がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2021 J1リーグ第3節 柏レイソルvs名古屋グランパス メモ

 

www.jleague.jp

 

youtu.be

 

 

スタメン

 

f:id:brgacha:20210314012743p:plain

 

 

流れ

両者ともに球際がかなり激しい立ち上がり。

名古屋のほうがビルドアップから前進する術を持っている。柏は名古屋最終ラインとのバトルで勝てない。

 

上島&大南コンビのルーズボールの処理がやや不安定。

名古屋はボランチを少し下ろしてCBが相手2トップ脇から運ぶ。SHの下りる動きとSBの上がる動きで相手SBに2択を突き付ける。

 

10分あたりからは名古屋が保持し、柏がカウンターを狙う構図。

柏は2トップだけが追って、後ろの[4-4]はブロック形成を優先。2トップが追い切れないと、ホルダーがフリーで運んでくるのでMFは間を閉める、SBは下りる選手を見ながら上がってくるSBを警戒する、と頭の負荷は高そう。

呉屋が精力的に前から追いかけてくれるが、名古屋のバックラインもプレス耐性が高いので剥がさせる。ただ、呉屋のチェイスがいやがらせにはなっていると思う。

 

柏が敵陣でプレーする時間を作るには呉屋が中谷&丸山とのバトルで収められるかに依存する。

 

名古屋は相馬の仕掛けを多く作り出す。マテウスはベースの右から左まで出張してくる。

名古屋はロストしてもプレスバックが早い。柏はなかなかスピードアップさせてもらえない。

 

 

柏は呉屋の単独のチェイシングに頼った守備。彼1人だけでかなり制限が掛かるので、無理に後ろから押し出してプレスを掛けなくても大丈夫な構造になっている。逆に呉屋(とシノヅカ)のプレスが届かないところから運ばれると、後ろの選手の頭脳的な負荷が高まる。

 

名古屋はまずはボールを持つことでゲームを支配する。ネガトラでは主に中谷が呉屋へタイトにマークにつき、起点を作らせない。中盤も戻りが非常に速く、スピードアップを許さない。

名古屋が攻守においてオープンな展開を作り出さないようにゲームをコントロール。失点のリスクを減らしながら、じわじわと攻め続けていく。柏はシュート1本しか打てなかった。

 

 

後半

49分、シノヅカの突破でカウンターへ。最後は潰されたが、プレスバックが追い付かない、彼のスピードを生かした攻撃ができた。

ボール保持のときは江坂がトップ下のような位置に潜り込んでくる。

 

55分、阿部→前田

57分、マテウスが右サイドを抜け出してクロス。柿谷のシュートはスンギュがセーブするも。稲垣が詰めたシュートがオウンゴールを誘った。

 

61分、瀬川、シノヅカ→仲間、クリスティアーノ

クリスティアーノが右SH、江坂を中へ。

 

 

67分、米本、柿谷→木本、山﨑

柏も徐々に持って攻められるようになるが、名古屋のブロックが崩される雰囲気はあまりない。

70分、呉屋→細谷

名古屋は2トップと中盤の間が間延びするようになってきた。自陣で守れているとはいえ、少し受けすぎているのは気になる。前線のプレッシャーも掛からなくなった。

マテウスの推進力と山﨑の収めで押し返す手段もあるが、長くは持てない。

 

82分、相馬→長澤

木本を最終ラインに入れて5バックに。長澤はボランチに入る。

前線をフレッシュにして前のプレスを強める方法もあったが、選んだのは割り切って後ろを固める形。サブで残っている選手を見ると妥当な判断ではある。

 

柏は終盤で押し込み、最終ラインも体を張って起点を潰したが、1点は奪えなかった。純粋なFWが呉屋くらいしかいないので、彼がスペースで勝負できる前半のうちに点が取りたいか。放り込みで勝負になると分は悪い。

 

名古屋は落ち着いた試合運びでゲームをコントロールし、保持で主導権を握ることでジワジワゴールに近づいた。1点が取れれば逃げ切る自信は持っていそうで、選手たちも「守り切る」という強い意志を感じる。 

 

 

トピックス

攻撃では中谷・丸山のタイトなマークに苦しんだが、ゴール前まで届けられればシュートを打てる呉屋。守備でもチェイシングをサボらず続け、後方を楽にさせた。

 

