がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第33節 湘南ベルマーレvsサガン鳥栖 メモ

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スタメン

湘南

大岩が負傷明けで7月2日以来のメンバー入り。

前節欠場の石原と町野が先発復帰。

岡本が3試合ぶりのメンバー入り。

古林、大橋、大野、畑がメンバー外に。

池田が2試合連続の欠場。

 

鳥栖

小泉が負傷明けで3試合ぶりの先発復帰。

ジエゴ、原田、菊地、福井がメンバー外に。

小野が7月16日以来の先発。

 

流れ

どちらもアグレッシブな立ち上がり。つなぎながらも直線的にゴールを目指し、落ち着かせるよりも攻め切ることを優先したようなプレー選択。

徐々に鳥栖が持って湘南が構える構図に。湘南はサイドに入ったタイミングでスイッチを入れて全体をかなり押し上げてプレスに出ていく。

鳥栖は宮代と両WGが最前線に張り、小野とボランチ2枚がかなり自由に動いてパスコースを作るような作り。

6分、湘南先制、1-0。トランジションから石原が右に抜け出し、クロスを町野が合わせてゲット。鳥栖は、トランジションから守備陣が整っていない間に攻め切られて失点するよくあるパターン。

鳥栖は深い位置まで入れるようにはなってきたが、湘南の人数をかけた守備組織を崩すシーンはまだない。

湘南は3-1ビルド。鳥栖は宮代でサイドを限定しながら、WGが左右のCBとWBの中間に立ってパスコースを消す守り方。

鳥栖は保持時、長沼を前に押し出してWG化させ、後ろは3バック気味に。そこにボランチがサポートして流動的に形を変えていく。中野が相手IHのプレスを受けにくい高さを意識しているように見える。

鳥栖ボランチの役割分担は、福田が下りて、小泉が中盤に残ることが多い。

19分、島川の左足の内側に刺す縦パスからスピードアップ。宮代が前で収めて最後は西川のシュートまで。枠外へ飛んだが、可能性を感じさせた良い攻撃。

20分、湘南追加点、2-0。前プレスからタリクのしつこいチェイスで奪い取り、こぼれ球を拾った町野が質の高いフィニッシュでネットを揺らした。鳥栖は良い攻撃を見せた直後のビルドアップミスでの失点。湘南は先に1点取れたことで守る時間が長くなってもメンタル的に優位に立てている印象があり、その雰囲気のまま2点目も奪取。

24分、岩崎のカットインで外をあけ、スペースに走った小野からのクロス。谷がキャッチ。岩崎が前に張って石原をピン止めし、湘南3センターの脇に小野が潜ってくる作りが良くみられる。

鳥栖がボールを持つ展開は続くが、湘南がボールサイドに密集を作って前進を許さない。下りる選手にも後ろからタイトにマークして前を向かせない。

27分、PA内に抜け出した瀬川がファンソッコに倒されるもノーファウルの判定。

29分、湘南のハイプレスをかいくぐる鳥栖。落としとターンの判断が的確で、テンポも速いので、湘南も強度を上げていったが捕まえ切れず。タリクのファウルで一度ぶつ切りに。

ファウルも多いが、タリクの強度を上げたしつこいチェイシングがかなり目立つ。

湘南は保持時、左右のCBが時間をもらいやすいので、杉岡からの展開や縦パスが何度か見られる。

34分、小泉が2トップ裏でターンして前進。タリクが後追いで食い下がるも、キープして前へ。一度運べてもタリクがついてくるのはかなりストレスを受けていそう。

34-35分、ショートコーナーから小野がきわどいボールを入れるも谷がなんとか処理。結果的にオフサイド

38分、中盤で宮代がポイントを作ってから西川のシュートまで。中盤での球際の攻防を制してスピードアップできれば確実にチャンスになる雰囲気がある。湘南は2点リードもあって、一度前進を許したら5-3-2で全員で守るので、アンストラクチャーな局面をどう作り出すかがポイント。

44分、福田のロングフィードを長沼が競り合ってセカンドを回収して前進。その後ドリブルから展開しようとした西川がタリクに倒されてFK獲得。

→46分、小野の直接FKは谷がセーブ。

 

湘南がゲームが落ち着く前に先制できたことで、ボールを相手にわたしながら主導権を握ることに成功。鳥栖も得意のビルドアップで湘南のプレスをかいくぐり、前進するところまでいけたことはポジティブだったが、リードして色気をほとんど出してこない湘南のブロックを崩すことはできず。さらに湘南が前プレをハメて2点目を取ったことで、メンタル面では大きな差ができたのではないか。湘南はおそらく交代が前提の上で2トップと両IHが運動量を上げて後ろの負担を少なくし、鳥栖が巧みに外してきても2度追いで対応できるようにしている。特にタリクと瀬川のチェイシングが印象に残った。鳥栖も福田と小泉がうまく動きながらさばいて相手に的を絞らせない動きはできているが、決定打は出せなかった。

 

 

後半

46分、鳥栖が右サイドで細かく繋いで、福田がスペースへ抜け出してクロス。山本が好カバーでカットするも、こぼれを拾った西川を杉岡が倒してPKに。

→48分、西川のPKを谷が止める。コースもタイミングも完璧に合った。鳥栖は勢いが出るチャンスを逸した。

鳥栖が保持して湘南が構える流れは継続。ただ、ハーフタイムを挟んだこともあってか、湘南が高い位置から強度を上げて追うシーンは増えた印象。

56分、後方からうまく前進して西川のカットインからクロスを送るも中に合わず。

58分、ロングボールのセカンド回収から鳥栖の攻撃。西川→宮代でポケットを攻略し、折り返すも中が間に合わず。惜しいチャンス。

鳥栖はロングボールのセカンド回収から前進するパターンが増えてきた。湘南はIHが上がってけん制をかけるため、中盤に下がってセカンド回収にいくまで時間がかかってしまう。

60分、鳥栖交代

中野、岩崎、小野→垣田、堀米、本田

福田が右SBベースになり、長沼が左SBへ移る。小泉が1アンカー気味で、西川と宮代が2シャドーのような攻撃的な布陣。

63分、タリク→町野→瀬川とうまく連係で打開し、こぼれ球をタリクが詰めに行くも、朴がギリギリで触ってCKに。ビッグセーブ。湘南は決定機。

63分、茨田のインスイングCKを舘が頭で合わせるも枠外。

66分、町野が右サイドで抜け出し、逆に振って落としを中野が狙うも枠外。

鳥栖が高い位置での保持を増やしてきた。湘南も5-3-2ブロックで対応。ただ、鳥栖がチャレンジのパスを増やしながらゴールに近づいている雰囲気もあるので、プレーエリアをもう少し押し上げたい。

69分、湘南が敵陣で回し、最後は茨田のミドル。

70分、湘南交代

山田→米本

前半から飛ばし気味で運動量が上がっていた山田を下げて中盤の強度を保つ狙いか。米本はそのままIHに入る。→ダブルボランチ気味?

71分、右サイドを崩した鳥栖が垣田でポケットをとって折り返すもオフサイド

72分、湘南が敵陣で回して町野のシュートまで。CK獲得。

一時は鳥栖が高い位置で押し込み、攻撃の試行回数を増やす流れになったが、湘南が押し返して攻撃を続ける。

75分、タリクの自陣での奪取からロングカウンター。町野がタリクへのラストパスを狙うも通らず。湘南は米本の投入から守備の安定感が増した印象で、鳥栖の攻めあぐね感が出てきた。

76分、湘南交代

タリク→阿部

山田と同じく、前半から飛ばし気味に走っていたタリクを変えて強度維持を図る。

77分、湘南追加点、3-0。投入されたばかりの阿部のCKを山本が頭で合わせてゲット。朴も反応したが、かき出せず。勝負を決める1点。湘南はやや苦しくなり始めた時間から交代で流れを変えて見せた。

78分、鳥栖交代

西川、福田→森谷、藤田

小泉が右SBに移り、藤田がボランチに入る。

79分、右からのクロスをフリーで阿部が合わせるも小泉がブロック。完全に湘南ペースでイケイケの雰囲気に。

80分、石原が足を攣る。

82分、湘南交代

石原、町野→岡本、ウェリントン

鳥栖はライン間やPA内で受けられるシーンはあるが、少しでも時間がかかると湘南の守備陣に寄せられる。

湘南はウェリントンの1トップで3-4-2-1気味に変えたか。

87分、瀬川が高い位置で奪ってそのままシュートまで。朴がセーブ。湘南はできるだけ前から追うやり方は変えず、鳥栖は後ろを少なくしているため、一度ひっかかると決定的なシーンにつながる。

88分、小泉に警告。阿部への手を使ったファウル。

89分、中野の仕掛けから折り返しを阿部がシュート。湘南のペースが続き、鳥栖は攻撃の時間すら与えてもらえないような展開に。全体を攻撃的な選手にシフトしたことが裏目に出ているように感じる。

93分、ブロックの外から本田が狙ったミドルは谷が触ってポストにはじかれる。

 

3-0のスコアどおり、湘南の完勝と言っていい内容で終了。鳥栖もらしい保持の形からポケットを取って折り返す惜しいシーンは作れたものの、PKを除いて得点につながりそうなシーンはほとんどなかった印象。50分~65分あたりは鳥栖が高い位置での保持を続けてゴールに近づいていた雰囲気があったが、米本の投入あたりからは完全に湘南がペースを引き戻した。鳥栖も攻撃的な選手をガンガン入れて前がかりになっていた中、湘南は前からのプレスを強めることで、鳥栖の後方の選手から自由を奪って攻撃を許さず。立ち上がりでリードを奪えたことが守備の割り切りにつながり、バランスを崩してきた相手に追い打ちをかけるプレスで完全に支配した。一度明け渡しかけた流れをしっかりと引き戻した山口監督の采配と選手のハードワークに拍手。

鳥栖は要所要所で良い組み立てもあった一方、湘南の前線のプレス、プレスバックが非常に激しく、それを上回れなかったことが敗因の1つになった。

 

 

個人的MOM

★タリク

前向きのプレスに加え、絶対にサボらないプレスバックがかなり印象的。一度プレスを外されようとも、タリクが懸命に戻ってきたことで遅らせ、相手のスピードアップを防いだシーンは何度もあった。そのしつこい守備が貴重な2点目につながったことも大きい。

 

見事なシュートスキルで2得点を奪った町野もMOM級。タリクと同様に運動量のところでプランを遂行した瀬川と山田も高評価。後半頭でPKを止め、悪い流れを作らなかった谷のプレーも大きかった。

 

トピックス

鳥栖は今季初の3連敗で5試合勝ちなし。皮肉なことに川井監督の契約更新後の3試合で3連敗という結果になった。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 山口 智監督 ]
(前節より)間が空いた試合で、直近の神戸戦では結果が出なかった中で、良い準備をしたというよりかは、いまの過程で振り返ったら「そう言われるだろうな」という準備をしてきました。何をもって良い準備かと言うと、自分の考え方としては、やってきたものを積み上げるということ。もちろん相手があることなので、難しさはありますけど、自分たちに向き合ってやってきた2週間でした。

今日の試合に関しては、それを出せるかどうか。相手のやり方や相手のスタイル、選手の特徴もありますけど、それを網羅できるくらいの準備をしてきました。今日に関しては、守備の時間が長かったですけど、今季やってきたことを表現できたんじゃないかと。なおかつ、点を取ることに関しては前半の早い時間に取れて、トドメがセットプレーという理想的な点の取り方ができて、ゼロに抑えることができたので、非常に評価できるゲームになりました。

--町野 修斗選手の決定力もすごかったですが、シュートに至るまでの過程も良かったと思います。前半の2ゴールをどう評価しますか?
もちろん点を取った本人が評価されるべきですが、僕はそれがすべてだとは思わないです。ボールを奪うところから始まって、つなぐ選手がいて、最後に仕上げる選手がいると思っているので、(ゴールに絡んだ選手全員を)同じように評価したいですし、そういう選手が増えることが良いと思っています。1点目は(石原)広教のクロスから、2点目はタリクの素晴らしいディフェンスで、取り組んできたことがつながったゴールだった。決めた町野は素晴らしかったですし、クオリティーを持った選手だという評価をしていますけど、全員を評価したいと思っています。

 

