がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2021 J1リーグ第6節 鹿島アントラーズvs名古屋グランパス メモ

 

www.jleague.jp

 

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20210404135917p:plain

 

鹿島

保持

三竿を左に下ろし、レオシルバをアンカー位置に残す。

両SBは大外の高い位置へ。

後方からシンプルにエヴェラウドを狙うロングボールも。

 

非保持

SB裏はCBが外まで出ていってカバー。

[4-4-2]⇔[4-2-3-1]で前から強くプレスを掛ける。

 

名古屋

保持

 マテウスと相馬を軸にしたカウンター。

サイドでのワンツーで縦を取ってクロス。

  下りるSHで相手のSBをおびき寄せて、SBがその背後を狙う。

 

非保持

[4-4-2]ブロック。

大外の相手SBにはSHがスライドで対応。

 

 

流れ

鹿島が持って攻める立ち上がり。

 

8分、名古屋が連続で右サイドを崩して宮原が抜け出したが、クロスはDFがブロック。名古屋も押し返してボールを持つ時間を作れれば、十分にPA内を攻略できそう。

 

16分、松村が吉田豊との球際の攻防で勝ち、PA内へ進入していったが最終的にはシュートが打てず。鹿島が押し込んでいるが、名古屋もゴール前はかなり固い。

 

24分、セットプレーの流れから中谷が収めて相馬のカットインミドル。ニアを狙ったが、サイドネット。

 

飲水まで

鹿島がボールを持って押し込み、敵陣でのプレータイムを増やしているが、名古屋の守備も堅く、決定機までは作れていない。名古屋は両翼のスピードを生かして素早く縦に運べるので、深く押し込まれても一気に陣地回復できる。

29分、マテウスのクロスのこぼれ球を山﨑がシュートも沖がはじき出す。

31分、サイドを崩したところから連続でクロスを供給。最後は抜けてきたボールにマテウスが合わせたが、枠内へ抑えられず。ブラインドになってボールが見ずらかったか。

 

35分あたりから荒木と松村のサイドを入れ替えた。

 

いつものようにボールを持ちながらコントロールする時間は作れなかった名古屋だが、守備は安定。ゴール前でのエヴェラウドとのバトルもそこまで作られていないので、危なっかしい感じはあまりない。徐々にカウンターやサイド攻撃でチャンスを作るなど、持てない中でも押し返せている。鹿島は立ち上がりの勢いで押し切れれば理想的な展開に持ち込めたが、時間がたつにつれて名古屋に慣れられてきた雰囲気もあるが、どのように均衡を破るか。

 

後半

荒木と松村のサイドを元に戻した。

名古屋はゴール前で「これだけ間を空けてはいけない」という、ボールホルダーとの距離感の詰め方が絶妙。シュートブロックが間に合う。

 

50分、松村のシュートをランゲラックが好セーブ。枠内へ飛んでいた。

後半も立ち上がりでペースを握れているのは鹿島。

 

名古屋はSHを押し上げて最終ラインへのプレッシャーを強めるが、鹿島はSHを背後に潜らせて出口を作る。

 

56分、相馬→齋藤

 

鹿島は外せれば一気にチャンス、名古屋は奪えればチャンス、といった表裏一体の球際の攻防が繰り返される。

 

58分、CKのこぼれ球を稲垣がダイレクトでゴールにたたき込み、名古屋が先制。限られたチャンスを決め切った。

 

63分、マテウスのクロスを柿谷が上手くコントロールしたが、DFに寄せきられた。

中を閉めることでライン間での時間は奪えるが、大外へのスライドがきつくなってくる名古屋。エヴェラウドがいるため、安易にクロスを上げさせたくはない。

 

67分、荒木、松村、アラーノ、三竿→上田、白崎、遠藤、永木

上田とエヴェラウドの2トップ。遠藤がトップ下、永木がアンカーの中盤ダイヤモンド型に。

68分、山﨑→木本

木本をアンカーに置く[4-1-4-1]気味の布陣へ変更。

 

飲水まで

鹿島が押しながらも先制したのは名古屋。ただ、4枚替えと配置転換で鹿島はさらに勢いを強めているため、名古屋は残りの20分耐え切るか、それとも2点目を狙うか。木本の投入でより守備的にはなりそうだが、強力2トップの強さを受け続ける流れはあまり好ましくなさそうだがどうなるか。

 

72分、警告を受けている犬飼がファウル。続けると2枚目が出そう。

 

78分、高い位置で奪ったマテウスが高速クロス、沖がなんとか触った。

80分、杉岡→永戸

ハイクロスを供給できる永戸で2トップへ送る出しどころを増やす狙いか。

 

名古屋は受ける時間が長くはなっているが、中央を閉めながらボールホルダーにプレッシャーを掛け続け、ゴール前でのシーンは極力減らせている。

81分、入れ替わってしまった柿谷を手で止めた犬飼が2枚目の警告で退場。言い訳のしようがない安易な退場だった。

 

83分、雨脚がかなり強まった。

数的不利になった中でも鹿島がゴール前へボールを送り込み、2トップを生かして事故を起こしに行く。

名古屋はサイドを使いながら時計の針を進める。

 

 

数的優位になったあともリスクをかけずにサイドで時間を使い続けた名古屋が逃げ切りに成功。鹿島はリスクをかけた前がかりな姿勢が裏目に出て犬飼の退場につながった。リスクを承知の上で点を取りに行っていたので仕方ないと言えばそうだが、さすがに軽いプレーだった。名古屋は終盤でも運動量が落ちず、前線もプレスバックをさぼらないなど、チームとしての規律、そしてそれを体現できるだけのタフさが際立つ。

 

 

トピックス

 鹿島

アラーノがトップ下起用。 

松村はJ1初先発。16分、吉田豊との球際を制す。

43分、レオシルバのルーレット。

67分、鹿島怒とうの4枚替え。

前節の関川に続き、今節は犬飼も退場。

名古屋

24分、中谷の収め。

ハーフタイム明け、一人だけ圧倒的にはやく出てきてスタンバイする柿谷。

56分、交代を告げられて少し不満げな相馬。

稲垣はボランチながらすでに3得点目。マテウスと並んでチーム得点ランクトップタイ。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ザーゴ監督 ]
本当にきっ抗した試合だったかと思います。細かいディテールのところで試合が決まってきます。こぼれ球を拾った選手が決めたところはありますが、ただそのCKになった過程が非常に問題だった。特にチームとして改善しないといけないのは守から攻になったトランジションのところですぐにボールを失ってしまう。パスミスがある。そこが今日の試合でも出てしまい、そういう状況を与えてしまいました。もしそれがなければ0-0という今日の試合の妥当な結果になっていたかもしれません。しかし、残念ながら結果として痛い敗戦になったと思います。

--攻撃はどのくらい機能した?
自分で意識したところは良かったと思います。特に(先発が)松村(優太)、荒木(遼太郎)という若い選手になりながら、サイドのスピードの部分を狙っていきました。唯一、エヴェラウドに僕自身も言い続けていましたが、もうちょっとボックス内にいてほしいというところで、ちょっとサイドに流れることが多いというのが良くなかったところであり、改善しなければいけない部分でした。ただ、守から攻のところで縦の意識を持つこと。2人のアタッカーのスピードを生かすところは非常に良かったと思います。

前半はきっ抗したところでお互いにそんなにチャンスはなかったと思いますが、ただウチのほうがファイナルサードの手前のところまでは行けたのですが、そこから先がもう少し活性化できませんでした。後半も松村選手にチャンスがありながら相手GKのファインセーブに止められましたが、スピードを生かす意識はできたと思いますし、チーム全体として引き続き起きている問題は、やっぱり守から攻のトランジションのところで奪い返したボールを簡単に失ってしまう、あるいは渡してしまうところが今日の試合でも起きているし、何度も起きている。失点場面につながったCKのところもそういうところだったので、そこは今後修正していかないといけないと思います。

--2連敗となったが?
サポーターの皆さん、特にスタジアムに来ている皆さんには本当に申し訳ないと思います。このところホームで負けてしまうので僕はふがいないと思います。やっぱりホームというのは自信を持ってプレーできる後押しをもらっているので、もっと自然体にプレーすればいいかなと思います。アグレッシブさを出しながら表現できればなという思いでいます。近い試合で新たな姿勢を示すことができればと思います。

