がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第18節 名古屋グランパスvs鹿島アントラーズ メモ

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スタメン

名古屋はランゲラックが負傷明けで先発。河面がメンバー入り。長澤、甲田、酒井が負傷離脱中。

鹿島は鈴木が出場停止明け。関川、樋口、常本をサブに回し、キムミンテ(古巣対決)、広瀬を先発で起用。

 

流れ

鹿島は2トップを守備で広めに動かして、和泉がアンカーを捕まえながらCBの真ん中にプレスをかけて行く。

鹿島は保持の時間を長くするよりもダイレクトにゴール前へ迫っていく攻撃。

5分、ピトゥカのミドル。ファーストシュート。チャンスまでは至っていないが、良い入りで敵陣へ入れているのは鹿島のほう。

6分、トランジションの連続から名古屋がマイボールにしてカウンター。相馬がスペースで仕掛けてゴール前の柿谷へ通したが、シュートまでは行けず。その前の組み立てでは、稲垣が右サイドに流れて受けてからレオシルバに前を向かせようとするあぷろーりを行っていた。

10分、森下の仕掛けからカットインシュート。枠内へ飛ばしたが、クォンスンテがファインセーブ。鹿島はマーカー二人が切り返しにつられて中のコースを空けてしまった。

徐々に名古屋が敵陣へ入ってゴールへ迫るシーンを作る展開になっている。

鹿島は自陣セット時には和泉がボランチの位置へ入って4-4-2のオーガナイズ。

13-14分、キムミンテから斜めに入ってきた仲間へのフィード。

16分、広瀬のクロスからカイキのヘッドも枠外。鹿島は右サイドに人数をかけてWBの背後をうまく突いた。広瀬が入っているぶん、クロス攻撃の可能性をかなり感じさせる。さらにファー待ち役でカイキがいるので、中の強さも〇。

19分、後方からのFKから競り合いで勝ち、ルーズボールをマイボールにし続けた流れでカイキ→上田でゴールネットを揺らしたが、VARとの交信後、オンフィールドレビューを経てハンドの判定で取り消し。鹿島のバトルの強さが凝縮されたようなゴールだったが、認められず。

24分、鹿島の波状攻撃。鈴木のクロスにカイキのヘッド、その後鈴木のシュートまでと、ロスト後に強度を高めて圧倒する鹿島。ハンドでゴールを取り消されたことで逆にスイッチが入って、数ランク強度が上がった印象。

25分、飲水タイム。立ち上がりは鹿島が敵陣へ入り、名古屋が少しずつペースを取り戻した序盤。ただ、ひょんなことからゴールネットを揺らせる鹿島を見ると、自分たちのペースでなくともゴールまでいける強さを感じる。特に要所での球際のバトルには迫力がある。名古屋はサイドアタッカーを生かすところまでは持ち込めているので、あとは質と中との連係。

30分、2トップ裏で前を向いた仙頭から柿谷へのスルーパスはつながらず。名古屋はレオシルバを相手に意識させながら、稲垣と仙頭が脇をサポートして起点を作ろうとしている。

32分、鹿島先制、0-1。ロングフィードのディフレクションを上田がすらして仲間が背後へ抜け出し、飛び出してきたランゲラックをうまく外すシュートでゲット。さきほど取り消されたものとは違うが、ルーズボールの回収と一歩の出足の速さがゴールへつながった。

34分、森下のグラウンダークロスに柿谷が飛び込むも合わず。鹿島得点後は名古屋が攻勢を強める。

35分、広瀬に警告。トランジションからレオシルバに激しく寄せた。鹿島の切り替えの激しさゆえにもらってしまったカードとも言える。

36分、相馬が左で受けてから仕掛けてCK獲得。広瀬は警告を受けてしまったため、相馬とのマッチアップはかなり神経質になるはず。

37分、トランジションで起点になろうとした仲間を激しくつぶした森下に警告。累積警告で次節出場停止。

40分、PA内に入った稲垣へのボールのこぼれ球を拾った森下からの折り返しに仙頭が合わせるも枠外。

やや落ち着いた展開になってきたが、名古屋のほうに安易なミスが出ている印象。鹿島はペースこそ落としているが、ここぞというときには強度を高める。

46分、トランジションからオープンになったところで抜け出しかけた相馬を強引に止めた三竿に警告。

47分、左でのFKをマテウスが直接狙うもクォンスンテが処理。

 

鹿島は敵陣でのバトルに制したところから、名古屋はスペースをもらえた状況の仕掛けからチャンスを創出。互いに球際でのバトルから逃げずに、そこでの勝敗によってチャンスに結び付くような展開。

鹿島はゴールを決めたのは仲間だったが、前線に強力なターゲットが多くいるため、シンプルにゴール前へ入れて試行回数を増やすだけでも怖さがある。

名古屋は相馬と森下がスペースをもらえれば可能性を感じさせるチャンスを作り出すため、その局面をどのように増やしていくか。中盤3枚を起点にした組み立てからの前進にもチャレンジしているが、ビルドアップからはあまり安定して攻撃の形は作れていない。

 

 

後半

立ち上がりは両者ともにテンションを上げてボールへ寄せていく。互いに無理にはつながず、詰まったら前のスペースへ蹴る。

47分、自陣で奪った鹿島がカウンター。上田が遠めから狙って完結。けっこうな距離があったが、上田のシュート力を考えれば無理なシュートと感じさせないのがすごい。

後半立ち上がりは名古屋がボールを持って敵陣で攻める展開。

49分、右のポケットに入ってきた稲垣のクロスがピトゥカの手に当たってPK獲得。鹿島はアンラッキーな形ではあるが、我慢できず。

51分、名古屋同点、1-1。マテウスがPKを決める。ポスト直撃でヒヤリとしたが、ボールは内側へ吸い込まれていった。事前に出ていたPKのデータもすべて左右ギリギリに飛ばしており、ある意味マテウスの持ち味をそのまま出したといえるのかもしれない。クォンスンテもコースは読んだが、スピード負け。

53分、マテウスのミドル。名古屋が得点後もペースをつかむ。

53-54分、名古屋が縦に速い攻撃からマテウス→柿谷で抜け出すも、キムミンテが遅らせて自由には打たせず。

55分、仙頭→森下で仕掛け。CK獲得。鹿島は重心が下がってしまい、なかなか押し上げられない。

55-56分、レオシルバのミドル。名古屋が一気に攻め立てる。

57分、マテウスのパスを稲垣が落として柿谷がボレー。決定機だったが、シュートを抑えきれず。鹿島は相手3バックの左右を止められず、そこから前進を簡単に許してしまう。

58分、鹿島交代

仲間、鈴木、広瀬→樋口、エヴェラウド、常本

常本は鼻骨骨折?らしくフェイスガード着用。

60分、仙頭の左足クロスをファーから中に入ってきた稲垣のヘッド。完璧にとらえたがGK正面。

名古屋が主導権を握る構図は変わらないが、トランジション時に全体が間延びしやすくなっていることから、鹿島もカウンターでの一刺しを狙っている。

63分、森下の折り返しから稲垣が合わせに行くも当てきれず。

64分、名古屋交代

仙頭→阿部

鹿島交代

ピトゥカ→関川

関川が右CBに入り、三竿が左CB、キムミンテがボランチへ移る。

65-66分、カイキが中谷を外してPAまで進入し、折り返しを狙うも藤井が好カバー。

68分、名古屋のビルドアップに対し、鹿島はSHを上げてCBの前進を阻むことで守備を機能させる。名古屋は立ち上がりのように簡単には前進させてもらえなくなっている。鹿島は交代が実を結んでかようやくスイッチを入れ始めた。

69分、飲水タイム。開始20分程度は名古屋が一方的に攻めてチャンスを量産。同点に追い付き、逆転にまで持ち込めるかという流れを作ったが、鹿島がタイスコアでしのぎ切る。鹿島も守備のスイッチが入り始めたことで押し返せており、流れが変わるかどうかの分岐点。

73分、右からのFKをカイキが合わせるもバー直撃。ヘッドの強さを見せる。

74分、名古屋交代

柿谷→内田

鹿島が守備で相手の前進を抑止できていることもあり、徐々に鹿島ペースになってきている。

78分、鹿島交代

和泉→土居

和泉は急に座り込む。普通に歩いているため、体調不良的なトラブルかもしれない。

81分、セットプレーのこぼれ球をカイキが詰めにいったが、ポスト直撃。樋口のセットプレーからは何かが生まれる予感がある。

名古屋がまた敵陣まで前進して保持する時間。鹿島は寄せに入っているが、さっきまでよりも半テンポくらい遅れているような気がする。

84分、阿部からのスルーパスマテウスが受けてシュートを狙うが、三竿が寄せて打たせず。鹿島は出所へのプレッシャーがかからず、名古屋にラクに前進を許している。

89-90分、マテウスが左奥を取ってから中へのパスを稲垣がスルーしてレオシルバのミドル。疲れもあってかむなしく枠外へ。

92分、右サイドの連係から内田がポケットへ進入し、柔らかいクロスから相馬のシュート。クォンスンテが好セーブ。

 

後半は名古屋が押し込んでゴールを狙う時間が長かったが、勝ち越しゴールは奪えず。鹿島も押されながらも我慢して一刺しを狙っていた。90分トータルで言えばどちらかと言うと名古屋が勝点3を逃したという印象に感じるが、どちらも決め手を欠いたという意味で引き分けは妥当だったかもしれない。

名古屋はサイドアタッカーを中心に押し込むところとサイドの突破まではいけるため、中央での質や連係が必要になるが、シュヴィルツォクや酒井の離脱などによって純粋なFWが少ないので難しい部分もある。その中で柿谷に訪れた決定機が決まっていれば…というたらればが思い浮かぶゲームだった気がする。

鹿島は前半こそ要所で強度を高めながら名古屋の前進を防ぎ、競り合いの強さからゴールを陥れたが、後半は失速。前線のタレントがいることでカウンターやセットプレーからゴールの雰囲気も見せられたが、守備のセットで押し返せず、自陣で我慢の時間が長くなってしまったことは反省材料だろう。強度を高められる選手ばかりではないので、特に夏場は先発の体力が落ちてきたときのシフトチェンジがカギになるか。

 

 

個人的MOM

★クォン スンテ

前半、後半で1つずつ好セーブを見せ、勝点獲得に貢献。後半は押される展開が続いた中、一番後ろに頼れる彼がいたからこそ勝ち越し点を奪われずに守れた。

 

名古屋は得意の攻撃参加でゴール前で存在感を見せた稲垣、両サイドの突破で違いを見せた相馬と森下も好評価。

鹿島はやはり上田が戦術の要。彼が最前線にいるだけで相手の脅威になる。ゴールは幻に終わったが、先制点をお膳立てするなど確かな存在感は見せた。

 

トピックス

森下は累積警告により次節出場停止。

常本はフェイスガード着用で出場。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷川 健太監督 ]
選手たちはホームチームらしい熱い戦いをしてくれたと思っています。先制点は気をつけていましたが、鹿島は前線のストロングを生かしてきました。そのセカンドボールの絞りが少し甘くなってしまったのと、入ってくるボールに対してしっかりチャレンジできなかった。1点は取り消されましたけども、同じようなシーンが2回続いてしまったことは反省しないといけないと思います。

後半は修正して全員が強く行くところと、カバーに入るところをしっかりやれたと思います。その中で自分たちがボールを運んで崩してPKを取ることができたし、その後も決定機を何回か作れました。勝ち切れなかったですが、ファミリーの皆さんに「勝利を奪う」という姿勢は見せられたと思います。

--PKシーンなどレオ シルバ選手の評価は?
古巣相手ということで気合いも入っていたと思いますし、非常に相手にとってイヤな存在だったと思います。最後まできちっとプレーをしてくれたことでさすがだなと感じています。

--柿谷 曜一朗選手がいることで鹿島を相手にクリエイティブに崩すことができた印象だが?
それは曜一朗の特長なので、あとはネットを揺らすことを期待したいと思います。柿谷が入ることで前線の連動が非常にスムーズになったと思います。良い縦パスからのコンビネーションでシュートまでという形が何度かありました。あとは決められるかどうかじゃないかなと思います。

 

[ レネ ヴァイラー監督 ]
--前半はうまく戦えたものの、後半は勢いを出せない展開だったが?
サッカーである以上、90分を通してこちらがゲームを支配するのは難しいと思います。圧倒的な力の差があれば90分間支配できると思いますが、現状はそういうチームになろうとしているところです。厳しい試合だったと思います。後半5分に自分たちがあまり危険な状態ではないところでPKを取られてしまって、その後は試合展開が厳しくなったと思います。ただ良い試合だったと思います。

--後半、3枚を交代したあとに攻撃がチグハグになった印象があるが?
その意見に関しては反対の考えを持っています。3枚が入る前に苦しい展開だと思いましたが、フレッシュな選手が入ったことによってチャンスも作れています。

