に残し、4-5-1でセット。バックパスが出た瞬間にラインを上げて圧力を前向きにかけていく。

4分、京都が激しくプレスを掛けて敵陣で奪い、福岡→武富でラストパスを狙ったが合わず。京都のアグレッシブな姿勢が良い方向で出たシーン。マリノスも簡単に蹴らないので、京都の圧をもろに受けると苦しそうな瞬間ができている。

7分、高丘→セアラで一気に前進&スピードアップし、ゴールまでの混戦から渡辺のシュート。そのこぼれ球を拾った京都がカウンター。武富→ウタカで一気にゴールへ迫る。互いに一瞬でゴール前まで迫れる攻撃を見せる。

マリノスは最終ラインに2CBのみのリスク管理。京都は奪ったらまずはウタカを見る。マリノスの2CBとウタカのバトルでどちらが上回るかがポイントになりそう。

10分、松原のクロスにファーで宮市が飛び込んだがわずかに合わず。

京都が高い位置からけん制を掛けてきたときには、WGがCBアタック役を担うことからSBが前に出てくる必要があり、マリノスは高丘→WGで一発で届けることで、裏返しを狙う。

14分、喜田のミドルは若原が好セーブ。

15分、宮市のコントロールショットを若原が好セーブ。若原はここから乗っていけそうな連続好セーブ。

マリノスは京都のずれを見つけて極力下でつないで前進を図る。それに対して京都は受け手への寄せとプレスバックの速さでカバーする算段。

17分、エドゥアルドに警告。宮吉に入れ替わられると手を使って止めた。

19分、宮市のクロスにセアラが折り返して1人飛び込むも合わず。

19分、セアラのシュートを若原が好セーブ。マリノスは攻め立てるが、若原の壁を崩せずにいる。

21分、宮市と小池龍の連係で完全に左サイドを崩して折り返しにセアラが合わせるも枠外。やや難しい角度のシュートになってしまった。京都が4-5-1でボールに寄せていくが、マリノスがその寄せを利用してスペースを作り出せている。

23分、右から宮市へのスルーパスで背後へ抜け出すも、シュートは若原の正面。若原は序盤からかなりの仕事が訪れている。

28分、宮吉が高い位置で奪ってショートカウンターに出かけたが、ウタカ→武富のパスが少し長くなる。

29分、武田が遠めから狙うも枠外。可能性は感じた。

上福元ほどではないが、若原の背後のカバー範囲もかなり広めに設定している。

30分、左で作って右へ展開し、最後は渡辺がシュートもまたしても若原のセーブ。

31分、右からのパスに3人目の動きで仲川が抜け出すも京都がブロック。京都は横パスやバックパスでプレスのスイッチを入れるときもあるが、マリノスが一方的に敵陣へ押し込むような展開。

35分、前プレに出る京都、それを1つずつ剥がしていくマリノス。最後はスペースで受けた仲川のシュートもまたしても若原がビッグセーブ。

39分、仲川がドリブルからシュートに持ち込むも若原の正面。

40分、マリノス先制、1-0。エドゥアルド→宮市で一気に左奥のスペースを取り、ハーフスペースで待っていた小池龍に預けると強烈なシュートが若原の壁を破った。

43分、ウタカを手を使って止めた岩田に警告。マリノスは完全に主導権を握っているがCB2人が警告持ちという、ウタカとの対峙を考えたときには難しい状況になった。

 

京都も何度かハイプレスでひっかけてチャンスを作ったが、45分を通じてマリノスが試合を支配したと言っても過言ではないような展開。ただ、京都も若原を中心とした守備陣が粘り強さを見せて失点を1でとどめたことは十分に評価できる。また、マリノスCBが2人とも警告を受けていることも踏まえると、ウタカを生かす回数を増やせれば十分にチャンスを残せている。

マリノスは若原のセーブさえなければ何点入っていたかという圧倒的な攻めを披露。京都のハイプレスにまったく屈せず、逆に「スペースをもらえてラッキー」くらいのメンタリティーで戦っているのが恐ろしい。技術的なミスが1つ起こればロストするようなシーンでも連係や1stタッチのところでズレが起きない。

マリノスは前半だけでシュート16本と驚異的な数字。

西村と福岡が前半だけで走行距離7km超え。

 

 

後半

都交

福岡→メンデス

3バックに変更し、右から井上、麻田、メンデスの並び。金子と武田の2ボランチに、宮吉と武富の2シャドー。

48分、左で京都の守備組織を外して中央へパスを送り、最後は松原のシュート。京都は自陣撤退になると前半よりも押し戻そうとする意識はそこまで高くなく、しっかりとスペースを埋めて守ろうという姿勢に見える。

