青赤人の戦術探検記

FC東京を中心に自分なりの分析をします!

CLグループリーグ第6節 リヴァプールvsナポリ

 

今回はCL注目の一戦を振り返ってまいります。

同組にPSG、リヴァプールナポリの3チームが集まった激戦区。このうち1チームは決勝ラウンドに進めないなんて。。

 

5節終了時点ではナポリが首位、リヴァプールが3位という立ち位置でした。ナポリは引き分け以上、リヴァプールは1-0か2点差以上つけての勝利で自力突破が決まる試合でした。パリの相手が最下位のツルヴェナズヴェズダ(言いにくい)であったため、パリが負けることによる他力での突破は考えていなかったはずです。

といった状況からナポリリスク管理をしながら得点の機会を伺う、リヴァプールはとにかく点を取りに行くということがプランにあったのではないかと思います。

 

舞台はリヴァプールのホームアンフィールド。歴史と伝統のあるスタジアムでサポーターも熱く、選手としてはホームの利を強く感じられるスタジアムなのではないでしょうか。

 

スタメンは以下の通り。

 

 

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リヴァプールはファンダイクの相方にマティプ。それ以外は最近のメンバーといったところでしょうか。

ナポリは今季全然見ていないのですが、メルテンスとインシーニェがトップに入る4-4-2。サッリの頃から4-3-3のイメージが強かったのですが、組み方を変えたんですかね。左SHにはファビアンルイスが入ります。

 

 

 

まずは基本構造。

リヴァプールの守り×ナポリの攻撃。

リヴァプールはいつも通り、WGが相手SBへのコースを切りながらCBへプレス。中央での密集へボールを誘い、そこで囲んで奪おうといったものでした。中盤3枚はナポリCHの2枚へ入ったときに前を向かせないよう激しくチェックに行きます。前3枚はナポリCHにパスが入った時点ですぐにプレスバック。いつものようにこの囲い込みからのショートカウンター、及び即時奪還相手からボールを取り上げて攻撃時間を長くする狙いだったはずです。

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特にナポリの選手は小柄な選手が多いため、強めにプレスをかけて蹴らせてしまえばリヴァプールの勝ちといえたでしょう。ただ、さすがにナポリもそこは承知済みでした。せめてもの抵抗として、ロングボールを蹴らざるを得なくなった場合は左SHに入った長身のファビアンルイス(189cm)に当てるようにしていました。

 

リヴァプールのプレスも激しかったですが、ナポリも技術のある選手が集まったチームですから、パスワークで外していくシーンも多々ありました。しかし、リヴァプール選手のプレスバックや帰陣が異常に速く、外しても運動量によって素早くカバーされるというシーンは多かったです。会場の雰囲気もそうですし、この試合に対するテンションの高まり方がそうさせていたのかもしれません。

 

とはいっても気合だけでなんとかならない問題もあります。中央を圧縮しているということは外が空いているはずですよね。ナポリはそこを使って攻めようとします。

WGもIHも内に絞って守備をするためナポリはSBのところが空きやすくなります。ボールホルダーにプレスがかかっていれば空いていようが出させなければ問題ないということで解決できますが、CBにプレスがかかり切らずにSBへロブパスを出されるシーンは何度かありました。ミルナーとワイナルドゥムが気合のスライドで何とかしていた部分もありましたが、走力ではなんとかならずにそこを起点に危険なシーンを何度か作られました。

また、ここの横スライドを利用してサイドチェンジからカジェホンで勝負といったシーンもありましたね。リヴァプールの密集プレスも相当強かったですから、ハムシクとアランを中心に狭いところでもパス回しができるナポリだからこそできたサイドチェンジとも言えます。

 

 