--PKを決められたあとに運動量が落ちた原因は?
もちろんサッカーである以上、感情が乗っかってくるものだと思います。あまりチャンスを作れていない中でPKという形で勢いに乗ることもありますし、自分たちにとっても出合い頭に失点をしてしまったという形だと思うので、サッカーで起こり得る現象だと思います。

 

2022 J1リーグ第18節 ヴィッセル神戸vs浦和レッズ メモ

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スタメン

神戸は菊池がサブで大﨑がCB起用。槙野が負傷明けでメンバー入り。大迫が先発。藤本とサンペールが負傷離脱中。

浦和は酒井が負傷明けでメンバー入り。犬飼が負傷離脱中。

 

 

流れ

立ち上がり10秒、大﨑が自陣でユンカーにさらわれる。ユンカーはすぐシュートまで持ち込むが、ポスト直撃。神戸は命拾い。

50秒、神戸が敵陣へ入って山口のミドル。開始1分もたたない間に両チームが1本ずつシュートを打った。

神戸も浦和も自陣からショートパスでの前進を狙う。

神戸は立ち上がりは高い位置からプレスを掛けに行っている。

4分、ユンカーが接触のないところで座り込む。内転筋などのアクシデント?一時的に浦和が入り少ない状況に。

5分、武藤が右サイドを強引に運んでクロス。こぼれ球を山川が狙うもサイドネット。

6分、浦和交代

ユンカー→松尾

明本がトップに入り、松尾が左SH、大久保が右SHに。

8分、浦和がショルツの運び出しから大久保がライン間で受けて前進。4-4-2ベース同士でかみ合わせやすいが、浦和がCBで時間を持てていることと内外の使い分けで前進を成功させた。

10分~、浦和の保持の時間。神戸はラインを下げてコンパクトを意識。中央を固めて外は多少割り切って空ける。浦和はサイドへの大きな展開を意識し、スライドの遅れを狙う。

神戸は大迫を最前線へ残し、トランジションでの起点役として置く。

浦和は敵陣PA前で攻撃の時間を増やしているが、神戸の守備網を外すところまでは行けず。神戸は受ける流れになっているが、そこまでストレスは感じていなさそう。

17分、岩尾の中盤フリーからの運び→江坂の間受けで前進。神戸は多少前から行ったときに全体の連動が足りずに押し返せない。

18分、大久保がライン間で受けたところでの仕掛けからチャンスメイク。こぼれ球のプッシュを狙うも神戸DFがブロック。

19分、前からのプレスで西川に蹴らせて前向きで回収。素早く縦にせめて汰木のコントロールショットまで。「早く前に送れば早く戻ってくる」という言葉がそのまま体現されたようなシーン。

20分、前からプレスに来た浦和に対し、前川からのロブパスを大迫が下りてもらって前進。浦和はボランチが押し上げて空けたバイタルのスペースをうまく使われた。

21-22分、汰木のカットインからゴールに向かうクロスを入れ、武藤が飛び込むも角度が難しく枠外へ。

浦和がボールを持つ時間を増やしているが、神戸も相手を見ながらのアプローチでプレス回避、チャンスメイクができている。

24分、柴戸が最終ラインへ下りて、ショルツを押し出す形で動かしたが、神戸のプレスをくぐれず。

徐々に神戸のペースになってきている印象。

27分、神戸の組み立てを奪った浦和がショートカウンター。明本はシュートまでいけなかったが、江坂→大久保でフィニッシュも枠外。橋本がコントロールを少し誤ったところを一気にさらわれた。

28分、イニエスタがサイドへ流れて相手SHを切る位置で受ける。

29分、右サイドベースポジションの武藤が左へ流れて深さ取り。

31分、汰木のインスイングクロスにファーで武藤が入り込む。神戸は左サイドで作って打開を図る。

32分、イニエスタのキープでポイントを作り、ラストパスのこぼれ球を大迫が拾うも浦和守備陣がシュートは打たせず。神戸が攻め立てるが、浦和も崩れない。

34分、浦和が自陣での組み立てから江坂でスピードアップ。松尾がシュートを狙うも神戸DFがブロック。浦和が久しぶりにシュートまで。

36分、大畑がファウルを受けて少し痛める。武藤の足裏が大畑の足に入っており、レッドカードチェックでオンフィールドレビュ―。結果、イエローカードの判定。

神戸は低い位置での組み立てはGKと2CBと山口でひし形を作って相手2トップを外しにかかる。

41分、神戸が自陣でのつなぎから一気にスピードを上げて、酒井のクロスまで。

43分、トランジションからルーズボールの競り合いを制した浦和が大久保の仕掛けで一気にシュートまで。前節から見せる圧巻の突破力で対面のDFは剥がしたが、シュートは決め切れず。神戸も決死のディフェンスで自由には打たせなかった。

46分、山口の左下りで3バック化。左から右へ届けてフリーの大﨑が運んで縦パス。

 

それぞれが自分たちの時間を作りながらゴール前でチャンスを作る拮抗した展開。神戸のほうが攻守ともにセットした状態でコントロールしながら攻守を行い、浦和は保持も非保持からのカウンターも前へのスピードアップをする狙いが目立った印象。神戸の組み立てでややミスが起きていることも含めて、浦和は相手にセットされる前に攻め切りたい。

神戸は汰木のところを中心にクロスからチャンスを作れているので、あとはその質をどれだけ高められるか。浦和は江坂の間受けをスイッチにしたスピードを上げる攻撃が機能しているので、最後の1人をどうやって外すかがポイントになるか。

 

 

後半

浦和交代

宮本→酒井

酒井を上げて大畑を内に絞る3バック気味の組み立て。今季の浦和でみられる形。

46分、大畑が縦に預けてから列を上げてサポートに入る形で前進を図る。

47分、柴戸の反転から縦につけて前進。酒井のクロスまで。神戸は2トップとボランチの間を捕まえ切れていない。

48分、酒井のクロスに江坂が飛び込むも前川が飛び出してクリア。後半は立ち上がりから浦和が攻め立てる。神戸もシュートこそ許していないが、前進を阻めず、深い位置までの進入を許している。トランジションから攻撃に移ることもできない。

神戸は自陣撤退時には4-4ブロックの前にイニエスタを置いて、大迫のみを最前線に残す。

52分、ようやく神戸の保持。汰木の仕掛けでPAへの進入を図るが、一度抜かれた酒井が戻って阻止。

53分、西川のフィード一本で明本が背後を狙う。神戸は高い位置へ押し上げていくものの、強度はそこまでなく、ホルダーにプレッシャーがかかり行っていないシーンが多い。

56分、PA手前で武藤がファウル。浦和のFK。武藤は警告を受けているので、注意が必要。いまのファウルで最終リーチがかかった雰囲気。

58分、左での作りから前進し、順番に逆へ振っていって酒井の高速クロスまで。浦和が自陣でのビルドアップからチャンスを作っている。

59分、大迫が臀部の当たりを押さえているというリポートあり。郷家投入の準備していたが、大迫の状態を見てボージャンも呼ぶ。交代回数の問題で、準備を待つ。

61分、神戸交代

汰木、大迫→郷家、ボージャン

ジョギングはできているので、違和感程度だと思われるが大迫は一応アクシデントによる交代。武藤がトップに移り、ボージャンが右SHに入る。

浦和はどこからか松尾と明本の位置を入れ替えた。松尾がトップ、明本が左SH。

65分、酒井宏樹に警告。ファウルかどちらのスローインかといった判定のところに異議を示すアクションがイエローの対象になった。

66分、酒井宏樹が相手SBをピン止めし、下りた大久保がフリーになることで前進。神戸がプレスをハメるポイントを作れずにいる。

69分、神戸交代

イニエスタ→扇原

扇原がボランチに入り、橋本がトップ下に移る。

浦和交代

大畑→モーベルグ

モーベルグが右SHに入り、大久保が左SH、明本が左SBに移る。

74分、神戸が保持から酒井→郷家で左ポケットを取りかけたが、つながらず。浦和は少し強度が落ちてきたか、相手の前進を止められないシーンが出始めている。

74分、バイタルに潜り込んで運び出した大久保を扇原が倒して警告。イエロー覚悟のテクニカルファウル。浦和は前線にアジリティーに優れた選手が多いため、スペースをもらえる状況になればかなり鋭い攻撃を見せられる。

76分、ゴール前でのFKをモーベルグが直接狙うも前川の守備範囲内。ただ、可能性は感じさせるキック。

76分~、CKの流れから連続シュートも神戸守備陣がブロック。浦和がゴールへ近づいているが、神戸DFを外すまではまだ至れない。

80分~、神戸の保持の時間。

81分、小林→酒井で前進し、スピードアップして武藤のシュートまで。浦和は相手CBに運びを許し、SBでSHを切られている。酒井高徳の判断が非常に早いため、プレスバックが間に合わない。

82分、浦和の自陣ビルドアップをハメ切る神戸。ここ数分は神戸ペース。

84分、浦和交代

柴戸、松尾→平野、関根

松尾は、開始5分くらいの投入ではあったが途中出場途中交代。関根が左SBに入り、明本が再び1トップへ移る。

86分、自陣から一気にスピードを上げた浦和が江坂のスルーパスでモーベルグが抜け出しかけるが、惜しくもつながらず。互いに1点を取りにいく一進一退の攻防。

89分、浦和先制、0-1。PA手前正面で得たFKをモーベルグが直接決める。先ほど似たような位置から蹴ったボールから修正を利かせて今度は枠内ギリギリへ流し込んだ。丁寧に外して前進したビルドアップが実を結んだ流れでもあった。神戸はバイタル管理の隙を修正し切れずに一発で持っていかれた。

91分、神戸交代

橋本、山川→菊池、初瀬

初瀬は左ではなく、右のまま。

浦和は5-4-1オーガナイズに変えて逃げ切りを図る。バックラインを左から明本、ショルツ、岩波、酒井、関根で構成。

 

どちらに転んでもおかしくない展開の中、浦和がモーベルグの直接FKでこじ開けて勝点を1から3に変えた。浦和は終盤に少し強度が落ちたことで神戸に攻撃のチャンスを与えてしまったが、途中出場の平野がらしいプレーでFKを獲得し、そこからのモーベルグの一撃。浦和はまたしても「内容は悪くないけど勝ち切れない」といった試合になりかけたところ、終了間際のゴールでポジティブなものに変えた。天皇杯でJ2の群馬に敗れたこともあり、引き分けで終わるとまた雰囲気が悪くなりかねないといった意味でも大きな勝利と言える。

神戸は完成度はまだまだながら、攻撃で良い形を見せ、守備でも決定機はほとんど作らせなかった。しかし、組み立てでのミスが散見されたところや、失点につながるファウルを犯してしまったバイタルのスペース管理などには課題が残る。また、前から追うシーンが多くみられた中、2トップとボランチの意思疎通ができず、間を使われていた部分も反省材料。柏戦で3バックを試したところから守備の強固さが薄まっているような気がする。

 

個人的MOM

ダヴィド モーベルグ

持ち味のドリブル突破からのシュートはほとんど見られなかったが、大きな価値のあるゴールを挙げた。1点をどちらが取るかといった勝負の中でなかなか決定機までは作れなかったが、個人の“飛び道具”で自身の価値を証明した。

 

復帰戦ながら右サイドで馬力と安定感を見せた酒井宏樹、度重なるポジション変更に応えてチームのバランスを支えた明本、攻撃のスピードアップのスイッチを握っていた江坂らも好評価。

 

トピックス

ユンカーが開始早々の負傷交代。強いコンタクトがないところで内転筋あたりを痛めたか。

大迫がどこかに違和感を抱えて途中交代。負傷まではいかないレベルかもしれないが、コンディションにはいくらか不安を抱えている中でプレーを続けていることがうかがえる。

明本が何度もポジションを移り、最前線から最終ラインまでをこなす。おそらく4,5回ポジションを変えたのではないだろうか。まさに戦術変更のカギを握る男。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ロティーナ監督 ]
良い試合ができたとはいえないと思う。ゲーム自体は局面で自分たちが優位に立てた場面はあったが、基本的には相手がゲームのコントロールを握っていた。こちらも前半にいくつかチャンスを作れた以外は、チャンスを作れませんでした。そこから守備に関しては理解に苦しむミスを犯してしまったと思います。この状況の焦りから来るものだと思いますが、そういったミス、ファウルを立て続けに与えてしまった中から最後のファウルを相手が生かしてゴールを決められてしまった。

こういった状況でミスを犯さないことは重要で、それが試合に勝つチャンスを与えてくれるものですし、良いサッカーをしていればもちろん勝つチャンスは上がりますけど、良いサッカーができていないときほどミスをしないことにより執着する必要があると思います。

