がちゃのメモ帳

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2021 J1リーグ第37節 北海道コンサドーレ札幌vs柏レイソル メモ

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スタメン

f:id:brgacha:20211130001104p:plain札幌

宮澤が6試合ぶり、菅が2試合ぶりに復帰。

トゥチッチが6試合ぶりの先発。

先発を3人変更。

 

上島が8試合ぶりの先発。

細谷が2試合ぶりのメンバー復帰。前節は体調不良があったとのこと。

「4バックをベースにしていく」というニュアンスの発言があったが、札幌は対策として特別なのか3バックを採用。

 

流れ

柏は[5-4-1]でセットして深追いしない。札幌に持たれるのはokで陣形を崩さないことを優先する。相手が1トップなので、可変で2CB気味になる高嶺と宮澤が比較的自由に持ち運べる状況。

 

札幌の前からのけん制に対して、ゴールキックでつながずにラインを上げて蹴っ飛ばす柏。同フォーメーションでかみ合うので、札幌のプレスはそのまま人に当てに行くだけ。

札幌はフリーで持てる最後方から小柏や菅を背後に走らせる。

4-5分、高嶺からの対角フィードからの攻撃。田中駿と金子で相手WBに2対1を突き付けるようなイメージ。

5-6分、田中駿のシュート。ボールを自由に持てる札幌がペースをつかむ。

 

8分、中盤で奪った柏が三原→クリスティアーノでカウンター。札幌は縦に速い攻撃からチャンスになりそうだったが、時間がかかってロストするとバランスが崩れたところを突かれた。重心が低い柏はこういうクリスティアーノを走らせるカウンター局面を多く作りたい。

 

10分、柏がビルドアップから古賀→仲間でラインを突破すると、最後はサヴィオが詰めるも菅野が好セーブ。受けることを許容しながらも良いチャンスを作れているのは柏のほう。

 

12分、札幌先制、1-0。柏が中盤で奪ってカウンターかと思われたところで札幌がひっくり返し、チャナティップ→トゥチッチでゲット。フィニッシュの精度が高かった。柏は良いリズムができ始めており、このシーンも「またカウンターからチャンスか」と思われただけに厳しい失点。「いけるぞ」という感覚が結果的に裏目に出てしまったかもしれない。

 

15分、柏のボランチが出てきた背後を使って前進する札幌。ライン間で躍動するチャナティップがいるので、柏は出たぶんだけリスクが高まる。

15-16分、柏の前から行く意識が強まったように見える。

 

柏のビルドアップは仲間とサヴィオがやや下りたところでポイントを作ろうとするパターンが多いか。札幌が人についてくるぶん、ボランチの背後は空きやすい。

 

20分、高嶺→田中駿で深さを取ってから最後はトゥチッチ。序盤にも合ったように、三丸が金子についていくことで田中駿は浮きがちになる。

 

22分、田中駿に突っ込んでしまった仲間にイエロー。

 

飲水まで

スペースを消して札幌対策を施し、カウンターからチャンスを作れていた柏だが、トランジションでバランスが崩れたところを一発で刺されて失点。悪くない流れに持ち込めていた中での失点は痛い。これで前に出ていく意識も必要になった。

札幌は田中駿を押し上げることで右サイドで優位性を作れており、そこをメインに良い攻撃を繰り出せている。

 

27分、札幌追加点、2-0。スローインからチャナティップの1本のパスで背後を取って決め切った小柏。柏には一瞬の隙が生まれ、そして小柏のスピードを抑えきれず。

 

柏は判定に少しナーバスになっていることも含めてか、かなり前から強くいくようになっている。

 

29分、柏得点、1-2。札幌は相手の後方からのつなぎに対して寄せが遅れると1本の縦パスでオープンを作られて失点。柏が少しむきになっていたところをうまく外したかったが、逆にその勢いを受ける結果に。

札幌は人に当てて出ていってはいるが、プレッシャーになり切っていないようなシーンが目立ち、後方の空いたスペースを使われがち。

 

32分、ここはセットする柏。後方からの配球から福森→トゥチッチで決定機。受けに回ったほうがピンチを招くような展開になりつつある。

 

34分、仲間のインスイングクロスにサヴィオが合わせるも枠外。互いにシュートシーンが激増中。

 

41分、金子の運びから小柏→金子でチャンスも枠外。相手DFにあたっていた模様。直近5分くらいは札幌のほうが勢いで上回っている。

 

44分、クリスティアーノを背後に走らせるカウンター。札幌は最後方が1対1になるようなリスク管理になっていることが多く、一発でゴール前までという攻撃を許しやすい。

 

46分、三原の顔に事故的にトゥチッチの足が入る。直前にも競り合いでダメージを受けており、泣きっ面に蜂状態に。

 

両チームともにそれぞれがペースを握った時間帯があり、一進一退ではあったが、よりチャンスを作って仕留めきったのは札幌。相手が引いてきた中での攻め方を持ち合わせており、柏がそこに対応できないシーンが見られた。ただ、リスク管理の面ではスキが多く、カウンターで背後が晒されすぎているのと、2点目直後の失点のように、プレスが弱まった際のスペース管理にはかなり不安があった。

 

後半

柏交代 サヴィオ、仲間→武藤、神谷

両シャドーを入れ替え。神谷が左、武藤が右。

 

46分、札幌追加点、3-1。サイド起点から最後は中央を細かいパス交換で崩して最後はトゥチッチが押し込むだけ。柏は選手交代で仕切り直しを測った中で出はなをくじかれる。

 

51分、三丸の展開から大南⇔高橋祐でチャンスメイク。高橋祐はおそらく初めての攻撃参加。

後半は大南がかなりウイングっぽい高さ取りをしている印象。

→高橋祐も保持時にはSBっぽい立ち位置取りで、おそらくハーフタイムで修正を施した部分と考えられる。

 

52分、柏がビルドアップから武藤→クリスティアーノで決定機も菅野ファインセーブ。札幌の圧がやや弱まっているように見え、柏はライン間でのプレーに長けた武藤と神谷が強みを出しやすくなっているか。

 

54分、左サイドを突破して最後はクリスティアーノのシュートもDFがブロック。両チームのスタイルもあってオープンな展開になりがち。

 

56分、福森への展開から菅のシュート。柏は、前半の田中駿への対応もそうだったが、SBロールになる両選手(田中駿と福森)が上がってくると対応に困る印象。

 

58分、下りてくる三丸にマークがつかず、柏がプレス回避。札幌はマンツーでついてはいるものの、プレッシャーが掛かり切らないので1回抜け出されると危ない。

 

60分、上島にイエロー。次節出場停止。

 

63分

柏交代 ドッジ→椎橋

 

65分、後方からのビルドアップで柏のプレスをかいくぐり、高嶺のスルーパス→菅の抜け出しで打開。トゥチッチが打ち切れなかったが、良い攻撃。

 

70分、ゴールキックのはね返しを起点にクリスティアーノのシュートまで。札幌はリスク管理が怪しい。

 

飲水まで

相手のプレスに対して的確な攻撃を繰り出せているのは札幌だが、守備では圧力が明らかに落ちた上、マンツーでつくことによって後方のスペース管理が不安定なので、柏もそこを突いてゴールまで迫れている。札幌が追加点を取って決着を突けるか、柏が決め切って追いすがるか。

 

73分

柏交代 三原、クリスティアーノ→戸嶋、細谷

75分

札幌交代 宮澤、駒井、チャナティップ→深井、荒野、青木

深井がボランチに入り、高嶺が最終ラインへ入る。

 

札幌は選手交代で少し前の圧力が増し、柏のビルドアップが再び窮屈気味になってきた。ただ、背後へのスペースはあるので、そこを起点にできれば前進できる。

 

82分

札幌交代 トゥチッチ→ジェイ

 

柏は細谷のスペースへの抜け出し、札幌は青木のチェイシングでそれぞれ活性化。

 

87分、椎橋を倒した荒野にイエロー。

終盤は柏が勢いを強めてゴールへ迫り、札幌が受ける展開。

 

90分、相手GKの位置を見てハーフウェイライン当たりからシュートを狙った福森。おそらく枠をとらえていたがスンギュがギリギリでかき出した。

 

90分

札幌交代 福森→西野

 

柏も細谷を先鋒としてゴールへ迫ったものの、ゴールは割れずに終了。札幌はリード時のゲームコントロールに課題を抱えたままではあったが、それ以上に狙いどおりの攻撃で3得点奪えたことが大きかった。トゥチッチの初ゴールを含む2得点、西野のデビュー、ジェイのホーム最終戦での出場など、トピックも盛りだくさんだった。

柏は縦に速い攻撃からチャンスを多く作れたが、菅野に阻まれた場面も含めて最後の決め切る部分であと一歩札幌の守備を上回れなかった。

 

個人的MOM

★高嶺 朋樹

可変で保持時には最終ラインに入ることが多かった彼からのフィード、低い位置でのつなぎでも巧みに抜け出すテクニックが攻撃で効いた。終盤は交代の流れから最終ラインに入ってゴール前で体を張るなど、攻守においての貢献が光った。

 

中継役として多くのチャンスを演出したチャナティップ、作りの部分で安定感をもたらしながら攻撃参加でも存在感を示した田中駿、決定機を好セーブで救い、相手を勢いづかせなかった菅野もgood。

 

トピックス

入場時に赤黒のコレオグラフィー

髪を赤く染めた菅。直前に染めた模様

開始前にペトロヴィッチ監督に挨拶に行くクリスティアーノと武藤。武藤にはおそらく駒井も声をかけに行った。

5分、安易に跳ね返さずにキープしてから縦パスまででつなぐスタイルを体現する高嶺

35分、田中駿の巧みなポジショニングで、狭いエリアでのプレス回避に成功

ハーフタイムに森保日本代表監督がカメラに抜かれる。視察中

65分、高嶺のほぼ後ろ向きからの背後へのスルーパスでチャンスメイク

82-83分、ジェイ投入時、ゴール裏?に現れるイングランド国旗のコレオと「Thank You Jay」の横断幕。そしてジェイはキャプテンマークを巻く

高2でトップチーム登録された西野がJリーグデビュー

試合後、宮澤のクラブ最多出場記録更新の表彰で、登場した子どもたち2人が宮澤に抱き着くほほえましいシーン

全員と挨拶を交わすジェイ。チャナティップのときだけ持ち上げる

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ペトロヴィッチ監督 ]
われわれが立ち上がりから主導権を握って得点を重ね、勝利に値した。相手のネルシーニョ監督はわれわれとの対戦でシステムを合わせてくることが過去に何度かあったが、予想どおりそうした戦いをしてきた。そうしてわれわれの選手も良い戦いをして、相手の守備からのカウンターを少ない回数にしてくれた。得点は1、2点目も素晴らしかったし、3点目も美しかった。攻守で良い戦いができた。失点は自分たちのミスから与えてしまったもので反省が必要だが、それ以上に気持ちのこもった、狙いのある戦いを選手たちは見せてくれたと思う。

