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J1リーグ第15節 FC東京vsヴィッセル神戸 レビュー

がちゃです。

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プレビューはこちら。

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スタメン

 

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東京は永井が代表戦での負傷によりベンチ外となり、矢島が先発。また、大森が復帰して即スタメン。明治大学所属で特別指定選手の安部がベンチ入り。

 

神戸は欠場予想されていたイニエスタが復帰。また、GKにはキム・スンギュが入りました。

2トップが縦関係に近い形の4-4-2(4-4-1-1)というフォーメーションを使用。

 

前半

ボールを持ちたい神戸

開始から神戸はボールを保持してゲームを支配しようとしました。

東京が前から追いかけてくるとGKを使いながら捨てずに繋ぎます。また、前プレによって東京の最終ラインが手薄になったと見ればシンプルにウェリントンを使っての前進も。

ボールをロストしたときには前からすぐに追いかけて蹴らせて回収を狙います。

神戸のビルドアップ

神戸は今まで通りCBを大きく開き、必要があればCHの山口を間に下ろす形を取りました。

 

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また、両SBはボールの位置に関わらず両者大外に張り付き、WBのような位置取り。

SHを内側に入れてSBが受けるスペースを確保します。

 

SBは大外に張り付きますが、山口が持った時には一本のパスで受けられるような高さで、ビルドアップにも関わります。

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山口は右利きなので右の西の方がより高い位置を取ることができます。

ビルドアップだけでなく、2トップの1stラインを突破した後にも中央で持った時には一本のパスで受けられるかつ高い位置を取れるように立ち位置を修正していたように見えました。
 

東京の守備基準としては2トップがまずはCH消すことが最優先。山口はもちろん、イニエスタに高い位置で持たせたくないので中央を締めながらCBに寄せていきます。

大きく開いたCBを2トップで見切れない場合にはSHが前に出て対応。そうすると神戸のSBが空いてしまうので東京のサイドバックがそこに連動して前へ。

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そうすると室屋の背後を内側から小川が狙ってきます。これに対しては髙萩が中央も気にしながらついていく決まり。

宮は左利きで上図スペースへの配球ができるのでここのスペースは意識しなければなりませんでした。

 

5分には似たような形から髙萩と室屋の位置をずらされて縦パスを許したところからビジャのシュートを許しました。(結果的にオフサイド

 

 

さらに序盤は神戸のCB・SBが外に大きく広がる陣形に対しての守り方がいまいち定まらず、サイドで圧縮しても逆サイドのCBとCHを空けてしまいそこからの攻撃を許してしまいました。

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序盤はやや前目から追う意思も見せた東京ですが、これがまずいとなったのか、10分すぎ頃から前からのプレスを抑えて全体の陣形をコンパクトにして対応しました。

 

サイドからのウェリントン作戦

こうすると神戸に後方で持たれることを許すことになります。

東京DFラインの前に神戸の攻撃的な選手が4人並んでおり、ここへの縦パスを入れさせたくない東京は中央を固めます。

しかし、そうなると浮いてしまうのが大外のSB。神戸は動いてDFをずらしてという作業をしながらシンプルなクロスを狙います。

もちろんメインターゲットはウェリントン。彼がいることで多少アバウトなクロスでも危険な雰囲気を出せていました。

 

 

東京としてはクロスを上げさせないのが最初の対応ですが、どうしても上げられてしまうこともあります。

そのときに東京DFは自分の配置につき、待ち構えるような状態を作るのが次の対応。

全体で配置につけさえすれば跳ね返せる選手が揃っているので、こぼれを回収してカウンターへ移るのが狙い。13分に小川のシュートがクロスバーに直撃したあとに室屋がシュートまで持ち込んだシーンはしっかりと配置につけたところからの流れでした。

 

 

15分あたりから神戸が押し込んで東京がカウンターという流れでお互いが惜しいシーンを多く作り出していきます。

 

東京 2つの狙い

東京はカウンターと右からのクロスで得点を狙います。

 

ディエゴ頼りのカウンター

神戸はSBが外に張り付き、イニエスタも中央にとどまらずに動くため、後方の真ん中に人が少ない状態となります。そうすると当然、奪ってからゴールまで直線的なルートでのカウンターが効いてきます。

この試合でCHに入り、組み立てとラストパサー役に徹していたイニエスタですが、プレスの回収になれていた一方でネガトラとセット守備では機能不全になっていることが多く、CH起用のデメリットは確実にありました。

ディエゴが背負ってから突破したり、大森がドリブルで中央突破したりと、相手の弱点を突くことはできていたと思います。

しかし、永井と久保が不在ということでDFを剥がせる、ボールを運べる選手がディエゴしかおらず、ディエゴ一人のやるべきことが多すぎる状況になっていたように見えました。普段であれば久保が運んでディエゴはフィニッシャーとして専念できるところが運ぶ役割も担わなければならないとなるとやはりゴール前での威力はどうしても弱まります。ちょっと持ちすぎている傾向が見えたのもその影響があると私は考えています。

 

 

大﨑周辺へのクロス

クロスでの狙いについてですが、前半では大﨑の背後でディエゴがフリーになるという場面が目立ちました。

これについてはCB宮の意識やポジション取りに理由があるのではないかと推測しました。

 

東京から見て右サイドにボールがあるとき、ハーフスペースをカバーするのはCBかプレスバックしてきたSHでした。CHのイニエスタにはこの仕事がありません。

これで宮はクロスの準備をしながら前向きの意識も持たなくてはならず、どうしてもゴール前でどっしりと構えて待つことが難しくなっているように見えました。

こうなると大﨑は宮の背後をケアしながら対応しなければならず、しかもそこにいるのはヘディングでのゴールを取れる矢島。目の前の矢島を抑えようとすると背後のディエゴが空くという構造でした。

大﨑の後ろの選手もそこを詰められず、実質誰のマークもしていない状態に。

プレーが切れた後に大﨑が宮と自分の後ろを守るDF(その時は初瀬)に「もっとDF同士の距離を詰めてくれよ」といったようなジェスチャーをしていたのが印象的でした。

 

 

前半まとめ

神戸は保持時の初期配置が整理されていて、大外、ハーフスペース、中央と全てのレーンに人がいる状態を作り出していました。逆に前と外に人を配置していることで山口のところを突破されてしまうと2CBしか残っていないネガトラには弱点がありました。

東京としてはいつも以上にSHのボールへの出方やCHのカバーリングに気を使って守り、前向きで奪ったところからすぐにFWへ。矢島がつぶれて残すかディエゴが一人で収めるところからカウンターという流れが狙い。

神戸もネガトラ設計自体に問題があるのは承知だったのか、帰陣のスピードは非常に速く、東京は戻り切る前にシュートまで行きたい。得点には至りませんでしたが、室屋が抜け出してきたシーンやディエゴが単独突破を試みたシーンは帰陣する前に攻めきれたシーンでした。

 

また、非常に印象的だったのがウェリントンの使い方。

東京ゴールキックの際にわざわざ中盤まで下りて競り合う。東京には圧倒的な空中バトラーはいませんが、ロングボールからの事故防止なのか、ここは徹底していました。

また、東京陣内でのネガトラの際には積極的にボールホルダーへのアタックやバランスを崩しているスペースを埋める動きなど、守備で積極的な姿勢も見せます。

既に触れた通り、攻撃ではターゲットになれるという強みもあり、この試合でのウェリントンの貢献度は非常に高かったように思います。

 

 

 

後半

 後半開始後も構図は大きく変わらず、神戸がボールを持ち、東京がボール奪取からゴールを狙う展開。

前半よりもはっきりと山口がCB間に下りてビルドアップするようになったことが変化と言えば変化なのかもしれません。

 

 すぐに破れた均衡

先制点は後半開始すぐに生まれました。イニエスタのスーパーゴール。

シュートについてはイニエスタにしかできないような素晴らしい技術によるものだったと思いますが、そこまでの過程がどうだったのかを振り返ります。

 

