がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2022 J1リーグ第13節 浦和レッズvsサンフレッチェ広島 メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

 

流れ

浦和は平野アンカー、小泉と伊藤がIHというような中盤のオーガナイズ。広島は2トップが平野を意識しながらCBへ出ていく。

2分、伊藤がバイタルに顔を出して最後はシャルクのシュートまで。

4分、岩波の縦パスを伊藤がライン間で受けるが、広島の素早い囲い込みにつぶされる。

7分、塩谷から柏へ展開し、満田に渡してミドル。最初は浦和が持つ展開だったが、徐々に広島が持つ時間もできてくる。

浦和は非保持は小泉を前に出した4-4-2セット。

仁志マは3-1ビルドにIHがアンカー脇をサポート。浦和は小泉が野津田にマンツー気味について、1トップとWGが3バックに出ていく。

9分、右サイドの作りからシャルクのミドル。

10-11分、広島のハイプレスをくぐった浦和が疑似カウンターでモーベルグの仕掛けまで。広島も強度を高めて奪いに来たが、紙一重で外した浦和のチャンスが訪れた。

浦和はWBにSBが縦スライドで対応するため、満田やベンカリファをSB裏に流して起点を作ろうとする。

13分、馬渡のFKが誰も触らずにファーサイドへ吸い込まれたが、VARとの交信ののち、オンフィールドレビューの結果オフサイドの判定。岩波がプレーに関与したとみられた。ただ、馬渡が入れたきわどいボールは良かった。

18分、左で作ってサントスが混戦からシュート。広島が敵陣でパスを回して攻める。大外で待つWBへ的確に送るが、浦和もSHが対応することで、ゴール前の陣形を崩さない。

20分、広島は2トップがどちらもCBへ出ていったときには中盤が前へ出て平野をつぶしにいく。

21-22分、野津田のブレ球ミドルを西川がパンチングではじき出す。浦和は相手のミスからカウンターに出たが、ロストするとひっくり返されてシュートまでいかれた。浦和は一度セットされればゴール前はかなり固い印象があるので、いかにバランスを崩さないで守れるかが重要。

広島がPA内まで入る回数を増やしている。

25-26分、小泉がライン間で前を向いて運び出したところからシャルクのミドルまで。平野を最終ラインへおろし、ショルツの運びを見せつつ縦パスのタイミングをうかがう。

26分、満田がバイタルで仕掛けてミドル。ポスト直撃で雰囲気を感じさせた。

浦和はシャルク、広島は満田がシュート意識がかなり高く、少し遠めからでも積極的に打っていく。

28分、PA付近でパスを回しながら最後は小泉のループ。広島は2トップも下がって守備に参加し、人数をかけて守ったがシュートまで持っていかれた。

31分、浦和が左サイドでのコンビネーションから折り返しを入れるも合わなかった。伊藤がスルーしたが、後ろには誰もおらず。浦和は相手の3-2の脇には入れるが、ブロックの中にはなかなか入れない。

34分、自陣でのポジトラから3人に囲まれながらもサントスが密集をくぐってカウンタープレスを回避。

37分、藤井→森島で右サイド奥を取ってクロス。岩波がクリアしたあとに突っ込んでしまったベンカリファに警告。悪意は感じないが、何度か接触が続いていたこともあり、印象は良くなかった。

40分、サントスの運びから満田が抜け出すも浦和DFが好対応で奪取。

41分、藤井が背後を取ったところからサントスのシュートまで。広島は中央の飛び込みが間に合わなかったことで、スピードが落ちてしまった。

43分、浦和がハイプレスをかけたが満田がはがして逆へ展開。藤井へのスルーパスを狙うも明本のカットに遭う。

48分、塩谷が攻撃参加した中でロストしてカウンターを受け、モーベルグに仕掛けを許すも大迫がクロスを落ち着いてキャッチ。サントスとベンカリファもプレスバックしていた。

 

互いにシュートはそれなりに放ちながらも決定機は少なかった前半。浦和は中央でポイントを作る疑似カウンターや、モーベルグの仕掛けからゴールへ迫る。ライン間で受けるところまでは何度か出せたが、広島の穴を突けるほどのスピード感は出せていない。良くも悪くも誰が仕上げ役になるのかが見えにくい。

広島はサイドでのコンビネーションからポケットを攻略する形がメインパターン。サントスが個人で運び出せることで陣地回復にも困っていない。どちらかと言えば広島のほうが自分たちが思う流れでゲームを進められているか。

雨の影響でピッチに水が溜まっているからか、ややボールのスピードが上がりにくそうに見える。

 

 

後半

広島交代

ベンカリファ→松本

警告を1枚もらっていたため、カードトラブルを考えての交代?

