がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

【FC東京】 開幕節 vs川崎フロンターレ 多摩川クラシコ マッチレビュー



今年もついに私たちのJリーグが開幕しました。

みんなが待ち望んだ日。

スタジアムが近づくにつれてチームのグッズを身に着けた人々が増えていく。

そして嬉しそうな表情。

この光景に毎年のように見ていますが、いつも心に強く響くものがあります。

 

そして開幕戦から"多摩川クラシコ"。

燃えないわけがありません。

 

前回対戦では力の差を見せられて敗戦。

オフを挟んでお互いに新戦力を加えた中での再戦。

会場は川崎のホーム等々力競技場。

どんなバージョンアップが見られるのか非常に楽しみな一戦となります。

 

 

早速振り返りに入っていきましょう。

 

スタメンはこちら。

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川崎は前回の浦和戦から変更なし。

東京は右SHに久保、左SBに小川を起用。

昨年とベースは同じですが、少しキャラクターに変化が加わりました。

 

フォーメーションの噛み合わせとしては全ポジションがっちりかみ合うようになるため、お互いにどうやってプレスの基準をずらす・迷わすことができるかが一つのポイントとなります。

 

 

最初に補足として入れておくと、この日は非常に風が強かったです。

ボールが押し戻されたり、流されるほどの強さでした。

前半は川崎が風上、東京が風下。後半は逆となります。

 

 

~前半~

 

予想通り川崎がボールを保持し、東京がプレスをかけていく・引いて守るという構図が多くなりました。

 

川崎のボール保持

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開始5分ほどから川崎は守田をはっきりと最終ラインに下ろして3バック化し、大島がアンカーのような形に。主にフリーに動く中村&家長が大島の脇に出入りしてボールをうまく動かしていきます。

両SBは位置を上げてWBのようなポジション取り。

小林は浦和戦ほどはっきりとは中に入らず、小川の前のハーフスペースをうろうろしているようなイメージでした。

 

これに対して東京は4‐4‐2でセットすることが多かったです。状況次第では前からプレスをかけることはありましたが、中村と家長のサポートや守田の巧みな動きで1stラインは簡単に外されてしまうため、そこまで無理をして追うことは少なく感じました。

深くまで押し込まれた時には、2トップもディエゴが中盤4枚の前にサポートへ行き、永井を最前線に残す形。

 

まずここで1つ目のポイント。

久保をスタメン起用したけど、守備面は大丈夫なの?

という点について。

これについて個人的な見解を書いていきます。

 

 

浦和戦もそうでしたが、川崎は左で作って右を空ける傾向があります。

その影響もありますが、東京は全体を右に寄せて守っていました。

ゴールキック時も全体を右に寄せた形を作ってから蹴っています。

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ボールが東京から見て右半分にあればこれくらい寄っていたと思います。

これは久保の守備対策なのではないかと感じました。

久保がいるサイドに寄せてしまえばサポートもしやすく、久保本人の守備基準もわかりやすくさせることができる、という考えだったのではないでしょうか。

実際に左SHに入った東とのタスクには大きな違いがありました。

 

基本的に久保は室屋とのコンビで車屋&家長の2人を担当。構図的には2対2です。

対して東には以下のような役割が主に3つありましたので、簡易的な図と合わせて見ていきましょう。

 

①マギーニョへの対応

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4‐4‐2ブロックで構えたときに右サイドとは異なり、左サイドにはそこまで寄りません。

そのためマギーニョにパスが出ると東は内からスライドしていきます。ボールとの距離が小川と同じくらいの場合でも小川を手で制して極力東が寄せるようにしていました。小林がいい意味で半端なポジションを取っていたこともありますし、DFの選手はなるべく外に出さないようにしていたのではないかと思います。

 

 

②3バック化した右CBへのプレス

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ディエゴと永井がプレスをかけて奈良にパスが出たときに中盤から縦にスライドしてプレスをかけに行きます。この時、自分が見ることの多いマギーニョに対して小川がついてきているかを確認しながら出ていっていました。ついてきていなければフリーのマギーニョに出されて無意味なプレスになってしまうため、後ろとのバランスはかなり気にしているように見えました。最終ラインは左にスライドして小林が浮かないようにします。

 

③左SB‐CB間のカバー

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前述した①では極力東が寄せるようにと書きましたが、ずらされてしまいマギーニョに小川が出る場面もありました。その時に左CBの森重はスライドせずに真ん中に残ります。ダミアンや小林が中にいるため、強い選手を中に残したいということでしょう。となると、左SB-CBが空いてしまうのですが、ここを東が埋めます。けっこう距離があってもスプリントで戻って来てしっかり埋めてました。

 

 

③についてですが、右サイドはどうだったというとこちら。

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こちらでは髙萩が右SB-CB間を埋めに入ります。久保は車屋か家長のマークに専念。

髙萩が最終ラインに吸収されることで中盤の人数が減り、ボールを支配されてしまいますが、その分PAエリア内での危険なシーンはほとんど作られませんでした。

 

川崎両SHの家長と小林でキャラクターが異なること、左右で攻撃のシステムが違うことも一つの理由ではありますが、明らかに久保より東の方が守備の仕事を多くこなしていました。

1試合だけでは判断できませんが、今季はこれが久保を組み込んだ戦術になる可能性はありますね。

 

不安視されていた健太サッカーにおける久保の守備ですが、車屋かとの1対1でボールを奪うシーンもあり、役割をはっきりさせれば十分にやれる姿を見ることができました。

 

 

東京の狙い

前半のスタッツでは支配率が川崎60%ー東京40%となっていましたが、落ち着いてボールを回す時間はこの数字以上に少なかったと思います。ボールを持った状態でも前を塞がれて閉鎖間のあるボール保持が多かったのではないでしょうか。

ただし、東京はボール保持を一番の武器にしたチームではありません。

昨年から見ている方ならお分かりでしょうが、永井とディエゴを中心としたカウンターから脅威を生み出すトランジション(攻守の切り替え)重視のチームです。

ということでシンプルに永井とディエゴをターゲットにする攻撃が多くなりました。奪って少し繋いでから裏やスペースに走る永井とディエゴをめがけて蹴っ飛ばします。

 

永井とディエゴの二人は元々1人でやり切ってしまう能力を持った選手ですが、この日はそれに加えて脅威になったものが一つあります。

風です。

最初の方で触れましたが、この日は非常に強い風が吹いていました。これによって川崎CBはかなり苦しみました。

東京としては逆風の風下。通常であれば不利に働きそうな要素ですが、これによってボールが戻されて東京FW2人の元へ収まるように入っていきました。

川崎は前からプレスをかけてきて両SBもあがってくるので、CBとの1対1が生まれやすくなっていました。これによってゴールに直線的に突っ込んだり、時間を作ってサポートを待ちます。

 

また、久保の守備を軽減させていることでカウンターでは彼がドリブルで運んで行ってチャンスメイクというシーンもありました。

 

守田と大島が正しいポジショニングを取れないとCBだけで守らなくてはいけなくなっており、川崎はネガティブトランジション(攻→守の切り替え)にやや不安があるように見えました。

逆に言えば、守田&大島のところで奪えてしまえば圧倒的に支配することができるとも感じました。

 

東京のビルドアップ

基本はトランジションからチャンスを作る狙いでしたが、ビルドアップも昨年との違いが見られたので、紹介します。

 

 

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まず橋本がCB間に下りて後ろで3対2を作ります。ここまでは昨年もやったことはあると思います。