49分、京都のハイプレス。マリノスは高丘のミドルレンジのパスでプレス回避成功。

55分、セアラがルーズボールを収めると仲川がシュートを打つもギリギリ枠外。若原は一歩も動けず。

56分、京都交

宮吉→豊川

57分、マリノスが右で外してから左へ開放。宮市と小池龍でPA付近まで運び、最後はバイタルへ出てきた松原のシュート。左で奥を取ってから折り返しを松原が合わせる形が後半から何度か見られる。

京都はシステムを変えて手を打ったものの、試合の大局に大きな変化はなし。

59分、マリノス交代

仲川→水沼

61分、右で抜け出した水沼のシュートを若原がセーブ。途中出場の水沼が早速シュートまで。

64分、高丘のパスミスをカットした京都がショートカウンターで金子がシュートまで持ち込むも枠外。京都はこの試合最大の決定機も決め切れず。マリノスは命拾い。

70分、京都交

荻原→荒木

荻原は負傷明けのはずなので、コンディションを考慮して大事をとったか。

71分、マリノス追加点、2-0。後半によく見られた、松原のバイタルからのシュートがディフレクションしてゴールへ吸い込まれる。ドライブがかかった上でバーの下に当たって入ったため、若原としては非常に対応が難しかった。

1点ビハインドであればなにかを起こせそうな雰囲気があった京都だが、2点差に広げられた中でどう出るか。

73分、マリノス交代

宮市→樺山

73分、荒木が個人で仕掛けて松原を半歩外してクロスを送り込んだが、小池龍がクリア。可能性を感じさせるチャンスメイク。

75分、荒木のインスイングクロスに豊川が完全に抜け出して合わせたが枠内へ飛ばせず。途中出場の荒木と豊川が攻撃を活性化させている。

77分、樺山を倒した荒木に警告。

78分、右で荒木を外した水沼の左足クロスに樺山が合わせに行くも届かず。荒木は攻撃では違いを見せているが、守備では後手を踏んでいる。

78分、京都交

ウタカ、武富→イスマイラ、大前

79分、マリノス交代

西村→藤田

藤田はそのままトップ下に入る。

81分、喜田が痛む。一度ピッチの外へ出る。

その後ピッチに戻った喜田だが、再び座りこんでしまう。自力で歩いてはいるので、大きなケガではなさそう。

マリノスは交代回数を使い切っているため、喜田の代わりの選手を入れられずに10人での戦いを強いられる。

1人多くなった京都は保持の局面は作り出せるが、マリノスのプレスの前に簡単に前進はできない。

90分、樺山がDFを振り切って背後へ抜け出す。GKを交わしに行ったが、少し触られてシュートまでは持ち込めず。1人少ないマリノスのほうがゴールへ迫れている。

95分、ももうらを気にするセアラ。動けないほどではなさそうだが、スプリントは難しそうな表情。

95-96分、ロングカウンターで水沼が運び、岩田がスプリントで駆け上がったがパスが合わず。そのまま終了のホイッスル。

 

1人少なくなった時間帯も含めて9割近くの時間で試合を支配したマリノスが順当に勝利。若原が止めていなかったら間違いなくもっと大差になっていただろう。相手がプレスを掛けてきてもまったくひるむことなく剥がしていとも簡単に前進していったシーンには完成度の高さを感じざるを得なかった。

京都としては前半を1失点に抑え、内容とは裏腹に1点ビハインドで進めることができたので、何度か訪れたチャンスを決め切れていれば、わずかながら勝点3のチャンスもあったと思われる。ただ、前半のウタカの抜け出しからのシュート、ショートカウンターからの金子のシュート、荒木のクロスに豊川が合わせたシーンでゴールを決め切れないとなると、勝点獲得には値しなかった言える。

 

 

個人的MOM

★小池 龍太

チャンスを量産するもなかなかゴールだけが決め切れないといった展開の中で、均衡を破る強烈なシュートを披露。また、相変わらずの戦術理解度の高さで崩しの場面で多く関与した。浦和戦から宮市との連係も良いものを見せている。

 

組み立てでの起点作りと守備でのつぶしで目立った渡辺と喜田、ゴールこそなかったがスペースへの抜け出しで多くのシュートを作り出した仲川も好評価。フル出場ながら最後に圧巻のスプリントを見せた岩田も印象的だった。

京都は何点防いだか分からない若原には触れなければならないだろう。勝点を取れていれば間違いなく彼がMOM。途中出場でチャンスを作りだした荒木と豊川も流れは作ったが、得点に結び付けてほしかった