3-5-2から3-4-2-1にオーガナイズを変更。

広島は3-2ビルド。松本がアンカー位置に入り、野津田が左寄りでサポート。

46分、塩谷のパス&ゴーで右サイドを攻略すると、クロスの折り返しからサントスのアクロバティックなシュート。やや詰まったが、個人の力で強引に打ち切った。

49分、広島が前から人を当ててプレッシャーを掛けて取りきる。浦和も蹴らずにギリギリまで引き付けてつなぎにいくが、受け手が苦しい。

50分、サントスのシュート。後半立ち上がりは広島が主導権を握る。

52分、野津田にアフターで飛び込んだ平野に警告。

54分、中央でのコンビネーションからサントスのシュートまで。野津田と塩谷の攻撃参加が変化を生み出す。

54分、浦和がクイックリスタートからモーベルグが抜け出して、ゴール前でDFと対面で1対1の必殺パターンに持ち込んだが、大迫がファインセーブ。最後に荒木?がファーを消してくれたことが大きかったか。この試合一番の決定機だったかもしれない。

57分、モーベルグが藤井との接触で痛める。着地の際にひざに負荷がかかったか。ただ、自力で小走りはできているので、そこまで問題はなさそうか。

60分、浦和交代

シャルク、関根→ユンカー、江坂

小泉が左SH、江坂が右SH、モーベルグが2トップの一角に入る4-4-2。

→流れの中で入れ替えていただけで、ベースは江坂とモーベルグが逆。

64分、後ろ向きで苦しくなった塩谷が縦につけて圧力をくぐってサントスの仕掛けまで。

65分、広島が自陣から柏→サントスの落としでプレスを外し、藤井までうまく展開したがパスが長くなった。

66分、右サイドでの作りから満田の左足ミドル。

藤井の縦突破と明本の守備対応というマッチアップはかなり見ごたえがある。

広島がボールを保持し、ロスト後もカウンタープレスを掛けて浦和に息継ぎをさせない。

68分、中央のコンビネーションから松本がミドルを打ち、こぼれ球を満田がプッシュするも枠外。結果的にオフサイド。完全に広島ペースの時間。

71分、自陣での奪取からユンカーのフリックでスピードアップし、シュートまで持ち込んだが大迫がセーブ。浦和はユンカーを入れた効果が表れるカウンター。

73分、右で持った江坂の左足ミドル。大迫はパンチングで外へ。

72分、浦和交代

小泉、伊藤→松尾、柴戸

雨脚がかなり強くなっている。

75分、藤井のグラウンダークロスからPA内で混戦を作り出す広島。

互いにチャンスを作り合う激しい攻防。

浦和はユンカーが入った影響からか、カウンターのスピード感が増した印象。

78分、松本の攻撃参加でポケットを取り、クロスをファーから入ってきた柏がフリーで合わせるも抑えきれず。決定機。ボランチの攻撃参加で違いを生み出した。

81分、CKの流れから松尾がミドルを放つもここも大迫がセーブ。なにかイレギュラーが起きないと大迫の壁は割れなさそう。

83分、森島にアフターで飛び込んだ柴戸に警告。

83分、広島交代

森島、満田→柴﨑、浅野

84分、浦和のゴールキックを前からけん制しに行った広島だが、ボランチのところのマークがぼやけてあっさり外される。この時間帯での連動ミスは非常に危険。

85分、江坂のミドルは大迫がキャッチ。スリッピーなピッチ状況でのキャッチは好プレー。

86分、平野に後ろからチャレンジした野津田に警告。広島はまだ前から行こうとする姿勢を見せるが、やや遅れ気味になるシーンも。

広島はサントスを最前線に残して5-4セットで守る。

89分、広島交代

サントス→永井

藤井は相手に読まれようとも徹底して縦突破を続ける。浦和はそれをニアではね返し続ける。

最前線で待つユンカーには荒木がタイトにマークにつく。

93分、まだ突破できる藤井。受けるタイミングで緩急を作って明本を出し抜いた。

 

終盤は互いに1点を取りに行く激しい攻防が続いたが、両者ともに守備も粘り強く、ゴールは生まれず。ゲームの展開を握ってチャンスを多く作ったのは広島ほうだった印象だが、チャンスの質が高かったのは浦和だった印象。浦和は中盤の選手にハードワークを課すことでDFをゴール前に配置できて厚い壁が築ける。広島は3バックが対人の強さと最後の粘りを見せて、打たれても大迫がかき出すといった強固さを見せた。

