がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2021 J1リーグ第36節 ガンバ大阪vs名古屋グランパス メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20211122223331p:plain

G大阪

三浦が約3ヵ月ぶりに復帰し、先発。それに伴って先発を続けていた佐藤が8試合ぶりのメンバー外。

 

名古屋

マテウスが今季初のメンバー外。

キム・ミンテが2試合ぶりに復帰。

 

 

流れ

立ち上がりから両チームともハイテンション。特にトランジションでの中盤はかなり激しい。

 

3-4分、稲垣の左足ミドルは東口が正面でキャッチ。名古屋は相馬と前田の両WGの仕掛けを軸に攻める。

5分、髙尾がバックドアで背後を取ってチャンス。吉田豊の背後を取ろうとする狙いが見える。

6分、シュヴィルツォクのコントロールミドル。名古屋はシュート意識がかなり高め。

10分もたたないうちに両チームともに何度かのチャンスシーンがあり、激しくなりそうなことを感じさせる序盤。

 

7分、名古屋先制、0-1。柿谷の内側サポートからワンツーのような形でスペースへ抜け出した相馬から最後はシュヴィルツォク。ガンバは人についていく守備だったので、スペースをとられると三浦が相馬とスピード勝負をしなければならず苦しかった。

 

名古屋は木本が2トップ脇、もしくは最終ラインに下りるサポート、稲垣は基本的に2トップの間か背後。

名古屋はこれまでの戦いと比較するとどこか守備のがっちり感を感じない立ち上がり。背後を取られる(取られかける)シーンも散見し、なにかがハマっていない印象。

 

16分、相馬を潰す髙尾。ガンバは一貫して人に強くつく。特に最終ラインはガツンと当たっていくくらい。

名古屋は柿谷が中盤のカバーに入る[4-4-1]ブロックでシュヴィルツォクはあまり動かさないで最前線に残す。1点リードもあって、組織を崩すリスクを避けてラインを下げて対応する。

 

18分、右サイドを完璧に崩したガンバ。侵入しようとしたところでギリギリ対応されたが、名古屋の穴が一瞬見えたシーン。

19分、中央からサイドで背後へ抜け出す藤春へパスが出るも惜しくも合わず。ガンバは相手SBの背後を取って中央に折り返せればよいシーンが作れそう。

 

21分、名古屋追加点、0-2。ガンバがボールを持って支配する展開になっていたが、名古屋が中盤で奪うと前田の運び&仕掛けから最後は柿谷がゲット。まずは守備で崩れないことを優先しながらも一発を刺し切れる名古屋の鋭さとしたたかさが際立つ。

 

飲水まで

ガンバも全然悪いとは思わないが、リスクをとった守備の方法と、攻勢を強めていた時間帯での一瞬の隙を突かれて失点。内容がダメダメではないとはいえ、この時間帯での2失点はきつい。どれだけメンタルをブラさずに続けられるかが重要。

 

25分、久しぶりに前からプレスを掛けた名古屋。飲水のタイミングで、もう少し前から行く回数を増やそうという指示があったかもしれない。

シュヴィルツォクがほぼ棒立ちに近いので、最終ラインにプレッシャーを掛け続けるのは難しい。ただ、飲水前よりもラインを上げたように感じる。

 

28分、名古屋追加点、0-3。吉田豊に出ていった髙尾の背後に相馬が抜け出し、折り返しにシュヴィルツォク。名古屋の攻撃もうまくいったが、ここはガンバの守備が整理し切れずにバランスが崩れた。

 

29分、相馬を手を使って倒した倉田にイエロー。次節出場停止。

30分、左サイドを攻略するガンバ。やはり髙尾と藤春の背後に抜け出せる特徴を踏まえると、サイドからの崩しがガンバの攻撃のポイント。

 

宇佐美を含めて2列目の選手が流動的に動いて、細かいパスワークで穴を探す。

 

 

3点差がついてからは名古屋も少しずつらしい守備を取り戻していったような気がする。ガンバはサイドを攻略できたタイミングで1点でも取れれば全然違っただろうが、そこで我慢が効いたのも名古屋らしさなのかもしれない。実際にガンバは2本しかシュートが打てず、ゴールに近い位置にはいながらもランゲラックを脅かすまでは至っていない。

 

後半

ガンバ交代 髙尾、山本→柳澤、奥野

 

45分、シュヴィルツォクの左からのコントロールミドル。ギリギリ枠外だったが、シュート精度の高さが尋常じゃない。

 

良い入りをしているのは名古屋。ガンバは早いタイミングで選手を2人入れ替えたものの、テンションを上げる雰囲気はそこまでない。

 

52分、ガンバ得点、1-3。前からハメに行ったところで奥野の奪取を起点にPA内に進入。稲垣が戻ってなんとか触ったが、ランゲラックに難しいボールが行ってしまい、パトリックがカットしてそのままゴールへ。

 

53分、柳澤にイエロー。

寄せ自体にそこまで強度は無いが、全体を押し上げて高い位置からプレスに出ていくようになったガンバ。

 

58分

ガンバ交代 倉田、小野瀬→福田、山見

藤春を左CBに入れ、柳澤右・福田左の両WBで5バックに。山見とパトリックの2トップ、宇佐美のIHのように見える。

→山見と宇佐美の2シャドーかも

 

圧力を強めるガンバに対してなかなかボールを持てなくなる名古屋。山見がスイッチ役として効いている。

トランジションで囲まれるとかなり苦しいが、一度セットしてしまえばビルドアップでうまくまわせれば持つ時間は作れるので、落ち着けるポイントを確保したい名古屋。

 

65分、左からのピンポイントクロスにパトリックが合わせるもGKの正面。完全にガンバが主導権を握り始める。

 

飲水まで

序盤は押されてもシュヴィルツォクの個人技でポイントを作れていた名古屋だが、徐々にガンバの圧力を交わせなくなり、防戦の様相が強まる。ガンバはメインキャストの選手たちを多く下げて5バックにしたが、フレッシュになったからかプレスに強度が増し、攻勢を強められている。

 

69分、菅沼も藤春もかなり高い位置まで出てきてセカンド回収に備えているので、おそらく最後方は三浦だけでシュヴィルツォクを見る形になっていると思われる。

70-71分、柳澤が吉田豊の背後を取ったところからの混戦をパトリックが詰め切ったが抜け出しのところがわずかにオフサイド。名古屋は手堅く守れているというよりも対応し切れていないシーンも多い。前半にも似たようなシーンがあったが、ワイドの選手の背後への飛び出しを捕まえ切れない。

ゴール前に人数をかけすぎるあまり中盤で拾える人がおらず、シュヴィルツォクまで届けられないと息継ぎをする場所がない。そのシュヴィルツォクも3人くらいを相手にしなければならないことも多く、そうなると簡単には収められない。

 

76分

名古屋交代 木本→長澤

 

79分

ガンバ交代 井手口→ウェリントン・シウバ

奥野が中盤を1人で見ながら、その前に山見と宇佐美がいるような形。ほぼほぼ4アタッカーシステムで前の動きはかなり流動的。

 

82分

名古屋交代 前田→森下

森下を右WB、柿谷を右SHにした[5-4-1]。よく見るクローズの流れ。

 

84分、パトリックにイエロー。アフターチャージが目立っていたので、おそらく繰り返しによる警告。

 

88分

名古屋交代 シュヴィルツォク→山﨑

89分、名古屋に回されて我慢できなかった宇佐美が稲垣にファウル。相手の術中にハマりにいくようなプレーでメンタルの不安定さが見える。

 

ガンバは最後まで血走らせて点を取りに行ったが、名古屋が5バックにしてからはうまく逃げ切られた印象。名古屋の選手が巧みに時間を使って、ガンバの鼻息の荒さを逆手に取ったずるがしこい試合運びも目立った。トータルで見れば名古屋のほうが強かったというのは間違いないが、ガンバも後半は長い時間で主導権を握り、1-3で負けるような内容でもなかったように思える。だからこそ前半に我慢が利かず、立て続けにとられたのが痛かった。逆に言えば、名古屋の3得点のフィニッシュ精度はお見事。

 

個人的MOM

★シュヴィルツォク

彼が守備をしない(あえてさせていない?)デメリットも当然あるが、それを踏まえても多くのおつりが返ってくる攻撃面での貢献度の高さ。2得点を奪ったシーンはもちろん、それ以外でもゴールの雰囲気をプンプン漂わせ、最前線で孤立しても時間を作れる力強さとうまさも際立った。

 

前半は前田と相馬のキレのあるドリブルもかなり目立ち、コンディションの良さがうかがえた。柿谷の得点もまさに“ジーニアス”というゴールで、彼らしさが詰まった良いシュートだった。

 

トピックス

29分、3失点目を喫し、ため息をつくようなリアクションを見せる松波監督

49分、吉田豊「全然マイボーやってー!」

55分、三浦のタイトなマークを逆手にとって簡単に入れ替わるシュヴィルツォク

86分、プレッシャーを受けながらもPA外で落ちついたつなぎを見せる東口

92分、個人で縦に運んで時間を作れる相馬。リード時している展開で味方にいると頼もしい

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 松波 正信監督 ]
2週間、入りが一番大事だということは伝えていて、入り方はそこまで悪くなかったと思いますけど、やはり攻め切れない状況で攻撃のところを、相手の狙いどおりにさせてしまったなというふうには思っています。前半で3失点して非常に厳しい戦いになりましたが、最後まで選手たちは点を取りにいく、勝点3にこだわってプレーしてくれたと思いますし、前半の戦いが少しもったいなかったというふうには思っています。