--守備的にきた相手から早いうちに得点できた要因は?
ビルドアップの安定が1つ、それに当てはまる。落ち着いてボールを動かせていた。また、前線の選手のオフ・ザ・ボールの動き、連動性が良かった。前を向く、背後を突くという駆け引きのところで先手をとれたのが良かったと思う。ボールとゴールが視野に入る動き出しが効いていたと思う。

--ミラン トゥチッチの得点は来季につながると思うが。
今日の彼は得点をし、良いプレーを見せてくれた。なぜ、もっと早くスタートから使わなかったのか?と思う人もいるだろうが、チームに慣れるまでに時間がかかったというのがある。ただし、そうした中で学んだことが今日のプレーにつながったのだろう。毎試合の経験、トレーニングが今日の得点につながったと思う。残り試合はまだあるが、来季に向けてより役割を果たせるようになっていくのではないかと思う。

--ジェイの札幌でのラストゲームだった。ペトロヴィッチ監督にとってどういう選手だったか。
これまでのキャリアが示すように本当に素晴らしい、得点能力の高い選手。技術力などすべてを兼ね備えている。今季でチームを離れることになったが、特に2017年に加わって多くの得点を重ねる中で、残留に導くなど貢献してくれた。私が来てからも何度もチームを救ってくれた。札幌にとって重要な得点を重ねてくれた選手である。

 

[ ネルシーニョ監督 ]
今日のゲームというのは両者にとって非常にきっ抗した、オープンな展開が続いたゲーム内容だったんじゃないかなと。非常にテクニカルで、両者とも勝利を懸けてファイトしたゲームだったと思います。前半から相当数チャンスを作れていましたが、今日のゲームで決定的に違ったのは、作った決定機を仕留められたか、仕留められなかったか。札幌さんは作った決定機をほぼほぼ仕留めていたと思うんですけども、それに対してウチはなかなか決定機をモノにすることができず、最後までズルズルいって、それが尾を引いてしまった。そういった内容の試合だったと見ています。

--3バックで臨んだ狙いは?
相手の形に合わせるような形をとって、ミラーゲームでいこうと。そういう戦術的な狙いを持って、今日のゲームに臨んだわけです。4バックでいくと、相手とのフォーメーションのかみ合わせが非常に悪い。相手のアタッカー陣は相当推進力があって、技術力の高い選手がそろっているので、守備のところを5バックにして、ウチの選手の役割をより明確にした上で、相手の攻撃をニュートラルにする。それを1つ狙いとして、今日のような形でゲームに臨みました。

 

2021 J1リーグ第37節 サンフレッチェ広島vsFC東京 メモ

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スタメン

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FC東京

森重が出場停止明け。

ディエゴ、レアンドロ、オマリ、中村拓、三田がメンバー外。

内田と鈴木が負傷から復帰。

再び波多野が先発に。

髙萩は古巣対戦。

 

広島

柴﨑とハイネルが出場停止明け。

塩谷がボランチで先発。

鮎川第13節以来の先発。

 

流れ

晴れているが雨が降る特殊な天気。

 

6分、波多野を使った良いプレス回避。広島も前から来て入るが、強度はそこまで上げていないので、落ち着いて繋げるかどうかがポイント。

7分、渡邊が出てきた背後を使ってあっさり前進する広島。東京はプレスの連動がうまくいっていない。

 

11分、広島先制、CKからファーでフリーになった塩谷がボレーでゲット。押し込み始めていた時間帯ですぐに先制できた。

 

あまり詰めてこない広島に対してパス交換をしながら空く場所を探す東京。安部が前を向いて前方にパスを送り、アダイウトンが個人でシュートまで。

 

広島は左で作り、佐々木-東-エゼキエウのコンビで打開を図る。復帰戦の内田はかなり対応にてこずっている。

東京は後方に枚数をかけてビルドアップを行うので前線でアダイウトンがポイントになれないと厳しい。

 

飲水まで

立ち上がりこそ拮抗した流れだったが、10分あたりから広島がペースをつかむと、ボールを持って支配。主に左サイドからのパス回しでチャンスを作る。FC東京はカウンターに出るシーンもなければ、ビルドアップでも安定感や怖さはない。ブロック守備も簡単に崩される状況。

 

28分、青木が最終ラインに下りるビルドアップ。

30-31分、右サイドで深いところをとってからゴール前→こぼれ球で髙萩のシュートまで。初めてシュートらしいシュートを打てたシーン。

 

34分、フワッとプレスに行って外される東京。連動性が低い。

髙萩は左右に幅広く動いて起点づくりにいそしむ。

東京の保持の時間が続く、1点リードの広島は多少持たせても大丈夫という余裕もあるか。

SBとSHのパス交換、ブロックの外でのパス回しに終始する東京。ライン間や背後でポイントを作れない。

 

44分、アダイウトンが1人だけでシュートまで。

45分、左奥に流れてパスを引き出すアダイウトン。ようやく深さを取れるパスが出てきた。

 

飲水後あたりからは東京がボールを持つ時間が長くなったが、おそらく広島がリードしたことでテンションを落としたことが要因。少しずつゴール前へ近づけるようになってはいたが、基本的にはブロックの外で回す時間がほとんどで、怖さは出せていない。広島はカウンターに出ていける場面もあるので、持たせても大丈夫という感覚になっていそう。

 

後半

47分、PA内で鮎川が倒されるもノーホイッスル。

 

49分、左に張って待つアダイウトン。2トップが流れがちなのでSHのボランチがフィニッシュに絡まないと厚みが出ない。

 

49-50分、ボールと関係ないところで座り込む柴﨑。ハムストリング?

50分

広島交代 柴﨑→茶島

東京は森重が持って、渡邊-長友のところで打開を図る。

 

57分、東京同点、1-1。プレスでハメ切った直後のスローインからゴール前へ送ったボールをアダイウトンが押し込んでゲット。広島ははね返しのところの対応がフワッとしてしまい、スキを与えた1回で決め切られた。

 

60分前後からかなり前からの圧力を強める東京。

 

62分

FC東京交代 東→永井

永井をトップに入れてアダイウトンを左SHへ。

 

65分

広島交代 ハイネル、エゼキエウ→青山、サントス

67分、右からのクロスに大外の東が折り返し、茶島にシュートチャンスも東京が粘りの守備。4バックに対してよく見せる東の大外折り返し。

広島の押し返す時間帯。サントスの仕掛けからチャンスも東のシュートは枠外。

 

飲水まで

広島も特に崩されそうな雰囲気はそこまでなかったが、一度の対応の隙から追い付かれた。60分からは東京のペース、飲水直前は広島のぺースになりつつあった。ともにチャンスが増えそうな展開になってきている。

 

70分

FC東京交代 アダイウトン、内田→紺野、中村帆

71分、永井が林からボールを奪取しチャンスも、パスがゴール前で合わず、広島の戻りが間に合う。

74分頃、広島はWBの左右を逆に。東が右、藤井が左。

 

75分、東京のビルドアップに広島がプレスをハメ切って東のシュートまで。

 

77分、CKから森重がフリーで合わせるもGKの正面へ。少し距離もあったのでコースへ飛ばさないと難しかった。

野上がCKの競り合いの中で負傷。歩いているので軽いものではありそう。

80分

広島交代 鮎川、野上→浅野、住吉

80-81分、安部からボールを奪った広島がショートカウンター発動もラストパスが合わず。

 

82分

FC東京交代 安部→品田

84分、左から仕掛けてクロスを送った藤井のボールがそのままクロスバーをたたく。

 

86分、東京逆転、1-2。永井が受けたカウンターから最後は紺野がカットインからスーパーミドルを突き刺した。

 

最後は全員で体を張って時間を使い切る東京。耐える時間が続いたが、守り切って3試合ぶりの勝利。前半は低調だったものの、後半途中に前から行く決断がはっきりしてからは少し勢いが出た。1-1のまま終わりそうでもあった中でひさびさの出場機会に飢えていた紺野がスーパーゴールを突き刺して勝負あり。互いにモチベーションが見つけにくい一戦で、個人としてモチベーション高く入った選手の活躍で勝敗が分かれた。

 

個人的MOM

★紺野 和也

停滞するチームに希望の光をもたらしたゴール。チームとして前半まではモチベーションがどこにあるか見えづらかったが、リードを奪ってからは確実にリードを守り切ろうという気持ちの強さを感じさせた。新しい何かが必要な状況の中で彼が結果を出したことはチームにとって非常に大きな出来事だった。

 

トピックス

塩谷は復帰後初ゴール

15分、アダイウトンのオーバーヘッド

29分、渡辺のナイスカバー

40分、森重の正確な対角フィード

84-85分、永井のパーフェクトコントロール

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 沢田 謙太郎監督 ]
負けてしまいました。前半に良い形で点を取れて、このままいきたいなと思ったんですけど、そう甘くもなかったですね。前半にちょっと押し込まれる時間が増えていきながらも危険なシーンはなくて、後半に入って少し押し返したので、ある程度は落ち着いてできるかなと思っていたんですけど、ちょっとミスが出たり、「いまそこで失うとキツいな」っていうシーンが出てしまって、その中でスキを突かれてしまったということだと思います。このスキをなくしていかないと、勝つのは難しいとあらためて思いました。

--1失点目のところがポイントだったと思います。集中が切れていたような感じがしましたが。
あの瞬間のところは見ていたんですが、全体のところをまだ細かく分析できていないので何とも言えないところなんですが、本当に言われたとおりです。相手のプレッシャーを受けた中でミスが重なってスローインから始まり、スローインに対して守備の陣形を整えることが遅れていたかなと思います。それは押し込まれた時間が多かったからなのか、ただ単に切り替えが遅かったからなのか、もう一度見ないと分からないと思っていますが、準備が遅かったのは事実だと思います。

 