 

 

トピックス

オナイウや前田らが試合を観戦。

セアラが金髪(銀髪?)に。

喜田が負傷。自力では歩いていたので、重くはなさそう。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ケヴィン マスカット監督 ]
とてもうれしく思います。喜田(拓也)が負傷し、3回の交代を終えていたので最後は10人になりましたが、スタートから最後まで戦い切ってくれました。特に前半は多くのチャンスを作り、良いプレーをしてくれました。やろうとしたことを表現し、良い結果を残し、良いサッカーをしてくれました。

--ここ2試合勝ちがなかった中、選手たちのリバウンドメンタリティーをどう感じますか。
素晴らしいパフォーマンスを繰り広げてくれました。20本以上のシュートを打ち、勇敢に前方向に向かう姿勢が見られました。毎試合、勝点3を目指している中、最高のパフォーマンスをピッチで見せてくれました。ひさびさのホームゲームでファン・サポーターの方に素晴らしい戦いと最高の結果を見せることができたと思います。

--2試合連続で交代枠を残した理由を教えてください。
その答えは1つです。結果を残すため、勝つためです。試合終盤には、また2、3日後の試合のことも頭によぎりますが、自分たちは勝つために戦っています。選手全員が試合に関わり、全員が必要です。そして、誰が出てもチームの約束事は変わりません。ピッチに立つ選手はそれを共有し、結果を残すために戦っています。

 

[ 曺 貴裁監督 ]
歴史があり、長い間自分たちのサッカーを追求しているマリノスに準備して戦ったつもりですが、残念な結果になりました。僕が「こうやっていこう」と言った中で選手たちは100%出してくれました。勝点を取れなかったことに対し、選手たちの責任はありません。何度かピンチがありましたが、自分たちが得たものを次につなげていかないといけません。

いまの時点で0-2という結果に力の差が現れました。昇格して1年目のチームで、J1を経験したことがない選手がたくさんいますが、今日経験したことを次に必ず生かしてくれるはずです。これからもそのための準備をやっていきます。決して下を向くような内容でもなく、下を向くファイティングスピリットなわけでもなく、良いところは継続し、逆に課題は修正していくだけです。

--ハイプレスをはがされる場面が目立ちました。
自分たちの距離で相手のビルドアップを攻撃していく中ではがされた場面が多かったですが、それをやっていかないと力はつきません。最初から身構え、ごまかして、無失点の時間を長くしても仕方ありません。それが自分たちの戦略的に良かったのか、悪かったのかは考えないといけませんが、選手たちが相手のプレースピードを感じ、J1に慣れていくべきです。

J1はそんなに甘くないし、昇格1年目で経験が少ない選手がいる中で自分たちがアジャストしていくために、今日の試合は自分たちの教材にしなければなりません。それを教材にできるのは自分たちが戦ったからこそできるので、継続してやっていきます。

--相手をどう崩していこうと考えていましたか。
横浜FMのボールの運び方やワイドからサイドチェンジして、そこからクロスを上げるという形をどの試合でも、どの相手でも彼らは優位に立てるものを持っています。自分たちが良い距離でボールを持ち、どういう攻撃をするかをテーマに準備してきたつもりです。なかなかボールを奪えませんでしたが、相手のミスリードしたボールに対しタッチに切ったり、クリアしたことでボールが帰ってこない時間が増えました。そのような場面で自分たちがボールを動かせるようになれれば、一皮むけたチームになるはずです。

 

2022 J1リーグ第15節 川崎フロンターレvs湘南ベルマーレ メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

川崎は谷口が出場停止。大島、登里、チャナティップ、ジェジエウが負傷離脱中。

湘南は田中が前節脳震盪による交代の影響で不在。負傷離脱していた高橋がメンバー復帰。岡本が負傷離脱中。

 

