青赤人の戦術探検記

FC東京を中心に自分なりの分析をします!

J1リーグ第30節 大分トリニータvsFC東京 レビュー

 

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プレビューはこちら。

 

brgacha.hatenablog.com

 

 

 

 

 

スタメン

 

 

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大分は

長谷川→島川
負傷した小林成→三平

の2カ所を変更。

 


東京は前節・神戸戦で初スタメンだったシルバのところに永井を入れて元の[4-4-2]に戻す。
また、直近2試合でベンチ外となっていた大森がメンバーに復帰した。

 

 

前半

 

そうだ、プレス行こう!

前回対戦時には超ハイプレスとも言える戦い方を選んだ東京だったが、この日も比較的高い位置から追っていた。
単純に大分の不安定さもあったように感じたが、結果として相手のビルドアップを妨害することは成功していた。

ボール保持についても、細かくつながず、最終ラインから2トップ、もしくは裏のスペースへ簡単に蹴りこんでいた。
こちらが持つ時間を作る、というよりも相手に持たせた状態から奪ってショートカウンター!がファーストプランだったのかもしれない。
 

元々ボール保持がストロングではない東京としては「難しいことなんかしないで、前の2人になんとかしてもらおーぜー」がメイン。

これが結果的に早い時間の先制につながった。

 

髙萩から出たスペースへ送るパスに対して、GK高木が飛び出すが触れず。スピードを上げていた永井があっさりかっさらって、GKのいないゴールに流し込む。

その後もCKから圧倒的な跳躍力を持つCB渡辺が競り勝って追加点。開始7分で2-0に。

前期で猛威を振るった「前半の固め取り」という東京の必勝パターンへ早々に持ち込むことができた。 

 

 

どうぞどうぞ

 

ある種、偶発的な部分で先制した東京。どんな形であれ、リードさえしてしまえばこちらの土俵に持ち込める。

ということで、ボールは大分に持ってもらうことに。

この試合では「ボールを持つこと」よりも「ボールが敵陣にあること」を重要視していたのではないかと感じた。

 

 

ボールを持たせたら高めの位置からプレスをかける。

まずは[4-4-2]でしっかり構えたところから待ち受けるスタンスだが、バックパスが出ると一気にスイッチを入れる。

大分ボール保持の特性上、バックパスはあっさり出てくるので、スイッチは入れやすい状況が整っていたかもしれない。

 

 

2得点が入ったあとの守備を簡単に説明する。

 

 

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※プレスイメージ

 

まず2トップが大分ビルドアップ隊[4-1]の[1]の部分にあたるアンカーを監視。[4]同士の横パスが出たらCBの場所に入る選手へプレスをかける。

このとき、2トップのもう1人はアンカーをマーク。

あとはあらかじめ決まっているであろうマーク対象にアタックしていく。

 

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マーク対象

2トップ→鈴木、小林裕、島川

SH→左右のCB

SB→WB

CH→下りるシャドウ

 

こうまとめると分かりやすいが、2トップだけ2人で相手3人を見る守備になっている。

つまるところ、2トップがプレスのコース取りでアンカーを消す守備ができるかどうかが重要なポイントになる。

このポイントをしっかり押さえられたからこそ、(得点後の)序盤の主導権を握れたと言える。

 

 

このハードな守備をずっと続けることは難しく、30分辺りから基準を少し変える。

この変更は大分がビルドアップを少し修正したことも1つの理由かもしれない。

 

 

まず、大分のほうから。

CHが1枚下りる[4-1]ビルドアップから初期配置に近い[3-2](気味の)ビルドアップに微調整。

これによって東京2トップが背中側で監視しなければならない選手が2人になった。

このビルドアップに対して、同じ守り方をするとCHのどちらか1枚を捕まえきれないシーンが増えそう。

ということで、永井がCHの1人にべったりくっつき、ディエゴに最前線の守備を任せる。

もう一人のCHは橋本が前に出て捕まえにいくことが多かった。

 

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東京も機を見てプレスには行くが、永井をバックラインから遠ざけた大分は徐々に落ち着いた前進ができるようになった。

ただし、東京もそこはある程度許容していた気もする。

 

 

守り方を変えた東京にとって嫌な存在になったのが左シャドウの小塚。

彼がSBとCHの間辺りに顔を出すことでフリーになる。東京は構造上、そこを捕まえることが難しくなっていた。これによって、大分は小塚を軸にして敵陣でのプレー時間が増える。

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とはいっても、東京はCBをゴール前から動かさない守備ができていたので、ミスが起こらなければ問題ない状態。

 

大分に得点を許すことなく、ゲームを折り返した。

 

 

前半まとめ

 2試合連続で早い時間帯での先制に加え、固め取りにも成功。

出来すぎ感は否めないが、「FC東京2019ver」を表すような前半の流れとなっている。

 

本来であれば自陣に相手を引き込みたい大分に対して、ハイプレスを行うことはある意味愚行と受け取られてもおかしくない。しかし東京は「パスをつながせないほどのプレスを掛ければ問題ない」という精神で押し切った。

この作戦を選ぶ勇気もそうだが、それを実行できる選手たちが揃っていることが大きかっただろう。

 

 

 

後半

 

 後半の入りも大きな変化は感じない。

最低でも2得点を奪わなければ勝点を得られない大分は、前に出るしかない状況だ。

 

東京は極力前半と同じように高めの位置から追いかける姿勢は見せるが、サッカーという競技は90分間ある。

ハイプレスを90分保つことは不可能であり、徐々に「前進は許すが、ゴール前(や自陣)は固める」守備に移行していく。

 

展開としては29節・神戸戦と似たような流れ。


途中からはハイプレスをやめる。

2トップはCHの監視、SHは中央を埋めながらサイドのサポートという役割が主になる。


相手3バックへのプレッシャーがないことで簡単に(特に岩田からの)前進を許す。最も危険な中央を固めていることにより、サイドからのクロスはある程度許容する陣形となり、放り込みを跳ね返す構図となる。

 

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ここからSBが前に出ると、その背後にシャドウが出ていく。ここは東京のCHがカバー。

 

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そうすると中央のスペースが空く。どこかに空くスペースが出てきてしまうため、大分はその「どこかにできたスペース」を使う攻撃を目指す。

 

ただ、大分戦に関しては"何かを起こせそうな選手"や"一発がある選手"が少なかったこともあり、放り込みが大きな驚異にはならなかった。

 

大分としては敵陣でボールを保持することには困らないため、"なにかを起こす"ために必要な選手を入れていく。

 

オナイウ

伊佐

 

この試合ではベンチスタートとなっていた、FW色の強い2人が投入される。

 

 

相変わらずゴール前を固める東京は浅い位置からのクロスを止めることはなかなかできない。

ただし、ゴール前にはスペースもないし、強い人を配置してるから大丈夫!ということで跳ね返し続ける(事故りそうなシーンも多かったけど)。

 

 

自陣に引きこもりながらカウンター一発で息の根を止める作戦だっただろうが、トドメはさせず。

東があれを決めてれば終わってたぞ!

