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【FC東京】 J1リーグ第9節 vs松本山雅FC レビュー

こんにちは、がちゃです。

 

 

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brgacha.hatenablog.com

 

 

 

さて、2度目の3連勝で迎えた9節松本戦。

嫌らしいサッカーをしてくる松本相手にどう戦ったのか。

 

早速振り返ります。

 

 

スタメン

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東京はミッドウィークのルヴァン柏戦で室屋が負傷。

代わりに小川が右SBに入り、左SBにはリーグ戦初出場となる太田が入ります。

7節鹿島戦で負傷した久保はスタメンに復帰。

そして軽い負傷があると思われるヒョンスをベンチに置き、渡辺がリーグ戦初出場。ルヴァンでいい状態を見せているだけに不安よりも期待値が高いです。

 

松本は守田が(おそらく)怪我で欠場し、前節よりGKは村山。

宮阪が欠場ではないかという情報もありましたが、ここは問題なかったようでスタメンに入りました。

 

 

 ~前半~

 

入りはお互いにボールを持ったら前線に送ってそこで収める、縦に速く攻めるという狙いで進みます。

 

東京はいつものように2トップがボールサイドに寄って近い距離を取ることで前線で収まりどころを作る。また、そこから久保が絡んで素早い攻撃を仕掛けたいといった雰囲気。

松本はペレイラにロングボールを入れてそこのセカンドを回収してから前田のスピードをちらつかせながら押し込みたい。

立ち上がりでそんな両者の意図が薄っすらと見えました。

 

 

東京のボール保持に対する松本の守備

 

松本が後ろから橋内・宮阪を中心に放り込んでくることが多いため、必然的に東京のボール保持時間が増えます。

 東京のビルドアップが左に偏りがちだったこともありますが、松本が前からプレスをかけてくる場合には下図のようなイメージでした。

 

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あえてフォーメーションを噛み合わせただけの図にするとこのような感じです。

松本は基本5-2-3で構えたところから追ってくるため、右WBの田中が太田に寄せるには距離があって時間がかかります。

そのため、この太田のところで生まれるわずかな時間をどう使うかという部分は一つ重要なポイントになってきます。

 

 

 

松本のこの守備基準に対して東京は橋本(場合によっては髙萩)が一列下りて3バック化する形を取りました。

 

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理由としては太田を高い位置に置きたいことと、久保を内寄りに入れたいことではないかと思いました。

また、室屋が右SBに入ったときよりも小川のポジションが少し高いように感じました。4バックのまま久保を内に入れるとSHのポジションががら空きになってしまうということで小川をWB化し、左利きでサイド奥まで行くことの少ない小川をネガトラ用の配置にしたのかなーと。

室屋だとオーバーラップして右奥まで行ってしまうため、行っていい時を完全に押し込んだ時やトランジション時に限定して、スタート位置を低めに設定と考えてます。

 

 

東京は左サイドからの前進を試みますが、太田のパスに対して田中の縦スライドと前田のプレスバックでコースを塞ぎにかかります。

また、松本CH2枚は人へついていくというよりもゾーンを守る意識が強く、ボールサイドに寄ってきます。左シャドウの中美はCH脇近くまで下りてきて、展開されたときに備えたポジション取り。

 

基本システムは5-2-3だと思いますが、前田とペレイラの2トップで左右非対称気味の5-3-2という見方もできたかもしれません。

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これに対して東京は東がWB裏を取る動きやディエゴの下りる動きで打開を図りますが松本もしっかり対応してきます。

 

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下りるディエゴはCBがついていかずにCHへマークを受け渡します。WB裏を狙う東はDFラインの横スライドで今井がマークにつき、スペースを与えません。ここの1対1を制しようとする場面もありますが、個人能力に依存する部分でなかなか難しく、チャンスというチャンスはあまり作れませんでした。

 

こうなると次の手!

髙萩(1度だけ永井)からサイドチェンジで薄くなった逆サイドを狙います。

 

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東京から見て左に寄ったところで大外で浮いている小川へ届けようという狙い。

久保が内に入ってくることで外を空ける工夫もありました。

この手段自体は悪くないと思いますが、逆足SBで特別ドリブルが得意ではない小川ではここからの選択肢があまりに少なかったです。ここにドリブラータイプの選手や縦に仕掛けられる選手(室屋)がいれば少しは違ったかもしれませんが、その選手はいないので割り切らないといけない部分ではありました。

 

 

 

 

主に久保のドリブルを中心とした個人能力頼みで、なかなか松本の守備をこじ開けられない時間が長かったですが、左サイドの東と太田のコンビネーション+永井で少しずつ突破口を見出します。

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21分、太田からスペースに流し込むようなパスが出て永井を走らせます。

人につけばその分スペースはできるということで最前線で数的同数のような形ができているのでそこに放り込みます。

太田のキック精度もありきですが、あとはスピードというシンプルな質的優位を生かそうという狙いです。

 

 

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これは早い時間帯からずっとやっていた形でしたが、太田が高い位置にスプリントしていくことで田中は自分の背中のスペースを埋めに戻ります。その動きと連動するように東が下りてきてCH脇でフリーを作り出します。今井は永井が前に立っていることで東へついていきにくい状況になっています。

 

また、先ほどの永井へ出したパスが布石となって、裏のスペースケアへの意識が強まったように感じます。

24分のシーンでは太田がサイドの奥に蹴るような素振りを見せた瞬間に今井が後ろを埋める動きを取りました。それによって東が手前で浮いてそこからチャンスまで至ります。そういった非常に細かい駆け引きも行われているように感じました。

この一時的なフリーを作り出すことで松本陣内に迫るシーンを作ることができていました。

 

 

現地で見ていて

「太田が裏めがけてよくスプリントしてるけど、スペースあんまりないし、パスも出てこないよなー」

と思っていましたが、東を浮かせるためのスプリントであったことがよくわかりました。

 

 

さらに41分、またも左サイドのこの3人のコンビネーションが生まれます。

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東をフリーにさせないために田中が縦スライド。東はうまく前を向いたところから永井に出してワンタッチで太田へ。永井が今井を張り付けていることで太田はフリーになって余裕をもってクロスを上げます。

これが得点には繋がりませんでしたが、ずっと続けてきた左サイドでの狙いが実を結ぶ形となりました。

 

 

 

そんなこんなあった中、44分に突然先制点が生まれます。

 

東京のボール保持で右に人が集中する中でボールロスト。最悪な配置でロストしますが、これをCB渡辺の早い出足でギリギリカバー。

そこから再び生まれたごちゃつきを制して抜けだした久保から永井へスルーパスがつながりシュートはゴールへ。

 

 

松本は絶好のカウンターチャンスだとばかりに前線に走り出しますが、渡辺のカットによりひっくり返されて陣形が崩れた状態に。

前述したようにそこから中盤でごちゃごちゃするのですが、実はこれが得点を生んだ肝だと思います。

 

このどちらに転がるかわからないイーブンの状態によって松本にはまだカウンターにいく可能性が残りました。それによって右WBの田中が上がるか戻るか迷いが生じて半端なポジショニング(隣の今井と少し距離が開く)になります。

そしてこのごちゃつきを制して抜け出したのは東京の久保。久保にはプレッシャーがかかっていなかったため、永井をマークしていた今井が久保に出ていき、田中が永井のマークを引き受けますが、先ほど前に行くか迷ったことで生まれた少しの隙間を永井に入られました。

 

 

おそらくお互いに全く意図していないところから生まれた得点でした。

なんなら渡辺が入れ替わられていたら東京が失点していた可能性が高い紙一重のプレーでした。

 

しかし、この1発を決めきれるのが今の東京の強さ。1度の致命的なミスは見逃さないのです。

 

 

 

補足までに松本の狙いを少し。

 

松本の主な狙いとしてはセットプレー(WBの仕掛けからのクロス)と前田のスピード勝負でした。

 

セットプレーではCBを上げて放り込む、または対角のWBに届けてから仕掛けてクロス。

自陣に引き込んで奪えた時にはすぐに前線へ送り、スペースがある状態で前田のスピードを生かす。

そんな狙いでしたが、東京のSBが1対1で勝てたこと、中のCBがしっかりと跳ね返せたことでセットプレーはほぼ封殺。そして前田のカウンターに対してはスピードのある渡辺が対応して前進すらまともに許しませんでした。

ちなみに途中で表示されたトップスピード表を見たところ、1位永井の次には前田ではなく渡辺がランクインしていました。(前田をトップスピードに乗らせなかったとも言えるかもしれません)

リーグ戦初出場の渡辺でしたが、前田を完璧に抑える素晴らしい活躍でした。 

 

 

脅威となったシーンはありませんでしたが、東京にとって嫌な存在となったのが中美。

松本がボールを繋いできたときに出口となるのはいつも彼でした。

 

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そもそも松本がそこまでボールを保持してこないため、回数は少なかったですが、宮阪が2トップ間で受けてからSH-CH間の中美に渡して前進、もしくはファウルをもらうという流れがありました。

上図のパターン以外にも中美はマークを受けない場所をうまく見つけて受けることでボールを落ち着かせる役割を担いました。

 

一度だけあった松本の崩しの狙い

 

34分のシーン。

松本が右サイドで持って崩しを狙います。

ぺライラがサイドへ流れて中美も右サイドの攻撃に参加。

右サイドに人を集中させることで東京守備にズレを作り出そうとしました。

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中美が来たことで森重はそこのマークに出ていく必要がありました。