お次にナポリの守備×リヴァプールの攻撃

ナポリは4-4-2でセット。リヴァプールヘンダーソンを中盤の底に位置させて4バック+1のような形のビルドアップ。SBを押し上げてワイナルドゥムとミルナーがSBの位置でビルドアップという形もありましたが、どちらにしろ4+1が基本形だったと思います。ナポリ2トップは中央のヘンダーソンを警戒しながらリヴァプールCBへプレス。SBへ出たらSHが対応し、2トップは中盤へのパスを警戒します。中央を塞ぐ代わりに後ろからのやり直しは許すといった守り方でした。リヴァプールSBとしては前と横がふさがれている場合が多いためCBへ戻すのですが、ナポリはこのバックパスから本当のスイッチを入れるといった個人的印象でした。2トップはパスが出てきた選手へのコースを切りながらプレスを掛けて戻させないようにします。そしてそのまま逆サイドのSBまで2トップが限定しながら追い込めるとリヴァプールは苦し紛れのパスを出さざるを得ず、ロストを誘発する狙いだったかなと見えました。主にロバートソンの方に誘導するシーンが多いように感じました。そしてカジェホンはとことん利き足の左側を切るような細かいポジション取りを意識していましたね。それを感じたロバートソンはファーストタッチで中へコントロールし、カジェホンの重心の逆を突くといった駆け引きもしていました。

基本的にはこのやり方で追い込めていましたが、2トップのチェイスが間に合わないと2トップ脇を運ばれたり、中央のヘンダーソンに通されたりといった問題も発生していました。

試合を通じてヘンダーソンナポリ2トップにとって嫌なポジション取りができていたのではないでしょうか。あえてメルテンスとインシーニェの間に位置する。そうすると2トップの距離を縮めること、中央へのコースを切りに行くことを意識するのでCBに時間とパスコースの幅に余裕を与えられたはずです。また、2トップにどう対応させるかの迷いを生じさせたのではないかと思います。実際に、CBへチェックへ行ったことで2トップの距離が空き、ヘンダーソンにパスが通って前進できたというシーンも何度かありました。

2トップだけではなんとかできないということで状況を見ながらハムシクヘンダーソンのチェックに行くシーンもありましたが、ナポリ2CHはリヴァプールIHとスペースのケアを優先していたと思います。

 

 

前半の内容としては両チームともカウンターからチャンスを作り出すシーンが多かったです。リヴァプールのプレスは非常に激しく、奪えれば高速ショートカウンター発動。ナポリはそれを掻い潜れればチャンスを作れるという構図になりました。

マリオルイがサラーのスピードに対応できていませんでしたが、クリバリが個人守備でシャットアウトしていました。ただ、一度だけあっさり抜かれてしまいそれが失点に繋がってしまいました。それまでは完璧に抑えていただけに本人としてはかなり悔やまれるシーンだったはずです。

個人をピックアップするとアランのキープ力、フィルミーノのプレスバック、カジェホンの裏取り、ファンダイクのカバー範囲がとても印象的でした。このレベルの選手たちは本当にすごい。(語彙力)

 

気になったシーンを一つ。

11分。サラーが抜け出すもクリバリにつぶされたシーン。このパスが出た場面ですが、ワイナルドゥムが右SBの位置に下りて、アーノルドを高い位置に押し上げていました。これによって元々ワイドにいるサラーとアーノルドの2人をマリオルイ1人で見るような形になってしまい、サラーに裏を取られてしまいました。2トップのプレスが若干間に合わずにパスコースを塞げなかったこともありますが、マティプからのパスも素晴らし方ですね。

このように片方サイドに人を集めることで局所的な数的優位を作ることがありました。

フィルミーノが下がってくることで中盤での優勢を作ることもありましたね。

 

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結果としてサラーのゴールで1点をもぎ取り、リヴァプールが1点リードで折り返しました。

 

 

 

後半もリヴァプールペースで試合が進みます。相変わらずお互いにカウンターでチャンスを作り出していく展開。ナポリも惜しいシーンは作っていましたが、徐々にボールが持てなくなります。50分あたりを過ぎるとリヴァプールが試合を完全に支配。ナポリは解決策を見いだせないまま何度も決定機を作られました。人数は足りていてもリヴァプールの走力についていけない場面が多かったです。リヴァプールの方もプレスで相当な消耗はあるはずなんですが、全然運動量が落ちなかったですね。61分にアルビオルが画面に抜かれましたが、この時点でかなり疲弊していました。スプリントでエリア前まで戻ることが多かったために後ろの選手も負荷が大きかったのでしょうね。