 

と、完璧とは言えないものの、東京の試合運びに持ち込んで完封勝利。

 

 

 

まとめ・感想

 仙台戦以来となる連勝、そしてクリーンシートでの白星となった。

 

上位3チームがいずれも勝ったため、勝点差の変動はなかったが、勝ち癖を取り戻すことが重要だ。

 



"健太東京のあるべき姿"に戻りつつあるいま、やるべきことはこの状態でシーズンを走りきること。

あの日の強い東京を思い出したい。

 

 

J1リーグ第30節 大分トリニータvsFC東京 プレビュー

 

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3試合勝ちなしから解き放たれた前節の神戸戦。

ひさびさにスカッとする白星(後半は少し苦しかったけど)だっただけに気持ちも高まったが、これで振り出しに戻っただけ。

 

久しぶりの連勝がかかる今節・大分戦の予習を行う。

 

 

参考試合:27節・磐田戦、28節・名古屋戦、29節・浦和戦

 

 

 

前節のスタメン

 

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大分

 前節・浦和戦は契約上の理由により出場不可のため、オナイウと伊藤がメンバー外。

それ以前の試合でも1トップ2シャドウの人選はやや流動的だ。

 

逆にそれ以外のポジションは固まっている印象で、右CBに岩田が復帰したことでやりたいサッカーができるメンバーは組めていると思う。

 

※小林成豪は天皇杯での負傷により、欠場の見込み。

https://www.oita-trinita.co.jp/news/20191055165/

※ティティパンは天皇杯・準々決勝で復帰している。

https://www.jleague.jp/match/emperor/2019/102301/live/#live

 

 

FC東京

前節はアルトゥール・シルバを今季初スタメンで起用し、永井は日本代表の遠征帰りで疲労も考慮してか、サブスタートとなった。

 

いつもの[4-4-2]ではなく、[4-2-3-1]を試したり、試合途中では岡崎を入れて5バックに変更したり、内田をSHで入れたりと、システムも起用選手の幅も広がってきた印象だ。

 

(※以降で使用する図は便宜上、東京は[4-4-2]だと仮定して作成する。また、小林成は欠場濃厚だが、図ではそのまま使用する。)

 

大分簡易分析

 

ボール保持

 

ビルドアップ

今季は開幕からスタイルを貫いていて、前回対戦時からもやり方はそれほど変わっていないように見えた。

 

基本フォーメーションは[3-4-2-1]だが、状況に応じて2CHの1枚が下りて4バックのように振る舞うのがパターン化されている。

 

主にビルドアップに参加するのは3CBと2CHにGKを加えた6人。

GKを除いた5人にかなり偏った数値が出る。パス本数ランキングも大体この5人が上位を独占する。

 

 

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※イメージ

 

最近では島川・小林裕紀2CHでコンビを組むことが多い(前節は小林裕×長谷川)が、そのときの配置としては小林裕が下りて、島川が中盤に残る分担の仕方になっている。

 

 

また、前述したようにGK高木も積極的にビルドアップに参加する。

以前よりも高木から一発でDFラインの裏をとる"タッチダウンパス"は減った印象を受けたが、それでもミドルレンジの浮き玉パスの精度やプレスを掛けられたときの落ち着きはさすがである。

 

 

大分のビルドアップは前に急がない。

相手を前におびき寄せて、背後にスペースを作り出すことがおそらく一番の狙い。

それゆえに、相手が前に出てこないと最終ラインで永遠と回しているような場面も度々見る。

 

この少し特殊なボール保持を行う理由としては、自分たちがボールを持つことで相手が攻撃する時間を減らすこと、相手が焦れて前に出てくればスペースを作り出すことができ、より大きなチャンスを演出できる、という2点を大きなメリットと考えているから、というように感じた。

 

 

ハイプレスをかけるなら

 

あえて、ハイプレスを仕掛けるのであれば、このような追い方になるかなと考える。

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※イメージ

 

こうなったときにまず対応を迷うのが、GK高木と中盤に1人残るCH(図では長谷川)のところ。

2トップがGKまで追うのであれば、元々のマーク対象だった選手はどう見るか、中盤のCHにはどっちがつくのか(髙萩なのか橋本なのか)という部分をはっきりしなければならない。

 

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※イメージ

 

また、このときに大分の2シャドウをどうするの?という新たな問題が生まれる。

後方からの配球もできる高木へのプレッシャーが甘くなればプレスは一気にひっくり返される。

 

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※イメージ

 

特に小塚はこの位置で受けるタイミングが非常にうまいため、ハイプレス時には要注意人物となるだろう。

 

GKまでプレスに行くなら、落ち着いてつながせないほどの圧力をかけなければならない。行くなら行く、行かないなら行かない、をはっきりしないと簡単にゴール前まで迫られる。

 

 

まとめ

◇GKも含めた大分のビルドアップは安定しており、前に急がない。

◇プレスに行くなら、まずGK高木と中盤に残るCHをどう見るか。

→GKまで行ったあとのシャドウのケアはどうするか。

◇フリーの選手につながれないよう、ボールホルダーに強い圧力を掛けよう!

 

 

 

 

チャンスメイク

 

元々ストロングであった岩田×松本の右サイドと夏に加入した田中達也の突破が主な要注意パターンとなりそう。

 

前回対戦時にも右サイドの攻撃については触れたが、大分は岩田がいるのといないのとでは右での攻撃が大きく変わる。

岩田が負傷離脱していた時期(磐田戦と名古屋戦)に代役として右CBに入ったのは岡野。守備面では良さを見せていた部分もあったが、攻撃においてはどこか物足りなさが感じられた。

 

前節に岩田が復帰すると、サイドを縦に貫いてくるような攻撃が追加されていたように見える。

 

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※前回プレビュー時の画像

 

 

今夏に藤本が抜けてからは裏抜け一発の攻撃がかなり減った。

藤本の駆け引きや決定力は、ほかの選手で代わりをこなせないからだろう。

 

これによって、サイドからクロスというチャンスメイクパターンが増えた。

両サイドにストロングがあることと、オナイウが優秀なターゲットとなりえるからだと思われる。

 

オナイウの空中戦と三平の飛び込みなどの機会を作らせたくないので、まずは岩田×松本の右サイドと、おそらく左に入る田中達也のところを塞いで、クロスの出所を潰したい。

 

 

まとめ

◇岩田×松本の右サイドの連係、左サイドにいる田中の単騎突破には注意。

◇サイドからのクロスを上げられないように対応しよう!

