がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2022 J1リーグ第16節 ヴィッセル神戸vs北海道コンサドーレ札幌 メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

 

神戸は橋本が先発。大迫がメンバー復帰。藤本、佐々木、サンペール、槙野が負傷離脱中。

札幌は福森が出場停止。興梠、小柏、高嶺、菅野、田中駿、大谷らが負傷離脱中。

 

流れ

神戸は汰木が右で小田が左。

神戸は主に武藤のスイッチでラインを押し上げて高い位置からプレスに出ていく。札幌に簡単に前進を許さない構え。

札幌はいつもどおり人を合わせながら前から追って回収を図る。宮澤と武藤のマッチアップがカギを握りそう。

4分、ルーカスのクロスをファーで菅が合わせるも神戸DFがブロック。神戸は中央を閉めるので、札幌の外→外攻撃は効果的。

神戸が比較的落ち着いてゲームをコントロールしようとしているのに対し、札幌は店舗を上げようとしている。神戸に陣形を整えられると面倒なので、素早く攻め切りたいということもあるか。

8分、ルーカスのアーリークロスに駒井が飛び込むも枠へは飛ばせず。序盤は札幌がシュートチャンスを作っていく展開。

11分、酒井が1人外して左サイドを突破。札幌の構造上、神戸は1枚外せればチャンスを作りやすい。

12分、札幌は深井と荒野の2枚を下ろして3バックビルド。神戸の2トップ脇をのぞく形。

神戸は立ち上がりこそハイプレスを掛けていたが、10分前後からライン設定を下げ、受ける展開を許容するように。札幌は縦のスピード感があるので、そこでゲームスピードが上がってしまう展開をきらったかどうか。

16分、神戸先制、1-0。CKのこぼれ球をバイタルから蹴り込んで決めた。中野はややブラインド気味だったので、少し反応が遅れてしまったかもしれない。

18分、金子が右ポケットで持って仕掛けから折り返しを送るも打ち切れず。最後は前川がキャッチ。札幌も惜しいところまでは来ている。

3枚気味で回すことが多くなった札幌。2トップ脇から運んで中盤の選手の間を通そうとしている。それに対して神戸もCBが迎撃の準備を整えて潰しにいっている。

21分、武藤の起点をつぶした岡村に警告。屈強なFWに最も対応できそうな岡村への警告は痛いと思うが…。

24分、ワンツーで抜けようとした青木を止めた菊池に警告。札幌の岡村と同様に、神戸も潰しのキーマンになりえる菊池に警告。

神戸は自陣撤退時には、武藤を最前線に残した4-4-1-1のオーガナイズ。

30分、菅のクロスのこぼれ球をルーカスがボレー。札幌はサイドで深い位置を取ることはできているが、中央のより危険なエリアでシュートを打つことはできていない。

32分、神戸が自陣から一気にスピードを上げて武藤→汰木で抜け出すも中野がカバー。

33分、岡村が、カウンターに出かけた小田を止める。岡村は警告を受けているので、やや危ないプレー。

神戸は守備でゲームをコントロールしながら、前線のスピードを生かしたカウンターで追加点を狙いに行くプラン。

37分、中盤で奪った神戸のミドルカウンター。武藤、小田、汰木で完結しに行ったが、武藤→汰木のパスがつながらず。

札幌が持つ時間が続いているが、ライン間で受けたり、エリア内でシュートを打てたりするシーンはほとんどなく、神戸としては自陣で受ける展開でも問題ないと思って進められていそう。

46分、岡村がバックドアで右ポケットに進入し、折り返したが神戸がはね返す。神戸の得点後で言えば、一番惜しいシーンだったかもしれない。

 

ボールを持って多くの時間で攻めたのは札幌だったが、ゲームを支配したのは神戸。「1点さえ取れれば無理に攻める必要はない」とばかりに自陣でバランスを崩さずに守りながら、武藤を軸にカウンターを狙った。この展開を続けながらカウンターで追加点を奪えれば理想的な流れだろう。

札幌はボールを持つことは問題なくできるため、カウンターのリスク管理も考えながら、相手の組織を壊す一手を見つけなければならない。おそらく2点ビハインドになると勝点を取るのは相当難しくなる。

 

 

