2022 J1リーグ第11節 サンフレッチェ広島vs柏レイソル メモ
スタメン
流れ
立ち上がりは柏が敵陣へ押し込む。細谷のクロスからCK獲得。
2分、WBのような位置に流れた細谷がサイドで運んでPA進入からCK獲得まで。
3分、大迫の遠投から藤井が抜け出しを図るも細谷が体を当てて対応。
4分、柏のビルドアップ。左でのパス交換から細谷が左の背後に抜け出して深さ取り。立ち上がりから細谷左流れの起点づくりが目立つ。
6分、柏がカウンターでアンジェロッティの落とし、細谷のキープから遠目からのシュート。
7分、塩谷が前に出て奪取からロングシュート。広島は中盤で奪うところまでは悪くないが、敵陣へ入っていくところがまだうまくいっていない。
徐々に広島が持つ時間が長くなってきた。
10分、柏がCK守備からのカウンターでアンジェロッティのシュートまで。広島はロスト後にカウンタープレスを掛けたが、出所を塞げず。
12分、広島先制、1-0。野津田のFKのこぼれ球を拾ってテクニカルなコントロールから振り向きざまのシュートまで。これをやられるとDFもGKも対応が難しい。
得点後も広島が勢いを持って攻める。柏は立ち上がりこそ良かったが、徐々に押されると失点という前節・鳥栖戦と似たような展開に。
15分、森島の浮き球ラストパスを満田が合わせるもゴールとはいかず。GKもDFも触れないところにうまく落としたが、後ろからきたバウンドしたボールを合わせるのは難しかった。
どちらも前からプレスには出てくるが、そこまで強度は上げない両者。より人をあてる意識が高いのは広島のほうか。
18分、サントスのシュートをキムスンギュ好セーブ。佐々木が後ろから運び出して満田へスルーパスを送ったところでうまくスペースを突いた。柏はプレッシャーの掛けどころが曖昧な印象でホルダーに自由を与えている。
柏は最初3-4-2-1気味に見えたが、アンジェロッティと細谷の2トップに変えた？最初から？前がかみ合わないので、3センターの脇を突かれている。
24-25分、森島のフリックでスピードアップするとサントスを壁にして中央突破を図る。
26分、サヴィオが個人でマークをはがし、椎橋のパスで細谷がポケットを取ると折り返しをフリーで中村が合わせるも枠に飛ばせず。決定機。
プレーをさかのぼって森島に危険なタックルを見舞った椎橋に警告。
柏は選手の入れ替えがあっても右肩上がりのビルドアップ。高橋が右SBのような位置までずれる。
29分、縦を切られても縦に抜きに行く藤井。
30分、塩谷の展開から柏のカットインミドル。
31分、サヴィオが敵陣でかっさらうも、ロスト後は粘りの対応を見せた佐々木。
32分、野上が内側を使うパスでプレスをはがしたかと思ったが、柏のボランチが塩谷をつぶしてショートカウンター。
柏は左右のCBを多少空けてでも受け手にはしっかりとマークをつけて後ろからつぶしに行く。
34分、藤井のスルーで野上の上がりを生かし、クロスもサントスに惜しくも合わず。その後の柏の仕掛けは柏DFがブロック。
柏はカウンター時にアンジェロッティが右サイドで運んでいく形がよく見られる。
37分、個人技からシュートまで持ち込むサヴィオ。魅せるプレー。
39分、柏がカウンターでアンジェロッティが左のスペースへ流れて受けるも広島の囲い込みが速く、奪取。柏は完結まではなかなか行けないが、ロングカウンターがチャンスパターンの1つとしてある。
40-41分、柏がビルドアップでプレスを外してラストパスまで持ち込むも最後は大迫がカバー。左での作りはうまくいった。
41分、森島のミドルはキムスンギュが好セーブ。ハイクオリティーのシュートとセーブ。
42分、ロングカウンターからサヴィオが右サイドで1人で運ぶと最後はアンジェロッティのフィニッシュ。サヴィオが持つと期待感がある。