[ 川井 健太監督 ]
今季最後のアウェイということで、たくさんのサポーターに来ていただきましたが、気持ちよく帰ってもらうことができず、申し訳ないなと思います。ただ、最後1試合ありますので、自分たちのホームに戻って、良い思いでシーズンを終えてもらえるよう、1週間、準備したいです。

--前半のうちに失点してしまいましたが、試合の入りはいかがでしたか?
入り自体は悪くなかったと思います。相手のスペースができるところを狙いながらやれていました。1失点目に関して言えば、湘南さんが得意とする形で、それをケアできなかった。2失点目は少しミスが出てしまって、気持ちを引きずられるような2失点でした。

--残留はすでに決まっていて、上位争いにも関われないということで、選手のモチベーションの維持は難しくありませんでしたか?
結果だけを見れば、こういう形が続いているので、そう見られてもおかしくはないですけど、中身でいうと、そういうことはまったくないと思っています。彼らが準備をしっかりしないでこの試合に臨んでいるかと言われれば、そうではない。ただそういう意味では、何かが足りないと思って、もう1試合できると思っています。モチベーションがあるのは当たり前のことなので、気持ちではなく、プレーで何かが足りないと思っていて、その中で最後は良い試合をしたいです。

 

2022 J1リーグ第33節 アビスパ福岡vs柏レイソル メモ

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スタメン

福岡

メンバー18人は前節とまったく同じ。先発はマリ→フアンマの変更のみ。

田中と前嶋の欠場が続く。

 

4試合欠場していた川口が5試合ぶりの先発復帰。

武藤が5試合ぶりの先発。

ドウグラスがメンバー外に。

出場停止も含め、大南が4試合連続で欠場。

真家が6月18日以来のメンバー入り。

中村、岩下が負傷離脱中。

 

流れ

柏は3-1ビルド。福岡は3-4-2-1セット。

3分、福岡先制、1-0。山岸の起点作りからフアンマのパスで志知が左サイドのスペースに抜け出して折り返し。ゴール前に入ってきた山岸がうまく合わせてこじ開けた。前半で先制を許す流れが多くなっていた福岡が、逆に早く先制し、さい先の良い立ち上がりに。

4分、福岡のロングボールを高橋が処理するも、ルーズボールをフアンマがさらってFK獲得。柏は入りがフワッとしており、福岡がそこにガンガンつけ込んでいく。

8分、柏のビルドアップを福岡がハイプレスでハメる。柏はサイド経由で椎橋を使って回避しようとしたが、ルキアンが素早いプレスバックでカット。福岡は前3枚で3バックを追い、椎橋のところに明確なマーカーをつけていないので、FWの戻りが肝。

9分、山岸が左から仕掛けてシュートまで。ここまで福岡の一方的なペース。

10分、サヴィオが相手ボランチの背後で受けて前進を図るも、そのあとがつながらず。柏はサヴィオボランチ近辺で受けさせてポイントを作ろうとしているか。

15分、古賀→椎橋で前進成功。足元につけるとプレスバックを食らうので、スペースにピンポイントで送る形で届ける。柏は中盤でマークを受けにくい椎橋をどう使うかがポイント。

福岡は撤退時、前線3枚で複数選手を見て、後ろは迎撃用に余らせる。

19分、サヴィオが個人技で宮を交わし、ゴール前まで進入するも福岡守備陣がはね返す。柏は相手にブロックを組まれる中、個人技で1つの打開策を見せる。

20分、ロングボールをフアンマが収めてから山岸→ルキアンで背後を狙う。ファウルになったが、前線の好連係が見られた。

福岡は先制後からそこまでプレスに出ず、ミドルゾーンで構える守備へ移行。スコアが動いたからなのか、元々のプランなのかは不明。

21分、椎橋を経由して相手シャドーを内へ閉めさせて、浮いた高橋から運ばせる柏。

福岡はWBを極力前に出したくなさそうなので、必然的にシャドーの守備範囲が広がる。そこで追い切れなくなると、柏に前進のポイントが生まれるイメージ。

24分、上島→サヴィオで相手ボランチ脇を使って前進。柏は敵陣へ入るところまではそこまで困っていない。ただ、引かれた福岡を崩すまではなかなか難しい。

27分、セットプレー崩れから中村のクロス。PA内でヘディングで競り勝ち続けるも、強いシュートは打てず。

柏は徐々に前進の手段を失い始めてきている。CBからの縦パスも福岡の3バックが読みを利かせてカットする。

37分、上がってきた高橋からのクロス。山岸が追い切れないと高橋が空く、というシーンは何度か見られる。ただ、中はそろっているので、クロスを上げられても大丈夫という感じかもしれない。

38分、上島に警告。繰り返しのファウル。

40分、山岸のワンタッチパスにルキアンが抜け出そうとするも高橋がブロック。山岸→ルキアンのラインは何度か見られており、連係は良さそう。

中盤のルーズボールはほとんど福岡が回収し、収めており、柏はボールを持つ時間を作れないと押し込まれやすい展開に。

43分、福岡追加点、2-0。スローインの流れから湯澤のクロスをフアンマが合わせてゲット。柏は中野マークがぼやけて、フアンマをフリーにしてしまった。福岡は良いペースで進められていた中で大きな追加点。

 

互いに攻撃回数自体はあまり多くなく、比較的落ち着いた内容になったような印象だが、柏はほとんどチャンスというチャンスを作らせてもらえず、9割がた福岡ペースで進んだと言っていい。それも早い時間でスコアが動いたことも影響していたか。柏はボール保持でサヴィオを生かした前進ができていた10~20分あたりは敵陣まで入れていたものの、そこをシャドーの立ち位置やCBの迎撃で消されると前進手段がたたれ、持たされているだけのような時間がかなり増えた。福岡は後方でのはね返しはもちろん、前線の競り合いの強さ、中盤での球際、セカンド回収など、バトルの局面で大きく上回ったことで敵陣へ押し込むことができた。また、相手のバタつきを見逃さず、圧力を掛けていったことも抜け目がなかった。久しぶりに得意の先行逃げ切りパターンに持ち込めた。

DAZN集計で柏はシュート0。福岡の守備にまったく歯が立たず。後半でどのように修正するか。

 

 

後半

柏交代

武藤、上島、椎橋→真家、小屋松、戸嶋

前半まったくと言っていいほど良いところがなかった柏は怒涛の3枚替え。上島は警告を受けていたことも考慮したかもしれない。システムを4-4-2に変更。ドッジと戸嶋のボランチ。小屋松が左SH、サヴィオが右SH。

46分、柏得点、2-1。サヴィオPA近辺で収め、落としを戸嶋が強烈に蹴り込んだ。やや遠めからで、福岡もブロックに入っていたが、完璧なシュートでこじ開けた。柏は1stシュートが得点に。

52分、フアンマに警告。戸嶋への危険なチャージ。警告は妥当だが、直前の川口のラフプレーにおとがめなしだったので、やや不満あり気。

柏は4バックになったことでビルドアップ時に後ろにあまる枚数が少なくなり、ズレを作りやすくなった。特に福岡は柏SBを捕まえづらくなった印象。

54分、戸嶋に警告。福岡がカウンターに出ようとしたときに山岸を止めた。故意に倒したというよりも当たってしまったという感じだが、止めた事実が印象を悪くした。

システム変更で手を打ってきた柏が後半はペースを握り返している。福岡も守備重視で入っているが、まだハメ方を試行錯誤している状態。

56分、中村に警告。

柏の4-2ビルドの選手たちが、福岡の前線3枚の間に配置されるため、運ぶCB、広がるSB、背後に潜るボランチの誰を監視するかに迷いがある。

61分、福岡のハイプレス。フアンマのチェイシング、ルキアンのプレスバックで奪取。構造上前線の負担は大きそうだが、個人の献身性と守備能力でボールを奪い切った。

福岡は徐々に守備が落ち着いてきた。柏は立ち上がりほどの勢いがなくなり、ペースを明け渡しつつある。

福岡は全員を自陣へ下げて、5-4-1で撤退。崩されてはいないが、陣地回復が安定しないので受ける時間が長くなりつつある。

72分、フアンマが古賀からボールを奪ってチャンスメイク。ルキアンのシュートでCK獲得。福岡は前線のチェイシングとプレスバックの貢献度が光る。

74分、ハイプレスで回収する福岡。スイッチが入ったときのプレスはかなり迫力がある。

75分、福岡交代

フアンマ→渡

76分、サヴィオと小屋松がライン間で受けてスピードアップ。最後は真家がスペースに抜けてシュートも、枠へ飛ばせず。後半は小屋松とサヴィオがライン間で引き出して攻撃を活性化させている。

77-78分、サヴィオが運んで間に入ってきた小屋松のシュートまで。この2人だけで攻撃がほぼ完成する。

80分、トランジションルキアンが背負ってファウルをもらう。福岡は自陣にはりつけになりやすいが、個人のキープで時間を作る。

80分、柏交代

川口→北爪

福岡交代

山岸→田邉

福岡はファウルをもらって相手の攻撃をぶつ切りにし、リスタートに時間をかけて逃げ切りを図る。

84分、柏交代

細谷→加藤

先発2トップだった武藤と細谷はほとんど印象がないまま下がってしまった。

福岡はホルダーに多少時間が生まれようとも、後ろの選手は絶対に動かさない。前3枚で守るエリアを広げ、がんばって追ってもらう。

86分、三丸の配球を受けた小屋松のクロスに真家が飛び込むも村上が処理。

87分、宮が足を攣る。

福岡交代

ルキアン→金森

福岡はフィジカルに長けたFWがいなくなってしまったので、個人のキープで押し返すことは難しく、守備で走って守り切るプランに。

91分、宮に警告。サイドで抜け出そうとした真家を倒した。宮は足を攣っていた様子もあったので、スペースでの勝負になると厳しそう。

95分、湯澤に警告。スローインでの遅延行為。

 

前半は福岡ペース、後半はシステム変更で流れを引き寄せた柏のペースと、前後半で対照的な内容になったゲーム。福岡が2点リードで折り返したが、柏が後半開始早々に1点を返したことで福岡にとっては嫌な雰囲気が漂い、守る時間も長くなったが、最後までリードを守り抜いて勝利。柏は後半から出場した小屋松が面白いように機能し、サヴィオとともに攻撃を活性化させた。福岡はかみ合わせが悪くなったことで守備がハマらなくなり、なかなか押し返せなくなったところは反省材料。ただ、ゴール前での粘りはさすがで、リードを持っていれば強いことを示した。柏は後半の修正で勢いを増したところは良かったが、そもそも前半の1stプランがハマらなさすぎる問題は考える必要があるだろう。また、細谷と武藤の先発2トップがまったくと言っていいほど存在感がなく、個人のパフォーマンスとしてもチームの生かし方としても課題が残った。

 

個人的MOM

★フアンマ デルガド

久しぶりの先発で奮闘。ゴールはもちろんのこと、前線でのチェイシング、トランジション時の体を張ったキープなど、その貢献は多岐にわたった。テンションの上がったがゆえの警告の頂戴もあったが、前節の札幌戦にこの試合に臨むにあたっての気持ちの入れ方が伝わってきた。

 

フアンマとともに献身的な守備と前線のポイント作りで貢献した山岸、ルキアンも高評価。山岸は先制点のフィニッシュスキルも高かった。

柏は後半頭から入った小屋松と戸嶋が全体を活性化させ、サヴィオの個人技もより際立つようになった。もう少しで勝点が取れそうなところまで持ち込めたのは2人の貢献が大きい。

 

トピックス

上島が累積警告4枚目で次節出場停止。

戸嶋も累積警告4枚目で次節出場停止。

柏は9試合勝ちなしに。

山岸は2ケタゴールを達成。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷部 茂利監督 ]
良い時間帯に得点を取れた。でも、あってはならない後半立ち上がりの失点を喫してしまった。前半の初めに失点をしないというところは今日に限っては改善できましたが、後半の立ち上がりにそういうことが起きました。ギリギリのゲームでしたが、2点取っていたから勝てたというゲームになりました。

相手のシステム変更やメンバー変更に、私自身もチームとしても多少なりともバタバタとしてしまったところはあったと思います。いつもだったらもっと落ち着いて対応、対処できたと思いますが、今日のところはそこが後半の立ち上がりのところでできなかった。その後も、どうにか失点をしないという意味では対応できましたが、危ない場面は少しあったかなと思います。

ピッチの中で選手たちがどう対応しようかということを決断して、システムを含めて対応していました。追加点を許さなかったことは良かったと思いますが、もう少しこちらからもアプローチしてもっともっと良い形をとれたらなと思いました。