[ 森下 申一監督 ]
リスタートで1失点して、そこで慌ててしまうかなと思いましたが、30分過ぎから非常に良い形が出てゴール前に行く回数が増えてきたので、なんとか後半に1点取ってこっちのリズムにしたいと思ったところで、アダ(アダイウトン)が取ってくれた。そこからこっちのリズムになり、最後はコンちゃん(紺野 和也)が自分の形を持ってシュートを決めてくれて、理想的な展開だったと思います。

--前節と今節でこれだけ結果が違った要因はどこに感じていますか?
前節は徳島に1対1での戦いや気持ちで負けていた部分があったけど、そこを修正して、今日は戦うこと、球際やシュートブロックで広島さんを上回れたなと。勝利に対するどん欲さがこの間のゲームで目が覚めたと思っています。

--後半はボールを前につけ、自分たちの時間が長くできていたと感じましたが。
前半の30分過ぎから右SBの内田(宅哉)から良いボールが供給され始めて、後半はそこに青木(拓矢)や(髙萩)洋次郎などが前に運んでくれて、それがまずアダのゴール、そして最後は紺野のゴールにつながったと思います。

--監督としては初勝利となりましたが。
最高にうれしいですが、まだホームで1試合あるので、そこに向けて準備しないといけないと、次のことで頭がいっぱいです。

 

2021 J1リーグ第36節 柏レイソルvsアビスパ福岡 メモ

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スタメン

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先発は前節とまったく同じ。

サブは細谷に代わって瀬川が復帰。

 

福岡

先発を4人交代。

グティエレスは久々の出場&先発。

奈良、宮、クルークスがメンバー外。

吉岡と城後がひさびさのメンバー入り。

4試合ぶりに4バックに回帰。やはり3バックは相手のシステムに合わせたオプションだった模様。

 

流れ

50秒、仲間にシュートチャンスも村上が詰め切る。結果的にオフサイド

 

福岡はアバウトに前へ送り込んで敵陣へ入り、そこからのチェイスで圧力を掛けていくイメージ。相手ボールになっても敵陣でプレーできればokといった戦い方。

どちらかというと柏のほうがつなぎたがっている雰囲気があり、序盤は福岡の割り切った戦いにやや苦戦中。

 

柏は仲間と武藤の左サイドでポイントを作る組み立てが多い。2トップは純粋なFWでないこともあって頻繁にサイドに流れる。

 

福岡がCKを多く取れており、2トップ&2CBに高さと強さがある選手を使っているので迫力がある。キッカーにサロモンソンもいることから福岡としてはセットプレーを多くとれるいまの展開を続けられれば悪くない。

 

どちらも同じシステムでかみ合うので、個人戦術やグループ戦術でのプレス回避が重要になる。福岡のほうが重量級を前に置いているぶん、強烈なプレスはかかりにくい印象だが、中盤のハードワークでカバーできているようにも見える。

 

15-16分、大南のストレートクロスに仲間のダイレクトボレーもヒットせず。フリーで打てたが、ミートが難しいボールだった。

 

17分、中村がCB間に下りる3バックビルド。グティエレスの運び→フィードでフアンマへ届け、フィニッシュまで。福岡が1つ簡単な工夫からチャンスを作り出した。

福岡もボールを持つようになっているが、ショートパスから打開する意志はなく、効果的なロングボールを入れるための後ろでの作り、という印象。

 

柏はトランジションでボールサイドに流れたクリスティアーノに預けてポイントを作ろうとしている。

福岡は中村を下ろした[3-1]ビルドを軸にし始めた。

 

23分、左サイドを攻略してから志知のグラウンダークロスに金森。シュートはうまくヒットしなかったが、良い攻撃シーン。福岡が相手2トップ裏で前を向けるようになっている。

 

柏は中央のコンビネーションを見せて福岡の守備を中に集めてから外、という攻撃。ただ、単純にクロスを入れただけでは福岡の高さと強さを上回れない。

 

飲水まで

柏もゴール前まで行けてはいるが、福岡が意図するゲームの流れになっている印象。福岡はロングボールを軸にしながら敵陣へ入って、2トップの強さを生かす攻撃。また、セットプレーでもok。自陣で受けてもコンパクトな陣形でゴール前では自由にさせない守備ができている。強いて言えば、危なかったのはビルドアップミスからの被ショートカウンターだけ。

 

30-31分、柏が持つ時間。武藤とクリスティアーノがライン間を狙う動き直しを見せる。

武藤は右に左に動いて中継役になる。

 

36分、前のアーリークロスにマリが飛び込むもわずかに合わず。仲間のプレスバックが合って時間を与えられなかった中での、前のさすがの視野とキック。

 

41-42分、前のカットからカウンター。マリを運び役にするとなかなかスピードは上がらず、ドッジに対応される。杉本や金森に運んでもらう流れが理想だが、なかなかその形には至っていない。

 

柏はショートカウンターが繰り出せるとゴールへ迫れそうな雰囲気が出る。それだけ福岡のブロックを攻略するのは難易度が高いように見える。

 

30分以降は柏がボールを持って攻める時間が長くなったものの、福岡の守備を崩せそうなシーンはほとんどなかった。武藤がライン間でポイントを作れていたがそこから先の攻略が難しい。ただ、福岡も前線のセット的にカウンターは不向きなので、相手に持たれ続ける展開はあまり好ましくない。序盤のように敵陣でのプレータイムを増やしたい。

 

後半

40秒、金森の力強い運びからマリのフィニッシュ。

 

49-50分、サヴィオクリスティアーノで中央を打開し、決定機も村上好セーブ。こぼれ球も福岡守備陣が粘り強い対応でゴールを死守。柏はこの試合最大の決定機。

51分、杉本のプレス回避から一発でマリへ送り決定機も高橋祐がブロック。ダイレクトな展開で互いにチャンスを作る。

 

56分、中央でのコンビネーションでの打開がハマりだしている柏。福岡の粘りも効いているが、確実にゴールへ近づいてきている。

56分、競り合いの際に出血したマリ。フィールド外で治療。

59分、止血処理をしてキャップをつけて戻ってきたマリ。

 

62分、杉本のスルーパスからチャンスメイク。福岡がゲームを落ち着かせられ、ビルドアップからペースをつかみつつある。

 

65分、杉本のプレスバックから一発でフアンマへ。「ゴール前からゴール前へ」という展開が後半は増えている。

67分、サロモンソンのFKにグローリが合わせるもサイドネット。遠目からでのFKでも怖さがある。

 

クリスティアーノが相手CBと五部で競り合えることと、セカンド回収の速さで柏が上回る。再び攻撃に迫力が出てきた。福岡の中盤の出足も遅れ始めている印象がある。

 

飲水まで

徐々に柏がペースをつかみ始めている。福岡も前や杉本のテクニックで違いを出しながらゴールへ迫るシーンもあるが、2トップを生かせるシーンはかなり少なくなった。福岡は中盤にやや疲れが見え始め、スライドに遅れがあるように見えるので、そこをどうとらえるか。

 

73分

福岡交代 金森→田邉

74分、前―フアンマでチャンス。PA内でフアンマが倒れるもノーホイッスル。またしても杉本と前の絡みからのチャンス。

75分、サロモンソンのふんわりクロスにフアンマが合わせるも正面。2トップを生かせるシーンが出てきた。

飲水明けからは一気に福岡のペースに。

 

78分

柏交代 武藤→瀬川

80分

福岡交代 フアンマ、杉本→渡、吉岡

82分

柏交代 サヴィオ→戸嶋

85分

柏交代 仲間→神谷

 

福岡は渡が入ったことで前線の圧力が強まった。

柏も押し返してはいるが、福岡のほうが効果的にゴールへ近づける展開は変わらず。

89分、吉岡のクロスに渡のボレー。意外性のあるシュートを持った渡らしさが出たがシュートは正面。

91分、柏が中央でのコンビネーションから打開して神谷にシュートチャンスも決め切れず。角度がなくなり難しいシーンではあった。

 

最終盤は互いに圧力を強めて相手ゴールへ迫ったがゴールは生まれずに終了。惜しいシーンがありながらもどちらも決定打が打てなかったことを踏まえると妥当な引き分けと言えるか。互いに守備陣の粘りがゴールを割らせなかったというとらえ方もできる。

 

 

個人的MOM

★前 寛之

中盤においてビルドアップ、ラストパス、守備でのハードワーク、パスカットなどその貢献は多岐にわたった。彼がいたからこそビルドアップからチャンスメイクができ、守備でもコンパクトな陣形で守れたとも言える。

 

前とともにチャンスを多く作り出した杉本の存在感も抜群。柏では、ライン間でポイントを作り続けた武藤や、体を張って最後方を引き締めた高橋祐がgood。

 

トピックス

37分、前の視野、状況判断の速さ、キック精度すべてがともなったクロスからのチャンスメイク

後半45分、球際から力強く出てきてチャンスメイクする金森

55分、後ろから来たボールめっちゃトラップする武藤

57分、サヴィオ「ball!!ball!!」

62分、前がプレスを受けた中でも狭いパスコースを見つける

試合終了直後、疲労なのか出血の影響なのかピッチに横になるマリ

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ネルシーニョ監督 ]
非常にきっ抗した内容の試合となりました。今季の福岡は失点数が少なく、非常に守備面が安定しているチームです。そういったチームに対してわれわれがどのように攻撃を仕掛けるか、そこが1つわれわれとしてはカギになったわけです。ただ、ゲームを通して今日ピッチで戦ってくれた選手たちは技術的な部分、戦術的な部分において非常によくやってくれたと思います。

相手の1つの狙いとして、空中戦に持ち込むというのがあったと思うので、前半の終盤にはそのペースにのまれてウチも長いボールを蹴り込むだけになってしまった時間帯がありました。「非常に守備が安定しているチームなので、そのチームに対してボールを蹴り込んだところで、自分たちが狙いとしている形が生まれない」とハーフタイムに選手たちに声をかけました。

後半に入ってからは「しっかりと自分たちでボールを握ってテンポを作ろうと。慌てても仕方ないんだ」という話をしたかいもあって、ボールを握りながらチャンスを作れたと思います。後半に入ってからはよりボックスに進入する機会を作れたんじゃないかなと思います。ただ、今日はなんといってもボールがゴールに入りませんでした。支配率だけを見れば、もう少しわれわれが優位に進められたゲームになっていてもおかしくなかったと思っています。

 

