がちゃのメモ帳

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2021 J1リーグ第7節 浦和レッズvs鹿島アントラーズ メモ

 

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スタメン

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犬飼が出場停止。

 

浦和

保持

 明本左、関根右の順足配置。

小泉のサポート役は変わらないが、柴戸だけ中盤に残して高くまで出ていく傾向が強い。

柴戸が最終ラインに下りたり、SBの位置に流れたりとかなり広範囲を動きながらボールを引き出す。

武藤が比較的自由に動くぶん、明本が入れ替わりでFWの位置に入るなど、前線は流動的にポジションを入れ替える。

 

非保持

前から形を合わせてハメに行く。SHは自分のラインを越されたらプレスバックではさみに戻る。 

武田が前に出たときは小泉がボランチを捕まえに行く高さ取りで、中盤がダイヤモンドのような形になる。

 

鹿島

保持

ボランチ1枚が下りて1枚がアンカー位置。[3-1]ビルド。

詰まったらエヴェラウドに競らせる。 

 

非保持

[4-4-2]で高い位置でセット。

ボランチは柴戸を捕まえに出ていく。

 

 

流れ

 5分、ビルドアップから関根の間受けでスピードアップ。

立ち上がりは浦和が持って鹿島がプレスで対抗。浦和が鹿島の1stラインをどのように突破するかをうかがう展開。鹿島は奪えなくても高い位置での守備時間を増やしたい意志を感じる。

 

8分、西から斜めのボールで深さを取り、落としから最後は山中の飛び出し。鹿島はスピードアップを許した後、山中に突き切れていない。

9分、山中のミドルのこぼれを明本がボレーで狙ったがシュートは沖の正面へ。

 

タイトなマークとこまめなプレスバックで鹿島にビルドアップを許さない浦和。

鹿島の[3-1]ビルドに対し、2トップとSHの押し上げで合わせに行く浦和。下りてサポートするSBにはSBが縦スライドで潰しに行く。鹿島は相手SBの奥、もしくは脇あたりで起点を作りたい。

 

飲水まで

鹿島も少しずつボールを持てるようにはなっているが、ここまでは完全に浦和のペースと言っていい。素早い切り替えとアグレッシブなプレスでボールを奪い、保持しながらゴールへ迫れている。前節までのように自陣でカットされるシーンもなく、落ち着いてボールを持ちながらスピードアップもできている。

 

 25分、鹿島が中盤でのコンビネーションでPA付近まで進入し、最後は荒木がシュート。ブロックされたが初めてシュートまで持ち込めた。

27分、永戸のCKが直接ゴールへ向かい、そのまま入りかけるが、西川がギリギリで対応。

鹿島は相手の開くCBにSHを上げて対応し、時間を奪う。浦和は縦パスを拾われることが増えた。

 

30分、ビルドアップから右を抜け出して最後は小泉が折り返したが、中で誰も詰められず。

浦和は飲水後あたりからプレスラインを下げたように感じる。一方で鹿島は変わらず高い位置から追う。

 

36分、小泉が左から右へのフィードで開放し、斜めに出てきた明本へ西が配球。抜け出した明本がGKとの1対1を制して浦和が先制。序盤から西の斜めのパスが効いており、それが得点につながった。

 

38分、小泉のパスから抜け出した武藤。戻ってきていた上田が倒して警告。おそらくカバーが間に合っていたという判断で決定機阻止にはならず。浦和は得点から勢いが出てきた。

40分、武田の直接FKを沖が好セーブ。枠内に行っていた。

 

45+1分、セットプレーから関川のループヘッドがゴールへ吸い込まれ、鹿島が同点に追いつく。

 

浦和は良い流れができていた中で先制したが、終了間際に追いつかれる嫌な流れになった。内容は良いだけに前半からの流れは続けたいが、鹿島のプレスを受けて縦パスをひっかけられるシーンも増えているので、トランジションからの失点は要注意。

鹿島は少しずつ押し返せてはいるが、プレスが空転するシーンも多い。浦和のビルドアップはスペースが生まれやすくなっているため、高い位置で奪ってショートカウンターを多く繰り出せるとペースが握れるはず。

 

後半

46分、エヴェラウドが抜け出したが、西川が好セーブ。浦和はピンチが増えてきたが、最後のところの集中力は見える。

立ち上がりは鹿島が連続でシュートまで持ち込む展開。

 

48分、武田の高速インスイングクロス。ファーで明本が浮いていたがわずかに合わず。

50分あたりからは浦和が持つ展開に戻る。鹿島はエヴェラウドの前残りでカウンターを狙う。

 

武藤が下りて縦パスを引き出すことで浦和はラインを押し上げることができる。

 

61分、白崎→松村

松村が右に入り、荒木が左へ移る。

明本が常本との駆け引きで勝りPA内へ入って受けると、常本が倒してしまいPK。明本が外を見せてから内側に入ってきたことで常本はボディーアングルがずらされた。

65分、槙野がPKを決めて浦和が勝ち越し。槙野はゴール裏をなぞりながらロドリゲス監督の下へ向かい、抱擁を交わす。

 

飲水まで

立ち上がりこそ押された時間もあったが、前半同様に浦和がペースを握って進めている。鹿島はビルドアップでもプレスでもいまいちリズムをつかめないでいる。

 

67分、武田→伊藤敦

小泉を前に上げて伊藤敦ボランチに入る。小泉が持っていたアンカーケアタスクを伊藤敦が引き継ぐ。

 

69分、山中のクロスにファーで関根が合わせて追加点。と思われたが、VARのチェックで起点になったところの武藤のハンドが取られて得点取り消しに。

 

73分、武藤、小泉→興梠、杉本

76分、荒木、三竿、シルバ→アラーノ、船橋、遠藤

遠藤がボランチに入る。

78分、前からきた鹿島のプレスを裏返す西川のフィード。

 

関根がピッチに座り込む。自力で歩いているので大きな問題はなさそう。

85分、関根→宇賀神

西を前に出して宇賀神を右SBに入れる。

 

鹿島は遠藤をボランチに入れて攻撃的にしているぶん、トランジションで中盤を埋められず、スピードアップを許す。ただ、ビハインドで点を取りに行っているのである程度は仕方ない。

 

87分、鹿島がゴールキックからつなぎにいったところを2トップのみのプレスで奪い切り、杉本が超決定機を迎えるが沖に止められる。

 

94分、左のFKからファーで槙野が合わせてネットを揺らすも、ニアに出てきた興梠がオフサイドの判定。

 

浦和は最後まで危なげなく締めて4試合ぶりの勝利。西が入ったことも追い風となり、ビルドアップが機能したことが大きかった。

鹿島は終始攻守にちぐはぐでエヴェラウドと上田の強力2トップを生かした攻撃を繰り出せるシーンはかなり少なかった。浦和がプレスを掛けてきたときに中盤で抜け出すポイントを見つけ出せないまま時間が過ぎていった。

 

トピックス

59分、槙野とエヴェラウドの小競り合い。エヴェラウドにはイライラが見える。

浦和

西がリーグ初初出場初スタメン。武田、武藤、柴戸も初先発。 

16分、西川のフィードから西の落とし。

4試合ぶりの得点。

78分、西川のフィード。

武藤が下りる動きに連動して背後へ飛び出していく明本。西の絶品ラストパスからの得点と、常本との駆け引きを制したPK獲得で勝利に貢献。

試合当日が誕生日だったロドリゲス監督。勝利で飾った。

 

鹿島

常本が初出場初先発。白崎も初先発。

開幕戦以来のエヴェラウド×上田の2トップ。

船橋が初出場。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
前半すごく良い入りができて、良い攻撃で相手のゴール前に迫っていくことができたと思います。残念だったのは、リードして折り返せればというところで終了間際に失点してしまったこと。ただ、その失点も後半に向けてさらに引き締めるきっかけになったと捉えることもできると思います。