ここからがNEWパターン。

右SHの久保が真ん中に入ってきてビルドアップに参加。そして髙萩が右サイドの奥に流れます。これにより川崎の左サイドはやや手ぶらな状態になります。

逆に川崎右サイドは2対3の人数では不利な状況。最近よく見るオーバーロードとやらでしょうか。

 

23:40頃のシーンだとこんな感じになりました。

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森重にボールが渡った後の動き。

東が下りてきて小林の前に入ることで意識を向けさせます。

そして小川と髙萩がポジションを交換します。マギーニョは髙萩についていこうとしますが、小川が上がってきたことにより、後ろにとどまります。となると髙萩はフリーですのでそこへ出して起点に。チャンスとまではいきませんでしたが、この形からボール保持での攻撃に可能性を見出していました。

 

橋本と髙萩が連動して最終ラインと中盤の底に出入りするような場面もあり、昨年より手札と流動性が見られた気がします。

 

久保の技術が高く、ここでロストしないという計算からできた形とも言えるでしょう。

 

 

お互いに惜しいシーンはいくつか作るも決定機というようなシーンはほとんどなく前半が終了。

また、強風によってロングボールのターゲットになるダミアンが落下地点に全く入れず競り合えないシーンが何度かありました。この風は東京に有利に働いていたと思います。 

 

 

~後半~

 

後半開始早々は深い位置までプレスに出ていきます。

前半では久保サイドの役割をはっきりさせるようにと書きましたが、後半は逆にこちらサイドから仕掛けます。

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前半とは逆に久保が谷口へ出ていき、室屋は車屋にがっちりマークというやり方を試みます。ただし、2トップがうまく規制をかけられていない場合は無理に行かずブロックを組むことを優先しました。

バックパスが出てFWが前から追った時は久保が前に出ていくという役割を与えていたと思います。

 

アグレッシブなスタイルでボールを奪い、後半開始の10分間は東京ペースで試合が進みました。

ここで川崎が交代カードを切ります。

 

54分 マギーニョ→馬渡

 

右SBのキャラクターを変えてきました。

これによって少しポジショニングの修正をしました。

マギーニョは基本外に張っていましたが、中に入ったりもしてきていました。小林はマギーニョと被らないように位置取りしていて、後半は大外で受けるシーンもありました。この時はロストして誰もいない右SBスペースを小川に単独で運ばれました。

 

試合後の鬼木監督のインタビューでは

「守備のところで機能していなかったところがあったのと、あそこ(右)のサイドで十分時間があったのでもっと行ってほしいというのを期待してカズ(馬渡)を入れて活性化させようとしました。」

とのコメントがありました。

 

このネガティブトランジション(攻→守の切り替え)の部分も含め、馬渡の投入は右サイドから攻撃を仕掛けようといったメッセージのように見えました。

 

マギーニョとは異なり、馬渡は完全に大外に張る役割を任されます。そしてWGのような振る舞いで最前線に近いほど高い位置を取りました。

これにより、小林はハーフスペースから中にポジション取りができ、それぞれのストロングが発揮できる配置にはっきりと変わります。

 

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左で家長等がサポートしながらボールを回し、東京をボールサイドに寄せてからCBを経由して大外の馬渡へ。

非常にシンプルですが、東京は疲労の影響や川崎のボール回しスピードに追い付かず、ここの横スライドが間に合わなくなってきます。

馬渡の起点が潰せず交代から10分間、このシンプルな形でピンチを多く作りました。

 

また、この交代後から川崎右サイドのハーフスペースあたりに中村が入ってくることが増えました。

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この半端な場所に入られることで東が中村につきます。となると馬渡へは必然的に小川がつかなければいけなくなります。

小川がSBへ行くとSB-CB間は開きます。前半の部分で触れましたが、ここをカバーするのは本来東のお仕事。しかし、中村と対峙しているため髙萩が代わりにここを埋めます。

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これで最終ラインのスペースは埋められましたが、髙萩が動いたことで守田が空いたところを狙って入ってきます。

ここに家長も加勢してきたりして、動いてスペースを作ってそこに入ってくるという作業を繰り返します。

完全に川崎がボールを回し続ける時間となります。

東京も徐々に慣れて対応はしますが、馬渡投入後の54分~70分の約15分の間は全く攻撃ができずに一方的に殴られ続けました。

危険なシーンが何度もありましたが、林のビッグセーブも含めてこの時間帯を無失点で抑えられたことがこの試合の全てだったと思います。

試合後、サポーターからのコールがあったように間違いなく林がこの試合のMVPでしょう。

 

東京の1枚目の交代カードは

62分 永井→田川

川崎2枚目の交代カードは

73分 ダミアン→齋藤

 

永井から田川へのスプリンター同士の交代。スピードの強度を落とさずに脅威を与え続けるための采配。

前半は永井を前に残してディエゴが守備のサポートに行きましたが、ここではディエゴ前残しの田川守備サポートの役割分担でした。

個人的には逆の方がよいと思ったのですが、なにか考えがあったのでしょう。

 

対して川崎はダミアンをあきらめ、サイドで違いを作ろうとしてきます。

実際にこの交代から川崎は明らかに狙いを変えてきました。

先ほどまで右にいた中村が左に移動します。

 

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上図のように中村が4人の中間に意図的に入ってきます。

それぞれの選手は黄字で記載したような理由で中村へはっきりと付くことが難しかったです。しかし、誰もいかないと前を向かれて非常な危険な状態に。CBのヒョンス以外で挟みに行きますがそうすると少ないタッチで齋藤へ出します。そこから室屋との1対1の勝負。中村をところを防ぐ術を見つけられないままこの方法で叩かれ続けます。

しかし、ここで川崎が3枚目の交代カードを切ります。

 

81分 中村→知念

 

理由はわかりませんが、この交代は東京サイドとしては非常に助かりました。

中村がいなくなってからは齋藤との1対1が明らかに少なくなりました。車屋とのコンビネーションでエリア内に侵入は許しましたが、中村の役割を行える選手がいなくなったことで構造上の問題は少なくなったと思います。

 

86分 ディエゴ→ナ・サンホ

 

東京は3枚目の交代カードで前にフレッシュな選手を投入。カウンターでの1発を狙いましたが、このまま試合は終了。

川崎の攻撃の話ばかりになりましたが、東京もカウンターから川崎守備陣に脅威は与えられていました。どちらもチャンスを得点につなげられなかったという試合だったと思います。

 

奈良の判定云々で若干後味は悪くなりましたが、開幕戦多摩川クラシコスコアレスドロー終結

 スコアだけで見れば盛り上がりに欠けたかもしれませんが、開幕の注目カードに恥じない高いレベルの攻防が繰り広げられた素晴らしいゲームでした。

 

 

~まとめ~

 

相変わらず川崎は技術が高く、サッカーを理解している選手が多いと感じました。特に中村憲剛は状況に応じて常に相手が嫌がるところに入ってきます。交代してくれて非常に助かりました。

また、この試合は守田もえげつなかったです。最終ラインでのビルドアップ参加からゴール前まで幅広い範囲に顔を出して貢献しました。

5分 最終ラインで受けてからスペースに出ていってシュートまで行ったシーン、

29分 強風の中で高くまで上がったボールをピタッと止めるトラップ、

50分 ダイレクトで小林へ出したピンポイントパス

派手なものから地味なものまで非常に高い水準でこなしていました。

 

馬渡、齋藤と鬼木監督も理屈の通った良い采配だったと思います。

 

 