広島は保持から、柏はロングカウンターからでチャンスを作り合った前半。柏は立ち上がりは勢いを持って敵陣へ圧力を強めていったが、途中からはある程度割り切って自陣でのプレーを許容しながらカウンターを狙った。広島がリズムを作り始めたところで先制する良い展開へ持ち込んだが、柏も受けるだけでなく一刺しがあることを示した。中村の決定機が決めっていればイーブンだったというたらればも。
後半
前半と同様に柏が勢いを持ってはいるが、少しずつ広島がペースを引き戻す。
51分、セットプレーの流れから佐々木のシュート、その後柏のシュートも、ともにブロック&セーブに遭う。スンギュの遠投からアンジェロッティが左を抜け出してクロスを送るが精度が伴わず。
52-53分、森島のミドルをキムスンギュがセーブ。前半から繰り広げられる森島の好シュート、キムスンギュの好セーブ。
アンジェロッティと佐々木がマッチアップでやり合う。アンジェロッティは前節からかなり過度にDFへ当たる悪い癖が見える。
58分、柏が右サイドを3人のコンビネーションで攻略して大南のクロスを後ろから出てきた中村が合わせるも決まらず。柏のストロングである右のコンビネーションが出た。
60分あたりから柏が持つ時間が続くが、広島がプレスを掛けて相手のミスを誘い、満田のPA進入まで。
62分、下からのつなぎで広島を引き出してから右奥をアンジェロッティで取る柏。広島はプレスの強度の人の合わせ方がやや甘いタイミングがある。
63分、柏交代
中村、アンジェロッティ→小屋松、森
64分、左で持った小屋松が狭いところを仕掛けながらシュートまで。いきなり雰囲気のあるプレーを見せた。
柏が主導権を握る時間が続く。広島はプレス強度が落ちてきたことと保持の落ち着きどころが作れていない。
67分、柏がロングカウンターからゴールへ迫るも最後の質が伴わず。人数をかけてスピードもある迫力ある攻撃を見せた。
広島は椎橋のところに人をつけないので、そこを経由されると安易に前進を許す。
69分、柏同点、1-1。椎橋の縦パスを受けた細谷のラストパスで森が抜け出して森が落ち着いて流し込んだ。広島のプレスが甘くなったところを突いて中央突破成功。森はJ初ゴール。
70分、広島交代
サントス→ベンカリファ
71分、広島が敵陣でパスを回してチャンスをうかがう。
72分、セットプレー崩れから塩谷のクロスにベンカリファが飛び込む。
柏得点後は広島が押し返し始める。
76分、広島の攻めを裏返した柏がカウンター。サヴィオが右で運び、広島も一度は遅らせたがファウルで柏のFKに。広島は押し返しているが、柏も前半からカウンターの迫力は落ちていない。
77-78分、セットプレーから混戦を作り出すも広島もかき出す。
78分、広島交代
森島、満田→浅野、柴﨑
両シャドーを交代。前の運動量は落ちていたので、エネルギーを取り戻そうという意図か。
79分、柏交代
細谷→戸嶋
戸嶋が右IHに入り、サヴィオが2トップへ移る。
82分、柏交代
サヴィオ→升掛
サヴィオは前半狩終了時にも膝に手を突いた姿があり、ほかの試合でも予想以上に早く退くので、どこかに小さな痛みを抱えながらプレーを続けているのかもしれない。
83分、広島交代
塩谷、藤井→東、松本
東が左WBに入り、柏が右へ移る。
85分、右で作ってから中に入ってきた三丸のミドル。
85分、三丸のCKをがファーに入ってきた森がフリーで合わせるも枠へ飛ばせず。
86分、柏逆転、1-2。相手のビルドアップを敵陣で奪った柏。森が左から強烈なミドルをニアに突き刺した。決定機を外したあとかつ、ファーにもフリーの選手がいたが、ストライカーらしく自分で振り抜いて決め切った。広島は痛恨のミス。
89-90分、広島が前3枚のコンビネーションからベンカリファのミドルで同点かと思われたが、オフサイドの判定。J初ゴールはお預けに。
安易にラインを下げない柏に対して後方から背後を狙うボールを積極的に入れて押し込む広島。
92分、左サイドを縦に攻略して浅野のクロスまで。
ラストプレーのCKは大迫も上がるがゴールは割れず。