--後半、郷家 友太選手とボージャン クルキッチ選手を同時に入れたが、いつもとは左右逆のポジションで起用した。その理由は?
後半、相手がSBの交代をしてから相手の右サイド、こちらの左サイドで攻撃を組み立てられる展開が続き、汰木(康也)選手は攻撃ではすごいチームに貢献していたが、守備面で問題を抱えていたことが見えたので、より守備面でハードワークができる郷家選手を入れてその穴を埋める意図で交代した。

ボージャン選手と郷家選手では、郷家選手のほうが守備でハードワークできることで交代した。確かに守備でハードワークできる選手を入れると攻撃で失ってしまうところはあるが、そういう判断でした。

--途中交代した大迫 勇也選手の状態について。
大迫選手はまだメディカルチームの報告を受けていない。いつも試合後に報告があるがまだ受けていないので、いまの段階では言えることはないです。

 

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
ボールを奪ってからの(キャスパー)ユンカーの決定的なチャンスを決められなかったのは残念でしたが、非常に良い試合の入りをしたと思います。そのあと彼が交代することになりましたが、前半の長い時間を彼なしで戦っていく中で、ゴール前にたどり着くことがあまり多くなく、そこは苦戦したと思います。 ボールを奪ってからゴール前に迫るシーンはありましたが、プレーの中で、流れの中でそこまで行くことがあまりなかったのは改善点です。

後半は修正もしながら、良くなった部分が出たと思いますし、決定的な形を作られることもなかったと思います。選手交代についても、交代の度によりリスクを冒すやり方をしていきましたが、それもうまくいったのかなと思います。

ゴールは個人の力でもありましたが、ここまでなかなかゴールを挙げられなかった中で、彼(ダヴィド モーベルグ)が決定的な仕事をしてくれました。今までなかったゴールが今回は入ってくれました。

--キャスパー ユンカー選手が早々にアクシデントで交代したが、松尾 佑介選手をそのまま前線ではなくて明本 考浩選手を前に移した。その意図は?
まず、明本は前線にも入りましたし、途中でSBにも入り、また前でプレーする形になりました。彼は何よりプレスの力が高いので、江坂(任)も含めて2人で前から行けると思い、松尾をサイドに入れて明本を前にしました。

--天皇杯で負けたあと、チームにどういう働きかけをした?
天皇杯は大きなショックでしたので、われわれはそれを糧にして、最大限の力を出さなければいけないという話をまずしました。ただ、浦和レッズがこの順位にいてはいけないので、リーグ戦のほうでも1試合ずつ積み重ねて順位を上げていかなければいけません。そういったプレーのスピリットが今日は出たのかなと思います。それぞれが責任感を持ち、それをピッチの中で出し尽くすことができたと思います。

 

2022 J1リーグ第18節 セレッソ大阪vs清水エスパルス メモ

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スタメン

セレッソは原川が欠場に伴い、鈴木が5試合ぶりのメンバー入りで先発。丸橋と山中が負傷離脱中の影響もあり、前節に続いて西尾が左CB起用。

清水はカルリーニョスがメンバー復帰。U-21日本代表帰りの鈴木唯は大事をとってかまだ欠場。髙橋、ヴァウド、中山、梅田らが離脱中。

 

流れ

30秒、毎熊が中盤から抜け出して運ぶも清水がプレスバックで対応。

清水は4-4-2セット。セレッソは鈴木がアンカー位置で奥埜が1列前に上がる縦関係。

清水はセット重視でそこまで高い位置からは奪いに行かない。そのためセレッソが急がなければセレッソが持ってゲームを進める流れになる。

2分、セレッソが敵陣で波状攻撃。清水も人数をかけていたのでブロックには入れたが、やや受けすぎてしまった。

4分、為田がライン間で受けて左足ミドル。権田の守備範囲。セレッソが積極的なシュート意識を見せて、立ち上がりは良い入りを見せている。

5分、清水のゴールキックからのつなぎに対し、前から人を当てて奪いに行くセレッソ。清水はアンカー位置でうまく外して前進成功。

5分~、ようやく清水の保持の時間。清水も保持にこだわっている感じではないが、持てる局面に入れば簡単には捨てない。

8分~、セットプレーからセレッソが攻め立てる。清水は我慢が続く立ち上がり。

10分、ゴールキックでかなり低い位置を取る両SB。4バックが横並びになるような不思議なセットの仕方。

清水の保持は宮本が相手2トップの間に立つ。その脇を白崎がタイミングよく下りてくることでサポートする。

13分、セレッソが自陣CKの切り替えからロングカウンター。メンデスからのパスがやや流れて完結はできず。

カウンターの起点になった清武が相手のタックルを受けて負傷。軸足が巻き込まれる形で負荷がかかり、関節や靭帯系を痛めたか。歩く際に負傷したほうの左足を使えずにいるので、やや重めかもしれない。

18分、サンタナに警告。ヨニッチとの競り合いで腕?が顔に入ってしまった。結果的に清武がケガを負わされてしまったこともあり、スタジアム全体が接触にナーバスになっている雰囲気。

19分、セレッソ交代

清武→加藤

清武は無念の負傷交代。

20分、セレッソが松田の斜めのクサビで前進しかけるも清水も球際で簡単には負けず。

清水の組み立ては片山を高く上げて山原が内に絞る3バック化。セレッソは毎熊を押し上げて枚数を合わせるプレス。

22分、権田がキャッチングから素早くサンタナへ送って、縦に速い攻撃を狙う。西澤との連係からうまく前を向いてゴールへ向かえたが、シュートまでは行けず。

23分、飲水タイム。ここまではセレッソがボールを持ちながらゴールへ迫れている印象だが、清水も自分たちのやり方をいくらか表現することはできている。セレッソは保持で押し込む時間を増やして、清水は非保持を落ち着かせたうえで、保持の時間も増やしてゴールを狙いに行きたいところ。

25分、セレッソが鈴木を左に下ろし、奥埜をアンカー位置に据える3-1ビルド。少し変化を加える。

セレッソの保持の時間が続く。ただ、清水も押し上げて対応しているので、思うように敵陣へは入れていない。

29-30分、メンデスがうまくうけて前にポイントを作るが、逆へ送ったパスは流れる。メンデスは起点作りまでは良いが、そのあとのつなぎのずれがみられる。

31分、西澤がタッチライン際で受けて深さを作り突破を狙ったが、鳥海が阻止。

清水は最初は西澤が幅を取って待っているが、片山が上がってくると連動するように内側へ入る、

34分、清水先制、0-1。西澤が大外からスペースを狙ったクロスを送ると、ヨニッチのクリアがゴールへ吸い込まれてオウンゴール。ただ、触らなくてもサンタナが奥で待っていたので割り切らないといけない。西澤のクロスの質が素晴らしかった。

35分、毎熊が背後へ抜け出して深さを取り、後ろから出てきた加藤がマイナスのパスを受けてシュートまで持ち込むも枠外へ。

37分、再び西澤の大外からのクロス。清水のチャンスパターンの1つになっている。

セレッソもプレスを掛けて奪いに行っているが、清水がそれをうまくいなしている。

40分、中盤での奪取から清水がカウンターに出ていくが、一度テンポを落として保持へ移行。

41分、神谷のスルーパスサンタナが抜け出して折り返すも中には間に合わず。そこから西澤の左足クロスまで。

セレッソは縦パスをつけてから落としてアンカー位置で前を向かせようと試みているが、相手2トップ(特に神谷)のプレスバックが速く、なかなか前を向けない。

43分、毎熊のシュートは権田がキャッチ。セレッソが久しぶりにシュートまで持ち込めた。

44分、山原が個人で対面のマーカーをはがして前進。山原のところはマーカーが寄せてきても個人で外せてしまう。

片山-西澤-白崎で流動的にポジションを変えながら右サイドの攻略を狙う清水。

46分、敵陣で奪ったセレッソが為田のクロスまで。清水はプレスを受けてもつなぎにくるため、前向きで奪い切れればチャンスは作れる。

前半終了のホイッスルの直後、ピッチに座り込む後藤。序盤に松田との競り合いで腰を痛める様子があったが、その影響か。

 

立ち上がりこそセレッソがボールを持って攻め込んだが、時間の経過とともに清水がペースをつかんでゲームをコントロール。先制場面は崩したといった感じではなかったが、ゴール前に人がそろう前に攻め切ろうという意図で、西澤のクロスの質が伴い、相手のオウンゴールを誘えた。セレッソは保持したいチームであるゆえ、前からのプレスでボールの回収に向かうが、清水がそれをうまく外せたことで相手にペースを渡さなかった。清水はカウンターでのスピード感はいまはそこまでなく、守備でも奪いに行くよりも全体のバランスを取るので、いかに保持の時間を増やせるかが肝。

セレッソは序盤こそ敵陣で持つ時間を作れたが、時間の経過とともに組み立てからハーフウェイラインをなかなか超えられなくなった。清武が早々に退いてしまった影響もあっただろう。

清水はDAZN集計でシュート数0。シュートを打たずして先制し、リードを得た。

 

後半

セレッソ交代

西尾→舩木

47分、左サイドを経由してから2トップ裏で奥埜が前を向いて前進し、松田のクロスまで。サンタナがマークについてきたが、一歩先に前に出たことで前に進めた。

後半も立ち上がりはセレッソが保持して攻め込む。

49分、ルーズボールをメンデスと立田が競り合って、メンデスがPA内で倒されるもノーファウル。さすがにこれは取ってもらえないだろうが、清水は受ける位置が低くなると事故が起きかねないので、受けるにしてももう少し高い位置へ押し返したい。

51分、毎熊の右からのクロスをメンデスが合わせるも枠外。セレッソは前半途中からうまく前へ運べなくなっていたが、後半に入ってからはうまく縦に差し込んでクリーンに運べている。あとは最後の質。

53分、ジンヒョンからのボールで一気にゴール前へ迫ってメンデスが抜け出しかけるも片山がカバー。

55分、サンタナが右から中に運んで1人だけでミドルまで。清水も少しずつ押し返す。

55-56分、CKを片山が合わせるもジンヒョンがキャッチ。

56分、セレッソが素早く攻めて松田のミドルまで。ファーで触れれば1点というようなシーン。

保持の時間を続けるセレッソ。清水はトランジションで落ち着きどころが見つけられずに受ける時間が長くなっている。

60分、左から入って最後は松田の左足シュート。セレッソは確実にゴールへ近づいているが、最後のところはなかなか割れない。

61分、為田のインサイドサポートから加藤との連係で前進。前線の選手が組み立てに関わることで後ろからゴール前に出ていく必要がある。

62分、左からのFKがそのままゴールに向かうが誰も触れずに権田がキャッチ。触られるかどうか微妙なボールで対応が難しかったが、冷静に処理した。

63分、舩木が左サイドからクロスを送り、加藤がニアで合わせるも権田がキャッチ。セレッソは小菊監督の「もっとクロスからの攻撃を増やそう」というハーフタイムコメントを実践するようにクロスからゴールへ迫る。

ここ10分ほどは完全にセレッソペース。清水は我慢の時間。

清水は神谷がプレスのスイッチを入れようする姿勢が見えるが、中盤から後ろがなかなか連動してこないので、多くの選手を広いエリアで追わなければならなくなっている。

66分、清水交代

後藤、神谷→松岡、カルリーニョス

カルリーニョスが左SH、松岡がボランチに入り、白崎がトップ下に移る。

67分、飲水タイム。清水も最初はいくらか押し返す時間もあったが、後半は終始セレッソペース。左右から積極的にクロスを入れて2トップが駆け引きを続ける。清水は苦しい時間が続いていたため、飲水タイムでの中断は流れを切るという意味でも助かったかもしれない。選手交代でどれだけ流れを取り戻せるか。

69分、セレッソ交代

為田、メンデス→パトリッキ、タガート

あとはゴールを奪うだけ、といった展開の中、よりゴールへの道筋を見せられる2人を投入。

70分、球際で五分の競り合いを作ってから回収したカルリーニョスPA内へ進入し、最後は左からのクロスまで。清水が久しぶりに相手ゴール前まで入り込んだ。セレッソはかなり前重心になっているため、1つ前でポイントを作れさえすればカルリーニョスのスピードと推進力は生かしやすいはず。

72分、鈴木のパスから加藤がPA内で浮いてシュートまで持ち込むが権田が好セーブ。セレッソがイケイケの展開。

75分、セレッソ同点、1-1。CKを舩木がニアで合わせてゲット。セレッソが完全に主導権を握った中でスコアをタイに戻した。清水はゾーンで守る中、間で打たれてしまい、権田でもさすがに厳しいコースへ飛ばされた。

