がちゃのメモ帳

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《レビュー》J1リーグ 第34節(最終節) 浦和レッズvsFC東京

 

いよいよ最終節です。開幕戦がホーム浦和戦でしたので、浦和で始まって浦和で終わるといったシーズン。日程くん、これはどうなんでしょう。笑

埼スタでは長年勝ててないんですね。前回対戦も先制しながらすぐに追いつかれてのドロー。先制はできてるんです。そのあと守り切れないんです。崩壊するんです。2016アウェイ浦和戦も前半2-0で折り返したのに後半3点取られて逆転されるといった魂が抜ける経験をしました。今でも忘れません。そろそろ勝とうよ、ということで今節。

 

 

スタメンは以下の通り。

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プレビューでもふれたとおり、浦和は天皇杯を見越したメンバーの入れ替えを行ってきました。とはいっても見劣りしないメンツですね。

 

東京は髙萩のトップ下をやめて、永井とディエゴの2トップに戻しました。さりげなく大森と東のサイドも入れ替えていていました。今季調子が良かった時期の布陣ですね。個人的にも右大森、左東のほうが好みです。

 

 

◆基本構造

浦和は攻撃時にはWBを高い位置に挙げて3-1-4-2のような形になります。後ろの3CB+アンカーの4人で菱形を作るようなイメージでのビルドアップになります。こちらはプレビューでもふれているので省略します。

brgacha.hatenablog.com

 

上記に加えて、岩波を右SBのような位置に置くことも多かったです。その際は橋岡を高い位置に押し上げて荻原は少し低め。誰もいなくなる左SBの位置には荻原・柏木が下りてきてサポートするシーンもありました。右の岩波のところで前に出してしまおうという感じも見受けられ、左は空けっぱなしのことも多かったです。

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守備時は基本5-3-2。ただしこの形だと中盤3枚の脇が空いてしまうということでそこの穴埋めをするために選手移動があります。

右は橋岡の縦スライドか柴戸の横スライド。橋岡が出ていくことのほうが多かったですかね。左は李が1列下りるか荻原が縦スライド。柏木は前目にいたり比較的自由に動いていたのでサイドの守備に回ることは少なかったです。何度かはありましたが。李もサポートに行ったり行かなかったりで、そこの判断は本人が行っていたのかなと思いました。

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ほとんどはWBの縦スライドで対応していたので、スライド直後は4-4-2のようになっていました。

また、浦和WBは東京SBを見ることが多かったです。ただ、WB守備時は最終ライン近くに位置をとるので、SBまで距離があり、寄せるまで時間がかかるといった部分がありました。これによって太田は高いポジションでボールタッチができて起点になるシーンも多かったです。

あと、この図ではマッチアップしてないですけど、主に柏木が橋本の監視役をしていましたね。

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東京は東を右にしてから、室屋を押し上げて東をビルドアップに組み込むといったことをしていたのですが、今節は大森が右。大森はビルドアップに参加できるタイプではないので代わりに橋本・髙萩が右の位置に下りて組み立てるといった場面が見られました。これは後半に多かったですかね。大森は前半21分に横パス掻っ攫われてシュート打たれましたし。流動的に動いた後だったと思いますけど、組み立てに入れるタイプじゃないですよね。あれは大森だけのせいではないですけど。

 

 

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守備は2トップで中央のCB+アンカー、SHが両脇のCBを見る守り方でした。

マークがはっきりしているのでプレスをかけやすく、浦和がGKへバックパスするかロングボールで逃げるかというシーンを作ることに成功していました。

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東京CBが空中戦に強いこと、浦和WBがそれほど空中戦に強くないことでロングボールを入れられてもそれほどの脅威にはならず、危なげなく対応できていました。橋岡を相手にしていた太田がそれなりに跳ね返せていたことも大きかったですね。

 

◆前半

東京はガンガンプレスかけます。アウェイ仙台戦のように前からガンガン追いかけて奪われてもすぐに取り返しに行く。この日は切り替えスピードがエグかったですね。明らかにショートカウンターから先手を取ろうという意図が見えました。浦和も思っていたより繋げないので度々自陣内でロストしていました。

一方で浦和も中盤で奪ってカウンターを仕掛けようという意図が見え、中盤でのインテンシティーが非常に高い試合でした。

開始1分で東京がチャンスを作ります。中盤ボール周辺がごちゃごちゃっとしたところでボールをつついて奪取。浦和DF3枚に対して4人で攻め込みましたが、大森のシュートは枠外。大森さん、もうちょっと惜しいシュート打ってください。永井が左足で右サイドに出したんですけど、これ右足で出せてれば進行方向へ向かうボールになったので、そうできればよかったなと。DFの立ち位置的に難しかったかもしれませんが。