--攻撃の形という部分で、ゴールにはなかなかつながりませんでした。フィニッシュでうまくいかない場面が多かったと思いますが、その辺はどうお考えでしょうか。
相手のディフェンスラインの背後にワンタッチで抜け出すというところは今週もやってきたことだったので、そこはしっかりと選手たちも狙いを持っていってくれたと思います。ただ、最後のシュートというところは、相手の守備の堅さというのもありましたけど、もう少し遠くからというか、ミドルシュートも打ちながらもう少しフィニッシュの形があればなというふうには思っています。ただ、攻撃の形というのは連動している部分もありましたし、そこはもっともっとクオリティーを上げていかないといけないとは思っています。

--残りの試合はどういうモチベーションで臨み、その中での目標は考えていますか。
今年は、途中からやろうとしていることをしっかりとピッチで表現するということもそうですし、われわれの目指すところはもっと高いところだと思っています。やはり一試合一試合、しっかりとモチベーションを持って、次はJリーグのチャンピオンとの戦いにもなりますし、ホームで戦えるというところのモチベーションを持ってしっかり臨みたいと思います。

--後半からシステムを変えたと思います。前節は昌子 源選手を入れて3バックにして、今回は藤春 廣輝選手をそのままスライドさせる形にしましたが、その辺りの狙いを教えてください。
ハーフタイムで交代枠を2枚使っていましたし、点を取りにいかなければいけないというところでは、そのまま残してスライドしてというところと、あとは3バックでハル(藤春)が持ち上がったりできるという特徴もありました。それに、右にシュン(菅沼 駿哉)が入ってビルドアップに関してはスムーズにいくので、そこも含めてハーフタイムの交代の中で3バックになったというところです。

 

[ マッシモ フィッカデンティ監督 ]
入りがすごく良くて、前半は言うことのない展開でした。こちらが準備した相手の裏を突くという攻撃がしっかりと決まり、最初は相馬(勇紀)からクバ(シュヴィルツォク)、2点目は前田(直輝)から(柿谷 曜一朗)というところで、相手は後ろを追いかけながら対応しないといけない中でゴールが入ったので良かったと思います。

後半は「ちょっと馬鹿なゴール」という言い方をしますが、立ち上がりに失点してしまった。「馬鹿なゴール」というのは決して選手に対してではなくて、どういったゴールだったかと言うと、ちょっと気の抜けたところもあっていろんなミスが重なり、必要のないゴールだったのでそういう表現をしたいと思います。ああいった形になると、スコアの状況にかかわらず、相手にやらせないために最後まで走ってプレスをしっかり掛けてという状態になる。そういったハードな展開に自分たちでしてしまったというところがあります。でも、とにかく勝利を目指してこの試合に臨みましたし、試合内容も決して悪いものではなかったので満足しています。

--後半は、失点以外にもピンチが多くありましたが?
こういう試合が毎試合続くというよりは、われわれにとって珍しいものでしたし、前半のスコア状況で後半の入りからいくつかそういうシーンが出てしまったところには軽さが出てしまったと、シンプルにそう捉えています。自分たち自身でピリッと、相手に1点を与えてしまったところから最後までピリッと締めてやり切ったと思いますし、そんなに繰り返すことではないと思うので心配はしていないです。

 

2021 J1リーグ第36節 ベガルタ仙台vs湘南ベルマーレ メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20211122171320p:plain

仙台

アピアタウィアが出場停止明け。

吉野が久々のベンチスタート。

 

湘南

メンバーだった1試合を除き、石原広が初の先発落ち。代わりに舘が4試合ぶりの先発。

大岩は古巣戦。

 

流れ

仙台は[4-4-1-1]気味のセットで、富樫がチェイス役、赤﨑がアンカー・田中監視役。仙台は前2枚がハーフウェイラインより少し前くらいの高さ設定。強く奪いにはいかないので、ボールを持つ意志がある湘南が保持する時間が長くなる。

 

5分前後から仙台もボールを持ち、プレスラインも上がった。SHは極力前に出ず、いけるところは富樫だけで追ってもらう設計。

立ち上がりこそ落ち着いた入りをした仙台だが、徐々にテンションが上がってきている。

 

9分、湘南先制、0-1。畑のインスイングクロス→こぼれ球をファーで浮いていた岡本が拾ってクロス→ウェリントンのヘッドでゲット。4バックの相手に対してWB→WBで浮く場所を突いてウェリントンの高さと強さを生かせた。

仙台は少しずつペースをつかみ始めていた中での失点で苦しい。

 

15分、仙台は上原が左落ちでサポート。

湘南は主にタリクがチェイス役でウェリントンは中央経由防止役になることが多い。ウェリントンが広く動かないぶん、左は平岡が前に出てけん制する。

 

17分、湘南の[3-1]ビルドを仙台がそのまま合わせてハメ切る。おそらく田中が技術に自信を持っていることから個人で外そうと試みるので、そこで外せるか、食えるかの攻防はカギを握りそう。

 

21分、タリクの外流れで右サイドを打開すると、内への折り返しに平岡が合わせる。アピアタウィアがゴール前でクリア。湘南はゴール前での連係が完璧。

22-23分、中央での華麗なパスワークでの崩しを試みる湘南。ここも連係のレベルが高い。

23-24分、CKから湘南に決定機もスウォビィクがセーブ。完全に湘南の時間になってきた。

 

飲水まで

仙台がペースをつかみつつあった中で湘南が先制し、出はなをくじかれると、湘南ペースの時間が長くなった。仙台はプレスをハメ切ってショートカウンターか、西村を軸にしたミドルカウンターが機能すればという展開。飲水直前まで湘南が押せ押せになっていたので、飲水で一度流れを切れたのは仙台にとっては助かったかもしれない。

 

29分、再び田中のところで潰しかける赤﨑。ここで球際が作れると良い感じでハマる。

 

湘南の守備はサイド制限、縦迎撃、内側へのパスコース遮断の3人セットが徹底されていて、仙台は主にSBのところで詰まる。

 

39分、久しぶりに仙台の落ち着いた保持。

ボランチを下ろして[3-1]気味にし、相手2トップに対して数的優位を作る仙台だが、湘南が対応に困っている雰囲気はほとんどない。

 

関口が逆サイドまで流れてきたり、内側から外へ抜ける動きで起点を作ろうとしたり、個人での工夫がみられるが、受けられてもそこから先の絵はなかなか見えない。

 

 

9割がた湘南ペースで進んだ45分。仙台は前プレから田中×赤﨑の球際が作れるとハマる守備になったが、逆に言えばそこからのショートカウンターくらいしか攻め手が見えない。湘南の好守もあり、保持局面では持てても前進できず、前進できてもゴール前に入れずという状況。湘南は守備でのハードワークの細かなポジション修正をサボらず続ける戦い方がベースにある中で、タリクの機動力やウェリントンの強さで攻撃の起点を作れている。

支配率は仙台が57%でシュート数もほぼ同じくらいというスタッツは、体感からすると意外だった。

 

後半

開始早々、仙台が敵陣に入って西村→富樫でシュートまで。メンタルを切り替えてしっかりと勢いを持って入ってきた。

 

48分、タリクの収めから最後は岡本のシュート。外れたが決定機だった。

仙台も勢いを持って入ったが、より手数を掛けずにゴールへ迫れる空気があるのは湘南のほう。

 

51分、上原の良いスペース進入でズレを作って左サイドを攻略しかけた仙台。

52分、仙台の時間。右から左からクロスをいれまくって、最後は西村がシュートも枠外。山本が寄せてフリーにはしてもらえなかった。

仙台がイケイケになって攻めるが、前向きになるぶん湘南もカウンターで刺しやすくもなっている。

 

58分、山本にイエロー。

 

湘南はホルダーへのプレッシャーに行けなくなっているぶん、仙台は最終ラインが比較的高い位置でフリーで持つことができ、前の動き出しに配球できる。それによって押し込める時間が増えているように感じる。

 

66分

湘南交代 茨田→山田

 

タリクやIH(茨田→山田)がサイドへ流れるぶん、岡本が内側へ入ってバランスを取る場面が多い。

 

67分

仙台交代 関口→加藤

 

67分、CKからウェリントンに決定機。結果的にファウルだったが、ドフリーでのシュートを許した仙台。

 

飲水まで

仙台がスイッチを入れ直して出ていったことと、湘南のプレスラインが下がってホルダーへのプレスが弱まったことで仙台が前向きに勢いを持って攻める展開に。ただ、仙台は中央に明確なターゲットがいないので、もう一工夫くらいは必要な雰囲気。

 

湘南はIHが前に出られず、2トップで追えない範囲に入るとリアクションになってしまう。

71分、中央でのコンビネーションから富樫のフィニッシュ。

 

72分

仙台交代 赤﨑、富田→カルドーゾ、フォギーニョ

73分

湘南交代 ウェリントン、タリク、山本→大橋、町野、大野

湘南は2トップをそのまま入れ替え。イエローをもらっていた山本はおそらくリスク管理の面を考慮した交代

 

73分、湘南追加点、0-2。相手の中盤でのパス交換のズレを岡本がカットするとそのままゴールに突き刺した。仙台は追加点を取りにいく選手交代の直後に失点という最悪な展開。一方で湘南は2トップの馬力を落とす代わりにフレッシュで走れる2人を入れているので、リードを守り切る流れがはっきりしたのは非常に大きい。

 

湘南は2トップとIH1枚を入れ替えたことであっさりと前進を許すシーンは減ったような印象。ただ、積極的に追う感じではないので、持たれるは持たれる。

 

83分、フォギーニョが右サイドの高い位置へ上がってきてサポート。上原が上がってくるシーンでもそうだったが、湘南は相手のボランチが+1で出てくると少し対応しづらそう。

 

85分

仙台交代 上原、石原→吉野、蜂須賀

アピアタウィアを最前線に上げ、吉野が最終ラインに入る。パワープレー気味の攻撃に。

 

クロスに対して飛び込んできた真瀬?と谷が接触し、谷が痛む。

田中の足を払ってしまった西村にイエロー。次節出場停止。

 

93分

湘南交代 平岡→石原広

 