また、33節が終わったことで現状1つ順位が上がったんですかね。そういう立ち位置になったので、また継続してもう1試合、自分たちの力を出し続けて、良い結果を取りたいと思います。

--今日は3バックで臨みました。また相手がシステムを変えてきても3バックを継続しました。その意図は?
相手の長所を消すために、CBは3人いたほうが良いんじゃないか、という考えでそういう決断をしました。スピードもあるし、高さもあるし、と予想していましたが、何名か、ケガかどうかは分かりませんが、メンバーに入っていなかったということもありました。ただ、そこで対応できなくてはいけない。また自分たちが後ろから前に配球するところでも2CBよりも3人のほうが余裕を持ってボールを動かせるんじゃないかということでトレーニングもしていましたが、そこのところはちょっと出すことができなかった。何回かはあったのですが、もっともっと回数を上げなければ、と思いました。

またハーフタイムに相手はシステムを変えてきましたが、危なそうな場面はあったものの、やられる回数とか大ピンチになることがなかったことと、どうしようかベンチで話しながら迷っていた状況もありました。ただ、選手が中で人の立ち位置を変えることを決断したということがあったので、それもこちらのほうに映っていたのですが、「それはどうなんだ」と話したりしていた状況がありました。飲水タイムがないぶん、意思疎通を図ることが難しい中で選手たちはよくやってくれたなと思います。

 

[ ネルシーニョ監督 ]
前半はすべての意味で、われわれの戦術的な部分、技術的な部分が空回りした、とにかく入りが悪いゲームになったと思います。チームとしてあるいは個々の部分においてもパーソナリティーに精彩を欠くような時間帯が続き、われわれがやろうとしていたゲームプランをまったく遂行できない前半で、そこで失点を食らいました。

ハーフタイムに入って、選手の部分だけではなくシステムも変更して、われわれは攻撃的に出ていかなければいけなかなったので、より前線に人数をかけるという意図を持って、ああいう形に変更しました。後半は2点のビハインドから開始してすぐに1点を返し、守備のところにおいても(最終ラインを)4枚に変えてから安定して相手のカウンター攻撃を前半ほどは形作られることもなく、得点に結びつくような決定機も作られなかった。守備の部分が非常に安定したんじゃないかと思う。

逆にわれわれの攻撃陣が、後半に入ってから良い形でボールを動かしながらテンポよく相手陣地に進入する形も作れていましたので、ゲーム終了後に選手にも伝えましたが、「サッカーにおいてはインテンシティーと個々のパーソナリティーというものをしっかりと90分間出し切らないと、やはり結果はついてこないんだ」と。試合開始の笛が鳴った時点で両者の間で主導権の奪い合いが始まるわけで、「そこで受け身になってしまうと今日の前半のような戦いしかできないんだ」と。前半に比べて、後半を戦ってくれた選手たちはチームとしても非常にファイトしていたと思いますし、後半にわれわれの時間は作れたが、結果として敗戦してしまったゲームだったと思います。

--試合前に亡くなられた工藤 壮人選手への黙とうがささげられ、サポーターからはチャントもありました。ネルシーニョ監督も特別な思いを持って、今日の試合に臨まれていただろうと思います。
彼が亡くなったという訃報を聞いて、今週1週間は個人的にも非常につらいものだったことは言うまでもないことですが、彼との初めての接点は2009年、彼がトップチームのグアムキャンプに合流したときだったと記憶しています。以来、彼はチームの中で存在感を発揮してくれました。2009年に加入してから2014年まで彼と一緒に仕事をしていた間、彼の謙虚さとプロ意識が変わることはまったくありませんでした。人間だれしもいつかは終わりが来るものですが、いまはただただ彼が安らかに眠れるように祈りをささげるだけです。一方で彼の人生の一部に、彼のサッカー選手としての成功に少しでも携われたこと、同じ時間を過ごすことができたことについては私自身非常にうれしく、誇らしく思っています。彼がレイソルに残した多大な功績はこれからも決して忘れられることはありませんし、レイソルに関わるすべての人間、また彼の仲間たちの記憶にこれからもずっと残り続けると思っています。

 

2022 J1リーグ第33節 ガンバ大阪vsジュビロ磐田 メモ

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スタメン

G大阪

齊藤が出場停止明けでベンチ入り。

先発はパトリック→ペレイラの変更のみ。

サブは福岡、山本理、シウバ→クォンギョンウォン、鈴木、齊藤の変更。

倉田が3試合連続で欠場。

 

磐田

上原が出場停止で遠藤が5試合ぶりの先発。

金子が6試合ぶりのサブスタート、ジャーメインが6試合ぶりの先発。

鹿沼が4試合ぶりのメンバー入り。

大森が負傷離脱中。ゴンザレスは契約トラブルで出場できない状況。小川の欠場も続く。

 

流れ

55秒、ロングボールのセカンドを回収したアラーノがシュートまで。わずかに枠外。ペレイラの競り合いの強さを生かしてチャンスを作った。競り合いの際にペレイラが痛むがプレー続行。

3分、クリアボールの回収からダワンのミドル。ガンバが前向きに圧力を掛けながらうまくシュートまで持ち込めている。

ガンバはプレスを受けたらシンプルに前線へ送り、セカンド回収から押し上げる攻撃。相手が持ったら圧力を掛けて、敵陣でのプレータイムを増やそうとしている。

7分、小野瀬の強引な仕掛けからクロス。ファーで黒川がボレーで合わせるも枠外。クロスだったかもしれない。

ガンバはビルドアップ時はSBを低い位置に置く。

磐田は自陣撤退時は5-4-1ではっきりブロックを形成。カウンターの色気は残さず、守備に振り切る。

11分、ジャーメインのクロスを杉本が合わせるも枠外。マイナスにきた浮き球をうまく当てたが、コースは狙えず。その前も杉本の起点から山田が右を抜け出して深さを作れた。

12分、杉本の起点から右からのクロス。中には4枚飛び込んだが合わず。

15分~、ガンバの保持。ボランチとCBのパス交換で1stライン突破を狙うが、なかなか急所には入り込めず。

アラーノは攻撃時、かなり自由なポジション取りで中央から逆サイドの右まで流れてきたりする。

19-20分、磐田の保持。プレスをうまくくぐって右サイドへ展開し、鈴木のクロスが外まで流れて松本のシュートまで。ガンバは4バックがかなり中に絞るので、大外に大きく振ろうとする意識が見える。

22分、サイドチェンジから松本のインスイングクロス。黒川が絞ってクリア。ガンバがゴール前の人数は絶対にそろえるので、クロスを中でフリーで合わせるのはかなり難しそう。

23分、セットプレー崩れで山本悠のクロスに髙尾が合わせるも三浦の正面。

24分、松本のインスイングクロスにジャーメインと山田が飛び込むも合わず。スペースを持った松本に預けてからインスイングクロスを入れていく攻撃が目立つ。

25分、宇佐美のスルーパスで黒川がポケットを取って折り返すも、磐田DFがマイナスを消して阻止。

立ち上がり10分はガンバが前向きに圧力を掛けて押し込んでいたが、10分を過ぎたあたりからは磐田がボールを持つ時間を増やし、クロス攻撃でゴールへ迫れている。

27-28分、東口のキャッチからのスローインで磐田がカットし、波状攻撃を仕掛けるも、ガンバが踏ん張って阻止。東口は「ごめん」を示すようなハンドアクションで苦笑い。

29分、磐田が右サイドのパス交換でプレスを外し、鈴木のクロス。中に3人飛び込み、ガンバは2人しか対応できなかったが、山は越えられず。

磐田はミドルブロックでそこまでプレスを掛けないのに対し、ガンバは比較的前から寄せてボールを奪いに行く。ただ、磐田も細かいパスワークから打開してスピードアップを狙う。

ガンバはペレイラがいることでシンプルなロングボールにも迫力があり、きわどいところへ送ればCKを取れる。

37分、磐田のハイプレス。東口→黒川で逃げようとしたが、山本康が球際で刈り取ってカウンター。松本のクロスまで。

40分、磐田のビルドアップミスからガンバがカウンター。アラーノが仕掛けてシュートもブロックに遭う。

40分、宇佐美が左での仕掛けで抜けて折り返し。こぼれ球に反応した小野瀬が押し込みにかかるも枠を捉えられず。決定機。

43分、PA手前で細かく繋いでアラーノのシュートまで。ガンバの攻撃は前線のアタッカーの連係からの打開狙い。

磐田の保持でのロストが増えてきて、ガンバの攻撃チャンスが増える展開に。

45分、ジャーメインが遠めから狙うも東口の守備範囲内。

 

立ち上がりはガンバが敵陣へ押し込んで相手に圧力を掛ける時間が続いたが、10分を過ぎたあたりから磐田がボールを持って攻勢に転じる。大外をうまく使ってサイドからのクロスでゴール前へ何度も送ったがチャンスというチャンスはあまり作れず。磐田のミスが出始めるとガンバも終わり際に連続でシュートを打ったが、小野瀬の決定機を含め、決め切れず。互いに自分たちの時間を作った中、最後の質や連係のずれで課題が残った。狙いどおりの攻撃を出せていると感じるのは磐田のほうだが、惜しいチャンスはガンバのほうが多かった印象。

 

 

後半

48分、アラーノがPA手前でファウルをもらってFK獲得。

55分、右での作りから髙尾のクロスをペレイラが競り合い、こぼれ球を黒川が狙うも枠外。

56分、PA手前でのパス回しから遠藤のミドル。両チームともエリア内の守備に人数をかけるので、なかなか穴が生まれず、クロスやミドルで終わらざるを得ないようなシーンが多い。

58分、磐田がプレス回避からスピードアップ。2トップ裏をうまく使って右サイドの鈴木へ送り、ワンタッチでの折り返しを遠藤がフリーで合わせるも枠へ飛ばせず。完璧な崩しで決定機を作ったが決め切れず。ガンバは2トップがプレスバックに積極的ではないので、背後に潜られるとボランチやSHがつり出されてスペースを使われやすい。

59分、ガンバ交代

ペレイラ、小野瀬→パトリック、食野

59分、磐田交代

森岡→大井

森岡は足を気にする様子はあったため、アクシデントによる交代かもしれない。大井が中央に入り、伊藤が右へ移る。

63分、ルーズボールの回収から松本のカットインミドルまで。

64分、磐田交代

山田→大津

65分、ガンバ先制、1-0。トランジションが続いた流れで山本悠→食野とつないで、バイタルから左足を振り抜いてゲット。磐田はボールにプレッシャーが掛からないままずるずる下がってしまい、最後は大井が股を抜かれて万事休す。

69分、磐田の波状攻撃。右サイドの連係から大津が抜け出してクロスもはね返される。

ガンバは宇佐美とパトリックの収めで押し返そうとするが、磐田のチェックのほうが早く、陣地を回復できない。

71分、ガンバ交代

ダワン→齊藤

72分、ガンバ追加点、2-0。宇佐美の右からのクロスははね返されたものの、こぼれを回収してから最後はパトリックがオーバーヘッドでネットを揺らした。磐田は前がかりになって良い時間を作っていた中、1つのピンチが失点につながってしまい、かなり苦しい状況に。

74分、磐田交代

松本、ジャーメイン山本義→松原、金子、古川

磐田は交代カードを全て消費。システムを4バックに変えて攻撃的な布陣に。

2点リードのガンバは無理に前に出て行かない。2トップも下がり目において守備を安定させること優先。

1点ビハインド時に見せていた勢いが失われつつある磐田。2失点目がメンタル的に響いたか。

82分、磐田の波状攻撃。ゴール前に混戦を作って押し込みにかかるも、ガンバの人数をかけたゴール前を攻略できない。

磐田はパワープレー気味に出ていく。ガンバも追加点の欲よりも2点のリードを守り切ることに全神経を注いでいる雰囲気で、一度撤退の局面に入るとなかなか前に出ていけない。

89分、宇佐美のスペースへ送るパスでアラーノが抜け出し、マイナスでフリーになていた山本悠へ送るも、パトリックと重なって打ち切れず。パトリックは戻りながらだったので、任せたかったシーンだが…。

90分、伊藤に警告。

91分、ガンバ交代

アラーノ→クォンギョンウォン

放り込み対策でDFを追加して守備強化。

91-92分、コーナーキープの流れで宇佐美が仕掛けてシュート。三浦がはじいたボールを最後は齊藤が流し込みに行くも、三浦が体に当ててCKに。ガンバは決め切れなかったが、有効的に時間を使えている。