[ 長谷部 茂利監督 ]
前回の戦いもそうでしたし、試合前の予想どおり、柏さんの統制の取れた守備をどうやって崩すかも含めて難しい試合になりました。点数も取れませんでしたし、取らせなかったというところで予想どおりのゲームでしたが、1点を取れば勝てたんじゃないか、もちろん1点を取られたら負けていたかもしれないゲーム、五分五分のゲームだったと思います。

--見ごたえのあるゲームでした。
攻守両方、攻守の切り替えのところすべてにおいて、(自分たちと柏は)一番良いものを作り上げているという点で似ていると思います。集中力を切らさずに得点を狙い、失点をしないように、また切り替えのところでという意味では両チームが良く戦った、そういうゲームだったと思います。

--今日、勝点1を積み上げたことで、すでに確定させていた残留と目標の1つである50ポイントの獲得に続き、10位以内を確定しました。
非常にうれしいです。皆さんに難しいと言われ、思われた目標を達成して、クラブとチームの歴史のページをめくった、1つステージを上ったなと思いますし、2試合を残しての52ポイントなので、非常にうれしいです。去年も含めてアウェイで難しい試合で勝点1を積み上げた経験はたくさんあります。この勝点1の積み上げが結果に大きく影響していることを選手もスタッフも感じて、今後の自分たちの活動に生かしていきたいと思います。

勝ちを目指して引き分けているので、最初から引き分けを目指していない中での勝点1なので、チームの戦い方とか考え方は選手に浸透していると思います。相手に簡単にやられないようにしながらも自分たちは勝利を目指してきました。ただずっと皆さんにも話し続けてきましたが、得点を取るところの質は簡単には高まりませんが、そこも質が上がれば取れそうな場面が少しずつ増えてきている、その意図も共有できているとも感じます。そこをどうにかして結果に変えたいなと思っています。

 

2021 J1リーグ第36節 鹿島アントラーズvs大分トリニータ メモ

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スタメン

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鹿島

永戸が6試合ぶり、遠藤が3試合ぶりのメンバー入り。

広瀬とカイキがメンバー外。

和泉が4試合ぶり、エヴェラウドが11試合ぶりの先発。

 

大分

直近の試合から先発を4人変更。

刀根、井上がメンバー外に。

野嶽は加入後初先発。ペレイラは約5カ月ぶり、二度目の先発。

増山が5試合ぶりの復帰、即先発。

小林裕が9試合ぶりの先発。

 

流れ

勝点3だけが必要な両チームとあって、入りからどちらも積極的。

 

メンバーをいじってきた大分だが、システムはいつもと同じ。

5分を過ぎたあたりから鹿島が保持して大分が受ける構図になってきた。大分はセットした守備でそこまで奪いに行かず、逆に鹿島は高い位置からでも球際に強くいって奪いにいく。

 

大分はシャドーを低い位置まで下げて[5-4-1]で構える。WBやCBを最終ラインから外さないように中盤がハードワークする。

 

一発で刺せる呉屋が最前線で残っているとはいえ、やや受けすぎている印象がある大分。得点も必要な状況で、どのタイミングで攻撃に出ていくプランなのか。まずは0-0の時間を長くして後半勝負?

 

15分、大分がWBを押し上げた守備をしてきたときは、中央からサイドに流れて深さを取りにいく鹿島。

序盤よりは危険なシーンが減ってはいるが、自陣ゴール前にはりつけのような形になっている大分。

 

鹿島は土居の起点が効いており、前進と押し上げに困っていない。また、エヴェラウドがいるのもあってか、多少アバウト気味でも積極的にクロスを上げていく。

 

19分、大分は小林裕を下ろした可変ビルドで変化を加えようとするが、なかなか前進の手段が見つからない。

20分前後から大分が持てるようになったが、鹿島のタイトなマークに対してなかなか前でのポイントが作れない。リスク管理も含めてか、後方からのロングボールに呉屋を走らせるケースが多い。

 

飲水まで

序盤は完全に鹿島ペースで進んだが、徐々に大分も落ち着ける時間を作り始めてきた。大分としては受けに回った時間帯で我慢できたのは大きい。ただ、以前鹿島ペースには変わりない。大分としては不用意な形で攻撃を受けないようにリスク管理をしながら、一瞬の隙からゴールを奪えるか、鹿島は相手の撤退をどう攻略するか。

 

再び鹿島がボールを持つフェーズに移ったが、ブロックの中へ入り込めず、シュートまで持っていけない。

 

大分は高木からのロブパスがプレス回避のポイントになるが、ここまでは精度が伴わず、被カウンターの引き金になりつつある。

→35分はナイスフィードで前進成功。

35分、渡邉→呉屋でシュートまで。呉屋は多少雑に渡してもシュートまで持ち込めるスキルがあるので速いパスを打ち込みやすい。

 

40分、大分が1枚ずつずらされて中央へスルーパスを通されかける。呉屋や渡邉がファウルなどの判定を巡ってナーバスになっていそうで、若干無理目にプレスを掛けたところからズレた。

 

42分、呉屋にイエロー。冷静さを欠きつつあった呉屋に、おそらく繰り返しのファウルによる警告。

43分、エヴェラウドの落としから土居の決定機。高木が好セーブ&結果的にオフサイド。エヴェラウドが中央で受けられればゴールへ近づける雰囲気がある。

 

プレスが掛かってもビルドアップが安定してきた大分。高木が仮左CBのような位置に入り、仮4バックを形成。

 

ラスト3分くらいは鹿島が決定的なシーンを作ったが、大分もぎりぎりで我慢し切った。鹿島のほうがチャンスシーンを作ってはいたが、大分も数回のチャンスで惜しいシーンは作っており、プラン的にはうまく運べていたのではないかと思う。

鹿島はエヴェラウドをどれだけ生かせるか。大分は保持をより安定させてボールを持つ時間を長くし、対人で強い相手CBとの競り合いを外せるかがポイントになりそう。

 

後半

45分、リスタートを邪魔する呉屋。イエローをもらっているので要注意。

 

渡邉と町田のサイドが入れ替わっている。

→前半途中から?

 

49-50分、大分のチャンスからエヴェラウド単騎のカウンターと両ゴール前であわただしい展開。

51分、大分の良いビルドアップからのスピードアップ。渡邉を倒して止めた三竿にイエロー。次節出場停止。

52分、運ぶピトゥカを倒す呉屋。おそらく2枚目のイエローに限りなく近いリーチ状態に。

 

53分

鹿島交代 和泉、土居→荒木、永戸

永戸を左SBに入れ、安西を1つ前のSHに押し出す。

 

~56分、側頭部当たりから出血?があった様子の町田浩。一度ピッチから出て、三竿がCB位置に入って応急処置。

59分、町田がピッチに戻る。

 

60分、セットプレーのこぼれ球から渡邉のミドル。惜しくも枠外。スンテも枠内へきていたら止められていそうではあった。

 

中に入ってくる傾向があった和泉に対して安西は外。外から中に持ち運んで、その背後から永戸が追い越していくような連係に。かなり左寄りの攻撃が増えている印象。

プレスのスイッチを入れ始める鹿島。大分は段々ビルドアップが息苦しくなっている印象。ここも高木のフィードがカギを握るが、あまり効果的につなげていない。

 

65分、エヴェラウド→上田

鹿島ペースになりつつある中、FWを入れ替え。

 

飲水まで

大分も良い時間を作れていたが、徐々に鹿島ペースに。大分はプレスをくぐれない状況に戻り、自分たちの時間が作れない。鹿島が早めの選手交代でギアを上げているのに対し、大分が1枚も替えていないのも対照的。

 

71分

鹿島交代 町田→犬飼

脳震盪の疑いがあった町田を交代。脳震盪による交代のため、交代回数に含まれない。

 

押せ押せの鹿島、我慢の大分。

75分、荒木のカットインミドルを高木がファインセーブ。

その後もぎりぎりの対応が続く大分。鹿島はあと一押しのところまでは来ている。

大分は前半から中盤にハードワークを課していたこともあり、かなり疲労の色が濃くなってきている。

 

80分

大分交代 町田、増山→伊佐、トレヴィザン

いつもの攻撃的[4-4-2]ではなく、布陣はそのまま[5-4-1]。トレヴィザンを真ん中に入れてペレイラと小出をそれぞれ右にスライド。

 

81分、安西のクロスから上田でシュートチャンスも枠外。

 

大分はシャドーが少し前へ出てプレスを掛けるので、鹿島は斜めのパスが有効的。

 

86分

大分交代 野嶽、小林裕→香川、野村

 

鹿島ペースの中で大分もカウンター一刺しを狙いたい意志は感じるが、精度が伴わない。

89分、ピトゥカの強烈ミドルはギリギリ枠外。

最後の防波堤として粘りを見せるトレヴィザン。

 

91分

大分交代 渡邉→長沢

鹿島交代 アラーノ→遠藤

 

93分、遠藤のシュートは高木の正面へ。鹿島は本当にあともう一押し。

 

70分過ぎあたりから一方的な展開に持ち込めた鹿島だが、最後までゴールは割れず。最後の迫力を出せるのは鹿島の強みだが、大分の我慢が一歩だけ上回った。逆に大分はこの試合だけで見れば価値ある勝点1。ただ、残留のために勝点3だけが求められた一戦で、終盤にまったく反撃に出られなかったのは痛恨だった。1人である程度収められる長沢を早めに入れても良かったようにも思えるが、大分ベンチは別の判断で交代カードを切った。

他会場の結果を受けて大分の降格が決定した。

 

個人的MOM

★高木 駿

リーグ後半戦は出色の出来で、このゲームでも勝点を手繰り寄せるセーブを何度も見せた。勝ちにつなげられなかったものの、劣勢の中で最後まで勝点3獲得の可能性を残せたのは彼の活躍があったからこそ。

 

大分側では最終ラインにパワーを加えたペレイラ、途中からの出場で防波堤として機能したトレヴィザンの貢献も見逃せない。

鹿島は組み立てからゴール前での迫力を作り出したピトゥカ、左サイドで攻守に躍動感を与えた安西が良かった。

 

トピックス

52分、ピトゥカのグングンドリブル

極限までリーチ状態になった呉屋を下げない片野坂監督

飲水後、メディカルの再チェックを経て、交代の指示が出される町田浩。本人は「できる」というようなリアクションを見せたが、メディカルが制止

試合後、誰よりも涙する下田

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 相馬 直樹監督 ]
残り3つとなったところで、ACLに向けてなんとか最後一緒に戦おうということで集まってくださった、たくさんの方々にまず感謝したいと思います。ただ、今日勝点3が必要だった中でつかみ取ることができませんでした。本当に選手たちは用意していた部分を意識しながらやってくれたと思いますし、相手も今日のゲームにかかっているものがある中でも、われわれの時間が長いゲームになりました。