後半に関してはPK以外にも得点が取り消されるシーンなどがありましたけど、チャンスが作れていたので良かったと思います。攻守ともにセットプレーで危ない場面はありましたが、ディフェンスもしっかりと堅く守ることができたと思います。すごく良い試合、コンプリートな試合ができたと思うので、パフォーマンス含めて良かったので、これを基準に続けていければと思います。

--今日は[4-1-4-1]のような形だったが、このアイディアはいつから練っていたのか。また評価は。
こういった形は以前から考えていたことではあります。リーグ戦・札幌戦の前後でも(導入を)考えてたことではありますし、実際にエリートリーグでも札幌とこの形で戦いながら、ある程度のアイディアは持ちながらやれていました。ただ本当に重要なのはシステムのことではなくて、選手それぞれの特徴や組み合わせが絡み合うことなので、うまくかみ合って良かったと思います。

--ボールを引き出す動きなど、武藤 雄樹選手のプレーが素晴らしかったと思うが、今回起用した意図と評価は。
すごく良い試合をしてくれたと思います。彼は以前から、練習から良いプレーをしてくれていましたし、エリートリーグの試合でも良いプレーをしてくれて、その結果も出しながらここまでやってきたので、彼のそういったパフォーマンスを評価してスタメン起用しました。ほかの選手、杉本(健勇)や興梠(慎三)が悪いというわけではないのですが、武藤が際立って良いパフォーマンスをしていたので今回は彼を起用しました。

流れが悪かったこともあってか、ベースの立ち位置を微調整して臨んだが、「以前から考えていたこと」だった模様。武藤の起用はそのシステムに合わせたというよりも、パフォーマンスの良さを買ったようだ。実際にボール保持の循環を円滑にし、ビルドアップにおける貢献度は高かった。明本が得点を奪ったことで、ゴール前から人がいなくなることもなく、全体がうまく連動できたと言える。

[ ザーゴ監督 ]
就任してからこんなに悪い試合をしたのは初めてだと思います。距離感が遠くて強度もありませんでした。次節に向けて、中盤の背後のスペースを相手に奪われていたので、どういう要因なのか早急に修正しないといけないと思います。

--自分たちが悪かったのか、相手が良過ぎたのか。バランス感覚を教えてほしい。
当然、相手も強くなってきているところは称えないといけない。ただ、僕が目指しているのはボールを握りながらゲームをコントロールすること、怖がらず顔を動かして勇気を持ってボールをつなぐというところを求めている。今まではそれができていたが、今日はそれが初めてできなかった。逃げているのか隠れているのか、どういう理由なのか分からないですが、初めて自分たちが何もしようとしなかった。それは非常に残念な部分です。

ザーゴ監督としては、とにかく内容が悪く、「距離感が遠くて強度もなかった」とのこと。持ち前の攻撃力はほとんど発揮できず、ここまでのワーストゲームだったといっていいだろう。

2021 J1リーグ第7節 清水エスパルスvs徳島ヴォルティス メモ

 

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スタメン

 

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清水

保持

 後藤がSBへ走る。

ボックスビルドをメインに、エウシーニョもサポート。ボランチは2人とも、中央だけでなくサイドまで広く動く。

 

 

非保持

サンタナは最前線に残してカウンター&ポイント作り要員に。

前節まで、後藤は中盤のサポートに入ることもあったが、ここでは「2トップ」の振る舞いが多い。

 

徳島

保持

岩尾が最終ラインをサポート。相手のプレスを見ながら下りる。

ボランチが下りないときは田向がインサイドに入り、3バック化もする。

  

非保持

[4-4-2]セット。

 

 

流れ

徳島が持って清水が受ける序盤。徳島が前から奪いに行くのに対し、清水は無理にいかずステイする。

 

清水は10分前後から安定してプレスを外し始める。徳島は垣田と渡井の前2人でボールサイドのCHを捕まえられないとハマらない状態。

清水も2トップの背後のスペースを使われて前進されるのは気になる。

 

13分、サンタナが中盤で粘って起点づくり、サイドで大きめのワンツーのような形で抜け出してフィニッシュまで。徳島DFがブロック。

少しずつ前からの圧力を強めてきた清水。

 

飲水まで

立ち上がりは徳島がボールを持って支配していたが、清水も徐々に慣れてきてボールを持てるようになる。ただ、徳島のビルドアップをうまく妨害はできず、狙ったようにボールを奪うことはできていない。

 

27分、前からくる相手をひっくり返し、間延びした中盤で渡井が受けると、最後は宮代がドリブルからシュート。一度ははじかれるもこぼれ球を再び宮代が拾って流し込む。徳島が先制。

 

徳島は、清水がプレスに来なければCBが運んで縦パス、きたらサイドを経由しながら相手2トップの背後を使うビルドアップ。相手を見ながらうまく調整している。

30分あたりからは徳島がビルドアップでうまく攻め込む時間帯。

 

41分、後藤のループヘッド(?)を上福元がギリギリでかき出す。清水は久しぶりの決定機。

44分、右からのクロスにサンタナ。ヘッドは合わせきれず。

40分頃からは清水の時間になってきている。

 

徳島が保持で相手のプレスを上回り、攻撃を安定させている。それに伴って守備の時間も減らすことができた。先制点もビルドアップでうまくスピードアップまで持ち込んだところから。攻められる時間もあったものの、充実した前半と言える。

一方で清水は途中から前からハメにいったが、うまく奪い切れないことが多かった。前から追うことで空洞化した中盤を使われて相手の2列目の特長を引き出してしまった。ビルドアップも形自体は悪くないが、技術的なミスでつながらないケースも。後半はボールを奪い、保持の時間をより多くしたい。

 

後半

福森、金子、後藤→、原、中山、カルリーニョス

後藤と同じようにSBの背後に走るカルリーニョス

竹内を最終ラインに下ろしたビルドアップ。徳島は前半同様、高い位置からプレスを掛ける。

 

48分、右を抜け出した垣田のクロスが鈴木義の手に当たりPK。

VARのチェック+オンフィールドレビューで3~4分近くかかったが、PKの判定は覆らずPKの判定。岩尾が決めて徳島が追加点。

そこまでビッグチャンスではなかったが、ラッキーな形で徳島は2点のリードを得た。

 

56分、西澤→中村

58分、岸本のカットから敵陣へ運び、最後は藤原のシュート。権田好セーブ。

 

中村と原の流動的なポジショニングに対して少し守りづらそうにする徳島。

 

61分、渡井→浜下

浜下が右SHに入り、宮代を中央へ。

63分、左で中村が個人突破。クロスにサンタナが合わせたが、良い体勢で打てず枠外。

 

66分、藤原が内側に入ってSBを引き連れ、空けたスペースに宮代を走らせる形。

 

飲水まで

清水がボールを持つ時間を増やし、徐々にゴールに近づいている雰囲気はある。徳島も垣田のポストを生かしながら押し返しを図るが、持てない時間は多くなっている。

 

71分、河井、鈴木唯

75分、藤原、鈴木徳→杉森、藤田譲

杉森が右に入り、浜下が左へ移る。

 

清水が押し込み、徳島が耐える時間が続く。清水はクロスからサンタナ狙いが多い。

 

82分、田向、宮代→ジエゴ、河田

85分、こぼれ球を拾った中山が1人でちぎってCK獲得まで。

 

91分、右を抜け出した岸本のクロスに垣田が点で合わせて徳島が3点目。勝負を決める一発。

 

後半は多くの時間を守りに割くことになった徳島だが、決定機という決定機はそこまで作らせず、我慢できたことが大きい。早い時間に2点リードにできたこともメンタル的に楽にできた部分でもあり、3点目を取ってダメ押しできたのもしたたかさを感じる。

清水は攻勢を強めた60分以降、早い時間で1点を返せていればもう少し“雰囲気”を出せたと思うが、1点が遠かった。後半途中まで徳島のビルドアップを妨害できなかったプレスも改善点に挙げられる。

 

 