対して東京。

ベースは昨年と変わらず。そこに久保建英という新たな武器によって違った取り組みも見ることができました。

そして昨年と一番異なるのは選手層の厚さ。

昨年はディエゴ&永井のコンビで早めに点を取れないと、時間とともに消耗して威力が徐々に弱まっていくということ。加えてSHの負担が大きいのに、代えられる選手がいないという状況がありました。

しかし、この試合は控えにFW田川・ナサンホという特徴のあるキャラクター、SH大森の計算が立つ選手がいます。スタメンの選手を下げても強度が落ちずに脅威を与え続けることができるのです。

さらに言えば開幕直前に加入したジャエルもおり、少し人員過多に思えるくらいFWの枚数は揃いました。

 

健太サッカーの肝はスピードと強度。

それを90分続ける戦力が整ったと思います。昨年は終盤に大失速し、苦戦しましたが、今期はその不安も少なくなったはずです。

逆に言えば言い訳は許されない状況になったと思います。

 

 

今期もJ1全チーム素晴らしいチームで混戦が予想されます。

その中で戦い抜き、最後に頂点に立つことができるか。私たちは期待と声援で後押しをしていきましょう。

 

 

 

 

次回は第2節vs湘南戦プレビューを予定。

また遊びに来てくださいね!

【FC東京】 開幕節 vs川崎フロンターレ 多摩川クラシコ  プレビュー

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※画像はFC東京公式アカウントより引用

 

皆様開幕でございます。

多摩川クラシコでございます。

 

Jリーグを愛する人々にとって待ち望んだ日がすぐそこまで近づいてきましたね!

 

今回はそんな開幕戦vs川崎フロンターレ多摩川クラシコ”のプレビューを行ってまいります!

最初に言っておきますが、完全にFC東京目線の記事になります。

 

 

2018年度の対戦成績は1勝1敗と互角。

お互いにホームで敗れるという外弁慶っぷりでした。

 

開幕戦の会場は等々力陸上競技場

FC東京からしたらアウェイでの戦いとなります。

BS1での放送もあるみたいですし、ここで2年連続リーグ王者の川崎相手に勝つことができればFC東京の人気も上げられそうです←

  

 

 

さて、試合の展望に移りましょう。

勝手な推測にすぎませんが、予想スタメンです。

 

 

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川崎は先週のXEROXの布陣がベストメンバーと思われるためそのまま。

サイドバックがマギーニョのままか馬渡にしてくるかくらいのところではないでしょうか。

 

そして我が軍東京。キャンプ時から評価が上がってきているとの声がある久保建英を右SHに起用。左SBは太田ではなく小川がスタメンで来るのではないかとの情報があります。このあたりの選手起用については後程触れます。

 

 

川崎はFUJI XEROX SUPER CUPにて一部手の内を見せてくれました。

簡易的な振り返りを別の記事にまとめておりますのでこちらも是非見て頂ければ!

brgacha.hatenablog.com

 

リンク先の記事でも触れていますが、川崎は新加入のダミアンと小林の共存を図っています。

というわけでボール保持時にはこのような配置取りをしてきます。

 

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浦和戦の使いまわしで申し訳ありません。

この試合、浦和は前からプレスに行かなかったため、スムーズにこの配置を取れました。

ただし、今回の試合はFC東京が相手。浦和とはシステムも違いますし、ほぼ間違いなく前からプレスかけるはずですので、あまり参考にならないかもしれません。

とはいっても90分間ずっと同じ強度で追えるはずもないので引く時間帯は出てくるはず。となるとどうやって受けるかを考えるのも必要になってきます。 

 

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簡単に噛み合わせるとこのようになるでしょうか。

川崎は中盤の選手(特に家長と中村)がかなり流動的なため、静止画で語るのはナンセンスかもしれませんがご容赦を。

 

◦ダミアン&小林を1対1で抑えられるか。

◦マギーニョは誰が見る?

◦2トップ脇をどう対応するか

 

このあたりが課題でしょうか。

浦和は中盤が3枚のIHが前に出て2トップ脇を管理していましたが、東京は横並びの4枚。SHが出ていくのがベーシックな対策だと思いますが、容易に出ていってしまうとCHへの縦パスを許すリスクもあります。加えてSBが大外役と1対1に晒される可能性も高くなります。前に出るのであれば行くタイミングや全体の連動が不可欠になりますね。

 

サクッと書きましたが、川崎は相手選手の判断を迷わせる配置取りが非常にうまいです。90分を通じて様々な選択を迫られるはず。それに対して東京の各選手が自分のすべきプレーを準備・整理できるかは大きなポイントとなると思います。

 

逆にこの配置を取ってきたときの東京のメリット。

それは最終ライン裏とサイドにスペースができることです。小林が右SHに入れば右SBのポジションは高くなるはず。そうすると押し込まれる部分はありますが、東京にいるFWの選手を考えてください。

そう!永井がいるんです!そして田川もいます。

爆発的なスピードを持った選手がいるのです。奈良は対人に強い選手ですが、スペースありきで勝負させたら永井は必ず脅威になります。相手にボールを持たれているときには永井(田川)の裏抜けカウンターで執拗に攻めるというやり方はアリだと思います。持っている武器はガンガン使っていこうぜ!

 

 

 

続いて東京のビルドアップについて。

 

直近の多摩川クラシコでは橋本が囲まれてしまい混乱してパスミス。そのミスを一発で知念に決められて失点しました。あの失点は色々な意味でショッキングでした。

2018年シーズン、ビルドアップで存在感を見せていた橋本が考えられないようなミス。シーズンを通してちょっと危なっかしく見える場面も多かったですが、細かいタッチでの切り返しで相手をいなしたり、相手がギリギリ届かないパスを通して攻撃の起点になっていました。

そんな橋本が囲まれてパスコースを見失い(実際にコースがありませんでしたが)、キープもできずにロストから失点。周りのサポートも不十分でしたのでもちろん彼だけの責任ではありません。川崎のプレスに対してそれを回避する術を持っておらず、チームの完成度として負けた印象でした。

浦和戦でも川崎のプレスの完成度は高かったです。特に中村のスイッチの入れ方は秀逸で1人で2人消せる追い方をしてきます。

昨年と同じように戦えば間違いなくプレスの餌食になるでしょう。思い切って前に蹴っ飛ばしてしまうのも一つの手ではありますが、ディエゴ・永井vs谷口・奈良では分が悪く、良策とは言えません。となるとやはりどういうアプローチでプレス回避を行うのか。ここはボール保持の時間を作るために避けて通れない部分になるでしょう。

 

 

 また、ここでビルドアップに関する選手起用についてのポイントに触れていきます。

 

あくまでも予想ではありますが、右SH久保・左SH東という起用になった場合。

昨年は室屋を攻撃力を生かすと同時にビルドアップの不安を拭うため、右SHの東と室屋のポジションを入れ替えてビルドアップを行うことが多くなっていました。

本来は東も前でプレーしてもらいたい選手ですが、これがけっこうハマっていて、いいバランスが取れていました。

 

これを踏まえて右SH久保・左SH東という起用になった場合どうでしょう。

久保と室屋のポジションを入れ替えることはまずないと思います。選手のタイプとしてもしっくりきませんし、左利きを右SBの位置でプレーさせることはなかなか難しいです。ましてやプレスの上手な川崎相手です。

となると室屋のところは狙いどころの一つとなってもおかしくないと言えるでしょう。

 

個人的には久保を右SHで起用するなら右SBは岡崎の方がベターなのではないかと思います。ここは本題からそれるため、詳しくは書きませんが。

また、ビルドアップを気にする場合は左にサンホ、右に東という起用もあり得ると思います。

 