流れ

1分、中央に入った脇坂から遠野が左ポケットを取って折り返し。脇坂がシュートまで持ち込むも枠外。

4分、大橋が背後に抜け出してシュートもソンリョンがセーブ。立ち上がり早々は川崎がペースを握ったが、すぐに湘南も押し返し始めている。

湘南は2トップでアンカーを隠しながら2CBへ寄せていく。WBがWGを監視し、IHがSBへスライドする。

6分、左で作って遠野のシュートまで。

8分、後方からサイドへ流れる大橋を使って起点を作り、石原のクロスまで。ゴール前に3枚入っていたが精度が伴わず。

10分、WBの意識を前に出したところでマルシーニョを背後に走らせる。

川崎はマルシーニョを使って縦に速く攻めようとする形が多い。

13分、中盤で奪った湘南がカウンターを狙うが、中央でのコンビネーションが微妙に合わず。

川崎は橘田が最終ラインに下りる形を試し始めた。

15分、ここもWBを引き出してからマルシーニョで背後狙い。

17分、右でポイントを作ってからポケット進入で崩そうとする湘南。SB裏の右奥で起点を作ろうとする場面が多くみられる。

18分、湘南のパスミスをカットした川崎がマルシーニョのシュートまで。湘南は珍しく下からつなぎに行ったところでミスが出た。

19分、ダミアンとの接触で痛む米本。競り合った際に腕が強めに顔に入った。

23分、池田のクッションでプレスを外してから大外を駆け上がる畑を使ってクロスまで。

25分、湘南が中央を貫くカウンターで一気にゴール前まで迫るもタリクのラストパスが合わず。

大岩がダミアンにがっちりマークして起点を作らせないようにしている。

30分、川崎がサイド、中央と横切りながら前進し、ダミアン起点で佐々木のクロスまで。

32分、中央のコンビネーションから大橋が抜け出してシュートもソンリョンがセーブ。決定機。大橋はまた決められず。

34分、山村→家長でダイレクトにポケットを取って折り返し。池田がカバー。

37分、敵陣でパスを回して畑のクロスまで。精度が伴わず。川崎はトランジション時のSBがいなくなったスペースと、アンカーしかいない中盤のスペースを使われてあっさり前進されるケースが多い。

39-40分、湘南が敵陣での切り替えで上回り、押し込む。パス交換で相手の守備陣形を動かし、穴を探す。川崎はサイドの守備で、SBが出てIHが埋めての判断にやや迷いがあり、一瞬遅れるときがある。

41分、湘南交代

山本→舘

山本はももうらを抑えて座り込み、負傷交代。

45分、橘田サリーでの組み立て。

川崎はやはりネガトラでサイドから前進されて一気に自陣まで下がらざるを得なくなっている。

47分、左で作ってから家長のフィニッシュは谷がセーブ。

 

ともにシュートチャンスをそれなりに作った前半。川崎も決して悪いわけではないが、やりたいことがより実行できていそうなのは湘南のほう。チャンスの質も湘南のほうが高かった印象。川崎は個人の技術レベルが高いこともあって、敵陣まで入れてしまうことはあるが、湘南の守備組織を崩せているシーンはそれほどなく、川崎にしては不用意なロストも散見される。また、トランジションでは湘南に上回られている印象で、敵陣でのプレータイムを増やせていない。

一方で湘南はポジトラからのチャンスメイクを狙い、「質が伴えば」というシーンは何度か作り出せた。推進力ある選手が横幅広く動くことでサイドで起点を作る事ができ、縦に速くゴールへ迫れていた。敵陣での保持の局面でも相手を動かしてズレを作り、ロスト後も素早い切り替えとバックラインのタイトなマークで自由にやらせず。

 

 

後半

45分、トランジションから町野がサイドを運んでマイナスの折り返しにタリク。迫力は見せたが、ソンリョンの正面。

後半の立ち上がりは湘南ペース。右サイドを起点にクロスからチャンスメイク。

48分、湘南先制、0-1。CKに町野が合わせてゲット。佐々木に体を寄せられていた中でしっかり当てきった。忍者パフォーマンス。

得点後も変わらずサイド起点で縦に速くゴールまで迫る湘南。

53分、湘南追加点、0-2。石原のクロスにゴール前でフリーになった池田がコントロールヘッドでネットを揺らした。川崎はエリア内に車屋と佐々木しかおらず、しかもその2人もポジションが取りきれていないという崩れ切った状況だった。

55分、橘田のクロスにダミアンが飛び込む。

56分、川崎交代

佐々木、遠野→瀬古、シミッチ

瀬古はそのまま左SB。また、中盤の構成を変えて、4-2-3-1に。橘田とシミッチの2ボランチ、脇坂トップ下。

58分、湘南追加点、0-3。湘南が自陣での奪取から一気にカウンター完結。川崎はシミッチのところで取りきれずにスピードアップを許すと山村が1対3のような形になり、最後は町野が落ち着いて流し込んだ。車屋も上がっていたので、シミッチのところを越された段階で相手のミスを願うしかなくなっていた。