 

ボール非保持

 

[5-2-3]または[5-4-1]で構えるのがベース。

極力5バックを後ろから動かさないようにする松本山雅とは異なり、シャドウは中央よりのパスコースを遮断し、大外は両WBが積極的に前に出てきて迎え撃つ守り方をする。そのため、[3-4-3]という表記のほうがしっくりくるかもしれない。

 

東京の[4-4-2]と噛み合わせると下図のような感じ。

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※イメージ

 

シャドウがCBの前進もけん制しながら、SBに出たら極力マークにいけるような位置。

シャドウがSBに行けなさそうであれば、WBが積極的に前に出てくるといった印象だ。

 

このときに狙いたいのは3バックの脇。WBが前に出てくると、ここは空きやすくなる。

 

磐田戦では主にルキアンにここのスペースへ走られ、キープを許したことで起点を作られていた。

東京で考えると、この役割に適任なのはディエゴだろう。ゴールがある中央から遠ざかってしまうデメリットはあるものの、大分を自陣に追いやるという部分で必要な動きにはなるはずだ。

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※イメージ

 

また、3バックのカバーエリアが広いという特性上、2CHが最終ラインへカバーに入る意識が高い。

これ自体は悪いことではないが、意識の高さゆえにDFラインの前のエリア、いわゆる"バイタルエリア"が空きやすかったりする。

名古屋戦の失点も、2CHが後ろに吸収気味になったことで場所が空き、赤崎に使われたのが1つの原因となっている。

  

永井が大分の最終ラインを後ろに引っ張り、バイタルエリアに誰かが飛び込む形を作れると面白そうだ。

 

個人的に期待したいのは橋本。前回対戦時にもヘディングでのゴールを決めているように、元々持ち合わせる得点への嗅覚を見せつけてほしいところだ。

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※イメージ

まとめ

◇3バック脇を取って押し込もう!

◇DFライン前のバイタルエリアを使おう!

 

展望

  

大分は点の出入りが少ないチームで、ロースコアになることが予想される。安易な失点で先制を許すと、複数得点を取るには大きなエネルギーがかかる。

東京の必勝パターンである、前半の固め取りでリードできれば大分相手にはかなり戦いやすくなるはずだ。

 

そのためにはいくらかリスクを取る必要がある。先制のために取るリスクで一番わかりやすいのはハイプレスだろう。

前回対戦時のように、敵陣で奪ってそのままゴールに迫るシーンを多く作りたい。

 

ただ、ハイプレスをしかけるのであれば、DFラインの裏にできる広大なスペースの管理を怠ってはならない。

そこを狙うのが得意だった藤本が抜けているとはいえ、両翼にスピードのあるアタッカーがいる。

特に田中は独力でゴールまで迫れるため、スタートで出遅れないことが重要だ。

 

 

今回も“攻撃的な守備”を仕掛けるのか否か。そこが開始直後の注目ポイントとなるだろう。

 

 

また、試合終盤のトランジション(攻守の切り替え)も見どころ。

両チームとも、切り替えやスイッチを入れる部分に強みを持つ。

終盤に体力がなくなった中で、どちらが気合で走り仕切れるか、というメンタリティー部分も重要なポイントになる。

大分は磐田戦では足が止まったところから失点し、浦和戦ではラストプレーで走り切り決勝点を奪った。

彼らのメンタル状況も気になるところだ。

 

 

 

22節・仙台戦以来となる連勝を目指す試合が幕を開ける。

 

 

 

おまけ

大分戦のプレビューラジオを獣さん(https://twitter.com/nemuranaimati)とやったので、こちらもご視聴頂けたら!

 

スーパーディエゴ~神戸戦の3点目~

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4試合ぶりの勝利に加え、3得点と攻撃も活性化した神戸戦。
その3点目のディエゴのプレーがスーパーだったので、少しだけ個人的な目線からの解説をしたいと思う。



まずは公式で上がっているこちらのゴールシーンをご確認いただきたい。



(何回も見直してね)


動画部分よりも前の状況から説明すると、これは神戸が東京陣内でロストし、東京は深い位置でのポジティブトランジション(守備→攻撃の切り替え)からのスタート。


神戸は攻撃の流れで2トップと両IHが高い位置にいて戻りきることができなかった。また、サンペールはボールホルダーに出ていっているため、中央は埋められていない。
これによって中盤が空洞化し、下りるディエゴに対して神戸はCBが捕まえに出ていくしかできない。
もし、出ていかなければ、ディエゴに前向きで突進されてしまう。

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ということで、CBの渡部が捕まえに行くが、ディエゴの1stタッチによってキレイに交わされる。ここでDFを1人無力化することに成功。
ここがポイント1つめ。

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背後に迫るDFをワンタッチで交わす能力において、ディエゴはJ1の中でも抜き出たスキルを持っている。
ほかの選手に同じことを要求できない、特殊能力とも言えるだろう。





さて、シーンを進めていく。

渡部を交わすと、ゴールに向かってドリブルを開始。
渡部が交わされたことで左CBのオマリがディエゴのマークに出てくる。
ディエゴから見たとき、オマリが右側にいたことも影響しているかもしれないが、オマリはディエゴの利き足である右側に立つ。これで右足でのシュートやパスを出すことが難しくなる。



このときの周りの状況は以下の通り。


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左の外側に高萩が走り、近くにDFのダンクレーがいる。
右にはCBが空けたスペースを埋めようとDF酒井が必死に絞り、その内側に橋本がいる。



右足を切られていることもあり、多くの人は左の高萩に出す予測をしたと思う。

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しかし、結果は内側の橋本へのパス。


ここに凄まじいテクニックが詰まっていた。


オマリが右に立っていることから、ディエゴは右足から右側にパスを出すことは難しい。
なので、左足に持ち変えるために右足の裏で転がして左足のほうにボールを移動させた。