 

 

最後に左SBの選手起用について。

このポジションは昨年から併用がありました。

小川の成長と太田の意地のぶつかり合い。二人とも左足の高精度キックを持った選手。

2人の異なるポイントとしては試合を決める力とフィジカル的な守備力だと思っています。

 

太田のストロングと言えばキック精度の高さ。直接FKも狙え、得点に直結するプレーを期待できます。実際に昨年川崎ホームでの多摩川クラシコでは太田のFK2アシストで勝利をもぎ取りました。この、試合を決めるキック精度によって、川崎としてもファウルをしたくないという心理を働かせられるでしょう。

より得点の可能性を求め、攻撃的に勝利を目指すのであれば太田の方が適任かもしれません。

 

対して小川は太田に比べてフィジカル能力に優れます。単純に高さもあり、1対1の守備もそれなりにやれるようになってきたと思います。昨年の横浜Fマリノス戦では向かいに突破力のある仲川がいたことで小川が起用されたこともありました。突破力のある選手と対峙する場合、受ける守備に重きを置きたい場合は小川の方がよいと考えます。

 

完全に主観ですので、違和感を覚えた方は指摘してくださいね。

ここまでのチーム状況だと小川の方が一歩リードしているようですが、太田を起用する可能性も十分あり得ます。

どちらが起用されるにしてもセットプレーはこの試合において東京の最重要ポイントになるはずなので左足からのキックには期待です。

 

 

 

 まとめると

◦各選手の守備タスクの整理

◦選手起用も含めて、川崎プレスに対するビルドアップのアプローチ方法

◦いかにセットプレーを取るか、そこからのキック精度

 

抽象的な項目ばかりですが、"負けない"ではなく"勝つ"ためにはこのあたりが大きなポイントになると思います。

 

 

 

 

書きたいことを書いただけのまとまりのない文章になってしまいました。

文字ばかりで読みにくさもあったと思いますが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。

 

それではまたレビューでお会いしましょう!

 

 

FUJI XEROX SUPER CUP 川崎フロンターレvs浦和レッズ  簡易マッチレビュー

 

ついにJリーグも開幕が近づいてまいりましたね。

2月16日(土)にリーグ戦の幕を開ける前の一つのお祭り的な試合が行われました。

 

川崎フロンターレvs浦和レッズ

 

2018年度のリーグ王者vs天皇杯王者です。

両チームともに積極的な補強を行って迎えるシーズン。どちらも優勝候補と言っても良いでしょう。そんなチーム同士の対決。ワクワクしますね。

 

 

さて、前置きはこの辺にして本題に入りましょう。

この試合を見て感じたことをササっと書くだけでございます。

 

まずスタメン。

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川崎は2018と同じ4‐2‐3‐1。

新戦力はダミアンとマギーニョ。

小林がスタートポジションでは右に配置されています。

 

浦和も2018と同じ5‐3‐2。

新戦力は杉本とエヴェルトン。

他の選手の配置は2018と同じだと思います。

 

前半、浦和はボールをあまりボールを奪いに行きませんでした。

キックオフ直後ですら、前から追わずに陣形を守ることを優先するくらいでした。

 

前半のざっくりした印象ですが、川崎ボール保持vs浦和の守備は以下のように見えました。

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浦和2トップはCHの前に立つことでCBからのパスコースを制限。逆に言えばCHを意識するため、CBはほとんど放置状態でした。

川崎視点だと小林が中に入り2トップ化。小林の空けたところはマギーニョが高い位置を取りWGに近いポジション取りをしていました。得点力のあるダミアンと小林を共存させるための配置取りですね。

中村と家長は自由が与えられており、SBのような位置に下りてきてビルドアップに参加したり、本当にいろんなところに顔を出していました。家長で言うとスタートポジションと逆サイドの右にいるとか普通にありました。

 

川崎はこの守り方に対して流動的なポジションチェンジで試行錯誤していましたが、その中の1つでCHの列下げがあったので図にしてみました。

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守田が最終ラインに入ってビルドアップしていくパターン。

ちなみに浦和のFWはこれに対してついていきませんでした。

守田が入ることでCBを外へ押し出します。(CBの選手配置逆だったらごめんなさい)

空いている2トップ脇から持ち運んで前進しようと試みますが、そうなったときにはIHの柏木が前に出て運ぶスペースを消します。

浦和右サイドでも長澤or橋岡が前に出て対応することで運びの牽制をしていました。

ただし!上図でも記していますが、自由を与えられている中村が嫌なところに顔を出していました。図のようにマークしにくい場所を即座に見つけて、浦和の対応が遅れるとファーストラインを突破されていたような印象です。

 

 

 

対して浦和ボール保持vs川崎の守備

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少し雑ですがこんな感じでしょうか。

3バックに対して家長を上げることで人数を合わせました。

中村はマウリシオ(バックパス時には西川)へプレスをかけますが、強く追いかけるときには背後の選手にパスを出されないようなコース取りがされていて蹴っ飛ばすしかないような状況を作り出しました。

前半では中村がスプリントをかけて追いかけたときに簡単につながれたシーンは記憶にありません。(あったらごめんなさい)

ただし、浦和のGKはキック精度に定評のある西川。蹴っ飛ばすしかない状況でも高い確率で味方へボールを届けていたと思います。

川崎のプレスはハマっていたと思いますが、浦和はそれなら西川を起点にして攻めるよ!といった対抗だったでしょうか。

 

 

またこうなると、岩波→橋岡のパスが多く出ますが、ここは車屋マンマーク気味につきます。

3バックvs4バックとなるとここのWBへのチェックが遅れ気味になることが多いのですが、車屋のチェックが遅れることはほとんどなく、橋岡のところで挟み込んで奪うというパターン化すらされていた印象でした。

川崎としてはこちらへ誘導していたのかもしれませんが、そこまでは読み取れませんでした。

 

 

前半の攻防はこんなところでしょうか。

 

 

後半は雑感だけ。

●浦和の1stプレスラインが下がった時間に失点。

●この時点ではダミアンがプレス参加すると90分持たない。

●マギーニョはスピードがある上にそこそこ器用。

マルティノスIH起用の効果あり。

●柴戸が入った瞬間に戦い方がすぐに変わる。

★両チームとも選手層厚すぎ←

 

他には槙野がダミアンの進路を邪魔をしてファウルを取られましたが、今年の基準としてあれは今後取られるのでしょう。どこかで見た気がするので、シーズンが始まる前に判定基準を見直したいと思います。

 

 

川崎は相変わらずボール回しがうまいですし、浦和は中央を固めていて相当堅かったです。

川崎は攻撃、浦和は守備と両チームともに強みの見える試合だったと思います。

ただ、どちらもシーズン前に手の内を見せない戦いをしているかもしれませんので、開幕戦でこの試合が参考になるのかは未知数だと思います。

 

 

2019年もJリーグが開幕するぞー!という雰囲気を味わえた1試合でした。

来週はついに開幕!皆さん楽しみに1週間を過ごしましょう!

 

それではまた!

終わり!!