60分、湘南追加点、0-4。自陣での奪取からスピードを上げてタリクが仕上げ。またしてもCBを外されてフリーで抜け出された。

湘南交代

タリク、池田→山田、瀬川

63分、橘田へ激しく寄せた瀬川に警告。

65分、橘田に寄せた山田に警告。結果的に足裏が相手の足に入ってしまった。

65分、川崎交代

家長、脇坂、マルシーニョ→宮城、知念、小林

川崎は山根、山村、車屋の3バックに変更。瀬古と宮城の両WB、ダミアン、知念、小林の3トップが中央に集まるイメージ。

66分、中央起点で瀬川がサイドから抜け出してシュートまで。湘南はカウンターの攻め方が徹底されている。

68分、瀬古のクロスにダミアンが飛び込むも合わず。

70分、ダミアンの落としに小林のボレー。

71分、シミッチ→宮城で左奥を取ってから、1stタッチで畑を外してシュートまで。谷がセーブ。川崎が攻勢を強めてきている。

73分、湘南交代

町野、大橋→ウェリントン、茨田

茨田がIHに入り、瀬川が2トップへ移る。

75分、大岩に遅延行為での警告。ボールを中に入れてプレーを遅らせた。危険なシーンだったわけではないことと、点差を踏まえればもったいないカード。

76-77分、ウェリントンでポイントを作ってから米本→畑で一気にサイド奥を取りにいく。この形は前半からずっと徹底。

81分、小林のシュートは谷がセーブ。

85分あたりからは湘南がゲームをコントロールし始め、川崎が一方的に攻める展開ではなくなってきた。

89分、米本に足裏で強く寄せた知念に警告。

93分、山根に警告。

 

川崎を相手に湘南が圧巻の完勝。前半から良い展開に持ち込めていたが、後半も立ち上がりからペースを握り、セットプレーで先制。川崎のリスク管理がおろそかになったところを一気に畳みかけて4点を奪い、試合の行方を決定付けた。中盤で奪ってから中央を起点にしてサイドから駆け上がっていく攻撃が何度も機能した。

川崎はらしさを出せる部分がほとんどなく、点で合わせるようなチャンスシーンはあったが、PA内で崩しきってチャンスを作れるような場面はなかった。また、ネガトラ時のバランスが悪く、球際での勝負でカバーしきれなければカウンターから失点を重ねるのは必然的だったと言えるだろう。

 

 

個人的MOM

★町野 修斗

2試合連続2得点で2連勝に大きく貢献。1点が早くほしかったタイミングでセットプレーからこじ開けたのがこの試合のターニングポイントになったと言ってもいい。

 

自身の得点は生まれなかったが、カウンターからの2アシストや前線での起点作りで存在感を示した大橋、前半こそパスミスが目立ったが、90分を通じて中盤でつぶしを利かせ、サイドへの配球でも存在感を見せた米本、IHで中盤の守備とカウンターを強化したタリクと池田、ダミアンとのバトルで一歩も引かなかった大岩など全体でのパフォーマンスの高さがあった。

 

トピックス

山本が負傷交代。ハムストリングのトラブルとみられる。試合後のリポートによると山口監督が「少し(時間が)かかるかも」と話していた模様。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 鬼木 達監督 ]
ホームに帰ってきた中で、0-4という結果で非常に残念に思っています。ただ、選手たちは自分がやってほしい“アグレッシブに”というのをスタートからやろうとしてくれた。そういう意味で言うと、ゲームの全体のところや試合の中でのプランを自分がもっともっとマネジメントできればと思っていて、そこの力不足かなと思います。選手一人ひとりの頑張りをもっとつなげられるようにしなければいけないと思っています。

--先制点を許してしまったあと、連続失点を喫してしまいましたが、鬼木監督はどう感じていますか?
このゲームだけでなく、いくつか連続失点というところがある。チームとして我慢していれば「2点までであれば」とかでひっくり返せるチャンスはあるでしょうけど、そこのところで連続失点してしまったことは残念に思います。ただ、今回で言うとずっとゼロで抑えてきた中で緊張の糸が切れたかなと思うので、そこはもう一度戻さなければいけない。声でもなんでも、盛り上げて、もう一度自分たちで鼓舞できるような状況を作っていきたいです。

--「もっともっとマネジメントできていれば」というのはどんな部分にあったか?
例えばコンディションのところも含めてゲームプラン。それでも、ホームなので自分たちらしいプレーを見せたいというところで、前半なんかでも縦に速く攻めて、そういうところでパワーを使ってしまったのかもしれませんが、そういうもので魅せていきたいというものがあって、選手はそれに取り組んでくれました。あとはゲームの状況を自分が見極められればと思います。

 