トピックス

清水

前節は金子左、西澤右だったが、今節は西澤左、金子右になった。 

ヴァウドがフェイスガード着用。前節の衝突の影響か。

ハンドが取られてPKを与えたこともあり、相手のハンドや微妙な判定へのフラストレーションが溜まっている。スタンドも1個の判定に対してかなりざわつく。

 

徳島

宮代は2戦連発。 

岸本→垣田のホットラインが開通。岸本は守備でも粘りのある対応を見せ、切り替えでも前に出ていくなど、存在感があった。垣田もポストでポイントを作る役割と最後までチェイシングを緩めない献身性で貢献。

初の完封&3得点で2連勝。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ロティーナ監督 ]
前半きっ抗した展開の中で、われわれにも決定機がありました。その中で彼らがチャンスを作ってそれを決めた。そのプレーの流れは彼らの特徴的なビルドアップからで、それは分かっていてケアをしていた部分でしたが、あのときだけ止めることができず、それがゴールにつながったと思います。ハーフタイムにいくつかの修正をして、3人をチェンジして逆転を目指しましたが、立ち上がりにPKを与えて失点をしてしまいました。そこから焦りが出てミスも多くなり、賢いプレーよりも、気持ちが先走ったプレーが多くなってしまったと思います。ここから学び次につなげていく必要があります。今日のチームのイメージはとても良くないので、すぐに改善していかなければいけません。

--徳島のどこに一番苦しめられたか?
相手のビルドアップが機能していて、われわれがプレッシャーに行っても奪えず、そのあとリトリートしなければいけなくなり運動量が多くなりました。それが試合のカギになったと思います。

--ハーフタイムに3人を入れ替えたが、その意図は?またハーフタイムの指示は?
カツ(中山 克広)、カルロス(カルリーニョス ジュニオ)はもともと、フィジカル面を考慮して90分はいけないということだったので、ハーフタイムから入れるという決断をしました。(ハーフタイムに)ビルドアップの部分も、またプレスの部分も改善して、より主導権を握って戦いたいと思いましたが、あのPKで試合が難しくなってしまいました。

--「気持ちが先走ったプレーが増えてしまった」ということだが、気持ちが先走ることでプレーにどのような悪影響が出たか?
(後半)逆転していこうとしましたが、出はなをくじかれてしまいました。そこからメンタルの崩れというのはよくあることですが、メンタルが崩れてしまったらプレーに悪影響を及ぼしてしまいます。それはサッカーで一番良くないことだと思います。当然に起こることですが、そこを強くしていく必要があると思います。

 

[ 甲本 偉嗣ヘッドコーチ ]
前半の良い時間帯に得点をすることができ、僕たちの良い時間帯を作れたと感じています。守備の部分でうまくスイッチを入れられ、相手からボールを奪える場面も何度か作れました。

後半はラッキーな形ではありましたが、PKを獲得することができて追加点を奪えました。その後、プレッシャーを受けて相手の時間帯になりそうなところもありましたが、その中でも選手たちはまとまって戦ってくれました。また、最後にダメ押しの3得点目も決められ、良い試合になったと思います。

--本日のゲームプランについて。併せて、鈴木 徳真選手の起用に至った背景を聞かせてください。
相手のプレッシャーをいかにかいくぐれるかを1週間トレーニングしてきました。その中で良い形でボールを動かすことができ、相手のビルドアップに対してもうまくプレッシャーをどう掛けるかというところもうまくいきました。ゲームプランとしては良い形でハマった印象です。

鈴木 徳真に関しては、もともと力のある選手で調子もずっと良かったです。その中で、特に今週のパフォーマンスが高かったので起用しました。

--今季、先制しても追いつかれる。または逆転されるという展開がありました。今節そうならないために、ハーフタイムではどのような話を伝えましたか?
そういう展開を強いられたことがあった中で、ハーフタイムには選手たちにこれまでも伝えてきたことを繰り返し伝えました。こういう展開になったときも、守備では後ろに引くのではなく前からプレッシャーを掛けて、“守るよりも、奪う”ということを先行してやろう。攻撃では、ボールを動かすだけではなく、さらにゴールを奪いにいくことを伝えました。

 

2021 J1リーグ第7節 横浜FCvs柏レイソル メモ

 

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スタメン 

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横浜FC

保持

[4-1]ビルド。手塚が下りたらSBを押し上げる。

田代からロングボールを入れることも多い。

安永はセカンド回収役なのか、中盤のサポートにはあまり下りず、少し高い位置に出る。齋藤と安永のIHっぽいふるまい。なので保持時は[4-3-3]気味。

 

非保持

[4-4-2]ミドルブロック。プレスを掛けるよりも中盤でブロックを形成する。

 

保持

 [4-1]ビルド。ヒシャルジソンが2トップの間。

  

非保持

[4-3-3]ブロック。クリスティアーノが前に出たらヒシャルジソンは手塚を捕まえに出ていく。アンカーというよりも3センターの真ん中。

 

 

 

流れ

横浜FCが保持して、柏が睨みながらプレスを掛けていく序盤。横浜FCは手塚のロングフィードでサイドを変える攻撃を狙うが、その前に柏が中盤で奪えるシーンも多い。

 

15分、シノヅカとサヴィオのワンツーでPA内に進入。その前に染谷の縦パスでヒシャルジソンに前を向かせたシーンで全体を押し上げられた。

 

飲水まで

両チームともにリスクをおったつなぎはせず、詰まったらロングボールで逃げる。柏のほうが敵陣でのコンビネーションなどでゴールへ近づけている雰囲気はある。
 

徐々に柏が敵陣でのプレータイムを増やしていく。横浜FCは最前線に強い選手がいない&ジャーメインがサイドの深い位置まで戻って守備をするので、押し込まれると前でポイントを作れる場所がない。

 

35分前後は横浜FCの時間。両サイドで抜け出し、クロスで得点の匂いを感じさせる攻撃を見せる。

 

38分、CKからファーで折り返して最後は田代が押し込んで横浜FCが先制。良い時間帯が作れていた中での先制。今季初めての先制点。

 

43分、FKのこぼれ球がジャーメインの目の前にこぼれて決定機を迎えたが、シュートはスンギュの正面に飛ばしてしまった。悔しそうな表情。

横浜FCがリズムをつかみ始めてから柏はビルドアップでなかなか前進できなくなる。

46分、PA手前からのFK。手塚のキックは角×角あたりに飛んだがスンギュがギリギリ触って枠外へかきだした。

 

互いに極力リスクをかけない戦い方で大味な展開が続いたが、終盤は横浜FCが支配。深い位置まで入り、セットプレーが多く取れた中でCKから得点が奪えた。

柏は20~30分あたりは敵陣でプレーできていたが、少しずつリズムが崩れていった。

 

後半

細谷、シノヅカ→呉屋、神谷

江坂と呉屋の2トップ、神谷左SH、クリスティアーノ右SH、ヒシャルジソンとサヴィオ2CHで[4-4-2]にシステムを変更。

 

47分、ハイボール処理のこぼれ球からクリスティアーノが抜け出してGKと1対1を迎えたが、南が距離を詰めて好セーブ。決定機。

49分、渡邉がうまく収めたところから前線へ送って最後は松尾のシュート。惜しくも枠外。決定機。

後半立ち上がりから互いに決定機を作り出すが決め切れず。

 

右SHクリスティアーノが内側に入るので、大南が大外レーンでなにができるかは試される。左の神谷×古賀も同様。また、2CHがヒシャルジソンとサヴィオなので、中盤のそこが留守になりがち。CBが前へ出て潰せないと、下がらざるを得なくなる。

 

58分、齋藤が足をつる。

59分、齋藤→松浦

松浦がそのままトップ下。

63分、ヒシャルジソン→仲間

仲間とサヴィオ2CH。本職のボランチが1人もいなくなる。

ヴィオが右に下りて3バック化。相手2トップの脇から運んでいく。

 

67分、FKに上島が飛び込んで合わせたが、南がファインセーブ。決定機を阻止した。

飲水まで

柏は攻撃的な選手を多く入れたことでトランジションに不安は抱えているものの、中盤より前でのプレータイムを増やせれば怖さは増している。横浜FCは段々とボールホルダーに圧力を掛けられなくなっているので、後方からゴール前への配球を許す。どこかでエネルギーを高めて、押し返したい。