仙台はパワープレーでの雰囲気もそこまで出せないまま終了。前半は湘南が1点取れたことに加え、内容もパーフェクトゲーム。後半は仙台が押し込む時間が増えたが、有効な一打が打てないまま時間が進むと、選手交代で流れを変えようとしたタイミングで痛恨の追加点を奪われて万事休す。2点ともどちらかと言えば自分たちの流れになっていた時間帯での失点で、要所の我慢が利かず、自分たちで苦しくした印象だった。

 

→1時間キックオフが遅かった清水vs広島の結果により、仙台は降格が決定した。

 

個人的MOM

★岡本 拓也

1点目のアシスト、2点目のゴールと全2得点に直接関与。得点場面以外でもフィニッシュに絡むタスクを果たす回数は多く、攻撃で存在感を示した。

DAZN集計では、シュート数がチーム最多の3本。

 

前半の完璧な試合運びにつながるタリクの献身的なチェイシングや、中盤の底で攻守に安定感をもたらした田中、最終ラインでファイトし続けた大岩もgood。

 

トピックス

77分、田中のワンステップサイドチェンジ

→前半にも一度あった

しきりにカメラに抜かれるベンチの関口と富田

試合終了直後、ベンチでコートのフードをかぶって顔を隠し、呆然とする関口

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 手倉森 誠監督 ]
今日、残念な結果になって、現実を受け止める心の整理がなかなかつきませんが、しっかり受け止めて、残りの2戦でこの悔しい思いをしたぶんを吹っ切れさせるような戦いをきっちりやってみせたいと思います。

--ビルドアップへの対策を取られてからの打開について。
ビルディングアップで、もちろん相手FWのチェイシングに対して逆サイドが空いてくるところで揺さぶれれば良かったのですが、そのつけどころがちょっと慎重になったり、タイミングが遅れたりしたことで相手がうまくはめこんでいたように見えただけで、こちらがちょっと後手を踏んだ動かし方だったことが残念でした。

--今季でのJ2降格につながった要因について。
リーグの序盤からのつまずき、去年のシーズンから今年の入りで、序盤になかなか勝てなかった時期から立て直すところまでの期間が長かったこと。少し兆しが見えてきたときに、(勝点)3のゲームが1になったり、1のゲームがゼロになったりという落とし方をしたところが非常に残念だったと思います。

 

[ 山口 智監督 ]
立ち上がりから選手が準備してきたことを臆することなく、出し切った90分でした。課題である点のところも練習してきた形で点を取れたので、90分を通して18人全員が関わった見事なゲームだったと思います。

--今日と同じように早い時間に先制した川崎F戦などは逆転されてしまったりと、後半の試合運びに課題があった印象がありました。そのときの反省が生きたという認識で間違いないですか?
そういう経験を踏まえた上で選手とコミュニケーションをとりながら、試合の運び方についてはプレーはもちろん、考え方やメンタルのところでの反省はしてきました。今日の試合に関しては全員がそういう意識でした。

もちろん、しんどい状況もありましたし、相手の攻撃に上回られた時間もありましたが、自分たちが崩れることなくできたというのは、今までの反省を生かせたからだと思っています。

--残留を直接争う仙台から勝点3を得たことについては?
今日みたいなパフォーマンスは選手が勝ち取ったものだと思います。今までの練習をそのまま出せた。劣勢な時間の中でも練習でやってきたことをそのまま出せた場面もありました。慌てることなくしのぐというのは、選手たちが相手がどこであろうと、順位がどこであろうとそういう表現をしてくれるようになったので、必然的な勝ちに持ってこられたのではないかと思っています。

 

2021 J1リーグ第36節 浦和レッズvs横浜F・マリノス メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20211122171442p:plain

浦和

ユンカーと小泉がメンバー外。

田中が3試合ぶりの復帰で先発。

汰木が久々にベンチスタートとなり、代わりに大久保が久々の先発。

 

横浜FM

前節とまったく同じ11人をチョイス。

 

流れ

ハイプレッシャーで来るマリノスに対して後ろからつなぐ意思を見せる浦和。

マリノスはWGがCBに突っ込むので、SBとCBがそれぞれ縦・横にずれて対応するが、全体がボールサイドにスライドすることでコンパクトさを維持。

 

両者ともにかなりテンションの高い立ち上がり。

浦和は田中が岩田に出ていくため外が空き、ティーラトンが低めの位置で出口を作ろうとしている。

→田中はCBアタックに出ていくが、大久保は出ていかないのでおそらく左右非対称な作りか。

江坂がチェイス役で、関根はその背後で受けようとする選手(主にボランチ)を監視。また、江坂は比較的最前線にいるのに対し、関根は中盤のサポート意識がかなり高い。マリノスの流動的なポジショニングで大きく動かされないように、中盤の枚数を多少多めに確保したい意図か?自陣ではほぼ[4-5-1]。

 

5~7分、マリノスが敵陣でパスを回し、浦和はゴール前でコンパクトな陣形を維持しながら守る。「我慢比べだ」という声が出ていたようだが、まさにそういう構図。二度クロスを送れたが決定的なシーンにはならず、ここは浦和の我慢勝ち。

8分、平野を扇原が捕まえたところからショートカウンター。浦和は今後のつなぎに影響が出そうなビルドアップミス。

 

10分、マリノスのハイラインの背後を突く浦和の攻撃。オフサイドにはなったが、狙いたい攻撃が出せたシーン。

 

16分、江坂のプレスバックでボールを奪ったところから大久保が運んで敵陣でFK獲得。チアゴのカバーが間に合ってはいたが、大久保が巧みにファウルをもらえた。

17分、浦和先制、1-0。そのFKから伊藤がゲット。低くて速いボールを入れるとファーまで流れ、大外であまっていた伊藤は押し込むだけだった。

 

マリノスは田中周りのスペースで時間を得られており、逆に浦和はこのプレスのバランスがうまくハマらない。

 

20-21分、中盤での奪取から縦に速いカウンターで田中の抜け出しまで。マリノスは高丘のタイミングのいい飛び出しによって被シュートを回避できた。

 

マリノスは安定して敵陣へ入ることはできているが、浦和のコンパクトな陣形での我慢が上回っている状況。

 

飲水まで

思うようにボールを持てているという点ではマリノスのほうがうまくいっていると言えるかもしれないが、浦和も先制できたのはもちろん、カウンターの雰囲気は出せている上、守備での我慢も効いているので悪いとは感じていなさそう。マリノスは事故を起こせそうなところまでは来ているので、そこで詰め切れればまた流れが変わりそうな空気ではある。

 

28分、ティーラトンの直接FKを西川が好セーブ。神コースだったが、スピードは少し足りなかったか。

 

浦和は右サイドでのスピード感をかなり重視しているように見え、田中を起用した意図が感じられる。

 

32分、攻守の切り替えでカウンタープレスに出たティーラトンが平野を倒してイエロー。

35分、マルコスの足に突っ込んだ大久保にイエロー。

 

セットしたところからはそこまで強度高くいかない浦和だが、敵陣でのカウンタープレスはかなり強度を上げる。

 

マリノスはチアゴが運んだところで奪われるシーンが目立つ。江坂が中央から左へ追い詰めるコース取りで守るので、左は圧縮率が高く、囲まれやすい。

 

44分、中盤でのロスト後、マルコスを潰す関根。ファウルにはなったが素早い切り替えでカウンターの芽をつぶす好プレー。

 

思うようにボールを持てているのはマリノスだが、ゲームをうまく運んでいるのは浦和といった印象の前半。浦和はコンパクトな守備で決定的なシーンを作らせず、田中のスピードを生かしたカウンターでゴールへ迫るプランニングに。関根が中盤のサポートで守備を安定させている上、カウンターの経由地点にも慣れているのがポイントになっている。

マリノスは敵陣で固められたときにどうやって打開するか。浦和に頭の疲れが出てくると穴も空いてきそうではあるが、それまでに1点を取って雰囲気を変えたいところだろう。

 

後半

47分、パーフェクトカウンターで浦和追加点、2-0。江坂がサイドで起点になってから、相手DFが人に食いつく特性を逆手に取った抜け出しで、最後は伊藤→田中でゲット。最初の起点は前田を潰したショルツでもあった。

 

51分、マルコスの振り向きざまの左足コントロールショットがポスト直撃。いつぞやも見たようなシュートで、おそらくこの試合で最も惜しいチャンスを作る。

 

どのタイミングからかは分からないが、関根の立ち位置が早い段階でIH気味のポジションに入るようになった。

→後半開始から?2点目が入ってから?

 

マリノスが少しずつゴールに迫り始め、浦和はセットできない中での守備が強いられるシーンが増えた。

 

56分

浦和交代 田中→汰木

汰木が左に入り、大久保が右へ。田中は復帰戦だったのでコンディション考慮もあるかもしれない。

 

61分

マリノス交代 仲川、マルコス、扇原→レオ・セアラ、天野、渡辺

前田が右に回り、セアラが中央。ただ、敵陣で押し込んでいるときにはほぼ2トップ気味。

 

受けに回ってきた浦和が少しずつきつくなってきているように感じる。その中でもショルツが中央のターゲットを自由にさせていないことは大きい。

 

飲水まで

浦和が徐々にきつくなってきているようにも見えるが、第3Qまで2点リードでこられたのは大きい。ここからもう1回カウンターに出ていって追加点を取る絵もなくはないが、確率的言えば、交代カードを切りながらどうやって2点を守り切るかという勝負になりそう。ユンカーがいれば1人前に残して、という戦略が取れたかもしれないがいないので、攻撃への比重のかけかたは難しそう。

 

70分、平野にイエロー。

73分

マリノス交代 喜田→水沼

76分、守備で強く行った江坂が足をつりかける。それを見て興梠がすぐに準備。

77分

浦和交代 大久保、江坂、伊藤→酒井、興梠、金子

酒井がそのまま右SHに入る。

 

84分、マリノスが1点返し、2-1。GKのロングボールを前田が落として速い攻撃からセアラがゲット。岩波が前田に勝てず、セットし切れていない状態で守らなければならなくなったところを突かれた。セアラはパスを受ける直前の引く動きが秀逸だった。

 

ファウルをとってもらえないことにフラストレーションを溜める酒井。

 

88-89分、水沼のクロスに中で合わせるも西川がキャッチ。浦和がラインを下げてスペースを消しても水沼のクロスは対応が難しそう。

 

89-90分、ティーラトンのクロスのこぼれ球をエウベルが詰めるも西がブロック。最後のところはまだ体を張ってなんとかできている浦和。

 

91分

浦和交代 山中→宇賀神

契約満了が発表されたばかりの宇賀神を起用

 

西と酒井の位置が入れ替わった。

→90分あたりから?