そのため、DFラインにギャップが生まれて背後にスペースができます。

そこを前田が取る狙いでしたが、渡辺のラインコントロールによってオフサイドとなりました。

これがオンサイドとなっていれば、PA角を取った前田から手薄になった中央へ折り返されて危険なシーンを作られていたかもしれません。

 

 

 

 

前半まとめ

 

ボール保持にこだわらずひたすらにセットプレーやクロスから事故を狙ってくる松本ですが、渡辺の好対応もあり、そこまで怖さは感じませんでした。

一方でやはり守備は非常に整理されていて、かなり手を焼きました。

しかし、予想していないところからのチャンス1発を仕留めきり、先制に成功。

今首位に立っている理由を見せつける一撃だったと思います。

 

 

 

 

 

 

~後半~

 

 

松本は変わらずペレイラと前田をめがけて蹴っ飛ばしてきます。

そこにCH2枚が押し上げてきてセカンドを回収し、敵陣に侵入。

 

押し込んでからは前半にはほとんど見られなかった右CB今井のあがりを使って右からのクロスで得点を狙いますが、ペレイラのヘッドが林の正面を突くなど、決定機とはならず。

 

 

60' 松本 前田→永井龍、中美→杉本

先に松本が2枚替えで動きます。

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同じようなキャラクターの交代にも思えますが、前田よりもエリア内の得点感覚に優れる永井、立ち位置で優位性を得る中美よりもわかりやすく足元のテクニックのある杉本という交代。

トランジションとバランスという二つの手札を捨ててボール保持とエリア内の脅威というカードをを山札から得ます。

 

交代後からはボール保持の色を強めていく松本。右サイドを中心に攻め込んでいきますが、狙うはあくまでもサイドからの攻略といった感じ。

 

 

東京もディエゴや久保の能力を生かした攻撃と素早いネガトラによって前での回収を狙います。

ディエゴや太田のシュートで惜しいシーンは作りますが、お互いに得点は入らず。

 

68' 東京 永井謙佑→ジャエル

 

いつもの交代カード。

スプリントを繰り返して消耗の激しい永井を早めに下げて馬力のあるジャエルを入れます。

最近定番になりつつある交代カードの使い方。

 

正直、この交代が毎回攻撃を受けてしまう交代になっている気はします。

 

70分に右奥で杉本がCKを獲得しますが、少し巻き戻すと2トップ間を楽々パウリーニョに運ばれているところから始まっています。

サボっているとまでは言えませんが、ジャエルは行くべきところで寄せてくれないといった感覚をちょくちょく感じます。

圧倒的キープ力で収めてくれる(ファウルもらえる)、一人だけでカウンター完結できる等のスーパーな表面があればよいのですが、今のところ守備が甘いという裏面ばかりが目立ってしまっている印象です。

相方となるディエゴの攻守貢献度が異常に高いので余計に悪目立ちしてしまうのかもしれません。

 

 

ボール保持で攻められる場面も作られる東京ですが、75分に久保がPKを獲得。

これをディエゴがきっちり決めて2-0に。

 

この追加点で勝負ありという雰囲気は出ました。

あとは事故を防いで守り切るのみ。

 

76' 松本 宮阪→セルジーニョ

セットプレーキッカーを削ってボール保持で強さを出せるタレントを入れてきます。

杉本が一列下りてCH、セルジーニョは左シャドウに入ります。

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83' 東京 髙萩→ナサンホ

イエローカードを1枚もらっていた髙萩を下げてナサンホ。東がCHに入ってナサンホは左SHへ。

 

セルジーニョの投入によって中盤背後のスペースやSB-CB間を狙ってきますが、うまく全体がカバーしきって危なげなくシャットアウト。

終了間際にはこの日誕生日を迎えた大森を思い出出場(時間稼ぎ)させる余裕も見せました。

 

 

~まとめ~

 

先制点の場面は失点と紙一重ではありましたが、1回のビッグチャンスをものにするというところに今のチームの強さを感じました。

そして追加点を取ってしっかりと完封。

松本相手に強者の試合運びができたのではないでしょうか。

 

 

一方で新戦力を多く迎えたのにも関わらず、メンバーが固定されている現状を不安にも感じています。

最近では試合の締め方が上手と言われたりしている東京ですが、個人的には後半のカードの切り方が難しい陣容だなあと感じます。

リード時でも永井→ジャエルが鉄板となりつつあり、長谷川監督の中で守備的なカードとして信頼できるのはおそらく大森のみ。

東をCHに下げるという起用法もしていますが、消耗してきている終盤の負担を考えるとあまり良い策とは思えません。

80分間サイドでハードワークしてからCHに入った東にチャンネル(SB-CB間)埋めのタスクをさせているのを見て、労基に訴えられたらさすがに勝てないと思いました。

 

やはり計算できるCHの控えは間違いなく必要ですし、ジャエルは同点・ビハインド時の勝ちに行きたいときのカードとして使いたいかなと思います。

その点で、田川やアルトゥール、岡崎(平川・品田、もっと言えば鈴木喜丈)がもっと信頼される存在にならなければならないと思います。

リーグ戦は長いです。

今はスタメンがほぼ固定されて、途中で入ってくる選手もほぼ決まっているような状況。

しかし、このメンバーだけではリーグ戦を勝ち抜けません。絶対に他の選手の力も必要になってきます。

いつ来るかわからない「その時」のために今試合に出られていないメンバーたちには頑張ってもらいたいと切に願います。

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

松本のpick up player

 

◇中美 慶哉

今季6節からスタメンで出場を続けている選手。

これまでの試合も今節もわかりやすく目立つような場面はありませんでしたが、マークを受けない場所に入り込みビルドアップの出口になる動きと守備のバランス感覚は優れたものがあると思いました。

正直、今の松本というチームにフィットするのか、と聞かれると答えるのが難しいですが、渋い仕事をこなせる好みの選手でした。

もう少しチームとしてボール保持に力を入れたらもっと輝く気はします。

コメントが難しいけどとりあえず頑張ってほしいです!笑

 

 

 

 

 

時間の経過は早いものでもう9節が終了。

なんと我がFC東京は首位に立っています!

 

平成の終わりを首位で迎えただけで終わりではありません。

我々の目標は令和元年でリーグタイトルを獲ること。

 

 

道のりはまだ長いですが、これからも選手たちの背中を押していきましょう!

 

 

それでは!

【FC東京】 J1リーグ第9節 vs松本山雅FC プレビュー

こんにちは、がちゃです。

 

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2回目の3連勝を収めて迎える9節松本戦。

会場はFC東京のホーム、味の素スタジアム

 

松本戦と言えば2015年の(アウェイ戦でしたが)橋本拳人J1初出場、初先発、初ゴールという記録が非常に記憶に残っています。

そんな彼も今ではチームの中心となり、日本代表に選出されるまで成長しました。

 

もちろんお互いに4年前とは違うチームになっています。

バージョンアップしたチーム同士でどんな試合になるか楽しみです。

 

それでは展望へ。

 

 

 

 

予想スタメン

 

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ホーム東京は右SBで不動のスタメンだった室屋の負傷欠場が濃厚。

代わりに太田(小川を右SBへ)という布陣を予想しました。

7節鹿島戦で目のあたりを負傷していた久保は先発復帰予想。

 

アウェイ松本は5節あたりから固定されてきたメンバー。

負傷者としてはGK守田とCH宮阪が欠場濃厚。

前節同様GK村山、そしてCHには藤田を予想。

 

基本フォーメーションでは 4‐4‐2vs3‐4‐2‐1となります。

 

 

松本山雅FCについて

8節終了時
3勝2分3敗  勝ち点11 
得点6 失点7 得失点差-1

リーグ戦直近3試合では2勝1分けと結果は出ています。

 

 

 松本の攻撃

 

①WB独力突破からのクロス

②前田のスピード

③セットプレー

ペレイラの収め

 

主に上記の4つが中心になると思います。

 

①WB独力突破からのクロス

 

両WBの田中と高橋は上下動を繰り返せるタイプ。

彼らのサイド突破からクロスを狙います。

3‐4‐2‐1を使用するチームであれば、シャドウや左右CBのあがりなどでサポートしてサイドを崩そうとするパターンがよく見られますが、松本はWBの独力で突破を狙います。ここに人数をかけない分、PA内に人数を集められ、最後方にも人を残せます。

 

左右で同じような形が見られますが、左の高橋の方が突破してクロスを上げきれる確率が高く、左サイドの方が多い印象です。

 

 

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※イメージ図

 


②前田のスピード

 

シャドウに入る前田は非常にスピードがある選手。東京の永井と同じようにスピードだけで相手に脅威を与えることができます。

ボール奪取直後などスペースがある状態であれば前田に預けるだけで敵陣深くまで侵入することもできます。

彼の独力でシュートまでいくこともありますし、個人でのフィニッシュが難しいと感じれば周りの押し上げも待ちます。

 

とにかく彼の特出したスピードによって攻撃にかける人数を減らし、効率よく敵陣まで攻めることを狙います。

 


③セットプレー

 

これまでの試合では岩上や宮坂という精度の高いキックを持つ選手がおり、高さのあるCBも上がってくることで得点の雰囲気を出せていました。

しかし、今節は岩上も宮阪も欠場予定。

ターゲットはペレイラ・飯田といますが、キッカーは誰が務めるのか、という部分でどれだけ得点の可能性が高められるかが変わりそうです。

 