 「ファイナルサードの手前のところまでは行けた」が、最後の決め手を欠いた。ボールは持てても名古屋のDFに寄せられて、見た目以上に自由は奪われていたように感じた。

[ マッシモ フィッカデンティ監督 ]
どちらのチームも、すごく強い気持ちを持って戦った良いゲームだった。その中で、グラウンドコンディションも相まってすごくインテンシティーの高いゲームになった。堅過ぎる試合だと思うところもあったが、今日みたいな天候を考えると、慎重過ぎるほどが良いのかと思った。あとはリードしたところから試合展開が変わっていって、リードしたことで必要以上に入っていた力が抜けて、良いプレーが随所に見られたと思う。試合トータルで冷静さを持ち合わせてコントロールできたのではないか。

--相手が4枚代えをしてすぐに木本 恭生選手を投入したが?
フレッシュな状態、相手の状況を考えると、2トップにしてサイドからクロスを放り込むという相手の狙いがあったと思う。そこで木本をディフェンスラインの前で使い、クロスを入れられた場合はディフェンスラインに入って、真ん中で数的有利を作れる状態にした。彼が入ってボールもスムーズに動くようになった部分もあった。難しい時間帯をうまく読んで試合ができた。

--球際で負けないところが良かったように思うが?
激しいゲームだと、ついつい行き過ぎてしまうことがサッカーの世界ではよくあるが、今日のゲームはどちらに関しても魅力と言える激しいプレーだったと思う。結果として残念ながら退場者が出てしまったが、決して汚いプレー、ケガをさせるプレーではなかった。こういうゲームならサッカーファンも喜んでいただける戦いだったと思う。

「堅過ぎる試合だと思うところもあったが、今日みたいな天候を考えると、慎重過ぎるほどが良いのかと思った」とあるように、いつも以上に慎重さが目立ち、リードしたあとも欲を見せない戦いを続けた。

木本は「ディフェンスラインの前で使い、クロスを入れられた場合はディフェンスラインに入って、真ん中で数的有利を作れる状態にした」という狙いだった。安易に最終ラインに入れるのではなく、システム変更も含めて柔軟に対応できるカードを手に入れたことは大きい。

2021 J1リーグ第6節 浦和レッズvs川崎フロンターレ メモ

 

www.jleague.jp

 

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20210404184036p:plain

 

浦和

保持

小泉はフリーマンでクッション役に。+1を作り出す。

ボランチが最終ラインに下りたときは小泉も1列下りて[3-2]ビルドのようになる。

 

非保持

 [4-4-2]ブロック。

2トップで追いかけて後方はマークをはっきり。相手SBのところで詰まらせる。

 

川崎

保持

長谷川のカットインクロスにダミアンと小林の2ターゲット。

幅は左が長谷川、右が山根。

田中が最終ラインに下りてビルドアップをサポート。途中でやらなくなったが、ビルドアップが苦しくなることが多くなり、20分頃に再び行う。

苦しくなったらダミアンのポストを頼る。

 

非保持

長谷川の外切りプレス。旗手は浮くSBを捕まえに深めの縦スライド。

IHが前に出てプレスを掛けたら、WGは下がってスペースを埋める意識を強める。

 

流れ

長谷川の外切りプレスに対して、その背後のSB宇賀神を使って前進しようとする浦和。

互いに攻守の切り替えが速いが、序盤は浦和のほうが上回っている。

 

9分、浦和のつなぎのミスを拾った川崎。最後はこぼれ球を山根がシュートも西川好セーブ。

11分、左を縦に突破した山中からのクロスを杉本がボレーで合わせるもソンリョン好セーブ。序盤から両GKが好セーブを披露。

14分、ビルドアップを中盤でカットした川崎がカウンターで小林のシュートまで。

15分、再び中盤で奪った川崎がカウンター。ダミアンのヘッドは岩波(?)がブロック。

川崎が中盤で刈り取ってショートカウンターに出る場面が増えてきた。ダミアンと小林だけでフィニッシュまで持ち込む。

 

浦和は前からハメて旗手のところで窒息させられている。

20分、序盤にやって以来やらなくなっていたが、再び田中が最終ラインのサポートに下りる。

 

飲水まで

浦和が切り替えの速さで上回り、主導権は握っている展開ではあるが、川崎も中盤で奪ってショートカウンターを繰り出せているため、得点の匂いは同じくらいある。浦和は右でのつくりでのロストがやや気になるか。ただ、ワンタッチで回してプレス回避できているのはポジティブ。

 

川崎は田中を下ろしても詰まってしまい、旗手or谷口が前線へ蹴ってダミアンに頼るシーンが多くなっている。1stラインさえ超えられれば敵陣で回せるが、相手の[4-4-2]ブロックを崩せる雰囲気はまだ出せていない。

 

長谷川がカットイン&縦突破でクロスを入れるシーンはいくつかあったが、精度も含めて中の選手と合ってこない。

 

41分、小林が中に入って山中をつったところに山根が上がってきてクロス。中央に入っていった小林が合わせて川崎が先制。浦和は小林のマークにつき切れず、山中も内に動かされた分、山根への寄せが甘くなった。山根のクロスの質、小林のフィニッシュの精度は高かった。

 

45分、GKを使ったビルドアップから疑似カウンターでゴール前まで迫った浦和。左から中央へ送った開放がよかった。

 

浦和はプレスを機能させた上、切り替えの速さでも上回って川崎の保持時間を減らすことができた。ビルドアップも食われるシーンが数回はあったが、良い形で剥がして前進できていた。ペースは握れていたものの、川崎の質の高さでチャンスは作られてしまい、その1回を決め切られてビハインドを背負った。

川崎はうまくいかないなりに攻め手を作り出し、先制できたのは大きい。攻撃ではビルドアップを安定させ、守備ではプレスをひっくり返されるシーンを減らせば完全に主導権を取り返せるが、どのように修正するか。

 

後半

開始早々、ジェジエウのパスミスから川崎がカウンターを受ける。最後はシミッチがなんとか戻って対応した。川崎はさい先の悪いスタートに。

 

旗手がライン間ハーフスペースにもぐってビルドアップの出口に。

 

48分、縦パスを前向きでカットした川崎がカウンターで刺し切って追加点。浦和は山中が上がっていなくなっていたスペースをあっさり使われ、戻りが間に合わないうちに攻め切られた。

後半も立ち上がりは浦和が悪くない入りだったが、失点はあっさりだった。

50分、シミッチの針の穴を通すスルーパスで旗手が抜け出して追加点。電光石火の連続得点。浦和は2失点目でややメンタルがブレた雰囲気があった。

52分、左右にゆさぶってから最後は小林が押し込んで川崎が4点目。5分で3得点を奪った。浦和は2失点目で一気に気持ちが切れた。

 

55分、伊藤敦、汰木、関根→阿部、大久保、武田

阿部の投入はピッチ内の空気を変える意味合いもありそう。

 

浦和のプレスがハマらなくなってきて、川崎が前半よりも安定してボールを持てるようになっている。

ライン間左のハーフスペースに旗手や長谷川がうまく潜り込めると、うまく出口が作れる。

 

66分、こぼれ球を拾った脇坂が左足一閃。川崎が5点目。

飲水まで

直前に決まった脇坂のゴールも含め、川崎が5得点。浦和はボールも持てなくなり、川崎は落ち着いた展開に持ち込めている。

 

71分、小泉→明本

明本が左に入り、武田がトップ下へ移る。

72分、ジェジエウ、田中→車屋、塚川 

 

80分、ダミアン、長谷川→知念、三笘

 

結果的に2点目がこの試合のすべてを決めてしまった。浦和は後半立ち上がりまでは悪くない内容だったが、隙を突かれて2点目を奪われると、メンタルも組織も崩壊した。川崎は点差も含めて大きな余裕がある展開になり、ジェジエウや田中を休ませる交代も行った。

ただ、浦和も横浜FM戦などからは進歩が見られる内容もあり、プレスをかわせるシーンもあった。その中でロストをチャンスに結び付けさせないアプローチもいくらか必要なのかもしれない。

 

トピックス

浦和

後半の連続失点でいつしか太鼓も手拍子もなくなった浦和のスタンド。

 