まず起点となったのは大﨑の縦パス。

神戸最終ラインでパスを回しているときに2トップが二人ともアンカー位置にいるイニエスタに張り付いてしまい、大﨑がフリーに。この時に髙萩が少し前へ出て睨みに行きますが、東京CHの背後に神戸の選手が3人いるエリアを使われます。

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前に出た髙萩の脇に出てくる三田を橋本が捕まえに行きますがウェリントンがスクリーンのような形になり、邪魔をされます。それによって三田がPA手前で時間を得て、サイドへ振られます。

大森がサイドのサポートに行ったことで中盤が手薄になり、そこに入ったイニエスタに仕掛けられました。

ボールが逆サイドに流れてから西に仕掛けられた場面では小川と東の二人が対応しますが、どちらが1stDFとして対応するのかが曖昧になってしまい、結果として距離が遠い東が縦の突破に対応しなければならずクロスを許しました。

 

この失点シーンで個人的に気になったのは大﨑への対応と西への対応の2つ。

大﨑のところは基本的に2トップが見ることになっていたとは思いますが、ここでは見切れませんでした。では2トップで対応できなかった時にはどのように補うのか、という部分がふわっとしてしまったように思います。2トップのサポートが来るまで陣形を守って受ける準備をするのか、SHかCHがはっきりと前に出て出所を消しに行くのか。

実際には髙萩が少しだけ出ていき、プレッシャーもかからず、(少しですが)場所も空けてしまう結果に。

失点直後の51分頃のシーンでは矢島が大﨑にプレッシャーをかけたところからボール奪取に繋げており、準備していたであろう形が実を結んでいただけに悔やまれる失点でした。

 

西の仕掛けについてはSBとSHの連携のところでしょう。

東京のサイドでの守備はSHが積極的に参加してSBと二人で連携して守るような形。このときに1stDFとなったほうが縦を切って、サポートが内側でカットインのコースを切るのがベースの配置になると思いますが、これがはっきりしない場面がたまに見られます。

状況によって選手の役割や対応の仕方が変わるので、選手同士の連携を高めるという話になりますが、ここが向上できれば、そもそもクロスを上げさせない守備ができたのではないかと考えました。

 

また、東京のカバー意識の高さから最終ラインにMFが吸収される場面が多くなったことが、イニエスタの仕掛けや西のクロスを許す理由の一つになったように思います。

 

 雰囲気を変えるコリアン戦士

得点を狙いたい東京は64分に二枚替え。

矢島・大森out

ユ・インス、ナ・サンホin

より機動力があるコリアンアタッカーを二人投入します。

 

比較的中央にとどまる矢島からサイドにも流れてくるインスになったことでサイド高い位置での起点づくりが増え、突破力のあるサンホが入ることでスピード感が出たことで交代による変化はついていました。

 

スピードとドリブルスキルに優れるサンホを入れたことでそこからの突破はもちろんですが、得点パターンとして狙いたかったのは室屋のクロス。

サンホをDF1枚で対応するのは怖いと感じてか、神戸はサンホにSBとSHの二人で対応するように。それによって室屋は浮きやすくなりました。

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※イメージ図

サンホが入る前からも右からのクロスはありましたが、より狙いどころになったはずです。

2枚替え直後の65分には髙萩が3列目から出てきてフリーで合わせる場面がありましたが、うまくいかず。

本来であればヘディングに強さがある橋本にこの役割をさせたいのですが、そうなると髙萩が後ろでリスク管理役になってしまい守備面で不安が残ります。ここのバランスは非常に難しいですが、大分戦のように機を見た橋本の攻撃参加は今後の得点力向上には必要な要素になってくる気がします。

 

70分頃からは髙萩がベースポジションを上げてPA付近でのパスの経由係のような役割を担います。名古屋の長谷川アーリアが2トップに入るようなイメージでしょうか。

これによって崩せそうな雰囲気は出ましたが、神戸も最後のところは集中して抑えてきます。

 

東京は残り10分で安部を入れて中盤の強度を強化。

神戸は後半残り15分程で守備にも走れてカウンター要員にもなる古橋を入れ、終了間際には守備強度に不安のあるビジャとイニエスタを下げてクローズ体勢に。

 

神戸陣内PAへは度々侵入しましたが、カウンターをちらつかせながらクローズされて試合終了。

ホーム初黒星、今季2敗目を喫しました。

 

東京0-1神戸

まとめ・感想

配置を整理してきた神戸ですが、やはりイニエスタの存在の大きさには触れなければならないでしょう。特に前半のチャンスはほとんど彼から生まれていたように思います。

配置を取れるようになったことが間接的にイニエスタを輝かせる要因にもなりました。

 

一方でネガトラ不安はあり、東京としてはそこを突ききれなかったことが無得点に終わった理由の一つでしょう。永井も久保もいないことでディエゴが収める・運ぶ・シュートを打つの3つの役割のうち少なくとも2つ(3つ全部やろうとした場面も)はやらなければならず、カウンター場面でシュートを打つ余力を残せなかったように見えました。

また、クロスからのシュートがことごとく枠外にそれていったことも痛かったです。

神戸のクロス対応には明らかに問題が生じていましたから、前半のうちに1つは決めなければならなかったでしょう。

 

ほぼ完ぺきに抑え込まれた13節セレッソ戦とは異なり、点を取れそうな場面は多くあったので、勝てるゲームを落としたという表現になると思います。

 

 

神戸側から見ると目立ったのはウェリントンとキム・スンギュ。スンギュは2回のスーパーセーブ(1回は自作自演ですが)で相手に流れを渡さず、ウェリントンについては外国籍選手とは思えないような多く課されたタスクをきっちりと遂行しました。

中心は間違いなくイニエスタですが、チームを支えているのは皮肉にも外国籍枠の都合でベンチ外になることが多かった2選手という試合でした。サンペールとダンクレーが戻ってくる次節、またポドルスキが返ってきたときにどのようなメンバー構成でバランスを保つのかは見どころでしょう。こう考えると神戸の監督は大変ですね。笑

 

おまけ

神戸のpick up player

ウェリントン

空中戦での圧倒的な強さを生かしたプレーはもちろん、献身的な守備でビジャを補完するような働き。ゴールキックでは中盤まで下りて競り合うほどのプレーエリアの広さ。外国人選手は戦術理解という部分で起用が難しいことも多いですが、ウェリントンは周りの状況を見て気を使った判断をしていたように感じました。

プレスががきつくなればウェリントンにロングボールを蹴っ飛ばし、守備に穴が空けばウェリントンに埋めてもらう。攻守において「困ったらウェリントンにお願い!」作戦といっても過言ではないくらいの働きぶりでした。

 

 

久保建英の移籍が正式に決まり、ここからは彼がいない状態で戦っていかなければいけません。

戦力ダウンは否定できませんが、ここからがチームとしての真価を問われる戦いとなります。

エースがいないと勝てないのか、エースがいなくても勝てるのか。

その姿を見届けましょう。

「日本代表の進む先とは?」 コパアメリカ 日本vsチリ レビュー

がちゃです。

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コパアメリカメンバー編成まとめはこちら。

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スタメン

 

 

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日本4-2-3-1、チリ4-3-3(4-1-4-1)となった。

日本は前田が右SHに入ったところ以外はおおよそ予想通りのメンバー。おそらく1stチョイスのメンバー。

 

チリの選手名は割愛。左WGサンチェス、左IHビダル、右CBメデルあたりが有名どころだろうか。

 

 

前半

 

日本もチリも相手が持つと前から人を捕まえに行き、自由には持たせないよ!という意思を見せる。

 

日本は1トップ+トップ下の二人でアンカーを見ながらCBにアタック。

左SBにパスが出たところでスピードのある前田が寄せきってミス誘発を狙う。

 

この時にCHに入る中山が下りるIHにがっつりついていくのが特徴的だった。

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前田が寄せたところで逃げ場を作らせないために中山がCHの位置から出張してくる。

けっこう深い位置までついていくので中盤中央は柴崎がカバーするかCBが前に出て対応しなければならない状態。(前二人でアンカーを見れていないときは柴崎も人を捕まえに出ていく場面もあった。)