後半

神戸交代

小田→郷家

札幌交代

青木→オリヴェイラ

札幌はクロスのターゲット役としてオリヴェイラを入れて得点を狙う。

後半立ち上がりは神戸が再び前からプレスを掛ける。

49分、前からジワジワプレスにくる神戸に対してGK中野を加えて前進する札幌。神戸も立ち上がりは勢いよく前から追ったが、少しずつ重心を下げてきているか。

51-52分、神戸が左で作ってからクロスに郷家が合わせる。札幌DFも体を寄せて対応。

53分、オリヴェイラが中盤のプレスバックで奪ってからシュートまで。そこまで危険なシュートにはならなかったが、神戸は陣形が崩れた状態でシュートまで持ち込まれた。

54分、汰木が左サイドを抜け出してPA内まで入り込み、最後は武藤がシュートを狙うも札幌DFがブロック。前半途中からは割り切って守りを固めていた神戸だが、後半は札幌よりもチャンスの数も多く、質も高い。

58分、札幌同点、1-1。クロスを前川がファンブルすると、こぼれ球を拾って枠内へねじ込んだ。ポストに当たってギリギリ。神戸は問題なく守れていたように感じたが、個人のエラーが失点につながってしまった。

60分、大﨑に警告。札幌が得点の勢いのまま、圧力を強めている。

61分、神戸交代

イニエスタ→大迫

イニエスタは連戦で出っぱなしだったので、コンディション考慮か。

63分、神戸勝ち越し、2-1。ゴールに近い位置でのFKを武藤が直接合わせてゲット。神戸は意図せず形で追いつかれてしまったが、すぐにリードを取り戻せたことは非常に大きい。

65分、武藤を倒した深井に警告。

67分、郷家がミドルを狙うも中野がセーブ。枠内へ飛んでいた。

68分、神戸追加点、3-1。郷家のシュートの流れで得たCKから混戦を作り出し、最後は菊池が押し込んだ。1stシュートは中野が素晴らしいセーブを見せたが、それ以降を止めるのは難しかった。

70分、クイックリスタートから大迫のクロスでファーの汰木を狙ったが合わず。

71分、橋本との球際での競り合いで痛む荒野。橋本に警告。

72分、札幌交代

中村→シャビエル

73分、神戸追加点、4-1。汰木が左サイドを抜け出して折り返しを札幌DFに当たってオウンゴール。大迫が飛び込んだことで生まれたと言っていい。

75分、キックオフ直後のパスミスから大迫がかっさらってゴールへ向かったところをシャビエルが体ごと止めにいきファウル。ドグソで一発退場。シャビエルは入ったばかりで即退場となってしまった。札幌は前節の福森に続いて2試合連続の退場者。

77分、神戸交代

橋本→井上

80分、柔らかいクロスの落としにオリヴェイラが詰めるも前川の守備範囲。札幌は前節と同様に1人少ない中でも保持で敵陣まで入って攻める。神戸は守備を固めてクローズに入っているが、札幌の死なばもろともの攻撃を結果的に乗せてしまっている。

82分、神戸交代

大﨑→ボージャン

85分、武藤→大迫でシュートまで持ち込むも中野の守備範囲。

90分、武藤の折り返しでファーの汰木を狙うが、岡村がカット。右からの折り返しに汰木、のパターンは何度も狙っているが、札幌もそこは通させない。

92分、ボージャン→武藤→ボージャンで右ポケットを取って折り返しも中で合わず。

93分、ボージャンのミドルは中野がセーブ。ボージャンもアピールの意欲が高い。

 

リードを得た神戸が前に出ていく時間と自陣に撤退する時間をうまく使い分けながらゲームを支配。前川のファンブルによって同点に追い付かれたことで札幌にも流れが傾くかと思ったが、すぐに勝ち越したことで完全に流れを取り戻し、そこからセットプレーで畳みかけに成功。シャビエルの退場で勝負は決した。最近の失点はセットプレーか自陣でのミス絡みによるものがほとんどで、相手に崩されたものはほぼないと言っていい。守備面では自信を持ってやれているはず。鳥栖戦同様、1点でもリードを奪えれば自分たちの土俵に持ち込めることを示したような試合だった。

札幌はボールは持たせてもらえるという状況を受けてオリヴェイラを投入し、意図した形ではなかっただろうがそのオリヴェイラが得点。同点に追い付いたことでチャンスが見えたかに思えたが、直後の失点が痛すぎた。前節同様、1人少なくなった中でもチャンスを作れることは強みだが、セットプレーでの3失点は大きな反省材料。また、攻撃にかじを切りすぎるあまり、大量失点で心を折られてしまうゲーム運びは見直す必要があるだろう。

 

 

個人的MOM

★汰木 康也

前半は右サイドを、後半は左サイドで躍動。持ち前のアジリティーとスピードを生かして何度もゴール前に進入してチャンスを量産した。札幌の守備に阻まれたものの、ファーへの飛び込みもサボらずに続け、先に触れれば1点というシーンを多く作り出したこともプラス材料。セットプレーのキッカーとしても存在感あり。

 