 

浦和は東京SBにWBがつかなければならないという構造上、東京のビルドアップ時にはCB3枚で守るような形になっていました。そこで東京はショートパスを繋ぐよりも縦に速く攻める選択肢を取ります。CBもしくはSBから3CB脇or前に浮き球を蹴り、2トップの質の部分で殴りに行きます。永井&ディエゴはスペースがある場面でより生きるタイプなので、この2人までボールを届けられればokという感じでした。チームとして狙いが共有されていたのでセカンドボールへのサポートも速かったです。失ったとしても高い位置ですぐに奪えばチャンス作れるじゃん、ということでロングボールを相手陣へ素早く運ぶ手段としてポジティブなイメージでに使用していきます。

 

押し込んだ時には浦和が5-3-2となるので中盤の空くところを使って攻めます。李が下りてこなければ大外、また、中盤選手の間隔が広くなりがちだったため、その間に縦パスを通していきます。李がサポートに入れば最前線がナバウトだけになり、CBが空くのでそこから運んだり縦パスを出したりといった感じで攻めます。ナバウトも追いなおしてこないのでCBは比較的自由に持てることが多かったです。

 

浦和の攻撃は前述の通り中盤で奪ってカウンター狙い、または中盤の密集をかいくぐって、荻原のところで勝負という形でした。大森がけっこう絞ってきて守備をしていたので、東京右サイドが室屋だけになりそこで1対1が発生しました。浦和は中盤でのパス交換から前向きの青木が荻原に展開するパターンを使っていました。東京としては中盤で奪って希薄な最終ラインと対峙する狙いだったので大外が空くのは仕方ないといったところでしょう。そこを浦和が左に展開するか、東京が奪いきるかの攻防だたと思います。

 

前4人のプレスと中盤での激しさが上回り、東京ペースの前半でしたが先制したのは浦和。CKから李のヘッドでした。橋本がマークについていましたが、前に出すぎて外してしまいました。李のシュートもコースギリギリに飛んでいてうまかったですけどね。

東京は何度もチャンスを作りましたが、得点は奪えず。もう何試合も言われていることなので何が問題なのかは明白ですよね。

 

浦和ディフェンスはライン間が空いたり、中盤3枚の間隔が広かったり、CBが食いついた裏をカバーできていなかったりと結構隙があったように思います。

一番気になったのは8分のシーンで、永井からクロスが上がったときにエリア内のディエゴに対して誰もマークについていませんでした。

西川からのWBへの低弾道フィードはよかったですね。相変わらずGKとは思えないとんでもないキックします。

東京はディエゴのポストプレーから何度もチャンスを作りました。ワンタッチで落としてそのまま食いついてきたCBの裏を狙う形が王道パターンになってました。13分の大森のパスが通らなかったシーン、18分の決定機のどちらもこのパターンです。

 

その13分のシーン。中盤で奪った髙萩がすぐにディエゴへつける。ディエゴは内へ向かって走っていた大森にワンタッチで落とし、自分は裏を狙う。浦和最終ラインは崩れていたので広大なスペースがあったが大森のスルーパスは長くなりすぎてディエゴへは渡らず。CBが食いつくという特性を生かしたディエゴの駆け引き。

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18分のシーン。コンビネーションから崩してディエゴのシュートシーンを作りました。ディエゴが引く動きに阿部と槙野が反応。この時実は永井と大森がCBが空けた裏を狙っていました。実際はディエゴへ縦パスが出ましたが、裏のスペースに出しても面白かったです。

 

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シュート数を見ても東京が支配した前半。しかしビハインド。納得いかん。

その中でもクロスに中で3枚走りこんでいたり、コンビネーションで崩せたり、ポジティブな要素は多くありました。

 

 

◆後半

開始早々に東京が1点返します。東がPA角でターンして中央のディエゴへパス。ディエゴのきれいなコントロールショットがネットを揺らしました。東のキープ、ディエゴのシュートともに素晴らしかったですが、ゴール前に張り付けられた浦和DFラインからスルスルと下りてきてフリーを自分で作り出したディエゴの駆け引き勝ちでした。

ここから一気にたたみ掛けたい東京でしたが、1分後に失点します。自陣でのファウルから柏木に素早くリスタートされて柴戸のヘッド。太田が頑張ってついていきましたが、配置で負けていたのでヘディングを許しました。完全に隙をつかれました。簡単にボールを渡した橋本、ボールの前に立たなかった近くの選手全員の責任です。橋本がボールを渡した直後の東京の選手全員後ろ向いてるんですよね。集中切れすぎですよね。柏木&柴戸はさすがでしたが、この失点はさすがに腹立たしかったですね。