78分、清水交代

白崎、サンタナ→ディサロ、コロリ

79分、清水の組み立てを前から追って奪い切るセレッソ。清水はリスクをかけて自陣からつなぐが、セレッソのプレッシャーを超えられない。

80分、権田がキャッチから素早く最前線のカルリーニョスへ。清水はセットプレー後の切り替えでは一発で前を目指す攻撃を徹底している。

82分、清水が前線の選手を下ろしてフリースペースを使いながら前進。セレッソは全体を整えてスイッチを入れられないと、清水の組み立てを防げていない。

83分、セレッソが縦に速い展開からパトリッキのコントロールショットまで。

83分、セレッソ交代

毎熊→中原

84分、清水の組み立て×セレッソのプレス。清水が中盤までは突破したが、最後のつなぎでセレッソのカバーに遭う。清水は苦しい展開になっているが、セレッソが前からくるぶん、プレスを外し切れれば一気にチャンスは作り出せる構造にはなっている。

86分、コロリが左で仕掛けてクロスまで持ち込み、ディサロがシュートを放つが、枠外。清水がまたとないチャンスを生かせず。

87分、カルリーニョスが右ポケットを取って折り返しまで。清水もゴールへ近づけている。

セレッソが連続CKで攻め立てる追加タイム。

91分、清水がセットプレー守備からロングカウンターに出てカルリーニョスの運びからコロリへ送るが、セレッソDFが戻ってギリギリで対応。

92分、清水交代

西澤→原

原が右SBに入り、片山が右SHに移る。

93分、中原がカットインからミドルを狙うも枠外。

95分、舩木のクロスに飛び込むも清水DFがクリア。

 

後半はセレッソが一方的に攻め込んだものの、1-1からスコアは動かず、引き分けで決着。セレッソがかなり前に出てきたことで清水にもカウンターで一刺しのチャンスがあったが、トータルで言えば、清水は勝点1を拾った、セレッソは勝点3を逃したといえる内容だったように思える。

清水は交代で入ったカルリーニョスとコロリが推進力をもたらしてカウンターでの迫力向上には貢献できたが、流れ自体を引き戻すことはできず。前半はシュートが打てずともゲームをコントロールできた時間も長かったが、後半は相手の保持を押し返す術をなかなか見せられなかった。

セレッソは保持の時間を続けてクロス攻撃から何度もゴールへ迫ったが、奪えた得点は1。後半は組み立ての安定が見られただけに、ゴール前での迫力がもっと欲しかった。とはいえ、前半の停滞感を払拭し、ほぼほぼワンサイドゲームに持ち込めた後半は評価すべきポイントと言える。

DAZN集計でシュート数はセレッソ22(枠内15)、清水3(枠内2)とかなり一方的な数字。

 

個人的MOM

★権田 修一

90分を通じて安定感が光る。セーブはもちろん、多くのシュートを打たれた中ではじかずにキャッチする場面も多くみられ、そこからのロングフィードで一気にチャンスを作るシーンも見られた。苦しい時間が続く中でも彼の落ち着いたプレーがあったからこそ敵地で勝点1が取れたといっていいだろう。

 

セレッソは原川欠場で出番をもらった鈴木が中盤の底でゲームを支配。受けてさばいて前へ刺してと、かじ取り役をこなし、CKのキッカーとしては舩木の同点弾をアシスト。メンデスと加藤も多くのシュートシーンを作ったゴール前での駆け引きのところは見事だったが、得点は奪えず。守備では好カバーと良いつぶしを見せた鳥海も良かった。

清水は山原が前半に個人での剥がしで組み立てに違いを生み出していたが、後半はその局面自体が作れず。先制点を生み出すなど、右サイドから質の高いクロスを多く供給した西澤も好評価。途中出場で前への推進力を加えたカルリーニョスとコロリも評価できる。

 

トピックス

清武が負傷交代。負傷したほうの足を使えず、自力で歩けない状態なので、長引くかもしれない。ただ、裏には下がらずベンチで戦況を見つめる姿がある。小菊監督によると、試合後に病院へ向かった模様。試合後リポートによると足の甲を痛めたらしい。会場を出る際には自力で歩いていたとのこと。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 小菊 昭雄監督 ]
非常に良い入りができて、ボールを保持しながら積極的にゴールへ向かうことができていました。その中で、キャプテンの清武(弘嗣)にアクシデントがあって、その後、(マテイ)ヨニッチの一生懸命頑張ったプレーが不運な形でオウンゴールになり、一転して難しい展開になりました。そういうときこそチームの総合力が問われるゲームになると思っていました。前半、なんとか持ち堪えて、後半、今まで大事にしてきた、全員で積極的にボールを奪いにいく、ゴールへ向かう。そのサッカーを最後まで全力でやってくれて、同点、もう少しのところで逆転まで攻め続けたこと。私は選手たちを誇らしく思います。先ほど選手たちにも伝えたのですが、「私たちが目指している方向性は間違っていない」と。そういうゲームができたと思っています。主力に数人、ケガ人が出ているのですが、こういうときこそ全員で一丸となって、次の川崎戦に向かっていきたいと思います。

--「総合力」という言葉がありましたが、まさに、鈴木 徳真選手と舩木 翔選手が関わって同点ゴールが生まれた。そうした選手の活躍も含め、チームの一体感を感じた試合だったが。
普段、なかなか先発で出ていない選手たちが素晴らしいパフォーマンスでチームに大きく貢献してくれたことをうれしく思います。今日の朝、メンバー外の選手たちのトレーニングも、非常に強度の高い、素晴らしい雰囲気でトレーニングしてくれました。日々、自分の成長のため、チームの勝利のため、良い準備をしてくれている成果が今日、出たことを本当にうれしく思います。これから夏の連戦に入っていきますが、良い準備は私が一番大切にしていることでもありますし、継続してやっていきたいです。

--同点ゴールを決めた舩木選手について。
アカデミー時代から、クラブが期待して、育ててきた選手です。いろいろな経験をして、挫折もありながら、攻撃、守備、この半年、成長著しいと感じています。プレー面だけではなく、人間性の部分でも、レンタル移籍をして、さまざまな経験をしたことをプレーにも発揮してくれています。彼のポテンシャルは、まだまだ可能性がたくさんあると思っていますので、さらなる成長を期待したいです。

 

[ ゼ リカルド監督 ]
C大阪と、この地でゲームを戦うというのは難しいと認識していましたが、その予想どおり大変難しいゲームになりました。前半、われわれはしっかりバランスをとってプレーできたと思います。それが先制点につながったと思いますが、後半は相手もラインを高くして圧力を掛けてきました。ただ、それに対して両チームともチャンスを作って激しい戦いを繰り返したので、この引き分けという結果は妥当だと思います。見ていた方も楽しめるゲームだったと思います。

--前半の飲水タイムで指示していたのは?
われわれのビルドアップのところを少し修正しました。バックラインに4枚いましたが、4枚でのビルドアップで前進していくのに苦労していました。そこで、前進をしていくときに、後ろを3枚にして、ライン間に選手を立たせて、うまく前進をしていけるような形を狙っていました。そうしたことで、ボールを持つことができたと思います。後半、相手の圧力を受けて、少しボールを持つのが難しくなりましたが、選手たちはたくましい姿、積極的な姿勢を見せてくれました。この姿勢があれば、前に進んでいけると思うので、継続して強い姿勢を続けて横浜FM戦に向かっていきたいです。

--来日して公式戦3試合を終えたが、現状のチームの手ごたえはどうか?
ポジティブな面がたくさん見られていると思います。われわれの関係をより強く、より密にしていこうという作業を毎日繰り返しています。私にとっては初めての国になるし、私自身もこの国の文化、選手たち、そしてクラブの歴史を尊重しながら理解していく必要がありますが、選手も歩みよってくれて、われわれの関係は日に日に良くなっていると思います。われわれは戦う集団になっていけると信じています。

--後半、クロスをはね返し続けたCB2人のパフォーマンスはどうだったか?
相手は選手交代を行いながらよりフレッシュな選手を前線に入れてきて、積極的にクロスを入れていくという形を作っていました。クロスを受けるシチュエーションになるのはある程度仕方ないと思うし、そこでしっかり耐えられていましたが、セットプレーからの失点というのは非常に痛いと思っています。

前半途中のビルドアップの修正はベンチからの指示だった模様。最初にSBがCBと同じような高さで待つ形はあまり見ないものだったが、すぐに右肩上がりの3バック型に変えたところを見ると、すでにいくつかの形をとレーニングで試しているのかもしれない。

2022 J1リーグ第18節 北海道コンサドーレ札幌vsガンバ大阪 メモ

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スタメン



札幌は菅野が復帰して先発。小柏、高嶺、ルーカスが負傷離脱中。

ガンバは天皇杯で復帰した昌子が先発。クォンギョンウォンが出場停止で福岡がメンバー入り。小野瀬がメンバー外。宇佐美、福田、一森、山本が負傷離脱中。

 

流れ

立ち上がりうまく入ったのはガンバ。ハイプレスでボールを奪ってシンプルにパトリックを狙う。

2分、負けじと札幌もファーストシュート。ガンバのプレスをクリーンには外せなかったが、こぼれ球を回収して敵陣まで入り込んだ。

ガンバは前4枚を積極的に追わせて圧力を掛ける。札幌はそこを外しながら、後方に生まれたスペースをスピードを持って突きにいく。

ガンバが球際に激しく寄せていくが、札幌もテクニックを見せながら外していく。ここまではリスクを負いながらも札幌のほうがやや上回っている。

ガンバのビルドアップに対して札幌はいつもどおりマンツー気味に人を当てて高い位置からプレスを掛けていく。

8分、ガンバがハイプレスを掛けてきた中、菅野が落ち着いて繋いで相手を下げさせる。ガンバはかなり消耗を強いられる戦い方であるはずなので、行ったときに外されることが多くなると苦しい。

9分、左で作って、右で待つ金子へ開放。2人での連係が合わずにロストするが、ガンバの組織が整い切る前に攻めようとした悪くない形。

11分、青木が右ポケットを取ってクロス。こぼれ球を駒井が拾って狙うがガンバDFがブロック。札幌が少しずるゴールへ近づく。ガンバはPA内の深い場所を取られ始めている。

12分、札幌が組み立てから密集を抜けて疑似カウンター。シャビエルと興梠でフィニッシュまで持ち込んだがシュートはGK正面。結果的にオフサイド。ガンバはなかなかプレスが機能せずにピンチを招いている。

札幌は守備時のマーク意識と似たような形で興梠とシャビエルが攻撃時も2トップ気味にポジションを取る。

15分、田中駿が相手SHを切って受けたところからスピードを上げて、興梠→金子で一気にゴールへ迫る。

17分、札幌のプレスに対してかなり綱渡りのつなぎを見せたガンバだが、ここは間一髪で通し切る。

下りるダワンにはきっちりついていく駒井。ガンバはGK以外でなかなか前向きを作れずに前進に苦しむ。

19分、札幌が自陣での組み立てからシャビエルが抜け出してシュートを決め切るもオフサイドディレイで認められず。ガンバは失点にこそつながらなかったが、またしてもプレスをハメ切れずにオープンスペースを相手に与えてピンチを招いてしまった。

22分、パトリックのシュート。ガンバが久しぶりにシュートまで持ち込めたが、DFに寄せられたことも含めて無理な体勢で強引に打つしかなかった。

低い位置まで下りる興梠にかなり深くまでついてくる三浦。ガンバもマンツー意識高め。

福森のキックで逆の田中駿まで届けて中央の金子へ。こぼれたところを青木がミドル。

27分、ガンバがパトリックへのロングボールでルーズボールを作り出した流れから、石毛が背後へ抜け出すも菅野がファインセーブ。ガンバはまたとないチャンスだったが、菅野がさすがの対応。

29分、札幌が組み立てから青木が完全に抜け出してGKと1対1を迎えるも東口がファインセーブ。セカンド回収からシャビエルも狙ったが、こちらもキャッチで防ぐ。両GKが好守で試合を引き締める。ただ、ガンバはマンツー気味の守備が裏目に出て、信じられないくらい最終ラインにスペースを空けてしまった。

33分、駒井が中央を抜け出しかけるも昌子が対応。大阪ダービーであったような憤りのリアクションを見せる。

35-36分、ガンバが高い位置で奪ってショートカウンター。パトリックがシュートまで持ち込むもGK正面。

40分、左での作りから興梠とシャビエルの連係で打開を図るもガンバが阻止。札幌は敵陣まで攻め込めたときには「最後のところを外せれば」という段階までは来ている。ガンバはSHが自陣深くまで戻らない(戻り切れない場合も含めて)ため、札幌がサイドで運んでから中央に差し込んでコンビネーションで外そうとする狙いが多くみられる。

 

オフサイドになったシーンも含めて札幌がチャンスを量産。決定機もあったが、そこは東口のセーブで事なきを得る。ガンバは得点の可能性を感じたのは石毛が抜け出してシュートへ行った場面くらい。そこも菅野の好セーブがあった阻まれた。互いにGKのファインセーブが光った前半だったといえる。