ペレイラの収め

ボールを奪った直後は前に残っているペレイラに当てます。

彼の仕事はボールを収めて味方へつなぐ(あわよくばそこからカウンターへつなげる)こと、もしくはファウルをもらってマイボールにすること。

彼にボールを預けることができれば高確率で仕事をこなしてきます。

 

 

 

 

簡単に4点まとめましたが、総じて言えることは最重要項目は失点をしないこと。攻撃はリスクをかけずに得点の可能性を高める方法をつきつめている印象です。

 

極端な例えを出すと、リスクをかけず(CBを上げる等して全体のバランスを崩さない)に左からクロスを上げて得点を取れる確率が10%だとします。

それに対して松本は

「10回やれば1点はいるじゃん」

といった感覚で攻撃しているように見えます。

 

誤解を招きそうなので補足を入れますが、これは決して悪いことではなくて、松本山雅FCというクラブが勝ち点を積み上げるために一番わかりやすい方法を取っているのではないかと思います。

失点をしなければ勝ち点は必ず1以上得ることができますし、その試合で10回に1回が訪れれば勝ち点3を手に入れることができます。

前田のスピードもわかりやすく効率よく攻められる武器ですし、セットプレーも人の配置こそ換わりますが、バランスは崩さずにセットできます。

 

そういった割り切った攻撃をやってくるチームだと感じました。

 

この戦い方ゆえに不確定要素が強く、上位チームから勝ち点を拾えることもあれば、下位チームからあっさり取りこぼしたりする興味深い特殊なチームになっていると思います。

 

 

松本の守備

 

開幕当初は永井と前田の快速2人によって前から激しく追いかけるという守り方もしていましたが、ペレイラが入ってからは以前ほど強くは追わなくなった印象です。

前田がスピードを生かして1人のプレスだけでボールを捨てさせるようなプレーもありますが、基本は5‐4‐1、もしくは5‐2‐3に近い形でセットします。

 

vs4‐4‐2守備

 

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※イメージ図

 

1トップペレイラはボールを持ったCBがプレス対象。

ですが、彼には守備の仕事がそこまで任されていない(もしかしたらサボってる?)印象で追いかけたり追いかけなかったりムラがあります。

 

ペレイラがボールホルダーに寄せに行ったときはシャドウがもう一人のCBとボールに近い方のSBを消しに行きます。

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※イメージ図

 

4バックに対して3トップ(1トップ+2シャドウ)だけでは人数が足りないのでWBが縦スライドでSBを監視し、人数を合わせます。

 

 

ペレイラが寄せに行かなかったときは5‐4‐1気味でセットします。

 

 

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※イメージ図

 

ペレイラが追ってくれない場合はシャドウが突っ込むとそこが穴となり前進の糸口を作られてしまうため、基本的には少しポジションを下げてSHとしてのふるまいに近くなります。最初は中盤4枚の距離が離れすぎないように中央寄りのポジションを取り、SBにパスが出てきたら寄せます。この時WBは相手SHのマークか、縦に突破してきたときのカバー役となります。SBの受ける位置によってはWBが縦にスライドして対応します。

 

また、5‐4ブロックを敷いた時もバックパスを合図に前田・中美のシャドウコンビがプレスをかけることもあります。特に前田のプレスは強烈で、1人だけで相手から時間を奪ってボールを捨てさせることができます。永井のそれと似たようなイメージです。

 

 

シャドウの守備タスク過多

上記で挙げた通り、シャドウの守備はペレイラの気分次第で役割が変わる仕様になってます。

それに加えて最後方のカバーリングに入る場面もあります。

 

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※イメージ図

 

WBがSBと対峙し、中央のCBがFWのマークについている場合、WB-CB間を横スライドで埋められなくなります。そこに走られた場合にカバーするのはシャドウのお仕事。

最前線でCBを追いかけることもあれば最終ラインの穴埋めをしにいかなければならないこともある設計。

このポジションは途中交代が多く、それを前提に多くの役割を与えているのかもしれませんが、あまりにやることが多い気はします。

 

 

東京視点から見れば、シャドウの選手をここまで下げさせることができれば、カウンターの発動を防げる可能性は高まりますし、抑えるべくはペレイラのみという状況を作ることができるはずです。

 

 

 

松本が前から行くときは奪ってからのショートカウンター。最低でもマイボールにする。

後ろでセットしたときは持ち前のデュエルの強さで中盤で奪い、前田にスペースで勝負させる。

そんな狙いだと思います。

 

 

 

 

東京のポイント

 

◇松本の攻撃対策

 

①サイドでの1対1

クロスを上げられてしまうと中には人数が揃っているのでいくら東京のCBが強くても危険なシーンを作られる可能性は高くなります。

当たり前ですが、そもそもクロスを上げさせなければゴール前にはボールはいきません。松本はWBへ特にサポートもないので、ここの1対1で勝てれば松本にボールを持たせたときの守備はかなり安定するはずです。

 

②ボール保持時のスペース管理

中盤でのロストを減らすこと。

陣形が整っていない状況でロストすると前田がスペースに突撃してきます。

一気に自陣深くまで侵入されてしまうため、ボール保持時は後方のスペース管理をしっかり行いながら攻めたいです。

 

③ファウルを減らす

松本の大きな得点源はセットプレーです。

岩上&宮阪は不在になるかもしれませんが、やはり松本のセットプレーは怖いです。

自陣深い位置でのファウルには気を付けたいですね。

 

 

松本の守備に対する狙い

 

①シャドウを押し込む

前述した通り、松本のシャドウは守備の仕事が多く、消耗の激しいポジション。

サイドのコンビネーションでWB-CB間を狙いシャドウを押し込むことができれば、前田のスピードによるカウンターの抑止にもなり、攻撃にかけられるエネルギーもすり減らすことができます。なるべくシャドウの負荷を多くできるようにジワジワ攻めていきたいですね。

 

②被前プレ時のCB脇

前から追ってきたときにはWBが縦スライドしてきます。

そうするとCBが横にスライドしてきますが、SHがサイド奥に流れることで左右のCBも中央から切り離すことができます。

となると中央は必然的に薄くなっていきます。

そこで東京お得意の質で殴りましょう、という話になります。

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※イメージ図

 

各スライドによってPA付近では数的同数が生まれます。

それを嫌って仮にCHがサポートに行けば中盤が空き、そこから攻めることもできそうですよね。

あとは2トップがスピードとパワーで上回れるかの勝負。対峙する人数が少なくなればその分突破できる可能性も上がるわけです。

 

 

 

 

まとめ

簡単に言ってはいますが、そんなにうまくは行かないのがサッカーの面白いところ。

松本は割り切って戦ってくるチーム。

0-0でもokというプランで臨んでくる可能性も大いにあります。

 

そんな相手に対して3ポイントを取れるかどうか。

上位、もっと言えば首位をキープするためには「負けない」ことももちろん重要ですが、いかに「勝つ」かがより重要になります。

 

嫌らしいサッカーをしてくる松本相手にきっちり「勝つ」ことができるか。

楽しみにしましょう。

 

 

【FC東京】 J1リーグ第8節 vsサンフレッチェ広島 レビュー

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無敗同士で迎える首位攻防戦。

まだ順位を気にする段階ではないかもしれませんが、直接対決で上位を叩くことには大きな意味があるはずです。

 

 

早速振り返りへ。

 

 

~スタメン~

 

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ホームの広島は柴崎が復帰。

1トップに渡が入り、あとは開幕からおなじみのメンバー。

 

アウェイの東京は久保が鹿島戦での目の負傷により欠場。代わりに大森が入りました。

 

 

~前半~

 

 

繋ぐ広島vs放る東京

 

開始からボール保持時で両者に違いが出ました。

広島は後ろで持った時に繋いでビルドアップ。

対して東京はCB(主に森重)からシンプルに2トップやSHにロングボールを送ります。

 

それぞれの狙いについて考察をまとめていきます。

 

 

広島の狙い 

 

◆広島のビルドアップ

 

広島の基本フォーメーションは3-4-2-1ですが、ボール保持時には松本泰志を1列下ろして4バック化します。川辺は中盤に残り4-1の形です。

 

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※イメージ図

 

佐々木・野上の両脇CBは外に開き、SB化。その分両WBを押し上げてWG化させます。

4-3-3に近いイメージでしょうか。

 

(※この項では説明の便宜上松本をCB、佐々木・野上をSBとして表記します。)

 

東京は2トップなので3枚のままでも数的優位ですが、4バック化させる選択をしてきました。

東京のSHがSBを見るのか、WBを見るのかという選択肢を突き付ける狙いだったかもしれません。

 

これに対しての東京の守備はこちら。

 

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※イメージ図

 

永井・ディエゴの2トップは川辺のところに基準を置き、CB2枚にはそこまで寄せません。持たれることを許容していたと思います。

基本4-4-2ブロックを敷いた状態は保ちつつ、広島SBに対しては東京SHが「パスが出てきたら寄せるぞ」という雰囲気を出していました。

実際にパスが出たら前に出てプレスをかけ、下りる広島WBに対しては東京SBが連動して出ていきます。

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※イメージ図

 

これによって広島SBからドリブルでの前進を防ぎ、WBへのパスも東京SBがマークすることで判断が難しくなります。

 

 

前進のカギを握る野津田

 