93分、鈴木の折り返しは東口が弾きだし、こぼれを狙った金子のシュートは東口がキャッチ。

 

後半も良い形を作り出し、先にビッグチャンスを作ったのは磐田だったが、先手を取ったのはガンバ。オープンな局面から食野がこじ開ける。ビハインドを背負った磐田は前に出ていき、ガンバを自陣に閉じ込めることに成功したが、パトリックに2点目を決められるとトーンダウン。最終盤こそ息を吹き返して惜しいチャンスを作ったが、守備意識を高めたガンバの壁を破ることは容易ではなく、2-0のまま終了した。内容で言えば磐田のほうが良かったかもしれないが、最後のクオリティーのところでガンバが上回ったと言える。特に途中出場の2人がフィニッシュで違いを見せたことは大きい。

磐田は1節を残して降格が決定。ガンバは自動降格圏から残留圏まで浮上。

 

 

個人的MOM

★食野 亮太郎&パトリック

食野は値千金の先制弾、パトリックはチームに落ち着きをもたらす2点目を決め、大きな勝点3の獲得に貢献。終盤の陣地回復やカウンターへの移行でも存在感があったが、このゲームの重さを考慮すれば得点だけでも評価されるべき活躍と言っていい。

 

磐田は山本康の球際での奮闘と中盤でのパスワークを円滑にする働きで目立ったが得点には結びつかず。

 

トピックス

古巣対決の遠藤が試合後に場内を1周しながら挨拶回り。

ガンバは連勝かつ3試合連続無失点。ホームでは6月29日以来の勝利。

磐田は5試合ぶりの敗戦で降格が決定。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 松田 浩監督 ]
ホーム最終戦ということもありますし、何より残留争いをしている中で貴重な勝点3を積み上げることができてホッとしている。と同時に、次の試合、この勝利を無駄にしないためにも絶対勝ちたいなという気持ちがまた出てきた。試合自体は、本当にどっちに転んでもおかしくないような展開、そういうゴール前のチャンスもピンチもありましたけど、結局はゴールが入ったかどうかが結果を決める競技。なので、本当に何か説明がなかなか、つかないなというのが正直なところですね。そういう意味では選手の勝ちたいという気持ちが上回ったのか、ホームの、サポーターの皆さんの後押しでゴールが入ったのか、選手を躍動させてくれたのか。その辺りに理由を持っていくしかないのかなと思ったりします。

ただ、やるべきことをしっかりとやり続けてくれたというところでは評価のできる試合だと思いますし、何より交代で入ってきた食野(亮太郎)とパトリックがゴールを決めるという、本当にチーム全体の勝利というのを表した試合になったかなと思います。

--先発を決めるときの考え方として、パトリック選手と食野選手を今回ベンチスタートにした理由と、あのタイミングで投入したときの松田監督のイメージを教えてください。
パトリックはちょっとコンディション的にも万全ではないかなというところ(があった)。実際はあれだけ活躍はしてくれたんですけど、そういうところがあるので、レアンドロペレイラ)に頑張ってもらって、それから、武器として持っておくというか、そういうのもパトリックの使い方としては悪くないんじゃないかなという。万全であれば先発で90分できる選手なんで、そういう使い方もあるんですけど、今日で不安はかなり払しょくされましたけど、不安がある中で使わなかったら使わないで、次の鹿島戦にというところもあったぐらいなので、ベンチスタートということでした。

食野も前節・マリノス戦からの流れの中で同じような形で活躍してくれればいいなということがありました。ただ、今日に関してはわれわれも是が非でも勝ちたいというところだったので、完全に分担するというか、半分ずつ分担といっていいぐらいですけど、例えば小野瀬(康介)と食野(で半分ずつ)とか。ただ、何が起こるかちょっと分からないので、あまり早めにカードを切って交代カードを切れなくなるのもあれですし、ただ、60分と30分という、30分ぐらいはフレッシュな足でとにかくかき回してもらいたい、エネルギーをピッチの上に落としてもらいたいということがあった。

あの時間帯で2人ぐらい代えようというのは(頭に)ありました。ただ、誰というのは決めていなかったですけど、レアンドロもちょっと顎の辺を打撲したみたいな形でちょっと本調子じゃなくなったかなというところもあったので、それだったら2人を60分の時点で代えようということですかね。

--1試合残っていますが、やることは変わらないのかなと思います。あらためて残り1試合に向けての意気込みを教えてください。
もう本当に泣いても笑ってもあと1試合になったわけですから、目の前の試合にすべてを賭けるというのは今取り組んでいることをそのままやるだけ。なんですけども、大事なのはここで例えば2連勝になっていることとかに満足しない。それは何も次の試合の保証にはならない。何が起こるか分からないのがサッカー。そこはしっかり認識した上で、楽して手に入るものは何もない。そういう何というんですかね、地に足をつけた状況をしっかり持ったまま、いまのハードワークを続けるということ。それだけは絶対に守って最後の試合に臨みたいなと思います。

 

[ 渋谷 洋樹監督 ]
まず今日のゲームで1試合を残したタイミングで降格となり、昨年はJ2優勝、J1昇格という素晴らしい結果のもとで今季を戦ってきましたし、選手、スタッフ全員が必死になって毎日を励んできましたが、このような結果になってしまい本当に申し訳なく思います。

今日もたくさんのファン・サポーターの方が足を運んでいただいたにもかかわらず、たくさんの方がジュビロ磐田をサポートしていただいているにもかかわらず、このような結果になったことを本当に申し訳なく思っています。(監督が)私になってからは必死になんとか残留しようと、選手が私のトレーニングについてきてくれて、良いイメージを共有しながらゲームをやってきましたが、今日のゲームもそうでしたけど、しっかりと安定して得点を取る。その中でやられない(失点しない)。そこは私自身が植えつけられなかったことに力不足を感じています。ただ、ラスト1試合、ホームで京都さんと試合があるので、そこは意地を見せて、ファン・サポーターに勝利を届けられるようにしっかりと1週間準備していきたいと思います。

--試合自体はきっ抗していたと思います。勝敗を分けたポイントは?
われわれもイメージどおりの攻撃や守備が出せている中で、勝たなければいけないことで少し前がかりになって、シュートで終われば良かったところをパスの選択をすることが多く、どうしても思い切ってプレーできていなかったところが勝敗を分けたと思います。

やはり相手のボランチとCBの間でターンしたときにシュートを打たずにパスを選択して、逆に相手はそこで前を向いてシュートを打って得点が決まった。少し選手が(ボールを)大事にし過ぎて、攻撃のところではもう少し足を振る場面が欲しかった。それは伝えていましたけど、やはりその中でも大事にプレーしてしまった。そこが今日の勝敗を分けたと思います。

--今季はどんなところに誤算がありましたか?
もっとアグレッシブにシュートの場面で足を振るとか、あとは最後の局面で体を張って守るとか、そこにはJ1の選手たちの能力があると思うので、もちろんJ2なら決定機があっても外してくれたり、ジュビロ磐田のほうがレベルは高かったと思います。ある程度の攻撃のリズムやボールの動かし方は差がないと思います。最後、思い切りよくプレーするところを私自身は感じています。足を振れるチャンスがあったのに振れなかった。清水戦ではジャメ(ジャーメイン 良)が足を振って得点になった。あのようなシーンがJ1では必要になってくる。相手は簡単に打たせてくれないので、その一瞬のタイミングを逃さないことが大事だと思います。そういう部分が足りなかったことでこのような結果を招いてしまったと思います。

ただ、攻撃のイメージはしっかりとボールを保持して攻撃したいというスタイルを継続してきましたが、質の部分をわれわれのチームは上げなければいけないと感じています。私が監督になってからもチャンスはあるけど、なかなか決め切れずに先に失点して、あとを追いかける展開が多かったので、もう少しリラックスした中でゲームを進められれば良かったと思います。

 

2022 J1リーグ第33節 川崎フロンターレvsヴィッセル神戸 メモ

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スタメン

川崎

ソンリョンとジェジエウが負傷明けで3試合ぶりに復帰。大島は7試合ぶりのメンバー入り。

前々節で負傷した知念が2試合ぶりにメンバー復帰。

シミッチが出場停止明けで先発復帰。

山村、佐々木、宮城、永長がメンバー外に。

ダミアンが負傷離脱中。

 

神戸

坪井が初出場初先発。試合前インタビューによると、飯倉と前川にアクシデントがあったとのこと。

イニエスタが9試合ぶりのメンバー入り。

郷家がメンバー外に。

サンペール、トゥーレル、飯野が負傷離脱中。

 

流れ

立ち上がりは神戸がとにかく前へ前へ向かうプレー選択で、川崎陣内に入って時間を奪う。ボールが空中を飛び交うような落ち着かない展開。

3分、家長→小林→脇坂とつなぎ、クロス。ファーでマルシーニョが完全に浮いたが、折り返しはつながらず。神戸は外への意識が弱まり、危険なシーンだった。

3分~4分、あたりから川崎が落ち着いてボールを持てるようになってきた。神戸は多少割り切って自陣で守る。小林祐がシミッチをマンマーク気味に見ており、4-4-1ブロックで、大迫が最前線に残るようなオーガナイズ。

川崎CB同士の横パスをスイッチにして小林祐がアンカーを捨ててプレスに出ていく。

早くも川崎が持って神戸がブロックを組む構図がはっきりし始めた。

川崎は小林がサイドを片方に制限するように追い、誘導したサイドで圧縮してパスコースを消す。

8分、シミッチ→橘田→マルシーニョでスピードアップ。マルシーニョが仕掛けて倒されるもノーファウル判定。

川崎が効果的にサイドの深い位置を取りながらゴールへ近づく。

11分、家長のインスイングクロスにマルシーニョと橘田が飛び込むも合わず。

序盤は川崎ペース。ボール保持を安定させて敵陣へ押し込み、サイドからの攻撃できわどいシーンを作っている。神戸は高い位置で押し返せず、ゴール前で粘りの対応が続く。

13分、パスをカットした小林がそのままシュートまで。坪井がセーブ。

15分、ここは小林が大﨑を見る守備の組み方。CBは捨ててパスコースを切ることを優先。

18分、汰木が高い位置で回収するもシミッチがプレスバックでカット。

19分、川崎先制、1-0。神戸陣でのトランジションから汰木のパスのルーズボールが家長にわたり、クロスから神戸守備陣の連係ミスが生まれ、マルシーニョが押し込んだ。菊池がはね返せる位置にいたものの、GKに譲ろうとしたのか変な対応になってしまった。

21分、川崎のパスミスを拾った武藤からカウンター。大迫→汰木とつないでクロスを送るもソンリョンが落ち着いてキャッチ。

22分、パスコースを消されたソンリョンのフィードから被カウンター。最後は山口がシュートを狙うも車屋がブロックしてCKに。

序盤は小林がサイドを限定するようなプレスを掛けていたが、大﨑監視で高い位置でけん制する守り方になった。

30分、神戸のビルドアップ。マルシーニョの外切りプレスを外して山川に届け、中盤へ下りた小林祐でオープンを作り出す。最後は酒井のラストパスが大迫に通りかけたが、川崎DFが触ってコースを変える。神戸はようやく良いビルドアップを見せ、小林祐の特長も効いた。

32分、山口がライン間で起点を作り、前進。神戸がビルドアップでの前進手段を見つけ始めている。

32分、大﨑がPA角の少し外でファウルを受けてFK獲得。

35分、菊池から小林が奪ってそのままゴールへ。GKを交わして角度のないところから枠内へ流し込もうとしたが、菊地が戻って懸命にクリア。自分のケツは自分でふいた。

36分、武藤が背後へのランニングで深さを作り、右からのクロス。

38分、大迫がバイタルでうけて武藤にパスを出すが、川崎守備陣が間を狭めてブロック。

30分前後あたりからは神戸が保持の時間を増やしてゴールへ迫れている。チャンスというチャンスはそこまでないが、クロスに複数人飛び込んだり、ピンポイントでラストパスが合わせられそうだったり、作っている形は悪くない。

40分、神戸守備陣が出てこないことを見てシミッチがミドル。坪井の正面に飛んだが、威力はあったので、神戸は簡単には打たせたくないはず。

43分、シミッチに警告。大迫のフリックから抜け出されかけた小林祐を手を使って止めた。

 

