スタメン
仙台
保持
蜂須賀が持ったら積極的にクロスを入れる。
サイドの選手の推進力を頼りに進む。
非保持
[4-4-2]ブロック。ラインは低めに設定。
マルティノスがシミッチにマンマーク気味。西村でサイドを限定。
川崎
保持
CBは比較的自由に持てる。
サイドで起点を作りつつ、クロスでゴールへ迫る。
非保持
ロスト後は素早く複数人で囲い込む。相手にボールを持たせない。
流れ
開始直後から川崎がボールを持って攻め込む。仙台は2トップでサイドを限定しながら狭い所へ誘導するが、川崎は狭い場所でもコンビネーションで抜け出してくる。
サイドで密集を抜けたあとは中盤のスペースで前を向き、スピードを上げる。
8分、仙台が前向きで奪ってカウンター。マルティノスに素早く預けて一気にゴールまで迫った。マルティノスをサイドではなく2トップにおいたことによるスピード感を見せられた。
11分、オープンになった中盤で前を向き、サイドの田中からのクロスを小林が合わせて先制。CBがギリギリさわれるか触れないかという絶妙なクロスだった。
川崎は狙ったとおりに良い形でシュートを打ち続けられており、良い流れのまま得点につなげられた。
川崎のロスト後のプレスがかなり速い。仙台が落ち着く時間が作れない。
仙台は前に放っても2トップが背負って収めるようなタイプではないのではね返される。かといってつなごうとしても強い圧力を受けるので苦しい。
22分、関口が負傷。肉離れっぽいアクションだったが、自力で歩いてはいた。
24分、長谷川のクロスを小林がファーで合わせる。シュートはポストに阻まれるが、こぼれ球を遠野が押し込んで2点目。
仙台は関口が外に出て1人少ない中での失点に。起点にされたのは関口がいなくなった左サイドだった。
31分、秋山が自陣から脱出しようとしたところを山根がカットし、クロスを送るとこれがオウンゴールに。絞ってきた長谷川に蜂須賀がしっかり対応したが、競り合いの中でバランスを崩され、意図したようにクリアできなかった。
プレスをかいくぐるためにはどこかでチャレンジはしなければならなかったので、秋山のドリブルが悪い判断だったとは一概には言えないが、結果的に悪いほうに転んでしまった。
38分、川崎はまたしても右サイドを崩し、クロスを送ると小林が押し込んでダメ押し。川崎は4点中3点が右サイドからのクロス。
44分、FKから山村のシュートを打つもスウォビィクが好セーブ。
川崎は異次元のプレススピードを披露。作ったチャンスの数・質に伴った得点数がとれた。
仙台は個人のフィジカルを頼ってポイントを作りたいところだが、そういうタイプがこの試合ではいない。ドリブルやパスワークで打開しようとしても逆に裏返されてしまい、苦しかった。
後半
仙台 西村、富田、秋山→松下、平岡、真瀬
平岡がCB、吉野が1列上がってボランチへ。真瀬が右SB,蜂須賀が左SBへ。松下と吉野の2ボランチの少し前に上原がいる中盤の構成。
川崎 シミッチ→塚川
シミッチはこの試合もプレータイムをコントロールした起用。
川崎がプレスの強度を落として入ったことで、仙台もボールが持てるように。マルティノスがシュートチャンスを迎えるが、決め切れない。
マルティノスがフィニッシャー役になる。
57分、上原が左の氣田へ振ったところから折り返しをマルティノスが合わせる。シュートはDFに当たるも、パスを出した後にゴールへ突っ込んできた上原がこぼれ球を押し込んだ。
トランジションからそのまま前へ出ていった旗手が個人で突破してシュートを決めて5点目。前半からPA付近まで入ってきてシュートを打つシーンはあり、ようやくその形が決まった。
85分
谷口のアンカーをテスト。
仙台は後半こそ少し自分たちの時間も作れたが、8割近く何もできない時間が続く試合になってしまった。川崎は異次元のトランジションを披露。メンバーを入れ替えた中でも十分すぎるチーム力を見せた。
トピックス
仙台
関口と石原が負傷。石原は終了間際の負傷だったため、大事をとってプレーさせなかった可能性もある。
川崎
3連戦目で大幅にターンオーバー。
特に前半は奪われてから囲い込むスピードが異常な速さだった。
コメント抜き出し
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 手倉森 誠監督 ]
両チームにとって特別なゲームでした。われわれにとってはホーム開幕戦で、王者の川崎Fになんとか牙をむいて、被災地に勇気と希望を届けたい試合でしたけれども、10年前に勝たせてもらった借りを返されることになりました。切り替えて、次はアウェイでの試合が続きますけれども、しっかり勝点を積み重ねてホームに帰ってこられるようにやっていきたいと思います。
--ひさびさの仙台での試合で感じた、サポーターの応援について。
9,005人が入ったのですが、ものすごい後押しと、あとは復興と銘打った特別なゲームで、その思いを寄せてくれたサポーターとともに戦えたことに対しては、本当に感謝です。ただし、勝利や勝点を届けられなかったことに対しては申し訳ない気持ちです。--この一戦で発信できたことについて。
王者・川崎Fに前半に打ちのめされた中で今度は、「打たれ強いチームを示さなければいけない」という話をして後半に送り出したのですが、本当に誰もプレーをやめることなく、最後まで、打たれても打たれても川崎Fのゴールに向かっていく姿勢というのは、被災地東北から、苦しい状況からでも立ち向かっていく姿というものを少しでも汲んでもらえたらと思います。
[ 鬼木 達監督 ]
今日のゲームは 川崎Fにとっても仙台にとっても、多くの方にとって思い入れのあるゲームだったと思います。そういう思いを持って選手たちがプレーしてくれたこと、ゴールにこだわってくれたことを評価したい。難しいゲームでも、自分たちらしく戦ってくれたと思います。--5-1というスコアについて。
前半、非常にアグレッシブに行ってくれた。非常に得点というところは良かった。欲を言えば後半にもう少し得点したかったというのが正直ある。前半、あれだけリードすると後半にああなるというのはあるものだが、自分たちはそういうふうにしたくないと思っている。そういう意味では、良い課題が残ったと思っている。--選手を入れ替えたが?
まずは普段のトレーニングから十分に良いパフォーマンスをしてくれている。自信を持って送り出すことができましたし、もう1つ、仙台の(ホーム)開幕ということですごく難しい状況だったと思います。それにどう向かっていくか。それを見たかった。その中で、気持ちのある、良い入りをしてくれたと思っています。個々のところは、トレーニングでやっていることを出してくれた。誰というより全員が良いプレーをしてくれたと思っています。--10年前の再開初戦となぞらえながら見ている人も多かった。10年経った今日の試合で、チャンピオンらしいゲームができたと思うが?
チームとして一歩一歩進んでいってくれていると思っています。コーチとして10年前もいましたが、仙台のホームでの開幕戦、雰囲気に呑まれてもおかしくないゲーム。それでも自分たちにフォーカスしながら、自分たちのやるべきこと、やれることを、復興というものを含めてサッカーでどれだけ元気づけられるかということを話している。選手たちも自分たちで何ができるか、そして試合に出たいという彼らの思いを出してくれた。一歩一歩、チームは進んでいると思います。良い力、良い姿勢を見せてくれたと思っています。