2021 J1リーグ第7節 清水エスパルスvs徳島ヴォルティス メモ
スタメン
清水
保持
後藤がSBへ走る。
ボックスビルドをメインに、エウシーニョもサポート。ボランチは2人とも、中央だけでなくサイドまで広く動く。
非保持
サンタナは最前線に残してカウンター&ポイント作り要員に。
前節まで、後藤は中盤のサポートに入ることもあったが、ここでは「2トップ」の振る舞いが多い。
徳島
保持
岩尾が最終ラインをサポート。相手のプレスを見ながら下りる。
ボランチが下りないときは田向がインサイドに入り、3バック化もする。
非保持
[4-4-2]セット。
流れ
徳島が持って清水が受ける序盤。徳島が前から奪いに行くのに対し、清水は無理にいかずステイする。
清水は10分前後から安定してプレスを外し始める。徳島は垣田と渡井の前2人でボールサイドのCHを捕まえられないとハマらない状態。
清水も2トップの背後のスペースを使われて前進されるのは気になる。
13分、サンタナが中盤で粘って起点づくり、サイドで大きめのワンツーのような形で抜け出してフィニッシュまで。徳島DFがブロック。
少しずつ前からの圧力を強めてきた清水。
飲水まで
立ち上がりは徳島がボールを持って支配していたが、清水も徐々に慣れてきてボールを持てるようになる。ただ、徳島のビルドアップをうまく妨害はできず、狙ったようにボールを奪うことはできていない。
27分、前からくる相手をひっくり返し、間延びした中盤で渡井が受けると、最後は宮代がドリブルからシュート。一度ははじかれるもこぼれ球を再び宮代が拾って流し込む。徳島が先制。
徳島は、清水がプレスに来なければCBが運んで縦パス、きたらサイドを経由しながら相手2トップの背後を使うビルドアップ。相手を見ながらうまく調整している。
30分あたりからは徳島がビルドアップでうまく攻め込む時間帯。
41分、後藤のループヘッド(?)を上福元がギリギリでかき出す。清水は久しぶりの決定機。
44分、右からのクロスにサンタナ。ヘッドは合わせきれず。
40分頃からは清水の時間になってきている。
徳島が保持で相手のプレスを上回り、攻撃を安定させている。それに伴って守備の時間も減らすことができた。先制点もビルドアップでうまくスピードアップまで持ち込んだところから。攻められる時間もあったものの、充実した前半と言える。
一方で清水は途中から前からハメにいったが、うまく奪い切れないことが多かった。前から追うことで空洞化した中盤を使われて相手の2列目の特長を引き出してしまった。ビルドアップも形自体は悪くないが、技術的なミスでつながらないケースも。後半はボールを奪い、保持の時間をより多くしたい。
後半
福森、金子、後藤→、原、中山、カルリーニョス
後藤と同じようにSBの背後に走るカルリーニョス。
竹内を最終ラインに下ろしたビルドアップ。徳島は前半同様、高い位置からプレスを掛ける。
48分、右を抜け出した垣田のクロスが鈴木義の手に当たりPK。
VARのチェック+オンフィールドレビューで3~4分近くかかったが、PKの判定は覆らずPKの判定。岩尾が決めて徳島が追加点。
そこまでビッグチャンスではなかったが、ラッキーな形で徳島は2点のリードを得た。
56分、西澤→中村
58分、岸本のカットから敵陣へ運び、最後は藤原のシュート。権田好セーブ。
中村と原の流動的なポジショニングに対して少し守りづらそうにする徳島。
61分、渡井→浜下
浜下が右SHに入り、宮代を中央へ。
63分、左で中村が個人突破。クロスにサンタナが合わせたが、良い体勢で打てず枠外。
66分、藤原が内側に入ってSBを引き連れ、空けたスペースに宮代を走らせる形。
飲水まで
清水がボールを持つ時間を増やし、徐々にゴールに近づいている雰囲気はある。徳島も垣田のポストを生かしながら押し返しを図るが、持てない時間は多くなっている。
71分、河井、鈴木唯
75分、藤原、鈴木徳→杉森、藤田譲
杉森が右に入り、浜下が左へ移る。
清水が押し込み、徳島が耐える時間が続く。清水はクロスからサンタナ狙いが多い。
82分、田向、宮代→ジエゴ、河田
85分、こぼれ球を拾った中山が1人でちぎってCK獲得まで。
91分、右を抜け出した岸本のクロスに垣田が点で合わせて徳島が3点目。勝負を決める一発。
後半は多くの時間を守りに割くことになった徳島だが、決定機という決定機はそこまで作らせず、我慢できたことが大きい。早い時間に2点リードにできたこともメンタル的に楽にできた部分でもあり、3点目を取ってダメ押しできたのもしたたかさを感じる。