川崎 

ダミアンと小林を同時起用。

48分、ダミアンの振り向きざまの豪快なボレー。

50分、シミッチの狭い所を縦にとおすスルーパス

66分、脇坂のビューティフルゴール。

シミッチが初のフル出場。走行距離ダントツのトップ。攻守において存在感があった。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
立ち上がりの入りはすごく良かったと思います。しっかりボールを持って、試合をコントロールして支配できている時間もかなりありました。そういったことは良かったのですが、前半の終了間際にスローインから失点してしまいました。

後半も悪くはなかったのですが、数分間のうちに立て続けにゴールを入れられてしまった。やはりこういう相手と戦う際は少しの時間たりとも集中を切らすことができなくて、そうした集中を切らした瞬間やスキを見せた瞬間に今日のような試合になってしまうので、次の改善点としてトレースしたい。

こういう結果にはなりましたけど、すべてが悪かったわけではないので、良い時間帯も試合をコントロールしていた時間もあったので、今後の課題としてその時間をさらに伸ばしていけるようにしたい。

--試合後に選手と一緒に歩いて回っていたが、そうした理由と、どのようなことを考えていたか。
試合に勝ったときはいいのですが、やはり負けたときというのは、ああいう状況と結果ですから、選手の近くにいてサポートしてあげること、それから何よりも、このチームの責任者ですから、こういうときこそ矢面に立つことが大事だと思いました。

--49分から立て続けに失点したが、あの数分間に何が起きてしまったと分析しているか。
今後映像を見ていかないといけないが、現時点では説明できないことが起こってしまったと思っています。あのときベンチでは後半の交代策などを話している中、立て続けにやられてしまいました。

--序盤は良いゲームができていたが、これまでとどういった点が改善されたていたか。
詳しくは言えませんが、ビルドアップのところがかなり改善されたと思います。それが今回の相手、非常に素晴らしいチーム相手にできたので前半は良かったと思っています。ただ後半はああいうことが起こってしまって、結果自体は良くないものでした。

 「こういう結果にはなりましたけど、すべてが悪かったわけではない」「ビルドアップのところがかなり改善されたと思います」とあり、手応えもいくらかはあった様子。ビルドアップに関しては選手もチャレンジを続けており、まだ伸びしろも感じる。ここの完成度が上がってくれば、無駄な失点も減るはず。

[ 鬼木 達監督 ]
なかなか難しい前半はありましたけど、最後まで集中を切らすことなくやってくれた。前節(・神戸戦で)劇的なドローをしてしまったところから言うと、本当にメンタル的なところが重要だと思っていた。そういうあとのゲームで、一丸になって戦って良い結果を残してくれたことは選手の成長を感じました。

--レアンドロ ダミアンと小林 悠を先発で併用した意図と評価は?
まずアキ(右ウイングの家長 昭博)のところをずっと連戦で使っていた。そこでフレッシュな選手をというところ。あとは、ずっと試してみたいところでもあった。調子の良い選手たちなので、同時起用というのは、今回に限らず今年考えていた中で、この形をとった。本当に2人とも得点意欲を持っている。良い仕事をしてくれた。

--後半、入るところの修正は?
そこのところは強く言いました。決してプレスが悪くないのに、こぼしてしまうシーンが多々あった。そこで取り切るところ。あとはSB2人とも連戦で疲れていたけど、もう1回、力を振り絞ってどんどん前に出ていこうと話させてもらいました。

--6勝1分で中断期間を迎えるが?
選手はプレッシャーもあったと思うが、そういう中で自分たちらしいサッカーで中断に入れること、それをすごくうれしく思う。また今回メンバーに入っていなかったり、出場機会の少ない選手にとってもすごく大事な期間になると思う。自分にとっても大事な期間にして、どんどん良くなっていきたいなと思います。

小林とダミアンの併用に関しては「アキ(右ウイングの家長 昭博)のところをずっと連戦で使っていた」のと、「ずっと試してみたいところでもあった」とのこと。家長起用時とは異なる戦術になるところの試しもありながらしっかりと小林もダミアンも得点を奪うところにはチームの調子の良さと2人の状態の良さが感じられる。

2021 J1リーグ第6節 北海道コンサドーレ札幌vsヴィッセル神戸 メモ

 

www.jleague.jp

 

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20210401143602p:plain

 

札幌

保持

 宮澤が最終ラインに下り、駒井は2トップの周りをうろつきながらサポート。福森と田中はSBロール。

 

非保持

金子が前へ上がり、相手の2CBに数を合わせる。

マンツーマンで捕まえてGKに蹴らせた後はミンテではね返し、セカンドを回収する。

 

神戸

保持

 [4-2]ビルド。前川も積極的にビルドアップに参加させるが、マンマークでつかれているので、ロングボールが多くなる。

  

非保持

藤本は最前線に残ってカウンター狙い。

 [4-4-2]セット。

菊池はかなり外までカバーに出てくる。 

 

流れ

立ち上がりは札幌が勢いを持って攻め込む。サイドでの仕掛けを増やしゴールへ近づいていく。

神戸はロングボールを入れるしかなくなっているが、最前線は藤本なので、個人で収めることは難しい。

 

5分、相手のビルドアップをカットした古橋がそのままゴールに迫ったが、札幌の守備対応が間に合いなんとかした。

神戸も守備は前から深めに追う。

7分、相手のプレスを剥がして前進できた神戸がPAまで進入。最後は佐々木がシュートを放つも中野の正面。

左サイド大外で菅や福森が浮きやすくなっている。

 

13分、中盤で奪ったところから金子がミドル。ギリギリ枠外だったが、パンチの利いた良いシュートだった。札幌は全体的にミドルシュートの意識が高い。

 

札幌が押し込む時間が続く。神戸は4バックが狭い距離間で守るので、構造的に大外のWBを捕まえるのが難しい。

 

22分、中盤で奪った藤本が、高い位置にいた中野の頭を超すシュートでゴールを狙ったが、枠内へ飛ばず。

 

飲水まで

ペースを握っているのは札幌で、チャンスも多く作れているが、自陣での安直なミスがやや多いのが不安な部分。神戸はビルドアップで苦しんでいるぶん、そういう隙を突いて得点を狙いたい。札幌は攻撃としてはこのまま続ければ得点は取れそう。

 

札幌がバイタルエリア付近からのシュートを量産。ただ、枠内へ飛ばすシーンが少ない。

38分、ルーカスからチャナティップがフリーで合わせるも枠内へ飛ばせず。超決定機。

 

どこからか佐々木と古橋の位置を入れ替えた。

 

42分、プレスを外してオープンを作り出し、PAへ進入したルーカスを佐々木が倒して札幌がPKを獲得。

ロペスが落ち着いて決めて札幌が先制。前川も読んだが、キックのスピードが上回った。札幌はずっと押し込んでいた中でようやく1点目が入った。

 

45+4分、山川がPA内で福森にファウルをおかし、再びPK。

キッカーは再びロペス。先ほどの同じコースに蹴って追加点。得点とともに前半終了のホイッスル。

 

札幌は内容で上回った部分が最後の5分で反映された。神戸は前線に推進力とスピードがある選手がいるので、プレスを外したり、パスカットができれば一気にゴールまで迫れるが、そういうシーンはあまり作れなかった。

 

後半

藤本→中坂

佐々木が最前線へ上がり、中坂が右に入る。

札幌が1stプレーで中央をこじ開け、ロペスがゴール。ハットトリック達成。後半も札幌が立ち上がりでうまく入った。

 

46分、古橋が左を抜け出してシュート。中野がセーブ。神戸も早速チャンスを作る。

 

神戸が札幌のマンツーマンプレスが徐々に剥がせるようになっている。

ロペスや金子の追い方が甘いと、GKからCBへのパスでフリーになるのでそこから運べる。

52分、バイタルで浮いた山口のミドルが決まって神戸が1点を返す。シュートの質が高い。

札幌はマンツー守備が急に機能しなくなっており、自陣撤退だと、人につく守備はスペースを作りやすいので、安定感に欠けている。

 

55分、古橋が抜け出して飛び出した中野を外してシュートを打つが枠外。一気に神戸がチャンスを量産し始める。

56分、パスミスをさらった古橋が中野をかわして無人のゴールへ流しこんで2点目を奪取。あっという間に1点差に。

 