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これによってオマリを外せることに加え、ダンクレーに高萩へのパスをにおわせることに成功。右足裏ロールをした直後にダンクレーの重心は外側に向いている。

その瞬間に左足からのパスが内側に出てきたため、ダンクレーは逆を取られて、カバーが間に合わなくなった。

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①渡部をワンタッチで交わす
②左足に持ち変えることでオマリを外す
③右足裏ロールでダンクレーを引っかけ、中央のコースを空ける

あの短時間で神戸のCB3人を1人で無力化できたからこその橋本のゴールであった。



得点が遠ざかるとワンマンプレーに走りがちな印象もあるディエゴ。得点こそなかったが、守備面も含めて神戸戦のパフォーマンスは称賛されるべきだ。


優勝を目指すためにも彼の活躍は不可欠。

これからもチームに貢献するディエゴに期待したい。

J1リーグ第29節 ヴィッセル神戸vsFC東京 レビュー

 

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プレビューはこちら。

 

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直近3試合勝ちなしでむかえた29節・神戸戦。首位を争うためにもう落とせない、というこの一戦を振り返る。

 

 

 

スタメン

 

 

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神戸は大﨑が出場停止。

そこも含めて大きく変更してきた。

 

大崎→渡部、フェルマーレン→オマリ、イニエスタ→田中、西→藤谷

 

前節まで主に2トップの一角に入っていた古橋をIHにし、田中を最前線で起用。

前節までスタメンに名を連ねていた選手が大﨑を含めて4人もメンバー外となった。

 

 

 

東京は1カ所変更。

 

永井→アルトゥール・シルバ

 

シルバは今季初スタメン。

この変更によって、システムも今季使いなれた[4-4-2]ではなく、[4-2-3-1]([4-4-1-1])を採用。

髙萩がトップ下に入る。

 

 

前半

 

前から人を当てる東京

まず仕掛けたのは東京。

後ろでボールを持つスタイルをとってきた神戸に対して、前から強めにプレスをかけていく。

 

キックオフ直後は相手を慌てさせるために、勢いよく出ていっただけのようにも見えるが、時間が進むに連れて東京の守備基準が分かりやすく見えてきた。

 

 

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※イメージ

 

1トップに入るディエゴは真ん中に立ちながら、できるだけ3バックを追いかけ、高萩はサンペール番。

SHはベースポジションを守りながら左右のCBを監視して、前進をけん制する。

 

 

前から人を当てていくような守備で、プレビューで触れた"27節川崎式"のような守り方を選んだ。

 

こうすると必然的にSBがWBをマークするようになるため、SB裏のスペースは狙われる。

そこをカバーするのはCBとCHだ。

神戸が保持している際にCHのポジションが低いことが多かったが、これはおそらく神戸のIHが裏に走ってきたときにSB裏をカバーする約束があったため。走り負けて簡単に起点を作られないようにしたかったのだろう。

 

神戸視点で見ると、東京CHの位置が低いことを利用して、スペースのある中盤に下りて受けてもよさそうと思ったが、いつもそれをやっているイニエスタはいない、といった状態であった。

 

 

話を戻すと、CHとCBが神戸の2トップないし、2IHとサイドでのバトルにどれだけ勝てるかという点がこの試合における大事なポイントになりそうな立ち上がり。

 

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※イメージ
 

 

結論から言うと、ここのバトルの勝率は非常に高かった。

前からの制限がうまくかかったことも理由のひとつになるが、ボールを持たれても前を向かせない、及び潰す守備がほぼ完遂できていた。これが前半に主導権を握れた大きなポイントだったように思う。

 

 

42分に小川慶治朗が投入されてからは、そこの走り合いで後手を踏むシーンもあったが、致命傷になることはなかった。

 

 

ボールを奪えない神戸

東京のボール保持はいつも通り、相手がスペースを作ってくれないのであれば無理して捨てることはしない。

前半は神戸が前からの強い圧力をかけてこないため、比較的ボール保持に余裕があった。

 

ただ、相手2トップと東京のCB2枚が数的同数であることを懸念してか、橋本やシルバが後ろ目に下りるケースは何度か見られた。

 

神戸がボールサイドに人数をかける割に横の経由地点を消せないことや、単純に圧力が弱いことでパス回しにはそこまで困らなかった。

また、IHの古橋が攻撃時も守備時も高めの位置を取りがち。東京の右SHは内側に入って古橋が空けた場所を使える三田。この噛み合わせの相性も使いながらチャンスメークもできた。

 

 

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※イメージ

 

ビルドアップでシルバと髙萩の立ち位置取りが効いていたように感じたので、それを一部紹介する。

 

 

~シルバ編~

 

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神戸がGKまでプレスを掛けてくる

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シルバがサイドで受けてプレスを回避

 

16:00頃のシーン。

神戸がIH古橋も加えて前から圧力をかけるが、東京は後ろからつないでいく。

前から人を捕まえに来た神戸に対して、SB室屋のところで詰まってしまうかと思われたが、シルバがサイドに流れてサポート。

神戸左サイドの守備を担当するIH古橋とWB酒井が2人とも前に出ていたため、シルバを捕まえられる選手がおらず、プレス回避に成功した。

 

大きい枠で見るとこれはマリノスボランチがよく使うパターン。CHの選手がサイドに流れることで誰がマークについて行くのかを迷わせるポジション取りだ。

このシーンに限らず、何度かこのような動きは見せていたので、チームのスカウティングによる指示か、本人のスペース認識能力によるものなのではないかと思う。

 

 

~髙萩編~

 

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SB室屋にIH古橋が、CHにアンカーのサンペールが出てくる。 

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サンペースが空けたスペースに髙萩が入って受ける。

 

40:30頃のシーン。

髙萩はボール保持時に限らず、カウンターの場面でもIHがいなくなった神戸の中盤を効率的に使う動きを見せていた。

また、サンペールとのポジションの取り合いでも先手を打ち、前半のうちに警告を与えることに成功。そのサンペールはハーフタイムを迎える前にベンチに下がる。

攻守においてサンペールに1つの仕事も許さずにノックアウトした髙萩が間違いなく前半のキープレーヤーであった。

 

 

得点には一切触れていないが、前半のうちにスコアは3-0に。

相手のスローインを奪ったところからの切り替えの早さで取った先制点。シルバのスーパーゴール。ディエゴが1人で神戸の3CBを全員無力化したカウンター。

配置どうこうより、個人のスキルやチームとしての意識が上回ったゴールだったと思うので、説明は割愛する。

 