[ 山口 智監督 ]
首位の相手に自分たちの出せるものを出したい試合でした。自分たちの強みである守備は川崎さんに対してどこまで通用するかという部分と、準備してきたものが出せれば通用するであろうところと、選手と取り組んできたところが形になったことが多かった試合になりました。

課題であった得点に関しては、セットプレーも含め、みんなで意識していたところで点を取れました。なおかつ、速い攻撃で決め切ることができた試合になりました。何より、最後まで選手が失点ゼロにこだわって、その中でもう1点決める姿勢もうかがえたので、非常に良かったなと単純に思います。やはりこれを自信に、次につなげないといけないなと感じる試合になりました。

--前半から良い形を作れていた中でゴールを奪えずにいました。後半に臨むにあたって強調したことは?
おっしゃられるように、良い形で奪えて、速く行くところと単純なミスで失うことがあったので、「落ち着くところは落ち着こう」、「自信を持って動かしていこう」という話をしました。これは選手の判断もあるところですが、前半は焦りというか、敵の圧に負けていたところがあったので、そこは自信を持っていこうと伝えました。

--前半、決定機を外し続けてしまった要因。後半、ゴール前で落ち着いて決め切れた要因は?
決め切れないことに関しては、回数を増やすこととメンタル的に落ちないこと。決め切れたというよりかは、関係性がある中で、攻めるところが非常に良かったなと思います。

数的優位なところでの課題がウチにはありましたけど、そこでも落ち着いてつながった中でのゴール(3点目)でした。単純な技術のところは、すぐにどうこうならないですけど、つながりのところでの安心感とトライし続けるところは良くなっているのかなと。外してヘコむことが毎試合ありますけど、やり続けて見えたものなのかなと思います。

 

2022 J1リーグ第15節 鹿島アントラーズvsサガン鳥栖 メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

鳥栖は3-5-1-1にしているが、岩崎が戻らなかったりとかなり特殊な形

鳥栖は垣田が契約上出場不可。負傷離脱していた島川がメンバーに復帰。

 

流れ

3分、敵陣でのトランジションで鈴木がPA前でFK獲得。鳥栖は藤田がつなぎにいったところを狙われてロスト。鹿島は前に前にという姿勢で出てくる。

5分、ピトゥカのFKはGK正面。

鳥栖は藤田アンカーの3センターで、菊地がその1つ前。岩崎は攻撃時はいつもどおりWGの振る舞い、守備時は最終ラインへ戻らず前目に残る。飯野は最終ラインへ戻って4バック気味のオーガナイズになるが、システムの表し方が難しい。左右非対称のいびつな3-5-1-1のようなイメージ。

7分、鳥栖ジエゴをSB位置に押し出した2-1ビルドにそのまま人を当てる鹿島。朴→宮代で一気に前進できたがオフサイド。鹿島は中盤が1人前に出てくるぶん、バイタルにはスペースができやすい。

9分、鹿島が後方からのロングボールで上田が深いところでポイントを作って仕掛け。ジエゴが阻止。

15分、スローインの流れからチャンスを作った鳥栖。しのいだ鹿島は素早くカウンター。

17分、中央でのコンビネーションから右に開いた鈴木のクロス。

鳥栖は宮代でサイドを制限しながら、菊地でアンカー監視。

18分、三竿の運びからの縦パスで上田がフリックし、ピトゥカが抜け出す。シュートは右にそれる。

21分、朴の縦パスをカットした鹿島がショートカウンターを仕掛けるも鳥栖もギリギリで対応。鳥栖は相手が前の2-1でハメてくる守備に対して、藤田を下ろしてファンソッコを上げるなど、ポジションチェンジをしながら惑わせにいったがうまくいかず。

鳥栖は朴からのパスでマークを外せるかどうかがカギ。鹿島がGKまでプレスに来てくれればひし形で外せることは示した。

29分、宮代が敵陣で奪ってから飯野へラストパスを送るも関川がギリギリで対応。鳥栖は鹿島のプレスをはがしかけているが、少し時間がかかると囲まれてしまう。

30分、鳥栖先制、0-1。直前のプレーで得たCKに田代が合わせてゲット。どちらにも決定機という決定機がない中で、先制点はセットプレーから生まれた。

34分、左サイドから前進し、中央でポイントを作った宮代から最後は飯野。鳥栖が相手ゴール前まで入れるようになってきた。

37分、鳥栖追加点、0-2。小泉が中盤からするするっとドリブルで運び、PA内まで進入し、宮代のヒールショット。最初はクォンスンテに当ててしまったが、こぼれ球を詰めてゲット。