 

ナポリはBOXでのビルドアップやアランを最終ラインに加えた形、インシーニェを下ろしてのサポートなど試行錯誤してボールの前進はしていましたが、ゴール前で危険なシーンはそれほど作れませんでした。ファンダイクがことごとく防いでいたこともありますが。

リヴァプールが異常なまでに中央を圧縮するのでSBが空きやすく、特に左SBを使うシーンは多く作っていました。

 

60~70分の10分間でナポリは交代の3枠を使い切ります。運動量の落ちたファビアンルイスに代えてジエリンスキ、メルテンスに代えて高さと強さのあるミリク、サラーの対応に手を焼いていたマリオルイに代えてグラム。それぞれ変化が起きる交代だったと思いますが、流れを変えるまでには至りませんでした。

 

80分近くにはリヴァプールが交代枠を使っていきます。さすがに疲労の色が見えてきた選手を下げて、やや守備的な布陣にシフトしました。ミルナーが足をつって交代というのは初めて見たかもしれません。本当に走ってました。

 

リヴァプールは圧倒も圧倒といった具合に殴り続けますが、ゴールは奪えず終盤を迎えます。ナポリに1点取られてしまうと3点が必要になりますから、失点は致命傷になります。そのため、追加点を取るよりも絶対に無失点で終えることにシフトします。ロブレンを右SBに入れたのもパワープレー対策でしょう。

 

最後の最後にはクリバリをあげてスクランブルからゴールを狙うナポリアディショナルタイムに入ってからミリクにビッグチャンスが訪れますがアリソンのビッグセーブに防がれて万事休す。このプレーだけでMOMあげてもいいくらい結果に直結した大きいセーブでした。

これだけチャンス作って決めきれないと1発に泣くパターンはよくありますが、リヴァプールはなんとか逃げ切ってグループリーグ突破。本当にこの組はきつかったでしょうね。

 

 

●感想

ナポリは最後まで守備のハメ方と超ハイプレスの攻略ができずに沈みました。1点でも取れれば状況は全く違いましたが、その1点が遠かったですね。ヘンダーソンの対応をどうするのか、ボールを前進するためにはどうするべきなのか、といったことが整理できなかった印象です。アランが下りるビルドアップの形を続けても良かったと思うんですけどどうなんでしょう。ヘンダーソン役をはっきりつけてしまってもよかったと思うんですけどどうでしょう。アラン・ハムシクがついていった時もありましたけど、役割ははっきりしていなかったですよね。

 

まああとは単純にリヴァプールの運動量がすごかったです。特にミルナーとワイナルドゥム。構造上、サイドを使われることが多かったですが、気合の横スライドでなんとかしてました。そしてファンダイクのカバー範囲の広さ。ハイプレスに目が行きがちですが、それを支えているのはIH2人の異常な運動量とファンダイクの個人能力の高さだと思ってます。

 

完全に個人の好みの話になりますが、カジェホンの駆け引きはすごく好きです。DFの背後に移動して死角から裏を狙う動き。バックドアってやつですかね。違ってたらすみません。あれやらせたら一番うまいんじゃないでしょうか。パスの出し手とのタイミングも抜群なんですよね。前からすごく好きな選手です。

 

 

 

リヴァプールは運動量があってこその戦術って感じですよね。もちろんどのチームも選手の特徴があってこその戦術なのですが、この試合は会場の後押しやテンションの高さも後押ししてより戦術が突き詰められた印象です。

 

 

CLグループリーグもこれで終了し、舞台は決勝ラウンドへ。より好カードが生まれてきますね。見たい試合が追いきれません。泣

リヴァプールは去年ファイナルで敗れてしまいましたが、今年はまた1歩ステージをあげてきた感じで決勝ラウンドも楽しみですね。ナポリもいいチームなだけにもっと見たいと思いました。

 

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございます!

今回はこのあたりで!終わり!!