国王杯 ベティスvsバレンシア 振り返り

 

さて、再び欧州試合振り返りシリーズ。

毎度言っておりますが、マッチレビューと言えるほどちゃんと全体を網羅しておりませんので悪しからず。

面白いなと思ったことだけ簡単に書きます。

 

早速スタメン。

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またしても3‐1‐4‐2vs4‐4‐2です。

最近この対決ばかり取り上げております。

 

前回記事のベティスvsアトレティコでは大きく見て2つの対応策が見えましたが、バレンシアはまた違ったアプローチが見えたのでそれを書いていきます。

 

 

この試合を振り返る前に補足情報としてまず両チームの簡単な特徴について。

バレンシアは4‐4‐2を採用しており、縦・横ともにかなり圧縮した守備陣形を組みます。前から追いかけるというよりは自分たちの陣形を極力崩さず迎撃していくようなスタイルです。(2試合しか見ていないのでシーズントータルで見た場合は違うかもしれません)

対してベティスは3‐1‐4‐2を採用。ボール保持にこだわりを持ち、後ろからしっかり繋いでくるチームです。

 

話を試合に移します。

毎回恒例噛み合わせ図です!

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バレンシアはかなり狭いエリアに10人(場合によっては2トップが少し離れての8人)が集まった陣形を取ります。基本的には前から追わず、同ライン選手の距離感を保ちながらスライドして守る形です。

ベティスから見るとCBvsFWで3対2が作れているのでCBの運ぶドリブルから前進を目指します。

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上図のようなイメージです。(※ベティス前線選手の配置は雰囲気です)

この前進方法はベティスからしたら理にかなっていると思います。単純に人数部分で優位性がある場所から持ち運ぶ選択はアリですよね。

ただ、この時にデメリットも生じます。

図にも記載してありますが、一番危険なゴール前のエリアを2人でカバーしなければいけなくなり、バレンシアにとってはカウンターのチャンスが広がります。

 

ここからは私の推測を含めた分析になります。

バレンシアFWはベティスCBの持ち上がりに対して"激しく寄せる"というよりも"邪魔な位置にいることで存在を意識させる"程度の距離感・追い方だったように見えました。やや後ろから追いかける形になりますが、これによって後ろからのやり直しのけん制・抑止になります。そしてバレンシアの中盤はボールサイドにスライドし、選手を密集させます。CBは前にパスを付けますが、かなり密集地帯となっているのですぐに囲まれてロスト、またはインターセプトされてカウンターを受けることが何度かありました。

 

 

 

 

あと最後の補足。バレンシアアトレティコと同様に左右で役割を変えていて、前進させるサイドはバレンシアから見て右サイドという誘導方法になっていたと思います。

 

 

まとめとして、バレンシアとしてはあえて自陣に引き込ませてのカウンターが狙いだったのではないかという印象を受けた戦術でした。

 

 

 

これがアトレティコの対策とはまた違ったバレンシアの3‐1‐4‐2へのアプローチです。

 

これはバレンシアの守備が非常に整理されていて常にコンパクトな布陣を保てるからこその戦略でもあります。単純にこの対策を取ればよいわけではなく、基盤として4‐4‐2のベース守備をしっかりと構築する必要はあります。

 

※最初にも書きましたが、推測を含めた分析なので本当の意図はわかりません。

 

 

私が書きたかったバレンシアの対策という点では以上で終わりなのですが、バレンシアの失敗(ベティスの繋ぎが上回った)パターンも紹介します。

 

 

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ベティス右CBへボールが渡ったときの対応です。

FWの2枚の配置やパスが渡ったときの状況を見てアタックしたほうがいいなと判断した場合にはチェリシェフが前に出てけん制しました。先ほど補足で書いたようにこちらは左サイド限定の対応法です。

これが結果的にピンチを招きます。

チェリシェフの列移動と連動して左SBのガヤが前に出てWBにつきますが、この配置移動によってバレンシアのコンパクトな守備陣形がやや乱れます。

 

ベティスはそこを突いてきました。カナレスがSBとCHの間のハーフスペースにポジショニングしてパスを受けます。右CBのマンディも技術が高く、寄せられても平気でここに縦パスを通してきてきました。カナレスは前を向くのがうまく、スピードもあるため、ここから深くまで入られるといった流れを何度か作られました。このマンディ→カナレスのラインは脅威となっており、バレンシアの対応を上回りました。

 

ここでも日本が原口上げで失敗したのと同じような例が出てきましたね。厳密に言えば違うかもしれませんが、寄せるタイミングや後ろの連動がしっかりできていないとスペースを空けるだけになるといった事例です。

 

 

①自陣に引き込んでのカウンター→②前に出ていって失敗

という流れで進めてきましたが、この順序で進行させたのにはちゃんと理由があります。

個人的にアトレティコの攻撃的アプローチよりもバレンシアの迎撃の方が効率的なのではないかと感じました。しかし、このアプローチ法には大きな落とし穴があります。

 

相手が攻撃してこなければボールを奪えない

 

ものすごく単純ですがこれが非常に大きなデメリットです。

先制を許してしまい、相手がなかなか攻めてきてくれなくなった場合、ボールを奪えません。つまり得点が取れないのです。

となると、もう前から行くしかない。大なり小なり、自分たちのやり方を捨てて突っ込んでいかないといけなくなります。

この試合ではバレンシアが失点を喫する前にこのミスを発生させていますが、チーム全体としてまずは組織を固めるということに割り切って我慢ができないと難しいアプローチであるとも感じました。

チームの伝統として

攻撃的なサッカー!

だったり

ボールを持って支配するぜ!

というスタイルが確立されているチームにはおそらくできないでしょう。

 

 

 

バレンシアの守備について言いたかったことはここまでです。

 

 

さて、最後になります。

ここ数日で3‐1‐4‐2ボール保持vs4‐4‐2守備の対決をいくつか見ました。

そこで私が感じたこと、それは

 

まともにやり合ったら分が悪すぎる

 

です。笑

これはふざけているわけでもなんでもなく率直な意見です。

やはり噛み合わせから劣勢なのです。

もちろん選手の技術や能力、配置の取り方、細かいアプローチ方法等、単純な噛み合わせ以外に重要な項目はたくさんあります。その要素を考えてもまともにやり合ったら難しいと感じました。

 

 

この数日で4‐4‐2守備に対する探究心がメラメラと湧き上がってきています。笑

気が向いたらバレンシアの4‐4‐2について紐解いていきたいと思います。

 

また、今後も4‐4‐2に限らず様々な攻守のアプローチを探っていきたいと思います!

 

 

今回も読んで頂きありがとうございました!

それではまた!

終わり!!

 

 

ラ・リーガ ベティスvsアトレティコ  振り返り


 

 

 

 

 

久しぶりの試合振り返り欧州シリーズ。

試合が終わってから1週間近く経過していて今更感はありますが、そこはご容赦を。

今回もマッチレビューというよりも試合の一部を切り取ったものになりますので肩の力を抜いて軽い気持ちで見てください。(^q^)

 

結果から先に言うと1-0でベティスの勝利でした。

アトレティコは負けてしまったのですが、いくつか守備のアプローチ方法を見せてくれたのでそこを取り上げます。

ベティスのボール保持に対してアトレティコの対策部分が今回のメインテーマです! 

 

 

では早速スタメンを。

 

 

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ベティスは3‐5‐2(3‐1‐4‐2)

アトレティコは4‐4‐2となります。

 

このフォーメーションの対戦、なんとなくお気づきの方もいますかね?

私の中でこの試合のポイントはずばり!

アジアカップ決勝 日本vsカタールの復習です!

 

以前この試合についての記事を上げたので見ていない方はこちらも是非見てもらえると嬉しいです。

 

brgacha.hatenablog.com

 

結果から言うと両者ともに日本ともカタールとも戦い方が違うので、復習というよりは3‐1‐4‐2vs4‐4‐2の攻防がどうなるのか、というのが見どころですね。

早々にポイントがぶれましたが、同じフォーメーションでもここまで違うのか!という視点獲得としては面白いですよー!

