2022 J1リーグ第9節 横浜F・マリノスvs川崎フロンターレ メモ
スタメン
流れ
立ち上がりはマリノスがボールを持って敵陣へ攻め込む。
川崎はゴールキックからしっかりつなぎ、東京戦からの変化を感じさせる。
2分、チャナティップに警告。ターンで外されたエウベルを倒した。
川崎がプレスに来ても足元でつないで外すマリノス。ギリギリまで寄せられてもワンタッチを駆使しながら1つずつ外していく。そこに個人の能力も上乗せできるので効果的な前進が安定して行える。
5-6分、右サイドを抜け出して折り返したマリノス。中央でセアラが倒されたがノーファウル判定。川崎はギリギリの対応だった。
ビルドアップにおいても敵陣での攻撃構築でもマリノスのほうが優勢な立ち上がり。
川崎はWGがCBに寄せるため、SBへの寄せがワンテンポ遅れがち。そこから斜めに走り込むWGへ供給されている。
9分、川崎が中盤でリズムよく繋いでプレス回避。一気に逆まで展開し、良い攻撃を見せた。
11分、高丘の縦パスからすべて縦、縦で前進し、エウベルのアーリークロスまで。川崎側のプレスやコースの切り方が多少甘いと簡単に前進してくるマリノス。
15分までマリノスがボールを持って攻める時間が続く。川崎も良い攻撃を見せたシーンもあったが、プレスが決まらないことも含め、自陣から抜け出せない時間が長くなっている。
17分、セアラが背後へ抜け出してフリーのチャンスを作ったが、シュートがヒットせず。
18分、川崎決定機。左から崩して最後は家長のフィニッシュも高丘好セーブ。マリノスはWGが不在で中盤が2枚で対応しなければならない状況を強いられた。
19分、登里に警告。ボールへのアタックで触れず、結果的にカウンター阻止のようなファウルになった。
20分、川崎のプレスが機能。IHがSBへ、SBがWGにはっきりついたことで迎撃に成功。川崎にとってはマリノスのSBが内側に入ってきてくれるほうが捕まえやすいかもしれない。
マリノスは前4枚があまり戻ってこないので、中盤で持たれると[4-2]で守らなければならず、守備者の負担がかなり大きい。
20分前後から徐々にリズムをつかみ始める川崎。マリノスはロングカウンターもあるとはいえ、自陣で守る時間が長くなると後ろ6枚がかなり苦しそう。
28分、速い展開から家長→ダミアンでネットを揺らしたがオフサイドの判定。川崎にも決定的なシーンが増えてきた。マリノスはトランジションで一気に囲い込めればいいが、1回くぐられるとホルダーへの寄せがやや甘い印象があり、川崎の選手にとっては十分な余裕が生まれているように見える。
川崎は相手のSBが戻れない間に素早くWGを使う攻撃でチャンスを作り始めている。
31分、川崎先制。左サイドを登里→橘田で攻略すると、逆サイドで家長が詰めた。
得点後もマリノスは戦い方を変えずに攻めるが、かなり川崎のペースに傾いた。
マリノスは内外を使い分けた前進は安定しているが、敵陣での攻撃はクロス中心になっており、川崎のCBに対しては分が悪い勝負になっている。
最初の20分はマリノス、以降は川崎のペースといった印象の前半。マリノスが自分たちの時間で先制できていれば展開も変わっただろうが、川崎のペースになってからは守備と被カウンターの問題を解決できないまま時間が進んでしまった。
マリノスはビハインドを背負ったので攻勢を強めなければならないが、その上でカウンターのケアも行う必要がある。川崎の3トップが中央に寄ってくる守り方の攻略方法も含めて、全体のオーガナイズを修正する必要がありそう。
後半
後半開始後も前半からの流れと大きく変わらず、川崎のペース。マリノスは前進の安定感がなくなり、中盤で蓋をされてしまう場面が多々。さまざまなパターンでのコンビネーションを試して打開を狙っているように見えるが、個人ではがせないと難しい状況。
50分、マリノス交代
渡辺→畠中
岩田をボランチに上げる。
54分、川崎が高い位置で奪ってショートカウンターに移ろうとしたが、ロストし、エドゥアルド→仲川で逆にひっくり返す。トランジションから一瞬でチャンスが作れる両チーム。
56分、マリノス得点で同点。
エウベルが登里とのマッチアップを制して、ヘディングでネットを揺らした。川崎も陣形が崩れていたわけではないが、あっさりクロスを上げさせてしまったのと、登里のところで競り合いを作ってしまったことが痛かった。また、チャナティップがピッチ外に出て一時的な数的不利だったことも影響したか。
57分、再開直後にエウベル→仲川でゲット。マリノスが一気に形勢逆転。
60分、川崎交代
脇坂、チャナティップ、宮城→大島、遠野、知念
63分、マリノス追加点で3-1。松原とサイドに流れたセアラのコンビネーションで右サイドを打開し、折り返しをマルコス→エウベルでゲット。橘田にちょっと当たってコースが変わってしまう不運はあったが、マリノスに渡ったペースに呑まれている雰囲気がある川崎。
69分、マリノス交代
エウベル、セアラ→水沼、ロペス