 

マリノスは水沼とティーラトンのクロス爆撃を徹底。中の枚数を増やして“何か”を起こそうとする。

 

94分、ほぼフリーの状況だったが、前へはね返して相手ボールにしてしまうショルツの様子を見ると、余裕がなくなっていることが感じられる浦和。

 

95分、CKに高丘も上がってきて1点を取りにいくが、はね返されて終了。

 

70分ころからは受けるにも苦しくなっていた浦和だが、最後のところでは体を張れる集中力は切れず、反撃を1点で抑えて勝利をつかんだ。マリノスは水沼とティーラトンのクロス攻撃でなりふり構わず攻めに行ったが追い付けず。ゴールは近く見えたが実際は遠かった。

浦和は我慢の戦いを強いられた直近の2試合(川崎戦→鹿島戦)の、悪いなりに良かった部分をこの試合にもつなげられ、さらに狙った形で得点が取れたことで勝利に結びつけられた。流れで見るとかなり価値ある勝利と言えるはず。

 

 

個人的MOM

★関根 貴大

押し込まれる時間が多い中で、中盤のサポートに入って守備の安定化を図った。さらにその上でカウンターの起点にもなり、切り替えでの起点つぶしでも機能し、組織のバランスを整える重要な役割をこなした。

 

カウンターのフィニッシュ役として2点目を決めた田中、押される時間帯で相手のFWを封じ込めたショルツもgood。

 

トピックス

36分、被カウンターのラストパスを高丘がダイレクトでつないでそのままカウンターが始まる

全然大したことないファウルでもかなりの確率でカードを要求するマルコス

後半開始前、多くの旗が揺れ、壮観なゴール裏の光景

前田に自由なプレーを許さないショルツのマーク。タイト過ぎず、離れすぎず、絶妙な間合いの取り方

セアラは2桁ゴールを達成

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
今日の試合でポジティブなところと言うと、それは結果になると思います。勝点3は取れましたが、一方で攻撃では望んでいたところがなかなか出せませんでした。ディフェンスは堅く守れたと思いますが、やはりわれわれとしては、ボールを持って試合の主導権を握りながら、相手陣内でやっていきたい。そこが今回の試合ではなかなかできませんでした。

ただ、チーム全体、選手一人ひとりが最後の最後まで頑張り続けていい働きをしてくれたと思っています。そういった部分はポジティブでした。セットプレーのディフェンスも良かった点です。ただ繰り返しになりますが、やるべき、やりたいスタイルのサッカーを表現できなかったことは今後の改善点で、積み重ねをしながらすすんでいければと思います。

-- 分析スタッフも含めての勝利だったと思うが、関根 貴大選手をインサイドに置いた[4-3-3]は横浜FM対策と浦和のやりたいことのどちらの配分が大きかったか。
両方あります。この形も今回やってみてうまくいくと思いました。もちろんいまいる選手だけではなくて、いない選手も含めてこういった形をやれる選手は多くいると思っているので、判断していきました。

関根もスタートからインサイドハーフのポジションをしたことはなかったですが、以前から[4-2-3-1]の内側でプレーするところであったり、立ち位置を変えて内側に現れることなどはできていたので、今日の試合でもうまくやってくれたと思います。われわれとしては何か1つだけでなく、違う選択肢も持ちながら戦っていけることが今後大事になってくるので、いろいろな意味合いも兼ねて今回はこういうやり方をしました。

-- 入場制限が緩和され、大旗などを使った応援も解禁された試合だったがスタジアムの雰囲気をどう感じたか。
スタジアムに入った瞬間に、いつもと違う雰囲気を感じました。フラッグなどもあり、すごく盛り上がっている雰囲気が伝わってきて良かったです。まだパンデミック前までには至っていませんが、それでもこれだけのお客さんが入ってすごく良い雰囲気を作ってくれています。

現場としては、応援してくれる方々に良い試合と表現したいスタイルを出したかったですが、見せられませんでした。ただ難しいときにも、応援や作り出してくれた雰囲気のおかげでうまく戦い切れたと思います。なので今日応援してくれた方、観てくれた方々には大きく感謝しています。

 

[ ケヴィン マスカット監督 ]
率直に言えば、残念な気持ちでいっぱいです。セットプレーから1点失ってしまい、そうなると相手は引いてしまいます。なかなかチャンスというチャンスを作れず、ようやく最後の方で1点を返せました。ただ、最初からやらなければいけないことが最後で出た形で時すでに遅しでした。

--悪い内容ではありませんでした。ただ、8点で大勝した前節・FC東京戦と比較すれば、波を感じてしまいますが、どう受け止めていますか。
前節に比べて波があるように見えたと仰いましたが、スタートが良かった中、自分たちを信じられなくなったときに崩れ始めました。一方でチャンスを作れた感じもあります。ボールを握っていましたし、良い場面もありました。ただ失点してしまうと難しい状況になります。自分たちを苦しめることにもなります。相手に自信を持たせてしまったり、相手が勢いづくと苦しくなります。

--浦和に対策され、チャンスを作れませんでした。ハーフタイムにどのような指示を送りましたか。
1失点目の局面は防ぐのが難しかったと思います。リフレクションがあり、軌道が変わり、自分たちではコントロールが難しかった失点でした。ただ失点してしまうと、前半のように相手が引いて守るところが見えました。

ハーフタイムには「より深い位置に下がって守備をしてくるぞ。一発のカウンター狙いだぞ」と伝えました。それが後半始まってから、3、4分後に現実になってしまいました。ただ、まったくチャンスを作れなかったとは思いませんし、チャンスを作り、ボールをコントロールし、支配できました。とにかく、負けてしまっては何を言っても始まりません。

 

2021 J1リーグ第36節 清水エスパルスvsサンフレッチェ広島 メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20211124220201p:plain清水

ヴァウドが出場停止で、鈴木義が5月30日以来となる先発。

エウシーニョが5月30日ぶりのメンバー入り。

後藤が第24節来の出場&先発。

ホナウドが12試合ぶり、藤本が6試合ぶりのメンバー外。負傷?

→復帰組が多い。

 

広島

柴﨑とハイネルが出場停止

佐々木が出場停止明けで、前節先発の塩谷がサブに。

鮎川と土肥がひさびさの復帰。

住吉は二度目のメンバー入り。

井林が古巣対決。

 

流れ

広島の3バックの左右にはSHを押し上げてプレスを掛ける清水。それに対して広島はCB-WB-CHのトライアングルでのパス交換でプレス回避を狙う。

 

4分、青山が最終ラインに下りて[4-1]ビルド気味に。佐々木が東とのワンツーで出ていくパターンで安定して外せる。3バックは左寄りのポジショニングで、佐々木がSB気味の立ち位置。

広島が安定して保持し、清水は奪ったら縦に速い攻撃を狙う。広島はトランジションでバランスを崩していることが多い。

 

5-6分、野上のパスミスをカットした鈴木唯がそのままシュートまで。最後のDFを交わしに行ったところで少し手間取って林に距離を詰められた。広島は安易なミスをなくしたい。

 

7分、清水のカウンターで最後はサンタナのシュートまで。広島はトランジションでのバランスが悪く、フィルター役が青山なので、そこをスピードでちぎられると一気にゴール前まで運ばれる。

 

9分、清水の保持から松岡のミドル。特徴のある清水のポジショニングに対して、ややマークの付き方に迷いがありそうな広島。

10-11分、再びカウンターでサンタナの突進。広島はカウンター予防を考えたポジショニングに修正できないといつかはやられそう。

12分、カウンターから片山の仕掛け→シュートまで。清水はポジトラの局面さえ作れればボーナスタイム状態。

 

清水の保持はSBを高く押し上げ、2CBとボランチ2枚でビルドアップ。ボランチの近辺には鈴木唯や後藤がサポートに入る。右は原がインサイドに入り、西澤が外にいる役割分担が多い。

 

19分~、後方でパスを回しながら穴を探す清水。アンカー位置でフリーを作り出すことができており、保持でも1つポイントを見つけた雰囲気。

 

飲水まで

どちらかというとボールを長く持っているのは広島だが、主導権を握っているのは清水。前プレを完全にハメ切れてこそいないが、非保持でも特に危険なシーンはなく、かなり効率的にカウンターを打てている。また、飲水直前くらいまでで保持でもリズムをつかみ始めており、広島には閉塞感が出始めている。

 

25分、コンビネーションからPA内攻略を狙う清水。かなりゴールに近づいてきている。

27分、後藤⇔鈴木唯のコンビネーションでゴール前を攻略するも、広島がギリギリで阻止。完全に清水ペースに。

「いまが攻めどきだ」とばかりにプレスの勢いも強める清水。ただ、広島の前線には速い選手がそろっているので、プレスをくぐられると一気に運ばれる。

 

29分、清水先制、1-0。鈴木義の持ち運びから鈴木唯へのスルーパス→シュート→ポスト跳ね返りをサンタナが詰めてゲット。マーカーに食いついた佐々木の逆をとる鈴木義のスルーパスが巧みだった。清水は自分たちの時間帯でしっかり得点。いつ決まってもおかしくない流れにはなっていた。

