【FC東京】 J1リーグ第9節 vs松本山雅FC プレビュー
こんにちは、がちゃです。
2回目の3連勝を収めて迎える9節松本戦。
松本戦と言えば2015年の(アウェイ戦でしたが)橋本拳人J1初出場、初先発、初ゴールという記録が非常に記憶に残っています。
そんな彼も今ではチームの中心となり、日本代表に選出されるまで成長しました。
もちろんお互いに4年前とは違うチームになっています。
バージョンアップしたチーム同士でどんな試合になるか楽しみです。
それでは展望へ。
予想スタメン
ホーム東京は右SBで不動のスタメンだった室屋の負傷欠場が濃厚。
代わりに太田(小川を右SBへ)という布陣を予想しました。
7節鹿島戦で目のあたりを負傷していた久保は先発復帰予想。
アウェイ松本は5節あたりから固定されてきたメンバー。
負傷者としてはGK守田とCH宮阪が欠場濃厚。
前節同様GK村山、そしてCHには藤田を予想。
基本フォーメーションでは 4‐4‐2vs3‐4‐2‐1となります。
松本山雅FCについて
8節終了時
3勝2分3敗 勝ち点11
得点6 失点7 得失点差-1
リーグ戦直近3試合では2勝1分けと結果は出ています。
松本の攻撃
①WB独力突破からのクロス
②前田のスピード
③セットプレー
④ペレイラの収め
主に上記の4つが中心になると思います。
①WB独力突破からのクロス
両WBの田中と高橋は上下動を繰り返せるタイプ。
彼らのサイド突破からクロスを狙います。
3‐4‐2‐1を使用するチームであれば、シャドウや左右CBのあがりなどでサポートしてサイドを崩そうとするパターンがよく見られますが、松本はWBの独力で突破を狙います。ここに人数をかけない分、PA内に人数を集められ、最後方にも人を残せます。
左右で同じような形が見られますが、左の高橋の方が突破してクロスを上げきれる確率が高く、左サイドの方が多い印象です。
※イメージ図
②前田のスピード
シャドウに入る前田は非常にスピードがある選手。東京の永井と同じようにスピードだけで相手に脅威を与えることができます。
ボール奪取直後などスペースがある状態であれば前田に預けるだけで敵陣深くまで侵入することもできます。
彼の独力でシュートまでいくこともありますし、個人でのフィニッシュが難しいと感じれば周りの押し上げも待ちます。
とにかく彼の特出したスピードによって攻撃にかける人数を減らし、効率よく敵陣まで攻めることを狙います。
③セットプレー
これまでの試合では岩上や宮坂という精度の高いキックを持つ選手がおり、高さのあるCBも上がってくることで得点の雰囲気を出せていました。
しかし、今節は岩上も宮阪も欠場予定。
ターゲットはペレイラ・飯田といますが、キッカーは誰が務めるのか、という部分でどれだけ得点の可能性が高められるかが変わりそうです。
④ペレイラの収め
ボールを奪った直後は前に残っているペレイラに当てます。
彼の仕事はボールを収めて味方へつなぐ(あわよくばそこからカウンターへつなげる)こと、もしくはファウルをもらってマイボールにすること。
彼にボールを預けることができれば高確率で仕事をこなしてきます。
簡単に4点まとめましたが、総じて言えることは最重要項目は失点をしないこと。攻撃はリスクをかけずに得点の可能性を高める方法をつきつめている印象です。
極端な例えを出すと、リスクをかけず(CBを上げる等して全体のバランスを崩さない)に左からクロスを上げて得点を取れる確率が10%だとします。
それに対して松本は
「10回やれば1点はいるじゃん」
といった感覚で攻撃しているように見えます。
誤解を招きそうなので補足を入れますが、これは決して悪いことではなくて、松本山雅FCというクラブが勝ち点を積み上げるために一番わかりやすい方法を取っているのではないかと思います。
失点をしなければ勝ち点は必ず1以上得ることができますし、その試合で10回に1回が訪れれば勝ち点3を手に入れることができます。
前田のスピードもわかりやすく効率よく攻められる武器ですし、セットプレーも人の配置こそ換わりますが、バランスは崩さずにセットできます。
そういった割り切った攻撃をやってくるチームだと感じました。
この戦い方ゆえに不確定要素が強く、上位チームから勝ち点を拾えることもあれば、下位チームからあっさり取りこぼしたりする興味深い特殊なチームになっていると思います。
松本の守備
開幕当初は永井と前田の快速2人によって前から激しく追いかけるという守り方もしていましたが、ペレイラが入ってからは以前ほど強くは追わなくなった印象です。
前田がスピードを生かして1人のプレスだけでボールを捨てさせるようなプレーもありますが、基本は5‐4‐1、もしくは5‐2‐3に近い形でセットします。
vs4‐4‐2守備
※イメージ図
1トップペレイラはボールを持ったCBがプレス対象。