札幌は菅野の落ち着いたパス出しもあってビルドアップが安定し、ガンバのハイプレスを的確に外し続け、主導権を握った。シュートシーンは多かっただけにリードで折り返したかった。ガンバが前へ出てきてくれるだけにスピード感を持ってゴールへ迫れるシャビエルの起用が効いている。

ガンバは前節同様にハイプレスを仕掛けるもハマり切らない場面がほとんどで、体力的にも精神的にも消耗が大きかったのではないかと思う。収穫は、かなり押されながらもスコアレスで折り返せたことくらい。自陣でつなぐ札幌のビルドアップをつぶしきってショートカウンターを打つ作戦自体は悪くないが、それが裏目に出て、札幌にスペースを与えて速い攻撃を許している。

 

後半

ガンバ交代

石毛→中村

46分、金子が右ポケット深くに入ってシュートまで持ち込むが東口がブロック。

後半も札幌ペース。ガンバは前半よりも色気を出さずに守る姿勢も見せているか。

50分、札幌先制、1-0。荒野と菅が内外を入れ替えてうまくポイントを作って前進。そこから中央で持った駒井が個人で中盤を切り裂いて金子へ送り、戻しのクロスを駒井がヘッドでゲット。ガンバは駒井の仕掛けに対してあっさり突破を許し、ゴールまで持ち込まれた。

52分、サイドに流れたパトリックが深い位置を取って、山見への落としからシュートまで。

56分、ガンバが保持から山見のラストパス→パトリックでチャンスを作るが、コントロールが決まらず。札幌も中央を簡単に空けてしまった。

58分、倉田のチェイシングでマイボールに。岡村が最終ラインでロストしかけたが間一髪で回収し直す。

61分、中村が縦パスを引き出してポイントを作り、山見へ開放。札幌のプレスがワンテンポずつ遅れ始めている印象で、ガンバも保持からの前進ができるようになってきた。

62分、札幌が大外で待つ菅へ展開してからのクロスまで。どちらも大きな展開からチャンスを作る。

67分、ガンバ交代

奥野→齊藤

67分、山見がPA内まで入り込んで細かいタッチから内側へ入っていくも打ち切れず。

72分、札幌交代

福森、興梠→中村、宮澤

宮澤がボランチに入り、駒井と青木が1列ずつ上がる。

74分、札幌が中盤で縦パスをカットしてからシャビエルのミドルまで。

76分、札幌交代

駒井→深井

深井がボランチに入って、荒野が0トップ気味に。

77分、札幌の連続シュート。中央のコンビネーションから金子、続けざまにシャビエルが狙うも東口の守備範囲。昌子も粘りの守備を見せる。

81分、前からハメに行く札幌、前進できないガンバ。ガンバはパトリックのパワーなど、個人で違いを作れないとなかなか運べない状況。

83分、ガンバ交代

山見→シウバ

86分、パトリックの落としから一気にゴールを目指すが札幌も粘りの守備。抜け出しは許さない。

86分、札幌交代

シャビエル、青木→中島、西

青木は直前のプレーで足を伸ばすような動きを見せていたので、足をつっていたかもしれない。2人とも前線に入る。

ガンバはシンプルにパトリックを狙いながら敵陣に人数をかけて攻撃。三浦も最前線へ上げてパワープレー気味。

 

最後は力づくでこじ開けに来たガンバだが、チャンスというチャンスを作れないまま試合終了。札幌は選手交代で前線と中盤のエネルギーを上げて全体を下げないようにして守りながら、ピンチの数を減らして守り切った。60~70分台あたりは相手の攻撃でPA内まで入られるようなシーンも見られたが、気合いで守り切る感じではなく、危なげなく時間を進められた。欲を言えば2点目を早めにとってラクに戦いたいところではあったが、大量失点が続く流れで無失点に抑えられたことは非常に大きいはず。

ガンバはプレスをハメ切れる場面は最後までほとんどなく、守備陣の奮闘むなしく完封負け。失点シーンの中盤での守備や、前半にあった最終ラインの中央が完全に空いてしまうなど、守備での改善点が多くみられた。また、相手のエネルギーが落ちなければ前進もままならない組み立てのところも見直すべきポイント。多くの試合を消費した中で、どのようなスタイルで戦うのかが定まらず、どの局面の完成度も低いようなゲームになってしまった。

 

個人的MOM

★駒井 善成

決勝ゴールで4試合ぶりの勝利に貢献。フィニッシュだけでなく、自身の中盤での剥がしから始まったところもポイントが高い。また、持ち前の運動量で守備時に相手のボランチに仕事をさせなかった部分も評価できる。

 

前半唯一の被決定機を阻止して流れを渡さなかった菅野、パトリックとの競り合いでも互角に渡り合った岡村、保持時に巧みな立ち位置と斜めのボールでアクセントをつけた田中駿らも良かった。ガンバがスペースを与えてくれる中、シャビエルもスピードを生かしてゴールへ迫り続け、存在感を発揮。

ガンバは昌子の粘りの守備と東口のファインセーブ連発があったものの、勝点には結びつかず。

 

トピックス

札幌は6試合ぶりの無失点。崩壊中の守備から立ち直りのきっかけを見いだした。

ガンバは4連敗。内容も含めてかなり苦しい状況。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ペトロヴィッチ監督 ]
勝利をみんなで分かち合えてうれしい。幸せな気分を忘れかけていた時期に今日、ようやく勝利ができてみんなで喜びを分かち合えたのは幸せなこと。

今日のゲームは非常に難しいゲームでした。G大阪も思うような結果が出ていない中、両チーム何がなんでもポイントが欲しい。そういうゲームだった。G大阪は大きなクラブ、質の高い選手がいる。そういうチームとの対戦は常に難しいものである。

ようやく今日は札幌らしい戦いができた。走る、戦うという部分、ボールの動かし方、コンビネーション、はがし方、これまでやってきたことをピッチで表現できた。最後の笛が鳴るまで札幌が試合をコントロールし、支配できていた。その中で勝利できたのは良かった。なかなか結果が出ず苦しい時期だったが、サポーターが後押ししてくれたことに感謝したい。今日は多くのサポーターが来てくれた。彼らに勝利をささげたい。

--途中から2トップに変更した狙いは。
勝点3を取るためです。ゲームに入るにあたり相手は4バックでくると予想した。片野坂(知宏)監督は最近4バックと3バックを併用しているが、われわれに対しては4バックと予想していた。これまで(ガブリエル)シャビエルがシャドーをやることが多かったが、チームの戦い方に慣れない状況が続き、どうしたら彼を生かせるかを考えた。興梠(慎三)が復帰し、彼と2トップを組ませる戦い方を今日は選択した。1人が下がれば1人がスペースを狙う、どちらかが落ちて縦の関係になるようなプレーを見せてくれた。背後に抜け出して良いチャンスも作れていた。そういう意味で今日の2トップの関係性はうまくいっていた。駒井(善成)、荒野(拓馬)といった選手のボールをうまく引き出したりして、そうした攻撃の組み立てが非常にうまくいっていた。今日は戦い方がハマった。次の試合はどうなるか分からないが、しっかり考えていきたい。

--無失点に抑えることができた要因は。
サッカーは、結果から後付けして理由を探すのは簡単だが、本質的な理由を見つけるのは難しいスポーツ。なぜこれまで失点が多かったのか。なぜ今日は無失点だったか。理由を探すのは難しい。サッカーは複雑にいろいろなものが絡み合う。今日の無失点にはいくつかの理由はあるが、本当の理由かは分からない部分もあるのがサッカー。

失点ゼロの試合は今季非常に多い。失点がここ3試合で非常に増えたが、今季の試合を振り返ると相手をゼロに抑える試合のほうが多いと思う。多く失点した試合は鹿島、柏、川崎、神戸との4試合。その失点の仕方を見ても相手にやられた失点はほぼない。ほとんどが自分たちがミスをして得点を与えたもの。そういう意味ではもったいない失点が多かった。それを若いGKのせいにするのは私は違うと思う。ケガ人が多かった中、選手がそろわないことも理由にはできない。自分たちで与えている失点が多かった。戦っていく上で直していかなければいけない。

菅野(孝憲)が復帰したことも無失点の1つの理由に挙げられるかもしれないが、札幌はGKも攻撃に絡む。ビルドアップや守備も求められるのがわれわれのGKの役割です。今日は無失点で良かったが、たくさんある理由の中で、菅野が復帰したことも理由の1つでしょう。

 

[ 片野坂 知宏監督 ]
北海道までサポーターが来てくれて応援していただきましたが、敗戦となり申し訳なく思っています。札幌もわれわれも連敗中で、どちらが意欲を出せるかというところで札幌が上回りました。選手は点を取るために、やってくれた部分、足りていない部分があったと思います。中2日で試合が迫っているので、切り替えて広島戦に向けて気持ちを整理し、立て直させ、準備していきたいと思います。

--やってくれた部分、足りてない部分について。
守備のところで相手の構築を抑えることはやってくれたと思います。GK東口(順昭)も最後のところで良く守ってくれた。ただ後半は、一瞬のところで上回られて失点した。そして攻撃が得点ゼロで終わったので、どこでどういうふうに相手を崩すかというところは私の足りないところだと思います。

--齊藤 未月選手を投入した意図は。
彼の良さは運動量と奪取力。攻撃の抜けのアクションや、守備でも彼の良さが出れば高い位置で奪えるかな、と。

 

2022 J1リーグ第18節 川崎フロンターレvsジュビロ磐田 メモ

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スタメン

川崎は登里、ジェジエウが負傷離脱中。

磐田はゴンザレスがメンバー外。伊藤監督いわく「コンディションが整わなかった」とのこと。高野、山田、大津が離脱中。鈴木も引き続きメンバー外。古巣対決の杉本が先発復帰。

 

流れ

自陣からショートパスでつなぐ川崎に対して、高い位置からプレスを掛けて奪いに行く磐田。

磐田は全体で連動し切れないバランスのときは無理に出ていかずに構える守備も見せる。自陣で奪ったら縦パスと落としをテンポよく続けて陣地を回復する。

3分、川崎がカウンタープレスに近い形で深い位置で強度を高めて奪いに行くが、岩田がコンビネーションで密集を抜け出す。一気にゴール前までとはいっていないが、相手のプレスをいなすところまではできている。

4分、川崎が敵陣でパスを回し、左サイドからのインスイングクロスに小林。合わなかったが、点で合わせに行く攻撃。

磐田は立ち上がりこそ高い入りまで出ていっていたが、すぐに自陣セット要素が強めになってきた。

6分、磐田が組み立てから低い位置でロストするもグラッサがカバー。磐田はプレスを外す部分はいくらかうまくいっているが、そこからの前進まではいけていない。

8分、川崎はWGを相手CBへあてて、SBを高くまで押し上げてプレスを掛ける。

9分、右サイドでの連係からサイドに流れた大島のクロス。川崎は右サイドでのテンポを挙げたパス交換が続いた。

磐田が最終ラインを気持ち上げていることもあって、シンプルに裏抜けを狙う小林に送る攻撃も見せる川崎。

11-12分、磐田が自陣で奪ってからうまくつないでロングカウンター。杉本で時間を作り、右を上がってきた吉長のクロスまで。シュートまではいけなかったものの、プラン的には悪くない攻撃の形。

13分、左から逆サイドで浮いた山根へ送り、クロス。磐田は5バックながら、同サイドや中央に寄るため、サイドチェンジへの対応はワンテンポ遅れる。

杉本はトランジション時にサイドで起点を作ろうとする。川崎がSBを上げてサイドにスペースを空けやすいことを狙ってか。

14分、左でのパス交換からポケット進入を図る川崎。磐田は決定的なシュートこそ許していないが、組織の穴を突かれ始めている。

15分、CKの流れから谷口のヘッドを三浦が好セーブ。

16分、家長が右奥で起点を作ってから脇坂と山根でポケットを攻略するも磐田DFがギリギリブロック。川崎がゴールへ少しずつ近づく。

17分、家長が逆サイドまで流れてくるいつものやつ。川崎は前の選手がライン間に立って、磐田のCBやWBを引き出してから素早くパスを交換してスペースを突いていく。磐田は1つのエラーが致命傷になりえるような状態。

磐田は杉本だけ最前線に残してトランジションに備えさせるような形でほかのFP9人は自陣の守備に奔走。

21分、川崎が家長と小林のコンビネーションから右サイドでシュートへ持ち込むが、三浦がブロック。磐田は序盤のようにトランジションからパスで時間を作るようなシーンは見られなくなってきている。