72分、川崎ゴールで3-2。家長→山根で右奥を取り、クロスに知念が合わせた。マリノスはまた[4-2]ブロックの防ぎきれないところを突かれた形。SB裏のケアにボランチが出ると、クロス対応に間に合わない。
75分、敵陣まで持ち上がった松原がミドル。互いにボールを持ったほうがチャンスを作る。攻撃的な選手を多く置いていることもあり、自陣での守備は人数や強度が足りない印象。
77分、マリノスゴールで4-2。仲川のコントロールショットが右隅に吸い込まれた。小池が縦にランニングしたことでカットインコースが空き、シュートまでの余裕が一瞬生まれた。
78分、川崎交代
登里→佐々木
80分、川崎交代
家長→小林
82分、松原の足を踏んでしまった知念に警告。
川崎は[4-4-2]気味にシステムを変更?知念とダミアンの2トップ、遠野左SH、小林右SH。
83分、マリノス交代
松原、仲川→小池裕、樺山
小池裕が左SBに入り、小池龍が右SBへ移る。
川崎がリスクを取って攻撃するぶん、マリノスはマルコスを中心にしたカウンターの機会が増える。試合を落ち着かせるよりも、ゴールのチャンスがあればダイレクトにゴールへ向かっていく。
87分、CKからダミアンがネットを揺らすが、佐々木がGKを抑えたとしてファウルの判定。マリノスはセレッソ戦に続き、セットプレーの守備にはやや不安があるか。
多少は守備に振ったかもしれないが、リードしても「守り切ろう」という意志はそこまで感じられないままマリノスが逃げ切り。どこからか互いにオープンなゲームとなり、決定機を確実に決め切ったマリノスに軍配が上がった。ともに後ろで守るフェーズに不安が感じられるが、攻撃に振っている分、破壊力は抜群。それがこのスコアに反映されたと言っていいだろう。
個人的MOM
★エウベル
前半から背後を取り続けてチャンス量産。ヘディングにミドルと異なる形から2得点を決めたことも大きく、仲川とともに攻撃をけん引した。
監督コメント
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ ケヴィン マスカット監督 ]
すごく良いチームに対し、良い結果が出てうれしいです。特に後半はアグレッシブに勝ちにいく姿勢が見られました。スペースを作り、そこに誰が入っていくかという点も良かったです。全員が良いパフォーマンスを出し、良い結果につなげてくれました。--今季から左ウイングを務める仲川 輝人の評価を聞かせてください。
彼だけではなく、チームとして必要な選手がそれぞれのポジションに入っています。仲川は右でも左でもとにかくアグレッシブに点を取りにいく危険な選手ということを見せていくことが大事で、チームとしてもどう戦うかが大切です。--後半途中に渡辺 皓太を下げ、畠中 槙之輔を投入して流れが良くなりました。どのような狙いだったのでしょうか。
連戦でまた4日後に試合があります。チームとしてベストポジションでプレーさせたかったのはあります。畠中も岩田(智輝)も良い形でリカバーできていますし、他の選手もまだまだ出てくるでしょう。しっかりとエナジーを出せるか判断したのが理由です。--昨季のチャンピオンチームに勝った意味をどう捉えていますか。
(開幕戦の)C大阪戦のあと、「結果は大事だ」とは言いましたが、もっと大事なのは内容です。自分たちのパフォーマンスをピッチで表現できれば、どのチームも止められません。内容があって、結果もついてくると考えています。
[ 鬼木 達監督 ]
スタートから選手たちは積極的に攻撃してくれたと思っている。その中で先制点を取れたので、もう1点、追加点を取りにいきたかったが、反省は連続失点のところ。失点はサッカーの中であるものだが、それを連続でしないこと。そこはマネジメントも、気持ちのところもある。そこで勢いを持っていかれることもあるということを反省しながら、次にもっていきたいと思う。--昨日、コロナ陽性者のリリースがあった。準備に影響は?
多少はありますが、今季はそういうシーズンだと思っている。どのチームもそういう準備をしないといけない。致し方ないかなと思っています。--リーグ戦2試合目で黒星がついたことについて。
もちろん、勝ち続けたい思いはあるが、力のあるチームと戦っての敗戦は起こり得るところ。そこは受け止めながらやっていきたい。自分たちは発展途上。昨季、一昨季の王者かもしれないが、今季は積み上げていかないといけないことも多くある。いろいろな力を見せられたゲームだった。これから、やれることを短い期間でやっていきたい。--連続失点のところで、体を張れなかった部分があるが?
体を張っていないとはいえないが、そういう際(キワ)のところで決まるのがサッカー。そういう意味では、こだわらないといけない部分かなと思う。それで点は入るし、失点する。前節は逆に体を張っていた。スーパーゴール、オープンなところもあったが、そこでパワーを出さないといけない。ただ、順番としては攻撃のところで、点を取ったようなシーンを何度も続けていくことが大事だと思っています。