ですが、彼には守備の仕事がそこまで任されていない(もしかしたらサボってる?)印象で追いかけたり追いかけなかったりムラがあります。
ペレイラがボールホルダーに寄せに行ったときはシャドウがもう一人のCBとボールに近い方のSBを消しに行きます。
※イメージ図
4バックに対して3トップ(1トップ+2シャドウ)だけでは人数が足りないのでWBが縦スライドでSBを監視し、人数を合わせます。
ペレイラが寄せに行かなかったときは5‐4‐1気味でセットします。
※イメージ図
ペレイラが追ってくれない場合はシャドウが突っ込むとそこが穴となり前進の糸口を作られてしまうため、基本的には少しポジションを下げてSHとしてのふるまいに近くなります。最初は中盤4枚の距離が離れすぎないように中央寄りのポジションを取り、SBにパスが出てきたら寄せます。この時WBは相手SHのマークか、縦に突破してきたときのカバー役となります。SBの受ける位置によってはWBが縦にスライドして対応します。
また、5‐4ブロックを敷いた時もバックパスを合図に前田・中美のシャドウコンビがプレスをかけることもあります。特に前田のプレスは強烈で、1人だけで相手から時間を奪ってボールを捨てさせることができます。永井のそれと似たようなイメージです。
シャドウの守備タスク過多
上記で挙げた通り、シャドウの守備はペレイラの気分次第で役割が変わる仕様になってます。
それに加えて最後方のカバーリングに入る場面もあります。
※イメージ図
WBがSBと対峙し、中央のCBがFWのマークについている場合、WB-CB間を横スライドで埋められなくなります。そこに走られた場合にカバーするのはシャドウのお仕事。
最前線でCBを追いかけることもあれば最終ラインの穴埋めをしにいかなければならないこともある設計。
このポジションは途中交代が多く、それを前提に多くの役割を与えているのかもしれませんが、あまりにやることが多い気はします。
東京視点から見れば、シャドウの選手をここまで下げさせることができれば、カウンターの発動を防げる可能性は高まりますし、抑えるべくはペレイラのみという状況を作ることができるはずです。
松本が前から行くときは奪ってからのショートカウンター。最低でもマイボールにする。
後ろでセットしたときは持ち前のデュエルの強さで中盤で奪い、前田にスペースで勝負させる。
そんな狙いだと思います。
東京のポイント
◇松本の攻撃対策
①サイドでの1対1
クロスを上げられてしまうと中には人数が揃っているのでいくら東京のCBが強くても危険なシーンを作られる可能性は高くなります。
当たり前ですが、そもそもクロスを上げさせなければゴール前にはボールはいきません。松本はWBへ特にサポートもないので、ここの1対1で勝てれば松本にボールを持たせたときの守備はかなり安定するはずです。
②ボール保持時のスペース管理
中盤でのロストを減らすこと。
陣形が整っていない状況でロストすると前田がスペースに突撃してきます。
一気に自陣深くまで侵入されてしまうため、ボール保持時は後方のスペース管理をしっかり行いながら攻めたいです。
③ファウルを減らす
松本の大きな得点源はセットプレーです。
岩上&宮阪は不在になるかもしれませんが、やはり松本のセットプレーは怖いです。
自陣深い位置でのファウルには気を付けたいですね。
松本の守備に対する狙い
①シャドウを押し込む
前述した通り、松本のシャドウは守備の仕事が多く、消耗の激しいポジション。
サイドのコンビネーションでWB-CB間を狙いシャドウを押し込むことができれば、前田のスピードによるカウンターの抑止にもなり、攻撃にかけられるエネルギーもすり減らすことができます。なるべくシャドウの負荷を多くできるようにジワジワ攻めていきたいですね。
②被前プレ時のCB脇
前から追ってきたときにはWBが縦スライドしてきます。
そうするとCBが横にスライドしてきますが、SHがサイド奥に流れることで左右のCBも中央から切り離すことができます。
となると中央は必然的に薄くなっていきます。
そこで東京お得意の質で殴りましょう、という話になります。
※イメージ図
各スライドによってPA付近では数的同数が生まれます。
それを嫌って仮にCHがサポートに行けば中盤が空き、そこから攻めることもできそうですよね。
あとは2トップがスピードとパワーで上回れるかの勝負。対峙する人数が少なくなればその分突破できる可能性も上がるわけです。
まとめ
簡単に言ってはいますが、そんなにうまくは行かないのがサッカーの面白いところ。
松本は割り切って戦ってくるチーム。
0-0でもokというプランで臨んでくる可能性も大いにあります。
そんな相手に対して3ポイントを取れるかどうか。
上位、もっと言えば首位をキープするためには「負けない」ことももちろん重要ですが、いかに「勝つ」かがより重要になります。
嫌らしいサッカーをしてくる松本相手にきっちり「勝つ」ことができるか。
楽しみにしましょう。