最後のところで「あと少し」というゲームをしてくれたと思います。ただ、その「あと少し」を超えていかなければいけないなとあらためて思いました。(ACLに)ストレートインの3位以内がなくなってしまったんですけど、そういうふうに感じています。

残り2つあります。まだ4位の可能性もありますので、そこに向けてホームとアウェイで1つずつになりますけど、そこに向けて、また少し頭が下がってしまう状況ではありますが、ファイティングポーズをとって次に向けて準備できるようにしたいと思います。

--昨季の最終節もACLがかかった中で1点を取ることができなかった。あと一歩、あと1点が最後まで遠かった要因はどう感じていますか?
何かしなければいけないとなると非常に難しいです。それが分かって簡単に解決できるのだったらサッカーは簡単なものになりますけど、そういうわけではないので、この世界にいる以上、言われたとおり昨年のデジャブとは言わないですけど、スタジアムの雰囲気も含めてですね、そういうところはあったと思います。

ただ、こういうものを乗り越えないといけないと思いますし、力をつけていかなければいけない。またそれが何かを探す部分を含めて、これという1つのことではないと思いますし、いろいろなことを含めてというふうに思います。

 

[ 片野坂 知宏監督 ]
今日もカシマスタジアムに大分のサポーターにたくさん来ていただき、最後まで応援していただいた。本当にありがとうございます。勝点3をプレゼントできなかったこと、今日のゲームは勝点1になったが、残念ながらJ2降格が決まったこと。本当に悔しい思い、残念な思いをさせてしまったこと。そして、スタジアムに来れない方々、大分トリニータに関わるすべての方々に対して、このような結果になったことはわたし自身の責任でもあり、本当に申し訳なく思っている。申し訳ありませんでした。

選手は今日のゲームもそうだが、これまでもしっかりと準備をして、最後まであきらめず戦ってくれた。そういう中で、わたしが選手に対してのプレーを引き出せなかったこと、勝ちにつながるゲームができなかったこと、本当にこれがすべてわたしのまだまだ力が足りないところだと思っている。

なんとかここまでJ1で積み上げてきたことを、来季もJ1でさらにレベルアップできるよう、試行錯誤しながら選手とともにやってきたのだが、このような結果になってしまったことが本当に残念でしかない。

J1での試合も残り2試合。次はホームで最終戦横浜FC戦、そしてアウェイの最終戦の柏戦。とにかくこれまで応援していただいた方々に対して喜んでもらえるゲーム、勝てるゲーム、勝つゲームをしっかりと準備していきたい。

 

2021 J1リーグ第36節 サガン鳥栖vs北海道コンサドーレ札幌 メモ

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スタメン

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鳥栖

岩崎が契約上出場不可、中野嘉が出場停止(もともと契約上出場不可)。

小泉が出場停止明け。

松本が二度目の出場で初先発。

飯野がメンバー外。

白崎が3試合ぶりの復帰。

高橋が4試合ぶりのメンバー入り。

 

札幌

菅がメンバー外。

中村が6試合ぶりのメンバー入り。

 

流れ

両チームとも積極的な立ち上がりで強めにプレス、球際に激しくいくことで行ったり来たりとファウルが増える展開。

 

4分、右で深さを取ってから、流れるようなパス交換で仙頭のミドルまで。怖さのあるシュートにはならなかったが、攻撃の形を1つ作った。

 

高嶺か福森とのマッチアップなら安定して収められそうな酒井。鳥栖の最終ラインは寄せられたら彼へ届ける意識がありそう。

 

ともにトランジションから一気にゴールへ迫る意識はそこまでなく、保持から押し込もうという狙い。

どちらかというと鳥栖のほうが攻守において高い位置でプレーできる時間が長い。

 

2CB気味になるエドゥアルドと島川に小柏とチャナティップ、小泉に荒野をマークにつける札幌。

 

10分、ボールと関係ないところで座り込む大畑。6分頃に着地で足を痛めるようなシーンがあったが、それの影響か。歩けてはいるが、強度は出せないような状況と判断したか。

12分

鳥栖交代 大畑→小屋松

 

15分、金子がインサイド、田中駿が大外の立ち位置で金子が中で受けてプレス回避。鳥栖はIHがCBまでアタックに行く設計でもあるので、その背後が空きやすいか。樋口は中央を埋めつつも福森へ出ていく意識が強い。

 

20分、中盤で前向きにカットした札幌がショートカウンターを仕掛けるも精度が上がらず。鳥栖は配置を入れ替えながらパスを回していたのがあだとなってバランスが崩れたところを突かれた。

 

札幌は仙頭の背後で金子が受ける形でポイントを作ろうとしている。鳥栖は配置的にはそこを捕まえ切れていないが、その後の人に対する強度の高さでカバーする。

駒井が右CB位置に入るビルドアップが増えた。

 

両チームともにゴール前で良いシーンは何度か作っているが、連係やパスの質が上がらずシュートまでいけないことが多い。

また、前向きで奪いたい意識が強いことから前向きの出足の良さがあるぶん、背後のスペースは広く、CB位置の選手の負荷は高そう。

 

飲水まで

どちらもゴール前までは近づけているが、決定機はない。鳥栖は最後の連係がクリアできればゴールまでいけそうな雰囲気はあり、守備面でも意図的に奪えていそうなシーンは多い。札幌は保持率こそ6割近く、支配できている“っぽい”雰囲気ではあるが、うまくいっている印象はあまりない。

 

IH裏で起点になるチャナティップ。やはり札幌は左右どちらでも同じポイントを狙っているか。

 

飲水明けからはより札幌のペースになってきた。鳥栖トランジションで息継ぎができず、落ち着ける時間がない。

 

37分、鳥栖先制、1-0。札幌のビルドアップで菅野がサイドへのパスをミスすると、火っとした樋口が1人でPA内に持ち込んで決め切った。札幌は良い時間になっていただけに痛恨の失点。

 

スコアが動いても札幌が持つ構図に大きな変わりはないが、1点のリードを得たぶん、鳥栖には余裕が出てように感じる。

 

43分、右で作ってから小屋松のフィニッシュまで。徐々に鳥栖が押し返しつつある。札幌は福森が樋口に出ていくので、右サイドの対応は同数のときが多い。

 

札幌が押し込み始めた飲水後の時間帯に鳥栖が先制するという不思議な展開。ただ、鳥栖も睨みをきかせてはいたので、その狙いの延長でゴールにつなげられたとも言える。札幌は前半勝負型のチームなので、押していたタイミングで得点できず、ビハインドでの折り返しはかなり難しい状況。WB(特に金子)がかなり激しく上下動を繰り返していた印象もあり、体力面の不安は大きい。

 

後半

札幌交代 深井→ミラン・トゥチッチ

トゥチッチが最前線で小柏がシャドーへ、荒野がボランチに下がる。

 

荒野が右CB下り役。整う前に攻められるとCBとして振る舞わなければならなくなる。

 

立ち上がりは鳥栖がチャンスを作ったが、札幌が持って鳥栖がカウンターを狙う構図は前半とだいたい同じ。よりFWらしいトゥチッチが入ったことでゴール前の怖さは少し増すか。

 

札幌の後方からのつなぎに対して前から行く鳥栖。札幌は地上でのビルドアップはうまくいっていないが、中盤での囲い込みの速さで上回り、優位に立てている。

 

58分、右サイドを小柏が突破して金子にチャンスも、打ち切れず。札幌は一度回収して保持を落ち着かせるとゴールまで入り込める攻撃を見せる。鳥栖はプレスでハメ切れるが、そこから自分たちの保持の時間に持ち込めない。

 

札幌は自陣からのロングカウンターで4枚くらいがフルスプリントで出ていったシーンなど、切り替えでのスピード感がかなりある。

 

67分、中央でのコンビネーションから青木のシュートまで。鳥栖は中盤が前に出ていく分、セカンド回収役がおらず、蹴らせても相手に拾われるシーンが目立つ。また、かなりタイトに突かれるので、思考の時間がもらえない。

 

飲水まで

鳥栖もチャンスがないわけではないが、ほぼほぼ札幌の展開。ただ、札幌はかなりハイペースで体力を消費している印象なのと、ビルドアップがそこまでうまくいっていないので、運動量が落ちたときにどうなるかは不安材料。

 

70分

札幌交代 小柏→ジェイ

鳥栖交代 白崎、酒井→山下、相良

 

守備時は山下の1トップの[5-4-1]気味?WBがあまり前に出ず、重心を低くしたような印象を受ける。1トップ周りはボランチが出て、そのボランチの背後にはCBが出てくる仕組みから、札幌は中央突破がしやすくなりそう。

 

鳥栖は重心を下げたように見えるが、ジェイとトゥチッチがいることを考えると危険な判断にも見える。あえて下げたのか、それとも下げざるを得ないのか。

 

75分、荒野にイエロー。

77分

鳥栖交代 仙頭、小屋松→高橋、田代

田代はジェイの高さ対策と思われる。

77-78分、早速ジェイと田代のマッチアップ。

 

79分、相手ゴール前で混戦を作り出した札幌にチャンスも鳥栖DFとGK朴がギリギリで対応。逃げ切り体制に入っている鳥栖だが、安定して受けられているわけではない。

 

82分、抜け出したトゥチッチに決定機も朴が巧みに距離を詰め切った。

鳥栖は重心を下げてからは特に防戦一方。前のターゲットが山下のみなので、彼が1人で収め切れない限り、鳥栖の時間は訪れない。また、いくら田代がマークについているとはいえ、ジェイを抑えきれていない。

 

攻撃の時間を作れない中で、ドリブルで存在感を放つ相良。打開まではいかないが、札幌側は嫌がっていそう。

 

92分、金子のシュートは朴の正面。ハイボール処理で田代が被ったところから札幌のチャンスに。

93分、小泉にイエロー。

 

近年の鳥栖らしい試合展開に持ち込めない中でも勝ちに持っていけたことは明るい材料。ラスト10~15分は割り切った守備に移行して、欲を出さずに1点のリードを守りにいく潔さもあった。ただ、プレスが決まりながらも中盤で拾えない、パス回しで相手のプレス強度を上回れないなど、課題は挙げられる。