 前半まとめ

 

一言でまとめるとかなり出来の良い45分。

攻撃についてはアルトゥール・シルバの(おそらく)生涯1ミドルが決まるなど、できすぎなところはあったが、ディエゴの「俺が俺が」というプレーも明らかに減った印象でスムーズさは感じられた。

守備は前述したように、いつもの形を変えて対応したことがうまくハマり、神戸のボール保持を息苦しくさせることに成功。

 

スコアも内容も文句をつけることが難しいような理想的な展開になったと思う。

 

 

 

 

後半

 

 

神戸ボール保持の微調整

後半開始からも東京の守備構造は変わらない。

一方で神戸は少し微調整をしてきたように見えた。

 

それがどこかと言うと、左サイドにいるIH古橋の立ち位置だ。

前半は東京SBが前に出たら背後を狙う、という動きがメインだったが、後半からは早めにサイドへ流れる立ち位置を取る。

これによって右SBの室屋は古橋をマークせざるを得なくなるため、WBの酒井に出ていきづらくなり、フリーな状態が生まれる。

 

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※イメージ

 

前半まとめの項に入れたツイートで「構造上エラーが起きやすいところを数回突かれている」と指摘しているのはこれ。前半にもこの酒井を浮かす形が1回か2回だけあったが、特に狙っている雰囲気はなかった。対して後半は意識的に行われていたように思う。

 

この形を使われると、シルバが外に出ていくか、室屋がマークを捨てて出ていく必要があるが、どうしても対応は遅れる。

対応が遅れると前向きかつスペースを与えた状態で向き合うディフェンスをしなければならない。酒井くらい能力のある選手にその余裕を与えると、マーカーが剥がされたり、縦方向のパスを許すことが増えた。

また、SB裏に流れる古橋をシルバが止めきれなくなっていたこともあり、押し込まれる時間が長くなる。

 

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※イメージ

 

 

防戦一方の東京

深い位置まで入られると、より危険な中央を固める必要が出てきて、サイドが空きやすくなる。

そして、大外での仕掛けに対して、1対1で勝てないとクロスが簡単に入ったりCKを与える。

後半はこのサイドでの勝負になかなか勝てなかったことで、クロスとCKの雨あられに遭ってしまった。

 

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※イメージ

 

 

66分、この押し込まれた展開で与えたCKから失点を喫する。

セットプレーはどうしても防げないシーンもあるので、セットプレー守備を修正するというよりもCKを減らすことがこの時間帯の急務となっていた。

 

ということで、この失点のあと~70分くらいまでの間に守備基準を少し変える。

東京SHが神戸の左右CBに出ていかず、WBの監視意識を強める。

 

69分にディエゴ→永井という交代カードを切ったが、地味に的確な守備を行っていたディエゴに代わって、やや無謀気味なプレスをかけがちな永井が入ったこともその理由かもしれない。

 

 

この微調整でSB裏を簡単に取られることは減った印象だが、代わりにCBへのプレスがかからなくなったことでラインは下がる。

 

 

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※イメージ

 

もう放り込まれること自体は許容しなければならなくなった東京は76分に手を打つ。

 

 三田→岡崎

 

この交代でフォーメーションも[4-2-3-1]から[5-3-2]([5-3-1-1])に変える。

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おそらく、サイドからの放り込みに対して中の人数を確保すること、神戸の大外の選手に対してマークをはっきりさせる意味合いがあったと思う。

 

ただ、1つ疑問だったのが、髙萩をトップ下近くに残したこと。後半に入ってからはアンカーの山口を経由されて困る展開は少なくなっていた。

中盤は3枚が横スライドで中央も固めながら、外にも出ていき、髙萩がそのサポートに入るような守り方。悪くはないが、疲労もたまってきて思考能力も落ちてきている時間ということを考えると、難易度の高そうな選択をしたように感じた。

 

手を打ったものの、78分頃には髙萩のスーパークリアと林のビッグセーブでピンチを防ぐなど、紙一重のディフェンスが続く。

 

最終盤、お互いに最後の交代カード。

 

神戸 渡部→藤本

東京 東→内田

 

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神戸はフォーメーションを変えないまま、攻撃的な選手を増やす。

東京はサイドにフレッシュな選手を入れ、フォーメーションも[5-4-1]に変更。

 

東京は[5-4-1]に変えたことと、サイドに走れる選手が入ったことにより、守備が安定。

内田にはCBとWBの両方を追いかけてもらうような仕事を任せる。

 

89分には永井が1人だけで起点を作ったところからボール保持を開始。

藤本とポドルスキと走って死ねるタイプではない2トップになったこと、フル出場の中盤3枚に疲弊が見えていたことで神戸は全く奪いに来れない。

ということで、無理せずパスを回して時間を消費し、終了の笛。

 

結果的に最終盤は落ち着いた運びで締めることができた。

 

 

神戸1-3FC東京

 

 

 

感想・まとめ

 

これまではいわゆる「自分たちのサッカー」を貫いてきた東京だが、この試合では神戸対策とも取れる布陣変更や試合終盤の新しい締め方を見せた。

勇気ある決断が結果につながったことは残りのシーズンを戦ううえでも大きい要素だと思う。

 

 

そして、3試合未勝利が続いていた中、欲しかった勝点3を得ることに成功した。これがこの試合における最も大きいトピックと言えるだろう。

 

前半のポジティブな面、後半のネガティブな面(うまくいかなかった面)、いろいろな流れはあったが、(今節は主力を複数欠いていたけど)リーグ後半戦で好調だった神戸を叩けたことで今後勢いが出るかもしれない。

 

今回の良いイメージを保ちながら上向きな状態を維持したいところだ。

 

 

 

これで鹿島とは勝点で並び、勝負は振り出しに。

これまでは首位として追われる側の時間が長かったが、またここからが再スタートと言えるだろう。

 

 

 

もう一度先頭を目指す道のりが始まる。

 

 

J1リーグ第29節 ヴィッセル神戸vsFC東京 プレビュー

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 神戸戦の予習。

参考試合は27節・川崎戦と28節・広島戦の2試合。

 

前節のスタメン

 

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神戸

夏の補強でGK飯倉、DFフェルマーレン、酒井を獲得し、そこから現在のフォーメーションとメンバーが固定化された印象。

やや不安があったポジションを的確に埋めたことで完成度の高いチームに近づいた。

 

しかしながら、今節はCB大﨑が出場停止で不在。大﨑のところに代わりの選手を入れるのか、フォーメーション自体を代えるのか、という点は試合開始前の注目ポイントになるだろう。

 

 

FC東京

直近2試合は全く同じメンバー。

前節は大森がメンバー外となったが、今節の復帰はあるか。

ここ3試合で得点はわずかに1と攻撃での停滞感がある。ベンチ入りも含め、メンバーを入れ替えて活性化を図る可能性も?