中盤はスカスカになるわけだが、そこで繋がせなければ問題にならないので、日本としては前田のプレスを基準としてボールの回収を行い、あわよくばそのままカウンター、という形を狙いたかったと思う。

 

しかし、チリに中央の空いたエリアをことごとく使われていた。

それはサンチェスのところを潰せなかったためだと私は考える。

 

チリは左SBにパスが出てからサンチェスに預けるパターンがほとんどだった。

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サンチェスは高さはないが、フィジカルが非常に強く一人でもキープできてしまう選手。対して日本の右SBに入った原はそこまでボールホルダーを潰せるタイプでもなくここでのミスマッチ感は少しあった。

また、前線&CHは前にプレスをかけに行くのに対し、最終ラインが押し上げられず中盤エリアが間延びしていることも難しくさせた原因になったと思う。

案の定ここで取り切れない日本は中山の背中にできたスペースを使われる展開に。

 

左SBからボールを受けたサンチェスは中にドリブルしたり、サポートにきたビダルを使うことでプレスを回避。

中央でプレスバックがきて時間がなくなりそうであれば逆サイド(日本の左サイド)に展開する。

 

 

前田のプレスからうまく奪えない日本にさらに問題点が発生する。

左SHに入る中島の守備である。

 

中島はテクニックがあり、チリ相手でもある程度1対1でも突破が計算できる選手だと思う。それゆえに守備の仕事をおそらく免除していた。

というより、免除されていないとしたら驚くほどのサボり方なので免除されていたことを願う。

右サイドで自陣深くまで戻ってくる前田に対して、中島は自分よりボールが後ろに行くとほとんど戻ってこなかった。

 

 

チリのストロングサイドが右で(実際どうなのかはわからないが)たまたまそうなったのかもしれないが、チリは明らかに中島が戻ってこない日本左サイドへの展開を狙っていた。

 

そうすると日本の左サイドには守備の無理な部分が出てくる。

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※チリ右SBが持った時の配置イメージ

 

寄せに行けるのは左SBの杉岡かCHの柴崎(場合によっては中山)。

杉岡が出てしまうと右WGに背後を突かれてしまうので出にくい。実際、ボールに行って簡単に背後を取られたシーンがあった。

また、CHが寄せに行くと中央が空いてしまうが、誰も寄せに行かなければ右SBから自由にクロスなりパスなりだされてしまうので仕方なくCHが行くしかない。

しかし、ボールサイドのCHが寄せたところでチリ右SBの横にはIHがサポートにいる。CHが寄せてきたらIHを利用して自ら裏に抜けていきボールを引き出す。

正直、日本からしたらこの状況になってしまうと、どうにもできない雰囲気はかなりあった。

 

 

ビッグクラブでも攻撃的なタレントが守備を免除されるケースは多々ある。

例えばユヴェントスロナウドリヴァプールでは強力3トップ(ここについては守備に戻ることもあるが)。

それによって無理をする場所は必ず出てくるのだが、ユヴェントスではマテュイディやアレックス・サンドロが、リヴァプールでは中盤の3人が強度を持ちつつ死ぬほど走ってカバーできる。

 

ではこの試合の日本はどうか。

誰が見てもマテュイディミルナーのようなハードワーカー兼潰し屋の選手はいないし、1人で2人を見れるようなDFもいなかった。

そうなれば中島の穴は埋められない。

 

結局日本はそのサイドを突かれて与えたコーナーキックから失点する。

 

うまくいっていないなりに0-0で折り返せればまだよかったと思うが、それすらも打ち砕かれてしまった。

 

 

後半

 

後半開始から見ているとやや高い位置では中島が積極的に守備をするようになった気がした。とはいっても深くまでは戻らないので免除の範囲を狭めたのかもしれない。

 

そんなんを気にしている間に日本は2失点目を喫する。

またしても日本左サイドから攻められた。横パスでCHをつり出してから空いた中央でコンビネーション。バイタルで浮いたCFバルガスが上がってきた右SBへ展開し、DFラインが下がったのを見てバイタルに残っていたバルガスに戻す。パスコースも切れず、シュートブロックにも入れずでシュートは冨安に当たって枠の中へ吸い込まれた。

 

ここで個人的に気になったのは中島の守備における役割と中山のポジショニング。

まず中島の守備から。

この失点シーンの起点となったサイドから中央にパスが出たシーン、中島は一応守備に参加していた。ボールホルダーには付いていかないもののパスコースを切る素振りは見せる。この時中島が意識したのは真後ろにいるSBへのバックパス。やり直しをさせずにサイドで囲い込みたい意図だったかもしれないが、これによって中にいたビダルへのパスコースが空いた。

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ビダルのヒールパスも見事だったが、ここにパスを入れられたことで柴崎が引き出されて誰もいなくなった中央のエリアを使われてしまった。

中島がビダルへのコースを切っておいて、バックパスが出たらSBに寄せに行くという判断でもよかったのではないかと感じた。

さらにこの後の展開で中島が右SBについていっていればクロスは許さなかったかもしれない。ただ、そこはチームとして行かなくていいと決まっているのかもしれないので何とも言えない。

 

 

次に中山のポジショニング。

ビダルにパスを出された後、中山は中央のエリアを埋めるよりもPAに走りこむビダルについていくことを優先した。その結果としてバルガスに中央で持たれることを許してしまった。

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そして右SBに出た後も中山はビダルに引っ張られてバイタルを誰も埋めていない状況になる。慌てて戻ったが、シュートを全く妨害できずに失点。

これについては中島が戻らない負担もある上、チームとして誰がどこを埋めるのか決まっていない可能性も考えられる。

この一連の流れで中山が何を基準に守備をしているのかが不透明で色々なところで後手を踏んでいた印象であった。

 

 

66分選手交代。

中島、前田out

安部、三好in

両SHを交代。

ちなみに安部は普通に自陣深くまで守備に戻っていた。

 

 

82分、3点目を奪われる。

またしても日本左サイドを起点とされた。安部がしっかり戻って対応したことで人数的な問題は発生しなかったが、ハーフスペースに侵入する相手選手に対して中山が競り負けてクロスを許し、ファーでサンチェスに合わされた。

中山個人の対応もだが、大外で張っていたサンチェスに気を取られた原が埋めるべき位置に戻るのが遅れて先に前へ入られてしまった。駆け引きはあったと思うが、リスク管理が甘かったかもしれない。

 

83分、立て続けに失点し4失点目。

柴崎の処理ミスからボールは裏に抜け出したバルガスへ。飛び出した大迫の頭を越える浮き球でシュートを打たれて無人のゴールへ。

DFが1人対応できる距離にいたので大迫はゴール前にステイするべきだったと思う。

 

 

この後もボールは持たせてもらえたが、最後のところはしっかり抑えたチリ。そのまま終了。

日本0-4チリ

 

 

感想

 

安部が普通に守備をしていたのを見ると、守備を免除するのは左サイドのアタッカーではなく中島限定のようだった。

チームの設計であれば守備に戻らないというのは問題ではないが、そこの守備をどう隠すのか、また、守備免除の分、攻撃にどう生かすのかという部分が見えにくかった。

結果的にここの守備の穴を突かれたことが失点に繋がり、攻撃で脅威になれたかというと何とも言えないところ。

 

また、上田→前田のプレスで取り切れなかった(何回かは引っ掛かったが)のに守備の方法を変えず、中山&柴崎もずっと前に出てくる。ここは修正する部分ではなかったのか。どちらが正解というわけではないが、同じような攻撃を許しているのに同じような守り方を続けているのは不思議だった。

 

加えて右SB原の起用は正しかったのか。

相手には屈強な左WGのサンチェスがいることは分かっていた。決して原がだめだったわけではないが、今回の招集メンバーで言えば、本職はCBだがSBもできる立田を右SBで起用する選択肢もあったはず。

長身かつ1対1に強い立田だからと言ってサンチェスを抑えられたかはわからないが、前田のプレスを基準とするなら、より勝てそうな立田を右SBで起用しても良かったのではないかと個人的に感じた。

 

 