この東京の守備に対して、逃げ場となったのは野津田。東京SHが広島SBを意識する傾向を逆手に取り、SH-CH間のパスが通る位置に立ちます。

 

 

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※イメージ図

(柏が下りなかったと仮定して、室屋はポジションを守っている) 

 

ここに入ると髙萩のプレスバックなどで簡単に前向きでの選択肢は与えませんが、外の柏へはたかれることでラインは下がります。そしてビルドアップが完了されます。

 

また、前述した東京SBが連動する構造を利用した狙いもありました。

 

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※イメージ図

 

室屋が柏についてくることから生まれる裏のスペースを野津田が狙います。それに対してはヒョンスがついていくことが多かったです。

実際にここに配球されることはありませんでしたが、この形は何度か見られたため、広島側はここのスペースを取って攻略したかったのかなと思いました。

 

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※イメージ図

 

補足として1つ挙げると、野津田があけたところに松本が入り込むというシーンも一度ありました。

この2つの狙い自体は悪くなかったと思いますが、スペースに配球する仕組みが作れていなかったように思います。また、パスのずれから結果的にミスになりました。

 

 

左から右へ移行する広島

 

左で野津田を中心に攻撃を試みる広島でしたが、東京守備も整理されており、あまりうまくいかず。

15分過ぎからは右のサロモンソンを生かそうとする狙いが見えてきます。

 

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※イメージ図

 

上図のようなパターンで右で浮くサロモンソンへ届けます。

中盤までは東が頑張ってついていきますが、自陣深いところまで来ると小川も出ていって対応します。

サロモンソンは縦の突破力があり、ゴリゴリと突き進んで深い位置からグラウンダークロスを狙ってきます。

これに渡と野津田が中に突っ込みますが、クロスはいずれもマイナス方向へ。

マイナスには広島の選手がおらず、東京のCHが余裕をもって回収します。

 

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※イメージ図

 

サロモンソンの突破からクロスというパターンはこれまでの試合でもよくあったと思うのですが、中の入り方まではデザインされてなかったのかな、とこの試合で思いました。

 

 

渡の裏抜け

時間帯に関わらず、1トップの渡は裏抜けを狙っていました。

広島がバックパスをしたことを合図に東京が最終ラインを上げます。それの逆を取るように渡が裏を狙い、広島DFラインからロングパスが出ます。

結果としてオフサイドになりましたが、毎回非常に際どいタイミングで抜け出されており、これが一番危険な攻撃だったかもしれません。

 

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※イメージ図

 

 

 

東京の狙い

 

シンプルに2トップ狙い

 

いつものことですが、2トップに預けてそこから個人能力やコンビネーションでの突破を図ります。

序盤は相手の出方に関わらず、ボールを持てたら前へ放り込むような印象でした。

広島が前からプレスをかけてくるようであれば、必然的に後ろの枚数が減って、2トップが対峙しなければならないDFの数が減ります。相手する人数が減ればその分スペースもできてキープする確率も上がります。

また、スペースでかけっこを仕掛ける状況を作り出せれば広島DFはセーフティにタッチに逃げるので敵陣でのスローインを獲得することは容易でした。

 

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※イメージ図

 

東京としては敵陣で密集を作ってから奪い、縦に速く仕掛けるトランジションメインの展開に持ち込みたかったのかなと感じました。

また、広島にボールを持たれても守り切れる計算があったのかもしれません。

 

 

広島は東京があっさりボールを捨ててくることを見越してか、途中から前から来なくなります。そうすると前に放っても拾われて終わりなので、ボールを持つ選択肢も持ち始めます。

 

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※イメージ図

 

広島は5-2-3気味のセットからシャドウを少し下げて5-4-1のようになります。

こうなると1トップ渡の脇が空いてくるので上図のように森重がここに運びます。

 

 

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※イメージ図

 

いつものようにボール保持の中心は左サイド。

上図はあくまでもイメージですが、髙萩のサポートを生かしつつ、東と小川で最終ラインのサロモンソンを引っ張り出し、CB脇のスペースに永井を走らせます。

左奥の深い位置を取ってから主に永井のスピードを生かした突破で攻略を狙います。

 

野上の対応も良かったため、決定的なシーンまでは作れませんでしたが、広島側としては嫌な対応を強いられたと思います。

 

 

~前半まとめ~

 

そんなこんなありましたが、両軍ともにシュート数の少ない引きしまった(攻撃が物足りない?)前半となりました。

 

東京のセット守備としてはサロモンソンが強引に突破を仕掛けてきたところと渡の裏抜け以外は難なく守れていたと思います。渡の裏抜けについては判定としてオフサイドとなっているので実質サロモンソンの突破だけでしょうか。

 

東京も何度か前から追いかけるチャレンジをしましたが、広島のパス回しに外されて危ないシーンも作られていたため、前から行かなかった判断は正しかったと思います。

 

いくつかの駆け引きはありましたが、数字としては薄味な前半でした。

 

 

 

~後半~

 

前半は前プレからひっくり返しての逆襲だったり、ボールを奪いに来るという行為を利用した攻撃を繰り出しましたが、後半は両者ともに奪いに行くよりセットして守る意識が強くなりました。

これにより、トランジション(攻守の切り替え時)よりも定位置での攻撃が試される展開となります。

 

広島のボール保持

広島は右で作って東京DF陣を寄せることで左の選手(主に柏)を浮かせてサイドチェンジからの仕掛けを狙います。

サイドチェンジのパスが前目に出てこなかったことや室屋のスライドと他の選手のカバーリングが間に合ったことで、大きな脅威にはなりませんでした。

また、右での攻撃が増えたことで野上が高い位置まで上がる回数も増えました。

普段は左で佐々木が上がることが多いですが、この試合では攻撃のサイドが逆になっていたように思います。

 

 

東京の攻め

東京は髙萩の縦パスを中心に深さを取ろうとします。時には髙萩本人がディエゴの引く動きと入れ替わりで裏へ抜けだすような動きを見せており、崩しのキーマンは髙萩になっていました。

 

 

 

唐突に生まれる先制点

両者ともにボールを持った時の攻めに決め手を欠き、シュートまでいけない展開が続きました。

 

東京は69分に永井→ジャエル

広島は70分に柴﨑→皆川

と前にパワーのある選手を入れて打開を図ります。

 

そんな中で71分に東京が先制。

崩しのキーマンである髙萩から縦パスが入り、(ジャエルが少し触った?)対応の難しいバウンドで来たボールを佐々木が処理ミス。

大森が優しくディエゴに落として右足一閃。

スピードのあるコントロールショットをゴールネットに突き刺しました。

 

起点となっていた髙萩からのパスではあったものの、東京が狙った形というより相手の一度のミスを逃さないディエゴの凄みが出たシーンでした。

とっても優しい落としでアシストした大森も素敵でした。ジェントルマン大森。

 

 

クロスで数打つ広島

 

直前で長身の皆川を入れていたこともあり、得点後はクロス攻撃でゴールを目指す広島。

サイドに人数をかけて遠い位置からでもとにかくクロスを中に入れます。

ただ、東京のCB&CH4人は全員180㎝オーバーであり、広島の主なターゲットは皆川(186㎝)と渡(176㎝)の2人。大外の遠い位置からクロスが入ってきても中を固めて問題なく対応できました。

(※補足 室屋は176㎝、小川は183㎝)

また、セットプレーに関しては中央の180カルテットに加えて、ディエゴ(179㎝)とジャエル(186㎝)も守備に参加するため、空中戦に強い野上と佐々木が加勢しても高さの優位性は保っていました。

 

それでも広島はサイドからのクロスで勝負したいと言わんばかりにサロモンソン→清水、柏→東(俊希)とWBのプレーヤーを代えてきます。

 

クロス攻撃自体は難なく跳ね返せましたが、これによって生じたリスクはクリアミス。

広島唯一の枠内シュートである川辺のミドルと終了間際にポストを叩かれて冷や汗をかいた渡のシュートは両方ともクロスのクリアをミスしたことで生まれたシーンでした。

 

東京は終了間際に大森→ナサンホと交代カードを切り、ナサンホには数分間広島バックラインを追いかけてもらう仕事を与えます。

 

リーグ戦を終盤ビハインドで迎えたことのなかった広島は最後に慣れないロングボール放り込みで得点を狙いますが、特に事故の雰囲気も作れずタイムアップ

 

広島0-1東京

得点者

東京 71' ディエゴ・オリヴェイラ

 

 

5節浦和戦では決壊させられてしまった最終盤の守備も、今節では落ち着いてクローズ出来ました。

 

 

 

~まとめ~

 

お互いにボールを持たされると攻め手を欠いた中でディエゴの一発で勝利。

一言でまとめてしまえばミスを見逃さなかった東京とミスを仕留めきれなかった広島、といった試合でしょう。

ボール保持時の課題はあると感じましたが、ディエゴのようにもらった1回をきっちり仕留められる選手がいれば勝ち点は確実に拾えるはずです。

昨年のリーグ後半戦はディエゴが決めきれなくなったことで勝ち点を拾えなかった印象があります。

今年はシーズンを通して今の姿が”本物”であることを証明してほしいですね。

 

 

また、地味ではありますが、前節の対安西に引き続き、柏からの攻撃を完璧に防いだ右サイド守備陣には拍手を送るべきだと感じました。

そして2トップも広島CHへのチェックを愚直に行い、素早い前進の抑止をしてくれました。前線で起点を作りつつ、守備貢献も高かった2トップ勢にも拍手。

もうなんなら全員良かった。

 

はい、みんな東京の全員に拍手!