序盤は川崎がボール保持で押し込み、サイドを有効的に使いながらゴールへ迫る。神戸もゴール前で粘りの守備を続けていたが、トランジションからゴール前で連係ミスが生じ、川崎が先制。その後は川崎がプレスに出るよりも高い位置でけん制するような守り方にしたことで神戸もいくらかボールを持てるように。最初は中盤ラインをどう越えるかで困っていたが、マルシーニョの背後で浮く山川や、山口や小林祐が中盤で起点を作る事で前進パターンを作り出し、敵陣へ入る回数を増やした。ただ、神戸はシュート数1と、惜しい場面は作れても打てるところまで持ち込めなかったことも事実。川崎はきわどいラストパスが入ってきたときの守備陣の対応が良かった。

互いに保持を安定させたところから攻撃の局面に持ち込む展開で、どちらがボールを持つ時間を増やせるかがポイントになるか。神戸はGKの坪井が初出場であることも影響してか、最終ラインの連係ミスや、シンプルに個人のエラーが何度か見られるので、そこを修正できるかも重要になる。

 

 

後半

48分、神戸がシミッチにしつこくついて奥へ追いやるも、浮き球でうまく外してプレス回避。

48分、大迫→山口で縦に鋭く進んでシュートまで。角度が限られていたので、ソンリョンも落ち着いてセーブできた。

49分、右からの折り返しを汰木が合わせるもミートし切れず。後半立ち上がりは神戸ペース。

50分、神戸同点、1-1。小林祐の直接FKがそのままネットを揺らす。壁の上を越してゴールに吸い込まれた。スピードもあり、ソンリョンも飛びついたが届かず。

53分、中盤で大﨑から奪取して川崎が縦に速く攻める。マルシーニョがスルーパスで抜け出しかけるも菊池がスライディングで阻止。紙一重

55分、汰木がターンでマークを外すも、脇坂のサポートで山根と挟んで突破は許さず。

56分、小林祐が間で受けてスルーパス。大迫が抜け出してGKと1対1を迎えるもソンリョンが詰めてブロック。神戸は決定機を決め切れず。

川崎もトランジションでの縦に速い攻撃で惜しいシーンはあるが、おおよそ神戸のほうが攻撃できている。いったりきたりの展開が増えてきており、攻め切れないとオープンな流れになる。

58分、川崎がPA手前での細かい連係から山根のシュートまで。ポスト直撃。川崎らしい狭いところでのパスワーク。

59分、神戸交代

汰木→小田

小田が右SHに入り、武藤が左に移る。

61分、川崎交代

シミッチ→大島

大島をIHに入れ、橘田をアンカーに下げる。シミッチは警告を受けていたことも考慮したか。

63分、大迫の収めから最後は大﨑のシュートまで。川崎DFがブロック。大迫は山口からの強いパスをいとも簡単に収めた。並みの選手であればコントロールし切れなさそうなボールでも圧倒的に収まる。

55分あたりからは川崎が保持する時間が長くなってきた。神戸は前半同様4-4-1-1で組みつつ、マルシーニョにはダブルチームで対応、ライン間は複数で囲い込みと、まずは閉じ込めることを意識。

67分、小林のためから山根が上がってクロス。マルシーニョが頭で合わせるも坪井がビッグセーブで阻止。川崎に決定機。

68分、スローインの流れから小林が収めて落としから強烈なシュートを放つも坪井がセーブ。

69分、川崎交代

脇坂、登里→知念、ジェジエウ

ジェジエウが右CBに入り、谷口と車屋がそれぞれ左に1つずつズレる。ジェジエウは負傷箇所である手に固定器具をつけての出場。

70分、FKから菊池が競り勝ってループ気味になったボールがゴールに吸い込まれたが、オフサイドの判定。

73分、神戸交代

小林祐→イニエスタ

76分、セットプレーの流れからクロスにジェジエウがたたきつけるように頭で合わせるも坪井が処理。競り合いになるとかなり迫力がある。

神戸はやや受ける時間が続いており、押し返す回数も減ってきた印象。ただ、イニエスタが入ったことでPA付近での連係のレベルはかなり上がったように見える。

78分、PAのライン近辺で小林悠が受けたところを後ろから小林友が倒し、川崎がFK獲得。VARのと長い交信。→オンフィールドレビューの結果、PKの判定に変更。ボールの位置はPA外だったが、ファウルの位置が中だった。

83分、川崎勝ち越し、2-1。家長のPKは坪井が手に当てたがはじき切れず、ネットを揺らした。

スコアが動き、神戸のテンションがグッと上がった。全体が前に圧力を掛けていく意志をを感じるので、オープン要素が強まりそう。

84分、神戸交代

大﨑、武藤→扇原、佐々木

86分、川崎交代

マルシーニョ→遠野

小林と家長が2トップ気味、知念が右SHに移る。

川崎は敵陣でパスを回し、ロスト後に素早く囲い込んで押し込む。個人のキープ力に頼らず、全体で押し上げる。

88分、トランジションから佐々木が左サイドで持ち運ぶが橘田が戻ってマイボールに。川崎は枚数を掛けて押し上げる分、スペースを突かれやすいが、橘田やジェジエウのカバーを生かす。

90分、酒井に警告。ソンリョンのロングボールからルーズボールを生かした知念を倒した。

川崎はまったく自陣に引くことなく、敵陣での保持の時間を増やすことでクローズしにかかる。速攻を食らうリスクをカウンタープレスでうまく消せている。

93分、扇原の放り込みをファーで落としてイニエスタが狙うも大島がブロック。

93分~、神戸が前線の枚数を増やしてパワープレー。大迫と菊池の二大ターゲットに放り込み役の扇原。川崎は時間も考慮し、無理につながずシンプルなプレー選択を優先。

 

それぞれが自分たちの時間帯で点を取り合い、川崎がわずかに上回って勝利。序盤は川崎ぺース、前半途中から後半序盤までは神戸ペース、終盤は川崎ペースとボールを保持できたほうがうまく攻撃に持ち込み、川崎が押し切ることに成功。トータルでは川崎のほうがチャンスの質は高かった印象だが、「神戸が先に決めていれば」というたらればはあったかもしれない。2-1になってからは神戸もかなり攻勢を強めて前に出てきたが、川崎は敵陣保持で時間を使うプランをうまく遂行し、それで押し込まれる時間を最小限にとどめられたことが大きかった。

 

 

個人的MOM

★家長 昭博

PKキッカーとして決勝点をゲット。本人も「蹴りたくなかった」と言うほどの緊張感の中、GKに触られながらも決め切った。また、質の高いチャンスを作り出すクロスも何度もあった。

 

復帰戦で好セーブを見せ、相手にペースを渡さなかったソンリョン、PK獲得だけでなく、PA付近でのポイント作りでチャンス創出のお膳立て役として機能した小林、地味ながら相手のラストパスを未然に防いでいた谷口も高評価。

神戸は超絶直接FKだけでなく、中盤の起点役、アンカー消し役として機能した小林祐、多くのボール奪取とカウンターの起点役となった山口、半端ない収めで前線のポイントになり続けた大迫も高評価。デビュー戦となった坪井の好セーブも光った。

 

トピックス

PKを決めた家長は試合後インタビューで「蹴りたくなかった」とコメント。家長ほどの選手でも大きなプレッシャーを感じていた模様。それが決まったあとにピッチを手でたたきつけるようなアクションにつながったていたか。

川崎は怒涛の3連勝。優勝の可能性を最終節までつないだ。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 鬼木 達監督 ]
まずホーム最終戦を、本当に多くのサポーターの方の後押しの中で、また優勝争いができる中で戦えて幸せに思う。前半に点を取ったところで畳みかけたかったが、後半の立ち上がりの失点は修正しないといけない。それでも最後、あきらめない姿勢と、サポーターの大きな力で勝ち越すことができた。その後も苦しかったが、集中して守れた。どんな形でも次につなげたかったので、大きな仕事ができたと思う。最高の準備をして、次に向けてやっていきたい。

--後半の序盤、ボールを受けて運ぶべきところで、中盤がそうならない部分が気になったが?
ここ数試合、緊迫した中でどうしても2点、3点を取りにいかないといけないが、頭の中で1点を大事にする傾向がある。試合の始めも長いボールが増えた。ボールを受けにいっていないわけではないが、まずは受けにくること。その中で、受けにくるところでは相手のプレッシャーも受けるので、背後にボールを入れることはその中で必要だが、少しずつポジションを取ることが遅れたり、ズレたりすることがあったと思う。

--家長 昭博のゴール後の仕草を見ても気持ちを感じたが?
やるしかないという気持ちでやっていたと思う。その姿勢はあったと思うが、なかなかうまくいかない時間や、失点したことによって少し慌てるようなシーンもあったかもしれない。それでも途中からは冷静にやり始めていた。そこが特に重要だと思っていた。緊迫する中で攻め急ぎ過ぎないことは大事だが、そこが迫力のなさになっているというのも捉え方次第だと思う。最後までゴールへの確率が上がるのは何かを考えて、攻めてくれたと思う。

--先制したあとに追いつかれたときに「自分の力が足りない」と言っていた。今日は追いつかれたが、突き放せたことについて。
まだまだ自分はやらないといけない。今日なら、ホームサポーターのアドバンテージはあった。その中でも、ゲームの中で自分自身もフォーメーションを変えたり、どこが相手にとってイヤな場所か、あとはどこで厚みを出したらいいのかというのを考えながらやっていたが、全部正解かは別の話。ただ、勝ち越したらそのあと試合を締めるまではある程度頭の中に描けているものはあった。それは選手たちも応えてくれたと思う。

 

[ 吉田 孝行監督 ]
前半は、自分たちの出来が悪かった。ハーフタイムでしっかり気持ちの部分をもう1回入れ直してやろうと伝えて、後半は自分たちの戦いができた。最後の終わり方というのは、ちょっと変な終わり方になったが、前半からしっかり入っていたら、違った展開になっていたかなと思う。

--前半で、想定と違った部分はあったか?
立ち上がりの5分、10分は悪くなかったが、徐々に(相手のペースになった)。もう少し早くボールを動かしたかった。自分たちのSBのところが空いていたので、早く動かせれば良かったが、なんとなくプレッシャーを掛けられたところで苦し紛れのプレーが出た。主導権を持ってやれていなかった。気の緩みというか、ディフェンスラインで起きてはいけない取られ方があった。失点シーンもなんでもない形から。誰がクリアするか、というところだった。

--GK陣にアクシデントがあっての坪井 湧也選手の起用か?
(うなずいて)失点してもおかしくないシーンを2回くらい止めてくれた。立ち上がりは少し硬かった印象はあるが、徐々に試合に慣れた印象はあった。

--次節は、優勝争いの横浜FMが相手だが?
まず、自分たちのホームで優勝させたくないという思いは強い。自分たちがホームで勝って、サポーターと喜びを分かち合う最終戦にしたい。

 

2022 J1リーグ第33節 横浜F・マリノスvs浦和レッズ メモ

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スタメン

横浜FM

外国籍枠の問題でマルコスがメンバー外に。マテウスが4試合ぶりのメンバー入り。それ以外の17名は前節と同じ。

宮市が負傷離脱中。

 

浦和

負傷が発表された関根がメンバー外に。

リンセン、モーベルグもメンバー外に。

馬渡が4試合ぶりのメンバー入り。

松尾、江坂が3試合ぶりの先発。

犬飼が負傷離脱中。

 