先制の勢いのまま追加点を狙いにいく清水。広島はバタバタの状況。

 

36分、今までの佐々木左SB化とは逆で、野上右SB化のビルドアップ。

エゼキエウが外に張りだしたり、中盤に下りてきたりとかなり自由なポジション取りをし始める。

 

清水はいつからかSHを押し出さないことでCB⇔WBのところで外されないようになった。

46分、野上と浅野で右サイドで作り、クロスを送るが、中にはターゲットタイプがいないので非効率的な攻撃。

 

立ち上がりこそ悪くなかった広島だが、10分前後あたりから清水のカウンターボーナスチャンスに突入し、20分あたりからは清水が完全に押し込む流れに。広島は前に小柄な選手しかいないため単純なクロスでゴールを奪うのは難しく、PA付近での崩しが必要になるが、有効な手段を見せられず停滞。清水は鈴木唯、後藤らボールを運べる選手が前にいるため、カウンターのスピード感もあり、保持でも松岡を中心に穴を見つけられていた。この展開で「1点取れた」になるか「1点しか奪えなかった」になるかは後半次第。

 

 

後半

後半も立ち上がりは広島がボールを持って攻める。前半よりもコンビネーションがスムーズになった印象がある。清水が少し重心を下げたかもしれないが、安定して敵陣へも入れている。

 

47分、野上のクロスから茶島のヘッド。枠外だったが惜しいシーン。

48分、カウンターからサンタナのミドル。広島はやはりトランジションで脆い。

 

清水は奪っても前へ蹴るだけで、広島の守備陣は1対1とはね返しだけに集中できるため、ストロングが出しやすい好況になっている。清水はラインが押し上げられず、前でのポイントを作れないので落ち着く時間が作れない。

 

54分

広島交代 松本、浅野、柏→塩谷、鮎川、藤井

 

広島は右で作ってからの東への展開でオープンを作り出してチャンス演出。

少しずつ清水もカウンターが打てるようにはなっているが、守備での活動量はなかなか上がって来ない。

 

60分

清水交代 後藤→中山

 

61-62分、右でのパス交換から松岡→西澤でうまくフィニッシュまで。清水は苦しいなりにシュートチャンスも作れている。

63分、鮎川のPA付近での仕掛けからシュートも権田がビッグセーブ。広島は最も大きなチャンスだった。

 

気づけば清水ペースになってきた。保持での時間も増やし、自陣での守備でもコンパクトな組織を崩されるシーンはかなり減った。

 

飲水まで

立ち上がりからの10~15分は広島が敵陣へ押し込んでコンビネーションや速いクロスからゴールへ近づいたが、少しずつ清水もカウンターに出られるようになると、保持も落ちつき始め、広島はイーブンな展開に戻された。

 

71分、茶島がDF-MFライン間で受けて良い攻撃。外の枚数を増やしてズレを作るか、ライン間で前を向ける選手が出てくれば、広島も攻撃に変化が出てきそうだが。

 

73分、東-青山-茶島で左サイドを攻略。茶島のポジショニングが保持のカギを握りそう。

74分

清水交代 西澤→山原

75分

広島交代 青山→ジュニオール・サントス

茶島がボランチに下りて、サントスがシャドーに。

 

76分、山原のカットインからのシュート。投入後から意欲的なプレーを見せる。

 

オープン気味な展開になってきており、清水は帰陣が少し遅くなっているように感じる。

80分、鮎川のシュートは権田がセーブ。鮎川は最も得点のにおいを感じさせている。

 

81分、原がふくらはぎの違和感?で座り込む。大きな問題ではなさそう。

83分

清水交代 鈴木唯、竹内、原→ディサロ、中村、エウシーニョ

 

自陣撤退時にはディサロも中盤のサポートに回り、サンタナのみ最前線に残す。

 

86分

広島交代 茶島→土肥

86分、東のクロスから藤井。この試合おそらく初めてのWB→WBで4バックの泣き所を突く攻撃。

 

88分、土肥の列上がりサポートで前進。地味ながらも素早いリリースと細かいポジション修正で中盤に変化をもたらしているように感じる。

 

広島はサイドからの仕掛けやサントスを狙ったロングボールで進入を狙うが、最終盤はほとんどPA内に入れないまま終了。サントスはハイボールの競り合いでほとんど勝てずに起点が作れず、逆に清水はサンタナの体を張ったキープでうまく時間を作り出した。トータルの展開で見れば清水は2点目を取ってもっと落ち着きたかったところだが、自分たちの時間帯でしっかり取り切り、後半立ち上がりの押された時間帯で我慢できたのは前向きな材料だろう。

 

個人的MOM

★チアゴ サンタナ

決勝ゴールはもちろん、劣勢の時間帯は収まりどころになることで落ちつく時間を作ったりカウンターの起点になったりと多くの時間で貢献。疲れてきているであろう最終盤にもハードワークを欠かさずに球際でファイトした姿も印象に残った。

 

「チャンスあるところに鈴木唯人あり」を示した鈴木唯のパフォーマンスや、復帰戦とは思えないキレを見せた後藤、決勝点の実質アシスト&完封に貢献した鈴木義もgood。仕事量自体は多くなかったが、鮎川の枠内シュートを2本止めた権田も良かった。

広島ではポジショニングで相手DFを困惑させた茶島、途中出場で勢いをもたらした鮎川、リズムをもたらした土肥が良かった。

 

松岡は走行距離、驚異の13.1kmを記録。

 

トピックス

10-11分、被カウンターでサンタナにシュートを打たせない荒木の好対応

16分、野上の巧みな縦パス

塩谷はボランチでの起用

82分、交代する・しないで揉める清水ベンチ

88分、サンタナとサントスのゴリゴリマッチアップ

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 平岡 宏章監督 ]
立ち上がりのところで、選手たちがこの2週間でやってきたことを表現しようと、守備のところ、攻撃のところをやってくれました。最後の精度を欠いたところはありますが、よくやってくれたと思います。前半ハイペースになり過ぎて、後半相手に持たれる時間が増えましたが、権田(修一)をはじめ、集中して最後までやってくれて、久しぶりにゼロで抑えて勝つことができて非常に良かったと思います。

--後藤 優介選手を先発に入れた意図、左サイドハーフで使った意味は?
まず守備のところのスイッチ。そこは非常に良いものを持っているので、それを表現してほしかったのと、攻撃のところで相手のギャップで受けたりすること、あとは背後の飛び出し。そういうところが、この2週間を見ていて良かったので、思い切って使ってみました。鈴木 唯人がFWでできるし、もし唯人がうまくいかなければ後藤を中でもいいかなということもありますし、もしかしたら(西澤)健太が左に行くこともありかなというオプションを考えていました。あの3人はどこでもできると思っていたので、それも含めて後藤をチョイスしました。

--前半の得点シーンをどのように振り返るか。
相手が食いついてくるという分析があったので、その空いたところ、うまくスペースを抜けてというのができたと思います。なかなか堅いチームですが、一瞬のスキを突いて得点を奪えたことは良かったと思います。

--後半は苦しい戦いとなったが、後半の展開を含めた修正点、課題点は?
1つは奪ったボールをもう少ししっかりとつなぐこと。相手がプレスを掛けてきているところで、相手がどういうふうな掛け方をしてきているのか、その状況を見て、数的優位を作っていく、そして空いたところをうまく突いていくこと。そこをうまく共有してできるようになることだと思います。でも、それほど簡単にうまくいくことではないですし、今日に限っては最後(失点)ゼロで終わるということを本人たちも意識したと思うので、そういう意味では良かったと思います。

 

[ 沢田 謙太郎監督 ]
最後攻めることができた中で、1点が遠かった。その1点を相手に前半で与えてしまったというところ。この2つのところが、まだまだ足りないところだと思っています。

--前半は引っかかるシーンが多く、そこから相手のカウンターになったと思うが、そこに関してどう思うか。
しっかりとつなぐということは悪くなかったと思いますが、そこから裏に走る選手が、タイミングよく、コンビネーションよく裏に入っていく選手がどうしても出てこなくて、そこの部分をベンチの脇から、またいろいろなところで伝えましたが、そこがうまくいかなくて、良い形で押し込んだ中で失ってカウンターが、特に前半の最初のところの体力を全体的に奪ってしまいました。そこがもったいなかったと思います。

--その中で後半に入った塩谷 司選手、鮎川 峻選手が活性化させてくれたと思うが、塩谷選手のボランチと、鮎川選手の出来については?
シオ(塩谷)は、あそこでどっしりと守備、攻撃と落ち着いた対応を両方ともやってくれて、押し込めた大きな要因の1つだと思っています。あそこでボールを後ろにこぼさないこととか、しっかりと前につなぎながらも無理せずサポートすることとか、そこができているおかげであの時間帯ができたと思っています。

鮎川に関しては、先ほど前半の課題のところ、ボールをつないだ中で裏を狙ってくれたと思っています。そのぶんボールが高い位置まで行かない中でも裏を狙い、少しバイタルに入ってからも狙えていた部分で、相手に隙間ができたのかなと。あとは、受けたところのクオリティー。ペナ(ペナルティーエリア)の中に入ったのが何度もあった中で「そこでクオリティーを」と思いました。そこまでのところは非常によくやってくれたと思っています。

--次はホーム最終戦。最後はサポーターに勝利を届けたいと思っていると思うが、FC東京戦に向けての意気込みは?
非常に難しい試合を続けています。でも、その中で選手が前半、あれだけやられた中でも後半立ち直ったということ。その力を次の試合、最初から最後までやりたいなと思っています。その中で勝利したいと思います。

 

2021 J1リーグ第36節 FC東京vs徳島ヴォルティス メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20211127113503p:plainFC東京

森重が出場停止。

中村帆が負傷から復帰し、ひさびさのメンバー入り。

GKが波多野→児玉に変更。

 