自分たちの土俵へ引き込む先制点を生み出した山川、相変わらず最前線で攻守にスーパーな働きを見せる武藤も好評価。

 

トピックス

シャビエルが一発退場で次節出場停止。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ロティーナ監督 ]
試合に関して重要だった局面が2つあると思います。1つ目はきっ抗している中でこちらが先制点を決めたことですね。先制したことで自信につながったと思っています。2つ目は相手に同点ゴールを決められたあとの武藤(嘉紀)選手のゴールですね。重要なゴールだったと思いますし、それ以外にもいろいろな要因が重なってこの試合に勝てたと思いますけど、この2つが最も重要な局面だったと思っています。

前半に関しては、相手がサイドチェンジからリズムを作っていたこともあり、こちらの左サイドに向かってのサイドチェンジで危険を作られていたと思います。酒井(高徳)選手が2対1(の状況)をやられたり、小田(裕太郎)選手がサポートに行っても3対2(の状況)で対応されるなど苦しんでいたんですけども、ハーフタイムにそこを修正して、相手の動きは消せたかなと思う。後半、相手が作ったチャンスは逆に左サイド、こちらの右サイドからが増えていたので、そういうところでも相手のやりたいことはある程度止められたかなと思います。

--前半はなかなかボール保持ができなかった中でセットプレーの流れから得点を奪いました。なかなかボール保持できない中でのセットプレーの重要性について教えてください。
セットプレーは攻撃、守備どちらもどんなときも重要なものと思っている。今日ゴールを決められたのは大きかったですし、今年は守備で問題を抱えていて、攻撃でもあまり危険を生み出せていなかった。実際、(前々節・)湘南戦のゴール以外は決められていないと思います。その中でそういう傾向を最近、変えることができているのは大きいと思います。守備の安定性、攻撃でも機能を出せているのはチームとして大きな力になっています。

--改善できている理由は?
守備に関しては特に練習から集中力を保つこと、戦う姿勢を含めていろいろな修正をしてきたところが生きていると思う。攻撃に関しては個々の能力が関わってくるので、そこがうまくハマってきているのではないかなと思います。

コメント序盤にあるとおり、先制点を決められたこと、追いつかれたあとに2点目をすぐにとれたことがこの試合の行方を決めたように思う。神戸が自分たちの強みを出すために重要かつ良いタイミングで奪えた2点だった。

[ ペトロヴィッチ監督 ]
1-4で敗戦したということで、点差も開いたゲームのあとでコメントするのは簡単ではない。負けた試合のあとで「われわれのほうが上回っていた」というコメントは理解しづらい部分はあると思うが、札幌の監督ですので自チームを主観的に見ていますので、客観的に見たらもしかしたら間違った意見かもしれない。ただ、わたしには1-3までは札幌がピッチ上で相手を上回れていたのがあるのではないかと思いますし、ボールを動かしながら自分たちの形で多くのチャンスを作れていたと思う。1失点目に関しては、CKのこぼれ球からミドル(シュートを)打たれて失点し、そのあと、後半にわれわれは1-1に追いつくわけですけども、2失点目がセットプレー、3失点目がCKと、その流れの中で1人退場者を出して、4失点目を喫してしまったわけですが、その時点でおそらくこの試合に関しては結果が出てしまうような状況だったと思います。

ただ、負けはしましたけど、選手たちは非常にこの気候の中でハードワークしてくれましたし、たくさんのチャンスを作れていた。1-3でリードされる展開までは、われわれ札幌は相手よりも良いサッカーを見せていたと思いますし、十分にこの試合をモノにできるものは途中まではあったと思っています。

--リーグ戦は中断期間に入ります。中断期間にJリーグYBCルヴァンカップの試合はあるが、次のリーグ戦までにチームに望みたいことは?
レギュラーの選手が6人も7人も欠けている中で、なにか特別われわれがこの期間を利用してできることは多くないと思います。ただ、やはりまずは2日間しっかりとオフをとって、リフレッシュしてからカップ戦に向けて準備していきたいですし、しっかりとまた自分たちの戦い方を確認しながら、そして今日はセットプレーからの失点が多かったので、セットプレーからの守備の確認もしなければならない。そういったところの修正はやろうと思っています。今日のゲームは若い選手も出ていましたし、連戦の中で連続出場している選手もいる。それでも札幌としての戦いは十分に表現できていたと思いますし、狙っている形で守備を崩すところまでは行けていた。もちろん得点を取る割合を上げていかないといけないですが、そこのところについても引き続き、選手たちと地道な取り組みをしていくしかない。いま厳しい状況で戦っているが、1人でも多くケガしている選手が戻ってくること、そしてチームとして底上げを図ることは今後へ向けてやりたいことです。