がちゃのメモ帳

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2026 J1百年構想リーグ第4節 FC東京vs柏レイソル 雑感

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ショートカウンターでチャンス量産

序盤から柏の保持vsFC東京の非保持という構図で開始した中で、ペースを握ったのはFC東京。柏のビルドアップに対し、FC東京はまずミドルゾーンで構えてセットしたところからスタート。2トップが中央を抑えた上でサイドへ誘導し、パスの受け手に対して後ろから強く当たりに行く。そこでプレーの選択肢を後ろ向きにすることに成功してバックパスを誘発すると、2トップがCBにアタックへ出ていき、ボールホルダーへの圧力を高めていくというスイッチの入れ方をしていた。主に古賀→杉岡→古賀というパス交換の流れが多かっただろうか。そこで圧力を掛けた際に相手のミスが発生したところから一気にゴールへ迫るシーンや、中盤のトランジションでマイボールにしたところから縦に速く攻めるシーンを数多く作って柏ゴールを脅かす。

試合後のインタビューで佐藤龍之介が「ショートカウンターという狙いはありました」と言っていることから、ある程度高い位置で奪ってショートカウンターで仕留めるというのはプランとして持っていたのだろう。相手のミス起点もあったとはいえ、この点においてはある程度プランどおりに戦えたと言えそうだ。ただ、最大の問題はこの“ボーナスタイム”とも言える時間帯でゴールを奪えなかったこと。チャンスの数だけでなく、質で見てもここで無得点に終わったことが最終的な結果に大きく影響を及ぼした。

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(※コメント参照元)

 

苦しんだビルドアップ

プレスから、またトランジションからのカウンターでチャンスを量産した一方、ビルドアップでは苦戦。垣田がアンカー位置をケアしながら、シャドーがCBを、WBがSBを捕まえに来る柏のプレスに対して明確な起点を作れず、無理につなごうとしてロストする(→カウンターを食らう)シーンが散見された。17:55~、40:07~の稲村→常盤の2人の関係で1stプレスをくぐったシーンや、33:05~の稲村からスペースへ走る長倉へ送って深い位置で起点を作れたシーンなど、部分的には“回答”を出せている形もあったが、柏を困らせるだけのボール保持を見せられたとは言い難い。

また、保持局面においてヒアンがスペースに走ったり、相手DFを背負って受けるようなシーンがほとんど見られなかったことは気がかりな点。(鹿島戦での植田&キム・テヒョンコンビを除いて)ヒアンはこれまでの試合で相手CBを背負った状態で競り勝ってポイントを作れていたため、柏戦では強いプレスを受けた際に強引にでも起点を作ってくれることを期待していた。「競り勝てなかった」ではなく、そもそも競り合うシーンをほとんど作れなかったことが保持局面を難しくした理由の1つに挙げられるだろう。

 

垣田起点で保持ラインを押し上げる柏

前述した「ショートカウンターという狙いはありました」(佐藤龍之介)の言葉どおり、FC東京は高い位置での奪取を狙ってか、徐々に相手陣深い位置までプレスを掛けていくようになっていく。対する柏は、ショートパスのつなぎだけに固執せず、前線へ送り込む手段も見せた。そこでカギを握ったのが1トップに入った垣田だ。

FC東京は前線のプレスに連動して両ボランチも人を捕まえるために高い位置へ進出していくため、CB-ボランチ間にスペースが生まれる。そのスペースにタイミングよく垣田が下りてパスを引き出し、サポートした柏の選手がボールを引き取る。FC東京は柏の選手に前を向いて持たれた段階で背後のスペースをケアするためにラインを下げなければならず、柏がボール保持のエリアを上げていくという流れになった。

主に垣田のマークについていたのは稲村。前からプレスを掛けてボールを奪いにいくのであれば、CBが1対1で勝つ確率を高めなければいけなかったがつぶすことができず、ここは1つ課題が残ったと言える。

 

プレス強度を高める柏

柏は後半立ち上がりからプレスの強度を高めて、より“奪いにいく”色を濃くする。FC東京は最初はつなぎながらも外に開いたCBから前に蹴らざるをえなかったり、外→外で苦し紛れにつないでロストするシーンが顕著に。また、非保持でも高い位置で押し返せなくなり、一息つける時間がなくなる。川崎戦では機能していたヒアンと長倉による陣地回復もほとんど見られず。54分、柏が主導権を握っているうちに先制に成功した。

1点ビハインドになったFC東京は早めに長友→橋本健人で低い位置でのビルドアップ改善を図る。失点しないことよりも、保持の時間を作って流れを引き戻すことを優先に考えたのだろう。左足で質の高いパスを供給できる橋本健人が入ったことにより、一発で局面を打開できるようなパスが出てくるなど一定の効果は出ていた。この影響も含めて70分頃からはある程度攻める場面を作れるようにはなっていたが、ペースを握り返すまでには至らず、82分に柏が追加点を奪って2点差に。その後、長倉や仲川にビッグチャンスが訪れるも決め切れず、0-2で終了した。

 

総括

FC東京としては主導権を握る時間が短いなりにゴール期待値が高そうなチャンスの数は多く作り出したが、最後まで1点が遠かった。勝点獲得にフォーカスすれば「決め切れなかった」ことに尽きるが、目を向けたいのは強いプレスを受けた際にどうゲームをコントロールするか。カウンターでチャンスを作れればボールを持てなくても主導権を握ることができるが、それがかなわないのならばボール保持を安定させなければ苦しい展開を強いられてしまう。強いプレスを受けながらも稲村のところを起点にして、常盤の引き出しや長倉のスペースへのランニングで回避できる場面はあった。そうやって“手前”と“奥”を使い分けながらプレスを回避する確率を高めていければ相手もうかつに前へ出られなくなり、最終ラインがストレス少なくボールを持てるようになっていくはず。今回の反省を生かし、今後もう1つ先のステップへ進んでいくことに期待したい。

 

その他の議題

佐藤龍之介の先発起用

積極的にプレスを掛けてくることが予想される柏に対し、アタッカー要素が強い遠藤よりも、MF要素が強い佐藤龍之介を起用することで保持の安定を図りたかったのではないかと想像する。実際に見られた、ボランチ付近やSB位置に下りてきてビルドアップに参加するようなプレーは、遠藤の特徴とはマッチしないタスク。結果として効果は薄かったかもしれないが、起用の意図としては十分理解できる。次の相手であるマリノスもハイラインを敷いて強度高くプレスを掛けてくる傾向があるため、彼が続けて先発起用されるかもしれない。