 

72分、横浜FCが自陣で奪ってカウンター。安永が運び出して松尾に届けたが、上島のカバーが間に合う。

 

75分からは横浜FCが防戦一方に。SHも大外を埋めるために下がるので、中盤の脇がかなり空く。柏はサヴィオと仲間に捌かせてから前に上がらせてゴール付近の枚数を増やす。

 

81分、松尾、ジャーメイン、渡邉→小川、瀬古、伊藤

システムを[4-5-1]に変更。

 

88分、サヴィオの強烈なボレーを南がビッグセーブ。

89分、直後のCKから混戦を作り出し、最後は大南が押し込んだ。横浜FCはギリギリかき出せたと思ったがゴールラインを割っていた。横浜FCは南のビッグセーブなどでぎりぎりのところをしのいでいたが、ここにきてゴールを割られた。

下平監督からはジェスチャーを交えながら「落ち着け」の声。

 

最後は自陣を固めて逃げ切ることを選んだ横浜FC。88分までは耐え切ることができたが、1点のリードを最後まで守ることはできなかった。柏もアタッカーが多く入っていたこともあり、ゴール前で怖さのある選手は多くいたので、いつ事故が起きてもおかしくない状況にはなっていた。本来であればボールを取り上げることで守備の時間を作れたらよかったが、終盤はまったくボールを取りに行けなかった。受け続けると安心して守れない様子を見る限り、ここは次の課題になる。

柏は終盤こそ押し込んで迫力をみせられたが、序盤から中盤にかけてのゲーム運びはあまりよくなかった。押し込んだときの迫力は間違いないだけに、その展開へ持っていく手段を増やしたい。

 

 

トピックス

大型連敗中同士の対戦で、仲良く勝点1ずつを分け合う結果に。両者ともに連敗はストップ。

横浜FC 

ハン・ホガンJ1初スタメン。松浦が今季初出場。

 

 

クリスティアーノが1トップで細谷がWG。 

大南の右SB起用。押し込んだ時の攻撃の質は課題として出たが、最後は得点をとって勝点奪取に貢献した。

途中から仲間とサヴィオボランチコンビになり、本職のボランチが1人もいなくなった。 

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 下平 隆宏監督 ]
前半はプランどおりというか、狙いを出せた。その中からセットプレーで得点できて、良い前半だったと思います。後半も同じようなプランで入りましたが、最後は相手にパワーを出されて、守り切れれば勝点3を拾えたところだったが、最後の守備のところでどうしても押し込まれてしまって、苦しい時間をしのげなかった。勝点3は取れませんでしたが、勝点を1つ積めたことはポジティブに前進できたと選手たちにも話をしました。この勝点1をしっかり次につなげられるようにまた準備をしたいと思います。

--後半、押し込まれる中でもう少しカウンターで相手を脅かしたかった?
後半はレイソルがパワーを出してくるので、ブロックを作る時間が長くなるだろうと予想していた。そこから両翼の松尾(佑介)とジャーメイン(良)のところで常にカウンターを狙っていくようにと伝えていたが、いろんな負荷がかかり過ぎて、松尾も足をつっていたし、ジャーメインも肉体的な疲労があって、カウンターへのパワーを出せるところまでいかなかった。

 「前半はプランどおり」にいった中で、良い流れが来た時間帯にセットプレーで得点を奪い、理想的な展開に持ち込めた。「最後は相手にパワーを出されて」受ける展開になった中、「苦しい時間をしのげなかった」。初めて勝てる可能性を感じる試合には持ち込めたが、受けたときに守り切れない問題は昨季からの課題として継続されているようだ。

[ ネルシーニョ監督 ]
--後半に仲間 隼斗選手とマテウスヴィオ選手をボランチで並べた意図は?
前半なかなか守備から攻撃に良い形で転じることができなくて、横浜FCも後半は相当引いて守備を固めてきていました。その中でクオリティーがあって前線に運べる、そういった選手を投入する必要がありました。後半の入りはサヴィオとヒシャ(ヒシャルジソン)をダブルボランチで起用したんですけども、ヒシャのところからなかなか有効な攻撃を仕掛けることができなかったので、ヒシャのところに代えてサヴィオと隼斗のダブルボランチにしました。隼斗が入ってからは、もともと攻撃的な選手でもありますので、サイドや中央から良い形で攻撃の崩しができていましたし、しっかりとボールを握ることもできたと思います。

--土壇場で勝点1を持ち帰った意義は?
負け試合では決してない試合で、勝てた試合だったと自分は見ています。ただ、そんな中で相手と分け合った勝点1は、今後勝点を積み重ねていく上で、非常に価値のある勝点1であることは間違いありません。この先しっかりとわれわれがやるべきことをもう一度見直して、引き続き戦いを続けたいと思います。

--前半のフォーメーションと戦い方について。
今日の試合のフォーメーションは、この2週間チームがずっと取り組んできたものです。今日のゲームでは前からのプレスもうまくハマっていたと思います。ただ、セットプレーで失点を許してしまって相手が勢いづくような時間帯もありました。

仲間とサヴィオボランチに並べる攻撃的な布陣を組んだが、これが結果的に功を奏して攻撃の圧力を高められた。当然守備面での不安はあったはずだが、終盤は横浜FCが攻められなかったことで、そのリスクはほとんど感じさせず、特長である推進力が強く引き出すことに成功。ただ、サブで控えていた本職ボランチの三原にとっては複雑な気持ちだったかもしれない。「非常に価値のある勝点1」を手にし、次へ向かう。

2021 J1リーグ第7節 名古屋グランパスvsFC東京 メモ

 

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スタメン

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FC東京

保持

後方からのロングボール。

  

非保持

[4-3-3]セット。左IHの東を前に上げて、相手2CBに数を合わせてプレスを掛ける。

 自陣では[4-1-4-1]。ディエゴが最前線中央に残り、トランジションで時間を作る役。

 ディエゴが1人でコースを切りながらサイドを制限する。SBは持ち場を捨てて人を捕まえに出ていく。

 

 

雑感 

両者ともに全体の組織が強固で球際も激しい。1つのミスが勝負を決めそうな緊張感のある試合だった。

FC東京としては久しぶりに守備が機能し、締まった守備を見せられた。1トップに入るディエゴが中央でボランチへのパスをけん制しながらCBへのアタックにも出ていく。彼の動きを中心にWGがCBへのプレス、IHがボランチへの寄せと連動していく。自陣に撤退したときも、システム的に空いてしまう1トップ脇はIHが前に出て縦パスのコースを塞ぐ。名古屋は保持でのリスクをかけず、CBの運びなども試さないので、ボランチの前に人を置かれるとなかなか前進できない。前半の終わり際にはロングボールを入れてセカンドを拾うことで押し上げを狙ってきたが、全体がオープンになるので、ゲームコントロールを優先する名古屋としてはあまりやりたい作戦ではなかったはず。

 

保持では後方からのロングボールも選択肢に入れながら、持たせてもらえればビルドアップからフィニッシュを狙う。ブラジル人同士のコンビネーションや、三田の稲垣の背後を狙うポジション取りなどでゴールへ迫った。

 

永井が入ってからはシステムを[4-4-2]に変更。ディエゴで中央をプロテクトしていた流れから、永井がチェイスする守備に変わる。2トップが前に出ていくと、背後の相手ボランチが空きやすくなるので、そこを捕まえるために安部とのセット投入だったと思われる。また、名古屋が押し込み始めていたので、相手陣にできたスペースを速く使おうという狙いもあったかもしれない。

 

[4-4-2]になってからは、森重の横切りの遅れや最終ラインに吸収されすぎる組織としての偏り(?)がやや気になったが、最終ラインの粘りもあって耐え切った。FC東京から見た右サイドを攻められたときには、左SHアダイウトンが絞ってこないので、森重が最終ラインに引っ張られるとバイタルのケアが非常に難しくなっていた。ただ、そこはある程度のリスクも踏まえた上で、得点を奪いにいっていたのかもしれない。