一方で札幌は“自分たちの時間”で失った1点が重くのしかかった。運動量と切り替えの強度を高めながら主導権を握り、攻撃的な選手の特徴を生かしながら攻めたが、ゴールは奪えず。特に後半の内容であれば最低でも同点まで、あわよくば逆転まで、という展開にしなければならなかった。

 

個人的MOM

★酒井 宣福

前半は体を張ったプレーで前線のポイントに、後半は豊富な運動量と的確なコース切りでのプレスで相手のビルドアップを妨害。プレスが思うようにボール回収にはつながらなかったものの、飲水前まで防戦一方というまでの印象にならなかったのは彼の貢献も大きかったように感じた。

 

防戦の展開の中で投入された相良は少ないチャンスでもらしさを出し、良い意味で若さを感じさせるプレーを見せた。

 

トピックス

×大畑が負傷交代

36分、田中駿のダブルタッチで交わしてからのスルーパス

64分、樋口の1人プレス回避

相良もソックス下げ族

PAの端っこまでボールを運んで、1秒でも多く時間を使う朴

94分、画面奥で足を伸ばす札幌の複数選手。かなり運動量を上げていたのでおそらく限界が来ていた

試合後、勝利の安堵感からなのか松本が涙。そこに鳥栖の面々がもみくちゃになるように集まる

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 金 明輝監督 ]
札幌さんに久しぶりに勝てたことを素直に喜びたいですし、ホームの後押しを受けて、ファン・サポーターのおかげでしっかり選手が足を止めずに最後までプレーしてくれたことをねぎらいたいと思います。

--札幌の[4-1-5]でビルドアップする形に白崎 凌兵選手が中盤のラインに落ちる[5-4-1]の形で対応していたと思います。前後半、それぞれの守備についての出来をどう感じていますか。
守備に関しては基本的にはほぼパーフェクトにできたかなと思います。相手に合わせるとどうしてもギャップが生まれて、簡単に進入させてしまう形になってしまう。マンツーマン気味の守備をして高い位置で引っかけて点を取るというところで、狙いどおりに点が取れたかなと思います。ただ、奪った瞬間にソロになることが多く、われわれはいつもグループで前進していく中で、個々の能力は札幌さんも高いので、少し奪われるシーンが多かった。後半はアクシデントもあったりして、交代を先に使ってパワーを前で出せなかったところもあったし、交代枠の加減で代えないといけない状況もあったが、トータルで見て良かったと思います。

--飯野 七聖選手のコンディションの問題だと想像しますが、松本 大輔選手を右のウイングハーフで起用しました。ほかにもあの位置ができる選手がいる中で、彼に与えたタスクと働きぶりをどう見ていますか。
難しいジャッジでしたが、飯野のコンディションも含めて、松本は以前、札幌と対戦しているという温度感も大事にしたかったし、彼の悔しさもあったでしょう。彼の努力を約1年間しっかりと見てきたので、どこかではと思っていた中でこのタイミングだった。しっかり結果で応えてくれたかと思います。ただ、手放しで喜べるようなプレーばかりでもなかったと思うし、自分自身が分かっていると思う。ここからまた成長していってくれるのかなと思っています。

 

[ ペトロヴィッチ監督 ]
前半はなかなか自分たちのビルドアップがうまくいかない中で、チャンスらしいチャンスが作れなかった。逆に鳥栖のほうがチャンスを作れていたかというと、そういうわけでもない。互いの良さを消し合うような前半だったと思うし、典型的な0-0で折り返す展開だったと思う。ただ、その展開の中で自分たちがミスをして、そこをしっかり突いたのが鳥栖だった。後半はビルドアップが改善されて、しっかりと自分たちの形を作ることができた。相手を押し込む形で4~5回、得点になってもおかしくないチャンスを作れていたと思うが、そこをなかなか決め切れなかった。決め切れていたならば結果は違っていただろうし、少なくとも引き分けられたと思う。そのくらい後半は自分たち本来の戦いができていた。後半のような戦いが前半からできていれば、試合はわれわれのほうに傾いたと思う。

--ビルドアップがうまくいかなかったとのことだが、具体的にはどういった部分か。
ショートパスを使ったり、ボールを持ち運んだり、あるいはクサビを入れたり。そうしたものを狙いを持って行うのがわれわれのビルドアップである。しかし、今日はボールの動かしが遅く、止めて探すシーンが多かったと思う。横へ、横へのパスが多かったり、あるいは最終的に長いボールを使ってしまったり、なかなか自分たちが意図するような意思疎通ができていない前半だった。ボールを運ぶ、入れて落として背後を狙う。相手のプレッシャーを外すにはいろいろなやり方があるとは思うが、そういったところの意思疎通がなかなかうまくいっていなかったのではないだろうか。また前半は、相手のほうが若干、動きにキレがありアグレッシブだったと思う。対してわれわれは1歩、半歩遅く、そうしたところがうまくいかなかった要因だと思う。

サッカーなので立ち上がりの出来が悪いことはある。その中でハーフタイムに修正し、後半は盛り返した。その後半はチャンスを作れていたが、今季に関してはチャンスを決める割合が非常に悪く、そうした決定力不足というのは今季途中から抱えている課題である。その部分は今日も改善できなかったが、引き続き根気強く取り組んでいくしかない。今日あったチャンスを2つ決めていれば勝利していたかもしれないが、それも含めてサッカー。決して下を向くような戦いではなかったと思うし、チームが修正力を持って戦えたと前向きに捉えている。

 

2021 J1リーグ第36節 セレッソ大阪vs川崎フロンターレ メモ

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スタメン

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C大阪

大幅にメンバーを入れ替えた前節から再び入れ替えて、前々節のメンバーに近い人選に。

現役引退を発表したばかりの大久保がメンバー入り。原川とともに古巣対決。

 

川崎

ジェジエウは前節の負傷で離脱し、メンバー外。

ダミアン、家長、谷口、登里が2試合ぶりの先発復帰。

アウェイでの代表活動帰りの谷口、山根、旗手は特に問題なく先発に。

山村、丹野が古巣対決

 

流れ

セレッソがハイプレッシャーでくる中でも、低い位置からつなぐ川崎。

セレッソはプレスを掛けられたらジンヒョン→大外のSBで逃げ道を持っている。

 

セレッソは少しテンションを落としたが、川崎はダミアンが積極的に追い回す。

 

4分、川崎先制、0-1。セレッソは重心が低いながらかなりコンパクトな陣形を組んでいたが、川崎がその狭いところを強引に突破し、こぼれ球をダミアンが押し込んだ。セレッソとしては守れている感覚もあったように見えたが、川崎が相手だとそれが通じない部分があったかもしれない。

 

加藤vs谷口のマッチアップが何度かあるが、単純な競り合いに持ち込まれてしまうと谷口が圧勝しそうな雰囲気。加藤はなんとか駆け引きの勝負に持ち込みたい。

 

川崎はWGの背後に入れられると3センターがかなりボールサイドに圧縮するので、逆サイドは空く。セレッソとしては密集をくぐってオープンなサイドに展開したい。

 

両チームともに足を滑らせるシーンが目立っており、ピッチの状態が良くないのかもしれない。

 

12分、カウンターから家長のシュートまで。セレッソはプレスを掛けられてもある程度つなぐ意思を見せるが、それを逆手にとって谷口の奪取からショートカウンターを仕掛けた川崎。

 

14分、中央突破を図る川崎。セレッソもブロックは組めているが、川崎のパス回しのスピードがそれを上回る。

セレッソはライン間へは遅れるが、背後へはなかなか出せない。川崎の守備陣は人にタイトにつけばインターセプトに持ち込めると感じていそう。

 

16分、セレッソが中央での細かいコンビネーションから加藤のシュート。フィニッシュ精度は上がらなかったが、ゴールへ近づいたシーン。清武、奥埜、原川のセットだと、ゴール前の連係と厚みが増す。

 

18分、ジンヒョン→丸橋でのプレス回避から、瀬古→松田陸への展開。前進こそできていないが、保持の時間を増やす上で、彼らのフィード能力は貴重。

 

20分、ビルドアップで列を移動しながら中央で受け手になり続ける橘田。車屋の運びと球出しもさすが。

 

飲水まで

先制点を取れたことも含めて川崎のペースで進んではいるが、セレッソも押されっぱなしではなく、しっかりとビルドアップで優位に立てている時間もある。ただ、安定して敵陣へは入れてはおらず、1stプレスを外したあとの前進がここからの課題か。川崎はハメ切れずにセットし直す場面も何度かあるが、自陣で穴ができてはいないので、微調整できれば問題ない。攻撃は試行回数が増えればチャンスは作れそう。

 

27分、奪いどころとみたセレッソが人数をかけてボールへチャレンジに行くが、すれすれで交わされ続けて、橘田→マルシーニョで疑似カウンター。西尾がギリギリカバー。セレッソのアタックのタイミングも寄せのスピードも全然悪くなかったが、川崎がことごとく上回ってくる。

 

30分、清武のシュート。丸橋への展開から中央でのコンビネーションから。

 

38分、マルシーニョの仕掛け。セレッソはSHのスライドが間に合わないと一気にPA付近まで進入される。

車屋も加藤に空中戦圧勝。セレッソは最前線に単純に蹴るだけだと確実に跳ね返される。

 

39分、川崎追加点、0-2。パスミスでボールを失った川崎だが、トランジションの速さで囲い込むと橘田が二度の球際を制して、家長→ダミアンでゲット。まさに「ピンチをチャンスに変える」攻撃。

 

アディショナルタイム付近に中央への縦パスからのスピードアップでゴールに迫ったセレッソだが、得点は生まれず。

 

セレッソは決して悪い出来ではないが、2失点で折り返す結果に。川崎は個人レベルでの切り替えの早さ、キープ力の高さ、パススピードの速さがあり、その平均値でセレッソを上回っているような印象。1点目のように少しの隙から、2点目のように相手のチャンスかと思われたところからのひっくり返し、など、チャンスを量産できなくとも少しの穴でも的確に突いてくる。セレッソも何度か訪れたチャンスで1点でも決められていれば違った展開になっていたかもしれないが、その部分で差が出たのがスコアに反映されているとも言える。

 

後半

セレッソ交代 加藤→大久保

45-46分、ビルドアップで丁寧にはがしてから原川のシュートまで。ソンリョンにセーブされたが、安定した保持で良い攻撃を見せた。

 