43分、菊地が右奥で取って宮代へつなぎ、ボディーフェイントで逆を取った宮代からファーへ送るも常本が好カバー。

44分、クォンスンテのパスを岩崎がカットして仕掛けるも三竿がストップ。宮代が中央で浮いていたが、仕掛けを選択。

46分、カイキのクロスからゴールまで混戦を作ってゴールネットを揺らした鹿島だが、ファウルがありゴールは認められず。

 

互いに激しい球際の攻防が繰り広げられる中、先手を取ったのは鳥栖。セットプレーに加え、ドリブルで変化を生み出した。鹿島は悪くはないが、いつもに比べてシュートまで持ち込めるシーンが少なかった。シンプルな競り合いでは田代にはね返され、下からのつなぎでは鳥栖のプレッシャーを受けたことで前進がうまくいかなかった印象。ただ、ゴール前まで運べればさすがの迫力がある。

 

 

後半

45分、鳥栖が早速チャンスメイク。飯野が右で抜け出してグラウンダーでアーリークロスを送る。鹿島DFのクリアはゴール方向へ向かうが、枠外へ流れる。あわやオウンゴール

47分、鳥栖追加点、0-3。縦に速い攻撃から菊地→岩崎→こぼれ球を小泉のコントロールショットでゲット。古巣対戦の小泉はノーセレブレーション。鳥栖が良い入りからそのままゴールをゲット。

50分、自陣でのトランジションからカイキが長い距離を運び、鈴木のシュートまで。

51分、鹿島得点、1-3。ピトゥカが中央から運んで右からの折り返しを受けた樋口が落ち着いて流し込んだ。鳥栖は陣形が整っていない中で中央を運ばれてしまうシーンが続き、鹿島が二度目は見逃してくれず。

鹿島のゴールから一気に鹿島ペースに傾きつつある。

58分、遅延行為で田代に警告。確かに鹿島ペースになりつつある中で時間を使ったとも見えるが、やや厳しい判定にも思える。

60分、ピトゥカのクロス気味のラストパスに和泉が飛び込むもうまく当てられず。当てられれば1点もの。

61分、鳥栖交代

菊地→小野

鳥栖も決して弱くないはずだが、球際の攻防はほぼ鹿島が制しているような印象。

鳥栖は朴がキャッチしたあとは徹底して速攻を仕掛ける姿勢。

67分、鹿島追加点、2-3。鈴木のポケット進入からの折り返しに上田がキレイに合わせてゲット。鳥栖は受ける時間が続き、「時間の問題」のようになっていたところで我慢しきれず1点差に詰め寄られる。

69分、ピトゥカのミドルは枠内へ飛ぶも朴がセーブ。

防戦一方の展開を受けて、ベンチからの指示で鳥栖が5バックに変更。岩崎をはっきりとWBの位置に落として守る。

72分、右からのクロスがファーまで流れて、フリーのカイキがシュートを放つも朴が好セーブ。

74分、カイキが抜けだしてシュートを放つも、ここも朴が好セーブ。

鹿島ペースは変わらない。

76分、鳥栖交代

岩崎→原田

より守備的な原田をWBに入れて守備強化の意図か。

80分、鹿島交代

ピトゥカ、常本→土居、アラーノ

和泉が右SBに下りて、土居は前線に入る。鈴木が下りながら自由に動くぶん、土居がゴール前に入っていくようなイメージ。

84分、鳥栖交代

宮代→荒木

86分、小泉が足をつって一時中断。スタッフから〇印は出ているものの、交代枠を使い切っている鳥栖は小泉に頑張ってもらうしかない状況。

88分、鹿島交代

安西、関川→染野、ブエノ

鹿島は三竿以外の最終ラインの選手を全員入れ替えるといった思い切った采配に。全体を前がかりにするぶん、最後方に広いエリアを守れるブエノを入れるといった考え方か。

91分、鹿島同点、3-3。アラーノのクロスをファーで鈴木が折り返し、飛び込んできた土居が押し込んだ。鹿島は攻撃的な采配が実を結んで3点ビハインドを追いついた。鳥栖は重心を下げる選択をした中でリードを守り切れず。

93分、鹿島逆転、4-3。セットプレーの流れから、カイキのクロスを染野がニアで合わせてゲット。鹿島は勢いのままに3点差から逆転に成功。

鳥栖は最後の力を振り絞って前へ出ていく。

96分、鳥栖同点、4-4。藤田のCKが直接ゴールに向かい、クロス対応の準備をしていたクォンスンテが逆を取られる形に。かき出すのが精一杯になり、こぼれ球に田代が頭から飛び込んで押し込んだ。