中盤を下ろしてマークを引きつけてから、下りてくる2トップにあてて落として抜け出していく神戸。札幌は全体のエネルギーが落ちている印象もあり、セカンドボールも拾えなくなっている。

 

61分、チャナティップ→高嶺

高嶺がボランチに入り、駒井を1列あげる。

65分、後方からのロングボールを山川が競り勝ち、増山が佐々木へ送ると中野が佐々木を倒してPK。前半には自らのファウルでPKを与えてしまった佐々木が今度はPKを獲得した。

古橋が決め切って神戸が同点に追いつく。

飲水まで

立ち上がりこそ札幌が上手く入ったが、以降は完全に神戸のペース。前半はボールをあっさり回収し、ビルドアップからチャンスを量産した札幌がまったくボールを奪えず、ビルドアップでもミスから失点につながるなど、まったくうまくいかなくなった。

 

73分、セットプレーの流れから増山のクロスに小林が合わせたが、うまくミートしきれなかった。

76分、古橋→小田

79分、菅→青木

青木が右シャドーに入り、金子が右WB、ルーカスが左WBへ。

疑似2トップの守備のところに1つの問題がありそうだったので、ここをフレッシュにしたことで守備に変化が出るかどうか。

 

83分、増山→初瀬

85分、佐々木が右サイドを抜け出し、折り返しを山口が合わせて逆転。佐々木の突破、山口のシュート技術、どちらもハイレベルだった。

87分、佐々木が足をつる。

 

89分、佐々木、サンペール→安井、大﨑

駒井→中島

大﨑が中央に入り、5バックに。

 

92分、金子のクロスがそのまま流れてゴールに入りかけたが、ギリギリ枠外。事故が起こりそうな雰囲気だった。

 

前半は完全に札幌の試合、後半は完全に神戸の試合といった45分ずつでまったく違う表情を見せたゲームになった。札幌はペースを握った前半に2点を先行し、後半立ち上がりのゴールで3点差まで広げたが、一度うまくいかなくなると修正を施せないままずるずる行ってしまった。神戸はハーフタイムでの修正はシンプルなものだったと思うが、そのシンプルさを強調できる選手のハードワークと活動量の多さは褒められるべき。そして古橋と山口のクオリティーが試合を決めた。

 

トピックス

 札幌

1分、酒井をも翻弄する金子のドリブル。 

39分、古橋を1対1で止める宮澤の好守備。

46分でロペスがハットトリック

71分、高嶺のターンからのフィード。美しい流れ。

神戸 

神戸は主力を数名外して臨んだ中で3点ビハインドから逆転。

2得点を挙げた山口。いずれのシュートもレベルが高かった。 

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ペトロヴィッチ監督 ]
このような試合を負けたということに失望感は大きい。前半は良い戦いができてリードできた。素晴らしい前半だった。後半も素晴らしい形から得点ができたが、失点をしてから球際や集中力を欠いて、失点を重ねるという自分たちにとって難しい試合をしてしまった。自分たちの戦い方では球際のところが維持できなければこうした結果になってしまう。このような試合展開の中で負けるということはあってはならない。自分自身責任を感じなければいけない。

 「球際のところが維持できなければこうした結果になってしまう」とあるが、球際のほかにも前線の守備の質が下がったことも、うまくいかなくなった一因だったと思う。

[ 三浦 淳寛監督 ]
やはり前半の入り方が非常に悪かった。スタートするときに役割は明確にしたつもりだったが、選手たちがやりづらそうに感じた前半の印象だった。ただ後半はもう一度、しっかりとやることを整理して指示をしました。後半になって途中で入った選手がしっかりと役割を果たしてくれて、よく逆転してくれたと思います。

--前半途中に古橋 亨梧選手と佐々木 大樹選手の位置を入れ替えていたが、どういう狙いがあったのか?
2トップの動き、段差を作るところに関しては少し同じ動きが多かったので、そこを変える意味で関係性を考えました。

--古橋選手の1点目も前線のプレスから始まったが、前線から追ってくれるのはチームとしても助かる動きでしょうか?
今季はそこは力を入れている部分ですから、プレスに行くスピード、相手が圧力を感じるスピード感はとても重要だと思っています。

--前半の出来が良くなかったのは疲れなのか、戦い方なのか。どう捉えていますか?
両方ですね。疲れはあります。もう1日あれば前半からもっと良い内容のサッカーができると思うが、体力的に消耗している選手もいますし、新しく入った選手との関係性もありますから、前半は少し厳しい展開になりました。ただやはり今季はキャンプから厳しいトレーニングをやっていますし、最後のところで意地というのは出せたんじゃないかなと思う。

 前半はビルドアップでの窮屈感、守備での組織のがたつきが感じられたが、後半は一変。札幌側の変化もあったが、藤本→中坂で運動量のところでエネルギーが高まり、守備がハマるように。そしてビルドアップでもまず相手の前2枚を外すところ、それが難しければ2トップがサポートに下りて起点になることで、好転を図った。

2021 J1リーグ第5節 サンフレッチェ広島vs清水エスパルス メモ

 

www.jleague.jp

 

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20210331232047p:plain

 

広島

保持

ボックスビルド。相手がCBにプレスを掛けないので、SBは高く上がり、サイドで起点を作る。

全体的にまずはサイドに送ってからそこからの連係で崩す、もしくはクロスを上げて得点を狙う。

2トップはPA幅にとどまらず、動き回る。特に浅野はプレーエリアが広い。

前4枚が流動的に動いて縦パスを引き出す。 

 

非保持

 [4-4-2]ブロック。ラインは高め。

前から圧力を掛けて人を捕まえる。

 

清水

保持

竹内が左SBの位置に下りる。ヘナトは相手2トップの間。

低い位置でつなぎながら、奥のスペースを見つけたらそこへ流し込む。

 

非保持

[4-4-2]セット。

後藤は前でのチェイシング役でありながら、中盤のサポート意識も強い。

バックパスに竹内が反応してそのままプレススイッチになる。

 

流れ

1分、後方から1本のパスでサンタナが背後を取り、ゴールに迫ったが、広島も粘った対応を見せた。

 

広島が高い位置から追い、清水からボールを取り上げる。

立ち上がりこそチャンスを作れた清水だが、以降は広島のプレスに苦しむ。守備では安易にラインは下げないが、CBへのアタックにはいかない。

 

受けに回る清水だが、崩れる気配はそこまでない。広島はクロスくらいでしかゴール前へ入れず、ターゲットになるタイプもいないので簡単に跳ね返される。

 

18分、久々に清水が前からハメに行った。取り切ってゴール前へ入れたが、最後の連係が合わず。

 

ボールを受けられないこともあり、サンタナはフラストレーションが溜まっていそうなリアクションを見せる。

 

28分、浅野が左サイドを突破し、ファーで柏が浮いたが、クロスを合わせきれず。初の決定機。

29分、ビルドアップから左のハーフスペースを取って最後は森島のフィニッシュ。抑えられず、バーの上を超えていった。

 

31分、サンタナの起点から左を原が抜け出す。クロスに中山が合わせたが、うまくヒットせず。清水は初シュート?

 

34分、カウンターから浅野がカットインシュート。惜しくも枠外。

35分、鮎川が抜け出し、シュートを打ったが、権田がセーブ。

広島が立て続けにチャンスを作る。

43分、今津のグラウンダークロスに浅野がヒールで合わせたが、権田がビッグセーブ。超決定機。

 

広島が主導権を握った前半。清水は攻撃の時間を作れず、徐々にピンチも増えたが権田の好セーブもあり無失点で折り返せた。サンタナで起点を作れていないのが苦しい。

逆に広島は決定的なシーンも作れていただけに点を取っておきたかった。メンバーを入れ替えた中でも十分に戦えているのは非常にポジティブ。

 

後半

 おおよその流れは変わらないが、広島のプレスが弱まり、清水も安定して深くまで入れるようになった。

53分、ヘナト、後藤→河井、カルリーニョス

 

58分、CKから混戦を作りだし、最後は荒木が押し込んで広島が先制。再三深い位置が取れていた攻撃が実を結んだ。

 

65分、浅野が自らパスカットし、そのままシュートに持ち込んだが、ポストにはじかれる。

65分、立田、鈴木唯→ヴァウド、ディサロ

ヴァウドと鈴木義のCBコンビ。原が右SB、福森が左SBへ。カルリーニョスが左へ移り、ディサロとサンタナの2トップ。

 