清水は攻勢を強めた60分以降、早い時間で1点を返せていればもう少し“雰囲気”を出せたと思うが、1点が遠かった。後半途中まで徳島のビルドアップを妨害できなかったプレスも改善点に挙げられる。
トピックス
清水
前節は金子左、西澤右だったが、今節は西澤左、金子右になった。
ヴァウドがフェイスガード着用。前節の衝突の影響か。
ハンドが取られてPKを与えたこともあり、相手のハンドや微妙な判定へのフラストレーションが溜まっている。スタンドも1個の判定に対してかなりざわつく。
徳島
宮代は2戦連発。
岸本→垣田のホットラインが開通。岸本は守備でも粘りのある対応を見せ、切り替えでも前に出ていくなど、存在感があった。垣田もポストでポイントを作る役割と最後までチェイシングを緩めない献身性で貢献。
初の完封&3得点で2連勝。
コメント抜き出し
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ ロティーナ監督 ]
前半きっ抗した展開の中で、われわれにも決定機がありました。その中で彼らがチャンスを作ってそれを決めた。そのプレーの流れは彼らの特徴的なビルドアップからで、それは分かっていてケアをしていた部分でしたが、あのときだけ止めることができず、それがゴールにつながったと思います。ハーフタイムにいくつかの修正をして、3人をチェンジして逆転を目指しましたが、立ち上がりにPKを与えて失点をしてしまいました。そこから焦りが出てミスも多くなり、賢いプレーよりも、気持ちが先走ったプレーが多くなってしまったと思います。ここから学び次につなげていく必要があります。今日のチームのイメージはとても良くないので、すぐに改善していかなければいけません。--徳島のどこに一番苦しめられたか?
相手のビルドアップが機能していて、われわれがプレッシャーに行っても奪えず、そのあとリトリートしなければいけなくなり運動量が多くなりました。それが試合のカギになったと思います。--ハーフタイムに3人を入れ替えたが、その意図は?またハーフタイムの指示は?
カツ(中山 克広)、カルロス(カルリーニョス ジュニオ)はもともと、フィジカル面を考慮して90分はいけないということだったので、ハーフタイムから入れるという決断をしました。(ハーフタイムに)ビルドアップの部分も、またプレスの部分も改善して、より主導権を握って戦いたいと思いましたが、あのPKで試合が難しくなってしまいました。--「気持ちが先走ったプレーが増えてしまった」ということだが、気持ちが先走ることでプレーにどのような悪影響が出たか?
(後半)逆転していこうとしましたが、出はなをくじかれてしまいました。そこからメンタルの崩れというのはよくあることですが、メンタルが崩れてしまったらプレーに悪影響を及ぼしてしまいます。それはサッカーで一番良くないことだと思います。当然に起こることですが、そこを強くしていく必要があると思います。
[ 甲本 偉嗣ヘッドコーチ ]
前半の良い時間帯に得点をすることができ、僕たちの良い時間帯を作れたと感じています。守備の部分でうまくスイッチを入れられ、相手からボールを奪える場面も何度か作れました。後半はラッキーな形ではありましたが、PKを獲得することができて追加点を奪えました。その後、プレッシャーを受けて相手の時間帯になりそうなところもありましたが、その中でも選手たちはまとまって戦ってくれました。また、最後にダメ押しの3得点目も決められ、良い試合になったと思います。
--本日のゲームプランについて。併せて、鈴木 徳真選手の起用に至った背景を聞かせてください。
相手のプレッシャーをいかにかいくぐれるかを1週間トレーニングしてきました。その中で良い形でボールを動かすことができ、相手のビルドアップに対してもうまくプレッシャーをどう掛けるかというところもうまくいきました。ゲームプランとしては良い形でハマった印象です。鈴木 徳真に関しては、もともと力のある選手で調子もずっと良かったです。その中で、特に今週のパフォーマンスが高かったので起用しました。
--今季、先制しても追いつかれる。または逆転されるという展開がありました。今節そうならないために、ハーフタイムではどのような話を伝えましたか?
そういう展開を強いられたことがあった中で、ハーフタイムには選手たちにこれまでも伝えてきたことを繰り返し伝えました。こういう展開になったときも、守備では後ろに引くのではなく前からプレッシャーを掛けて、“守るよりも、奪う”ということを先行してやろう。攻撃では、ボールを動かすだけではなく、さらにゴールを奪いにいくことを伝えました。