徳島

前節・神戸戦から採用した[4-3-3]を継続。

岩尾が負傷(違和感?)から復帰し、2試合ぶりのメンバー入り&先発。

バケンガがメンバー外。

 

流れ

立ち上がりから徳島がボールを保持して攻める。東京は受け気味な入りでラインがかなり低い。

 

4分、岩尾のマークに出ていった安部が空けたスペースをいとも簡単に使って前進する徳島。

垣田の体を張ったポストと西谷の仕掛けが攻撃のメインになっている。

 

7分、トランジションから背後へ渡邊凌が出ていってチャンスも上福元のカバー範囲。東京もトランジションからチャンスが作れそうな雰囲気にはなってきているが、まだ徳島の切り替えのほうが上回っている印象。ディエゴとレアンドロが思うようには収められていない。

 

徳島は3トップで相手4バック、IH2枚で両ボランチを監視するような基準。WGは外を切りながらプレスを掛け、外に出されたらプレスバックで戻る。

 

内側に入る宮代の捕まえ方が整理されない東京。長友が内側のスペースを守るのか、外まで出ていくのかがはっきりしないシーンが目立つ。

また、東京はボランチを含めて中盤が前後左右に広く動くので、セカンドボールが拾いにくくなっている。

 

東京の敵陣での攻撃はディエゴとレアンドロを中央で起点にしたコンビネーションがメイン。サイドからのクロスはほぼない。

 

21分、オマリ→中村拓で1stプレスを外し、そこからテンポを上げたパス交換でCK獲得まで。ビルドアップから良い攻撃だった。ただ、西谷もプレスバックがはやいため、スピード×精度の両方がどうしても求められる。

 

飲水まで

東京も少しずつ相手ゴール前へ近づけるようにはなっているが、セカンド回収と切り替えの早さでペースを握っているのは徳島。決定的なシーンこそ作れていないが、東京のカウンターの起点を抑え、ストロングを消しながらうまく試合を運んでいる。

 

飲水後あたりから前から追い掛ける守備が増えた東京。徳島は枚数を調整しながらフリーマンを作り出そうとする。東京も奪えそうなところまではいくが、結局は交わされている。

 

41分、徳島先制、1-0。垣田がオマリとの競り合いを制したところが起点となり、最後は藤田譲のシュートがDFにあたってゴールへ。東(?)のシュートブロック意識の高さが逆にGKが取りにくいコースへ飛ばしてしまった。

 

東京も2トップの個を生かしてゴール前の迫力をある程度出せてはいたが、徳島のボール保持、特にビルドアップを抑えられず、後手の対応が目立った。一方で徳島は敵陣でのあと一歩が足りない印象だったが、シュートブロックからのディフレクションでゴールをこじ開けられたので、プランとしては上出来。相手のストロングであるカウンターもかなり抑え込めている印象があるので、そこの囲い込みがどの時間まで機能するかがポイントになるか。

 

後半

立ち上がりは東京が少しボールを持つ展開に。ただ、ある程度落ち着くと徳島が持つ展開に戻る。東京のプレスはほぼハマらない。

 

50分

東京交代 レアンドロ、ディエゴ→髙萩、永井

前線の2枚をそのまま入れ替え。火力は落ちるが、プレスのバランスを優先した交代だろう。

 

東京はビルドアップでボランチの高さ取りや、SBのしぼり方に工夫を加えているように見える。前線のキャラクターが変わったこと含めて、少し捕まえづらくなった印象がある。特に青木の列落ちが目立つ?

 

永井はかなり左サイドに流れる傾向があるのと、髙萩も広く動くので、渡邊凌あたりのフィニッシャータスクが重要になる。

2トップを入れ替えてから徳島は蹴らされる回数が増えた印象。永井と髙萩が精力的に追いかけているのはもちろん、追うコース取りもかなり意識されている。

 

57分、PA内でハイキックを取られたジエゴ。東京がPKを獲得。

そのPKを永井が蹴り、上福元がキャッチ。東京は絶好のチャンス生かせず。

 

62分

東京交代 東→アダイウトン

 

飲水まで

選手交代で2トップを入れ替えてから守備の安定感が出た東京。徳島もボールは持てているが、安定して運べる割合は減ったように感じる。また、東京がボールを持つ時間も増えた。ただ、ゴール前でパワーを発揮できるブラジル人選手2人がいなくなっている分、迫力には欠ける。そのぶん両SHにフィニッシャータスクをこなせるセットにした。

 

70-71分、徳島追加点。中盤でのワンタッチから背後へ抜け出した垣田が右足一閃。東京はラインコントロールリスク管理のところがフワッとしたところを突かれた。

 

72分

東京交代 青木→三田

 

75分~、前からプレスに行くものの、あっさり外され続けてゴール前まで運ばれる東京。東→アダイウトンでバランスが崩れたこと、2失点目でメンタルの揺れ動きが感じられることなど、複合的な理由があるように見える。

 

78分

徳島交代 西谷→杉森

 

82分

徳島交代 垣田→一美

89分

徳島交代 宮代→小西

 

東京は後半の50~60分あたりはペースを握れたが、そこでのPKのチャンスを逃し、2至点目を喫すると明らかにテンションが下がり、反撃に出られるような状態ではなかったように見える。アダイウトンが1対1でカカに止められたシーンも印象的で、そこが塞がれたらどうやって点を取るのかということを感じさせた。

徳島は攻めながら得点まではうまくつなげられずにいたものの、後半はPKストップ→垣田の決定機でゲットと要所で勝負強さを見せた。トータルの内容も含めて勝利に値する出来だった。

 

 

個人的MOM

★藤田 譲瑠チマ

かつての“庭”である味スタでゴール、そして広範囲に顔を出す、いわゆる“Box to Box”のプレーで存在感を発揮。両ゴール前で欠かせない選手となっていた。

 

2点目を挙げた垣田も、オマリ、渡辺に競り負けない強さで収め、起点になり続けた。藤田譲と同様に元・ヴェルディの上福元のPKストップも勝利を引き寄せた一因に。

 

トピックス

28分、なにもないところから相手DFをフィジカルで圧倒してチャンスを作り出すディエゴ

31分、横着してかなり遠くからスローインを試みたジエゴのファウルスロー

58分、PK判定の苛立ちからジャケットを投げつけるポヤトス監督

アダイウトンとの1対1を制するカカ

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 森下 申一監督 ]
0-2という形で、前半から徳島のプレッシャーに対してデュエルで勝っていくことができず、主導権を握られてしまった。短い期間で準備してきたことがなかなかできなかった。ただ、後半は選手を入れ替えて多少流れを引っ張ってきたが、なかなか体が動いてくれなかったと思います。残り2試合、難しい状況での試合になりますが、戦える選手を準備するしかないかなと思います。

--どんなことを準備してきて、なぜそれを出せなかった?
守備を整理しようと思って、前線から規制をかけてよいところでボールを奪って素早いカウンターを狙っていたが、なかなか前線の守備が決まらずにズルズルと引き込んでしまった。運動量も全体的に少なかった。それはこちらの方向性が少し間違っていたとも思いますが、コンパクトにしようといったところができなかったと思います。

--全体的に後ろに重たくプレッシャーに行けていないように見えたが?
後半の立ち上がりに前線の2人を代えて、守備の迫力が出てきたときに良い形でインターセプトから攻撃ができて、PKまで取れた。あれが本来のウチの姿だと思うので、人を入れ替えたりして、なんとか以前のパフォーマンスに持っていければと思っています。

--残り2試合への反省点、改善点は?
まずはデュエルに勝っていくしかない。自分たちのボールにすることが原点にあると思うので、しっかり戦える、しっかり走れる、しっかり切り替えができる人選をしていかないといけない。この時期は本当に大変な時期だと思うので、そういう選手を選びたいと思っています。

 

[ ダニエル ポヤトス監督 ]
まず、何よりも徳島県から多くのファン・サポーターの方々が足を運んでくださり本当にありがとうございます。第一に感謝の言葉を申し上げたいと思います。本当にチームの力になりました。そして、DAZNを通じて応援してくださった皆さまにも感謝しています。

試合は全体を通して良い試合ができたと思いますし、FC東京さんという素晴らしい相手に対してボールを保持しながら試合をコントロールできました。残留に向けて難しい状況は続きますが、引き続き今日のように戦っていきたいと思います。

--守備時に鈴木 徳真選手、藤田 譲瑠チマ選手のポジショニングが独特に見えました。[4-4-2]のような、[4-5-1]のような。どういう解釈をすればいいですか?
システムというよりは、スペースをどのようにして守っていくかということが大事です。そのスペースと相手の特徴を考慮した中で守備をしていこうと話をして準備してきました。チームとしてしっかり認識することができ、良い守備ができていたのではないかと思います。

--離脱していた岩尾 憲選手を起用したことについて。
岩尾選手はプロフェッショナルとして可能な限りの努力をしてくれました。その努力のおかげで早期に復帰することができたと思います。本当に感謝したいです。

--残り2試合、メッセージをお願いします。
ファン・サポーターの皆さんとともに戦えれば、1つのパワーになって戦えると思います。引き続き、一緒に戦っていきたいと思います。

 

2021 J1リーグ第35節 湘南ベルマーレvsサンフレッチェ広島 メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20211117011618p:plain湘南

石原直が9試合ぶりのメンバー入り。

畑が7試合ぶりに先発を外れ、代わりに高橋が7試合ぶりの先発。

 

広島

佐々木が出場停止。

→それにともなって塩谷が復帰後初先発。

連戦もあって前節から5人先発を変更。松本や柏は久々の先発。

ヴィエイラのメンバー外はトラブル?