 

 

~おまけ~

 

広島のpick up player

◇野津田 岳人

特に前半では絶妙なポジション取りで東京の守備を難しくさせました。

配球はありませんでしたが、SB裏を取る動きも見せてきて、スペースを見つける感覚を持っている選手であると感じました。

また、左足のキック精度も高く、後半は彼からのクロスが飛んでくるシーンもありました。

彼がもっとゴールに近い位置で前向きにプレーできるような仕組みが作れるとより得点力が高まるかもしれません。

 

 

 

 

内容の課題は少なからずあったものの首位相手に3ポイント取れた結果が全て。

1得点取れたことが試合を決しました。

ポストに助けられる幸運もありましたが、引き分けが妥当な試合で勝ち切れたという言い方ができるでしょう。我々は2ポイントを拾い、広島から1ポイントを奪ったのです。

 

 

今シーズン2度目の3連勝を収めた広島戦。

次節はホームで松本戦。楽な相手など1つもありませんが、嫌がることをやってくるチームで今までとは違った難しさがある試合になるでしょう。

 

ホームで連勝を伸ばせるのか。

楽しみに待ちましょう。

 

 

それではまた!

【FC東京】 J1リーグ第8節 vsサンフレッチェ広島 プレビュー

こんにちは、がちゃです。

 

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前節は鹿島相手に前半だけで3得点を奪って勝利。

7戦負けなしで2位につけます。

 

そんな次節の相手は広島。

勝ち点は同じながらも強固な守備をベースに手堅く勝利を重ねて首位に立つチームです。

1位vs2位、相手は無敗(今年は東京も無敗ですが)という不思議と昨年と重なるシチュエーションでの対決となりました。

 

広島には苦手意識がない東京ですが、首位対決はどうなるでしょう。

 

 

(今回は直近2試合を見れていないため、簡易プレビューとなります。最新の状態と少し異なっていたら申し訳ありません。) 

 

 

予想スタメン

 

 

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お互いに固定されたメンバーになりつつありますが、東京は前節の接触の影響で久保の欠場が濃厚。代わりに大森の右SHを予想。

広島は負傷の影響(?)から直近はパトリックと渡を起用。それ以外のメンバーは不動となっています。

東京は4-4-2、広島は3-4-2-1。

盤面上ではかみ合わないシステム同士となります。

 

 

 

 

~広島のビルドアップ~

 

基本的には3CB+2CHでのビルドアップ。

相手の前線枚数やプレスのかけ方によって松本が1列下りて4バック+川辺の4-1の形に変化します。状況を見ながら野津田が川辺の脇に下りてきて起点を作ろうとするときも。

東京がSHを上げて広島CBへプレスをかけに行けば、松本が下りてきた4-1のビルドアップ、4-4-2を保てば3-2でのビルドアップになるかもしれません。

 

後ろの枚数に関わらず、スペースを見つけたら脇から持ち運んでいき、そこからWBへ預けて単独での突破を狙ったり、パトリック(1トップ)や野津田のサイドへ流れる動きでボールを引き出したりします。

 

 

東京は2トップ脇のスペースの管理をどうするかに注目です。

対3バックではよくあるケースですが、SHの上りで運びを抑止するのか、そのスペースに持ち運ばれることを許容するのかの判断です。

 

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得点への道筋

 

傾向としては奪って縦に速くというよりは、ボールを保持したところからゴールを目指すスタイルかなと思います。

 

 

柏好文が君臨する左サイド

 

一番の王道パターンは左サイドの柏を中心とした攻撃。

左WBに入る柏はJ1の中でも屈指のドリブル名手であり、一人で複数のDFを引き付けられる選手です。

相手から見ると彼の一番危険なプレーはカットインからのシュートやクロス。キック精度も非常に高いため、フリーで持たせてしまうと抜群のコースにシュートが飛んできたり、中のFWにピンポイントでクロスが上がってきます。

これは阻止しなければいけないと思って内への切り返しを防ごうとしますが、広島はここでもう一つ仕掛けを繰り出します。

それは左CB佐々木の上がりです。

柏のカットインを意識して内を切って守備をすれば外は空きやすくなります。そこに佐々木が入ってきて左足クロス。佐々木は右利きの選手のため、そこまで高精度のクロスは来ません。しかし、ここのケアが非常に難しく、多くの場合はフリーで上げられてしまうため、出所を潰すよりなかでしっかり跳ね返すところに集中すべきかもしれません。

 

また、開幕当初は柏と柴崎のユニットでPA奥の角を取る崩しも見られましたが、最近では野津田がこちらのサイドにいて、彼が斜めのランニングをして柏のカットインのためのスペースを空けます。それと同時に大外も空きます。

これも佐々木の上がりを待つ一つの手段なのかもしれません。

 

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※イメージ図

 

 

柏の左サイドは複数の選手が絡んだ攻撃で外と内で使い分けされている印象ですが、右サイドはサロモンソンの縦突破狙い。あえて個人の能力に頼っているような気がします。

右サイドは川辺が流れてきてサポートするような形が比較的多いです。

 

 

 

今節右SH起用が予想される大森は長谷川監督から守備バランスの信頼は非常に厚いです。

彼のバランス感覚と豊富な運動量で広島左サイドの攻撃に蓋ができるでしょうか。

 

 

 

 

広島の守備

 

 

ハイプレスとまでは行かないかもしれませんが、相手陣からプレスをかけることが多いです。(セレッソ戦の先制後は思い切り引きこもりましたが。)

 

守備の中心はCB両脇の佐々木と野上。

彼らは対人に非常に強く、簡単には越えられない障壁として立ちはだかります。

そしてその前でハードワークする松本と川辺。基本、5-4ブロックでスペースを消す陣形を取りますが、強いCBと走れるCHがいることでより強固なものとなっています。

 

前から追うときは3トップ(1トップ2シャドウ)がバックラインにプレスをかけ、CHが下りる中盤選手についていきます。

そうして相手が裏へ蹴り込んできたら強いCBが競り勝って回収。

そしてボール保持へ、という流れです。

 

 

 WBがSBにアタックしてくる可能性が高いので、被プレス時には後ろの3バック脇を誰がどのように攻略していくかが鍵になりそうです。

 佐々木と野上を連れ出してそこのバトルをどう勝ち抜くのか見ていきたいですね。

 

 

 

 

 

ここまで大エースとして君臨していた久保建英が欠場の見込み。

少なからず彼に依存していたところはあったため、彼がいなくても2トップを生かせるかどうか、というチーム力が試されると思います。

 

広島も負傷での欠場者がいるため、条件は同じ。いつも私のレビューではたらればが多くなってしまいますが、試合後に「久保がいたら」とならないような結果にしたいですね。

 

久保がいなくても強いチームとして戦えるチャレンジを見ましょう。

 

 

 

 

冒頭でも書きましたが、広島の直近2試合を見られなかったため、今回はいつもよりコンパクトになりました。

 

最近のチーム状況とブレがあったらご指摘願います。

 

最後までお読み頂きありがとうございました!

 

それではまたレビューにて!

 

【FC東京】 J1リーグ第7節 vs鹿島アントラーズ レビュー

こんにちは、がちゃです。

 

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プレビューはこちら。

brgacha.hatenablog.com

 

 

2位の東京と6位の鹿島。まだ始まったばかりですが、上位対決となります。

 

 

早速振り返り。

 

 

スタメンはこちら。

 

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お互いに4-4-2ベースの布陣。

右SBには小田が入り、そのほかはプレビューの予想通り。

内田も平戸もベンチ外でした。

 

 

~前半~

 

開始早々にスコアが動きます。

 

 

開始の流れからは様子見の意味も含めて、奪ったら2トップを目がけて蹴るようなシーンが多くありましたが、相手のプレスが落ち着くとボール保持へシフト。

サイドを左右に振りながらクロスでのチャンスを狙います。

 

右から流れてきたボールを拾った左サイドで小川がクロスを上げたところに永井がドフリーでネットを揺らしました。

 

 

得点シーンでは犬飼が東についていって空けたスペースを永井に使われました。

 

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これは個人的な印象ですが、鹿島守備はサイドにボールがあるときに中のエリア担当がなんとなく決まっているのかなと感じました。

犬飼は自分の担当エリアに入ってきた東を捕まえるためにニア側へ移動。レオシルバ(以下レオ)はDFラインの前、いわゆるバイタルエリアと呼ばれるところを埋める担当であるために(←ここは推測です)奥へ入った永井のマークをCBに託します。

ここまでがある程度決まっていたことだとしたら、永井のマークへつくべきは町田ですが、ボールが入ってきた場所を考えると本来は犬飼の担当エリアだったはず。クロスが上がった瞬間に突然担当者が自分となり町田は不意を突かれた格好になりました。

 

結果論で言えば、レオがそのままついていくのがベターだったと思いますが、もしそこにチームとしての決まりがあったのであれば、その弱点をうまくつけた東と永井の動きを褒めるべきなのではないかと思います。

個人の連携・チームの決まり、どちらの問題にせよ、鹿島のこの対応は結果的に悪い方へ転んでしまいました。

 

 

得点シーン直前にも、後ろから飛び込んできた東を捕まえきれず、後ろから入ってくる選手への対応に不安を感じさせる守備対応でした。

 