前半から広島が保持、柏がカウンターという構図が続き、一進一退の攻防が繰り広げられた。柏は広島のプレスが弱まったタイミングで保持から途中出場の森がこじ開けて同点。そこからは広島も押し返し始めたが、そうなればカウンターで応戦といった展開に。そして広島がビルドアップでミスをおかすと見逃さずに森がきっちり仕留めて逆転に成功した。柏は前節の大敗の悔しさを晴らす一勝。
広島はサントスの先制弾も含めて悪くはない流れだったが、落ちたタイミングで我慢がきかなくなっていたのが苦しくさせた。
個人的MOM
★森 海渡
2ゴールで逆転勝利の立て役者。何度かシュートを外してしまうシーンもあった中で、ここぞという場面ではしっかりと決め切る心の強さを見せた。細谷の替えが見つかっていない中でチームの底上げを予感させる活躍。
公式サイト内にあるコメントでは、「中にパスをする選択肢は一切なかったですか？」との問いに「なかったです」と答えていた。まさにストライカー。
前半から好セーブでゴールを守り続けたキムスンギュ、先鋒としてカウンターの脅威を高めたサヴィオ、組み立てや中盤でのプレス強度でらしさを出した椎橋らも高評価。アンジェロッティもリーグ戦では初めてと言っていいくらい、自分のプレーができたのではないか。
広島は前線で質の高いラストパス、シュートを見せた森島の貢献度が光った。サントスは圧倒的な個人技からゴールを決めたが、全体的には存在感は気迫でゴールが勝点につながらず。
監督コメント
（※Jリーグ公式サイトから引用）
[ ミヒャエル スキッベ監督 ]
すごくＪリーグとしても良いゲームだったんじゃないかと思います、試合終盤に不運にも負けてしまいましたが。前半のうちに２－０にするチャンスはたくさんあったと思います。それをうまく使えなかった部分が出たかなと思います。後半、柏のほうが選手交代を含めて前によりパワーを持ってきました。大きな選手も入ってきました。後半の流れでも、もし運がこちらに向いていれば勝てたかもしれません。ただ、そうでないアンラッキーな場合は、負けてしまうことになる。
今回の結果はわれわれにとっても非常に残念な結果です。ただ、次の試合に向けて切り替えて良い準備をしていこうと思っています。そこでは今日より確実に良い結果を残したいと思っています。
－－３試合続けて２失点していることについて。
失点というものは、サッカーですからあることだと考えています。ただ、今日の２失点目は、自分たちの不注意からの失点になってしまった。ちょっと集中が切れてしまったり、その一瞬何か足りないものがあったから、失点してしまっている。そういうところは直していかないといけないと思います。
[ ネルシーニョ監督 ]
前半の入りがあまり良くありませんでした。特に守備のところ。われわれが今週準備してきたプランどおりの守備の形になかなか持っていけず、相手を引き込んでからカウンターに出ていくという形がなかなか思うように作れなかった。やはり選手たちも外から見ていて自信なさそうにやっているような印象がありましたので、ハーフタイムに入ってまず選手たちには自分たちが準備してきたもの、自分たちがこれまでやれているものをしっかりと信じてもう一度やっていこうということ。十分にわれわれがボールを握って、主導権を握るだけのスペースはありましたので、相手を引き出してからのカウンター、相手が空ける背後のスペースをもう少し効率よく突いていけるようにということで指示を出しました。
後半に入ってからはそこを選手たちがしっかりとピッチの中で修正してくれ、われわれが優位にボールを動かせたと思います。両チームとも均衡した非常に良い内容のゲームだったと思いますし、両チームにとって是が非でも勝たないといけない試合だった中で、やはりなんと言っても最後の最後でゴールを決めた森 海渡の活躍には触れられずにはいられません。彼に関しては、これまでも出場機会を求めながらしっかりと準備をしてきてくれた成果、結果だったのかなと。彼自身もそうですし、チームとしてもこのような良い勝ち方ができた。次につながる非常に重要な１勝だったと思います。