 

名古屋

1分、マテウスのホームランFK。

 

コメント抜き出し

(※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ネルシーニョ監督 ]
ゲームの入りから非常にきっ抗した展開だったと思います。ただ、特に前半はわれわれのプランどおりにゲームが進まず、良い形で守れていたんですけども、ボールを奪ってから前線に急ぎ過ぎたこともあって簡単にボールを失う時間帯が長く続きました。ハーフタイムには選手たちに、「奪ってからはもう少しボールを握って、われわれのテンポでボールを動かそう。良い守備から良い攻撃につながるように、自分たちのやろうとしていることを信じて戦おう」と伝えました。後半、前半の簡単にボールをロストしていた部分は改善でき、しっかりと自分たちのテンポでボールを動かすことができましたが、ミドルゾーンでボールを失ってから結果的に失点をしてしまった。結果こそわれわれの求めていたものではないですけれど、後半に入ってからのチームはバランスを取り戻し、良い守備から良い攻撃に出ていく良いサイクルも見られました。これから実現しようとしているものを信じて戦い続けるしかないと思っています。

--失点シーンの原因となったボールロストについて。
前節の守備から攻撃につなげる際のボールロストというのは、どちらかというと守備でボールを奪ってから前に急ぎ過ぎていた。急ぎ過ぎた中で起きたミスだったのに対して、今日の失点シーンは同じく守備から攻撃に切り替わったタイミングでのボールロストであることに変わりはないんですが、攻撃をする上で十分な人数、組織的な立ち位置が取れたにもかかわらず、シンプルな個人のミスによるボールロストでした。同じミスではありますが、ミスとしての形は前節とは違うとみています。

--クリスティアーノと仲間 隼斗の途中投入について。
クリス(クリスティアーノ)にしても隼斗にしてもレギュラー格の選手ですので、途中交代については1つプランとして持っていました。今日のゲームも、われわれとしてはより攻撃的にゲームの流れを変える必要性があったので、そういった狙いで彼らを投入しました。2人は相手にとってイヤな選手だと思いますし、あそこで攻撃のテンポを変えたことで、相手にとってやりにくい時間帯になったんじゃないかなと思います。

 コメントにあるとおり、前半は柏のリズムに持ち込めなかった。「前線に急ぎ過ぎた」ことで起きていたミスが改善されたことが理由かはわからないが、後半は一定の修正の成果を見せられた。

[ マッシモ フィッカデンティ監督 ]
ゴールを決めたところまではすごく良くて、そのあと少しだけ良い状態をキープできましたが、そこからだんだんと流れが変わったと思います 。

ゴールを決めたあと、ちょっと押し込まれそうになったところで、こちらもやり返そうと、攻撃的でフレッシュな選手を入れて、攻撃の時間を作りたかったのですが、グラウンドの影響もあったのか、ボールをしっかりキープできなかった。ややプレーするのに難しいグラウンドコンディションだったのかなと思います。

最後は勢いが柏に生まれたので、中盤の数を増やすという意味で交代を入れました。最後は5枚という形にしましたが、ゴール前をがっちり守ると、割り切るしかないなと。このグラウンド条件でこういうゲーム展開は、どちらの気持ちが上回るかという争いになります。そこは名古屋グランパスに来て、私が強く求めているものなので、そういった部分も含めて、選手たちはしっかりやり切ってくれたと、戦い切ったと評価できると思います。

--CB3枚は事前に準備してきた形だったのか?
柏のほうが優勢になったのはどこかというところで、両サイドの1対1のところは、こちらが最初から待ちかまえている状態にさせたかった。真ん中もしっかりとクロスをはね返せる3枚で、木本(恭生)がどちらもできるという特徴を生かして5バックにしましたが、1対1からボールを入れさせないというところから厳しくできたと思います。特別こういう練習をしてきたというよりも、試合の流れを考えて、こういう配置でこういう戦い方に持っていこうという指示を出しました。

 押し込まれ始めた時間の交代で流れを変えようとしたのはよくわかったが、柏の勢いをそぐことはできなかった。ただ、その中でも最後のところはやらせず、無失点で終えたのは強さをみせた部分。守り方においては特に準備していなくても柔軟に対応できるのも成熟している証。