 

神戸簡易分析

 

神戸が今節どのようなフォーメーションを組んでくるかが不明であるため、あくまで前節までの傾向。

 

ボール保持 

 

ビルドアップ

 基本形は3バック+サンペールの4人がメインで、そこにGK飯倉やWB酒井がサポートに入るパターンも交える。

 

 相手がプレスに出てこず、後ろで固めているような場合は無理に前に出さない。相手が出てくるのを待つように持って、バックラインでパス交換を行う。

CB3枚は自分のところにマークがついてないと感じればドリブルで運び、縦パスをうかがう。そのとき、自分にマークが動いてきたら、代わりにマークが外れた選手を探して預ける。もし、全員にタイトなマーカーがいるようであればどこかにスペースがあるはずなので、そこに届ける。

 

どのようなパターンを持っているかというよりも、チームとしてのフレームが固まっているようなイメージを持った。

 

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※イメージ
 

 

 

ここからはFC東京が使用するシステム[4-4-2]との噛み合い方をベースに考えていく。

 

 神戸のディフェンスラインにどうアタックするか。

 

①後方でのボール回しを邪魔しにいく場合

27節では川崎が[4-2-3-1]のシステムで前から人を当てていくような守り方をしていた。

 

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※イメージ

 

GK飯倉以外には明確に誰がどこにプレスをかけるかがはっきりしている。

川崎のスタイルも関係しているだろうが、ダンクレー、大﨑、フェルマーレンとどこからでも攻撃を組み立てられる3バックを自由にさせないための守り方と言えるだろう。

 

この守り方だとボールホルダーの余裕を削ることはできるが、代わりにスペースを与えてしまうデメリットは生じる。

 

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※イメージ 

 

 下りるWBを捕まえるのはSBの仕事。しかし、そこについていくと背後にスペースが生まれる。

 

そしてその背後にいるのはビジャと古橋だ。

彼らはスピードと俊敏性の両方を持ち合わせ、スペースで受けられてしまうと2人でゴールに迫れる。

 

仮に27節川崎式の守り方をするならば、ここのケアは避けて通れない道になるだろう。

 

 

 

②後ろで構える場合

 

おそらく2トップで真ん中のサンペールを消しながら3バックの前進をけん制する形になると考えられる。

そうなると相手の3バック+サンペールの4人を2トップで見なければいけない。数的不利が生まれることで左右のCBに時間の余裕を与えてしまう。

 

その左右のCBはおそらくダンクレーとフェルマーレン。ダンクレーは前に運んで配球、フェルマーレンは一発で正確なサイドチェンジができる選手だ。

 

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※イメージ

 

後ろで構えれば危険なスペースを空けることは少なくなるが、そのぶん守備のスライドやマークの受け渡しなどのストレスはかなり増えるのではないかと思う。

 

 

 

結局のところ、どちらにもメリットとデメリットが混在するということ。

 

どのような試合運びをしたいのかによって、どちらを選ぶのかが決まる。

 

 

ボール非保持

 

[5-3-2]セットがベース。

2トップ(特に古橋)が頑張って制限して外に追い出してから、WBが縦にスライドして道を塞ぐ。

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※イメージ

 

広島はWBが大外の高い位置に張る戦い方であるため、WB同士がマッチアップすることで左右の3バックが比較的フリーで運ぶことができていた。

このパターンができるとすれば、味方が相手のマーカーを引きつけて背後にスペースを作り出す動きをうまく使いたい。

 

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※イメージ
 

 

 また、広島は大外を起点にしてハーフスペースに飛び込む動きを多用していた。

これは広島の得意パターンで、23節に味スタで戦ったときもその形から失点している。

 

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※23節の失点場面

→ハーフスペースに走るシャドウに大外のWBからパスが出る流れ

 

FC東京戦ではWB柏が大外から中に入ってシュートする形だったが、28節神戸戦ではCH稲垣(もしくはシャドウの川辺)がエリア内に入ってくる形が非常に多く見られた。(15節・湘南戦でもこのパターンで得点している)

 

そして神戸戦ではこれがかなり効いていた。実際に2得点を挙げており、その他、ゴールに至らなかっただけの決定機も多くあった。

 

 

端的に言うとここは神戸の弱点

ペナルティーエリア内の深い場所からマイナスの折り返しには対応が遅れがち

 

これは中盤にサンペールとイニエスタを起用していることが理由として挙げられる。

彼らのストロングは守備ではない。そのため、埋めるべきスペースを埋めきれないシーンがどうしても出てくる。広島はその隙を何度もついたことで、多くの決定機を演出していた。

 

 

フォーメーションも選手の特徴も広島とは大きく異なる東京。

同じことができるか、楽しみにしたい。

 

展望

 

 前項でも触れているが、まずは神戸がどのようなフォーメーションや選手起用をしてくるのか。

3バックのままであれば、大﨑の代わりに入る選手はビルドアップスキルに劣るため、放置できる。4バックになれば、単純に最終ラインの枚数が減り、被カウンターへの人数的な保険が少なくなる。

 

東京視点だと、3バックであれば神戸のビルドアップからの脅威は薄れるが、カウンターを打ちづらくなる。4バックであればその逆だ。

神戸のメンバー選考によって、東京の攻撃に求められるスピード感も変わるかもしれない。

 

 

次に東京がどこで点を取りに行くのか。

ここ3試合はセットプレーによる1得点のみと流れの中からゴールが生まれていない。

決定力を上げることが最重要課題ではあるものの、アプローチを変えるタイミングも必要なのかもしれない。

リーグ前半戦ではロングカウンターが猛威を振るっていたが、ここ最近では得点につながったのが名古屋戦以外記憶にない。

 

昨季は今季よりもショートカウンターからの得点が多かったはず。相手のポゼッションスタイルを慌てさせるという意味でも、ハイプレスを仕掛ける時間があっても面白いのかもしれない。

 

 

 