 

 

流れ

湘南はターゲットになるウェリントンと、ロングスロー持ちの町野がいるので、とにかく敵陣でのプレータイムを伸ばすことを考えていそう。良い意味で半端なボールを送り込んでクロス狙い。クロスを上げられなくてもスローインやCKの数を増やせればいいという戦略に見える。

 

前から奪いに行くよりもしっかりセットする意識が強い広島と、どんどん前への意識が強い湘南という構図で、湘南が押し込む時間がやや長め。

湘南は特に工夫することなく、ビルドアップで敵陣へ入れる。最終ラインがハーフウェイラインくらいで回すような高さ。

 

湘南は相手WBを引き出してから2トップをサイドに流して起点を作ろうとしているように見えるが、それはあまりうまくいっていない。3バックからの配球がポイントになりそう。

 

16分頃の山本に対する柴﨑のファウルがOFRの結果、退場相当と判断されレッドカード。結果として足裏で突っ込んでしまったリスクが最大になって跳ね返ってきた。

広島はエゼキエウを中盤へはっきり下ろす[5-3-1]で応急処置。もともと低かったラインがさらに下がる。

 

飲水まで

立ち上がりから勢いを持って入った湘南が、落ち着いて入った広島を押し込む展開が続いていたが、予期せぬ流れで柴﨑が退場し、かなり速い時間帯で11対10に。早すぎるがゆえに湘南はプランニングが逆に難しそうだが、どのようなバランスで試合を進めるか。

 

広島はサントスとエゼキエウの個を生かしながら陣地を回復してワンチャンスを作るしかない。

湘南は3バックの1枚がほぼSBのような振る舞いで前の人数を増やしていく。

 

1人少なくなったことで広島の守備意識がかなり高くなり、それによって湘南はボールはずっと持てるがシュートやクロスまでなかなかいけなくなった。ラクしてボールを持てる余裕からなのか逆に雑なパスミスが目立ち、攻撃の停滞感がある。

 

35-36分、右を崩してからウェリントンのシュートまで。数的優位となってから初めて可能性を感じるシュート。

 

サントスとエゼキエウでのカウンターおよび陣地回復を狙う広島に対して、湘南はDFで遅らせてからプレスバックで囲い込んで奪う守備が完璧に機能している。

 

追加タイム、数的不利でもチャンスがあるセットプレーをようやく取れた広島。カウンターがほぼ完ぺきに封じられているため、なんとかしてセットプレーの機会を増やすしかない。

 

もともと受けに回っていた広島が数的不利になればもっと苦しくなるのは当然で、湘南の一方的な展開に。ただ、湘南もこれといったチャンスはあまり作ることができず、まだ広島の我慢が効いている。サントスとエゼキエウをほぼ完ぺきに抑え込んでいるリスク管理と切り替えのスピード感はさすが。すでにウェリントンを使っているだけに、選手交代でのパワーアップが難しいが、どのような手でこじ開けに来るか。

 

後半

立ち上がりは髙橋のほうを中心に攻める湘南。広島は前半よりも中盤のスペースを空けてくれるような印象があるので、より近い位置には入れそう。ただ、ゴール前の人数はかなり多い。

 

47分、サントスにイエロー。

49-50分、カウンターから外→中→外で前進して最後は髙橋のシュートまで。広島は欲が出すぎるとカウンターでピンチになるので、バランスの取り方が難しい。

 

湘南は簡単にクロスを上げることもできるが、広島は中央のはね返しが強いので、もう1つ中に入って、という崩しを狙っている。

 

54分

広島交代 サントス、エゼキエウ→浅野、ハイネル

サントスはイエローをもらっていた上、潰され続けていたので、「1人でいける」タイプだが、特徴が少し異なる浅野と入れ替え、エゼキエウのところはより中央適正がある選手かつ、推進力があるということで緊急のシステムに合わせたという感じか。

 

湘南は外に流れる選手を見せておいて、マーカーが外へ流れたら中央へ刺す、という攻撃が徹底されている。

61分、競り合いからのこぼれ球をウェリントンがシュートも枠外。徐々にアバウトなボールも入れ始め、こぼれ球のプッシュを狙っている感じも。

 

62分

湘南交代 茨田→山田

 

飲水まで

前半と変わらず湘南のワンサイドゲーム。数回惜しいシーンはあったが、「あとはシュートを枠内へ収めるだけ」「GKと1対1」のような決定機はなく、広島の壁を壊しきれていない。

 

70分

湘南交代 町野、高橋→大橋、畑

 

73分

広島交代 塩谷→今津

まだフルコンディションではないと考えられるので、状態を考慮した交代?

 

85分、中央での細かいパス交換から田中のシュートも林がセーブ。惜しいシーンではあったが、林であれば十分に対応可能だったとも言える。まだ決定打は打てない湘南。

 

86分

広島交代 柏→藤井

89分

湘南交代 平岡→石原直

湘南は明確にターゲットタイプを増やす。

 

90分、波状攻撃でゴールに迫り続けるも、あと一歩が足りない湘南。最初のシュートはセーブされ、こぼれ球のプッシュはクロスバーの上へ。

 

93分、リスタートを邪魔したハイネルにイエロー。次節出場停止。

94分、セットプレーからヘディング→ポスト、跳ね返りをプッシュ→シュートブロックでギリギリ耐える広島。

 

湘南は本当に“あと一歩”が足りず、引き分け。約70分間で数的優位ながら勝点3を取れなかったのは痛い。逆に広島は圧倒的劣勢ながらゴール前は完璧に死守し、決定的なシーンをほぼ作らせなかった。沢田監督の選手交代も妥当かつ最善の手を打っていた印象で、無失点につなげた采配だったと言える。

 

個人的MOM

★荒木 隼人

前節・鹿島戦では個人のミスで2失点に絡み、無念の途中交代という悔しい思いをした荒木。今節は持ち前の強さを生かしてウェリントンらとの競り合いで自由にさせず、無失点に大きく貢献。前節のメンタルからすぐに立ち直って存在感を示したのは非常に感慨深いものがあった。

 

トピックス

18分に柴﨑が一発退場

51分、ウェリントンも戻ってくる湘南のプレスバック意識の高さ

ハイネルが警告を受け、次節出場停止

シュート26:2という見慣れないスタッツ。湘南の支配率70%もなかなか見ない数字

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 山口 智監督 ]
早い時間帯に相手が1人少なくなって、前半のうちに圧倒したかったのですが、日頃あまりウチのチームには経験がない状況になって、ボールを持つ時間が長くなった。選手たちもボールは持てるんですけど、どういう動かし方をしたらいいかの共有ができなかったというところに反省点のあるゲームでした。ただ後半はその辺も修正して、本来目指すべきところの意識が高くなったぶん、チャンスも増えましたし、最後決め切るだけの試合だったと思いますが、そこは日頃の練習の成果が出ていると思います。勝点1は前向きに捉えますし、無失点で終えられたことも良かった反面、そういう課題が残ったなという試合になりました。

--いつもの湘南より一人ひとりがボールを持つ時間が長かったように見えたが。
そのとおりだと思います。前半に関してはボールホルダーのタッチが多過ぎて、パスを出しても“各駅停車”というのが多かった。もちろんそれは外からも伝えていましたけど、そういう状況に慣れていないというのがあったと思います。実際、そういう前半になったなと。

後半に関してはテンポも良かったですし。「つけて動くというのを繰り返すことで相手が動くんだな」というのは経験として残ったと思いますが、それを前半のうちにやれていれば広島さんは疲れてきますし、後半にはもっと決定機を取れたんじゃないかという話を選手たちにしました。

 

[ 沢田 謙太郎監督 ]
90分間ずっと攻められているような試合でした。その中で一人ひとりがハードワークしてくれて、勝点1を取れた試合だったと思います。

--前半の数的同数だったときの戦いの評価は?
ベルマーレの形をコーチと一緒に見て「こういう形でやっていこう」と話し合って、その形をやりたいなと思っていました。ただ、最初の入りは前回の試合を課題として持って入ったので、シンプルに押し返してというところから入りました。

その中で守備のところで、少し守備が苦手な選手がいる。守備のことばかり言ってしまうと、彼らの良いところが出ない部分があるので、1つ、2つやり方は伝えていますが、できなかったらしょうがないと割り切りました。なので押し込まれる場面があったのかなと。もう1つ、風下だったことも影響していますが、あきらめというのではありません。

一つひとつできるようにしたいなと思っています。いきなりはできなくて、それができないからそこをずっと求めるという形は僕は好きではないので、できたら良い部分も出せるようにと思っています。

 

2021 J1リーグ第35節 鹿島アントラーズvs浦和レッズ メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20211117000812p:plain鹿島

中3日の試合だが、前節とまったく同じ11人をチョイス。

 

浦和

前節で負傷交代した柴戸と、負傷の疑いがあった酒井がメンバー外。それにともなって西と伊藤が久々の先発。スライドするような形で金子も久々のメンバー入り。

前節メンバー外だったユンカーが2試合ぶりの先発。

 

 

流れ

開始15秒ほどでいきなり鹿島に決定機も西川がセーブ。浦和もスペースへ出ていったり、あわただしい立ち上がり。

 

浦和は2トップをスイッチ役にしてしっかりとプレスを掛けに行く。一方で鹿島はラインを高く保ちながらも、前はそこまで追いに行かない。

鹿島はスタイル的に、浦和は相手のラインが高いから、というそれぞれの理由で互いに縦に速い攻撃が目立つ。

 

鹿島の2トップに対して浦和は平野を下ろして[3-1]ビルド。いつものやつ。

非保持時はユンカーを最前線に残してカウンター要員に。西川からの一発もある。

 

鹿島がポジトラでかなり前へ急ぐので、バランスが崩れたまま行ったり来たりのような展開が増える。

鹿島は守備時にSHが前に出ず、2トップで横幅を見ようとするが、相手CB→SBだけでSHが切られるので、後ろのマークのずれが生まれやすい。

 

14分~、鹿島が左サイドを中心に立て続けにシュートシーンを作る。

 