22分、久しぶりに磐田がトランジションから前へ出ていくも、川崎の戻りにつぶされる。

23分、久しぶりに磐田の保持。川崎は一度撤退したら自陣で構えて守る。

23分、カウンタリングカウンターから鹿沼PA付近へ進入を図るも谷口が阻止。その谷口に突っ込んだ鹿沼に警告。谷口が痛んで一時中断。

27分、磐田の保持。防戦一方の時間をしのぎ切って、少しずつ落ち着けるようになってきた。

28分時点で支配率はおおよそ川崎7-磐田3。

29分、磐田のカウンター。杉本が川崎CBに寄せられない位置で受けて起点を作る。そこからどれだけ追い越していけるかがポイント。

30分、ずっとリトリートできていた磐田がジワジワプレスを掛ける。強度を上げて奪いに行くというよりも、相手の選択肢を奪っていくような寄せ方。

33分、川崎先制、1-0。下りる家長と入れ替わるように背後へ抜け出した山根がそのままゴールへ流し込んでゲット。ファーに入ってきた小林への折り返しを狙った結果、枠内へ飛んだというようにも見えたが、どちらにせよ抜け出しまでが完璧な流れだった。ラストパスを出した谷口もお見事。

前節得点を奪った、山本義を攻撃参加させる保持の形を見せる磐田。

37分、磐田が山本義から大きなクロス。川崎が自陣で回収したあと、家長が個人のテクニックからハーフウェイラインあたりまで一気に陣地回復。

38分、磐田は高い位置からプレスを掛ける。川崎は大島を右サイドに流して人数を増やし打開を図る。

39分、プレスに来る川崎の背後を狙う磐田。抜け出した杉本とカバーにでてきたソンリョンが接触して一時中断。

44分、チャナティップのラストパスに橘田が抜け出して折り返すも小林と意図が合わず。小林は外からマイナスに入ったが、橘田はそのままファーへ送ってしまった。

磐田はボールを持つシーンとカウンターで前へ出ていくシーンを作れているが、前へいったときに全体が押し上げられずに中盤が間延びしていることが多くなっている。川崎はトランジションからそこを素早く突いてゴール前まで迫る。

 

25分あたりまでは川崎が敵陣での保持を続けて圧倒。磐田はゴール前への進入を許しながらも最後のところはやらせずに我慢を続けていたが、山根がゴールをこじ開けて川崎が先制に成功。その後は磐田の間延びでややオープン気味の展開になったが、決め切れずに1-0で折り返し。磐田は途中まで我慢ができて、少しずつ落ち着かせ始めた時間帯だっただけに悔やまれる。川崎は杉本を起点にする磐田の攻撃をプレスバックでしのげているので、ピンチというピンチはなかった。

磐田はゴンザレスと大津という、途中出場で馬力を上げるカードがないので、PA内でしっかりめに崩し必要がありそう。ただ、ここまではカウンターやクロスしか攻撃パターンがない。伊藤監督はゴールへの道筋をどのように作り出すか。

DAZN集計で磐田は前半シュート0だった。

 

後半

46分、自陣でのビルドアップから川崎のプレスをうまく外して疑似カウンターに出る磐田。最後は折り返しから杉本が狙うも、打ち切れず。前半は攻め手がなかった磐田だが、後半はさっそう保持から良い形を作り出した。

1点ビハインドの磐田はプレスのラインを上げて攻撃的に出てきた。川崎はワンタッチパスで外しにかかるが、圧に負けてズレるシーンが何度か。

51分、川崎が保持の時間を作る。磐田は杉本と大森がプレスの先鋒で、その後ろの選手たちがボールや人の場所に応じて大島ら中盤を捕まえる。

53分、谷口→小林の落としでポイントを作って、磐田のラインを下げさせる。磐田は前2枚がCBについて横に広がるので、縦パスのコースは空きやすい。

54分、チャナティップが完全に抜け出してGKと1対1に近いシーンを作り出すもシュートはポスト直撃。前からいった磐田がホルダーを捕まえ切れずに背後のスペースを突かれた。

磐田が前がかりになっていることや、敵陣へ人数をかけていることなどによってややオープン気味の展開が増えた。

59分、川崎がカウンターで一気に敵陣まで入り、PA前でFK獲得。グラッサが脇坂を倒して警告。

59分、川崎交代

遠野→マルシーニョ

マルシーニョを左WGに入れて、チャナティップをIHへ移す。

61分、車屋から一発で背後を狙うが、うまくコントロールできず。中央へ抜け出してきていたのが山根だった。

61分、遠藤のミドル。磐田は保持の質は上がっているが、決定的なシュートまでは持ち込めていない。

63分、磐田交代

杉本、鹿沼→ジャーメイン、山本康

65分、ジャーメインの突破を後ろから止めた車屋に警告。

65分、遠藤のFKをファーでグラッサが合わせるも枠外。セットプレーはグラッサがメインターゲットになっている。

67分、車屋チャナティップの縦パスでプレスを回避してスピードアップ。川崎はビルドアップで苦しくなる場面もあるが、CBからの縦パスを受け取れれば抜け出せる。

68分、飲水タイム。追い付くためにリスクを覚悟で出ていく必要がある磐田が前からのプレスでボールを奪う回数を増やし、保持からゴールを目指す。一方で川崎は自陣での時間こそもらえなくなったが、敵陣でのスペースをもらえるのでマルシーニョを入れて一気に刺しに行く。

69分、川崎交代

脇坂、チャナティップ→瀬古、塚川

塚川が左SBに入り、橘田をIHへ移す。

70分、磐田交代

大森、吉長→金子、小川

72分、左からのインスイングクロスにジャーメインが飛び込むも合わせきれず。川崎はファーにぽっかりとスペースができてしまい、マークにもつけず。磐田はここまでで最大のチャンスだったかもしれない。

76分、家長のファーへのインスイングクロスに塚川が入ってくるも磐田DFが対応。川崎が落ち着いて保持の時間を増やしてきた。

77分、家長と大島らの連係でポケットを攻略しかけるもパスがやや流れる。

78分、1本のパスで小川が背後へ抜け出して折り返すも、質が伴わず。ジャーメインも入ってくるのがワンテンポ遅れた。

79分、左からのクロスにまたしてもジャーメイン。触れば1点といったようなチャンス。磐田が「最後のところさえ合えば1点」といったようなチャンスを作りだしている。

81分、川崎交代

小林、山根→ダミアン、シミッチ

山根は今季初の途中交代。橘田が右SBへ移る。シミッチと大島が横並びのようになり、瀬古がトップ下に入る4-2-3-1気味のオーガナイズに。

84分、磐田同点、1-1。遠藤のCKを伊藤がニアで合わせてループ気味になったボールがファーサイドの隅に吸い込まれた。

86-87分、磐田のロングカウンター。山本康のクロスをジャーメインが合わせるもシュートはポスト。ホームの川崎が勝ちに来て前がかりになったところを人数をかけたカウンターで刺しに行ったが、あと一歩足りず。追い付いたことで磐田にも勝点3の可能性が大きく開けてきた。

88分、磐田交代

上原→大井

大井は最前線に入って金子を中盤に下ろす。

90分、PA手前で獲得したFKを瀬古が直接狙うも落ち切らず。

後半アディショナルタイムは川崎がボールを持って攻め、磐田セットしながらカウンターでの一発をもくろむ。

93分、家長に警告。遅延行為を取られたか。金子は背後から忍び寄る好守。

 

最終盤は川崎は勝利を求めて攻勢を強め、磐田は勝点1も見据えながらカウンターでの一発を狙う構図になったが、スコアは動かずに引き分け。磐田は苦しい前半を1失点でしのぎ、後半でシフトチェンジして押し返せたことが大きかった。得点はセットプレーからだったが、押し返す術を見せられたからこそ。川崎がリスクをかけてきただけに逆転まで持ち込める可能性も生まれたが、上位とのアウェイゲーム、さらにはビハインドから追い付いたという点では磐田にとっては価値ある勝点1になったといえる。

川崎は後半にあったチャナティップの決定機で2点目が取れていればより優位に進められたと思うが、それ以外に決定機を作れなかったことも事実。前半も保持からのトランジションで上回って主導権を握りながらも、質の高いチャンスをそれほど作れていないことが課題になるのかもしれない。

磐田は特に前半は苦しかったが、伊藤監督らしいパス回しからのスピードアップなど、少しずつ成熟度が増してきた雰囲気も感じられる。前半の一部と後半はプレスも機能するシーンが見られ、やれることの引き出しも増えてきた印象があった。

 

 

個人的MOM

★伊藤 槙人

貴重な同点弾を挙げた。また、ディフェンスリーダーとして苦しい時間で耐え抜いたことも評価できる。

 

磐田は前半で好セーブを見せて守備を崩さなかった三浦、ゴールこそ決められなかったものの、途中出場から攻撃を活性化させたジャーメイン、質の高いクロスでチャンスを演出した山本康も好評価。

 

 

トピックス

少し髭を蓄えた谷口。

フルタイム出場を続けていた山根が途中交代。試合後リポートによると、自分から交代を申し出たとのこと。

橘田は左SBでスタートし、途中でIHへ移動。そして山根の交代で右SBへ移るなど、1試合の中だけで3つのポジションをこなした。

アウェイながらゴンザレスは会場に来ていた模様。少なくとも重症ではないことが言えるか。

伊藤監督はいまのジャケットにしてから負けなしの模様。季節の変わり目で暑いが、言を担いでいるとのこと。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 鬼木 達監督 ]
自分たちのサッカーをしようということで送り出した。前半は自信を持ってボールを動かしながら、狙いとしていた得点も取れたが、もっとチャンスの回数を増やさないといけない。もう1点、2点と、取り切らないといけない。常々、1点差だとこういうアクシデントというか、セットプレー一発、カウンター一発もある。2点目を取ろうとずっと言い続けていたが、それが取れなかったのがこういう勝点1につながったと思っています。

--後半、相手が守備の形を変えた。CBとボランチにチェックを掛けてきたが。
前半も、相手が前から来たところでこちらが外していったことで、撤退していった。その形をより増やさないといけない。実際には(大島)僚太のところもかなりケアしてきて、そういったときにより背後などが空いてくるというものは頭では分かっているはずだし、そういう話もしている。どういう戦いを相手がしていて、前から来るか、そういう話もしているが、そこを見つけられるかどうか。

受け手との距離が少し伸びたり、相手がいてもつけていくことが必要になる。相手がいてもつけていた前半は、そのことでポジションの入れ替わりもあったが、後半は少し少なかった。そこも、全員が相手を見られる目をもってやっていかないといけないし、あとはチーム全員、サブも含めて同じ目をもっていけるようにしていくことが必要かなと思う。

--この暑さもあり、ボールを握っているときの頭の判断が重要になるが。
おっしゃるとおり、頭のところはすごく研ぎ澄まされないといけない。自陣であれば、1個のパス、トラップできるところで後ろに下げてプレッシャーを受けたというのもある。あとは前線で、外から見ていると背後に走れそう、出せそうというのがあるが、そこを暑さの中でやめたのか、あるいは見えてないかというのは大きな違い。その目をそろえていかないといけない。相手陣地にはいっていくことで、自分たちのクオリティーは維持できるはず。ハーフウェーラインを越えていく作業をもっとやっていかないといけないと思いました。

--ゴールシーンでは山根 視来選手が裏を取った。ああいう大きな動きが少し物足りなかったか?
そのとおりだと思いますし、逆に言えば、あの動きであれだけ背後を取れるわけなんで、フリーで蹴れるシーンは、前半で狭いバイタルエリアでもボールは入っていた。そのタイミングで背後に抜け出せる場面は、こちらから見るとあるが、背後に走る選手がいれば、5バックはガタガタとギャップが出ている。そこに走らないとギャップができない。一発で背後は取れるわけで、一緒になるが、タイミングや目をそろえるということもある。怖いところに人が走ることが、あらためて必要だと思っている。

 

[ 伊藤 彰監督 ]
まずは暑い中、ナイターゲームにもかかわらず多くのファン・サポーターの皆さまに足を運んでもらってありがとうございます。最後にわれわれが押し込めたのは、ファン・サポーターの応援があったからだと思いますし、一緒に勝点をもぎ取ったことをうれしく思っていいます。

前半の入りで前線からプレッシャーを掛けたかったですが、1つは(相手の攻撃を)受け入れてしまったこと。もう1つはCBと大島 僚太くんのところで1トップの(杉本)健勇がプレッシャーを掛けるとはがされてしまって時間を作られてしまった。これが前半押し込まれた原因の1つだと思います。そこで川崎Fさんは、前向きでフリーな選手がいれば、前線にタレントもいますし、裏を取られて失点してしまったところが反省点だと思っています。前半はボール保持者へのプレッシャーが甘かったことで失点を招いてしまった。

(失点場面の)左サイドの守備はどうしても家長(昭博)選手に強く行くがために、少し(マークの)受け渡しが遅くなってサイドハーフの選手が山根(視来)くんにいかなければいけなくなったことが問題だったと思います。なるべく早く受け渡しながらウイングバックが裏のケアをできればまた違ったと思います。それでもクオリティーが高い相手をよく前半1失点でしのいでくれたというのが正直な感想です。