70分、浅野、柏→野上、サントス

最終ラインが左から佐々木、荒木、今津、野上に。東が右SHへ。

75分、広島のカウンター発動。鮎川のパスはズレたが、その直後にサントスがシュートまで持ち込む。バーをたたいた。決定機。

 

79分、中山→西澤

西澤が左に入り、カルリーニョスが右へ移る。

その西澤がいきなり連続で仕掛けを見せる。

 

81分、鮎川→長沼

5バックに変更。東が左WB、長沼が右シャドーに入る。

広島はゴール前中央の人数がかなり多くなった。逆に浅いところが空きやすいので、清水はそこからどのように攻略できるか。

 

87分、柴﨑→茶島

茶島が右WBに入り、野上がボランチへ移った。

広島は安易に下がらず、いくらか前から追うが、1stラインを突破されたら割り切って下がる。

単純なクロスでは広島の中央3枚にあっさりはね返されるので、清水は工夫したいが、内側へはなかなか入り込めない。

 

広島は流れを引き寄せているうちに先制し、最後は守備をがっちり固めて危なげなく締めた。カウンターのチャンスも何度かあったので、それを決め切れていればより理想的ではあったが、1点でも十分に守り切れることを示せたのは良かった。

清水は多くの時間でペースを握れず我慢が続いた。決定機という決定機は作れず、うまくいかないゲームに。守備も悪くはなかったが、奪えずに下がるしかなくなっていたのが苦しかった。

 

 

トピックス

飲水タイムなし。

 広島

今津が右SB起用。予想以上に攻撃のセンスを見せた。

荒木がサンタナをほぼ完封。

鮎川がリーグ初スタメン。

清水

鈴木義×福森の元大分同士のCBコンビ。

サンタナが沈黙。収められる部分もあったが、要所では相手CBに完全に抑え込まれた。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 城福 浩監督 ]
Jリーグではゼロに抑えた試合がなかった中で、1-0ではありますけど、ゼロに抑えて勝点3を取れた。みんなの思いがしっかりと結果になって表れて良かったなと思います。

ボールをつなぐ勇気をもっと持とうということを、この試合に向けて言ってきました。相手の対策ではなくわれわれ自身に目を向け、相手陣でサッカーをするためにもっとつなげるはずだということを共有して、今日の試合に臨みましたけど、選手は非常に勇気を持ってつないでくれました。そこからの崩しと奪われたときの切り替えと前からのプレッシャーという、今持っているものをしっかりと出してくれたなと思います。

あのプレッシャーがあったからこそラインも高く保てましたし、ポゼッションも相手陣で長くやることができ、だからこそ切り替えがすぐにできるというサイクルの試合ができたのかなというふうに思っています。もちろん追加点が入ればゲームとしてラクなゲームになったかもしれないですけど、1つ間違えば勝点を失うような試合の中でしっかりと1-0で勝てたことは大きな自信になりますし、メンバーを替えた中でこういう勝ち方ができたことは次につながると思います。今日は平日のナイターですけど、ファミリーの方々と一緒に喜び合えたことは本当に良かったと思います。

  「プレッシャーがあったからこそラインも高く保てた」というとおり、前線からのプレスがしっかりかかったことで回収がうまくいった。外国籍FWを起用しなかった布陣が、そういう意味ではプラスに働いたのかもしれない。

[ ロティーナ監督 ]
前半はプレスを越えることができずボールを失っていて、それによって彼らにゲームを支配させてしまったと思います。後半は修正した部分もあって、内容を改善することができましたが、2つのCKのうち1つを決められてしまいました。それでもボールを動かして相手陣地に攻め入りましたが、明確な決定機を作ることができず、試合を終えることになってしまいました。

--前半リズムを作れなかった要因は?
限りなくうまくいかない部分があって、そのあと中盤でもボールキープができずに失い、決定的なピンチはなかったかもしれませんが、決定機を作られそうな感覚があったし、自分たちがうまくいっていないという感覚もありました。後半に修正すべきところを修正して、ビルドアップは改善したと思います。

--リーグ戦5試合を終えたが、勝点5はどのように評価しているか?
勝点5という結果にも試合内容にも満足していません。たくさんの部分で成長していく必要があります。

--後半に改善できた部分は具体的にどこか?
細かい部分ですが、ビルドアップで修正すべき点があって、その細かい部分を変えることによって、よりスムーズにボールを持って出ることができました。それによって五分五分の展開に戻すことができたという印象でしたが、残念ながらその中でCKから失点をしてしまいました。CKの守備は改善していく必要があると思います。

「前半はプレスを越えることができずボールを失っていて、それによって彼らにゲームを支配させてしまった」。前半においてはこれがすべてを表しており、ボール保持で落ちつかせられなかったことがゲームを難しくした。「後半に修正すべきところを修正して、ビルドアップは改善した」が、試合の展開的には大きく変わらず、先に失点したことで広島は守りを固め、さらに難しい展開になった。

2021 J1リーグ第6節 徳島ヴォルティスvs横浜FC メモ

 

www.jleague.jp

 

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20210401143114p:plain

 

徳島

保持

 宮代が右のハーフスペースで待ち、相手中盤の背後で受けてポイントづくり。

岩尾は2トップの間、小西は2トップの脇。

吹ケは下がり気味で最終ラインでビルドアップサポート、岸本は高く上がる。

 

非保持

[4-2-3-1]セット。

バックパス、横パスをスイッチに渡井も相手CBへ出ていく。 

 

横浜FC

保持

 手塚をCB間に下ろして[3-1]ビルド。GKを加えるときはボランチは中盤に戻る。

 

非保持

 齋藤とクレーベが横並びになる[4-4-2]ブロック。

 ボランチが岩尾を捕まえに行く。

 

流れ

六反のフィードから一気にプレスをかいくぐりスピードアップから齋藤のシュートまで。いきなり良い形を作り出した横浜FC

2分、間で受けてターンした宮代がそのままシュート。

 

9分、後方からの小西のロブパスに渡井が抜け出してシュート。六反が好セーブ。

 

12分、クレーベが負傷により交代。

クレーベ→伊藤

 

徳島は宮代がポイントになってスピードアップができる。横浜FCはそこを捕まえるのに苦労。

 飲水まで

支配率もシュート数もほぼイーブン。徳島のほうが狙いどおりのビルドアップができていそう。ただ、お互いにシュートチャンスは同じくらいなので、徳島が優勢とも言い切れない。

 

徐々に徳島のペースになってきている。

高木が宮代を捕まえにいくようになったが、そうなると岸本が空くので、潰し切らないといけない。

 

34分、横浜FCの前線の選手もうまく絡めたビルドアップ。うまくスピードを上げて敵陣へ入れた。

37分、CKからニアフリック→マギーニョで決定機もシュートを枠内へ収められず。

横浜FCも自分たちのリズムをつかみ始めてきた。

38分、前プレに出た横浜FC。田代が下りる渡井にずっとついていく。

 

41分、徳島の右からのクロス。外から入ってきた藤原についていった杉本が対応したが、これがオウンゴールに。徳島が先制。

一時は横浜FCに流れが渡りかけたが、安定したビルドアップで徳島がすぐに引き戻した。

 

45分、徳島が渡井のシュート→こぼれ球を藤原のシュート、と畳みかけるが、いずれもブロックに遭う。

 

横浜FCがリズムをつかみ始めた時間もあったが、トータルで見ると徳島のほうが攻守に狙ったプレーを出せていた印象。小西が出し手として、宮代・渡井が受け手としてかなり機能していた。特に宮代×岸本の右サイドはマークを迷わせることができており、それゆえにライン間で宮代に時間が与えられた。

横浜FCも良い攻撃もいくらかできているので、1stプレスを剥がせる精度をあげたい。

 

後半

マギーニョ→岩武

 

51分、横浜FCが左サイドを崩して高木が速いクロスを供給。ただ、中で誰にも合わず抜ける。

 

53分、松尾のシュートもぎりぎりでブロック。そこからカウンターに移る徳島。垣田のラストパスがズレる。

後半から横浜FCは松尾や杉本がライン間で受けられるようになり、ボール保持にも怖さが出てきた。

 

57分、CKに袴田が直接合わせて同点。横浜FCは自分たちの時間を作り始めた中で、得点が奪える良い展開に。

 

