がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第3節 アビスパ福岡vs北海道コンサドーレ札幌 メモ

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スタメン

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流れ

福岡は[5-4-1]セットでミラーゲームに持ち込む。

札幌は高嶺左下ろしの[4-1]ビルド。

4分、菅野を中央に加えたビルドアップで、福岡の1トップ2シャドーをおびき寄せてから大外で空いた福森へ浮き球で届ける。そこからスピードのある斜めの縦パス。

11分、1トップ脇から宮澤が運び出して変化をつけるが、逆に言えば福岡は後ろの人がそろっている状況で、パスが出た先でつぶされて札幌がカウンターを受ける。

16分、高嶺の運びからするすると上がった駒井への縦パス。福岡は駒井にボランチが出る&相手CBが運んでくるの2つが掛け合わさるとボランチが空けたスペースのケアが難しくなる。

札幌はシャドーがボランチの裏でうろつき、縦パスを待つ立ち位置。

基本は札幌が持って福岡が受ける構図。札幌は保持から、福岡はカウンターからのチャンスをうかがっているので、両者のプランが両立する状況。

福岡はルキアンをフリーで受けさせられるか、もしくはルキアン自身がマークをはがせるかでカウンターへ移れるかどうかが決まる。

28分、抜け出した山岸を倒した札幌のファウルでPKの判定。田中駿に警告。福岡はカウンターからルキアン、クルークス、山岸の3人のコンビネーションで崩しきった。

ルキアンのPKは菅野がキャッチ。直前に出てきたデータを見ると、ルキアンはこれまで蹴ってきていたコースに蹴って止められた。

前と駒井のボールハンター同士のマッチアップが熱い。

34分、左に流れたクルークスのクロスから最後はファーであまっていた湯澤がシュートも菅がゴールカバーで防ぐ。福岡がカウンターに出ていく回数が増え、質も高まってきた。

38分、CKの流れでゴール前の混戦からルキアンが押し込むが、直前で宮のハンドがあったとしてノーゴール判定。

46分、プレスを外して前進に成功した札幌が福森→興梠でチャンス。縦に入れたタイミングで相手に選択を迷わせたら札幌は優位に立てる。

 

序盤は札幌が浮いたサイドを使ったり、CBの運び出しで福岡の守備対応を難しくさせていたが、中盤以降は福岡の守備陣にも慣れが生まれ始めてカウンターを効果的に打てるように。互いにチャンスは作れる流れにはなっているが、よりゴールへ迫れていたのは福岡。入っていたところを奪えるか外せるかの紙一重がどちらに転ぶかで勝負が決まる。

 

後半

前半からルキアンへの対応が宮澤になっているので、起点つぶしが難しい札幌。

47分、クルークスのCKからグローリが合わせるも菅野がセーブ。

49分、攻撃参加してきた熊本がコンビネーションからPA内を攻略。福岡の時間帯。

51分、駒井に警告。前へのアフターチャージ。

56分、ルキアンのポストから山岸→ルキアンでチャンスも菅野が出てきて好対応。ピンチを未然に防いでいる。

福岡がルキアンを軸に札幌ゴールへ迫る時間が続く。札幌は我慢の時間帯。

小柏へのアフターチャージをとられた熊本に警告。

59分、札幌交代

興梠、駒井、宮澤→青木、深井、柳

青木をシャドーに入れて、小柏を最前線へ。

選手交代を1つのきっかけに少し押し返し始める札幌。

68分、小柏で右奥を取ってからクロスに青木が合わせるもニアで角度がつけられなかった。

68分、札幌交代

菅→荒野

荒野をシャドーに入れて、WBを右:金子、左:ルーカスへ変更。

70分、福岡交代

クルークス、山岸→金森、フアンマ

72分、高嶺が下りずに1トップ裏で受け、ボランチ脇へ刺すパスで前進。札幌は選手交代後からボランチを安易に下ろさず、福森を後方へ残して組み立てる形に変えた?

札幌が前進できる回数は増えたが、福岡も前向きでの奪取はできており、PA付近を崩される回数も少ない。

75分、ゴール前で混戦を作り出した札幌が深井のシュートまで。札幌は前線に高さがないので、よりゴールに近い位置で前向きを作れるかどうかがポイント。

札幌が敵陣へ押し込む時間。どこかのタイミングから田中駿と柳のポジションを入れ替えた。

80分、福岡交代

湯澤→田中

より攻撃的な選手を入れて1点を奪いにいく。

福岡には高さがあるので、セットプレーにはかなりの脅威がある。

福岡はホルダーや受け手に強く行けなくなっている印象があり、そうなると札幌の選手は高精度のパスを供給できる。

福岡のシャドーは横のラインの[4]を崩さないように意識し、あまり前へ出ずにセットする。

86分、276交代

ルーカス→中島

青木が左WBへ移って、最前線に中島を入れる。

87分、ここは前から追って回収する福岡。

88分、福岡が相手ゴール前で混戦を作るも、フアンマのシュートは札幌がブロック。

89分、志知の突破からゴール前へ入ってきた中村がバイタルで合わせるも枠外。合わせるのが難しいボールではあったが、決定機を逸した。

90分、柳がPA付近へ入ってきてミドルを放ち、札幌がこぼれ球を押し込むが、オフサイドの判定。福岡は最終ラインが晒されてブロックに入り切れなかった。

札幌は中島が入ったことで、そこへ単純に当てていくような攻撃が増えた。

 