20分、安西の仕掛けてクロス→アラーノで決定機。鹿島がハードワークと強度のあるプレスバックでセカンドを回収し、うまく攻撃につなげられている。浦和は得意のボール保持の局面がやや少なくなっているため、あまりリズムをつかめていないように感じる。

 

飲水まで

浦和が持てれば、鹿島SHの半端になっている守備を突っつけていた印象があるが、鹿島がボールを回収してテンポを上げると、安西の仕掛けを中心にしてゴールへ迫った。シュート数も(DAZN集計で)鹿島6:浦和0とはっきりした数字が出る。浦和は安西を抑えるというよりも、そこまでの出所になっているピトゥカを抑えたい。

 

鹿島は徐々にプレスの開始位置と強度を高めて、浦和のビルドアップ妨害に成功している。浦和もショルツの運び、岩波のロングフィード、関根の列下りサポートなど、様々なことを試すが、鹿島のプレッシャーを上回る手はまだ出てこない。

 

32分、中盤で奪った鹿島がショートカウンターで上田のシュートまで。陣形が整っていない状況で不用意に失うと上田に刺される怖さがある。

 

35分、鹿島先制、1-0。押し込んで得たCKの流れから土居がプッシュしてゲット。浦和は我慢の時間で耐え切れなかった。

 

38分、浦和は前から強めに追って蹴らせるが、常本×汰木のところで取り切れず。浦和からは試行錯誤を感じるが、なかなかどれもうまくいかない。

39分、バックパスが短くなりPA内でロストした西がカイキを倒したようにも見えたがノーホイッスル。カイキの倒れ方が少し大げさにも映った。

 

43分、鹿島にかなり長い時間パスを回されたあげく、ようやく奪ったと思いきや関根のハンドをとられてFKを与える浦和。関根がボールを蹴りだすアクション(※おとがめなし)からかなり強いストレスを感じる。

 

立ち上がり10分くらいまでは浦和も決して悪くなかったと思うが、それ以降は鹿島が完全に支配。シュートも鹿島13:浦和0とかなり対照的。鹿島は切り替えのスピードと強度で上回り、セカンドボールの回収で圧倒。また、カイキ×安西の左サイドで脅威を示すことができた。浦和はセカンドを回収がほとんどできなかったことと、保持で落ちつけなかったのが苦しかった。伊藤も決して弱くないが、柴戸と酒井の不在も響いているかもしれない。また、明本のように1人でも勢いをもたらせるタイプがいれば、というたらればも思いつく。

 

後半

浦和交代 ユンカー汰木→小泉、大久保

ユンカー残しが機能する展開に持ち込めなかったので、よりポゼッションに安定をもたらせる&プレスでバランスを整えられる小泉を投入。

 

後半も立ち上がり早々に鹿島がシュート。

46分、敵陣で奪った鹿島がショートカウンターでアラーノに決定機も西川好セーブ。浦和は小泉の投入で少しの変化は感じるが、それでも鹿島のトランジションは上回ってこない。

 

48-49分、PAに向かって運ぶピトゥカを倒した平野にイエロー。ちょっとしたボディフェイクに誘われて思わず手が出た。

後半も鹿島ペースは変わらず。浦和は敵陣へすらもほとんど入れない。

 

50分、小泉を止めたカイキにイエロー。やや厳し目にも感じるが、後ろから手がかかったところの印象が悪かったか。

 

53分~、ようやく浦和が持てる時間。鹿島は両SHの守備ポジショニング修正にムラがあるように見えるので、浦和はそこを入り口としてうまくずらせるかどうか。決してサボるわけではないので、時間がかかると戻られる。

 

55分

鹿島交代 カイキ→和泉

イエローをもらっている上、浦和の保持でつっつかれていたカイキを早めに交代。監督の交代意図は不明だが、浦和の保持を見て判断したのであればかなり手を打つのが早い。

→数分後?から和泉を右に入れて、アラーノを左へ。左サイドの守備のテコ入れじゃなかった?

→65分あたりにまた元に戻した。

 

58分、FKから関川が合わせるもGKの正面。決定機。

 

徐々に浦和も自分たちの時間を作り始める。右で作ってから左へ展開して山中からクロスという攻撃が何度か。

64分、山中の配球から江坂が抜け出してシュートまで。シュートはサイドネット&オフサイドだったが、直線的にゴールへ迫れたシーン。

 

68分、関川のインターセプトから上田へのラストパスでカウンター。シュートはDFにあたってゴールへ向かったが、西川が好セーブ。

 

飲水まで

少しずつ浦和もボールを持てるようにはなっているが、シュートで終われる場面は少ない。逆に鹿島は引っかけてのカウンターを見せられているので、保持・非保持が逆転してもペースを握っているのは鹿島。

 

71分

浦和交代 関根、平野→宇賀神、興梠

鹿島交代 上田、土居→エヴェラウド、荒木

浦和は宇賀神を右SBに入れて西を1つ前へ。興梠をトップに入れて小泉をボランチに。

 

75分、岩波→興梠でタッチダウン狙い。関川にカットされたが、興梠が入った効果は感じられるプレー。

 

エヴェラウドの無理目なチャージが続いている。

→プレーが切れたあとにイエロー

 

86分

浦和交代 西→槙野

槙野を最前線に入れて、江坂を右SHへ。浦和は完全にパワープレーの狙い。

87分

鹿島交代 アラーノ→犬飼

槙野へのパワープレー対策として、鹿島もすぐに空中戦を強化。

 

94分、ラストプレーで山中→興梠でシュートチャンスを作ったがスンテが好キャッチ。槙野が詰めていたので、はじかずにキャッチしたのも大きい。

 

トータルはほとんど鹿島のゲームだったが、浦和も失点を1で抑えたことにより、最後までワンチャンスを信じて戦うことができた。ただ、終盤も鹿島のしたたかさのほうが際立ち、浦和の「うまさ」よりも鹿島の「力強さ」が勝った試合だったと言える。

浦和は前節・川崎戦に続き、トランジションでの速さ・強さに屈した感じがあり、充実の中にも明確な課題が見えつつある2試合にもなった。

 

 

個人的MOM

★関川 郁万

勝負所での奪取が目立ち、GKの前の砦として浦和のチャンスの芽を摘んでいたのが印象的だった。インターセプトからのラストパスで上田のシュートを演出したプレーは必見。

素早いスライドと安定した空中戦で山中への供給を立ち続けた常本や、終盤まで運動量を落とさず広範囲に顔を出し続けた安西の両SBも好評価。

 

トピックス

得点後に喜び合おうとした相馬監督と奥野コーチがハイタッチなのか抱き合うのかどっちなのかよくわからないままどっちつかずの抱擁に

51-52分、西川の超冷静な交わし

53分あたり?で肩を痛めた関根がその後も同カ所を気にしている様子

→66分、やはりプレー続行が難しく交代の意志を示す

接触プレーに寛容な基準の飯田主審

 

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 相馬 直樹監督 ]
まずは本当にたくさんのサポーターの皆さんに集まっていただきました。本当に選手たちを後押ししてくれたゲームだったと思います。一緒に勝利を喜べたことをうれしく思います。ありがとうございました。

ゲームの方はしっかりと良い立ち上がりをしようという中で、本当に良い立ち上がりで入っていけたと思っています。本来であればその時間帯にもっと点を取らなければいけなかったというのもあったかと思いますが、本当に良い流れのときに取れないで、このまま前半を終わったらイヤだなと思っている中でセットプレーからでしたけれども、前半で1つ取れた。これが最終的に決勝点になりましたし、選手たちが最後粘り切るためのエネルギーになったというふうに思います。

後半、相手が多少立ち位置を変えてきたり、そういうことは想像もしていました。われわれが前半でだいぶ足を使ったぶん、押し込まれる展開になることは想定していた部分はあったんですけど、それこそ後半の最初の20分くらいですね、自分たちが前にしっかり運ぶチャンス自体は作れていたと思うのですが、守備のところでは少しうまく相手にボールを運ばれるようなシーンが増えてしまった。その辺のところは最後粘り強く持ち堪えられたかなと思います。

プラス、後ろに人を増やしていくか、前のチェイスの部分を含めて起点になること、攻撃の起点になることを含めて手を入れていこうという中で、前を代えていったときに少し押し返すことも、相手の時間を減らすこともできたかなと思っています。そういった中で最後1-0。本来であれば3-0くらいのスコアにしなければいけなかったかなと思いますけど、最後の局面に入ってきて、大事な勝点3を取れたことを非常にうれしく思います。残り3つということになりますけれども、まだ可能性はACLに向けてあると思っていますので、しっかりとまた準備したいなと思います。

 

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
前半はわれわれが望んでいたプレーができませんでした。つないでいく中でどうしても、あまり意味のないロングボールなどの攻撃になってしまいました。後半はそういった部分が修正されて、望んでいたプレーが表現できたと思います。ただ、前節と同様にセットプレーのセカンドボールを拾われて失点してしまい、そこから勝点を落としてしまう同じような展開になってしまいました。ただ、チームは選手たちは最後まであきらめることなく戦ってくれましたし、こういったことは今後大事だと思っています。

--関根 貴大選手がケガで途中交代し、柴戸 海選手、酒井 宏樹選手がベンチ外だったが。
あまり良い状態ではなく、少し違和感を抱えているので今日は外れました。終盤に差しかかって不運なケガ人もいますが、できるだけ早く回復して戻ってきてくれることを願っています。

--神戸戦のように、ボールを受けるところで強く来られたときにナイーブなところが見られたと思う。試合のテンションやインテンシティーはどう感じたか。
彼らがフィジカル的な強さがあることはもちろん分かっていました。一方、われわれは高さはないですが、技術的なところなど違った特徴の選手たちを抱えているので、そういった違いが出たと思います。われわれはつないでいける選手たちや若さのある選手があり、彼らは彼らのやり方があります。そういった違いはメリットデメリットの両方に出るのかなと思います。