58分、徳島が左サイドを崩して最後は藤原がシュートを放つが、DFがブロック。

横浜FCの流れになりかけても、相手の強いプレスをいなせる徳島は決してワンサイドゲームにさせない。

 

65分、小西、垣田→鈴木徳、浜下

宮代がトップに入り、浜下が右SHに。

 

飲水まで

支配率は徳島のほうが上。チャンスの数は同じくらい。一気に勢いを持ってこられそうなのは横浜FCだが、徳島はいつでも自分たちのペースに引き戻せる強みを感じる。

 

71分、瀬古、杉本→安永、小川

72分、渡井のパスに抜け出した宮代が落ち着いて決め切って徳島が勝ちこし。横浜FCはアバウトなボールの競り合いに負けてオープンを作り出された。リスク管理が若干甘かった感も否めない。

 

76分、渡井、藤原→河田、藤田征

78分頃から横浜FCが持って徳島が受ける展開が続く。前進はできるが、サイドからクロスを上げるくらいしかできていない。

 

84分、齋藤→ジャーメイン

86分、吹ケ→ジエゴ

88分、個人でボールを奪った鈴木徳のシュートを六反が弾き、河田が詰めたが惜しくも枠外。決まっていれば、決着がつく一発だった。

 

クロスで得点の可能性を高めたい横浜FCは田代も前へ上げる。

 

 

互いにチャンスを作り出す好ゲームだったが、わずかに上回ったのは徳島。最終盤で守りに入った時間帯以外はボール保持での安定感があり、相手がテンションをあげてきてもそれを交わせるだけの余裕を見せた。横浜FCも流れを引き寄せた時間帯で得点を奪えたが、そこから失点に対するリスク管理は少し甘かったかもしれない。

 

トピックス

コイントスでサイドを入れ替え。

徳島側のアドバンテージの取り方や、横浜FC側が抜け出してからのファウルの笛など、両チームの選手にフラストレーションがたまりそうな佐藤主審のコントロール

徳島

9分、小西の高精度タッチダウンパス。

21分、石井のアウトサイドスルーパス

26分、渡井のキープからスルーパス

43分、渡井のステップ。DFが飛び込めない。

J1ホーム初勝利。7年前には達成できなかった待望の瞬間に甲本ヘッドコーチも感極まる表情。

横浜FC

3分、高木のヌルヌルドリブルでの運び出し。

クレーベが負傷交代。ふくらはぎ痛か。

18分、袴田の個人でのプレス回避タッチ。

開幕から6連敗。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 甲本 偉嗣ヘッドコーチ ]
横浜FCさんがしっかりつないでくるチームなので、いかに良いプレスを掛けられるかを意識してチャレンジしました。ただ、われわれの想定とは異なるボールの動かし方をしていたので、準備してきたとおりのプレスはなかなか作れませんでした。相手に良い時間帯を与えてしまったので修正が必要だと感じています。ただ、その中でも前半から相手にダメージを与える場所に何度もパスが入っていたので、そこを起点に良い攻撃ができるように進めました。

後半は良い時間を作られてCKから同点にされましたが、「得点しても奪われることはあり得る」ということを想定して全員でまとまって戦おうと話をして準備していました。選手たち自身も気持ちを上げてやってくれたと思います。

--ボランチがビルドアップでピックする形や、渡井 理己選手もビルドアップに関わる形が何度かありました。狙いだったのか、選手のピッチ内の判断だったのか聞かせてください。
基本はCBとSBでボールを動かしたかったですが、横浜FCさんのプレスが良くて、そういう場合はボランチが最終ラインに落ちることも想定して準備はしてきていました。それを選手たちが選択してやってくれました。

--石井 秀典選手が攻守に躍動していました。どう見えましたか?
統率力があり、ディフェンスリーダーとしてしっかりまとめてくれました。攻撃面は想定外だったといいますか(笑)、良い縦パスが何度も入っていました。今まで以上にやってくれたと感じています。

 「前半から相手にダメージを与える場所に何度もパスが入っていた」とあり、宮代や渡井にうまく届けられたのは好感触。ボランチが最終ラインに下りない方法でやっていくながれで来ていたが、選手たちの判断で下ろしてもいいと託している様子。ディフェンスリーダーとしての役割を期待していた石井だが、攻撃面は良い意味で想定外だったようだ。ほかの選手にも劣らない縦パスや運び出しが目立った。

[ 下平 隆宏監督 ]
下位の争いなので、われわれには勝点1でも3でも欲しいゲームだった。先制されて苦しい中でも後半にしっかり追いついたが、カウンターからあっさりやられてしまったのは非常にもったいなかった。ただ、徳島さんもボールを持つのはかなりうまいチームなので、そこに対して自分たちもしっかりボールを持って攻撃するというところでは、選手たちは頑張ってトライしてくれた。ただ、勝ちが来ない非常に苦しい中で、また切り替えてやっていきたい。

--クレーベ選手が早い時間に負傷交代した影響は?
クレーベとタイプは違うが、役割は(伊藤)翔も変わらずやってくれた。そこでの戦術変更は特になかった。

--2失点目の場面もそうだが、前半からボランチの脇や背後にパスを入れられて攻め込まれる場面が目立ったが?
2失点目の場面はセカンドボールの拾い合いでゴチャゴチャしたところから簡単にスルーパスで走られた。今季、何度かああいう場面が続いているので、セカンドボールのところ、最終ラインの対応も含めて改善しなくてはいけない。

--今日は手塚 康平選手ではなく瀬古 樹選手がセットプレーのキッカーを務める場面も多かったが?
今日はキックの位置でインスイングのキックを使っていこうということで。このスタジアムは風が舞うということが事前情報であったので、ゴールに向かうインスイングのボールを左からであれば瀬古が右足で蹴るというふうに分けていた。そこがセットプレーでの得点につながって、そこは非常に良かったと思います。

セットプレーでキッカーを瀬古にしたのは風の影響を考えてとのこと。実際に得点にも結び付いた。セカンドボールを回収できないと最終ラインが晒される場面が多くなっていることは問題視している様子。2失点目のほかにも似たようなシーンがあり、あれだけ簡単にゴールへ近づかれているのは良くない傾向。

2021 J1リーグ第5節 横浜F・マリノスvs徳島ヴォルティス メモ

 

www.jleague.jp

 

youtu.be

 

 

スタメン

 

f:id:brgacha:20210331173107p:plain

 

横浜FM

保持

低い位置でも蹴らずにつないで外す。4バック+2CHで流動的に動きながら回す。

中盤の背後を取って前を向けたら、一気にスピードアップ。

 

非保持

マルコスを1列あげて[4-4-2]気味になるが、前田が1人でプレスを掛け切れるので、マルコスはそこまで広範囲に動かない印象。

 

徳島

保持

CBからのロングボールも多い。CBからボランチにあてて、そこから空いた場所を使う。岩尾と小西の解放が肝。

 

非保持

[4-4-2]セット。スペースを守りながら、マークをはっきりさせて、出ていく。

 2トップは、1stラインを越された後は、ボランチについていく。

 

流れ

9分、相手CBから個人で奪い切った前田がそのまま決め切って横浜FMが先制。

横浜FMは立ち上がりからリズムがまだ整っていないような印象の時間帯に前田個人で雰囲気を変えた。

徳島は悪くない立ち上がりだったが、川崎戦同様に自陣でのミスが失点に直結してしまったのは痛い。

得点後からは完全に横浜FMのペースになった。徳島は強いプレスを受け、ビルドアップで思うように繋げない。

 

18分、エウベルが抜け出したが、ボールが足につかず。

22分、安部からゴール前に送り込み、折り返しまでは行けたがオビに対応された。

20分頃から横浜FMがテンションを下げ、徳島が少しつなげるようになる。

26分、エウベルとマルコスの2人だけで左サイドを前進、そして崩しからシュートまで。シュートは枠外。

 

右の岸本を使いながら深い位置へ入るシーンも出てきた。

ただ、横浜FMのほうがスピードを持ってゴールへ迎えている。

 

徳島も悪くはないが、横浜FMのほうがコントロールできていた前半。悪くないビルドアップもでているが、1stラインを突破したあとのスピードがやや足りないように見える。横浜FMのプレスバックも速いので、そこで対応される。

 

