PL#21 エヴァートンvsレスター
年明け最初の投稿になります。
本年も楽しく書いていこうと思いますので、皆様も楽しく読んでもらえると嬉しいです!
さて、2019年の1発目はプレミアリーグのエヴァートンvsレスターの振り返りを行っていきます。
勝ち点差こそ離されてはいますが、ビッグ6に追随する2チームの直接対決となりました。
ホームのエヴァートンは直近3試合で1勝2敗。トッテナムに6失点を食らった後にバーンリー相手に5得点とかなり大味な試合を続けた後にブライトンに敗れており、あまり良い流れではないですね。
前節までの戦い方としてはあまり前プレにはいかず、ポジショニングでパスコースに制限をかける。縦に入ったところを奪って前の選手だけで縦に速く攻めるといったところでしょうか。
アウェイのレスターは直近3試合で2勝1敗。チェルシー・マンチェスターCの強豪2チームを相手に連勝を飾るという勢いがありましたが、前節はカーディフ相手に敗戦を喫し、連勝を伸ばすことはできず。相手との相性に左右される幅が大きいチームかなと感じました。
前節までの戦い方としてはまずは守備を固めてカウンターからスペースにヴァーディを走らせる、またはセットプレーで1発、という狙いのウエイトが大きいのではないでしょうか。
スタメンは以下の通り。
エヴァートンは直近2試合では3‐4‐2‐1を採用していましたが、4バックに戻しました。前節でも途中から4バックへ変更もしているので、不慣れな形ではないはずです。
コールマンに代えてケニー、シグルズソンとルウィンがスタメンに戻ってきました。
レスターは4‐5‐1。前節はカーディフ相手ということもあってか、4‐2‐3‐1でやや攻撃的な布陣でしたが、その前の強豪2チーム相手にはこの4‐5‐1でした。この試合でもまずは守備をしっかりやろうという意思表示なのだと思います。
マグワイアの相方にエヴァンス、右SBにシンプソン、両ワイドをゲザル・リカルドと過密日程もあって数名入れ替えてきました。
また、DAZNのスタメン予想ではエンディディが真ん中になっていましたが実際は上図の通り。リカルドとゲザルのサイドも実際は逆でした。
これまで攻撃の軸となっていたマディソン・オルブライトンがベンチスタートでレスターは攻撃をどのように設計するのかという点が最初の見どころかもしれません。
~前半~
開始から数分は両チームともに前からのプレスを強めにかけていきました。お互いに無理につなごうとはせずにGKから蹴っ飛ばす選択肢も迷わず使っていたため、ボールが行ったり来たりする時間が多かったです。
どちらも蹴っ飛ばしますが、競り合いで確実に収められる感じでもなかったので、セカンドボールをいかに回収するかという部分に注力していたと思います。ボールを保持できなくても相手ゴールの近くにボールがあれば奪った時一気にチャンスできるよね?というような考えでロングボールを使っていたはずです。
特にレスターは前に大きいor強い選手がいなかったため、前に蹴りだすこと=捨てるになりやすかったです。レスターと比べればエヴァートンの方がルウィンやリシャルリソンが比較的競ることはできるので、蹴りだし合いになったときはやや有利かなと思いました。
ちなみにレスターはこんな感じでプレスかけてました。
20分くらいになるとレスターがプレスを弱めて、ある程度引いてブロックを作る守り方も選択肢に入れて戦います。ただし、単純に引くのではなく、相手陣では持たせますが、ミドルゾーンではしっかりとプレスをかけていく守り方をベースにしていたと思います。ここから前半終了までの両チームの狙いを以下のように捉えました。
①レスターが前プレをかけてきて第3レイヤー(DFーMFライン間)が開いたところにボールを入れて前線の選手で素早く攻撃
→前プレで寄せてきたら前線に入れる。CHはすぐに押し上げてセカンド回収に備える。前4人はビルドアップのサポートにはそれほど関与せず、イーブンのボールを回収して少ない人数で攻撃を完成させることを目指す。
②縦パスからのコンビネーションで中央を使い、サイドでフリーを作る)
→中盤エリアでボールを持てたところから中央へ縦パスを入れて相手守備陣の意識を中央に向けさせる。中に密集し、外が空いたところでSBを使ってゴール前へボールを入れる。
これらの攻撃においてCH2枚(ゲイェ&ゴメス)は前に出すぎず、ネガトラ対策とセカンド回収を意識した立ち位置を取っていました。サイドの選手がけっこう中に入るのでネガトラ時に中盤のサイドまでカバーに出ることも多かったです。特にゲイェはカバーエリアも広いし、プレスバックも非常に速かったです。
強調局面:ボール保持時(&ネガティブトランジション)
レスター
①相手陣内でのハイプレスからボール奪取。そこからゴールに向かって速い攻撃
→途中から引く守備に切り替えましたが、ゴールキック時など相手陣内最深部でのボール保持に対しては人数をかけてプレスに行っていました。そこで繋ぎに行こうものなら激しく寄せて奪いきる、もしくはミスを誘発して時間をかけずに攻め切る
②相手を自陣に引き込んでスペースを作り、そこにヴァーディを走らせるロングカウンター