流れ

浦和は非保持時、大久保が大外に戻って5バック気味に構える二段構え。最初は4-2-3-1気味で、プレーエリアによって守り方を変えているか。

立ち上がりからマリノスが保持する展開に。

浦和はユンカーが最前線に残り、マリノスは2CBでそこのリスク管理を行う。

5分、松尾のカットインミドル。高丘の正面へ。

マリノスは保持しているだけでなく、かなり深くまで攻め込んで、ゴールへ近づいている。

7分、浦和が自陣からつないでスピードアップ。ユンカーがスペースで仕掛けてゴールへ向かうも、足元を滑らせて打ち切れず。

ここまでユンカーと松尾はマリノスのハイラインに効いている。

9分、酒井が運んで江坂につけるもエドゥアルドがカバーしてCKに。

立ち上がりはマリノスが持つ展開だったが、徐々に浦和も持てるようになってきた。

浦和はユンカーがアンカー位置の選手を見て、松尾と江坂がCBにプレスを掛ける役。大畑は小池龍を捕まえるためにかなり高い位置まで出てくる。

14分、右からのクロスをエウベルが優しく落としてロペスにつなぐもロペスが打ち切れず。流れは完璧だった。

15分、江坂のクロスが流れ、ファーで浮いた大畑のシュート。浦和は手数をかけずに攻め切る意識が高い。

16分、マリノス先制、1-0。縦に速い攻撃から水沼が仕掛けてシュート。こぼれ球をエウベルが反応して押し込んだ。

18分、浦和のプレスを高丘→ロペスでつないでキープ。エウベルのクロスを西村が合わせるも枠外。

またマリノスが保持する時間になってきた。

19分、西村がPA内で受けてシュートまで。西川がキャッチ。

20分、マリノスのプレスを西川→江坂のフィードで回避。ともにGKからの配球がプレス回避の肝に。

浦和はかなりはっきりめに5-2-3の形に見える。最初からなのか、途中からはっきりさせたのか。

浦和は自陣撤退の色が濃くなり、5-4ブロックで構える時間が増えた。マリノスはSBも高い位置を取って、最終ラインは手薄になっているので、切り替えで上回ればカウンターは効くはず。

31分、スローインの流れから細かく繋いで永戸が抜け出しかけたところを酒井が倒してマリノスPA手前でFK獲得。酒井には警告が提示。

→32分、水沼の低くて鋭いボールはそのまま西川の下へ。誰かが触れれば…というボールではあった。

34分、大久保のパスから浦和がオープンで勝負に。松尾→ユンカーとつなぎ、最後は横パスを受けた伊藤のシュートまで。浦和は1stプレスをかいくぐれれば前線3枚の速い攻撃を繰り出せる。

36分、CKの流れからエウベルが個人で仕掛け、こぼれ球をロペスが押し込んでゲット。西川は1つ目のシュートは好セーブで防いだが、さすがにはじくコースまではコントロールできなかった。

39分、高丘からのロングボールにロペスが反応してシュートまで。プレスで追い込まれたところから一気にチャンスを創出。

43分、後方からの素早いつなぎで西村→水沼とつないでゴール前へ入るもシュートは打ち切れず。

44分、西川→ユンカーでスペースを狙うも、エドゥアルドががっちりブロック。

46分、水沼のクロスをロペスが頭で合わせるも西川の正面。

 

序盤のマリノスの攻撃を耐えた後は浦和も保持の時間を作ったり、カウンターや疑似カウンターからゴールへ迫ったりと押し返した時間もあったが、再びマリノスのペースになるとエウベルがこじ開けて先制。序盤の浦和は前3枚でプレスを掛けながら前からいくアプローチだったが、徐々に5-4ブロックの要素が強くなり、マリノス保持の構図がはっきりした。それでもユンカーや松尾で一気にゴールへ迫るシーンもあったが、おおよそマリノスが支配して進み、2点リードで折り返し。浦和はいつもと違う面白いアプローチではあったが、プランの遂行がなかなか難しくなってしまった。

DAZN集計で、西村は驚異の走行距離7.0kmを記録。

 

 

後半

浦和は松尾が前に残り気味になり、5-3-2っぽいセットの仕方に。カウンターの脅威は増すが、中盤のスペース管理は難しくなる。

浦和はプレス時に江坂がアンカー位置を捕まえるような立ち位置を取る。マリノスボランチが横幅も広く動くため、マンツー気味に捕まえるのではなく、アンカー位置に入ってくる選手を見るようなイメージ。

52分、自陣での組み立てから酒井→ユンカーでスペースをとりにいったが、高丘がカバー。

53分、大久保と酒井の連係で右のスペースを取るも、戻ったエドゥアルドが突破を阻止。

54分、トランジションからスピードに乗ったエウベルが仕掛け、敵陣でFK獲得。

56分、マリノス追加点、3-0。渡辺の寄せから高い位置で奪い取り、ショートカウンターでエウベルが個人でこじ開けた。浦和はビルドアップを安定させて押し返しにかかっていたが、中盤でひっかかりかけるシーンが続き、失点につながった。

60分、浦和交代

江坂、大畑→小泉、明本

62分、大久保の右からのクロスをユンカーが頭で合わせるも枠外。

63分、渡辺が2トップ脇で受けたところからうまく運んで右での厚みのある攻撃に。CK獲得まで。

64分、マリノス追加点、4-0。CKをニアでフリックし、中でロペスが合わせてゲット。直前に西川のビッグセーブで1点をしのいだが、結局直後のプレーでゴールが生まれた。

66分、左からの展開を小池龍が受けてミドル。浦和は中盤のスペースを埋め切れていない。

66分、浦和得点、4-1。大久保のスルーパスに反応したユンカーがワンタッチで高丘の股を抜いてゲット。大久保のパスも、ユンカーの動き出しも、エドゥアルドをうまく出し抜いた。

69分、セットプレー崩れで、左からのインスイングクロスを酒井が合わせるも枠外。浦和はユンカーのゴールからメンタル的に少し立て直した雰囲気がある。

70分、明本が縦に強引に仕掛けたところを喜田が倒して警告。

72分、マリノス交代

水沼、エウベル→仲川、マテウス

70分あたりからは浦和がボールを持って敵陣へ入り、攻撃の時間を増やせている。

75分、渡辺が足を攣る。すぐに藤田が準備。ただ、プレーは続行。

77分、セットプレー守備の流れからユンカーが1人で運び出すも、仲川が戻って奪取。

78分、ルーズボールの回収から大久保がコントロールショットを狙うもギリギリ枠外。

79分、マリノス交代

喜田→藤田

準備していた藤田は足を攣った渡辺ではなく、警告を受けていた喜田との交代。

浦和交代

伊藤→柴戸

80分、酒井が仲川にレイトタックル。佐藤主審から注意。すでに警告を受けているので、次やったら2枚目が出そうな雰囲気。

70分過ぎから5分程度は浦和が攻撃の時間を作れていたが、80分前からはマリノスのペースに。

84分、背後からの配球に仲川が抜け出しかけるも、浦和DFがギリギリで対応。

85分、ロペスが収めてマテウスが抜け出しかけるも西川が飛び出してカバー。

互いに間延びが大きくなり始め、ボールを持ったら敵陣まではスムーズに進めるような展開に。

86分、マリノス交代

ロペス、渡辺→セアラ、松原

最初はエドゥアルド→角田の交代が準備されていたようだが、ばたつきながらもギリギリで交代を変えた模様。渡辺の疲労を考慮したか。

89分、マテウスが右サイドを抜け出して折り返し、西村が飛び込むも西川がギリギリでかき出す。

 

最終盤は浦和も点を返そうと前がかりになったが、最後までマリノスがゲームをコントロールして終了。浦和は良い時間もいくらかは作り出したものの、マリノスが「我慢の時間」と言えるほどの流れには持ち込めず。マリノスの一時的な劣勢をすぐにはね返す力が上回ったと言える。浦和がカウンターで早く攻めようとしても前線の選手がすぐに戻り、最後方ではエドゥアルドが対人で奮闘。また、後方のスペースは高丘のカバーで埋めるシーンも多かった。浦和は途中から保持にこだわって押し返そうとしたものの、ビルドアップでのロストから3点目を奪われてかなり苦しくなってしまった。

マリノスはホームで下位に連敗と嫌な流れがあったが、3試合ぶりの勝利で首位を堅持。勢いを持って最終節に臨めるはず。

一方の浦和は、保持がうまく行かない試合が続いたことである程度縦に速く攻めるスタイルに切り替えたが、それでも4失点での大敗を喫し、サポーターからも厳しい反応が飛ぶ。積み上げの余韻は感じるものの、魚でも肉でもないようなサッカーになってしまっている印象を受ける。

 

 

個人的MOM

★エウベル

3得点に関与。特に2点目につながった仕掛けからのシュートと、3点目のゴールへのドリブルは彼にしか出せないプレーであり、文字どおり違いを見せるプレーだった。

 

2得点に加え、前線でのキープ、守備でのチェイシングでも存在感があったロペス、組み立てとプレスで全体をまとめた渡辺、1失点は悔やまれるがユンカーら相手アタッカー陣をおおよそ封じたエドゥアルドも高評価。

 

トピックス

酒井は累積警告4枚目で次節出場停止。

西村が前半の走行距離7.0km、トータルで13.6kmを記録。驚異的な数字。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ケヴィン マスカット監督 ]
特別な日になりました。ホーム最後の試合で選手たちは素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。ファン・サポーターに良い試合を見せ、良い結果になり良かったです。

--下位相手に1点も取れず、2連敗していた中、先制点が大きいように感じました。先制点について、どのように感じていますか。
どのゲームも先制点は重要です。それによって、ゲーム展開が左右されます。特に今日のゲームでは選手たちがエナジーを十分出し、表現し続けてくれました。どうゲームに入っていくかをサッカーで語ってくれ、努力が実りました。このようなビッグゲームで、このようなパフォーマンスを出せる選手たち、クラブを誇りに思います。続けてやってきたことは重要だと感じました。

--次の神戸戦も厳しい戦いになりそうです。どのような準備をしますか。
この3、4カ月間、選手たちにも伝えてきましたが、目の前のゲームをどうするかが大切でしたし、一歩一歩進んでいくことが大事でした。人生でも飛び越えて進むことはありません。選手たちは慌てずやってくれました。そして、ファン・サポーターが良い雰囲気を作ってくださった中、みんなで喜びを分かち合えるサッカーを見せてくれました。

今季もたくさんの印象に残る試合がありました。例えば鹿島のアウェイ戦は長年勝っていないと聞いていた中、たくさん点を取り、良い結果が出ました。語り継がれる思い出をみんなで作り上げてきました。その瞬間を今季最後の試合でも作ることが大事です。皆さまにとって、特別な最高の瞬間を見たいと思っています。

 

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
マリノスがわれわれを上回った、そこに尽きると思います。われわれも前半はチャンスがありましたが、短い時間に2点を奪われてしまい、チャンス数でも彼らが上回っています。激しさや球際の部分も足りていなかったと思います。 後半は前線の枚数を増やして攻撃的に出ていきましたが、それでもやはり、チャンスの数もゴールの数も、相手の攻撃のほうがよりダメージを与えてくる形でした。

--後ろは3枚で守っているように見えたが、どのような意図だったか。
狙いのすべてではありませんが、前からのディフェンスでボールを奪う、1対1で完全にハメにいくという狙いがありました。うまくいった形もありましたが、それをやり続けるのは簡単ではありません。シーズン前半戦で戦ったときに、ディフェンスライン4枚では簡単にもっていかれる場面があったので、その修正としてこういう対策をしました。

--全体的に試合をどう組み当てるかの意図は伝わったが、局面でかなり負けてしまっていた。足りないのは例えば、トレーニングなのかモチベーションなのか。
1つは、プロファイルの部分もあると思います。マリノスは局面の強さ、強度の高さといった構成でできていますし、われわれはよりテクニカルな部分で秀でているところもあると思います。その一方で強さに欠けるところもあると思いますし、 相手の良い部分とわれわれの良い部分は違うところにあります。広島も強さがありましたが、そこでうまくやられてしまいました。良いところと悪いところの違いが出てしまいました。

 

2022 J1リーグ第33節 名古屋グランパスvsFC東京 メモ

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スタメン

名古屋

内田が契約上出場不可。

重廣が負傷明けで4試合ぶりのメンバー入り。

酒井が復帰後初先発。

柿谷が負傷離脱中。

 

FC東京

負傷で離脱したディエゴに代わり、フェリッピが6試合ぶりに先発。

三田が4試合ぶりのメンバー入り。

林、青木、トレヴィザンが負傷離脱中。

 