この試合大きい枠で見ると3失点に絡んでしまい、悪い意味で目立ってしまった中山。

そのうち2点は競り負けから生まれたものなのでコンディション云々もあると思うが、個人能力だけの問題かと言われると一概にそう言い切れない気もした。ポジショニングについてはどこまで設計されているか不明であり、どこか迷いながらプレーをしている雰囲気があった。

 

 

結果は0-4と大敗になったが、相手のミスをダイレクトにチャンスへつなげたシーンは良かったと思う。上田が全部決めきれずに無得点となってしまったが、いるべき場所にいたからこそ決定機を迎えられたということでもある。いつになっても決めきれないようなら代表には入れないが、彼にはあの決定機を決めきる能力があると思う。次に切り替えて頑張っていただきたい。

 

 

 

次節も同じメンバーで臨むかは不明だが、この試合で出た課題にどう手を付けるのかは見なければならないと思う。個人のクオリティ不足もいくらかはあるだろうが、それだけで片づけてはいけない部分は多いはず。

大きい大会で経験を積むことだけでなく、格上のチームに対してどのように戦えば勝ちに近づけるのかという姿を見せてほしいものである。

 

J1リーグ第15節 FC東京vsヴィッセル神戸 プレビュー

がちゃです。

 

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代表ウィークの中断期間を終えて再開するJ1リーグ

最初の対戦相手は新監督を迎えたヴィッセル神戸

そんな神戸戦の展望を行っていきます。

 

 

予想スタメン

 

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主な欠場者

東京

久保(コパアメリカ

岡崎(トゥーロン国際)

田川(怪我)

ジャエル(怪我)

※大森の状態が不明

 

神戸

ポドルスキ(体調不良?)

サンペール(警告累積出場停止)

ダンクレー(退場による出場停止)

イニエスタの状態が不明

 

 

東京はチャン・ヒョンスが出場停止が空けて復帰予定。コパアメリカ参加で離脱中の久保のところにはナ・サンホを予想。状態によっては大森のスタメンも。

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※追記

永井ではなく矢島が先発の可能性あり。 

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神戸は監督交代があり、布陣が不明。そして新監督が就労ビザの関係でFC東京戦に間に合うか不透明。

www.sanspo.com

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※追記

フィンク監督の新体制が始動しました。

 

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過去のチームでは2CHの片方をCBの間に入れるビルドアップを使っていた傾向があるということで4-4-2のシステムを予想していますが、全く読めません。

古橋が復帰という情報もありますが詳細は不明。小川が入る可能性も。

 

神戸の戦い方

おさらいする意味は薄れてしまいますが、事前情報があまりにも少ないので吉田体制の振り返りをします。

 

吉田体制

基本は4-3-3や4-4-2をベースとしていましたが、直近2試合では3-4-2-1を採用。

結果も1勝1分けと結果だけ見れば復調の兆しもありました。

 

4バック時に見られたSBが大外に出ていったときにSB-CB間をどう埋めるのか、左CBに入る大﨑の右足を見られたときにどうするのか、という2つの問題を3バックシステムにすることである程度解決することはできました。

 

 

 4バック時

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3バック時

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システム変更によって最終ラインの問題は解決しましたが、4バックでも3バックでもあまり変わらなかったと感じた部分もあります。

バイタルの埋め方です。

 

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ここまでCHの絶対的なレギュラーとして試合に出続けている山口ですが、彼はかなり意識的にスペースのカバーリングを行います。

一方で相方となるCH(主にサンペールや三田)は守備時の動きにあまり規則性を感じず、戻ってきたりこなかったり。チームとして役割を分担しているのかもしれませんが。

 

ということで山口の脇は比較的空きやすい。敵陣深くまで侵入してからのマイナスクロスは効くと思います。

 

 

新体制予想

フィンク新監督が指揮を執るのかは微妙なところですが、チームの状況を見て口出しはするでしょうから、色々と修正がかかる可能性は高いです。

 

ボール保持

主軸のCBダンクレーが出場停止ということで4バックで組むと思われます。

山口をCB間に下ろした3バック化でのビルドアップ。SHを内側に入れてSBを高い位置に上げる。右サイドだとSBが西なのでSHが外に張ってSBが内側を走ってくるというパターンも使えます。2トップのビジャとウェリントンは極力中央から動かさないように。

そんな大枠をイメージしています。

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神戸ボール保持時の噛み合わせはこちら。

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前から見ていくと、まず3バック対2トップで数的不利。いつも通りであれば、2トップがアンカー化している三田を抑えながらボールホルダーに出ていき、2人で追いきれないところはSHが前に出て対応。前に出させないように迎撃し、神戸陣内に閉じ込めるような展開が理想です。

 

これをやろうとしたときに今回厄介なのが神戸には空中戦に強いウェリントンがいること。SHが左右のCBへプレスに行くと、SBも連動して神戸SBを捕まえに行く。そうして後ろが手薄になったところでウェリントンに放り込む。これをやられると非常に嫌ですね。

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一方で神戸は前4人にアタッカータイプを置く可能性が高いため、アンカー周りのサポートは薄くなるはず。欲を出して繋ごうとして来たとき、ロングボールを跳ね返せたときには中盤が空きやすい構造になります。

 

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相手のパス回しを中盤で奪いきれた時、ロングボールを跳ね返せたときにこのスペースを素早く使えるかどうかはポイントになるかもしれません。

 

 

あと一つ加えると左CBの宮はパスコースが見つけられなかった時にボールを持ちすぎる傾向があるのでそこは狙いたいですね。

 

ボール非保持

ビジャが入る場合は前からガンガン追いかけてくる可能性は低いでしょう。

ウェリントンが走り回ってビジャはコースを切りながら後ろでは人を捕まえる。そんな守り方になるのではないでしょうか。

 

東京としては橋本を最終ラインに落とさず、中盤で受けさせることに集中させたいです。そこを徹底して捕まえてくるのであれば脇に東を入れて起点を増やす、SBがついてくるのであればその裏を永井が狙う。そんな展開で裏スペースのケアをするのか、中盤での繋ぎを邪魔にしに行くのか、という判断を突き付けていきたいです。

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橋本を捕まえに来たら東がサポート

 

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東も捕まえに来たら裏に永井を走らせる

 

 

そもそも神戸が追いに来なければ東京は落ち着いてボールを保持できます。

どこまで守備を整理してくるかは未知数ですが、今シーズンは中盤選手の守備意識や基準が非常に曖昧だったので、(チームスタイル的に)東京があまり得意ではないボール保持でもチャンスは作れるのではないかと思います。

 

 

注目ポイント

①神戸のスタメンとフォーメーション

スタメンに入った選手の特徴も含めてここは序盤最注目ポイントでしょう。

ウェリントンがいるかいないかでも全然違いますし、中盤の構成が4枚なのか3枚なのかでも人の捕まえ方が変わります。

 

スタメン発表時のメンバーやキックオフ直後のフォーメーションは意識して見ましょう!

 

 

②神戸ビルドアップ時と非保持時の配置

ビルドアップの際にCHが下りるのか否か。SBが大外で張るのか中盤で内側へのサポートにも来るのか。

前から追ってくるのか後ろでセットするのか。

ここは攻守の軸になる部分なのでいち早く構造に気付くことが重要になります。

 

神戸が後ろでボールを持った時の山口や両SBの立ち位置は注目です。

 

 

③SB-CB間の埋め方(中盤選手の守備意識)

リージョ&吉田体制時にあった大きな課題。

吉田監督は3バックにすることで一部解決しましたが、4バックに戻すのであればこの部分の修正は必須。山口だけでなく他の中盤選手にも同じようなスペース管理を落とし込むべきだと思います。

特に修正されていなければ、吉田体制の項で挙げた弱点はそのまま表れるはずです。

東京が大外でボールを持ち神戸SBが外に出てきたとき、間のスペースを誰が埋めるのか定まっているかどうかは個人的な注目ポイントとなります。

 

 

 

この3つに限らず、それぞれで注目ポイントを意識した上で試合を見て楽しみましょう!