46分、2CBのリスク管理をかいくぐってマルシーニョがGKと1対1もジンヒョンが間合いをうまく詰めて好セーブ。

48分、川崎追加点、0-3。登里→ダミアンでPA内へ進入し、混戦からマルシーニョが押し込んだ。マルシーニョはJ初ゴール。セレッソは良い入りをしたかに思えたが、守備のバランスが崩れたシーンが二度続き、二度目で刺された。

 

マルシーニョに背後を取られたシーンを含め、トランジションのバランスが崩れているシーンが目立つセレッソ。また、自陣でのブロック形成時に中盤のフィルターがいなくなっている場面も多い。川崎に崩されているのか、非保持のバランスを変えたのか。

 

61分、手を使って脇坂を倒した西尾にイエロー。

62分

セレッソ交代 山田→松田力

 

セットプレーのカウンターから旗手にチャンスもまたしてもジンヒョンが立ちはだかる。

 

飲水まで

セレッソもビルドアップは安定しており、プレスを外して相手ゴール前まで進める場面はあるが、決定的なチャンスは少ない。逆に守備でのバランスをやや崩し気味なぶん、マルシーニョを軸にしたカウンターを受けやすくなっている。

川崎は中盤での寄せの速さと強度がまだ落ちず、CBの競り合いでも上回れているので要所での我慢が効く。

 

70分、左への展開からスピードアップで中央突破狙い。セレッソはやはり密集をくぐってオープンサイドに展開できれば良い形になる。

 

72分、松田陸のミドルをソンリョンがわずかに触る。

川崎交代 マルシーニョ、登里→宮城、大島

大島がIHに入り、旗手が左SBへ。

 

70分あたりからセレッソペースが続く。敵陣でもって押し込む。

 

76分、川崎の強烈なカウンタープレス。ファウルにはなったが、尋常じゃないスピード感だった。

77分、ボールを保持して攻める川崎。“相手の時間帯”を長く続けさせないのが強者たるゆえん。

78分、カウンターから丸橋のクロス→松田力でチャンスもソンリョン好セーブ。

78-79分、セレッソ得点、1-3。直後のCKの流れから原川→丸橋で崩し、最後は奥埜がヘディングでゲット。押し始めた時間帯で1点を返せた。

 

79分

川崎交代 脇坂→遠野

82分

川崎交代 旗手、家長→山村、小林

山村がCBに入り、車屋が左SBへ。

 

83分、セットプレー崩れの流れで最後は瀬古のボレーも枠外。惜しいところまでは来ている。

84分

セレッソ交代 原川→高木

高木が左SHに入り、清武がボランチに下りる。

 

84分、川崎得点、1-4。右をコンビネーションで崩してから遠野のクロスを宮城がボレーで合わせてゲット。セレッソは勢いを削がれる失点。

 

88分、中盤で奪った川崎がショートカウンターから宮城にチャンスも、またしてもジンヒョンが巧みに詰め切る。

 

セレッソはクロス攻撃が増加。高さはないが奥埜が後ろから飛び込んで来ることで中の厚みはある。

 

何度も言うようにセレッソも内容自体は良かったように思うが、川崎はそれ以上に良かった。セレッソは複数点のビハインドを背負ったため、後半はバランスを崩してピンチも増えたこともあるが、1-4というスコアはセレッソの内容を見たら妥当には感じられない。ただ、川崎は途中出場の遠野と宮城で4点目を奪ったように、誰が入ってもハイクオリティーであることを示しており、その強さは間違いなかった。

 

個人的MOM

★橘田 健人

アンカーとして守備範囲の広さ、球際の強さ、ビルドアップでの第一経由地点の受け手としての質、どれをとっても一級品の出来。攻守において彼のところで安定感と違いが生まれていたように感じた。

 

2得点のダミアン、セレッソがハイラインを敷いたことでストロングが強調されたマルシーニョもgood。

4失点したとはいえ、巧みな間合い詰めで少なくとも三度の決定機を阻止したジンヒョン。保持で外へ逃げ道を作るフィードでも貢献した。中盤で90分ハードワークを続けながらゴール前のターゲットにもなり続けた奥埜、フィードと最終局面の体を張るプレーで存在感を示した瀬古&西尾のCBコンビもgood。

 

トピックス

入場時、なぜか山田だけロビーくんのぬいぐるみを持って入ってくる

5分、得点後、負傷離脱したジェジエウのユニフォームを掲げるダミアン

45+1分、ダミアンvs瀬古、ダミアンの勝ち

55分、西尾の対角フィード。何度かみられる

81分、坂元の2人抜き

91分、車屋を出し抜く坂元

試合後、登里とユニフォーム交換する大久保

川崎ゴール裏に挨拶へ行く大久保。川崎時代のチャントを流す粋なセレッソ運営。大久保を“13回”胴上げする川崎の面々

その後、少し気まずそうにセレッソゴール裏へ行く山村と丹野

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 小菊 昭雄監督 ]
最初の失点が重く圧し掛かったというのが1つと、試合を読む力で相手が1枚も2枚も上だったと思います。後半も入りでやられて、1点を返したところで追加点を取られた。(相手の)決め切るところで決める決定力、強いプレッシャーの中でもボールを失わない技術、グループとしての連動、そこは大きく感じました。今日の対戦を必ず生かして、次のリーグ戦2試合と天皇杯へ向けて、今日の敗戦があって成長できたと言えるように、チームとして取り組んでいきたいと思っています。

--引き過ぎることなくアグレッシブな姿勢で臨んだ一戦で、あらためて感じた川崎Fとの差と、その中で得た収穫は?
川崎はチームとして守る時間帯と、攻撃のパワーを強く出していく時間帯、チームとして試合の流れを読む力が共有されているなとあらためて感じました。私たちも、チームとして時間帯を共有することが必要だなと、課題として感じました。逆に自分たちがしっかりとボールを握りながら、ファイナルゾーンまでボールを進めたところも多かったと思いますので、そういったところは評価できる部分だと思います。あとはその回数を増やしていくこと、そして今日の川崎のように決め切る決定力、そこは個人として、グループとして突き詰めていきたいと思います。

--試合前日、大久保 嘉人選手の今季限りでの引退が発表されました。今日は後半からの投入でしたが、今日のプレーをどう感じたか。また、残り試合で彼に望むことは?
0-2という厳しい状況の中で、嘉人を後半から投入したんですけど、彼が入ってからチームの攻撃力、ゴールに向かう姿勢、矢印は強くなりました。会場の雰囲気も含めて、嘉人の力は大きいなとあらためて感じました。そういった中で、たくさんの決定機も作ってくれました。今後も変わらず、いつもどおり日々のトレーニングから若い選手たちに背中を見せ続けてほしいと思います。12月19日の天皇杯決勝まで1カ月を切りましたが、彼から学ぶことはたくさんあると思いますので、若い選手たちは一日一日を大切に、たくさんのことを吸収してほしいと思います。

 

[ 鬼木 達監督 ]
アウェイで難しいゲームになると思っていた。選手がアグレッシブにやってくれたことに感謝したい。良い時間に得点を重ねられた。ゲームコントロールの部分で失点はもったいなかったが、すぐ取り返した。気持ちの入った良いゲームだった。

--前節での敗戦後、そしてジェジエウ選手の負傷後の試合。どんな部分を意識して臨み、それが結果に表れたと思うか?
アウェイの地ですし、あとは(大久保)嘉人の引退などの話もあった。ここのグラウンドに立つときに、しっかりした気持ちで戦わないと難しいゲームになると話していた。気持ちの入るスタートを切ってくれたと思うし、前節の反省として失点を簡単にしないとか、自分たちから点を取りにいくというところで、少しずつ改善と成長を感じられるゲームでもあった。より強度やスキのないチームになっていければいい。2週間も空いて難しい入りのはずだが、自分たちが主導権を握りながらという戦いは、今までより攻撃的にやりたいと表現して、それを出してくれたと思う。

--大久保選手が引退表明。どう感じたか?
まずは律儀な男なので、昨日の朝イチで電話をもらって、「お世話になりました」と言葉をもらいました。まだまだやりそうかなという記事も読んでいたので驚きもあったが、電話がかかってきたところでイヤな予感もあった。「お疲れさま」と話をしましたし、彼のような選手と出会えたことは指導者の自分にとってもプラスになる。ルヴァンカップ決勝などの惜しい場面など、「ああいうのが嘉人だよね」と思った。みんなが止まっているときに動いているようなプレーはみんなの参考になるし、引退までやり続けられたのが素晴らしい。まだまだできると思うが、決断してやめるのも尊重したいと思う。

 

2021 J1リーグ第36節 横浜FCvsヴィッセル神戸 メモ

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スタメン

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横浜FC

ガブリエウ、松浦が3試合ぶりの復帰。

サウロ・ミネイロがメンバー外。それに伴って渡邉が7試合ぶりの先発。

 

神戸

18人のメンバーは前節とまったく同じで、先発は郷家→中坂の入れ替えのみ。

 

流れ

エンドを変更。

 

立ち上がりから神戸が持って横浜FCが受ける構図。ただ、横浜FCも間から追ってボールを奪いにいく守備を見せる。神戸はGKを使いながらつなぎ、近場が塞がれれば蹴っ飛ばす。

横浜FCは取りにいっているが、イニエスタやサンペールらを潰しきれず、思うように奪えない流れが続く。ヴィゼウやシルバの推進力で陣地回復を狙うが、彼らが相手の複数人の囲い込みを上回らないと厳しい。

 

6-7分、松尾がサイドからぶっちぎってチャンス演出。酒井を外した上で1対1に持ち込めればゴール前までは行けそう。

 

8分、神戸先制、0-1。イニエスタがワンテンポおいてからのスルーパスで大迫が左サイドを抜け出し、自分でPA内まで持ち込んでゲット。横浜FCは高い位置からプレスを掛けたことで背後にスペースができ、そこを的確に崩されてしまった。

 

横浜FCは前から行く姿勢を変えず蹴らせるが、神戸は武藤と大迫で競り合いも弱くないので、そこでのセカンド回収が重要。

 

13分、瀬古のフィニッシュ。おそらく横浜FC初シュート?

