FC東京 2019シーズン 選手評 DF編
GK編はこちら。
DF
森重 真人
文句のつけどころがなく、自分が見てきたなかでは間違いなくキャリアハイのパフォーマンスだった。贔屓目かもしれないけど、ベストイレブンも妥当。
日本代表でスタメンを張っていた実力者は、本業の守備はもちろんのこと、ボール保持においても絶大なる貢献度を誇った。相手に寄せられても慌てないメンタルと技術でカウンターの出発点にもなり、一気に逆サイドへ展開できる正確で速いフィードはチームの大きな武器となっていた。FC東京ビルドアップ三銃士の1人。
健太サッカーでCBが持ち場から極力離れなくなったことで、無理な負担が減って存在感が増した印象。
最古参選手となり、彼と優勝したいというサポーターも多い。
契約更新済
渡辺 剛
今季一番の成長株。中央大から加入したルーキーはチャン・ヒョンスが中東へ移籍した夏からスタメンに定着し、元韓国代表が抜けた穴を感じさせない活躍を見せた。粗削りな部分はあれど、並外れた跳躍力を生かした空中戦の強さと、前田大然を止めるほどのスピードを持ち合わせる。セットプレー時にはターゲットになり、2得点を記録。
渡辺が相手の強いFWと競り合うことで、森重はカバーリングの準備を整えることもできた。この補完性の良さが今季の失点の少なさにつながった理由の1つにもなっているはずだ。
ルーキーイヤーにして日本代表にも選出されており、今後のさらなる活躍が期待される。
契約更新済(12/30追記)
岡崎 慎
東京の弟マコ。わんぱくな子どもっぽい愛くるしさがあり、ユ・インスと並ぶ弟キャラ2トップ。
今季はCB、SB、CHのポジションで出場しており、ポリバレントさを発揮。ただ、どこか器用貧乏っぽさもあり、どこで起用するのかはっきりさせてあげたほうがよさそうな気もする。チームはCBで考えてそうだけど、個人的には右SBがいい!でもSBは飽和状態なんだよな!くそう!
足元の技術があり、配球には優れるタイプだが、湘南のプレスには完全に食われていた。チーム全体でビルドアップをもっと整理してあげたら良さを引き出せそう。残って欲しいけど、J2の保持型チームの中でもまれて、成長してほしい気持ちもある。
アンダーの代表にも選ばれていて、将来はFC東京を引っ張っていってほしい存在である。
丹羽 大輝
人格者ダイキ・ニワ。
昨季、健太コネクションで加わったDFはカップ戦数試合の出場に終わり、CBの序列としても(チャン・ヒョンスが抜けたあとは)4番手といった状況だった。
しかしながら、公式Twitterなどで上がってくる動画などを見る限り、良い兄貴役としてチーム全体のモチベーション向上に貢献しているように感じる。
今オフの去就は微妙なところだが、このたった1年半だけで東京サポの胸に名前を残した素晴らしい選手である。ガンバサポからの人気もすごかったし、在籍したチーム全部でこんな感じなんだと思う。純粋に人としてすごい。
山田 将之
今季は町田にレンタルから夏に福岡へ再レンタルという少し特殊なことをしていた。町田ではほとんど試合に絡めず、福岡でもレギュラーだったとは言い難い。試合に出て経験を積ませたかったはずだが、チームとしても山田本人としても思うようにいかなかった1年だっただろう。
ただ、出場した最終節ではストロングポイントのヘディングで決勝点を決めていた。
2018のカップ戦で現地へ行ったときに驚いたのは、彼のヘディングだけボールを跳ね返すときの音が違うこと。「あの選手はヘディングの音が違う」というのをたまに聞くことはあるが、本当にいることを実感させてくれた選手である。
タイプやCBの層を考えると復帰が規定路線な気はするがどうだろうか。と書いていたら来季は金沢への期限付き移籍が決まった。柳下さんの4-4-2は健太トーキョーにつながる部分も多そうなので、たくさん吸収してきてほしい。
室屋 成
90分スプリントを繰り返せる走力とタイミングよく裏へ抜け出す動きがストロングポイントの日本代表常連SB。今季は上記の特徴に加え、守備面での成長も披露した。もともと粘っこく、しつこくくっついていくタフさはあったが、スペースありきの1対1守備が劇的に向上したように思う。
半身で下がりながら相手との間合いを見定めて、ボールのタッチが少し大きくなったタイミングでタックルを仕掛ける。これが非常にうまいのでぜひ注目して欲しい。
ホーム鳥栖戦で金崎の突破を一人で止めたのは圧巻だった。
いくらか「オラつき癖」があって、けっこう簡単に挑発にのってしまう。今季33節・浦和戦は累積警告リーチの状態にもかかわらず、興梠の挑発に乗って黄色いやつをもらい最終節出場停止に。なにやってんだ!