FC東京外国籍選手列伝 2014~

 

 

 

がちゃです。

 

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ジェイさんとtkqさんから始まったこの流行りの企画にミーハーなので乗らせてもらう。

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新米サポなので2014年からの短い期間のみ。

 

先陣をきった獣さんがしっかりしたやつを作ってくれているので、こちらのおまけ程度のものを書くとする。

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マッシモ・フィッカデンティ(2014~2015)※監督

いきなり選手ではなく監督からぶち込む。

イタリアからの刺客。寺本さんというシュッとした顔立ちの通訳さんがいた。

 

2012から2年間ワンツーサッカーを軸にしていたが、そこに守備の強固さも加えたらいい感じになるんじゃね!?という考えのもと(実際どうかは知らない)招き入れた。

就任初年度の2014年は「守備?なにそれ美味しいの?」状態であったFC東京守備陣に「ディフェンスとは何ぞや」を叩き込み、見事に失点を減らした(前年度比-14)。

なお、攻撃面でもワンツーサッカーをきれいに消し去ることで得点も減らした(前年度比-14)。東京サポにはおなじみの「全消し」である。こんなはずでは。

※全消しとはゴール前で2~3人がシュートブロックに入ったりするようなチーム全員でゴールを守るような守備意識を指す。と思う。定義は曖昧。

 

基本的に守備ベース&攻撃はタレントにお任せという要素が強い。ロースコアになることが多いこともあって、みそ汁の味つけに塩を入れるくらい塩分濃度は非常に高かった。みそに塩味入ってるから!

でも勝てば良いのだ。

その守備的な戦術から、イタリアで守備的な戦術用語として使われる「カテナチオ」とFC東京のスポンサーであり前身チームでもある「東京ガス」を組み合わせた「ガスナチオ」という言葉を生み出した。

 

続投を望む声もあったが、2015年シーズン終了後に契約満了となった。マッシモサッカーにおける攻撃の戦術兵器、武藤と太田がどちらも退団となってしまったため、仕方なかったと思う。

2015年にチーム史上最高順位の4位という結果を出したことから感謝しているサポーターも多いはず。鳥栖では残留を達成しながらも、なかなかうまくいかずに解任となってしまったが、東京サポはマッシモを愛してるぜ!アモーレ!

 

 

チャン・ヒョンス(2012~2013、2017~)

戻ってきたファイター。

2012からは見ていないので分からないが、2017年からは韓国代表のレギュラーとして圧倒的な実力を発揮。

2017年に入団したときは元々つけていた背番号の20を前田遼一がつけていたため、48番を選んだ。ちなみにこれには意味があってヒョンスがFC東京でデビューした日付が4月8日なのである。オシャレな選び方するね。前田退団後は普通に20に変更した。

徴兵の手続きで色々ごたごたがあったらしく、代表チームから追放されてしまったが、その分東京で暴れて頂きたい。

 

 

エドゥー(2014)

ドイツのシャルケに在籍し、CLで得点も決めているというそれなりに実績の選手が中国で結果を出して日本に渡ってきた。

屈強な肉体を持ち、鬼フィジカルでの高いキープ力、ワンステップで繰り出される重さのあるシュートなど助っ人外国人らしい特徴でFWのレギュラーとして活躍。

無駄な警告が多く、確か累積7枚くらいもらってた記憶。リーグ戦終盤の試合で累積8枚目をもらって「2試合出場停止じゃん」と思っていたら、その試合中に2枚目の警告で退場し、出場停止を1試合に収めるという法の抜け穴をつつく作戦を決行した。(わざとじゃないよ!)

 

一年で退団した後は韓国の強豪全北現代ACLにも出てた。全北では金髪にしていたが、正直似合っていなかった。あなたは黒髪の方が綺麗だよ!

 

マテウス(2014)

CB森重の相方としてかなり期待されて入団したものの開幕する前に大怪我を負って結局1試合も出場することなく契約解除となった。

おそらくチームにとって彼の怪我は大誤算だったと思う。

 

カク・ヒジュ(2014)

マテウスの怪我に伴い緊急で補強された。

筆者が見に行った試合でたまたま出場したのだが、カップ戦で2試合出ただけ。

正直名前しか覚えてない。すまんな。

 

カニーニ(2014~2015)

マッシモコネクションで連れてきたイタリア人CB。

イエローカードは決定機を阻止するために1回使える!」という考え方を持っているような守備をする。

独特な間合いから急に足がスッと出てきてボールを奪う。

絶対的な選手になり得なかったので1年もいなかったが、個人的に結構好きな選手だった。

 

ラサッド(2015)

謎の練習生から始まり仮契約を勝ち取ったが、約一か月程の短期契約だったことですぐに退団した。

ラサッド・ハッサン・ヌイウィとどこを取っても日本人には微妙に発音しづらい名前ということと、特徴的な髭と長髪から雰囲気はすごかったことだけ覚えている。

 

 

ネイサン・バーンズ(2015~2017)

武藤の後釜候補生の1人。オーストラリア代表。

ドリブルが独特でサイドで仕掛けさせればそこそこクロスを送れた印象。どちらかと言えばサイドの選手。

普通にうまかったと思うが、2015はシステム上2トップしかポジションがなかったこと、2016は阿部拓馬という日本人の優秀なドリブラーを獲得できたことで出場機会は増えず。

色々とタイミングが合わなくて不運だった気がする。

 

サンダサ(2015~2016)

武藤の後釜候補生の2人目。

長身でストライカータイプのスペイン人FW。

長身だが、空中戦やヘディングが強いわけでもなく、足元でチョロチョロやってた印象。なんで身長に恵まれた選手ってこうなるんだろうね。

いわゆる懐が深いと言われるようなキープ力があり、ポテンシャルの高さは感じたが、なんせ得点が取れなかった。「ここで決めたらケチャドバ間違いない!」というPKもあっさりミスし、それ以降は見切られた感じに。

 ちなみに筆者はサンダサのためにスペイン国旗の小旗を購入したが、それを使うことは一度もなかった。

 

 

ブラダ・アブラモフ(2015)

権田のオーバートレーニング症候群という突然のアクシデントによりシーズン途中で補強された。

3位フィニッシュを目指していたリーグ終盤の浦和戦で柏木にプレゼントトスを送って先制を許した印象が強く残っているのだが、8試合中5試合でクリーンシートを達成しており、普通に貢献してた。

退団した後もSNSで東京を気にかけているような発信があってすごくいい人。

 

ユ・インス(2016~)

東京サポの弟。かわいい。

泥臭いタイプのFWでシュートのこぼれ球への詰めは絶対にサボらない。サボらないご褒美で何得点か決めてる。

2016~2017はJ3U-23チーム得点王みたいな立ち位置だったが、その献身性でトップからも何度か声がかかっている。レギュラーになるには絶対的なものがまだ足りないかな。

あと肌がとても綺麗。

 

ハ・デソン(2016)

配球もでき、韓国人らしいハードなタックルもかませる中盤の選手。

そのパスの軌道は美しさすらあり、当時の東京にいなかった司令塔タイプのボランチ。チームの中心的存在になりそうだったが、序盤に怪我で離脱してしまい、その後は出場機会がなくなった。

サポーター向けに作られた、選手のグッズが出てくるガチャガチャを回した際に秋元のグッズが出てきたのを確認した直後、「いらね」と言わんばかりにポイ捨てする畜生っぷりも見せた。(※もちろんイジリのネタとしてやってるよ!)