 

この後は左で作ってから室屋のフィニッシュというラインを連続で作りましたが、決めきれず。荻原が中央の選手・スペースを意識しすぎて大外の室屋がドフリーとなっていました。

そのほかにも57分永井のカットインからのシュート、64分大森へのグラウンダークロスなどチャンスは作りますが、不発。

そして67分に悪夢。最終ラインからのロングボールをナバウト一人にさらわれて、李ががら空きのゴールへ流し込みます。1-3。なんでこうなった。

まず森重はなぜナバウトと競らなかったのか、太田はこぼれへの準備ができていたのか、林はなぜそこまで飛び出してきていたのか、と様々な考えさせられる要素がありました。これも防げたものですよね。にしてもナバウトー李が控えにいる浦和さんの選手層たるや。

 

東京は攻撃の勢いを増すために前田・リンス・小川を入れます。個人の感想としては別に太田は代えるほど悪くなかったと思うのですが、どうでしょうかね。

攻撃時はリンスが2トップの下に入るような攻撃の形になりました。縦パスをディエゴがリンスへ落としてそこから仕掛けるというコンビネーションが多くみられました。このコンビはさすがでしたね。あとやはり浦和の選手間が空きがちなので髙萩からガンガン縦パス・スルーパスが配給されます。一時髙萩無双状態でした。

浦和は奪ってからナバウトをスペースに走らせて起点を作る狙いでした。東京が攻撃的になっていたため、後ろには広大なスペースがあり、そこを縦に速い攻撃で1発狙おうといった感じでした。実際に李に抜け出されたり柏木にシュート打たれたりと、リスクをかけた故のピンチもありました。

 

86分希望の光。室屋のアーリークロスから前田のヘッドで1点差。愛される男前田は今季初ゴール。室屋にはこれを期待してました。アーリークロス上げられるところで前にコントロールして結局詰まって態勢悪くなるというのを多くみてきたので、今後への期待にもつながったシーンでした。前がかりになっている状況だったとはいえ、ここでも中に4人入ってきていました。前節までにはあまりなかったことです。

 

このあとセットプレー守備からロングカウンターにつなげて4対3の数的優位を作り出しましたが、東のシュートは枠外。ディエゴがDFを中央に引き連れて東にスペースを作りました。

その後は特に見せ場なくタイムアップ。5位を守れませんでした。

 

小川は最後まで試合に入れず。ここの交代は最後まで謎のままでした。

 

 

●感想

一言でいうとこの内容でなぜ勝てないんだと。健太さんも頭抱えますよね。67分の3失点目の直後に映った健太さんの顔が全てを物語っています。

スタッツを見ると東京はシュート20本(枠内10本)。浦和の倍です。得点シーン以外にも決定機が少なくとも3回はあったと思います。そして一番触れたいのが後半の2失点。前半の1点は起こりうるエラーだとしても後半の2点は防げるものでした。たらればは無しですが、この2失点なければ数字上では勝ってますから死活問題です。私は腹立たしいです。非常に怒っています。感情的です。

とはいってもポジティブな要素も多かったのは事実。永井・ディエゴの好調時のチームを支えたコンビが躍動していたこと。室屋のアーリークロス、クロスに対して中に入っていく人数の増加、林の落ち着いた繋ぎ。あとは何といっても東の躍動でしょう。前後半ともに決定機のほとんどに絡んでました。1試合でシュートアシスト5は大したものです。

取るべきところでとれていれば、あの無駄な2失点があっても十分に勝てました。

まあ現実は取れないのが今年の課題。最終節で攻撃の形を作れたということでその課題は来季解決してもらいましょう。

 

あと浦和の柴戸はいい選手ですね。けっこう走っていたのに運動量が落ちない。しかも点まで取っちゃいました。層が厚い浦和ですが、頑張ってほしいですね。

 

 

後半部分は図も使わずに戦術というより試合のなぞりみたいになって、気持ち要素が色濃く出ましたがお許しを。笑

 

 

今節でJ1リーグも終わりです。

各会場で様々なドラマがありましたね。Jリーグ最高です。もっとJリーグの面白さ、サッカーの面白さを多くの人に広めていきたいですね。

そのためにもっとわかりやすい説明や表現ができるように日々努力です。

 

 

 

 

今回もご覧頂きありがとうございました!

Jリーグ以外にもちょこちょこ記事をあげようと思うので、また遊びに来てください!

それではまた!!