ゴール後のリスタートが行われる前に終了のホイッスル。特に接触はなかったが足を痛めたようなそぶりを見せるクォンスンテ、追い付かれたことへの憤りを感じる鈴木、整列時に一悶着起こるなど異様な空気感が漂う。

 

前半は一進一退の攻防の中でうまく鳥栖がゲームを動かし、後半頭も良い入りを見せた鳥栖が追加点を奪って、ゲームを掌握。と思われたが、その後すぐに鹿島が1点を返すと流れは一変。死なばもろともの鹿島の圧力と破壊力はすさまじいものがあり、その圧に押された鳥栖は30分間近く何もさせてもらえず、鹿島が逆転まで持ち込んだが、鳥栖も意地の一発で引き分け。ともにモヤモヤが残るような一戦になった。

 

 

個人的MOM

★鈴木 優磨

圧巻の3アシスト。圧倒的に押し込んだ終盤では彼がワンクッションを入れてくれることでチャンスの質がワンランク上がったような印象がある。勝てていれば文句なしだったが、追い付かれたことで少し尾を引く形になってしまった。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ レネ ヴァイラー監督 ]
--3点差を追いついた勝点1と評価するのか、最後に勝点2を失った勝点1と評価するのか、どちらですか?
気持ちとしてはなかなか表しにくい状態です。0-3から92分に同点に追いつき、94分に勝ち越し、そのあとは勝てる試合だったと思いますが、最後に追いつかれてしまいました。ただ、見ている人にはとても面白い試合展開だったと思いますし、素晴らしい試合になったと思います。いろんな要素があると思います。審判の笛が最後鳴るまで続くものですし、最後の点を決めたのがわれわれでなかったことは残念に思います。

--若いチームにとっては次につなげられる試合だったのではないでしょうか?
どの試合も選手たちにとっては教訓になる試合だと思います。最後のセットプレーが立て続けに2本あるというのは、あの瞬間でなくともピンチになる状況だと思います。失点としては起こり得るものだと思います。ただ、時間が経ったらもう少し分析しますが、0-3から追いついたこともポジティブだと思いますし、それが良い教訓になるんじゃないかと思います。

--前節・浦和戦で強度の高い試合をやってメンバーを替えなかった理由と、3失点した理由をお願いします。
試合を通して内部で起こっていることと外から見ている視点では違うものがありますし、自分が感じているものや良い流れがあったので、選手は替えませんでした。交代枠が5つありますが、それはあくまで選択肢ですので、使わなければいけないものでもありません。ただ、ものすごく言葉で表すのは難しいんですけど、良い感覚というものは持っていました。

立ち上がりの15分から20分は良い出来で入れました。ただ、そのあと相手がCKから1点、そのあと立て続けに2点目を決められましたが、なかなか自分たちにとっても良い流れ(の中)での失点だったのでショックがありました。後半立ち上がりに3点目を決められましたが、ネガティブなほうではなくできる限りポジティブなほうを分析して見ていこうと思っているので、それを分析して前に進むだけじゃないかと思います。

 

[ 川井 健太監督 ]
カシマという地で勝点1を取れたことをポジティブに思っています。連戦ですので最後こういうふうに追いついて引き分けたことはチームにとって財産になると思います。次節に向かってまた準備したいと思います。

--劇的な試合。試合を終えた感想は?
よく言われるジェットコースターのような試合で、8点入るということで観客は楽しかったんじゃないかと思います。本当にお互いに痛み分けのドローだと思います。われわれはもう少し後半の進め方は課題ではあるんですけど、ただここは、こういうものをシーズン(の中で)味わっておかないといけないかなというふうに捉えていて、ネガティブには捉えていないです。ただ、鹿島さんの圧力は素晴らしかったなと思います。

--田代 雅也選手が先制点と同点ゴールを決めました。評価をお願いします。
彼はおそらく、ここで「2点取ったから良かったよね」と言っても4失点しているので、1つも笑顔を出さないと思います。ただ、われわれにとっては、最後ああいうメンタリティーを出してくれる選手です。そういうものがいまチームには伝染していると思いますし、彼と同等のメンタリティーをみんな持っているので、そういう意味ではこの4得点目は必然だったかなと思いますね。

--ひさびさの複数得点になりました。攻撃面ではどういう修正が?
修正ということではそこまで修正することはなかったです。相手が空けるスペースを的確に突くことと、あとは宮代(大聖)だったり田代もそうですけど、ペナルティーエリアの中は個の質が出るので、彼らの質が高かったのではないかと思います。