 

ムリキ(2016)

Jサポにはおなじみのあのムリキである。

入団直後は腹が出ていて大丈夫かと不安になった。

それなりには貢献したものの、広州恒大での活躍を知ってる身としては期待通りとは言えなかった。

4‐2‐3‐1の左SHとしての出場がメインだったが、守備という概念を忘れてしまっていたようでトップ下に入る東がかなり介護していた。

突然髪の毛を剃り込んでくるのでびっくりする。

 

 

ピーター・ウタカ(2017)

かわいい。2016得点王の獲得。

暗黒の2017年で残留に貢献した一人。何もないところから急に得点を生み出せる特殊能力を持っていた。足元が非常に上手く、キープ力やパス、シュート技術に優れた選手。

おでんが好き。

 

ジャキット(2017~2018)

タイコネクション。

U-23でしか出場しておらず、正直なところ全然プレーを見たことがない。すまんな。

 

 

リッピ・ヴェローゾ(2017~2018)

FC東京のレジェンド外国人ルーカスのコネで来た。

チーム状況がけっこうやばかったのに即戦力じゃない若手の外国籍選手取る!?という疑問はかなりあったが、本人は何も悪くない。

トップチームに絡むことはほとんどないまま退団。

ルーカスコネクションの信用だけ失った気がする。

 

 

ディエゴ・オリヴェイラ(2018~)

神。FC東京の攻撃中枢。

体の使い方のうまさと圧倒的なフィジカルで鬼のようなキープ力を見せる。特にケツがすごい。3人相手とかでも普通にキープする。

それに加えて両足どちらも使える。柏時代に見ていた時に左利きかと勘違いするほど(実際は右利き)に上手かった。

彼のコンディションはチーム成績に直結し、彼が不調だった2018シーズン後半戦はチームの成績もかなり落ち込んでしまった。

柏からのレンタル契約だったため出場ができなかった2018年の柏戦(柏ホーム)では勝利後にスタンドでシャー(※勝利後にヒーロー選手がやる恒例のやつ)を行い、柏に戻るつもりはないということを公に表した。メンタル凄い。

 

 

リンス(2018)

皆さんおなじみの仕上げ担当。

東京に来てからも途中出場から決勝点を決めて、なかなかの仕上げっぷりを見せてくれた。勝ち点6くらいはリンスで拾った気がする。

チャントは乃木坂46の「おいでシャンプー

 

ナッタウット(2019~)

ジャキットに続くタイコネクション2人目。

全然プレー見たことない。すまんな。

 

アルトゥール・シルバ(2019~)

ダイナミックなプレーが特徴のボランチ

米本の退団を考慮し、即戦力の補強と思いきや、J3に送り込まれた。

最近ようやくトップチームにも絡んできたが、まだ未知数。懐が深く、キープ力はあると思う。

 

ナ・サンホ(2019~)

2018韓国2部リーグ得点王。

裏抜けストライカーっぽい感じだったが、東京ではゴリゴリ仕掛けるサイドアタッカーとして使っている。若くして韓国代表にも入っており、かなり有望な選手。攻撃のカードとしてかなり貴重な戦力となっているので、今後も期待。

選手同士の会話やニコニコしている姿をあまり見ないのでコミュ障っぽさがある。テレビだと全然しゃべらないのに楽屋だと異常なくらいしゃべるアイドルと似たような感じかもしれない。

そう思うとすごくかわいい。

 

 

ジャエル(2019~)

SNS芸人。

試合前日の夜中にTwitterを更新してマテ茶を飲んでいるところを見せつけてくる。早く寝ろ。

フィジカルが強いが背負ってキープするというよりはゴリゴリ馬力で突進していくような印象。ブラジル人同士の相性なのか、ディエゴとのコンビネーションが抜群に良い。

「残酷な」や「無慈悲な」を意味するcruelが彼の愛称。後半戦は相手に追い打ちをかける無慈悲な姿を期待したい。

 

 

以上が最高なやつらだぜ!!

 

 

 

 

「コパで日本はこう戦う!」 コパアメリカ 日本代表メンバー編成まとめ

がちゃです。

 

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もうすぐ開幕するコパアメリカの日本代表のメンバー編成についてまとめていきます。

 

 招集メンバー

GK
小島亨介
大迫敬介
川島永嗣

DF
植田直通
板倉滉
岩田智輝
立田悠悟
原輝綺
杉岡大暉
菅大輝
冨安健洋

MF
柴崎岳
中山雄太
三好康児
伊藤達哉
中島翔哉
松本泰志
渡辺皓太
安部裕葵
久保建英

FW
岡崎慎司
前田大然
上田綺世

 

 

Jリーグが中断期間に入らないことや、各クラブの事情により東京五輪世代中心の若いメンバー編成となっています。

 

各選手予想ポジション

今大会では2パターンのフォーメーションを使用する可能性が考えられるため、それぞれの予想配置を考えます。

3-4-2-1

森保監督がサンフレッチェ広島時代に使用していたフォーメーション。

直近の親善試合でこのフォーメーションが新たに試され、同時期に開催されており、東京五輪世代で戦うトゥーロン国際大会でも使用中。

今大会はこのフォーメーションを使って戦っていくのではないかと予想されます。

 

 各選手の配置予想はこちら。

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1トップをどう使っていくのかと右WB適性のありそうな選手が少ないことがやや不安な部分。

中山もCBとして数えれば各ポジションでそこまでバランスも悪くない編成になると思います。

 

4-2-3-1

こちらは森保体制になってから今まで使用してきたフォーメーション。2列目にタレントが多い日本としては使いたい選手より多くを組み込める形です。

 

配置予想はこちら。

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3-4-2-1からCBを一枚削ってトップ下を加えたようなイメージですね。

こうすると久保三好中島の日本のストロングとなるであろう2列目の選手を多く使えます。

左SH系の選手がやや飽和気味のため、3-4-2-1でスタートして途中から中島をトップ下に据える4-2-3-1に変更というオプションはありえるかもしれません。

 

 

各ポジションの印象

GK

◦大迫

◦川島

◦小島

 

国際経験が豊富な川島と今年広島でレギュラーを掴み、J1で出場機会を得ている大迫がメイン。今後のために経験を積ませるという意味では大迫の出場機会が多くなる可能性があります。

大分で出場機会のない小島は今大会でも出場できるかは微妙なところ。

 

CB

◦植田

◦冨安

◦板倉

◦立田

 

主戦はおそらく冨安と植田。3バックであればそこに加えて左に板倉が入りそうです。

南米の屈強な選手が相手ということで191㎝と今回のメンバーで最も身長の高い立田にも十分に出場機会はあると考えられます。

4人全員が186㎝以上と高さの問題もそこまでなさそうです。

 

 WB(SB)

◦杉岡

◦菅

◦原

◦岩田

 

 

左は杉岡が一番手で菅がバックアップと予想。どちらも前に運んでいける推進力のある選手。2人とも所属クラブで3-4-2-1のWB、オプションとして使われる4バックのSBの両方を経験しているため、特に問題なくやれるでしょう。

右は原と岩田を予想。原は後ろ目のポジションであればどこでもこなせるユーティリティタイプで岩田は高い位置まで上がっていくことで持ち味を発揮する攻撃的な選手。二人とも所属クラブではWBやSBに固定されているわけではないため、やや不安なポジション。

 

左は実況の下田さんが「突貫小僧」と例えるような一人でグイグイ進んで行くようなタイプですが、右はコンビネーションで生きるタイプ。

右サイドの人選と左右での攻撃の違いは見どころかもしれません。

 

 

CH

◦柴崎

◦中山

◦渡辺

◦松本

 

今回招集メンバーの中で直近のW杯とアジアカップをレギュラーとして経験している唯一の選手が柴崎。おそらくゲームキャプテンを務めるのではないでしょうか。
その柴崎が一番手となり、誰が相方になるのか。
松本は低い位置でゲームを組み立てるタイプという面では柴崎とやや似ているため、柴崎のバックアップ的な立ち位置になりそうな雰囲気。
中盤からゴール前に絡んでいくタイプの渡辺と鋭い縦パス・ミドルシュートを持っている中山。
安定感を考えるとCBもこなせて守備力のある中山とのコンビがファーストチョイスになるかもしれません。

 

シャドウ(トップ下&SH)

◦久保

◦三好

◦中島

◦安部

◦伊藤

 

日本代表で最も層が厚いポジション。違いを生み出せる選手が多く選ばれています。
ドリブラー系の中島・安部・伊藤。スペースに入りながら動いて捌けるタイプの久保・三好。
特に中島翔哉は森保体制の常連メンバー。ボールを扱うテクニックやキック精度が優れ、南米の選手相手にも通用する能力を持っていると思います。おそらく今大会で相手選手に最も削られるであろう選手NO.1。ボールを持った時の技術が優れているためにすぐに下りてきてボールを受けたがるのはやや気になりますが、久保や三好と並んでこのチームの中心となる選手の一人でしょう。