浦和は広島が前から来てくれることもあってユンカーを軸にした縦に速い攻撃は機能したが、それまでの保持では決定的なシーンはなかなか作れなかったことが課題だろう。

広島は保持では塩谷や松本を上げてポケットを取る形、自陣で受けているときもサントスを軸にしてカウンターに出ていけるなど、どの局面でも強みが発揮できる。柏がファーでフリーで合わせた場面で決め切れていれば完璧だった。

試合後の浦和ゴール裏からはブーイングや指笛が聞こえる。西川が挨拶に行った際にはサポーターと話し込む場面も。かつての阿部勇樹を思い出すが、一方で拍手も多い。

 

 

個人的MOM

★大迫 敬介

モーベルグのシュートをファインセーブでしのいだシーンからは圧巻のパフォーマンス。飛び出したときには必ず触ってはじき出したり、スリッピーなピッチ状況でもキャッチしたりなど、DFに安心感を与えるプレーを見せられた。相手に流れを渡さない価値あるセーブだったと言える。

 

ユンカーへのタイトなマークでカウンターの機会をつぶした荒木、積極的なシュートから何度もゴールへ迫った満田、どの時間帯でも無限に仕掛けられる藤井、機を見た攻撃参加と安定したタッチで保持に色をつけた塩谷らも高評価。

野津田は走行距離13.2kmを記録。藤井はスプリント40回。

絶対に奪われず、運びで違いを生み出したショルツ、藤井とのマッチアップで一歩も引かなかった明本が好評価。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
前半はすごく良かったと思います。コンビネーションでの崩しもあり、相手のプレスをはがすことができたと思います。ただ、はがしたあとの最後の4分の1、3分の1での質が低下していたり、少し焦ったような形になってしまいました。かなり距離がある中でのシュートなど、シュートを打つことが悪いのではありませんが、可能性があまり高くないシチュエーションでのものが多かったと思います。

後半は相手もダブルボランチ2シャドーという形に変えてきて、われわれのビルドアップへのプレスの掛け方や、ボールを持ったときの形を変えてきました。われわれもアレックス(シャルク)、小泉(佳穂)とプレーの強度が疲労とともに落ちてしまって、コントロールをして握ることが少し難しくなった展開でした。その中でもチャンスはあったと思いますし、勝点3を取るのにふさわしい決定的なチャンスはあったと思います。ただ、相手にもそういった形はありましたし、危ない場面もありました。この試合は非常に堅い試合で、難しい試合になったと思います。

--勝てない試合が続いているが、大事なのは我慢することか、何かを変えることか。
それはどちらも考えているところで、われわれにいったい何が足りていないのか、勝てない理由はどこにあるのか、ファイナルサードの決定的な場面をより作るためには、選手の立ち位置はどうか、個で打開していくためには、コンセプトはどうなのかなどを頭の中で考えています。試合に勝つために何が足りていないのかを考えているところです。

コメントのとおり、作りのところは良かった一方で、アタッキングサードでの質や落ち着きが足りなかった印象。

 

[ ミヒャエル スキッベ監督 ]
面白い試合だったと思いますが、そのわりに0-0で終わってしまいました。ただ、シュートチャンスは両チームともありましたし、どちらのGKもすごい活躍をした試合でした。その中で最後の最後までゴールを目指して頑張っていましたし、ラッキーパンチが出ればという可能性を残したままプレーしていました。Jリーグの中でも良い試合だったと思います。レベルの高い2チームが競い合った素晴らしい展開で行われた試合だったと思います。

--ハーフタイムに交代をしてシステムも変えたと思うが、その狙いは?
まずナス(ナッシム ベン カリファ)がイエローカードをもらっていて、そのあともアグレッシブなプレーが続いていました。そういったところが売りの選手ですから、レッドカードをもらわないようにという配慮の下で交代になりました。それと同時に、前半は中盤のところがイマイチ機能していなかったので、松本(泰志)を入れて中盤を支配しようと考えました。そこはうまくいったと思います。

--後半は試合を支配したと思うが、最後の20分くらい押し込まれていたのは疲れがあったか。
疲れではなく、むしろ相手が良い時間帯になったと思っています。自分たちの中盤で奪われたボールで、ミドルシュートやセットプレーで危険なシーンをたくさん作られてしまいました。そういった相手のクオリティーもあったので、ゲームを支配できない時間帯もあったのだと思います。

やはりベンカリファはカードトラブルのリスク管理による交代。コメントにあるように、松本の投入で中盤の構成力を上げようという意図もうまくいっていた。