後半

徳島がプレスラインを上げ、前でボールを奪うシーンも増やしている。

浜下をやや下げた位置でサポートさせ、そこを出口にする徳島。

 

56分、カウンターで抜け出した河田。持ち運んだところを扇原が後ろから倒して警告。

59分、前田が強烈な一撃でネットを揺らしたが、起点になったマルコスのところでファウルを取られて取り消しに。オンフィールドレビュー。

徳島は失点後のリアクションを見ると、相当精神的なダメージがありそうだったので、VARに救われる結果になった。

 

64分、仲川、前田→水沼、オナイウ

69分、藤原→垣田

垣田と河田の2トップ。宮代を右SH、浜下を左SHへ移した。

 

右から左から、横浜FMがクロスを量産し、ゴールへ迫る。

73分、小西のロブパスから背後を取り、チャンスを作ったがシュートまで持ち込めず。

75分、相手のクリアボールをダイレクトでマルコスが合わせるが、わずかに枠外。オナイウが良いクッション役になりながら、サイドを有効に使えている。

 

77分、河田がそらしたこぼれ球を拾った垣田がそのままフィニッシュまで。DFのブロックに遭い、わずかに枠外へ外れた。

78分、吹ケ、小西→ジエゴ、鈴木徳

 

77分あたりから徳島の時間帯。ゴール前で惜しいシーンを作り出す。

オナイウが体を張ってファウルをもらい、流れを断ち切った。

 

左の浜下がインスイングのクロス。宮代はゴール前へ飛び込み、2トップと合わせて3枚がゴール前に入る。

 

88分、宮代→川上

浜下のカットインからのクロスが増えた。

 

89分、マルコス→樺山

樺山がそのまま中央のフリーマン的な位置に。

90分-91分、右から左から連続でオナイウへのクロスもわずかに合わない。

 

92分、CKで上がってくる上福元。

94分、後方からの配球に垣田が合わせたが、枠内へ飛ばせず。決定機。

ラストプレー、浜下がシュートを放ったが、枠内をとらえられずタイムアップ。

 

徳島は80分あたりからリズムをつかみ始め、チャンスも多く作ったが、ネットを揺らすには至らなかった。得点を奪えそうなシーンは何度かあっただけに、無得点は悔しい結果。

横浜FMは多くの時間で主導権を握りながらも最後は危なっかしい締め方になってしまった。追加点が取れていればもっとラクだったはずだが、前田の2点目が取り消されたところから冷静さをやや欠いたようなリアクションが多くなっていた。ただ、ボールを持ったときのスピード感はさすがで、1得点に終わったが攻撃面においては悲観することはない。

 

 

トピックス

ニッパツ開催の横浜FMホームゲーム。

横浜FM

 前田、4戦連発。

マルコスが相手の足を踏んだことで得点を取り消されたので、以降の時間は「足を踏む・踏まない」のプレーに対してかなりナーバスになっていた。

徳島 

14分、岩尾の解放。

密集をかいくぐる役として藤原の存在は大きい。

小西の後方からの配球で背後を取る。ほかの選手にはない特長。

ジエゴのロングスロー。

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ アンジェ ポステコグルー監督 ]
チャレンジングなゲームでした。 ボールがよく止まってプレー時間が短くなり、リズムが出ませんでした。ただ、選手たちが約束事を守り、戦ってくれました。幻のゴールもありましたが、ハードワークして勝ち取った結果だと思います。

--今節が3月最後のリーグ戦となり、開幕から5戦を3勝1分1敗で終えました。この成績をどのように捉えていますか。
悪くはない結果です。毎日成長を見ることもできています。開幕戦の川崎F戦はご覧の通り、良いパフォーマンスではありませんでした。そこから修正し、上積みができていることがこの結果につながっていると感じています。

--2試合ぶりに先発した渡辺 皓太が前々節・福岡戦よりポジションを下げ、ボランチに入りました。どのような狙いがあったのでしょうか。
徳島対策ではありません。彼は深い位置から前のスペースに入っていける選手です。ボランチであろうが、トップ下であろうが彼の良さが消えることはなかったです。ただ、難しかったのは日産スタジアムより、ニッパツはピッチが少し狭く感じる点です。ピッチを広く使いたかったですし、後半は彼を前方向に行かせました。よくやってくれました。

 

[ 甲本 偉嗣ヘッドコーチ ]
ボールをつなごうとした中でボールロストして失点を許してしまいました。ただ、90分通して戦うことはできたと感じています。

--前半、主導権を握れずに難しい展開を強いられた要因について。
想定していたことではありますが、FWのプレスにスピードがあって最終ラインも高い位置で連動してプレッシャーに来ます。その中でいかにつなぎながら、相手のウィークにボールを運べるかが前半の狙いではありました。いつもどおりにボールを動かせたかと言われると苦戦した部分はありますが、時間が経つごとにうまくボールを動かせる部分も出てきました。

--垣田 裕暉選手が入ってからの展開について。
垣田が入ったことで劇的に変化したというよりは、後半の入りからやろうとしていたことが少しずつ出せ始めたと思います。それが、垣田が入ったタイミングで最終的にうまく出てきたのではないかと思います。

結果的にあの「ボールロスト」が決勝点になったことは悔やまれる。「時間が経つごとにうまくボールを動かせる部分」が出るまでは押されていたので、そこまでに1点で抑えられたととらえるか、1点取られてしまったととらえるかは微妙なところ。垣田投入後からの攻撃は迫力が出せた。彼のポストや背後への抜け出しが変化をもたらしたと言える。

2021 J1リーグ第5節 サガン鳥栖vs柏レイソル メモ

 

www.jleague.jp

 

youtu.be

 

 

スタメン

 

f:id:brgacha:20210331101449p:plain

 

鳥栖

保持

朴を含めた最終ライン3枚でのビルドアップ。両CBは大きく開き、島川が相手2トップの間、その脇を松岡がのぞく。いつもの松岡の役割を島川、仙頭の役割を松岡が担っている感じ。

最前線で無理が効く林。

左利きの大畑が右で張るので、そこからワンタッチで背後を狙うパスを送れる。 

中野はSBロール。

 

非保持

 [4-4-2]⇔[5-3-2]セット。本田がやや低めなのでベースは[5-3-2]っぽいが、本田が前に出れば[4-4-2]のようにもなる。

 

保持

 相手2トップに対し、数的優位を作るべく古賀が少し内側で3バック気味になる。逆に北爪は高めに置く。

 低い位置では無理につなぐより、ロングボールを入れて高い位置でのプレータイムを伸ばそうとする。

 

非保持

 [4-4-2]セット。

 ヒシャルジソンは下りる松岡、椎橋は樋口を捕まえに出ていく。

仲間は上がってくる大畑についていって大外レーンを埋める。 5バック気味になるので、左のスペースには椎橋が出ていく場面も。

人につく傾向が強いので、特に中盤は選手間の距離が空きやすい。

 

流れ

5分、中盤でのカットから江坂→呉屋でカウンターもラストパスがわずかにズレた。

 

よりボール保持が安定しているのは鳥栖。柏は丁寧に繋ぐよりも長いボールが多い。

 

飲水まで

両者ともにチャンスらしいチャンスは作れず。鳥栖のほうが主体的に保持の時間を作れているが、まだこじ開けられる雰囲気はない。柏は前向きの守備で奪ってカウンターを狙いたいような印象。仲間を低い位置に置くのも、前向きの守備をさせやすいように、とも捉えられる。

 

28分、エドゥアルドから一発で林が背後に抜け出し、ニアを抜いて鳥栖が先制。北爪が前に出た背後がぽっかり空き、エドゥアルドのパス、林の抜け出しからのフィニッシュの質がそれを見逃さなかった。柏はあまりにもあっさりすぎる失点。

鳥栖が先制すると、無理にリスクを掛ける必要がなくなるので、柏は狙っているカウンターが打ちにくくなりそう。ボール保持から崩せる絵はまだ見せられていないがどうするか。

 

柏は江坂が左シャドー気味の[5-4-1]に変えた?

鳥栖はプレスの勢いも出てきて、一気に流れをつかんでいる。

 

38分、中野からボールを奪ったクリスティアーノがそのままシュート。角度がなかったが、可能性のあるシュートを見せた。柏は初シュート?