流れ

名古屋は中谷が真ん中、藤井が右。

1分、藤井がレアンドロから奪って右サイドを取り、森下の折り返しまで。

2分、名古屋がFKを大外で藤井が折り返して永井がフリーでシュートに持ち込むもスウォビィクが好セーブ。

6分、アバウトな蹴り合いが続いた序盤から落ち着き始める。

東京は4-1ビルドにIHサポート。東が相手2トップの間、もしくは背後で受けようとしている。

8分、森下の深いチェイシングから相馬が奪って敵陣でFK獲得。

9分、名古屋先制、1-0。インスイングのFKを酒井が合わせてゲット。ニアで永井が少しだけすらしていた。

11分、トランジションからマテウスが運んで森下の折り返しまで。中が間に合わず。

12分、名古屋が高い位置で奪ってマテウスの右足シュートまで。名古屋がプレスで東京のビルドアップをつぶしてチャンスを作っている。

13分、名古屋が中盤の球際を制してカウンター。相馬の仕掛けまで。

16分、松木のフィードのセカンドから渡邊が回収し、長友の抜け出しからCK獲得。

中谷とフェリッピが序盤からずっとやり合っている。

東京は松木がアンカー位置の稲垣をつぶしに出ていく。

東京は名古屋の1stプレスをくぐれず、自陣からなかなか出られない。

23分、東京が中盤でカットしてレアンドロのカットインミドルまで。

24分、2トップ裏をうまく経由して前進する東京。渡邊がライン間で受けたところでファウルをもらい、FK獲得。

26-27分、連続トランジションから東京にチャンスも名古屋が粘りの対応。東京はレアンドロのロストが目立つ。

30分、フェリッピに警告・藤井に対してのレイトタックル。フラストレーションがプレーに出てしまい、警告の対象に。

34分、レアンドロの運びを止めた稲垣。東京がPAから少し離れた位置でFK獲得。

→35分、レアンドロの直接FKはランゲラックがキャッチ。少し距離が遠かったか。

37分、CK崩れから、バングーナガンデのクロスにフェリッピが合わせるも枠外。角度がなかった。

名古屋は自陣撤退時はマテウスだけ最前線に残してほかの選手でスペースを埋める。

40分、名古屋がカウンター。森下が広大なスペースを運んだところでバングーナガンデが倒して警告。名古屋はPA手前でFK獲得。

マテウスの直接FKは壁に当たってはね返される。

44分、フェリッピが縦パスを収めてスピードアップ。前進してからポケットに入って折り返し、CK獲得。

 

名古屋がハイプレスで東京のビルドアップを封じ込み、ショートカウンターからチャンスを量産。途中からはプレスを緩め、自陣撤退の時間も増えたが、スペースを消しながら安定した守備を見せ、ロングカウンターに移れる回数も何度かあった。東京はビルドアップがなかなか決まらずに球際で食われ、ボールを持てるようになっても名古屋のブロックを崩せずにチャンスらしいチャンスをほとんど作れなかった。おそらくチャンスになったのはセットプレーの流れか、トランジションだった印象。名古屋はリードできたことで無理に前に出ていく必要がなくなったため、東京が名古屋のブロックを攻略できるかどうか。名古屋はハイプレスとブロック守備の両にらみで、守備を安定させながら2点目を狙うプランになるだろう。

 

 

後半

48分、東京同点、1-1。敵陣での松木の奪取からバングーナガンデのクロス。はね返しを前に出て拾った木本がミドルを突き刺してゲット。酒井の肩口に当たって、良い感じにコースが変わった。

得点後から東京がリズムをつかみ始める。

51-52分、相馬のクロスをファーで永井が落とし、マイナスをマテウスが右足で狙うも枠外。決定機。

53分~、東京の保持。敵陣へ押し込んで攻撃の試行回数を増やす。名古屋は後ろの選手が前に出てきにくくなっているか、前線が追い掛けても連動しなくなってきた。対して東京は全体を押し上げてセカンドボールもしっかりと回収する。

55分、名古屋交代

酒井→重廣

名古屋はWBがプレスに出ていくスピードが弱まり、前に押し込みにくくなってきた。

60分、松木がプレスをかけるが、後ろがコースを切れずに名古屋が前進成功。マテウスのラストパスは通らず。

61分、東京交代

レアンドロ→紺野

紺野が右WGに入り、渡邊が左WGへ移る。

65分、松木が中央へのランニングからシュートへ持ち込むもランゲラックの正面。フェリッピが下りて受ける分、中央に走る選手をしっかりと確保する。

68分、名古屋勝ち越し、2-1。セットプレーのクイックリスタートから森下が右に抜け出して折り返し、スウォビィクが少し触ったボールを永井が押し込んでゲット。

71分、名古屋交代

永井、森下→レオナルド、宮原

東京がボールを持って押し込み、名古屋が守りながらカウンターを狙う構図。

74分、東京交代

渡邊、塚川→アダイウトン、安部

交代で入ったレオナルドと重廣が献身的なチェイシングで前線の制限をかける。

名古屋は徹底してゴール前中央を固める。東京は大外を使いながらクロスやハーフスペース突撃でゴールへ向かうが、名古屋がすべてはね返す。

79分、レオナルドが力強く運んで1人でシュートまで。サイドネット。

東京は後ろのリスク管理を2CBと東の3人のみで行う。名古屋はレオナルドとマテウスでカウンター狙い。

86分、東京交代

松木、長友→三田、中村

89分、東京がカウンターで紺野の仕掛けまで持ち込むも、突破できず。倒れたが、接触はほぼなくノーファウル妥当。

93分、名古屋交代

永木、マテウス→仙頭、レオシルバ

 

後半途中からは東京が敵陣へ押し込み、名古屋が守りながらカウンターを狙う構図に。前半よりもより保持が安定し、ゴール前へ迫る回数も増加。その流れで木本がゴールをこじ開けて同点となったものの、名古屋がセットプレーのクイックリスタートから勝ち越し。その後も東京が攻め続けたが、ゴール前を固めた名古屋の前にチャンスらしいチャンスを作れないまま終了。途中出場の紺野が対面の相馬に完封され、アダイウトンはスペースをもらえず、フェリッピは下りすぎてゴール前で勝負する場面が減るなど、終盤は引かれた相手を崩すための打開策が見つからなかった。

 

 

個人的MOM

★相馬 勇紀

得点への直接的な関与こそなかったが、プレス時の前向きの守備、後半からは自陣での1対1の守備で紺野をシャットアウト。攻撃参加時は質の高いクロスでチャンスにも絡んだ。

 

トピックス

バングーナガンデは累積警告4枚目で次節出場停止。

名古屋は6試合ぶりの勝利。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷川 健太監督 ]
先制したあと、少し難しい時間帯もありましたが、しっかりと対応しながら、前半は何回かロングカウンターになるシーン、ファストブレイクを仕掛けるシーンがありました。最後シュートまでいけずに、カウンターのカウンターという危ないシーンもありましたが、どんどんゴールに向かうという姿勢をホーム最終戦で、選手たちが見せてくれたのが良かったと思っています。

後半の入りにミドルシュートを決められて、あの時間帯はちょっと苦しい時間帯になりましたが、重廣(卓也)を入れて、またゲームが落ち着いてきたので、そこから次の得点をという準備ができたと思います。セットプレーからでしたが、複数得点をしっかり取れたというのは、この中断期間でいろんな刺激を与えてきた中で、成果が出た部分なのかなと。あと1試合、しっかりと集中して最後まで戦っていきたいと思います。

--得点の場面以外でも工夫があった印象だが?
そういう部分もあったと思います。ちょうど良い中断期間があったので、例えば中谷(進之介)をスリーバックの中央に使って、ミドルは打たれましたが、最後のところはしっかりと対応できていたし、藤井(陽也)とはまた違う良さを出してくれたと思います。藤井は若干景色がいつもと違ったと思いますが、FC東京には強力なFWがいて、あっちサイドはあまり上がるなと話していましたが、バランスをとりながらしっかりやってくれたと思います。

--酒井 宣福選手も含め、取るべき選手が得点を取ったが。
やはり前線のFWの選手が得点を取ることが、チームとして一番勢いに乗ることだと思います。今日は永井(謙佑)と酒井が(得点を)取ってくれて、非常にチームにとって大きかったと思います。

 

[ アルベル監督 ]
選手たちにも伝えたが、彼らの今日のプレーを誇りに思っている。良いプレーとともに、90分間勝利を目指してプレーしていた姿をご覧頂いたと思います。当然、試合結果には満足していませんし、細かいところでセットプレーから2失点してしまった部分は改善の余地がある。ただ、サッカーのクオリティーでは相手を明確に上回ることができていたと思います。チームが、そしてクラブが目指している方向性、スタイルを明確に選手たちは表現してくれていたと思います。時間が経つごとに、試合を重ねるごとに選手たちは相手を押し込んで、冷静にプレーできるようになってきています。それが私の理解の仕方、解釈の形です。賢いプレーを選手たちに求め、難しい課題を与え、打開することによって選手が成長していく。それが私の解釈です。

当然、試合結果が一番大事なことだとは理解しています。けれども、このチームの監督として8カ月経ったいま、選手たちがこのような高いレベルを素晴らしいスタジアムで表現できるところまでたどり着いたことを心から誇りに感じます。

試合結果は、われわれではコントロールできない要素によって決まるところもあります。けれども、監督としてチームが良い方向に進んでいるかどうかを、冷静に分析、判断しないといけません。その視点から見ると、チームは良い方向に進んでいることを証明した試合だったと思います。FC東京は、背負う名前ゆえに、より攻撃的なサッカーを、より魅力的な試合をすることが要求されているクラブだと思いますし、われわれはいまそれを目指しています。ホームであれアウェイであれ、われわれはそういうプレーを表現する立ち位置に行くと思います。そのように取り組むことが私のサッカーの解釈の仕方であり、人生の解釈の仕方でもあります。

--最後、アタッキングサードを崩すために必要だと感じていることは?
今日、相手チームは9人がペナルティーエリア内に入って守備をしてきた。そのチームにわれわれは攻撃をしないといけなかった状況だったことは理解しないといけません。相手が守備を固めてきている展開で、多くのチャンスを作れていたと思います。相手チームは少ないチャンスしか作れていませんでした。攻撃に関しては、しっかりとよい攻撃をしていた時間帯が多かった。チャンスを作れていたという感覚が大事だと思います。私はチームが良い攻撃をしていたという感覚とともに、この試合を終えました。

立ち上がりの10分、15分のプレーは、まだ改善の余地があるプレーが多かったと思います。ただ、シーズンを振り返った場合、開幕戦から今日までチームが大きく変化したことは見受けられたと思います。変化はありましたでしょうか?ホームでの名古屋戦を思い出してほしいです。あの試合は支配できていなかったですけど、今日はアウェイで明確に相手を上回る形で支配できていたと思います。試合には負けました。でも、良い方向に進んでいないかと言えば、そうではなく、逆に良い方向に進んでいることが明確になった今日の試合だったと思います。順位表を見れば、決して悪くない順位にいます。来週、川崎F戦が残っています。そこでも今日のようなプレーを表現して、勝利を収めたいと思います。われわれのスタイルを表現しながら、勝利を目指したいと思います。

 

2022 J1リーグ第31節 清水エスパルスvsジュビロ磐田 メモ

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スタメン

清水

前節で途中交代した権田が問題なく先発に入る。

原がベンチスタートで片山が4試合ぶりの先発。

西澤、オセフン、髙橋、神谷らが負傷離脱中。

 

磐田

前節から先発、サブともにまったく同じメンバー。前節途中交代で状態が心配された山田も先発に入る。

大森が負傷離脱中。

 

流れ

1分、白崎のミドル。三浦は前にこぼすも、素早く処理。

序盤は中盤での球際の攻防が激しく、トランジションが生まれやすい展開。

磐田は5-4-1セットで守備。杉本はアンカー位置の松岡を気にしながらCBに制限を掛けていく。ライン設定は低め。

4分~、磐田が前向きに圧力を掛け続けて、敵陣でのプレーを続ける。ダービーということもあってか、いつも以上に激しさや前向きの勢いを感じる。

山田がプレスのスイッチを入れたらシャドーやボランチが押し上げていく磐田。

清水は長いボールも使いながら前進を図る。

9分、上原のFKを杉本が合わせるも枠外。清水はセットプレーからの失点が続いているとのことで、磐田はセットプレーに力を入れてきているか。

10分、磐田がビルドアップから山田のシュートまで。清水は4-4-2セットで守っていたが、2トップ裏のボランチが浮き、そこから1つずつずらされた。

13分、鈴木雄の連続切り返しから左足の柔らかいクロス。CK獲得。

→14分、CKのこぼれ球を山田が狙うも枠外。

14分、磐田のプレスに対し、権田のフィードで外へ流れた北川へ届けてプレス回避。

16分、磐田が細かいパス交換から打開を図ったが、中山が戻って蓋。松本が抜け出しかけたが、しっかりと対応していた。

磐田はプレス時の形が4-4-2に近くなった。山田を2トップ気味にし、鈴木雄をSHのように押し上げる。

18分、トランジションから山田→金子でラストパスを狙ったが、立田がついていって蓋。清水も守備で集中できているが、磐田のほうが良い形を作れている。

19分、清水の波状攻撃。サンタナのシュート→こぼれ球を白崎がプッシュ→その流れから中山の縦突破クロス→サンタナのヘッドと連続でゴールへ迫るがいずれも決め切れず。清水はうまく行かない時間が続いていたが、先に決定機を作った。