 

この試合について既に面白い記事がいくつか出てきていて、私がこの試合を見て感じたことはほとんど書いてあったので、紹介させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 お二方ともに細かいところまで分析・解析されていて、両チームの攻防がわかりやすく書かれています。

この試合を見た方は必読ですね!

 

syu さん(@syu32_soccer)、inamoさん (@inamo18)、記事の提供ありがとうございます!

 お二人は定期的にマッチレビューの記事を出しているので皆さんも是非見てください!

 

 

 正直この2つの記事で私が書こうと思っていたことはほとんど網羅されているわけですが、簡単に感想をまとめていきます。被る点もありますが悪しからず。

 

 

まずアトレティコの前プレ。

 

1つ目はこの形。

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左SHのルマルは右CBへ付きに行き、WBは左SBのファンフランが縦スライドで対応します。

右サイドはグリーズマンが左CBをけん制し、WBは右SHのコレアが監視。

この形は左右非対称のやり方として決めごとになっており、左右のサイドで役割が変わることはありませんでした。移動後の配置は以下の通り。

 

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疑似的に3‐4‐3に近い形になります。中盤はボールサイドにスライドし、スペース埋めを意識。最終ラインもファンフランがいなくなったスペースを埋めるために左へスライド。

前に出ていくルマルに対し、コレアはスペース管理も意識しながらWBのフランシスの立ち位置も意識していたように感じました。

また、ファンフランがWBにがっつりついていくのに対し、アリアスは自分の立ち位置を守る(スペース管理)を任されている役割でした。

極端に言うと、人意識の左サイドとスペース意識の右サイドといった印象だったでしょうか。

この図ではフリーの選手が生まれていますが、ボールサイドではカバーシャドウを駆使して捕まえられる設計にはなっています。そのため、何度か高い位置で奪うことができてチャンスを作り出していました。逆にベティスのボール保持も巧妙で、アトレティコのプレスが少しでも遅れると中盤選手の位置取りでフリーな選手を作り出して前進できていました。

特にカナレスとカプトゥムはマークにつかれない場所を見つけるのがうまく、何度かドフリーから運んでチャンスメイクを試みていました。アトレティコはそれをしたたかにファウルで止めていましたが。笑

 

次にベティスが配置をずらすパターン。

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ベティスは自陣深い位置で持ったときにGKを入れてビルドアップを行います。その際に中央のCBバルトラを一列上げます。おそらく相手の2トップに対してGKを入れれば3対2だよね?という理屈から生まれた戦術だと思います。2018年のJリーグでもマリノスが一度やっていた記憶があります。CBのチアゴマルチンスが一列上がって飯倉をビルドアップ隊に含めるというやり方。バルトラの列移動に気付いたときは、???となりましたが、マリノスの事例を思い出して整理されました。なので皆さんJリーグを見ましょう!←

この形って理にかなってはいるのですが、GKの足元の技術や、ミドルパスの精度がないと成立しないです。ベティスのロペスとマリノスの飯倉はそれだけの能力があるという評価があってこその判断なのでしょう。

 

話を戻します。

上図では2トップが中盤底の選手を監視するような配置で、全体のバランスを保っています。ただし、これだとCBからの運びを許してしまいます。かといって開いたCBについてしまうとバルトラ&グアルダードへのパスコースが開いてしまいます。2トップはカバーシャドウをうまく使いながらボールホルダーに寄せていく必要がありました。

ちなみに開いたCBが前に運んで一定の位置まで上がるとバルトラは元の位置に戻って人数合わせを行っていました。

 

これをマンマーク気味にするとどうなるか。

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少し極端にしましたが、こんな感じになります。

ここからは仮にこの配置にしていたら、の話をします。

配置転換でベティスは真ん中に選手が多くなっているので中央でベティスの選手が浮きます。アトレティコはSBがマークを持っていない状態になっていますが、ベティスの2トップが比較的スピードのある選手だったので、おそらく裏へ走られないように人につくよりスペースを埋める判断をしたと思います。となるとベティスが狙うのは間違いなく黒い■にいる4人。さらにボールホルダーのロペスはプレスを受けていないのでこの4人が拾えるようなボールを狙うはずです。ロドリとトーマスは蹴られるまではアンカー(バルトラ&グアルダード)ケア、蹴られてからは背後のIHケアとかなり厳しいタスクを負うことになります。

ということでアトレティコはこの形をどうやって前からハメようか迷っていた印象でした。配置だけではなく、追い方やマークの受け渡しの選手の(判断)能力の部分が必要になる状況でした。

 

最後に気になったものを一つ。

 

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CHの1枚をFWとSHの間に入れて斜めのラインを形成するけん制の仕方。

今季のアトレティコはほとんど見れていないのですが、これは前からやっていたような気がします。

斜めに4人のラインを形成することで運びのドリブルと縦パスへの抑止力が働きます。そのためベティスはバックパスでやり直す流れが多くなりました。

これは比較的有効な手だと思いましたが、CHがCBまでプレスに行くようなものなので移動距離そこそこあり、強めに行くのであれば消耗は激しくなります。加えて中央エリアを空けてしまうのでリスクとは隣り合わせになりますね。

 

 

以上、ベティスのボール保持に対するアトレティコの回答になります。

ベティスもトリッキーな形を用いてきましたが、アトレティコは4‐4‐2ベースからの対応策を見せてきました。左右で役割を変えたのは基準や判断をはっきりさせるためですかね。配置的なミスマッチでやりにくさはあったと思いますが、各選手は役割をはっきりさせてプレーができていたのではないかと思います。

 

 3‐5‐2ボール保持vs4‐4‐2守備はそもそもかみ合わせ的に守備側が非常に分が悪いのですが、アトレティコは自分たちの形を大きく崩さないアプローチ方法で対抗し、実際に不運な形で与えたPKでの失点以外ピンチの場面は少なかったと思います。

もちろん選手のクオリティの高さもありますが、戦略・戦術の準備や落とし込みがしっかりできているからこそだと思います。

4‐4‐2でも対抗できるよ!ということを見せてくれたゲームでした!

 

 

最後に個人的に読み解けなかった部分を何点か挙げます。

 

●モラタの守備意識の低さ

完全に主観ですが、アトレティコといえばチーム全体での守備強度の高さがストロングだと思います。しかし、この試合のモラタはただ立っているだけのシーンが何回かありました。

合流して間もないので戦術的に落とし込めていない(半端になるくらいならやらせない)ということなのか、攻撃にエネルギーを使ってもらうために仕事を軽減させていたのか、はたまた両方なのか。そこについては疑問が残りました。

数年前まではユヴェントスでプレーしていますから、守備への理解度はおそらく高いはず。それゆえ謎は深まりました。

 

●ルマルが前に出るタイミング(スイッチの入れどころ)

前述したようにルマルは列を上げて前プレを行っていたのですが、CBの前進とWBのケアで迷っているように見えたシーンが何度かありました。これは本人の判断の問題なのか全体が連動するスイッチが曖昧だったのか。または他の理由があったのか、どうだったのでしょう。

 

これについては色んな人の意見を聞いてみたいところです。

 

 

 

今回は短めに収めるつもりでしたが、結局書いているうちに長くなってしまいました、、笑

今最後まで読んで頂きありがとうございます!

 

少しでも皆様の理解の手伝いになれば嬉しいです!

 

それではこの辺で!

終わり!!