闘争心むき出しなのはいいけど、スイッチはコントロールしてくれよな!
今夏までに海外移籍の可能性もありそうだが、去就やいかに。
小川 諒也
長年レギュラーを務めていた太田宏介を退けて開幕から左SBのスタメンを奪取。左足のキック精度はもちろん、攻撃参加で内外の両方のスペースを使えることも魅力の1つだ。守備では高さと強さを生かし、リーグ前半戦はボールの奪いどころとして機能した。FC東京ビルドアップ三銃士の1人。
課題としては守備のポジショニングがややフワッとするときがあり、間接的に失点の遠因になることがちらほら。
ただ、まだ22歳と若く、その課題を差し引いても起用する理由はよくわかる選手である。
とにかく交通事故のリリースが多すぎるので、教習所に通い直して欲しい。
契約更新済
今季夏にG大阪からレンタルで加わった職人型SBはすぐ戦力に。加入してすぐに左SBでレギュラーだった小川がケガで離脱し、その間スタメン出場を続けた。
強く当たれることはもちろん、ポジションの取り方がうまく、立ち位置で相手の攻撃を抑えられる。また、攻撃時にも特出したテクニックやフィジカルこそないが、全体的にポジショニングに気を遣っている印象で、ビルドアップの貢献やタイミングの良い攻撃参加がみられた。
圧倒的な武器がないことを理解してか、自分にできることを最大限発揮する意識をしている感じがとても好感度を上げる。
丹羽と同じく人格者であり、韓国籍選手の気の良い兄ちゃんとしてもチームの雰囲気を明るくした。最終節の言動やシーズンオフの報道を見る限り退団が濃厚な空気だが、半年だけでも東京サポに刺さる選手だったことは間違いない。
中村 拓海
東福岡高から加入した高卒ルーキー。うまいタイプのSBで右足からは正確なクロスがゴール前に入る。
今年はJ3で経験を積んだ。まだまだ粗削りなところもあるため、あと2年くらいでトップに絡んでくればと思う。
ずっと髪の毛を伸ばしっぱなしみたいな髪型で、前髪が目にかかりまくっているのがとても気になった。それ、プレーに支障はないの!でも髪の毛サラサラでいいね!
契約更新済(12/30追記)
柳 貴博
山形へ武者修行に出て、リーグ後半戦は右WBとしてレギュラーの座を獲得。もともとCBもこなせるフィジカル能力の高さに加え、相手DFがいやがるような場所へ流し込めるクロスで得点も演出した。
ACLがあることを考えればおそらく復帰が規定路線だと思う。
ユース上がりの柳も来季で5年目となり、経験を積ませるという時期は終わったのかもしれない。J1でも戦力になるということを証明して欲しいところだ。
バングーナガンデ佳史扶
来季からトップチーム昇格が決まったユース戦士。いろいろとわけがあってSBが全然いなくなってしまったルヴァンカッププライムステージでは左SBとして2試合にスタメンで出場した。
さすがに高校生がJ1(その試合はG大阪)のアタッカーを相手するのはなかなか厳しかったが、その中でもやれる部分をいくらか見せることはでき、今後に期待を持たせた。
FC東京の応援番組であるF.C.TOKYO COLORSの番組リポーター鈴木えりかさんと1対1でインタビューを受けたとき、めっちゃ緊張してた。たぶんかわいい女の子を目の前にするとうまく話せなくなるタイプだと思う。
木村 誠二
来季からトップチーム昇格が決まったユース戦士。
J3で多くの時間出場していたが、正直あまり見ることができていないので、特徴はわからない。
CBでリーダー気質がありそうなので、将来のまとめ役として期待したい。
次回はMF編を予定!
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