 

1トップ

◦上田

◦岡崎

◦前田

 

Theストライカーというタイプは上田のみ。

岡崎は2トップシステムを用いていたレスターで相方ヴァーディのサポート的な役回りで輝いていた選手。このチームにおいて1トップ適性があるかどうかは微妙なところ。

前田は爆発的なスピードを持つ選手。所属クラブの松本では3-4-2-1のシャドウに入っており、1トップでの起用は未知数。おそらく裏のスペースを目掛けて走らせることが多くなるはず。

 

ポストプレイヤーがいれば間違いなく適任のポジションですが、大迫勇也を呼べないとなると同じ仕事ができる代わりの選手はいません。別の個性をどう生かしていくのか。個人的にこのポジションの選手をどう使っていくのかという点はこのチームにおける最大の鍵になる気がします。

 

 

 戦い方

 メンバー選考的に2列目の選手を生かした戦い方になるでしょう。

チャンスメイカータイプが多く、誰が点を取るのだろうという疑問は少しあります。

 

クロスのターゲットになる選手が1トップくらいしかいないため、敵陣深くまで侵入してからのクロスや、PA付近中央でのコンビネーションからシュートという形が得点パターンになると考えられます。

 また、空中戦に強いCBとキック精度の高い選手はいるので、セットプレーも一つのポイントになりそうです。

 

ビルドアップはWB(SB)を加えずにCBとCHの4~5人で行う形を予想。

板倉や中山で細かく繋いだり、植田から一発でロングボールを出したり等、手札はいくらかあるように思います。

 

 

守備面では前線のプレスがポイント。

引いて守って90分耐えきるのは厳しいと思うので、前である程度制限をかけて自由に繋がせない工夫をしたいところ。

しかし、今の日本代表は前線からのプレスが非常に曖昧で弱点とも言える部分。

ここをいかに整理して、組織的な守備ができるかが失点を減らす重要な項目となるでしょう。

 

 

 

今大会での活躍次第では若手選手のステップアップの舞台になるかもしれません。

日本時間午前8時キックオフとなかなか観戦が難しい時間帯ですが、日本代表の活躍を期待して応援しましょう!

トゥーロン国際 日本vsポルトガル レビュー

がちゃです。

 

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現在開催されているトゥーロン国際大会

6月7日の深夜に行われたグループリーグ第3節のゲームが面白かったので簡単にまとめたいと思います。

 

 

試合前状況

 

日本は東京五輪を目指すU-22のメンバー。対してポルトガルはU-19とカテゴリーに差がある対戦となります。

 

日本は2連勝して勝ち点6。他3チームの勝ち点ががポルトガル3,チリ3,イングランド0となっており、日本は勝つか引き分けで首位が確定。

チリ戦6-1での勝利もあって、大差をつけられて負けなければ首位突破がほぼ確実。

 

また、画面右から左への風が非常に強く、日本からすると前半は追い風、後半は向かい風を考慮しながらの戦いとなります。

 

スタメン

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日本は今大会でずっと使用してる3-4-2-1で1節のメンバーに出場時間が短かった小松・松岡を加えた選手起用。

中駿汰と田中碧は便宜上、下の名前で表記しています。

 

ポルトガルは現地の予想通り4-3-3で入りました。

 

試合の流れ

前から人を捕まえるポルトガル

 

3CB+2CHの5人でビルドアップを試みる日本に対してポルトガルは前から数を合わせてプレスをかけていきました。

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3CBに対してWGを少し内に絞らせた3トップ、2CHにはIHを前に出して完全に同数でのプレスを仕掛けます。

おそらく3トップにスピードと決定力があり、前から奪ってそのまま決めきりたかったのだと思います。

 

上図を見て頂くと日本のWBとシャドウが浮き気味のポジションになっているのがわかります。

日本としてはポルトガルのプレスを外して、ここの選手にボールを届けられるかが一つのポイントとなりました。

 

結果として、このプレスを日本はうまく外していきます。

CBに入る岡崎と駿汰は中盤もこなせるタイプであること、2CH碧はボール保持を得意とする川崎フロンターレで出場していること、松岡も中盤であればどこでもこなせる器用な選手であること。

ビルドアップ隊に足元がうまく、配球もできる選手が揃っていたことがこのプレス回避の安定に繋がりました。

 

SBに突き付ける2択

 5人で寄せてくるプレスを外したあとはシャドウとWBの2人で相手SBに向かって攻めていきます。

 

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シャドウorWBにボールを届けた後の配置としては相手SBが二人を同時に見なければいけないような状況になります。

伊藤に寄せすぎてしまうと大外で舩木を見れなくなり、舩木を意識しすぎると伊藤の前のコースが空いてしまうという非常に悩ましい対応を強いられました。

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パス交換でCHが抜け出してからこのようなシーンもありました。

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WG守備の修正

スタートはWGの守備基準を左右のCB(大南と駿汰)に設定していましたが、プレスが外されてまずいと感じたのか、途中からゾーンで守りながらWBを捕まえるように基準を変えました。

 

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(消し忘れでポルトガル4-3-3と表記がありますが、変更後は4-1-4-1に近い形です。) 

 

この変更によって高い位置で奪うことは難しくなりますが、SBのマーク意識をシャドウに集中しやすくなります。

守備の基準点は変わりましたが、ポルトガルとしては攻撃力のあるWGを深い位置まで下げたくないので敵陣深くまで侵入出来れば大外はSBが出てきて守ります。

 

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そのときに空いてしまうSB-CB間のスペースはアンカーの選手、アンカーが遠い位置にいた場合はIHの選手が埋める約束になっていました。

 

日本の左サイドでの斬り合い

日本は3-2-5、3-4-3でのボール保持、ポルトガルは前項で記したような非保持4-1-4-1セットでの攻防が続きます。

 

後半20分になるとポルトガルは右WGにエムバロという個人で打開できる選手を入れました。

この選手を自陣での守備に加えず、攻め残りさせることでカウンターからの得点を狙います。

逆に捉えればエムバロが守備に戻ってこないため、日本の左サイドは攻めやすくなります。もちろんここを攻めます。

 

 

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前半の狙いに加えてシャドウがSBをピン止めすることでWBを浮かせてクロス、という狙いも多くあったように思います。

 

加えて、アンカーがカバーに来る習性を生かしてCHから大外を狙う場面もありました。

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 アンカーがDFラインのカバーに入ると中盤がやや手薄になり、WBからCHに戻したときにプレスがかかりにくくなります。

そうするとボールサイドに寄ってくるDFラインの大外にWBが走りこんでそこへのクロスという攻撃です。

 

 

 

 

 このような日本がボールを持ってポルトガルが守る展開が続きましたが、日本が得点を取れないままゲームは終盤になり、ポルトガルが狙っていた一発裏抜けのカウンターが発動。

エムバロがCBの裏を取ってそのまま独走し、シュートを決めきってポルトガルが先制。

 

その後はWGもしっかりと守備に参加させる4-5-1に切り替えて守り切ったポルトガルが勝利。

 

 

 まとめ・感想

ポルトガルがWGの守備位置を下げなかったことで日本が左サイドから攻めて崩すか、ポルトガル右サイドのカウンターが決まるかという駆け引き&せめぎ合いでしたが、これに勝ったのはポルトガル

 

日本も左から狙いを持って攻撃ができていたと思いますが、整理されたポルトガルの守備を崩しきるまでは至らず悔しい敗戦。

 

 

ポルトガルは最初前から人を捕まえに来る作戦を取りましたが、プレスがハマらず、リスキーだと感じればWGの守備位置を修正。ここでは書きませんでしたが、その他にもビルドアップのポジショニングを前半途中で変えてきたり、自分たちの特徴を踏まえたうえで相手を見たサッカーができるしっかりしたチームだった印象です。

守備の組織も整理されていて、U-19ながら完成度が高かったと思います。

 

日本も敗れこそしましたが、相手の配置を考えて「このポジションを取ればボールを受けやすくなるな」という立ち位置をしっかりと意識できていたと思います。

ただ、勝つためには選手としてもチームとしても、もう1つレベルを上げなければならないかもしれませんね。

 

 

敗れはしましたが、日本は首位通過が決定。

まだ戦いは続くので準決勝も楽しみにしましょう!