 これまでは引き分け上等な「引き込んでカウンター戦法」で勝点を拾えればokなところもある程度はあった。しかし、首位から陥落したいま、1ポイントずつ拾い集めている場合ではない。求められるのは+3。そのためにリスクを負ったチャレンジを見せてほしい。

 

 

 

 

 

J1リーグ第28節 サガン鳥栖vsFC東京 レビュー

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プレビューはこちら。

brgacha.hatenablog.com

 

今回はプレビューの内容からも引っ張っているので、こちらを先に読んで頂ければと思う。 

 

 

スタメン

 

 

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東京は前節から変更なし。

大森がメンバー外。

 

鳥栖は4カ所変更。

小野→豊田、金森→福田、松岡→パク・ジョンス、原→三丸。

 

 

前半

 

キックオフ直後から鳥栖はハイテンションで入ってくる。

金崎と豊田という前線からのチェイスを続けられる2人の2トップ起用ということでガンガン追いかけて、立ち上がりからの勢いで押し切ってしまおうという狙いだったか。

 

鳥栖左サイドの配置ズレ

10分を過ぎると鳥栖も少し落ち着いて、ゲームスピードが落ちる。12分には自陣セットプレーの流れからビルドアップ開始。

ここで見せたのが左サイドの配置移動だ。

 

まずCH原川がCBの脇に下りてきて3バック化。三丸が大外の高い位置を取り、クエンカが内に絞る。

 

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※配置移動

  

 

この段階で三田は①原川へ寄せる、②クエンカへのコースを切る、③三丸へ寄せる準備をする、の3つの選択肢がある。

 

最初に説明すると、GK高丘から豊田へロングボールを蹴ってきそうな雰囲気があったので、ラインは低くなっており、ボールホルダーとの距離が空いていた。そのため、①は効果的なプレスにならず難しい。

②か③になるが、中央のほうが危険度が高いため、おそらく②を優先したと思われる。

 

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そうすると大外にいるSB三丸への対応は間に合わないので、室屋が外につり出されることに。

こうなったときに鳥栖が狙うのは室屋の背後。ただし、それは東京もわかっているのでCHとSHがカバーする。

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室屋の背後は対応されるが、2人をそこへ引き寄せたことで三丸の近辺にはスペースが生まれ、そこへ戻してからクロス、という流れだった。

 

 

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エリア内には豊田というJ1でも屈指のエアバトラーがいるので、多少アバウトでもクロスを入れてどうにかしようという狙いだったはず。

 

12分では守備構造のカバーをうまく利用されて、クロスを許したが、それ以降は三田が原川を捕まえるように連動できており、同じ失敗は繰り返さなかった。ここは素晴らしい対応だったと思う。

 

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上記のようなクロスも含めて、鳥栖の攻撃は豊田の強さを生かしてチャンスを作り出したいという意図が多く見られた。

 

また、この左サイドアタックはクエンカと三丸がお互いに内外を使い分けてマークを混乱させようという狙いも前半から見ることができた。

 

 

東京保持での狙い

ここはプレビューで触れた形が2点。まだ見ていない方は先にプレビューを読んで頂きたい。

鳥栖中盤の選手間がやや広く、縦パスを打ち込みやすい&その縦パスにCBが前に出て対応するので、少ないタッチ数で外して裏を狙うというのが1つ。

 

クエンカの守備対応が気まぐれなので、そこをつついていくのが2つ目。

 

この2つについて前半から実践されているシーンがあった。

 

29:50頃のシーン。

髙萩が鳥栖のDF-MFライン間に入り込むというひと工夫が足されている形だったが、2トップの連係でまさに狙い通りの流れでCBの裏を取ることに成功した。

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※プレビュー時の図

人や場所こそ少し違っていたものの、まさにプレビューで触れていたとおりの形だった。

 

 

次に45:25あたりのシーン。

これも鳥栖の守備陣形全体がやや崩れ気味だったこともあるが、クエンカがSBのような位置で守備に参加していた。室屋が大外から内側を取るように走った動きにフリーでボールを持っていた橋本から浮き球パス。クエンカはついて行けずに折り返しを許す、というシーンだった。

 

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※プレビュー時の図

 

これも配置などは異なるが、狙った形でチャンスを作れていた。

 

 

 前半まとめ

 

 得点こそ奪えなかったものの、この攻め方ができれば崩せるのではないか、という予想をしていた形が再現されて、ゴール前まで迫ることはできていた。

決定機というほど大チャンスはなかったが、東京なりに鳥栖の守備陣をうまく攻略できていた印象だ。

 

守備面でも一度失敗したことをすぐに修正(一度目がリスタートの流れだったのでうまくいかなかっただけかもしれないが)したことは非常にポジティブ。

渡辺が豊田との競り合い、金崎とのバトルで引けを取らなかったことも、相手の攻撃を抑えるうえでかなり効いていた部分だと思う。 

 

 

後半

 

後半も前半と同じようにクエンカのところの守備強度がやや低め。

47:20頃、室屋が攻撃参加したところにクエンカがうまく寄せきれずにクロスを許し、その流れからCKを獲得。

CKで三田が蹴ったボールは誰も触ることなくそのままゴールに吸い込まれて先制に成功。

 

ここ2試合で得点が取れていなかった東京としてはどんな形であれ先制点を取れたことは非常に大きく、3ポイント獲得のために無理をして点を取りに行く必要がなくなった。

 

 

その後は重心を低くしつつも、ボールを持つときは持つ、スペースがあれば縦に速く攻める、と使い分けながらのゲームコントロールを狙う。

東京2トップが得意なSB裏流れで相手のCBと1対1を作り出し、突破力の質の高さを生かしてゴール前に迫る形も増えていく。

 

 

不安な右サイド守備

先制点を取って、こちらのペースに引き込む!という流れが東京の必勝パターンだが、この試合では右サイド守備が不安定で、自陣撤退が良い選択と言えるかは怪しい状態。

得点を取って結果を出した右SHの三田だが、室屋とのマークの受け渡しがぎこちなく、どこに守備基準を置いているのかが見えにくかった。

三田の部分で基準がはっきりしないことによって、室屋の対応も少し遅れる。鳥栖は左サイドはクエンカと三丸コンビでストロングになっており、後手を踏めばクロスを許すというのは必然であった。

 

 

ただ、室屋が個人守備のところでクエンカとも対等にやれていて、60:30頃の1対1を止めたところなどは素晴らしかった。

右サイドの不安定なところは室屋の個人守備と髙萩のスペース管理、渡辺の広いカバーエリアによってもっていた気がする。

それぞれ、ほかの選手では同じことができない部分だろう。

 