 

【FC東京】 新戦力 アルトゥール・シルバ選手について


前回はナ・サンホ選手の紹介をしました。
brgacha.hatenablog.com




今回はアルトゥール・シルバ選手について、選手の特徴やこんな起用方法があるんじゃない?という完全主観の感想を書いていきます。


動画が上がっておりましたので、まず始めにプレーを見てください!


youtu.be




最初にこのプレー集を見た感想としては

けっこういい戦力になりそう!

と思いました。とてもいい選手。

簡単にまとめると
⚫キープ力が高い
⚫ボールを捌ける
⚫ヌルっとしたドリブルで前へ運べる推進力がある


こんな感じでしょうか。

個人的に印象的だったのはキープ力の高さ。定義が曖昧でちゃんと説明できませんが俗に言う「懐が深い」という表現が合いますかね。まとめ動画なので良い部分だけ切り取っている側面はあるにせよ、ボールタッチが細かくて体も上手に使いますね。
私の勝手な印象だとプレミアリーグトッテナムデンベレのようなタイプに見えました。
ボールキープに長けていて、抜くドリブルとはまた違う、奪われないドリブルができる。
決定的なパスをバンバン出せるタイプではなさそうですが、ボール捌きがうまく、中盤でのボール保持に安定とダイナミックさを入れてくれそうです。


退団した米本ほどボールハンターというタイプではないですが、前でコースを限定してプレーする範囲をある程度固められればボール奪取能力も悪くなさそう。米本の退団により、橋本&髙萩コンビに次ぐ3番手の選手が実質不在となりましたが、普通にレギュラーとして出られるレベルの選手に見えました。


◆チームへの入れ込み方

そうなると起用はどうするのか。

基本路線だと昨年度の橋本&髙萩のコンビがスタメン濃厚なのかなと感じますが、どちらかが不在の時は確実にスタートから出てくるでしょう。強いて言えば橋本の方がタイプは似ているので、髙萩とセットになることが多くなるかなーと思います。
動画では「Defensive Midfielder」として扱われていますが、もう少し前のインサイドハーフをやらせても面白いのかなと思ったり。

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ここですね。
チームで4-3‐3のシステムを使用するかはまた別問題なのですが、この位置でガツガツやらせてから素早いトランジションで攻めるなんて妄想を繰り広げている最中です。



最後に選手チャントをどうするのかという話をして終わりたいと思います。
先日FC東京サポさんのツイートでいくつか見られたのですが、完全に個人的なツボだったのでこちらを紹介します。
まずはこちらの動画を見てください。
※最初の30秒くらいで大丈夫です。

youtu.be

これを原曲として
トゥール トゥール アルトゥール~
×3
ゴール アルトゥール~!


という案があるそうです。笑
最初見たとき思わずにやけてしまいました。

実際に採用されるのかは定かではないですが、こういうFC東京サポーターのセンスは大好きです。
スタジアムで歌いたいですね!


最後はネタ感が出てしまいましたが、普通に良い選手としてそれなりに試合に絡んでくると予想しています。
今年から"東京の"青赤ユニフォームに袖を通したということで応援していきましょう!


それではこのあたりで!

終わり!!

【日本代表】 アジアカップ決勝 日本vsカタール 日本はなぜ前半うまくいかなかったのか

 

2月1日(金)にアジアカップ決勝が行われました。

日本1-3カタール

という結果となり、日本は決勝まで進みながら準優勝という形で大会を終えました。

では日本はなぜ負けてしまったのか。なぜうまくいかなかったのか。

今回はカタールのボール保持に対して日本の守備がどうだったのか、というポイントに話を絞ります。 日本の攻撃×カタールの守備や細かい技術などの話については明記しませんのでご了承を。

 

人の数だけ意見・感想はありますが、個人的な見解を書いていきます。

そういう見え方もあるんだな、くらいに捉えてもらえれば幸いです。

 

 

 全体の流れ

◆日本×カタールのフォーメーションについて

カタールのフォーメーション選択について

カタールの攻撃に対する日本の対応

◆試合前の日本の準備

 

 

 

 

 

 

ではまずこの試合のスタメンから。

 

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日本は負傷した遠藤の代わりに塩谷が入りました。

それ以外はメンバー変更はなく、中3日での試合となります。

 

対してカタールも大きなメンバーは変更なく、こちらは中2日での試合となります。

 

まずこの段階で1つポイントとなるのが中日の差。

サッカーでは中2日と中3日では体力回復の面で大きな違いがあると言われています(個人差はあります)。そのため、単純な発想ではありますが、休める期間が1日多いという点で選手の体力的には日本の方が有利と言えます。

 

 

さて、話を戻してスタメンのフォーメーションについて。

日本は今大会を通じて全試合で使用している4‐4‐2を採用。

対してカタールは5‐3‐2(3‐5‐2)を採用。

カタールに関しては今大会の中で4‐3‐3(守備時4‐4‐2)というフォーメーションも使用していましたが、この試合では5‐3‐2の形で挑んできました。なぜ5‐3‐2を選んだのかについては後述します。

 

両チームのフォーメーションをかみ合わせてみるとこんな感じになります。

 

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かみ合わせの配置を見ることによって何を伝えたいのか分からない方のために少しアレンジすると下図のようになります。

 

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あくまでも盤面上での話になりますが、部分的に切り取ったときにこのような状況が生まれやすくなります。

白い〇で囲われているところはセットになりやすい箇所で、ペアになっている選手が動けば一緒についていくことが多くなります。

そして黒い■のところはフリーになりやすい選手です。

日本で言うと酒井と長友のところ、カタールで言うと23番の選手がフリーになりやすい構造になっています。

 

また、カタールのDF陣と日本のFWのところで3対2の状況が生まれています。この状況では日本FW2人でカタールDF3人を見なければいけません。もう一つ付け加えるとFWは背中にいるカタール23番の選手も気にしなければいけないので実質4対2になっているとも言えます。

単純に考えて大迫と南野の2人で目の前のカタールDF3人と後ろの1人の計4人を見るのって相当難しいと思いませんか?実際問題難しいはずです。

 

 

 

 

一度話をそらしますが、カタールがなぜ5‐3‐2というシステムをこの試合で採用してきたか考えてみましょう。

今記述した、局所的に切り取ったときにDF3人に対してFWが2人しかいないという一つの見方が理解できた方なら少し予測がつきますでしょうか。

 

これはあくまでも私の予想ですが、カタールからしたら日本はほぼ100%4‐4‐2で来ると考えたはずです。なぜならここまでのすべての試合で日本が4‐4‐2というフォーメーションを採用していたから。

それなら5‐3‐2で戦ったほうがやりやすくない?

一番根本のところで言えばカタールはこんな感じで臨んだと思います。もちろん細かい部分でもっと戦略は練っていたとは思いますが。

 

イメージが湧きにくいかもしれないので、カタールが4‐3‐3だったパターンも見てみましょう。

 

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どうですか?こっちのほうが日本の守備がうまくいきそうな気がしませんか?

