青赤人の戦術探検記

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トゥーロン国際 日本vsポルトガル レビュー

がちゃです。

 

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現在開催されているトゥーロン国際大会

6月7日の深夜に行われたグループリーグ第3節のゲームが面白かったので簡単にまとめたいと思います。

 

 

試合前状況

 

日本は東京五輪を目指すU-22のメンバー。対してポルトガルはU-19とカテゴリーに差がある対戦となります。

 

日本は2連勝して勝ち点6。他3チームの勝ち点ががポルトガル3,チリ3,イングランド0となっており、日本は勝つか引き分けで首位が確定。

チリ戦6-1での勝利もあって、大差をつけられて負けなければ首位突破がほぼ確実。

 

また、画面右から左への風が非常に強く、日本からすると前半は追い風、後半は向かい風を考慮しながらの戦いとなります。

 

スタメン

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日本は今大会でずっと使用してる3-4-2-1で1節のメンバーに出場時間が短かった小松・松岡を加えた選手起用。

中駿汰と田中碧は便宜上、下の名前で表記しています。

 

ポルトガルは現地の予想通り4-3-3で入りました。

 

試合の流れ

前から人を捕まえるポルトガル

 

3CB+2CHの5人でビルドアップを試みる日本に対してポルトガルは前から数を合わせてプレスをかけていきました。

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3CBに対してWGを少し内に絞らせた3トップ、2CHにはIHを前に出して完全に同数でのプレスを仕掛けます。

おそらく3トップにスピードと決定力があり、前から奪ってそのまま決めきりたかったのだと思います。

 

上図を見て頂くと日本のWBとシャドウが浮き気味のポジションになっているのがわかります。

日本としてはポルトガルのプレスを外して、ここの選手にボールを届けられるかが一つのポイントとなりました。

 

結果として、このプレスを日本はうまく外していきます。

CBに入る岡崎と駿汰は中盤もこなせるタイプであること、2CH碧はボール保持を得意とする川崎フロンターレで出場していること、松岡も中盤であればどこでもこなせる器用な選手であること。

ビルドアップ隊に足元がうまく、配球もできる選手が揃っていたことがこのプレス回避の安定に繋がりました。

 

SBに突き付ける2択

 5人で寄せてくるプレスを外したあとはシャドウとWBの2人で相手SBに向かって攻めていきます。

 

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シャドウorWBにボールを届けた後の配置としては相手SBが二人を同時に見なければいけないような状況になります。

伊藤に寄せすぎてしまうと大外で舩木を見れなくなり、舩木を意識しすぎると伊藤の前のコースが空いてしまうという非常に悩ましい対応を強いられました。

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パス交換でCHが抜け出してからこのようなシーンもありました。

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WG守備の修正

スタートはWGの守備基準を左右のCB(大南と駿汰)に設定していましたが、プレスが外されてまずいと感じたのか、途中からゾーンで守りながらWBを捕まえるように基準を変えました。

 

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(消し忘れでポルトガル4-3-3と表記がありますが、変更後は4-1-4-1に近い形です。) 

 

この変更によって高い位置で奪うことは難しくなりますが、SBのマーク意識をシャドウに集中しやすくなります。

守備の基準点は変わりましたが、ポルトガルとしては攻撃力のあるWGを深い位置まで下げたくないので敵陣深くまで侵入出来れば大外はSBが出てきて守ります。

 

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そのときに空いてしまうSB-CB間のスペースはアンカーの選手、アンカーが遠い位置にいた場合はIHの選手が埋める約束になっていました。

 

日本の左サイドでの斬り合い

日本は3-2-5、3-4-3でのボール保持、ポルトガルは前項で記したような非保持4-1-4-1セットでの攻防が続きます。

 

後半20分になるとポルトガルは右WGにエムバロという個人で打開できる選手を入れました。

この選手を自陣での守備に加えず、攻め残りさせることでカウンターからの得点を狙います。

逆に捉えればエムバロが守備に戻ってこないため、日本の左サイドは攻めやすくなります。もちろんここを攻めます。

 

 

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前半の狙いに加えてシャドウがSBをピン止めすることでWBを浮かせてクロス、という狙いも多くあったように思います。

 

加えて、アンカーがカバーに来る習性を生かしてCHから大外を狙う場面もありました。

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 アンカーがDFラインのカバーに入ると中盤がやや手薄になり、WBからCHに戻したときにプレスがかかりにくくなります。

そうするとボールサイドに寄ってくるDFラインの大外にWBが走りこんでそこへのクロスという攻撃です。

 

 

 

 

 このような日本がボールを持ってポルトガルが守る展開が続きましたが、日本が得点を取れないままゲームは終盤になり、ポルトガルが狙っていた一発裏抜けのカウンターが発動。

エムバロがCBの裏を取ってそのまま独走し、シュートを決めきってポルトガルが先制。

 

その後はWGもしっかりと守備に参加させる4-5-1に切り替えて守り切ったポルトガルが勝利。

 

 

 まとめ・感想

ポルトガルがWGの守備位置を下げなかったことで日本が左サイドから攻めて崩すか、ポルトガル右サイドのカウンターが決まるかという駆け引き&せめぎ合いでしたが、これに勝ったのはポルトガル

 

日本も左から狙いを持って攻撃ができていたと思いますが、整理されたポルトガルの守備を崩しきるまでは至らず悔しい敗戦。

 

 

ポルトガルは最初前から人を捕まえに来る作戦を取りましたが、プレスがハマらず、リスキーだと感じればWGの守備位置を修正。ここでは書きませんでしたが、その他にもビルドアップのポジショニングを前半途中で変えてきたり、自分たちの特徴を踏まえたうえで相手を見たサッカーができるしっかりしたチームだった印象です。

守備の組織も整理されていて、U-19ながら完成度が高かったと思います。

 

日本も敗れこそしましたが、相手の配置を考えて「このポジションを取ればボールを受けやすくなるな」という立ち位置をしっかりと意識できていたと思います。

ただ、勝つためには選手としてもチームとしても、もう1つレベルを上げなければならないかもしれませんね。

 

 

敗れはしましたが、日本は首位通過が決定。

まだ戦いは続くので準決勝も楽しみにしましょう!