 

日本代表の違和感 トリニダードトバゴ戦

がちゃです。

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6月5日(水)にキリンチャレンジカップとして日本vsトリニダードトバゴが行われました。

 

時間が経過してしまいましたが、そこで感じたことを少しだけ書いていきたいと思います。

 

先に言っておくと、試合を見直してない上に相手チームの選手の特徴等もきっちりと把握できていないため、表現が曖昧な部分は多くなりますが、ご容赦を。

 

 

 

 

 

 

スタメンについての考察

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これまでの日本代表は主に4-2-3-1で戦ってきましたが、この試合では森保監督がサンフレッチェ広島時代に使っていた3-4-2-1を採用しました。

 

もちろん広島時代とは11人全員違う選手ですが、その中でもWBのタイプは大きく異なります。

広島時代には主に柏とミキッチという、どちらかというとWG系の攻撃的な選手を起用していましたが、この試合では長友と酒井のSB系で守備的な選手。

 

このメンバー選考の時点で少なくともこの試合では

 

広島時代のサッカーをやりたい!

 

というよりは

 

この形を試したい!

 

というくらいの感覚だったような気がします。

試合が始まってからもボール保持時にWBのスタートポジションを高くして、3CB+2CHの5人(GKを含めるならば6人)で組み立てを頑張るという感じでもありませんでした。

2シャドウがけっこう下りてきたり、WBもSBに近いふるまいが多かったりと少なくとも広島の時の戦い方が仕込まれてる雰囲気は薄かったです。

 

真相は現場内でしかわかりませんが。

 

 

 

 

 

気になったポイント

 

中島からのクロス

前半の話になりますが、PA内に大迫しかいない、もしくはファーから堂安が入ってきて2人、の状況で中島からクロスをピンポイントで狙う攻撃が何度か見られました。

 

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※イメージ図

 

ドリブルがうまい中島が対面のDFを少しずらしてゴールに近づく軌道のクロスをゴール前に入れます。

上図では堂安も入ってきていますが、ほとんどの場面で大迫のみだった記憶。

 

確かに中島は高精度のボールを蹴れますし、大迫もDFのマークを振り切ることができる選手ですが、これが効果的な攻撃かと言われると個人的には疑問符が付きます。

 

 

中にターゲットが1人しかいないとなるとその一人にピンポイントで合わせなければいけないですよね?

大迫を囮にDFを引き付けて、ファーの堂安に合わせるとしても、堂安は空中戦で強さを発揮するタイプではありませんから、こちらもピンポイントで鋭いボールを入れる必要があると思います。

 

 

仮にこのピンポイントクロスがターゲットに合う確率が10回に1回、10パーセントだとしましょう。(実際はもっと高い確率かもしれませんが。)

その1回が1回目に来れば良いですが、10回目だったとしたら、10回同じプレーを繰り返さなければこの形から得点は取れないですよね。さらにクロスが合ってもシュートがゴールになるとは限りません。

 

90分の間に同じこと10回も繰り返せる?

 

というのが私の意見です。

 

 

もし90分の間に50回繰り返すことができれば(確率論だけで考えた場合)5得点取れる可能性がありますし、実質3人で攻撃しているのでリスク管理もばっちり!最強チーム!となるのですが、相手の格が上がれば上がるほど回数は繰り返せなくなりますよね。

 

 

この形をチームのストロングにしたいなら、中島のドリブル&クロス精度をめちゃくちゃ上げてもらい、大迫に「絶対マーク外すマン」になってもらうor身長をあと20㎝くらい伸ばしてもらうのがいいかなと思います。

 

そうすればこの2人だけで得点が取れて世界で勝てる”かも”しれません。

 

まあどう考えても非現実的かと思います。

ならば、

もっと効率的な攻撃狙わない?

と思いました。

 

 

 

 サイドからのクロス一辺倒

 

0-0のまま試合終盤になると勝つために得点を取りに行きます。

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※イメージ図(配置が全然思い出せないので雰囲気ですm(__)m)

 

理屈は前項と同じかもしれません。

中央に人を集めてサイドからクロス、もしくは狭いところを個人が独力で目の前の相手を剥がしてシュートまで!というパターンが多かったでしょうか。

 

これも決して悪いことではありませんが、中央にターゲットとなるタイプがほとんどいないのに放り込んでも効率が悪いのでは?と思いました。

しかも途中投入した選手は中央のターゲットタイプというより、チャンスメイカータイプばかりです。そもそもターゲットタイプが少ないメンバー選考なのですが。

 

これらのプレーは「ピンポイントクロスが行く」の精度が伴うまでか「相手がミスする」の事故が起こるまでやり続けているように見えます。

そもそも圧倒的にボールを支配できる格下相手にしかできない戦い方です。

 

実際に最後の最後でDFの処理ミスから伊東純也に絶好のチャンスが巡ってきますが、シュートはGK正面へ。

チームとして終盤にあのやり方で戦うのであれば、事故が起きた最後のシーンは絶対に決めなきゃいけないと思います。

ただし、クロスをひたすら入れて事故を起こしても、日本代表には事故を絶対に見逃がさないルーニーファンペルシーのようなスーパーなFWはいないのです。(強いて言えば大迫でしょうか)

 

 

中にクロス放り込んで得点を取りたいなら鳥栖の豊田だったり、(今は怪我で離脱していますが)セレッソの都倉だったりを招集すればいいと思うんですけど、彼らが招集されないのはおそらくそういうサッカーを目指してないからですよね。

実際に国際試合となると相手DFも日本国内の選手より屈強になり、今挙げた二人でも空中戦で優位に立てない状況も考えられますし。

 

 

日本代表としては2列目のポジションにいるタレントを生かしたいはずなんですよきっと。

であれば、例え得点が取れなかったとしても相手DFの配置をずらすような動きを狙って、ゴール前を空けるチャレンジをしたほうが代表チームの方向性は見えやすかったのではないかと思います。

 

 

 

森保監督をはじめ、代表スタッフ陣の中でこの試合の位置づけがどうだったのかはわかりません。

選手に疲労もあったかもしれませんし、システムだけ変えてある程度自由を与えてやらせたかもしれません。

 

ただ、

 

このチームはどういう戦いをしたいのだろう?

 

という疑問が残る内容になってしまったのかな、と感じる試合でした。

 

 

 

終わりに

最後まで読んで頂きありがとうございます。

 

 

 

ネガティブな話がメインになってしまいましたが、この試合が全然だめだったかどうかは私には分かりません。見る人によっては

この試合は面白かったぞ!

と感じた人もいるかもしれません。

 

 

もしかしたら私に対して「こいつ代表アンチだな!」と思った方もいるかもしれませんが、私は日本代表に期待しています。
日本国民なので日本代表が世界で活躍する姿を見たいです。

 

 

 

 

しかし、ここ最近の日本代表には違和感を抱くことが多いです。

部外者の戯言にすぎませんが、このまま進んで強くなるの?といった疑問があります。

 

そしてハリルホジッチの不可解な解任の件以来、日本代表に対しての興味が薄れてしまった人も一定数いるように感じます。

 

 

とはいってもやはりエンターテイメントとしての日本代表の人気は強いと思います。

若くして海外にはばたく選手も多くなり、選手個人レベルは上がってきているのかもしれません。

 

ただ、私はエンターテイメントとして楽しい日本代表だけではなく、競技として楽しい(強い)日本代表が見たいです。

だからこそ疑問に思ったことは発信していきたいです。

 

もっと日本代表がやる”サッカー”という競技に対して興味を持つ人が増えるようなチームになってほしいなと心から期待しています。