清水は中山に右の深い位置を取らせる攻撃が多くみられる。

22分、飲水タイム。磐田のほうがやりたいことをやれている時間が多い印象だが、清水はワンチャンスの質が高い。展開的にストレスが少ないのは磐田のほうに見えるが、清水も点が入る雰囲気はある。

25分、立田のフィードをカルリーニョスが収め、山原の仕掛けからCK獲得。

27分、右からのコンビネーションでカルリーニョスがシュートまで持ち込むも三浦が好セーブ。飲水明けからは清水のペースになりつつある。

28分、中山のアーリークロスサンタナが合わせるも枠外。磐田は高い位置で制限を掛け切れなくなってきており、清水が保持を安定させてきた。

29分、カルリーニョスが1人で運んでカットインシュートもブロックに遭う。その後右からのクロスにカルリーニョスが飛び込むも森岡がついていって阻止。

31分、CKに森岡が合わせるも枠外。磐田は枠へは飛ばせていないものの、セットプレーでほとんど味方に合わせられている。

33分、清水先制、1-0。CKをニアでフリックし、中での混戦からのこぼれ球をサンタナが押し込んでゲット。清水が攻撃を続けていた良い時間帯で先制に成功した。磐田は踏ん張り切れず。

38分、森岡のロングボールを杉本が落とし、金子が反応するも立田がクリア。杉本の落としを金子が拾うという共通認識の意識付けはかなり高そうに見える。

40分、森岡→右奥に流れた上原で深さを取り、金子の落としから山田が切り返して倒されるもノーファウル。磐田のビルドアップは森岡からの配球が1つのポイントになっているか。

 

立ち上がりは磐田が守備を安定させながらプレータイムを押し上げ、ペースを握っていたものの、飲水明けからは清水ペースに。ボール保持を安定させながらゴールへ迫っていき、セットプレーから先制に成功。ともに自分たちの時間を作った中、よりその時間の質を高めた清水がスコアを動かした。序盤は悪くなかった磐田だが、迫力不足は否めない。セットプレーでの雰囲気はあるだけにその数を増やすことも重要になるか。

 

 

後半

46分、磐田が右サイドでのパス交換から鈴木雄が抜けて金子へ預けるが、キープできずロスト。清水はサンタナを最前線に残してカウンターへの準備をさせる。

48分、北川に警告。山本康に対してのレイトタックル。

52分、中山が右のスペースに抜けて折り返し。清水のプレス、磐田のカウンタープレスと球際の激しい攻防を清水が制してチャンスを作った。

54分、清水のビルドアップ。サンタナを使ってスピードアップし、中山のクロスまで。相手の守備構造を把握しながらうまく前進できた。

55分、磐田がハイプレスをハメ切ってショートカウンターを狙うも、中央でロストしてカルリーニョスの単騎カウンターへ。

磐田はビハインドもあって、プレスのラインをかなり上げてきた印象。

清水はポジトラ時にサンタナにあてることさえできれば押し返せるので、一方的に攻め込まれる時間がほとんどない。

58分、磐田交代

山田、金子→ジャーメイン、大津

磐田がボールを持ち、清水が構える構図になってきた。磐田はハイプレス、清水はブロックと、磐田がボールを持ちやすい展開にはなっている。ただ、磐田は相手の1stラインを越えるのに苦労している。

63分、上原に警告。カウンターに出て行ったカルリーニョスを倒した。

64分、杉本と立田が空中戦の競り合い時に痛める。

66分、磐田交代

上原、松本→遠藤、松原

勝利のみが必要な磐田は早めに交代策を打つ。これで4枚目。

67分、飲水タイム。1点リードの清水がリスクを減らしながらゲームをコントロールし、カウンターから追加点のチャンスをうかがっている。磐田はボールを持てる展開ではあるが、より危険なエリアにはなかなか入り込めず、チャンスの数は少ない。遠藤というスペシャルな選手を入れてどう変わるか。

69分、大津が右サイドの深い位置を取って速い折り返し。杉本が反応したが、権田がキャッチ。きわどいボールだった。

71分、中山が座り込む。アクシデントか、ただつっただけか。自力で歩いてはいるが、メディカルからは×印が出る。

72分、清水交代

中山→ピカチュウ

73分、三浦からのフィードにジャーメインが抜け出しかけるも、カルリーニョスが戻ってゴールキックに。好守。

74分、カルリーニョスのドライブボレー。枠へ飛んだが、三浦がかき出す。カルリーニョスがかなり良い感触でプレーできていそう。

75分、CKの流れから松岡が遠めからミドル。枠へ飛んだが三浦がキャッチ。

清水が良い守備からペースを握る。磐田はボールを保持できる時間すら奪われ始めている。

78分、山原のCKに鈴木義がフリーで合わせるも枠外へ。ややブラインドになって合わせきれなかったか。

78分、磐田交代

山本義→古川

磐田は交代カードを全て消費。システムを4バックに変更。大津をトップに入れた4-4-2。

得点が必要な磐田はゴール前に人数をかけ、サイドからクロスを上げていく。ある程度カウンターを受けるリスクは許容。

81分、清水交代

北川→コロリ

磐田は古川の個人技からのクロスを1つの狙いどころとしている。

84分、プレーと関係ないところで杉本と白崎がやり合う。佐藤主審が一度プレーを止めて落ち着かせる。磐田は押し込み始めていたので、流れを止めるのはもったいない気がするが…。

86分、渋谷監督に警告が提示。詳細は不明だが、テクニカルエリアから出た?

清水は時間帯も考えて無理にプレスへいかず、自陣のスペースを埋めることを優先。磐田はその壁を叩き切れるかという状況。

89分、片山が足を攣る。

90分、清水交代

片山→原

91分、磐田同点、1-1。左で作った流れから松原が仕掛け、つぶれたところを古川が拾って折り返し、ジャーメインが強烈なシュートでニアを抜いた。松原の仕掛けで倒れた瞬間に一瞬清水の動きが止まり、磐田がその隙を逃さなかった。

92分、サンタナのシュートはバー直撃。清水も勝ちに行く姿勢を見せてゴールへ一気に迫った。

94分、右サイドを鈴木雄が抜けて折り返し、古川が連続で狙うも最後は枠外。決定機だったが、枠へ飛ばせず。

95分、立田に警告。杉本との競り合いでファウルを取られた。警告は強い異議のほうに対してだったかもしれない。

96分、磐田のFKをはね返した清水がカウンターでゴールへ迫ったが、決死の対応でしのぐ磐田。プレーが切れたところで終了のホイッスル。

 

後半は1点のリードを生かしながら清水がゲームをコントロールし、カウンターで追加点を狙ったが、スコアは動かせず。磐田はうまくいかないなりに1点ビハインドで時間を進め、選手交代でギアチェンジを図る。最終盤はなりふり構わずゴール前に人数をかけ、ジャーメインのゴールで同点に。清水は最後は1点を守り切る姿勢を見せたが、一瞬のスキから追い付かれてしまった。追い付かれたあとも2度ほど惜しいチャンスがあったが決め切れず。磐田も古川に訪れた決定機を決め切れず。ともに勝利が欲しい一戦で、文字どおり痛み分けの引き分けとなった。

 

個人的MOM

★ジャーメイン 良

投入から存在感を放つシーンはそれほど多くなかったが、前半から足りなかった思い切りの良さとフィニッシュの質をもたらし、最低限の勝点1をもぎ取った。古川が最後の決定機を決め切って入れば間違いなくヒーローだったが…。

 

古巣対戦の金子はバイタルでうまく受けるシーンは多かったが、サポートがうまくいかずにロストしてしまう場面が多かったか。

清水はサンタナが相変わらずのキープ力と得点で絶大な存在感を見せたが、勝利にはつなげられず。カルリーニョスもキレのある動きと献身的な守備で大きく貢献した。

 

トピックス

上原が累積警告4枚目で次節出場停止。

清水は5試合勝ちなしに。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ゼ リカルド監督 ]
まだ頭がしっかりと働いていない状態で、正直コメントをするのは難しいです。ただ、またしても終盤に失点して、このような形で終わるという形を繰り返してしまいました。前半は良い流れでゲームを進めることができて、追加点を奪ってもいい場面があったと思います。ただ、相手GKのセーブもあり、それが奪えませんでした。われわれがしっかりと勝点をモノにすることで、サポーターに対して喜びを与えるという使命をなんとしても果たしたかったが、それができずに非常に悔しいです。

--終盤、相手が圧力を強めてきた中で、試合の締め方のプランは?
相手が前線に人数をかけて圧力を掛けてくるというのは想定していました。そこをまたわれわれがひっくり返して、カウンターの形で追加点を奪うチャンスもあったと思います。そこで奪えなかったのは悔しいです。

失点のシーンはスローインからだったと思いますが、エリア内のスペースを埋められず、相手にシュートを打たせてしまいました。ベンジャミン(コロリ)を投入したことも含めて、攻守にわたりバランスよく戦って、ベンジャミンには守備の面では中央を閉じるというだけでなく、攻撃面ではスペースを突いてもらうというのもプランとしてありました。

ただ、チーム全体として多くのチャンスを作ることはできませんでした。失点をして悔しい形で終わりましたが、まだまだ自分たちの姿勢を崩してはいけないと思います。29日にまた別の決勝戦になるので、そこにすべてを出し切りたいです。

 

[ 渋谷 洋樹監督 ]
最初に工藤(壮人)くんが、サッカー仲間の選手が現役の中で亡くなってしまい、私自身も非常に悲しんでいます。本当にお悔やみ申し上げます。

今日は“静岡ダービー”という称号がついた戦いの中で、選手たち、ファン・サポーター、すべての静岡県民が注目したゲームでしたので、本当ならわれわれが勝利して、Jリーグをより盛り上げていきたいと思ってゲームに入りました。選手たちもその思いを持って戦ってくれたと思います。

ただ、前半は私自身が守備のところで前線からのプレッシャーのタイミングを計らせてあげられなかった。相手がボールを持って、相手がやりたいことをやらせてしまった。後半はわれわれがボールを持って、つないだサッカーができることを選手たちと確認して、その形ができて、ビッグチャンスを何度か作っていけたのは今後につながる。もっと臆病にならずにプレーさせてあげれば良かった。そこは私自身の反省です。

ただ、今日は最後まで選手も粘り強く戦い、ファン・サポーターの後押しがあって1-1。この結果に満足していないが、この勝点1を意味あるものにするために、ラストでG大阪と京都にしっかりと勝って、ほかのチームの結果を含めて目の前の一戦ということで、次のG大阪戦に準備して次に向かっていきたい。今日は満員のIAIスタジアムで選手たちは躍動できた。これを次につなげていきたい。

--前半はなかなかプレッシャーが掛からなかったが、どんな難しさがあったか?
簡単にいうと、左サイドはプラスワンで北川(航也)選手がバイタルにいて、そこにプレッシャーが掛けづらく、そこでボールを保持されることが続いた。そこの対応をしっかりとすること。その後、逆サイドは白崎(凌兵)選手が上がってくる。

失点シーンは2列目で向こうのやりたいことをやらせてしまって、CKを与えてしまった。それを私も伝えていましたが、相手の良さが出てしまって、サイドで片山(瑛一)選手にドリブルを仕掛けられてしまったので、左から右に展開を簡単にされてしまったことで、プレッシャーの緩さではないし、選手たちはイメージを持ちながらやってくれたが、そこでの対応が遅れてしまった。そのタイミングがズレてしまった。

そこは後半修正して、向こうも立ち位置が明確にならず、攻撃できなかったところがありましたが、前半は守備のところでプレッシャーが掛からず、特に山原(怜音)選手に遅れながらプレッシャーに行ってしまったところで、相手にチェンジサイドをされてしまった。そこに難しさがあった。後半はもう少しボールに対してプレッシャーに行ってくれということを伝えて、何度かピンチはありましたが、そこは許容の範囲内で、攻撃のところでボールを保持して、攻撃に転じる部分はよくやってくれたと思う。