後半に入ってCBとアンカーの大島くんにプレッシャーを掛けようというところでオーガナイズを変えました。そのときにサイドでやられてしまうところとボランチの脇をやられてしまうのは想定内でした。前から守備をしながら入ってくるボールを奪って、ショートカウンターからミドルサードアタッキングサードでゲームをコントロールしたいという意図でした。後半は選手がプランどおりに動いてくれて、そこに良い攻撃と切り替えの早さで、後ろも頑張ってくれたと思います。

われわれのほうが控えに背が高い選手がそろっていたので、セットプレーは1つチャンスになる可能性があると思っていて、そこで1つ取ることができたことは良かった。

全体的に後半はすごく戦ってくれて勝点1を取れたことがリーグ戦の自信になっていくと思いますし、ここからもっとチームとして逆転できるような力をつけていかなければいけない。それをトレーニングから積み上げながら次の試合に向けて戦っていきたい。

 

2022 J1リーグ第18節 アビスパ福岡vsサンフレッチェ広島 メモ

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スタメン

福岡は、試合当日が誕生日の渡が初出場初先発。

広島はサントスがサブに回り、松本が久しぶりの先発。

 

 

流れ

福岡は3バックスタート。広島も最近の3-5-2ではなく、3-4-2-1。

2分、右で作ってから山岸のシュートまで。ゲームのファーストシュートは福岡。

2分、中盤のオープンスペースをうまく使ってから山岸のPA進入まで。

立ち上がりは福岡が球際で取り切って素早くゴールまで迫っていたが、だんだん広島が落ち着いて持てるように。福岡は3バック以外はマンツー気味の守備意識。広島はそれを見て、シャドーを下ろして起点を作ろうとしているか。

福岡はロングボールをフアンマに入れて、そこでのキープやこぼれ回収から敵陣へ入っていく保持の設計。

10分、広島が左の連係でサイドを前進していき、中に入っていった東がクロスに合わせるもシュートは枠外。福岡の守備陣は、広島のシャドーがサイドへ流れたときの対応が難しい。

13分、福岡がセットプレーからゴール前で混戦を作り出してゴールへ迫るも広島も粘りの守備。

15分、中村のCKをニアで山岸が合わせるも惜しくも枠外。福岡はセットプレーからチャンスを作れている。

福岡はフアンマがボールサイドによって陣地回復を狙うが、広島の佐々木や荒木がマッチアップで上回れていることで、福岡はなかなか押し返せない。

福岡のビルドアップに対して、広島もおおよそマンツー気味に前から当てていく。ただ、サイドに出たときはボランチは人だけでなくバイタルスペースも意識しているような気がする。

21-22分、福岡が敵陣でつないで、奈良の縦パスから山岸がつぶれてその背後に飛び込むフアンマ。大迫が前に出てカバー。

23分、宮のスペースへのボールにフアンマが抜け出すもオフサイド。頂点のフアンマが深い位置を取れるかどうかが、福岡の攻撃のカギ。

26分、前がフィルターになって縦パスをカットしてミドルカウンター。福岡はボランチが人を見ながらスペースも消せると後ろがかなりラクになる

27分、広島先制、0-1。福岡の組み立てを高い位置で奪ってショートカウンターに出た広島。最後は満田が質の高いシュートを見せてゲット。

29分、左で作った福岡が志知のクロスから最後は前嶋のシュート。こぼれ球を待ってフリーで打てたが、シュートはポスト直撃。失点した福岡がすぐに良いチャンスを作り出した。

32分、トランジションのやり合いで制した広島がオープンスペースの東を使ってクロスまで。

33分、広島がゴール前で混戦を作って押し込みかけたが、福岡が村上とDFが粘りの対応で阻止。広島が一気に追加点を狙う展開。

37分、福岡同点、1-1。志知の右足でのクロスを点で合わせてゲット。誕生日&古巣対決&初出場というさまざまな条件がそろった中で期待に応える得点。

40分、広島がうまくパスを回しながら福岡のラインを下げて、満田のミドルまで。

40分、福岡が自陣で奪ってロングカウンターに出ていくも広島がうまく送らせて対応。福岡は前線の選手たちが個人でぶち抜けるようなタイプではないので、ロングカウンターを完結させるには質の高いコンビネーションが必要になるか。

福岡はプレスでは人に出ていく意識を高めるが、自陣撤退時には全体を下げてスペースを埋める傾向にある。

43分、ベンカリファと宮がボールがないところで一悶着。先ほども福岡側から「肘打ちをしてきた」というようなアピールが見られた。

→ベンカリファに警告。悪意はなかったかもしれないが、似たようなシーンが続いたため注意を込めたものだろうか。

 

広島ペースで進む時間のほうが多く、先制点も広島が手にしたが、福岡もクロス攻撃が実を結んで同点に。やりたいことはおそらく広島のほうができている気がするが、福岡もできないならできないなりの試合運びができている。ただ、自陣でのつなぎのミスから失点を喫してしまったのは大反省点。守備を固められればそこまで決定的なピンチは招いていないだけに不本意な失点はなくしたい。

広島はうまく相手のプレスを外して敵陣でのプレータイムを増やせているので、あとはそこからどうこじ開けるか。中央でターゲット役になれるベンカリファが警告を受け、カードトラブルのリスク管理が難しい状況だが、スキッベ監督はどう判断するか。敵陣まで安定しては入れると計算するのであれば、サントスよりもヴィエイラが優先されそうだが。

 

 

後半

広島交代

ベンカリファ→ヴィエイラ

予想どおりベンカリファを下げてヴィエイラを投入。

後半も広島がボール保持で押し込んで、福岡が自陣撤退から押し返していくような構図。

48分、福岡がフアンマ、山岸、渡の前3人でうまく連動して前進。素早く前へ運ぶならここの連係の質向上が必要。

51分、藤井の縦の仕掛けからクロスでチャンスメイク。この試合ではあまり出てこない藤井だったが、ここはらしさを発揮。

福岡は前半途中のどこからか、ボランチが人をそこまで捕まえにいかず、バイタルのスペースを埋めながら引っかけてカウンターに出たいというような守り方になった?

55分、福岡交代

渡→クルークス

57分、福岡がフアンマで起点を作るも、広島が奪ってカウンター。満田が抜け出しかけるも、志知が戻って対応。

61分、前嶋がサイドの深い位置まで進出してからCK獲得。

64分、福岡が自陣での組み立てから左奥を取って敵陣で進入。広島は相手ボランチを捕まえられていないが、中盤のラインを超えさせないことを優先しているか。

67分、中盤を抜け出しかけた満田を倒したグローリ、そのグローリを突き倒した(もしくは執拗な異議?)野津田に警告。両者ともに次節出場停止。

71-72分、山岸を軸に細かいパス交換で中盤を突破し、ラストパスを送るもクルークスとフアンマが準備できず流れる。

73分、前嶋が座り込む。数分前にあった村上との接触で胸のあたりを痛めたか。

75分、福岡交代

前嶋→湯澤

77分、広島勝ち越し、1-2。野津田の浮き球ラストパスにヴィエイラが抜け出し、村上の頭を超すループシュートでゲット。村上は飛び出しのタイミングをかなり迷ってしまった印象で結果的に中途半端な対応になってしまったことが悔やまれる。

80分、ルーズボールからクルークスが広島DFとの競り合いを制してPAへ進入。最後は混戦気味の中でフアンマがシュートまで持ち込んだが、力を込められず。

84分、広島がPK獲得。セットプレーの流れから森島のオシャレヒールに佐々木が抜け出し、戻ってきたクルークスが結果的に後ろから倒してしまった。

85分、広島追加点、1-3。ヴィエイラが落ち着いてゲット。村上もコースは読んだが、わずかに届かず。

86分、福岡交代

宮、中村、フアンマ→北島、田邉、ルキア

広島交代

満田→野上

野上がボランチに入り、松本がシャドーに上がる。

福岡は最後方を2CBだけでリスク管理をさせて、前線の枚数を増やしてゴールを狙う。

91分、広島交代

森島→柴﨑

 

前半同様に広島がボールを持って敵陣へ押し込む展開が続いた中、福岡も惜しいチャンスは作り出したが、押し切ったのは広島。スペースが生まれた瞬間を見逃さずに、野津田の質の高いパスから、ヴィエイラの落ち着いたフィニッシュで勝ち越し、攻め続けた流れからPK獲得でとどめを刺した。福岡は最後はリスクをかけてパワープレー気味に出てきたが、シュートまで持ち込めずに終了。福岡はタイスコアで推移させるところまではプランどおりだったと思うが、何度かあったチャンスで決められず、失点もヒューマンエラーによるところが多く、悔やまれる敗戦だった。ただ、そのエラーを引き起こした広島の攻撃も評価されるべき部分。

 

 

個人的MOM

ドウグラス ヴィエイラ

2試合連続で決勝弾を挙げ、復帰後から好パフォーマンスを披露。チーム2点目の落ち着いたループシュート、PKの安定感と冷静なフィニッシュという面でサントスやベンカリファとはまた違った特長をチームに還元している。

 

2点目を生み出したラストパス、そしてゲームメイクの面で目立つ野津田も好評価。さすがのフィニッシュ精度で先制点を生み出した満田も◎。フアンマに起点を作らせなかった荒木と佐々木もさすが。

福岡は同点弾をアシストした志知が持ち前のフィジカルで左サイド守備を安定させるなど目立った。誕生日&古巣対決&今季初出場の渡がゴールで起用に応えたが、勝点には結びつかず。

 

 

トピックス

福岡OBの冨安がスタンドで観戦。

グローリが累積警告により次節出場停止。

野津田が累積警告により次節出場停止。

前嶋が負傷交代。村上との接触で胸のあたりを痛めた様子。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷部 茂利監督 ]
2失点目までは良い戦い方ができていたと思います。自分たちの形を少し変えて挑んだわけですが、途中までは良かった、結果的には良くなかった、そんなふうに思います。選手たちは非常に機能してお互いがつながって攻守にわたって良いプレーがあったと思うのですが、それが失点3、得点が1という、こういう負けにつながったのは選手たちも私も悔しい。ただ広島さんは非常に良いチームでした。上手でした。強かったです。いろいろな面で勝られたなという気持ちもあります。今後あるかどうかは分かりませんが、今後対戦できたら1つでも2つでも勝ることができるように、結果を取れるように望んでいます。今日は残念な結果になりました。

 

[ ミヒャエル スキッベ監督 ]
今日は非常にタフな試合になったと思います。対戦相手は身体的に非常に優れたチームでした。ウチのチームが戦った部分、しっかりとゲームを作った部分で素晴らしかったと思います。後半最後になるまで良いサッカーを見せるということはなかなかできませんでしたが、ただ最後にしっかり自分たちで作った形から得点を取れたというところでチームを誇りに思っています。

--後半を迎えるにあたり選手に出した指示は?
前半はフィジカルで押してくる相手に対してしっかり耐えることができたということをまずは褒めました。佐々木(翔)選手の1対1の場面を見ていただいたら分かると思いますが、ああいったプレーが随所で出たことをほめたたえました。後半に入るにあたっては、しっかりボールをつなごうと話しました。選手たちはそれをしっかり実行してくれました。

--今日で4連勝です。
素晴らしいことだと思っていますし、チームには明日休みを与えましたが、それに値するパフォーマンスだったと思います。次の対戦相手であるG大阪が明日試合をやるということなので、自分たちはゆっくりと対戦相手を見ながら次の準備を進めたいと思います。

 

2022 J1リーグ第18節 横浜F・マリノスvs柏レイソル メモ

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スタメン

マリノスは藤田がU-21日本代表招集での離脱から復帰して先発。ロペスが出場停止。エドゥアルドと宮市がメンバー復帰。喜田と小池龍が負傷離脱中。

柏は佐々木と細谷がU-21日本代表招集での離脱から復帰して先発。椎橋が出場停止で、三原が初先発。

 

流れ

基本的にはマリノスが保持して柏が受ける構図。柏は5-3-2でセットしたところから、奪ってから素早くゴールを目指す。

2分、三丸から斜めのボールで小屋松を狙うも合わず。立ち上がりは三丸のところが空きやすくなっている。

マリノスが前から追ってきたときにはシンプルに背後へ蹴る柏。

3分、松原のミドル。マリノスは柏の2トップ脇から前進し、3センターをずらしにかかっている印象。柏はサイドに入ってきたところを縦と横両方で塞ぎ、そこからカウンターを狙う。

4分、サヴィオが1人で右サイドを突破して敵陣深くまで入り、こぼれ球を三原のシュートまで。

7分、エウベルの突破からクロスまで。柏はいつもより2トップとIHの見る横幅が狭い気がする。スペース管理意識高め?