 

44分、ヒシャルジソンが前向きで奪うも、呉屋のタッチが乱れてロスト。柏のボランチ2枚の奪取能力の高さは際立っている。

 

35分あたりからは右サイドの馬力を生かしながら柏も敵陣深くまで行ける回数が増えた。先制後も鳥栖がアグレッシブに前から奪いに行く姿勢を見せていることで柏にも使えるスペースが生まれているのは悪くない展開。ただ、鳥栖の勢いも受けつつではあるため、2点目を取られる可能性も高まってはいる。

鳥栖はボールを持つために奪いに行き、保持では持つだけでなく点を取りに行く。それゆえにカウンターを食らいかける場面もあるが、あくまでも狙いに行くのは追加点であり、1-0のまま逃げ切ろうという考えは、この段階ではないのだろう。

 

 

後半

仲間、ヒシャルジソン、呉屋→三丸、大谷、細谷

呉屋は展開的に出てくるシーンは少なかったが、3人とも点を取るために必要な選手だと感じたので、この交代は意外。 

柏は完全に[5-4-1]セットに変わっている。

染谷が右わきから運ぶ形が多い。

 

53分、田代の大谷へのファウル。警告が提示されたが、足裏が入っており、退場の判定でもおかしくなかった。

 

柏が前半よりも勢いを持って入った立ち上がり。敵陣へ多く入れている。

58分、CKから上島が合わせたが、シュートはポストに当たる。

 

59分、松岡が座り込む。島川の声を聞くと肩が外れた模様。

60分、大畑、石井、松岡→飯野、小屋松、仙頭

 

62分、島川のミドルシュートのこぼれ球を鳥栖が拾い、最後はまた林。フリーの状態で落ちついてファーのネットへ突き刺した。小屋松のパスも冷静だった。

 

63分、北爪→サヴィオ

ヴィオは左SHのような位置に入り、古賀が右に移る。サイド4バックに戻した。

67分、江坂→瀬川

瀬川がそのまま2トップの一角に入る。

柏は交代枠を使い切った。

 

飲水まで

最初は柏が盛り返したような立ち上がりだったが、徐々に鳥栖のコントロール下に入っていった印象。2点目のシーンもちょっとした隙を逃さない落ち着きとしたたかさを感じる。柏は上島のシュートが決まっていれば、また違った展開だっただろうが…。

 

70分、右からのコンビネーションで飯野がPA内へ入ってきてシュート。枠内にはいかず。

 

71分、林→山下

 

75分あたりからは柏の時間。ゴール前に迫るシーンを増やしていく。

80分、サヴィオのミドルは朴の正面。

82分、樋口→ファン・ソッコ

鳥栖も交代カードを使い切った。

中野をWBに押し出して、右からソッコ、田代、エドゥアルドの3バックに。

 

~85分柏が完全に押し込み、CKを量産。ひたすらクロスを入れて事故が起きるのを待つ状況。 

 

瀬川が最前線に入り、ボールホルダーを追い続けてくれることで回収が楽になる。

鳥栖は前に収められるポイントがなく、最終ラインも後ろに重めなので前に出られなくなっている。

92分、後ろから飛び込んできた大谷がクロスに合わせるも、朴の正面へ。

 

柏は最終盤こそ攻勢を強めてゴールへ迫ったが、それまではほとんどゴールのにおいを感じなかった。最後に取り切れなかったことも含め、ゴールへのあと一歩が届いていない。少しペースを握れた後半立ち上がり15分のところで同点に追いつけていれば、大きく流れを変えられた可能性はあった。

鳥栖はメンバーを入れ替えてもやることは同じ。ボールを奪いに行き、握る。最後は林の仕上げが目立ったが、チームとしてそこまで運ぶ術が整理されている。最後は守備的な選手を入れて逃げ切る割り切りもある。ただ、最後は引きすぎてシュートチャンスを与えてしまったのは反省材料。

 

トピックス

鳥栖

35分、カウンターから湧き出てくるように上がってくる鳥栖の選手たち。

 松岡が脱臼の疑いで負傷交代。

81分、クリスティアーノを止める中野。

 

 42分、江坂の直前で判断を変えたヒールパス。

 79分、上島の奪取。

瀬川のチェイシングで安定してボールを回収できるようになり、押し込む時間を作れた。

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 金 明輝監督 ]
ミッドウィークの中でたくさんのファン・サポーターが駆けつけてくれて、しっかりと結果を残したことをうれしく思います。ファン・サポーターの後押しというか、12人目の力というのはすごく感じた試合でした。ゲームの内容としては当然、メンバーも替わった中で難しさもありましたけど、初めてのスタメンの選手が複数人いる中で、しっかりとゲームをコントロールしてくれたなと思います。狙いどおりの得点でもありましたし、最後は柏さんがマンツーマン気味でシステムをハメてきたり、そもそもパワーのあるチームなので僕たちが上から目線で言うわけではないですけど、ある程度、想定内の攻撃をしてきた中で守ることができた。あとは後半にもう少し、相手コートでプレーをするということはまだ課題なのかなと思います。ただ、しっかりと勝ち切るという強さは身についてきたのかなと思います。現状に満足せず、突き詰めていきたいと思います。

--今日はメンバーが替わっていた部分もあり、いつものスピード感は落ちた印象だったが、意図的に落としたのか。それともこのメンバーでも出してほしかったのか。
個々のキャラクターがある中で、同じことをするというのは難しい。彼らがしっかりと自分の良さを出してくれたらいいなというのはありました。テクニックのある選手たちがたくさん入って、個人で持てる選手が多かったのでスピード感はちょっとダウンするのかもしれません。でも前半と後半の飲水タイムくらいまでは彼らがプレーしたんですけど、僕の中ではしっかりとタスクをまっとうしたと思います。

--監督が重視していた5試合を終えて、4勝1分という成績になりましたが。
どの監督も始まって5試合はどうこう言うものなので。僕に限らず、皆さん、スタートダッシュは切りたいと思いますし、これがスタートダッシュかどうかは別として、チームとして失点をしていないこと、しっかりと得点を取って勝ち切れていることは大きい。突き詰めればキリがないので、4勝1分の1分をなぜ勝ちに持ってくることができなかったというところも含めて、また検証したい。誰一人、現状に満足していない。難しい時期も出てくると思いますけど、そういった中でもブレずにいきたい。当然、微調整はしながらももっと前に進んでいけるようにしたい。ホームでアビスパ戦もあるので、勝てるようにやっていきたいと思います。

--開幕から5試合連続無失点。その要因は。
選手たちの努力の賜物だと思います。去年の悔しさをキャンプから突き詰めて、選手間で求めながらやってくれたのが要因の1つでもあります。当然、それだけではないですけど、チームとして1つになって戦えているのがそういった要因になっていると思います。当然、無失点にすれば負けはないんですけど、得点が取れていることも含めて、選手たちの自信になっている。おごることなく、過信にならないようにしたい。選手たちがそこに関しては本当に頼もしいです。

 「後半にもう少し、相手コートでプレーをするということはまだ課題」とあるように、最終盤までボールを持ってコントロールすることが理想なのだろう。

[ ネルシーニョ監督 ]
前半に関しては入りから良くない出来で、こちらが狙いとしていたボールの持ち方ができませんでした。後半に入って形を変えて、特に(マテウス)サヴィオが入ってから攻撃のところでテンポが生まれ、ポゼッションする時間帯も増えました。ただ、2失点目を喫してから相手がまた勢いづいたと思います。しかし、後半残り25分くらいに関してはこちらがしっかりボールを握り、自分たちの狙いとしていた攻撃の形、テンポが改善されたと思います。次節に向けてこの教訓を生かしたいと思います。

--マテウスヴィオ選手の復帰について。
昨年に起きたケガの状態は完全に回復していました。ただ、十分にトレーニングを積めていない点でフィジカル的な要素が少し懸念材料で、事前の話し合いの中で30分が限界だろうという話をしていました。これからシーズンが進んでいく中で彼の出場機会は当然増えてくると思いますし、実戦の中で彼のコンディションを上げていかないといけません。彼は違いを作れる選手ですので、彼が入ったことで今日のゲームのテンポが改善されたのは間違いないと思います。

前半の途中からシステムをいじったように見えたが、このコメントから拾う限りでは「後半に入って形を変え」た模様。また、後半で押し返せたのは「サヴィオが入ってから」という感触だったようだ。