 

 

トピックス

 名古屋

吉田豊が味方と見間違えて審判にパスを出す珍プレー。 

 

FC東京

中村帆が負傷交代。肉離れの可能性。

「ここ集中だぞ」と声を出して味方を鼓舞する小川。 

ピンチは2人の“剛”が防ぐ。渡辺剛は広範囲のカバーリングと、人に強い潰しで最後方で大きな存在感を示した。児玉剛は落ち着いたハイボール処理と、至近距離のシュートに強いセービングでゴールを死守。両者の活躍があってこその無失点、そして勝点1だった。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ マッシモ フィッカデンティ監督 ]
お互いに勝つために戦った試合だった。特にグラウンドの中央部分で主導権を握らせないことにこだわりながらやり合い、とても気持ちのこもった試合になった。特に前半、FC東京に何度も決定機があって、後半はわれわれもそういうシーンを作った。

こういう相手に対して勝点1を挙げることができたということを大事に、次につながる勝点だと思う。取り組み方も方向性としても、チーム全体で1つになってそれぞれの時間帯を戦うことが今日も引き続きできていた。今日も勝つために選手は全力を出していたが、結果として1ポイントで終わった。

--後半に齋藤 学選手を投入して攻撃のリズムが変わったが、狙いは?
どちらかというと、交代選手が入った時間帯のほうが、グラウンド全体にスペースがあったので活躍したように映ったかもしれない。どちらにしても攻撃に力がある選手たちは、試合の開始からずっとグラウンド内にいた。開始直後は技術の高い選手が多く並び、選手交代ではパワーでぶつかり合える選手を投入した。お互いの攻撃に対してどういうディフェンスをしてくるかというところで、より前半と後半の頭のところで相手が堅く守ってきた。一概に今日は誰が良かったとは言えないと思う。

--なかなか崩し切れなかったが、相手の守備が想像以上に良かったのか?
ボランチの位置に本来はCBとしての能力が高い森重(真人)選手がいた。決して東京が守りだけの試合をしてきたわけじゃなく、守るシーンとしてディフェンスラインと森重選手で東京の強さ、相当に堅いということが分かる。東京はしっかり守り切るということをやり切った。われわれが(決定的なシーンを)作れなかったところは、東京を褒めるべきだと思う。 

 

[ 長谷川 健太監督 ]
スコアレスドローという結果でしたが、両チームともに気持ちの入った締まった試合をたくさんのサポーターの前でできたと思っています。われわれにとっては非常に価値のある勝点1だと思っています。

--どう名古屋の守備を崩そうとしていた?
前半は意外とチャンスを作れたと思っています。あわやというシーンをランゲラックに止められたけど、良い崩しはできたと思う。内容のある崩しからシュートまでいくことができたと思います。あとは最後の精度の問題だと思いますので、内容的にも手ごたえがあると思います。

--今季一番の内容だったと思うが?
内容の伴った引き分けだったと思っています。前半から自分たちがしっかり動かしてチャンスを作ることができていたし、守備も集中していた。どちらも前線の選手に特徴のあるチームだと思いますが、相手の速い攻撃にも最後のところでしっかり対応し、非常に集中力の高い試合をやれたと思っています。

結果は引き分けだが、「気持ちの入った締まった試合」を見せることができた。どちらもワンチャンスを決めていればという流れで、前半のチャンスを決め切れていれば、ではあったが、開幕から6連勝しているチームとのアウェイゲームで「非常に価値のある勝点1」を奪えたと言っていい。

[渡辺 剛]

--内容としては今季で最も良かったと思うが?
前回のルヴァンカップで無失点で終わっていたことがチームを良い状況に持っていくきっかけになったと思う。そういう試合を見て、しっかり戦わないといけないと思いましたし、自分も代表に行っている中で「もっとやらなきゃ」という気持ちになれたので、チーム全体が良い雰囲気だったからこそこういう試合ができたと思っています。

--名古屋の攻撃をどう抑えようと思っていた?
スキを与えてしまったら厳しい試合になると思っていた。名古屋がゼロトップ気味だったので、落ちた選手をつぶすことと、そこでチャンスを作らせないことを意識した。マコ(岡崎 慎)と森重(真人)選手と声をかけながらうまくできたことが(失点)ゼロにつながったと思います。

 

[小川 諒也]

--試合前の予想どおり、堅い展開になったが?
両チームともに守備から入って堅い試合になっていたので、セットプレーからでも点を取れれば良かったが、アウェイでの勝点1、失点ゼロは悪い結果ではないと思います。

--チームとして得た手ごたえは?
今年から取り組んでいる、速攻だけでなく崩しにいってシュートまでいく形も何回かあったので、そういう部分の成果は出てきたと思います。

--リーグ戦では初の無失点となったが?
ここまでくだらない失点というか、自分たちのミス絡みで防げた失点が多かった。そういう意味でも今日は全員が集中して入れたかなと思います。

--自身としては代表帰りで初の試合となったが?
チームを勝たせるプレーをしたかった。個人としてはまだまだ納得のいくプレーではなかったと思います。

 

2021 J1リーグ第6節 大分トリニータvsサンフレッチェ広島 メモ

 

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スタメン

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大分

保持

 下田を最終ラインに入れた[4-1]ビルド。三竿と小出はSBロール。

 下田から背後へ走るWBへのフィード。

WBが深い位置で持ったら小出と三竿はオーバーラップ&インナーラップでサポート。

小出を前へ押し上げて、町田をSBの位置にサポートで下ろす。

 

非保持

 [5-4-1]ブロック。相手CBにはプレスに行かない。

ボランチは相手のボランチに入ったら前に出て下げさせる。

 

広島

保持

 [4-2]ビルド。青山が最終ラインに下がってサポートすることも。

サントスは左に流れての仕掛けが多い。 

 

非保持

[4-4-2]セット。

2トップでアンカー位置の小林裕を見ながらCBにもアタック。

自陣では浅野が中盤の前のサポートに戻る。

 

流れ

立ち上がり、いきなり広島が押し込んで浅野がシュート。大きく枠を外れたが、悪くない入り。

 

大分のGKを含めた低い位置からのビルドアップに、高い位置からけん制をかける広島。

9分、小林成が下りてきたタイミングで長沢へ蹴ったので、セカンドを拾う役がいない。シャドーが下りてサポートもけっこうある大分。

12分、最終ラインの下りる青山。

18分~、大分が持って攻め方を探る時間。広島は少しずつテンションを落とし、深い位置まで追うのはやめた。

大分は攻守で大きく可変するので、トランジションでプレスが効かないと、一気に深い所を取られる。

 

飲水まで

ゴールに近づいているのはどちらかと言えば広島だが、ここまではチャンスが少ない静かな立ち上がり。最初こそ広島が保持して積極的に奪いに行っていたが、テンションを落とすと大分も保持の時間を増やし始めた。

 

29分、町田をSBの位置に下ろして小出をシャドーの位置に押し上げる。町田から背後へ走る井上へ。町田が右後ろに下りてくる形は何度かやっていた。

30分あたりから大分のプレスラインが上がる。それに伴って広島はロングボールが増え、中盤が間延びするのでややオープンめな展開になる。

 

35分、広島の時間。三竿を前へつり出したところにエゼキエウが走り込んでチャンス。直後、右からのボールにヴィエイラが合わせるも枠に嫌われる。広島が連続でチャンスを作る。

 

37分、福森のカットインから高速クロス。誰も触れずに抜けたボールがポストを直撃。

 

30分過ぎくらいから藤井とエゼキエウがサイドを入れ替えた。藤井が左、エゼキエウが右に。

43分、セカンドを拾った浅野がミドルシュート。高木が好セーブ。大分はボランチがセカンドへ対応するが、そこで負けるとバイタルが空きやすくなる。

 