 

 

ボールを握ってスコアをイーブンに戻すため攻撃を仕掛ける鹿島に対して東京は中央を固めて守ります。

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※イメージ図

 

4-4ブロック、特に最終ライン4枚は中央を守る意識が強く、サイドは大きく空けてパスが出てからスライドします。

鹿島はサイドの選手を外に張らせて東京ブロックを広げにかかります。

 

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※サイドに出たときのイメージ図

 

サイドに出して広げようとしてくる鹿島に対して東京はSH・SB2枚が外に出て対応し、CBは中央にステイ。ボールと近い方のCHがSB-CB間のスペースを埋め、もう一方のCHはバイタルを埋めます。

これは今年の東京で定番となっている守り方と言えるでしょう。

これによって危険なエリアは塞げており、後ろのレオや永木に出されたときでもCHが寄せに出ることができます。

 

東京から見てこの形で防ぎたいことはCHのラインを突破されることです。

レオに戻されて東京CHが寄せに行ったところを縦パスで通されるというシーンが何度かありました。CB同士の圧縮などで潰せていたため、大きな問題とはなっていませんでしたが、レオの縦パススイッチには脅威がありました。

 

ちなみに前半唯一鹿島の決定機となった安西→セルジーニョのシーンもレオに寄せた橋本のラインを突破されて深い位置にいた髙萩が寄せきれなかったところから始まっていました。

 

 

東京はこの形で守り、鹿島にチャンスらしいチャンスを与えないまま、カウンターで2点を追加。

どちらも久保が鹿島中盤ラインを超えるパスを2トップに供給し、数的同数を個人能力でこじ開けるプレーとなりました。

 

 

東京3-0鹿島

得点者

5' 永井

16' ディエゴ

29' ディエゴ②

 

前半まとめ

 

うまく行き過ぎた前半。

自陣にブロックを組んで相手を引き込んでからカウンターという今年の王道パターンだったわけですが、久保とディエゴの個人技があまりにも完璧でした。鹿島DFの対応も

少し軽く見えましたが、東京アタッカーたちの能力が上回ったことで2,3点目が入りました。

 

 

鹿島のサイド攻撃をほぼ完ぺきに封じることができたのは大きなポジティブ要素。

右サイドは内田がいなかったことは幸運でもありましたが、これまでの試合で存在感を放っていた左サイドの安西のドリブルを完封。久保ーカットインコース切、室屋ー縦突破切、と役割を明確にすることでうまく対応できていたように見えました。

 

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※イメージ図

 

~後半~

 

前半の終わり際に小田→三竿、後半頭からレアンドロ→安部と2枚替えに近い交代。

3点ビハインドということで大岩監督が手を打ちます。

 

以下が選手交代後の配置。

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三竿がCHに入り、永木が右SBへスライド。SHは左右が入れ替わりました。

 

 

展開としては前半とそこまで変わらずに進みますが、個人で打開できる二人が揃う左サイドユニットを生かすべく、伊藤が外へ流れたり、右SHの土居が中央に寄ってきたり、鹿島は左での崩しを狙います。

そして55分にレオのミドルがゴールに突き刺され、1点を返されます。

このシーンは安西が後ろからハーフスペースへ突進してきたことで高萩が一時的に二人を見なければいけない状況となり、レオへの寄せが遅れました。

レオのようにミドルを持ってる選手は警戒する必要がありますが、東京としてはここから打たれるのはそこまで問題ではないはず。DFが少しブラインドになったことや、バウンドが跳ねなかったこと等マイナス要素が重なってしまった不運な得点と捉えることもできます。本来なら林の守備範囲に収まっていたはずですし。

 

 

このゴールでメンタル的にもかなり勢いのついた鹿島はさらに攻勢を強めます。

 

59'   永井→ジャエル

 

東京が一枚目の交代カードを使います。

これが結果的に全くハマりませんでした。

 

長谷川監督が試合後に

交代させようかと思った

と言うくらい(半分本気半分冗談くらいに思います)にジャエルが流れに変化をもたらせませんでした。

 

自陣からなかなか出られない状況であったため、得点が取れなくても前の方で収めてラインを押し上げることができれば十分でしたが、奪ったあとにボールを引き出す動きが非常に乏しく、良いボールが配球されないとプレーに絡めないという雰囲気。

ボールが回ってきてもゴールへ急ぐプレーに終止し、難しそうなプレー選択でロストを繰り返しました。

 

一人で状況の打開ができる久保がレオとの接触で目の調子が悪くなり万全な状態でプレーができず、交代してしまったこともジャエル不発の要因になったかもしれません。

 

 

このあとも鹿島の攻勢が30分近く続き、山口の投入もありましたが、ゴールをこじ開けられずに終了の笛。

 

 

東京は守りきって2連勝となりました。

 

 

 

~まとめ~

 

 

鹿島は前半早々の失点がこの試合のすべてだったと思います。

 

 

終盤は東京DFはゴール前を固める意識の高さからか、サイドが大きく空いてしまう場面もありましたが、鹿島はクロスの特別うまい選手、ターゲットとなる選手がおらず、押されながらも体を張って守りきりました。

 

いない人のことを言っても仕方ありませんが、内田篤人の不在は両軍にとって大きかったと思います。前半に関してはせめてスピードがあってサイド裏を付ける伊東(幸敏)がいれば、といった思いもあったかもしれません。少なくとも私はそう思いました。

 

 

 

東京の守備について。

88分辺りに鹿島陣から前プレを仕掛けて相手のミスを誘発する場面がありました。これを続けられれば自分達がボールを持つ時間も作れたと思います。

この時間帯でプレスをかけられるのであればそれ以前にもできたはず。

ではなぜ自陣から出られなくなってしまったのか。

 

 

私個人の考えですが、4-4-2できちんとセットしたところから守備を始められていなかったからではないかと思います。

 

カウンター時にもシュートで終われず、プレーを切れないまま守備をしなければならない状況で、1stラインが存在していません。そうすれば必然的に全体を下げなければならず、押し込まれるという悪循環。

 

鹿島ゴールキックからの再開もほとんど記憶にありません。

 

 

まとめると、ジャエルの投入がうまくいかなかったにせよ、プレーをきっちり切って、4-4-2で構える時間をもっと増やすべきだったように感じました。

 

 

とはいっても言うだけなら簡単で、やるのは難しいでしょう。

川崎や名古屋のようにパス回しで時間を作れないわけですから、東京は東京の時間の使い方を確立して戦えればもっと良いチームになれるはずです。

 

 

浦和戦で失った勝ち点2から学んだことから今後の勝ち点に繋げていく段階だと思います。

 

 

※追記

試合後長谷川監督のインタビューを聞くとハーフタイムで”引くな”という指示があったそう。やはりうまくいかなくて押し込まれてしまったようです。

 

 

 

~おまけ~

 

鹿島のpick up player

 

 

◇レオシルバ

彼はとにかくスーパーでした。

(根本的原因が不明ではありますが)1失点目に絡んだことを踏まえたとしても、90分トータルでは圧倒的な存在感でした。

攻撃では中盤ラインを突破する縦パスをガンガン通してきて、守備では一人だけでボールを奪えます。

鹿島は彼がいなかったら攻撃手段がどうなるのだろう、と感じてしまうほど。

 

完全に彼がこのチームの幹となってしました。

 

 

 

 

 

かつては天敵だった鹿島も最近ではお得意様に。

それだけ自力がついてきたとも言えるでしょう。

 

次はどこまで連勝が続くのか楽しみにしたいですね。

 

 

次節は広島戦。

4節名古屋戦に続き、再び首位攻防戦となりました。

 

昨年は同じようなシチュエーションで勝利をおさめており、印象は悪くないです。

好調の相手にどう戦うのか期待して待ちましょう。

 

 

 

それではまた!

 

 

【FC東京】 J1リーグ第7節 vs鹿島アントラーズ プレビュー

こんにちは、がちゃです。

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前節清水戦で逆転勝ちを収め、首位広島とと勝ち点同数の2位に。

今節の相手は鹿島アントラーズ

これまでは苦渋を味わい続けてきた相手でしたが、ここ2年は負けなしという対戦成績。

そんな最近の相性の良さを継続できるかどうか、という一戦です。

 

 

予想スタメン

 

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東京はいつもの。

鹿島は各ポジションに誰が出てもおかしくないような選手が揃っていますが、最近はこのメンバーが固定気味。

ACLで負傷したクォンスンテがこの試合は間に合わない見込みで曽ヶ端の出場が濃厚。

右SBには前節同様平戸と入れましたが、ここは正直わかりません。内田が復帰してくる可能性もあるんじゃないかと思います。

今まで後半のオプションとして使っていた、三竿がCHに入り、永木が右SBに流れるパターンも少なからずあるかもしれません。

安部が土居・セルジーニョの代わりにスタメンで出てくる可能性も十分あります。

 

 

 

 

~鹿島の攻撃~

 

①推進力のある左サイド

②ポジトラからの中央突破

(③右SBからの配球)

 

 

①推進力のある左サイド

鹿島の一番のストロングはこの左サイドの攻撃だと思います。

SBの安西の推進力・突破力を生かそうとしてきます。

1列前の選手が土居・安部と不確定な部分はありますが、土居であれば内に入ったり、スペースに抜け出す動きで安西のプレーするエリアを作る、安部であれば突破力のある選手が同サイドに2人揃うことで相手DFが2人で対応することを難しくします。