8分、中央でのコンビネーションからエウベルのシュート。枠外へ行ったが、かなり可能性を感じるシュート。徐々にマリノスがペースを握り始めているか。

マリノスは中盤でプレスを外しながらエウベルを目指す形が多くみられる。

13分、サヴィオが痛んで一時中断。柏は時間が止まったときに小屋松や戸嶋に指示を与える。

14分、柏が中盤で奪って細谷が単騎突破を狙うも、畠中がうまく対応。マリノスが相手にペースを渡さない。

16分、マリノス先制、1-0。中央でのコンビネーションから西村のシュートが相手DFに当たってGKの頭を超えた。マリノスはペースを手にした時間帯でしっかり先制に成功。ポジションを移動しながら相手を1つずつずらしていくような攻撃も実を結んだ。

18分、マリノス追加点、2-0。柏の組み立てのわずかなずれを見逃さず、エウベルがカットすると、そのままゴール前で2対1を作って、セアラが無人のゴールへ流し込んだ。柏は古賀のところで工夫を作ろうとしたところがあだになってしまい、上島のコントロールミスが起きた。

22分、水沼のワンタッチラストパスにエウベルが抜け出しかけるも柏が対応。マリノスの時間が続く。柏はカウンターに出たい雰囲気は見えるが、トランジションで落ち着きどころを作れていない。

23分、飲水タイム。立ち上がりこそ柏が三丸のところを生かしてチャンスを作り出したり、サヴィオが運んでゴール前まで迫ったりするシーンが見られたが、10分あたりからはマリノスの一方的な展開。パスのテンポはあるが、オープンな状況を作り出さないようにうまくゲームをコントロールしている。

小屋松が左SHのような位置まで下がっている。飲水から明確に変えた?

27分、マリノス追加点、3-0。スローインの流れでセアラの落としを受けた水沼がそのまま突き刺してゲット。柏は人に出ていったところのスペースを埋めきれず。

28分、柏が久しぶりに敵陣へ入り込んだが、多くは攻撃させてもらえず。

マリノスはSBが組み立てにほとんど加わらず、前で内外の使い分けを流動的に行っていくので、柏はサイドから素早く攻めたいところだが、WBもシャドーも深くまで戻るので、トランジション時は細谷がどうにかするしかない。

31分、柏が前向きで奪うが、その後のパスがつなぎ切れず。ボールをカットするところまでは何度かいけているが、そのあとつなぐ作業まではもう一歩。

33分、柏がルーズボールの回収からチャンスメイク。細谷が抜け出しかけるが、マリノスDFが対応してCKへ逃げる。

36分、プレスの強度を上げる柏。かなり深い位置まで追い掛ける。

38分、CK守備から柏がロングカウンター。サヴィオが運んで追い越してきた小屋松に出すも合わず。可能性は感じさせたが、3点ビハインドを考えるとこういうシーンでもっとゴールへ近づけないとなかなか厳しい。

44分、セアラのつぶれからスピード感を持って水沼が抜け出してシュートまで。佐々木が好セーブで4点目は許さず。

 

10分以降はマリノスが圧倒。質の高いチャンスを高確率で得点に結び付けたこともあるが、相手に攻撃のチャンスを与えずにゲームをコントロールできたことが非常に大きい。柏はカウンターを打ててもなかなかPA内まで入り切れず、自陣で受ける時間が続いてしまった。飲水あたりから柏が5-4-1セットに変えたが、状況はそこまで変わらず。ボールをカットするところまではいけても、それを攻撃につなげさせてもらえなかった。

 

後半

柏交代

三原、戸嶋、大南→加藤、ドッジ、川口

46分、マリノス追加点、4-0。永戸のFKを畠中が折り返してセアラが体で押し込んだ。そこそこ距離があるFKだったが、マリノスがファーでフリーを作り出した。柏は割り切って出ていきたいところだったが、立ち上がりでいきなり出はなをくじかれた。

49分、柏の組み立ては加藤がアンカー位置に入り、ドッジがその少し前で縦関係のようなオーガナイズ。三原や戸嶋よりも組み立てで落ちつかせられる2人にしたという意図だろうか。

51分、柏が中盤のスペースを使ってから縦に速く攻める。細谷の抜け出しを使えなかったが、川口が強引な縦突破でCK獲得まで。

52分、CKの流れからこぼれ球を加藤がシュート。柏は前半よりは前に出ていける感じがあるか。

53分、サヴィオに警告。

柏がラインを上げてプレスにいくぶん、マリノスはシンプルに一発で背後を狙う形が増えた。

55分、柏が中盤をうまく抜け出し、サヴィオがポケットを取りかけるが、惜しくも合わず。割り切って前へ出ていく柏が少しずつゴールへ近づいている。マリノスは前半ほどゲームをコントロールできず、背後一発で追加点を狙う流れ。惜しいシーンは作れているが、シンプルに背後を狙う分だけ、相手にボールを渡しやすくもなる。

55分、岩田が座り込む。接触はなかったので、なにかトラブルがあったか。

56分、マリノス交代

岩田→渡辺

59分、柏が前線のプレスを抜け出してサヴィオの抜け出しまで。

60分、畠中に警告。ドッジの運び出しを強引に止めた。

61分、FKからファーに上島が飛び込むも惜しくも届かず。

マリノスがプレスをハメ切れなくなり、自陣でスペースを晒しがちな展開に。

62分、柏が自陣深くからのつなぎでチャンスメイク。川口が中央へスルーパスを狙ったが、マリノスDFがギリギリで阻止。

63分、サヴィオのFKに小屋松が合わせるも枠外。ここ10分近くは柏のペース。

64分、マリノス交代

水沼、西村→仲川、マルコス

マリノスが激しく前から来た時はシンプルにロングボールを入れてセカンド回収を狙う柏。バイタル前が空きやすくなっているので、そこでドッジが一気に押し上げて回収する。

67分、飲水タイム。少しずつマリノスも落ち着けるようになっている印象だが、前半よりもスペースは生まれやすくなり、そこを柏の中盤に回収されているケースが多い。また、柏が割り切って前からくることで空く背後のスペースを一気に突こうとするため、相手にボールを渡す回数も増えている。いかに敵陣で持つ時間を増やしてコントロールできるかがポイントになりそうだが、追加点を奪って仕留めようという意志も感じる。

70分、マリノスが敵陣でパスを回す。これができると柏の攻撃を受け続けずに済む。

71分、柏交代

細谷→森

細谷は代表帰りもあってコンディション考慮もあるか。

柏は一度セットした状態からスイッチを入れたら迷いなく人に出ていく。マリノスは後方からのつなぎで中盤から前になかなか運べない。ただ、中盤を抜け出せれば一気にオープンスペースを使える。

75分、サヴィオのラストパスに小屋松が抜け出してシュートも高丘がブロック。CBもついていけており、角度もそこまでなかったので無理に飛び出さなくてもよかったか。

76分、マリノスが自陣から一気に抜け出して藤田のポケット進入まで。

77分、柏交代

ヴィオ→武藤

78分、下りたセアラをタイトにつぶした高橋に警告。次節出場停止。

79分、マリノス交代

エウベル、松原→宮市、山根

山根がボランチに入り、藤田が右SBへ移る。

82分、柏がうまくプレスを外していくものの、マリノスもプレスの足が止まらない。

82分、小屋松がバイタルで受けて起点を作り、武藤へラストパス。武藤は折り返しを狙うも、ワンテンポ判断が遅れてブロックが間に合う。

柏の強度がやや落ちてきたこともあって、マリノスがビルドアップを安定させ始める。外をうまく使いながら中央で前向きを作り出す。柏はもう1歩2歩強めに寄せないとワンタッチではたかれてつながれてしまう。

86分、渡辺に後ろからチャレンジしたドッジに警告。ドッジも次節出場停止。

88分、マルコスの間受けで敵陣へ入り、右でのパス交換から最後は山根のシュートまで。マリノスがゲームをコントロールしながらシュートまで。

89分、マリノスが敵陣でのパス交換からセアラのミドル。

90分、マリノスのプレスをかわした柏が素早くゴール前まで運ぶもボールが少しずつずれる。

角田が足をつった?

 

後半は柏が自分たちのやりたいことをある程度表現してペースを握ったが、プレスの強度を保てなくなるとマリノス支配下に戻る。マリノスは65分あたりまでのゲームコントロールには課題が残ったが、そこでもバックラインで粘って失点を喫したなかったことはポジティブ。主導権を掌握した前半で3点のリードを奪い、後半立ち上がりで柏の気持ちを折る追加点を奪ったことで勝負が決まった感は少しあった。

柏はやはり苦しい前半で3失点を喫してしまったことが痛恨だった。後半は加藤の組み立ての関与とドッジのセカンド回収・推進力で形を作り出したものの、スコアは動かせず。チャンスは作り出せた一方、決定機といえるほどの質の高いチャンスはそこまでなかった印象。

 

 

個人的MOM

★レオ セアラ

2ゴール2アシストで全ゴールに絡み、勝利に貢献。どちらのゴールもお膳立てあってこその得点だが、味方からのパスを受けてゴールへ流し込める位置を的確にとり続けていることは評価されるべきポイント。また、背負ってポスト役になるようなタイプではないが、相手CBと五分以上の競り合いで、味方へボールをつなぐ働きも良かった。

 

マリノスはこの試合もボランチのゲームコントロールが見事。藤田と岩田(途中から渡辺)がうまくさばけることで、SBが自由な位置を取ることができる。

 

柏は後半頭から入った加藤とドッジが好評価。加藤は中盤底でボールの引き出しとさばきでビルドアップに安定とリズムをもたらし、ドッジはロングボールを入れたときのセカンド回収とスペースでの推進力で敵陣進入に貢献した。

 

 

 

トピックス

岩田がアクシデントで交代。接触がないところで座り込んだ。自力では歩けていたので重症ではなさそう。

高橋が累積警告により、次節出場停止。

ドッジも累積警告により、次節出場停止。柏は鹿島戦で2人を起用できず。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ケヴィン マスカット監督 ]
結果に関しては満足しています。(22日の)天皇杯からどれだけ短い期間で準備できるかという中で、スタッフも分析班も素晴らしい仕事をしてくれました。分析結果を選手たちが理解し、ピッチ上でどれだけ表現するかだったのですが、今日はパフォーマンスが素晴らしかったです。あのパフォーマンスができれば、おのずと結果がついてくると選手も分かったはずです。分析した情報をスタッフがシェアし、どう選手に共有するかも考えてきました。明日、試合を振り返る中でもたくさんのポジティブなプレーが見られるはずです。

--ボールを失ったあとのカウンタープレスが素晴らしいと感じられました。選手にどのような情報を共有したのでしょうか?
柏にはスタイルがあります。特に、ゴールに向かっていく中で狙うスペースがありました。スカウティングをした上で、いいアプローチができました。そして、相手にまずやらせないために、スペースをどう消し、止めることを意識しました。一人ひとりが分析に基づき、やらせず、もしやらせたとしても、後ろでカバーリングすることも共有できました。今日、ボランチで出場した岩田(智輝)と藤田(譲瑠チマ)に関しては、相手のイヤがるスペースに入っていき、ボールに絡み、最高のパフォーマンスをしてくれました。約2カ月ぶりの日産スタジアムでの試合でしたが、ファン・サポーターには満足して帰っていただけると思います。

--天皇杯3回戦で栃木に敗れたあと、「エナジーが足りなかった」と振り返っていましたが、今日は暑い中、横浜FMのサッカーをやり切ろうという覚悟を見られました。
栃木戦とは大きな違いが見られました。その違いはメンタルです。水曜日とは違って、最高のメンタルの下、アグレッシブさも素晴らしかったです。

 

[ ネルシーニョ監督 ]
まず、ゲームの入りからロッカールームにいるような雰囲気のままピッチに入ってしまいました。その気持ちの緩みを相手に突かれ、前半の序盤に立て続けに2点、もう1点と得点を許してしまいました。守備の部分でミスが続いてしまったこともありましたが、何といっても入りの部分でアラートに入れていなかったところが最後まで尾を引いてしまいました。

今日のゲームを振り返って見たとき、これまで前半戦にチームとして取り組んでいたことがまったく機能しませんでした。普段、選手たちは苦楽をともにしているんですが、その中でやはり彼らが本来やれるものがしっかりとゲームの中で発揮できませんでした。戦う姿勢だったり選手個々のパーソナリティーだったり、相手との駆け引き、球際でバトルする戦う姿勢を欠いていましたし、序盤の入りが最後まで響いた結果なのかなと。

相手のほうが攻守において良い入りができていたと思いますし、われわれの技術的な部分・戦術的な部分、個々のところでいうと勇気を持ってプレーする戦うことなど、これまで出せていたものが、今日のゲームでは相手より劣っていた。そういう内容のゲームだったんじゃないかなと思います。