両チームともに敵陣でどう崩すかを探していた前半。広島は福森と三竿を引き出してその裏。大分は右サイドで町田と小出を入れ替えることでマークを混乱させ、背後に走る井上へのパスなどで、攻略を狙う。浅野のパンチ力やヴィエイラの強さなど、“飛び道具”が多い広島のほうが怖さはある。大分は長沢がいるためクロスも積極的ではあるが、あまり彼を生かせてはいない。

 

後半

エゼキエウ、藤井→森島、サントス

浅野が右へ回り、サントスとヴィエイラの2トップに。

 

自陣深くからのビルドアップでプレスを外し、疑似カウンターへ。福森がスペースを得た状態で運び、三竿へ。クロスを送るも中で合わず。福森から中央へのスルーパスも狙えそうだったので、やや消極的な判断にも見えた。

51分、小林成で深さを取り、そこから三竿に下げてクロス。中で長沢が合わせて大分が先制。広島は深い所へのカバーに人数を掛けたことでマイナスで待つ三竿をマークできず。ブラジル人2トップで前残りさせるリスクが失点につながった。

 

広島が攻勢を強め、ヴィエイラのシュート、サントスの仕掛け、浅野の突破など個人の特長を生かしながらゴールへ迫っていくが、大分の守備も粘りが効いている。

 

63分、大分が自陣深くでのパスミスをおかし、浅野にシュートを打たれるも高木がセーブ。そしてオフサイドの判定だった。

 

64分、茶島のクロスに後ろから入ってきた青山が合わせて高木の頭を越してゴールへ。広島が同点に追いつく。大分は人はそろっていたが、多くが最終ラインに吸収されていて、その前のスペースに飛び込まれた。

 

66分、ヴィエイラ、茶島→柏、佐々木

サントスと浅野の2トップ。右に森島、左に柏。

 

67分、ショートカウンターからサントスのシュートも枠外。決定機。追い付いた広島が一気に勢いづく。

飲水まで

大分はねらいどおりに先制できたが、押し込まれるとそれを止め切れず決壊。メンタル的にも広島のほうが良い状態にある流れ。

 

大分はロングカウンターを数多く打てるメンバー編成ではないので、主導権を握るにはボール保持の時間を多くするか、高い位置から奪いに行くしかない。ただ、広島が保持の時間を増やしており、我慢の時間が続く。

74分、井上、小林成、福森→黒﨑、渡邉、香川

 

77分、久しぶりに高い位置からプレスを掛けていった大分。しかし、外されて最後は浅野にシュートを許す。得点を奪う、そして主導権を握り返すためには必要な判断ではある。

79分、浅野→鮎川

サントスは左をベースにして、カットインで仕掛けていく形が多い。

大分の保持に対し、疑似カウンターを恐れず深くまでプレスを掛けていく広島。そして中盤へ蹴ったところを回収し、攻撃の時間を増やせている。

 

83分、小林裕→長谷川

85分、サイドの狭い所を細かいパスで抜け出した大分だが、途中でロストするとカウンターを受ける。バランスが崩れていた大分の陣形が整う前に広島が攻め切って川辺のゴールで広島が逆転に成功。大分は多くの時間で我慢しながらも、欲を出したところで裏返されてしまった。

 

87分、町田→髙澤

1点リードの広島は無理に攻めず、ボールを持ちながら時計の針を進める。点を取りに行くしかない大分は髙澤と長沢で追いかけて奪いに行く。

 

92分、自陣でつなぎに行った三竿から奪い取って最後は鮎川がゴール。広島が勝負を決める3点目。

 

大分は良い形で先制し、自分たちの土俵に持ち込めるはずだったが、相手のプレスをくぐることができず得点後は防戦一方に。同点に追いつかれてからは我慢を続け、わずかな隙から1点を狙ったが、欲が出た最終盤にロストからカウンターを受けて痛恨の逆転弾を喫した。ビハインドを背負ってからは前から奪いに行きはじめたが、思ったようには取り上げられなかったことも厳しく、最後は自陣でのミスでとどめ。ボールを奪えないならば保持を安定させたいところだったが、それがかなわなかったのが苦しくさせた。

広島はシュートチャンスを作りながら先制を許したのは嫌な流れだったが、攻勢を強めた中で3点を奪い逆転勝ち。自陣で人数をかけて守る相手を崩せずにいたが、一瞬見せた隙を逃さずにしたたかに逆転弾、そしてダメ押し弾を決められたことは大きく評価できる。

 

トピックス

 大分

 町田が下りて小出がインサイドの高い位置に上がっていくポジションチェンジは面白かった。

井上は調子が良さそうで、スピードもドリブルのキレもあった。

 

広島

 茶島が左SB起用。

サントスの左流れからのカットインが多かった。

鮎川はJ1初ゴール。

珍しい青山のヘディング弾。

城福監督の誕生日を勝利で祝った。背番号60(60歳)で赤いユニフォームをプレゼントされていた。水をかけられていたので、インタビューで出てきた城福監督のワイシャツがびしょびしょになっている。裏で盛り上がる選手たち、思わずにやける城福監督。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 片野坂 知宏監督 ]
ホームでの広島戦にファン・サポーターにたくさんお越しいただいたにもかかわらず、残念な結果となり、非常に責任を感じている。

調子の良い広島さんは簡単に勝てる相手ではないと思って臨んだが、逆転負けという非常に悔しい敗戦になってしまい、いろんな面でまだまだ力の差があると感じた。

前半は準備してきたことをある程度は想定内でプランどおりに進め、後半にもう一度そういうところから粘り強く戦って勝点をと思った。先制点も狙いどおりの良い形だった。だが、クロスからの失点、奪われてからのカウンターでの失点、ミスの失点。サッカーはミスが起こるスポーツ、ミスで痛い思いをするスポーツだが、そういう痛みを感じたゲームになってしまった。まだまだ自分たちの力のなさ、ここから修正してなんとか立ち向かっていかなくてはならないということを感じている。

これでリーグ戦は中断して代表ウィークに入り、ルヴァンカップのアウェイ・徳島戦があるが、なんとか自分たちの良い流れに持っていけるよう準備して、予選突破を目指して戦いたい。

 やはり先制点は「狙いどおりの良い形」だった模様。長沢のゴール前でのうまさ・高さを生かせた良いゴールだった。

[ 城福 浩監督 ]
彼らと一緒に戦えて本当に幸せです。ゲームの中では相手のストロングとしてケアをしていたところでやられたことは反省しないといけないですけど、トータルすると前半で代わったエゼキエウと藤井(智也)も含めて全員でハードワークしてつないでいき、おのおのの特徴を出すことができたからこそ逆転できたと思いますし、この大分まで来てくれたファミリーの方々、あるいは広島で応援してくれている方々と喜び合えたことは本当に良かったと思います。

--勝利と誕生日、ダブルのお祝いになりました。
本当に最高の誕生日になりました。

--3点とも非常に良い守備からの得点だったと思います。
相手陣でサッカーをするというわれわれの目指しているものは、前からのプレッシャーとサイドでボール保持しながら崩していくということが両輪になるんですが、それを見せられたから得点を奪えたと思います。前からの守備も押し込まないとできないので、その両方を見せられたことが良かったと思います。

 

2021 J1リーグ第6節 柏レイソルvs清水エスパルス メモ

 

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スタメン

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保持

 椎橋のサリーで3バック化。

トップのシノヅカが列落ちでサポート。

 

非保持

 

 

清水

保持

 左サイドの福森を狙ったロングボール。

サンタナを狙ったクロス。

 

  

非保持

  [4-4-2]セット。

 竹内は下りるボランチに深めについていく。

 

 

流れ

柏からみて強い追い風。

3分、西澤のCKに鈴木義が合わせて早い時間で清水が先制。

 

柏が持って清水が受ける展開が続くが、なかなか中盤のラインを超えられない。清水は中盤で奪って2トップのカウンター狙い。

清水も明確な奪いどころが定められてはいない。

 