エネルギーが落ちてきた最終盤は互いにチャンスを作り合ったがゴールは生まれずスコアレスドロー。福岡は前半のハンド、札幌は終了間際のオフサイドと、それぞれ一度ずつネットを揺らしたが、認められなかった。

トータルで言えば福岡のほうが攻撃の迫力はあったが、札幌も自分たちのスタイルを貫いて良い時間帯を作り出せていた。札幌は屈強なFWがカウンターの起点になる相手だと宮澤で抑えきれずにラインを押し下げられるケースが多くなりそう。柳の投入で守勢を図ったが、本来なら宮澤は下げたくないはず。

 

 

個人的MOM

★菅野 孝憲

PKストップで相手に先制を許さなかったこと、そして背後のスペースのカバーでピンチを未然に防いだ。1点リードすると強い福岡に対して、相手の土俵に持ち込ませず、自分たちの時間帯を作るアシストをしたと言える。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷部 茂利監督 ]
得点を挙げるチャンスがあった中での引き分けだったので、また相手にボールを持たれるシーンはありましたが、大きなピンチも多くはなかったので、そういう意味では勝ちたかったなと。ただ、公式戦は続いていくので、また選手たちと高めて試合に臨んでいきたいなと思います。

--札幌対策がうまくいったゲームになったのでは?
ミーティングとトレーニングもさほどできていないのですが、札幌さんに当てた形、それと選手の意気込みも含めて、ルヴァンカップで勝った勢いも少し持ちながら、細かいところもうまくできていた。チームとして向かっていけていたなと感じていました。

--無得点に終わりましたが、チャンスは作れていました。
基本的には大量得点、大量失点をするスポーツではないので、1得点に重みがある競技だと思います。そこが今日は出たなと。内容的にはまずまずだったとは思うのですが、得点を取らないと勝てないということ。そこはこれまでも分かっていること、これからも続くことなので、そこの質、回数をずっと挑戦し続けることが大事だし、そこで折れることなくやり続けていきたいと思います。選手たちは試合で本当に良いものを実行していたと思いますし、良いものを見せた。やはり、最後ですね、最後のプレーが大事になって来ると思います。

 

[ ペトロヴィッチ監督 ]
今日のゲームは予想していたとおり、非常に厳しいゲームになりました。予想どおりの展開で、相手は前にいるターゲットに長いボールを蹴って、そのセカンドボールを拾って攻撃を仕掛けてくる。そういった相手の狙いは分かっていましたが、相手の17番(ルキアン)と11番の選手(山岸 祐也)と競り合い、そのセカンドボールを拾われる回数が多くなりました。

それに加えて、ビルドアップの部分で前と後ろの距離が非常にある中で、攻撃のほうもうまくいかずに、引っかけられてカウンターを受けるという展開になってしまいました。前半はわれわれが1点、2点を取られてもおかしくない展開だと思います。そういう失点をしなかったことは非常にラッキーでした。

後半に入って選手の立ち位置を少し変えてビルドアップについては改善されたと思います。そして途中で選手を入れた中で主導権を握る戦いができたと思います。そういう中でいくつかチャンスがありましたが、ゴールを奪うところまではいきませんでした。今日のゲームは前後半の内容からすれば、引き分けが妥当な結果だと思います。

ただ、今日選手たちは強い気持ちを持って戦ってくれたと思います。われわれは2カ月あまりに及ぶキャンプの真っただ中にあります。広島との札幌でのホームゲームがありましたが、相手の広島よりもわれわれの移動距離のほうが長いということもある中で、勝点1を取りました。もう少しでキャンプが終わりますが、やはり長い期間、家族と生活できない環境で戦い続けるのは簡単なことではありません。

その中で今年に入ってからの5試合の公式戦でまだ負けていないということは選手たちが頑張ってくれている結果だと思います。もちろん勝つことができていればより良いわけですが、現状の中で今日のゲームもそうでしたが、非常に強いものを持って戦ってくれています。今日のゲームはもしかしたら負けていたかもしれない展開の中で引き分けたことは選手の成長の証だと思っています。