もちろん真ん中のフリーの選手をどう対応するのかという問題はありますが、前の4人のマークがはっきりしていて捕まえやすそうですよね。

上記の理由から、4-3‐3だと分が悪いと判断し、5‐3‐2にしたのではないかと考えられます。

 

 

このようにかみ合わせの悪い状態になりましたが、こうなったから日本が不利なわけではありません。4‐4‐2のまま自分のポジションから移動してはいけない、等というルールはサッカーに存在しないわけです。フォーメーションは主にいる場所の配置図、というだけで別に4‐4‐2の陣形をずっと保ちながら動く必要などありません。そのため、この日本FWの数的不利を解決する方法は何通りもあります。

また、前から追わずに日本側陣地に引いて組織をコンパクトに保ちながら守るという選択肢もあります。

 

では、この試合に臨むにあたって、日本が取った対応策・準備はなんでしょう。

 

頑張ってFW2人でDF3人を前から追おう。数的不利(3対2)はその場の雰囲気で対応しよう(選手の判断に任せる)。

 

私にはこう見えました。

web.gekisaka.jp

この記事の前半部分を見る限り、現場もこんな状況だったと思います。

FW2人でDF3人を見るということは不可能ではないのですが、前述したとおり結構厳しいです。身体的にも頭脳的にも消耗が激しくなります。

 

そしてこの対応に困った日本は原口を前に出して3対3を作り出そうとします。おそらく選手の判断でしょう。そして下図のようになります。

 

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原口が出ていって対応する、というチームとしての決まりはおそらくないので出ていく判断が中途半端になることが多かったです。

結果的に原口は自分のポジションのスペースを空けてしまうだけになり完全に悪手でした。前半に2失点しましたが、元を辿っていくとこの同じ形で突破されてからの展開でした。

先ほど少し触れましたが、1失点後は自陣に引いて守るという選択肢を日本は取りにくくなりました。

それはなぜか。少なくとも1点は返さないと負けてしまうからです。自陣に引いていたらボールは奪えません。ボールを奪わなければ得点は取れません。

ということで日本は特攻します。そして数的不利の解決策を見つけられないまま無策で突っ込むのでカタールは簡単に交わして追加点。

 

BS1での中継を見返したのですが、前半35分くらいに

森保監督から大迫に指示が入り、大迫は前のポジションにいる選手たちにそれを伝えています。

という実況からの情報がありました。36:30くらいに一度プレーが切れたとき、その時間で大迫と南野が会話をします。南野は人差し指と中指を前後にするようなジェスチャーで口元は「縦?」と言っているように見えました。今まで横に並んで配置されていたのを縦に配置する形に変えようという意味でしょう。

37:50カタールゴールキック。明らかに配置が変わっていました。

41分、監督からの指示が出されてから、カタールが初めてボールを保持します。そこでの日本の守り方を見てみると完全に変わっていました。やはり35分に大迫へ出た指示はこの配置変更についてと言って間違いないでしょう。

 

ちなみにこのように変わっていました。

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大迫と南野が横に並んでいた最初の形から、縦に並ぶ配置に変わっています。

全体のバランスこそ悪くなりましたが、すべての場所において誰が誰にマークすればいいのかがはっきりしました。

 最初の形より、選手は迷いなくプレーができるはずです。

 

この対応策を伝えるまで35分かかりました。

遅すぎるぜ!

 

今まではなんとなく選手の判断に任せてもなんとかなってしまって、セットプレー・PKで取った1点を守り切って勝ち上がることができました。ただ決勝のカタールは日本がこの対応策を見つけるまでに2点を取りました。先制点の時間を見ると結果的に制限時間は12分だったわけです。2点目を取られるまでの制限時間は27分。対応したのは35分。ゴールは素晴らしいものでしたが、カタールには今までの戦い方が通用しなかったということです。

 

後半は最初に触れた中日の差でカタールが疲弊し、日本が押しこんで1点は返しました。ですが、終盤にPKを取られて万事休す。前半の2失点が重くのしかかりました。

 

 

日本の試合前の準備について

 

突然ですが、皆さん中学校や高校で定期試験を1度は経験したことがありますか?(ない方は想像してもらえると助かります)

一つの例えとしてその話をしたいと思います。

 

まず皆さんは試験前日に何をしますか?

多くの人は授業で取ったノートを見返すのではないでしょうか。

ではノートのどの部分を見ますか?ノートに赤字で書いてある部分であったり、計算式を解くための公式等、おそらく授業中に先生が「重要だぞー」という発信をした部分を重点的にやるのではないでしょうか。

全員がそうとは言いませんが、これが多数派なのではないかと思います。

 

何が言いたいのかというと、まず始めに出題されそうなところを重点的に確認しますよね?

 

これを今回の試合に置き換えます。

カタール先生はこれまでの授業(準決勝までの試合)で

4-3‐3と5‐3‐2のどちらかはテストに出る確率が高いよ~

ということを教えてくれていました。

カタール先生が意地悪だったら、このどちらでもない別の問題を出してきたかもしれません。でもカタール先生は優しかったので5‐3‐2という事前に提示していた問題を出題しました。

これに対して生徒の日本はどうだったか。

 

やべっ、この問題の対策してねえ。。

 

こんな状況です。

 

これって怠慢じゃありませんか?カタール先生はちゃんと出題範囲を伝えていました。しかも2つのうちのどちらかを出すよというところまで絞って。

でも生徒の日本は準備してこなかった。そりゃ厳しいです。

 

 

仮に準備をしていても、その問題が応用された少し難しいものになっていて解けなかったかもしれません。でも準備をしていなかったら絶対解けませんよね。

 

実際のテストでは「先に他の問題を解いてわからないやつは後回しにしよう」ができますが、サッカーではこ最初の問題を解けない限り同じ過ちを繰り返すこととなります。

 

生徒の日本は今までの知識をフル回転させて35分にようやく最初の解き方を見つけますが、試験時間は限られています。最初の部分を解くのに35分もかかったらテストで良い点数は取れないってわけです。

 

4-3‐3・5‐3‐2のどちらが出題されても解けるような準備。もっというとそれ以外が出題されても素早く対応できるだけの準備はするべきでした。

 

着地点としては

ちゃんと試験の対策をしよう

です。

もうこれ以上は何も言いません。

 

 

 

最後に付け加えておくと、日本チームにもスカウティングスタッフはちゃんと存在しています。自分で確認したわけではないですが、現場との交流がある方が発信していたのでおそらく事実です。つまり事前に対戦相手の情報は入念に調べているはずです。

ではなぜこのような状態になってしまったのか。それは視聴者にはわかりません。現場にいる人間にしかしかわからないなにかがあったかもしれません。

しかし、何らかの理由があったとしても、この問題点を解決しないことにはチームとして先には進めないのではないかと思います。

 

 

 最後に

 

今回この記事を作った理由としては1人でも多くの方にサッカーってこういう見方もできるよ!ということを伝えたかったからです。

また、日本サッカーの現状について知ってもらいたいのもありました。

 

普段はサッカーあまり見ないけどアジアカップは見ました!

サッカーよく見るけど、雰囲気を楽しんでます!

 

このような人たちにもサッカーというスポーツをもっと知ってもらいたい。日本代表の状況を知ってもらいたい。私はそういう気持ちでいます。

 

もちろんこうやって私のように戦術的に見ることを押し付けるつもりはありませんし、それぞれの楽しみ方で見てもらいたいと思います。ただ、最初にも言った通りこんな見方もできるよということを知ってもらいたいです。これを面白いと思って頂けたなら私は嬉しいですし、そうでなくてもこんな見方もできるんだなと思って頂ければ楽しみ方が異なっていてもお互いを理解することができるようになると思います。

 

今回のアジアカップという比較的話題性のあるイベントによって、1人でも多くのサッカーファンが生まれることを期待し、楽しみにしています。

 

 

 

長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました!

読んで頂いた皆様が今まで以上にサッカーを好きになってくれた、面白いと感じてくれたことを願いながら締めさせて頂きます。

 

それではまた!

終わり!!