 

6節までの試合で鹿島ビルドアップ時、安西にボールが渡った際DF1枚ちぎられるというシーンが何度かありました。右SHの選手が安西にアタックする担当になると思いますが、ここから容易に前進を許さないことは一つのポイントになるかなと思います。

予想スタメンでは右SHに久保を入れていますが、長谷川監督が守備の安定を優先する場合は大森が先発することもありうると思います。

 

 

また、ガンガン攻撃参加してくることでSB裏のスペースは空けてくれます。

少しリスキーではありますが、鹿島左サイドに人を集めて奪いきり、すぐスペースへ出すというカウンターも一つの作戦かもしれません。

 

 

 

★東京のポイント

安西にマークを剥がされない

左サイドで奪ってポジトラから素早いカウンター

 


②ポジトラからの中央突破狙い

FWの伊藤はDFラインと駆け引きし、常にギャップを狙った動きをしてきます。特にSBとCBのポジションに段差ができたところにうまく入り込んできます。

 

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※イメージ図

 

 

守備の部分にもつながってきますが、中盤で奪ってからショートカウンターでシンプルに伊藤の中央突破というのが鹿島の1つの狙いとしてあると思います。特にレオシルバに奪われてそのままフリーでボールを持たせてしまうとなんでもできてしまうので、上図のようなシーンは作らないように注意したいところです。

 

★東京のポイント

ネガトラの設計をした攻撃

DFラインの統率や距離感の微調整

 

 

(③右SBからの配球)

内田が右SBにいるときはビルドアップ参加も多く見られてここからの配球から攻撃していくケースも見られました。また、右大外のマークが薄いと感じたら上がっていってクロスという攻撃参加もあります。

これは内田篤人という選手ありきの攻撃のため、内田が出てこなければそこまで特徴にはならないと思います。

 

★東京のポイント

プレスを怠らず内田を自由にさせない

 

 

補足

鹿島のビルドアップ

 

鹿島はボールを持つことにそこまでこだわる感じはありません。CHも下りて3バック化はほとんどしませんし、2CBに対して2トップでプレスをかけられるとGKまで下げてそこから蹴っ飛ばします。伊藤はそれなりに競り合えますが、前線の選手は空中戦に強くもないのでけっこうロストします。

チームとして低い位置でボールを持つより、高い位置で相手にボールを持たせるほうが得点の確率は高くなる、というような考え方かもしれません。

 

 

 

~鹿島の守備~

 

①サイド誘導から3人での囲い込み

②移動範囲の広いCB

③生命線のCH守備

 

 

①サイド誘導から3人での囲い込み

鹿島は2トップの1stラインを敵陣ミドルサードあたりに組みます。そこから2トップが縦を切りながら寄せていき、SBへパスを出させるように誘導。そしてFW-SH-CHで相手SBを挟み込むような形でボール奪取、もしくは前進の抑止を狙います。

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※イメージ図

 

CHに永木とレオシルバというボール奪取能力の高い2人がいるからこそ、このやり方もハマりますし、三竿がベンチでこの2人がスタメンで出続けているのはそういった理由があるかもしれません。

とにかく鹿島は高い位置での奪取を確実に狙ってくるはずなので、ここは外したいですね。

 

東京の1つの策としては3バック化。いつも見せる形ではありますが橋本が下りてシンプルに数的優位を作ります。

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※イメージ図

 

元々3バックの相手にはSHを3CB脇の選手に当ててくる鹿島ですが、ここで肝になるのがSBのポジション。できるだけ深いポジションをとり、鹿島SH&SBのどちらが対応するのか迷わせたいです。これでSHのプレスが弱まれば押し込んだ攻撃ができてくるはずですし、リスクを軽減できると思います。

 

★東京のポイント

鹿島守備の狙いをいかに配置で外せるか

 


②移動範囲の広いCB

鹿島は従来、人に対してかなりついてくる傾向があります。

CBが迷わず中央を捨ててFWについてきます。

①の囲い込みでもそうですが、危険なエリアを空けてもそこにボールを出させなければ問題ないという考え方があるようにも思います。

CHがカバーはしますが、高いフィジカル能力を持つ選手が中央から離れることでゴール前の強度は確実に落ちます。

そこに入れ替わりながらうまく飛び込んでいくというのは狙うべきポイントになるはずです。

前節も頻繁に見られた東と久保の同サイド攻撃も有効になるかもしれません。

 

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※イメージ図

 

★東京のポイント

東京FWが鹿島CBを外に連れ出して中央の強度が落ちたところに飛び込む

 

 


(③生命線のCH守備)

前述しましたが、鹿島は

人を潰せばスペースが空いていることは無意味となる

というような守備をしますが、その中でもカバー意識が高いのがCHの2枚です。

彼らは人に当たりに行くこととスペースを埋めに行くこと両方のタスクを求められている気がします。永木・レオシルバともに経験が豊富な選手で何事もなくこなせているように思えますが、人間の頭では基本的に複数のことを同時に処理できません。

 

人を潰すの?スペースを埋めるの?

 

この判断を迷わせていきたいです。

サッカーは一瞬の判断の遅れが致命的になることがあります。いくら優秀な選手でもやるべきことが同時に複数起こってしまったら瞬時に優先順位をつけるのは難しいはずです。

 

 

★東京のポイント

鹿島2CHを迷わせる攻撃の連動

 

 

 

 

前節清水とスタイルが似ている雰囲気もありますが、後ろの守り方とビルドアップに大きな違いがあるかなと思います。

また、東京と同様に脈絡のないゴールを決めてくるチームでもあります。

 

戦術的な駆け引きもそうですが、どちらが我慢強く戦えるか、というメンタル的な部分も強く出てくる試合になりそうな予感。

 

 

東京としてはホームゲーム。長谷川監督は鹿島相手とは言え、勝ちを目指す采配をするはずです。戦術的にも精神的にもリスクマネジメントとアグレッシブにいく部分のバランスをうまく取ることができれば、順位表で上に立つチームとして振舞えるのではないかと感じます。

 

 

2度目の連勝街道を作れるか試される一戦。相手は伝統のある鹿島。舞台は十分。あとはその舞台の主役がどちらになるのか結果で示すだけです。

 

 

 

 

プレビューはここらで終わり。

それではまたレビューで!

【FC東京】 J1リーグ第6節 vs清水エスパルス レビュー

こんにちは、がちゃです。

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プレビューはこちら。

brgacha.hatenablog.com

 

 

連勝が途切れた前節。

一度気持ちを切り替えてここから再スタートとなります。

 

 

では早速振り返りへ。

 

 

スタメンはこちら。

 

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東京はいつもの。

清水は前節スタメンから河井→ヘナト・アウグストへ変更。

ドウグラスはベンチスタート、中村慶太は今節も欠場。

 

 

 

~前半~

 

ボール保持率は拮抗。お互いにボール保持へ強くこだわらず、主にトランジションからのチャンスを伺っていたように感じました。

 

清水の狙い

インターセプトからのカウンター

②テセに入れてから周りのサポートで全体の押し上げ

③右サイドでの崩し

 

インターセプトからのカウンター

ボールホルダーに隙があれば最前線で奪ってそのままショートカウンターという狙いもちらついていましたが、基本的には前節までと同じく4-4-2ブロックをしっかり組んだところからインターセプト狙い。前の選手がコースを制限してCHやDFラインでパスカットを狙います。

 

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※前半9'のシーン

 

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※前半24'のシーン

 

わかりやすいシーンが2回あって上図の二つです。

この2回はカウンターに繋げられて9分のシーンについては金子の決定機を招きました。

FWと中盤4枚でパスコースを制限し、空いている個所はDFが前に出てインターセプトという狙いが一貫されていたように感じます。

髙萩が攻めのパスを狙ってくることから、あえて空けて出させていたのかもしれません。考えすぎな気もしますが。笑

なんにせよ、髙萩のパスミスが目立ったのはこの罠にはめられたせいもある思います。

 

 

②テセに入れてから周りのサポートで全体の押し上げ

前線へのロングボールでは必ずテセが競ります。3節鳥栖戦のトーレス、4節名古屋戦のジョーと同じようにフリックから一発で裏へ抜けられないようにDFラインは深さを作って対応します。そのため、CH&SHの4枚がちゃんと戻らないと中盤ラインとのギャップが生まれやすく、テセのサポートに入る北川と両SHにボールを拾われることが多くなりました。テセがきっちり競り勝ってくることも要因ですが、周りの選手の回収力が非常に高いように感じました。

 

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※イメージ図

 

 

そして回収したら、時間を作って全体の押し上げを待ちます。そこから竹内の配球を中心にチャンスメイクをしてきました。

 

 

③右サイドでの崩し

金子&エウシーニョの二人はボールを扱う技術もあり、スペースに抜け出す動きもできます。

PA近辺まで近づいてくるときは右サイドからの攻略が多かったように思います。

 

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※前半26'のシーン

 

小川が金子についてくる習性を利用したエウシーニョの飛び出し。

金子が小川、テセが森重をつり出すことで清水右サイドを突破したシーン。

東が頑張って戻りましたが、結果的にファウルで止めてしまいました。

 

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※前半32'のシーン

 

エウシーニョがボールを持った際に金子が大外で小川をピン止めし、ヘナトがハーフスペースあたりへ走って橋本を中央から連れだします。エウシーニョがカットインしてきてPA前まで侵入してきました。左足でのシュートも持っているエウシーニョにカットインをさせる構造を作ってきました。