飲水まで

清水がさい先よく先制に成功したが、ペースを握れているのは柏。ただ、清水も前線にスピードはあるので、すきを見つければカウンターを打てる。守備もやられている印象は薄い。柏はクリスティアーノらの馬力を発揮できる局面まで持ち込めば怖さはあるが、最後のところは外せていない。

 

サンタナのクロスが戻ってきたり、上島が目測を誤って転倒したり、向かい風方向の浮き球の落下地点予測は難しそう。

 

27分、原のクロスにサンタナが豪快に合わせて清水が追加点。清水はビルドアップがあまりうまくいっていなかったが、少ないチャンスを確実にものにしている。

 

 30分、CKのこぼれ球を椎橋がダイレクトボレー。うまくミートしたが、枠外へ。

31分、ヴァウドが座り込む。負傷した感じもなく、意識もはっきりとしているが、担架に乗せられピッチの外へ。数分前の原との衝突が影響したか。

33分、ヴァウド→奥井

原が右CBへ移り、奥井が右SBに入る。

 

柏はサイドからのクロスを中心にゴールへ近づいていく。

 

37分、セットプレーの流れでカルリーニョスが味方と接触し、痛める。

柏としては、ヴァウドに続き、攻めているタイミングで止められるのでやや不満をためていそう。

カルリーニョスはプレーに復帰できた。

 

45分、清水が久しぶりに押し込んでシュートまで持ち込む。

 

追加タイムあたりからは清水が攻め込み始めたが、おおよそは柏が持って清水が受ける展開。清水も前からの制限はそこまで効いていないが、自陣では距離を詰めて自由にプレーはさせていない。柏はクロスを中心にゴール前へ送り込んでいるものの、決定打は打てず。したたかに少ないチャンスを決め切った清水が優勢に進める。

 

 

後半

柏からみて向かい風。

上島、椎橋→染谷、神谷

ヒシャルジソンをアンカーにして、シノヅカと神谷のIH。システムを[4-1-4-1]に変更。

 

CB→IH→アンカーでヒシャルジソンに前を向かせる。

細谷が原を背負ってキープできるので、ポイントが作れる。

 

53分、鈴木義のコントロールミスで、柏にチャンスが訪れたが、鈴木義が自分でブロックし、なんとかした。

 

58分、シノヅカ→鵜木

ヴィオがIH、鵜木が左WGに。

 

 65分、神谷のゴールで1点差に。神谷の投入で中盤より前の攻撃に工夫が出てきた。

 

69分、金子、カルリーニョス→中山、後藤

中山はそのまま左サイドに入る。

 

79分、三丸、サヴィオ→高橋峻、仲間

古賀が左に回り、高橋峻が右SBに入る。

 

80分、怒とうのクロス攻撃でゴール前で事故を起こしにかかる柏。清水はギリギリのところでクリアして防ぐ。

清水も権田と鈴木義を中心になんとかはしているが、安定して防げているとは言い難い。

 

85分、河井、サンタナ→宮本、ディサロ

この交代で前線の活動量が上がり、高い位置で守備ができるようになった。

 

柏が少しずつ攻守に圧力を高めて押し返したが、追撃は1点にとどまった。清水も守備はまだまだ強固とは言い切れず。エリア内で勝負させてしまっているシーンは多い。ロティーからしたらもう少し、深くまで入れさせない守備をしたいはず。

 

トピックス

強い風が吹く。

前半で7分の追加タイム。

 

30分、サヴィオのキープからスルーパス

 

 清水

 西澤が右、金子が左。

ヴァウドが負傷(?)交代。衝突で強い打撃があったので、その影響だと思われる。骨折などでなければ、そこまで長くはかからなさそうだが、、

48分、西澤のステップワーク。

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ネルシーニョ監督 ]
非常に早いタイミングで先制点を許してしまって、われわれの一瞬気が抜けた瞬間に決められてしまいました。2つとも防げた失点だったと思っています。おそらく相手はボールを奪ってからのカウンターを狙いの1つとして持っていたと思うんですが、自分たちがボールを持たせてもらえる時間が相当あったにもかかわらず、なかなか決定機を作れなかったのが前半の展開でした。

後半に入って、神谷 優太というクリエイティブな選手を投入したことによって、システムをワンボランチに変えて攻撃に出ました。得点も取れましたし、後半のほうがよりわれわれが狙いとする自分たちがボールを握って動かすというのをできたと思いますし、どの選手も与えられた役割をこなしてくれたと思います。

ただ、攻撃の形を作れていた時間帯に点を取り切れなかったところに今日の敗戦の最大の要因があると思います。ボールを動かしながら最後は得点を取るところに、より注意が必要だったと思います。

--細谷 真大選手について。
良かったと思います。チームの結果がなかなか出ない、非常にデリケートな状況ではあるんですが、この先同じチームでいつか結果が出るのを待つよりも、われわれの中で何かしなければいけないという点で彼の起用に踏み切りました。彼の技術的な部分とポテンシャルについては疑いの余地はないのですが、試合に寄与するという点で彼のメンタルの部分を危惧していました。

ただ前節の鳥栖戦の後半、彼の入りは非常にこちらの要求を理解していて、しっかりやろうとしてくれていました。前節の入りが良かったからこそ、今回スタメンというチャンスをつかんだわけです。ボールを持ったときにゴールを狙っている非常に鋭い選手ですので、今日のような働きを継続的にやってもらいたいと思います。

 

[ ロティーナ監督 ]
1点目のCKからの得点が重要でした。ノリ(鈴木 義宜)が決めましたが、自分たちのプランに対してより自信を持ってプレーを開始することができたと思います。その中で素晴らしいサイドチェンジから2点目が決まり、試合を優位に運ぶことができました。

後半は悪くない内容で、相手をコントロールすることができていたのですが、相手の素晴らしいプレーから1点を取られて、同点を目指して前がかりになってきました。その中で苦しい時間が続きましたが、権田(修一)だったり、フク(福森 直也)やディフェンス陣がかき出したシーンもありました。全体的に仕事量の多いゲームになりましたが、チーム全員の素晴らしいハードワークによって、難しいアウェイで勝点3を取ることができました。

--[4-4-2]で臨んだ意図と、西澤 健太選手、金子 翔太選手を起用した意図は?
カネ(金子)と健太はまだ先発で出ていませんでしたが、彼らの能力は誰もが認めていると思うし、連戦の中でカツ(中山 克広)が疲れていました。またカルリーニョス(ジュニオ)と、チアゴサンタナ)とより近くでプレーしてほしいという思いから、彼ら2人を起用しました。彼らは素晴らしい仕事をしたと思います。

攻撃はもちろんですが、守備も集中力を保ってタスクをこなしていました。監督にとっては、素晴らしいニュースだと思います。出場機会が限られていた選手たちが良いトレーニングをして、出番が来たときに良いプレーをするというのは監督にとっては落ち着きを与えてくれるので、ポジティブに捉えています。

 

2021 J1リーグ第6節 サガン鳥栖vsアビスパ福岡 メモ

 

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スタメン

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おそらく松岡は前節の肩の負傷の影響で欠場。

鳥栖

保持

 中野を左の高い位置に押し上げ、小屋松は内側へ。島川が下りて3バック化、相手2トップの背後にはIHの樋口と仙頭。

 

非保持

 [5-3-2]セット。

 

福岡

保持

 三國へのロングボール。セカンドを拾って押し上げる。

 

非保持

 [4-4-2]セット。山岸がかなり精力的にプレスを掛ける。

 

流れ

立ち上がりはテンション高めで入った福岡が良い守備でリズムを作れている。鳥栖もボールを持とうという意志の中で徐々にアジャストを進めている感じ。

 

10分を過ぎると鳥栖がかなり慣れ始め、安定して敵陣まで運べるようになってくる。

15分、エドゥアルドの直接FKを村上がセーブ。きわどいシュートだった。

17分、本田の間受けから山下がシュートも枠外。

 