→レスターお得意の形。この試合ではヴァーディがほぼほぼ左サイドに流れて受けようとしてました。いけるのであれば、単騎突破、難しければ起点を作って後ろからのサポートを待つという形。
強調局面:ポジティブトランジション
エヴァートン攻撃の対応として、レスターは自陣付近では前に蹴りだす、中央を固める(サイドはある程度捨てる)という具合にある程度割り切っていました。それでもエヴァートンのネガティブトランジションが上回って連続回収されたり、欲を出して繋いだら引っかけられてピンチ、というシーンも何度かありました。
逆にエヴァートンとしては無理につなぎに行って掻っ攫われるシーンも作りましたが、途中からは割り切ってゴールキックもリスクを避けて蹴っ飛ばすようになりました。
ヴァーディの対策としてもキーンがマークしていましたが、スペースを埋めるとき、強めについてつぶす時で使い分けて、カウンターの脅威はほぼ消せていました。
~後半~
後半頭からレスターが交代カードを切ります。
ゲザル→オルブライトン
攻撃の軸であるオルブライトンを投入してきました。ゲザルは内側に入ってゲームメイクをしようとしてましたが、いまいちチャンスを作れず無念の交代となってしまいました。過密日程という条件もあったので、後半からすぐに代えるプランはあったのかもしれません。
この交代によって左右のSHを入れ替えるかなと思ったのですが、オルブライトンがそのまま右に入りました。
前半と戦い方は大きく変わりませんが、オルブライトンが入ったことにより、シンプルにクロスを入れる攻撃は増えました。エリア内にヴァーディ1枚でも点で合わせるクロスを狙います。オルブライトンはけっこう強引な体制からでもそこそこ精度の高いボールが入れられるため、数打って勝負という算段もあったと思います。
エヴァートンはボールを持って攻めよう、レスターは奪ってから少ない人数で攻め切ろうというのがメインで進んで行きます。
すると57分にレスターロングボールからキーンがコントロールミス。それをリカルドがワンタッチでヴァーディへ繋ぎそのままゲット。ある意味狙っていたのかもしれませんが予想に反した形で試合が動きます。
ある程度は前からプレスをかけていたレスターでしたが、ここからは完全に割り切って引くことを選択します。ミドルエリアでもそこまでプレスに行かず、あまりにも運んで来たらIHが前に出て対応します。
ちなみにエヴァートン陣内ではヴァーディvs2CBという構図になっています。
エヴァートンは62分にゴメス→ベルナルド、69分にウォルコット→トスンと交代カードを切り、攻め手に転じます。
また、基本4‐5ブロックで守るレスターですが、SBがワイドに引っ張られたとき、IHが間を埋めるカバーの意識がありました。
交代直後はほとんど出てきませんでしたが、徐々にベルナルドがチャンスを作ります。
CB-SB間を埋めていたレスターでしたが、終盤は埋めきれないシーンができてきて、そのスペースをベルナルドが使う。または大外で引き出してからSBをドリブルでちぎり、カバーのいないハーフスペースへ侵入といった形でチャンスを作っていきます。
しかし、レスターも中央を固めていたこと、中の味方と合わなかったことで得点につなげることはできませんでした。
最後はロングボールでなにか起きることを願いますが、空中戦で勝てずに跳ね返され続けてタイムアップ。
アウェイのレスターが勝利という結末になりました。
エヴァートンはリーグ戦、そしてホームでの連敗。苦しいですね。
~感想~
キーンは1試合を通じてヴァーディを上手に対応していたのですが、1回のミスが失点に繋がってしまいました。トップレベルになるとこの1度のミスは見逃してくれません。厳しい世界ですね。
レスターは連敗を阻止。ラッキーパンチでの1点を守り切った試合でしたが、やはりボールを持たせた戦い方ができる相手には相性がいいのだと思います。
マディソンをフルタイム、オルブライトンを45分温存させたうえでの勝利はかなり大きかったはずです。
あと、リカルドペレイラを左サイドで使い続けたのは何だったのでしょう。明らかに窮屈そうでしたし、たまに右に流れてくると生き生きしているように見えました。
私には理由がわかりませんでした。誰か教えてください!笑
エヴァートンは前線に能力の高い選手が揃っているのに点が取れない(バーンリー戦では爆発しましたが)というやるせない状況ですね。細かくは触れませんでしたが、前半には何度か面白い攻撃も見れたので、内容がすごく悪いかというとそこまで悲観するほどでもないと思います。しいて言えばトップに存在感のある選手が入るとわかりやすい攻撃方法も持てるのかなと感じました。
この試合に関しては過密日程もあり、選手の身体面や精神面で万全なコンディションとは言えないはずなので、評価が難しいゲームなのかもしれません。
正直深掘り出来なかった部分も多少あって不完全燃焼ではありますが、短い時間で要点をまとめるという機会があってもよいでしょう。(言い訳)
それでは今回はこの辺で!
2019年も遊びに来てくださいね~!!お待ちしております!!
終わり!!