 

東京は東がついていき、CBと髙萩でブロックしてなんとかしましたが、右サイドの金子&エウシーニョのユニットは非常に捕まえづらく、嫌な存在となりました。

 

逆に左サイドは松原の左足を徹底的に切ることができて、うまく壁を作れていたと思います。

 

 

 

東京の狙い

 

 

 

①自陣で奪ってからの素早いカウンター

②室屋の抜け出し

③東と久保のコンビネーション

 

 ①自陣で奪ってからの素早いカウンター

プレビューでも触れましたが、清水は攻撃時に両SBを上げるため、最後方にはCBしか残しません。そこを東京の強力2トップで狙おうという意思は強く見られました。

CBが起点を潰すために飛び込んでくるのでそれを逆手に取ったディエゴのフリックから前に飛び出していく得意の動きでビッグチャンスも演出しました。

 

ただ、清水のSH&CHがネガトラでボールホルダーの前に立てていたり、SBの帰陣が速かったりで思っていたほどチャンスを作らせてはもらえなかった印象です。

 


②室屋の抜け出し

久保を起用している影響で守備面での印象が強くなっている室屋ですが、この試合の前半ではタイミングを見て上がっていきました。

松原の脇を取る動きやCBーSB間を通すようなスルーパスを引き出したり、数回チャンスを作り出すことができていました。

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※イメージ図

 

久保のドリブルもそうですが、室屋の飛び出しも効いていて、松原は守備対応が難しかったんじゃないかと思います。

 

 


③東と久保のコンビネーション

 

これまでの試合でも東・久保が逆サイドに流れるという場面はありましたが、この試合では特に多かったように思います。

久保がいいポジションを取っていてもパスが出てこないというシーンはちらほらとありますが、東はそれを見逃さない存在。彼らが近くでプレーするとチャンスを作り出せる雰囲気が出ます。

実際に決定機を作るまでには至りませんでしたが、この二人を近くでプレーさせる構造を作っていけたらいいなと感じました。

 

 

まとめ

 

どちらもチャンスを作り出し、スタッツも同じような数字が並びましたが、清水の方が狙い通りに進められた前半だったように見えました。

金子とテセの決定機のどちらかは決めたかったところでしょう。

 

東京はいつものように永井のサイド流れや髙萩を右SB(3バックの右)のような位置においてビルドアップしてみたり、引き出しを多く見せますが、清水の守備組織を崩すのには不十分でした。

 

清水ペースで進んだ時間に失点を許さなかったことをポジティブに捉えたいといった前半。

 

 

 

~後半~

 

開始早々に清水先制

東京0-1清水

 

後半開始早々にゲームが動きます。

キックオフから清水がボールを握り、相手陣まで押し込みます。

右サイドで金子が仕掛けようとしたところで東と橋本の二人が最終ラインのカバーに。結果としてバイタルエリアがスカスカとなりそこにいたヘナトからのクロスに北川が合わせて先制。

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前半、清水の時間を乗り切った東京でしたが、後半すぐに失点。

守備意識の高い2人だからこそ起きてしまったエラーかもしれません。

 

 

得点が必要な東京は攻勢を強めます。

ボールを保持して相手陣でパス回し。

右で作って、相手を寄せてから左サイドの小川へ展開という場面が何度か見られ、そこからのクロスや久保のドリブル突破狙いで攻めますが、ゴール前には迫れず。

前半では右からのチャンスメイクが多くありましたが、後半は左からが中心となります。

 

対して清水は4-4ブロックでしっかり守って、2トップを起点としたカウンターを仕掛けてチャンスを作ります。

 

攻勢に転じる2枚替え

 

60分 FC東京 髙萩→ナサンホ 永井→ジャエル

 

パスミスやロストが目立っていた髙萩を下げる判断をしました。

ナサンホが左SHに入り、東がCHへ。ジャエルはそのまま2トップの一角へ。

 

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※選手交代後のポジション

 

 

この交代により、攻撃がより活性化されます。

ナサンホは東よりもアタッカー要素の強い選手で、ドリブルで仕掛けることができますし、本来はFWの選手でPA内で仕事ができる選手。

ジャエルは永井よりもプレーエリアは狭いですが、中央にどっしりと構えることでディエゴがサイドへ流れて受けたときに中央にターゲットが残せます。

 

活性化する左サイド

 

ナサンホが入ったことで左サイドでの突破や小川のフリーが作れるようになります。

また、ナサンホとディエゴのポジションチェンジも多く見られました。

 

清水は2トップを前に残してカウンター準備。ある程度ボールを持たれることは許容し、追加点でとどめを刺しに行く狙いだったでしょうか。

実際にカウンターから何度もチャンスを作られ、パスの精度があれば、シュートがうまく当たっていればというあわやのシーンは多かったです。

 

眠れるエース投入

66' 清水 鄭大世ドウグラス

 

体調の問題で開幕から出遅れていたドウグラスをここで投入。

テセの高さとパワーはなくなりますが、馬力があるドウグラスを入れることでカウンターの威力を増します。

 

待望の得点

東京1-1清水

 

75分、東京の同点弾が生まれます。

ジャエルが入ってから自由な動きが増えたディエゴが左サイドに流れて、PA奥へ侵入からクロス。ディエゴと入れ替わるように中へ入っていたナサンホがCBとの駆け引きに勝ってニアで触ったシュートがネットを揺らします。

非常にストライカーらしい動きでした。

 

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歓喜の逆転

東京2-1清水

 

清水2トップがあまり守備をしてこないことでフリーになっていた東からディエゴへ縦パス。得意のフリック&ゴー(勝手に命名)から裏へ抜けだす。それを感じていたかのようにジャエルが裏のスペースへ浮き球を供給。ディエゴの落ち着いたループシュートで逆転に成功。

 

ジャエルとディエゴの阿吽の呼吸が生んだ逆転弾となりました。

 

その後、疲労の色が濃くなっていたディエゴを田川に交代。

清水はドウグラスを狙ってロングボールを入れてくる場面がありましたが、ヒョンスと森重のCBコンビが跳ね返し続け、スクランブルな状況を作らせず。

清水としてはこの時こそテセが欲しかったかもしれません。

 

ATは久保・田川・ジャエルで時間を使ってタイムアップ。

 

試合終了 FC東京2-1清水エスパルス

 

終盤までリードを許す初めての展開でしたが、逆転できる力を見せつけた試合となりました。

 

 

まとめ

 

結果を見れば美しい逆転試合となりましたが、試合後に長谷川監督が言っていたように、ナサンホの同点弾が生まれる前に追加点を取られていたら、そこで終わっていたかもしれません。

 

東京が2枚替えを行った60分過ぎくらいからの両チームの思惑としては

 

 

東京ー攻撃しなきゃ得点は奪えない。カウンターのリスクは覚悟で攻勢を強める。

清水ー4-4ブロックは維持しながらも2トップはカウンター狙いで守備には参加させない。ボールを持たれることはある程度許容して2点目を取って試合を決める。

 

 

上記のように感じました。

東京は後方のリスク管理を捨てて攻撃へ。清水は最前線での守備を捨ててカウンター狙い。

お互いに肉を切らせて骨を断つ、といったように何かを捨てて、得点を取りに行ったのだと思います。

 

結果として東京が清水の骨を断つことに成功したわけですが、北川のシュートが決まっていたら骨を断たれていたのは東京だったはずです。

 

ミスに助けられたとも言える、紙一重の試合でした。

そういう試合で勝ち切れるメンタルがついてきたのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

~おまけ~

清水のpick up player

 

①ヘナト・アウグスト

今季初スタメン。地味ながらもカバーリングを怠らず強度も十分。守備面で欠かせない存在となっていました。

おとりになる動きやアシスト時の隙を見逃さないポジショニング。河井も外したくない選手だと思いますが、チーム全体の安定をもたらすのは彼かもしれません。

 

 

金子翔太

今更上げる必要もないかもしれませんが、ハードワークができて周りとの連携にも優れる頭のいい選手。

2019FC東京でボールの奪いどころとなっている小川のところで取り切れなかったのは彼のキープ力があったからだと思います。小柄ですが、足元に優れ、ボールの収めどころとなっていました。

 

③松原后

前半は左足を完全に封じたことで目立ちませんでしたが、後半になってカウンター攻撃が増えると存在感が増しました。

気づいたら左サイドには松原がいるというくらいにスプリントを繰り返し、戻りながらの守備では左足を封じることができずにエリア内にクロスを何度も供給されました。時間とスペースを与えてしまうと危険な選手でした。

 

エウシーニョ

とてもうまい。

(書かなくても凄さはわかるはず)

 

 

 

 

まとめでも書きましたが、本当に紙一重の試合でした。プレビューでも書いた通り、清水は順位表をあてにしてはいけないチームで、守備の安定感があり、攻撃も整理されていた印象です。

敗因としては2点目が取れなかったことでしょう。清水側としては”点が入っていたら”というだけのゲーム内容だったと思います。

 

 

 

 

さて次節は鹿島戦。

開幕戦で大分に敗れたもののそこからは無敗で上位に迫ってきています。

前節は勢いのある名古屋に勝利しており、ここで勢いに乗せたくはありません。

しっかりとホームで叩きたいところです。

 

 

 

 

次回は7節プレビューにて!

それではまた!