飲水まで

立ち上がりは勢いを持って入った福岡が良い守備から相手にペースを渡さなかったが、徐々にテンションを落とすと鳥栖が持って敵陣へ迫るシーンを増やした。福岡は2トップが山岸と三國なので、カウンターを打つには運び役を山岸にしないことがポイントになるか。金森への期待は高まる。

 

福岡のボランチが樋口や仙頭を捕まえに出てくるので、鳥栖はその背後のスペースに小屋松や本田が潜り込む。

 

28分、仙頭のシュートから混戦を作り出したが、鳥栖は押し込めず、福岡はなんとかかき出した。

 

 34分、島川→飯野で右サイドを取り、カットインからニアを狙ったが村上がセーブ。

35分、小屋松がPA内へ抜け出したが、シュートは枠外。さらにはオフサイドの判定だった。
福岡はでどころを消せず、背後への供給を許してしまっている。

 

時間がたつにつれて完全に鳥栖が主導権を握った。福岡はメンバー的にロングカウンターにもちこむのは難しいので、どうやってショートカウンター、保持からの崩しに持っていけるか。スコアレスで折り返せているので、選手交代をうまく使いながらパワーを高められるか。サブにFWがいないので、長谷部監督の采配もかなり重要になる。

 

 後半

 福岡はやはりボランチの背後のスペースが空きやすく、鳥栖はそこを狙う。

 

53分、鳥栖の自陣でのパスミスを石津が拾い、最後は金森のシュート。鳥栖はギリギリでブロックが間に合った。

54分、山岸がサイドで粘ってボールを残し、金森から三國で惜しいシーンを作る。鳥栖のミスもあるが、福岡がゴールに近づく。

55分、山下→林

山下を下げたのは警告をもらっていることも考えたかもしれない。

 

60分、輪湖のクロスから三國が飛び込んだが、うまくあてられず。抜けてきただけにあてれば1点といったシーンだった。

60分、三國→田邉

前をアンカーにし、重廣と田邉をIHに置く[4-1-4-1]気味のシステムに変えた。

 

66分、金森、石津→カウエ、吉岡

吉岡が右に入り、田邉が右。カウエアンカーの前&重廣のIH。

 

67分、右からの鋭いクロスに本田が合わせてネットを揺らしたが、オフサイドの判定。ギリギリの判定で福岡は助かった。

飲水まで

福岡も大味ながらいくらかチャンスを作り出したが、やはり主導権を握れているのは鳥栖。福岡は60分過ぎからは後ろに重くして守備を固め、中央のスペースを消した守備ができている。ただ、これを残り20分以上続けなければならないのは厳しいのでどうするか。鳥栖も徐々にブロックを攻略してきている。

 

福岡は前からの守備も行い始めたが、パスワークと林の強さを生かしながら前進されるので、結局自陣での粘りが重要になる。ショートカウンターを打てそうな気配もそこまでない。

 

77分、輪湖、サロモンソン→湯澤、志知

77分、前プレの圧力を高めて回収し、吉岡のロングシュート。シュートは大きく外れたが、奪い方は悪くなかった。

 

81分、小屋松→石井

 

選手交代で選手をフレッシュにした福岡がエネルギーの高さで上回りに行く。前からの圧力も増し、敵陣へ入っていく回数も増えた。

 

90分、福岡がカウンターで2対1の局面を迎えるも重廣が相手DFにあててしまった。フル出場で運動量も多かったので、疲労がけっこうありそう。

最終盤はお互いにかなりオープンな展開。連戦の影響もあってか、両者ともに相当疲弊しているように見える。

92分、中野→大畑

 

前半から後半20分ころまでに鳥栖が先制できていれば、もう少し鳥栖に偏ったゲームになったかもしれないが、福岡が要所で粘れたことにより、終盤は拮抗した展開になった。我慢を続けながら選手交代でエネルギーを高め、勝機を見いだした福岡はさすが。鳥栖が強引に勝ちにきたところをひっくり返せていれば完ぺきだったが、あれほどエネルギーを高めれば、カウンターの質が落ちるのもある程度は仕方なかった。

 

 

トピックス

鳥栖

 61分、ハーフウェイライン手前くらいまで出てくる朴。

 

福岡

金森、宮は古巣対戦。昨季(まで)在籍したチーム。

前節に続き三國がFW起用。

 グローリが6試合目にしてすでに4枚目の警告。次節出場停止。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 金 明輝監督 ]
見てもらったとおり、すべてにおいて力のなかった90分だったと思います。それ以外ないですね。

--本田 風智選手の立ち位置がポイントだった印象があります。彼に今日期待した役割と、後半福岡がそこを消すような立ち位置を取ってきましたがその影響は?
福岡の守備組織というか、そういうところはある程度想定できたので、本田の立ち位置、そこに何度かボールが入ったと思うんですけど、効果的だったと思います。後半も相手のプレスがハマった状況はほとんどなかったので、僕らが相手のプレスに困ったという状況はほとんどなかった。ただ、質が低かった。攻撃の質が低かった。そこが課題だっただけだなと僕は感じています。

--攻撃の部分で質が足りなかったということですが、具体的には?
パスの質、ドリブルの質、シュート、フィニッシュが枠に行くまでの質。すべての質。引かれた相手に対して、スペースがない中でも前半のようにシュートを打つ選択肢とサイドの脇、もしくは大きく振るということができれば良かったんですけど、後半それがなかなかできなかったという印象です。そういった意味での質です。

--引き分けでしたが、開幕から6試合連続無失点になりました。
どの試合も勝点3を目指しています。なので、悔しいです。6試合無失点に関してはまったく興味がないです。勝ちたいです。

 前に出てくる相手ボランチに背後を本田がつく形はかなり効果的で、特に前半はそこで主導権を握れたが、最後まで得点は奪えず。その本田がゴールネットを揺らしたが、ギリギリのオフサイドの泣かされた。

[ 長谷部 茂利監督 ]
試合前に3位であった、上手だし、強いという鳥栖さんに対して、善戦したかなと思います。自分たちの持っている力は出そうとしましたし、出せていた時間帯もあると思います。ただ、前半に限っては2点、3点取られてもおかしくないような流れに感じていました。ハーフタイム、無失点で帰ってきたところは良かったということでチームで共有して、後半はもう少し攻めていこう、守備のところはもう少しボールを奪えるようにと話をして送り出しました。立ち位置を少し変えて、少しやりやすくはなったかなと感じました。映像を見て、また改善したいなと思います。

--後半、前 寛之選手をアンカーにして立ち位置を変えました。鳥栖の本田 風智選手を消す狙いだったのかなと思いますが、あの変更の意図は?
詳しくは言いませんが、相手に合わせるというよりは、自分たちを攻守において機能させるために少し立ち位置を変えました。立ち位置に関しては見てのとおりです。

--前半はボールを奪いにいけなかったというか、ボールホルダーへプレッシャーに行けなかった印象です。そこは相手の流動的な立ち位置で捕まえられなかったのか、それとも自分たちに問題があったのか。
鳥栖さんが上手だったと思います。われわれの立ち位置を見ながら、2つ、3つ、準備というか選びながらプレーしていたと思います。CBとアンカー、インサイドハーフが下りてきたり。要は奪いにいけば、そこのスペースを使われてしまったり、パスラインを消したら違うパスラインが空く。そういうことを繰り返されて選手たちは少し奪いどころがないような感じになって、ディフェンディングサードに入らざるを得ない、戻らざるを得ないという形がけっこう多かったんじゃないかなと思います。

--2試合連続無失点は守備面において自信につながると思いますが。
昨年来、無失点というところは目指しています。守備に関してはもう少し、ボールを奪う回数、奪い方は高めていかないといけないと思いますが、失点をしていないということ、2試合連続ということで評価したいというか、良い方向に向かっているなと思います。ただ、ピンチはたくさんありました。(相手の精度に)救われた部分もあるので、そういう場面が少なくなるようにもっともっと高めていきたいと思います。

「前半に限っては2点、3点取られてもおかしくないような流れ」の中で無失点に抑えたことは評価できる。ようやく失点の数も減ってきて、J1にアジャストした本来の姿に戻りつつある。