 

16-17分、飯倉→サイドで、落としに武藤が背後へ抜け出す形。オフサイドになったが、相手のプレスをひっくり返すのに良い手。

 

飲水まで

少しずつ横浜FCもボールを持てるようにはなってきたが、ほぼほぼ神戸ペース。横浜FCは前から追っても思うように回収できず、失点もハイラインのデメリットが出たような形。また、ミネイロがいないことでカウンターの色も薄く、どの局面からゴールを奪いたいのかがまだ見えてこない。おそらく保持局面での得点を目指していそうだが、であればその時間が全然作れていないのでかなり厳しいここまで。

 

28-29分、相手のパスミスを武藤が奪ってカウンター。前を塞がれ気味だったが積極的に前へ仕掛け、大迫に渡したあとに大迫が岩武に倒されてPK。横浜FCからしたら厳しめの判定だったが、安易なパスミスPA内に進入されたのが痛恨だった。

PKをイニエスタがしっかり沈めて0-2。

横浜FCの面々の表情を見ると、2点目はかなりダメージが大きそうに見える。

 

横浜FCは安易なパスミスが多い。一方で神戸は守備の個人戦術レベルが高く、球際を作ればかなり高い確率で奪い取れる。

 

35分、セットプレーから菊池が押し込むが、大迫がオフサイドを取られノーゴール。横浜FCは命拾い。

 

42分、セットプレーから武藤が合わせるも惜しくも枠外。神戸はセットプレーの迫力もあり、横浜FCは頭が痛い。

 

神戸がボールを持って攻め、トランジションでも圧倒。特に中盤より前の選手のプレスバック意識がかなり高く、横浜FCは判断が少しでも遅れると簡単に食われる。横浜FCDAZN集計でシュート2本(うち1本は直接FK)で、保持からほとんどチャンスを作れず、安易なミスも散見した。プレスもうまくハマったシーンはほぼなく、全局面において上回られたと言っていい。

 

後半

神戸交代 イニエスタ→郷家

余裕が出てきたのでコンディション調整を考慮しての交代か。

 

良い入りをしたのは神戸。山口が絡んだコンビネーションでゴールへ近づく。

 

ビルドアップから縦パスが入り、マギーニョのミドル。保持からの作りにおいてはこの試合で一番良いシーンだったかもしれない。

49分、シルバのミドル。外国籍選手たちは遠めからでもパワーシュートが打てるので、こぼれ球への反応も大事になる。

 

徐々に保持の時間を伸ばす横浜FC。神戸が少しテンションを落としたからかもしれない。神戸は規制が甘く、外でフリーを作ってしまう回数が多い。特に武田からのクロスを許している。

 

55分、武藤と大迫のカウンター。横浜FCはどうしてもこういうカウンターは受けてしまうので、守備陣がなんとかするしかない。

 

57分

神戸交代 中坂→井上

 

神戸は3センターの脇、大外を埋めきれないので、そこを起点にして進入される回数が多い印象。また、トップ下の両脇にボランチを置かれて対応が難しくなっている。

 

62分

横浜FC交代 ヴィゼウ→松浦

 

横浜FCはIHが前に出てきたら空けたところにシャドーが下りるなど、論理的なビルドアップを見せられるようになってきた。後半から瀬古がしっかりつなごうという意識を見せていることと、松浦の投入が効いているか。

 

飲水まで

50分頃からは横浜FCのペース。前半とは逆で神戸がうまく奪えない流れになっているが、横浜FCもゴールへ迫っているようなシーンはほとんどないので、想像よりもメンタル的には困っていないのかもしれない。

 

71分、神戸が久しぶりに相手のビルドアップにハメ切ってショートカウンター。この形が作れると神戸も流れを引き戻せそうだが。

 

72分

神戸交代 大迫→リンコン

 

マギーニョのところの強度が個人単位でかなり上がっている。初瀬に渡った瞬間にスプリントでプレス、背後を取られたあともスプリントでプレスバック。

 

75分

横浜FC交代 渡邉、武田→ジャーメイン、高木

79分

神戸交代 初瀬、武藤→小林、佐々木

 

神戸は中盤でのパス回しは悪くないが、リンコンのところで時間がかかって囲まれたり、プレスにかかりやすいパス選択などが目立つ。

 

83分

横浜FC交代 シルバ、岩武→安永、中村

 

神戸は佐々木がしきりに背後への抜け出しを狙う。

横浜FCは敵陣で持つ時間が長くなっているが、シュートまでいける攻撃はほとんどない。

 

90-91分、中村俊輔のFKもGKがキャッチ。中村と飯倉の元同僚対決。

 

横浜FCは最後までシュートシーンというシュートシーンがほとんど作れないまま、完封負け。前半で主導権が握れず、ミスがらみの失点も含めて2点ビハインドになり、後半は完全に押し込みながらも迫力のある攻撃を見せられず。たらればを言えば、受けに回った前半のミネイロ不在は痛かったように感じる。スペースを消されて守られると松尾のスピードも生かせず、攻め手が見つからなかった。

神戸は前半はほぼ完ぺき、後半で押されたのは反省材料だろうが、今季はうまくいっているクローズのところがこの試合でもうまく決まった。菊池とフェルマーレンの最後の砦が堅かった。

 

個人的MOM

★大迫 勇也

1得点にPK獲得と全得点に関与。横浜FCが圧力を高めて入ってきた中で、最前線で彼が収められる、競り勝てるポイントがあったのは神戸にとって大きなプラスになった。

 

トピックス

6分、武藤のプレスバックから上手な体の入れ方で奪取。その後味方と見間違えたのか相手にパスを出すところまでセット

6-7分、松尾のぶっちぎり

30分、2失点後、チームを鼓舞する早川監督

34分、イニエスタのとんでもラストパス

36-37分、松尾まつり。1人で運んでPA手前でのファウル獲得まで

60分、山口のノールック鋭角パス

72分、交代で下がった大迫がベンチでアイシング?処理を施す。代表戦も含めてやはり負荷が大きくかかっているのかも

82分、1対1を制した菊池が神戸ゴール裏に向かってガッツポーズ

試合後、涙を流すヴィゼウ。まだ数ヵ月しかいないクラブにもかからわず大きな責任を感じている様子

ゴール裏への挨拶では、一部ブーイングのような声が聞こえる

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 早川 知伸監督 ]
0-2での敗戦になり、非常に残念です。J2に降格し、自分のミッションが達成できなかったことに悔しい思いでいっぱいです。

なかなか前線からプレッシャーが掛からず、神戸さんのクオリティーもあり、ボールを奪う回数が少なくなってしまった。相手の背後へのランニングで最終ラインが引っ張られ、難しい状況になった。その中でも自分たちが準備してきたものを出して、良い形でボールを奪えたり、狙いを持ってできたところもあった。しかし、結果的に個の質のところで失点してしまい、難しくなってしまった。2失点目も奪われてカウンターからPKという形で、そういうシチュエーションは望んでいた形ではありませんでした。

後半、0-2から粘り強く守備をして失点せずに1点取れるようにゲームを進め、交代もしていったが、最終的には[4-4-2]の形にして2トップでゴールに向かう形を探った。それも含めて、結果的にゴールを奪えなかったことは、結果論から言えばなかなか難しい選択だったなと思います。ただ、このような結果になったものの、サポーターの皆さんがスタンドを埋め尽くして応援してくれたことに感謝したいし、降格は決まりましたが、最後まで残り2試合、結果を求めて戦っていきたいと思います。

--サウロ ミネイロ選手の欠場で、攻撃のプランに変更はあった?
基本的には変わりません。もちろんサウロのパワーやスピードというものはありますし、(渡邉)千真が入ることでボールが収まったり、そこを起点に攻撃という狙いはありましたが、自分たちの狙いが大きく変わるところはありません。

--J2降格が決まったが、途中就任してチームを立て直す難しさは?
この場で一言で答えるのは難しいが、いくつかある中の1つとして、チームを自分が率いてからなかなか現状把握に時間がかかった。就任してすぐ連戦が続いて、なかなか練習ができない中でチームを作っていかなければいけない難しさがあった。チームとしても、コロナの影響で何人かが欠場したりして、主力メンバーをある程度固定しながら戦うというところにも難しさを感じていた。ただ、中断明けからチームとしても練習とゲームも重ねる中で整理できたり、補強選手たちが活躍してくれることでよりチーム一丸となってJ1残留のミッションに向かっていけた部分はあったが、残念な結果になった。まだほかにもあると思うが、いま考えられることは以上です。

 

[ 三浦 淳寛監督 ]
試合の入り方を含めて今日は試合開始15分で1点を取ろうと入って、実際に10分くらいに得点を取れた。特に前半に関しては、本当に良いプレーがたくさんあったと思うし、しっかりと点を取って良いペースで進められた。ピッチになかなか水をまけない中で、そのピッチに合った戦い方をすることに関して、背後への動きなど選手たちはよく意識したんじゃないかと思う。後半はどうやってゲームを終わらせるか。当然ながら2-0というのは難しく、1点を取られたら分からなくなるし、そこはバランスを見ながら選手たちがよく理解して戦ったと思う。

--3位以上確定は次節以降に持ち越しとなったが、ACL出場権獲得に向けてこの勝利の大きさは?
どの試合も大事な試合ですが、今日の試合は本当に大事な試合だと理解していた。なかなかしっかりと勝ち切るのは難しい状況だったとは思うが、うまく前半で得点して、リードを奪ってしっかりとゲームを締める、どうやって終わらせるのかに関しては非常に良かったと思う。

--アンドレイニエスタ選手を前半で交代した意図は?
正直、今日のアンドレスには言うことがないですよね。前半の攻撃もそうですが、守備も含めてゲームの中で中心となり、王様のようなプレー、素晴らしかったと思います。本人は後半もプレーを望んでいました。ただ、少し足のハリがあるということで、ハーフタイムで交代させました。プレーはしたいと言っていたんですが、以前もアウェイでの鳥栖戦のとき、彼が素晴らしいプレーをしたときに筋肉系のケガをしたことがあった。彼はプレーを望んでいたが、あとはほかの選手たちがしっかりと役割を果たしてくれると信じて、そこはしっかりと話をしながら交代することに決めました。

--大迫 勇也選手が先発出場し、得点も決める活躍を見せた。代表から戻ってすぐだったが、状態は問題なかった?
そうですね。90分はもたないだろうという中でも、やはり先発でチームの士気を高める、試合の入り方がすごく重要という話をする中で、サコ(大迫)が先発してくれるとチームは雰囲気もガラリと変わる。サコを生かすために近くに選手を置きたいというのも頭にあり、そういう連係も非常に良かったと思います。その中で彼がしっかりとゴールしてくれたということで、サコに関しても今日は言うことがないですね。素晴らしいプレーだった。