 

 活性化する鳥栖の右サイド

 57分、鳥栖に選手交代。

福田→アン・ヨンウ

そのまま右サイドに入る。

 

今季好調のドリブラーが入ったことで、鳥栖の左サイドだけでなく、右サイドも蓋をする必要が出る。

 

交代後、早速ヨンウを使う仕掛けを見せた。

 

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ヨンウvsジェソクのマッチアップ。東が内側のドリブルコースを消そうとするが、SB金井が外を回ることで東はそちらのカバーへ行かざるを得なくなる。

そうするとカットインコースが空いてシュートを許した。

 

 

東京としては豊田と金崎が中で待っているので極力クロスは入れさせたくない。そうなると守備のカギを握るのはSBとSHの連係。

東京CBも跳ね返し耐性はあるので、後ろからの放り込みはある程度許容しながら、深いところからのクロスは許さないという守備が必要になる。

 

上図のように一度目こそカットインからのシュートを許してしまったが、それ以降はSH東とSBオ・ジェソクがうまく連係して、ヨンウの左足を切ることに成功していた。

 

これも同じ失敗をせずに対応できた良い点だったと思う。

 

 

各チーム交代策

 

65分に鳥栖は原川を下げて小野、78分にジョンスを下げて金森を投入。

とにかく点を取るために攻撃的な選手を送り込み、中盤を守る人がいなくなる。

DFラインの選手は自陣を守るとして、その前の守備者は「皆さんのご厚意にお任せします」というような感覚だった。

 

そうなろうが、鳥栖の目的は得点を取ること、というわけでサイドからのクロスでどうにかしようとする。

 

東京の右サイドは相変わらず不安なままだが、この展開で喉から手が出るほど欲しい大森はいない。なぜ今日に限っていないんだ。

ベンチの椅子の下にでも隠れていたならよかったが、探してもそこに大森の姿はなかった。

左サイドは72分の交代で一応申し訳程度の手を打っていた。

 

永井→ナ・サンホ

 

東をトップ下に移し、サンホを左SHへ。

この手もフレッシュな選手に対応させたいということだけである。

 

また、79分には疲労の見えていたディエゴを下げてジャエルを投入。正直、この流れでジャエルの投入は意外だった。セットプレー守備での高さを考えたのだろうか。

 

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東京は上図のメンバーでサイドに蓋をしながら守り切る、あわよくば追加点を取るという進め方に。

鳥栖はなりふり構わず攻める。

 

 

決壊する東京左サイド

86分、東京は最も恐れていた形から失点を喫する。

東京の左サイドでヨンウに持たれて、左足の内巻きクロスを許した流れからだった。

 

正直、許せない失点だった。

 

 

問題はサイドに蓋ができなかったこと。 

 

 

この失点については少し前の時間の流れからなぞっていく。

右の室屋が難しい対応を強いられながらもクエンカとのバトルを制していた一方で、左のジェソクはヨンウへの対応に手を焼いており、1対1で塞ぐのはやや厳しい状態となっていた。

ここは少し予想外だったが、1人で対応できない以上、SHがサポートに入るしかない。

つまり途中投入されたサンホの守備的な役割は非常に重要だった。

 

しかしながら、失点シーンとその1分前に高橋祐治のヘディングを許したシーン、いずれもサンホがちゃんとポジションを取れなかったことでクロスを許した。

 

あまり個人を責めたくはないが、健太東京の守備を基準に考えるとこれは完全な怠慢である。

本人が点を取りたい気持ちなどはよくわかるが、なんのために投入されたのかがまるで理解できないプレーぶりだった。

 

失点シーンは森重が痛んで、中の人数が減っていた側面があるとはいえ、サイドでクロスの出所を潰しておけば中央の手薄さが晒されなかったはず。

本当に致命的な守備意識のエラーだった。

 

 

 

その後は両者がオープンな状態で殴り合う展開に。

終了間際にはすったもんだがあったが、ここではそれについて触れないことにする。

 

 

鳥栖2-1FC東京

 

 

感想・まとめ

 

個人的な意見だと、この試合は今季の中でワーストゲームだった。

 

もっと何もできずに負けた試合もあった中でなぜワーストかというと、擁護できない失点で勝ち点を落としているからだ。

 

これまで負けた試合はひたすらに完敗だったか、自分たちの決定力に泣かされたかのどちらかであった。しかし、この試合の失点はやり方次第で防げたし、勝てたと思っている。

(ちなみにアウェイ浦和戦の失点は東京守備構造の問題と相手のつなぎが完璧だったことから仕方ないと考えている) 

 

「防げた失点」という部分がポイント。失点の理由がゴラッソや守備構造の弱点を突かれた、個人レベルのミス等であれば、それはどこかで体を張る、誰かが頑張って止める、しか言えない。それに関しては各々が成長する以外に改善が難しい。

 

今回はフレッシュな選手の戻りの遅れ。疲れは言い訳にできない。

 

確かに大森がいないことで対応策は少なかった。だが、少ないなら少ないなりにもがいても良かったのではないかと思う。

例えば、岡崎を投入して5バックにすればSBはサイドの守備に集中できるし、前線に田川を入れてひたすら走らせれば、放り込みもある程度抑止できたのではないかと思う。

SHとしてベンチ入りしたであろう内田が選択肢にもなってなさそうなのが一番切なかったが。

 

 

 

 

個人的な意見は上のツイートで変わらないが、ジャエルを入れたことに加え、サンホが守備で必要最低限のタスクをこなせないのであれば、彼らが2点目を取れなかったことを課題に挙げるというのは間違っていないかもしれない。 

 

 

 

 

改めて、ここまでの東京の戦いを振り返ってほしい。

とにかく何でもいいから先制点を取って、相手を自陣に引き込んでペースを握るという展開を作ることが必勝パターンだったはずだ。(逆転した試合もあったけどそれは例外)

 

 この大事なリーグ終盤戦でこの必勝パターンがあっけなく崩れたのはかなりのショックがあった。

 

 松本戦で得点が奪えなかったことやこの試合で2点目を取れなかったことを嘆くより、この試合で1失点を喫したことのほうがよっぽど不安視すべき点だと思っている。

 

 

 

とはいえ、もう終わったことを悔やみ続けても仕方ない。

同じことを繰り返さないように願うばかりである。

 

 

散々ネガティブなことを吐き出したが、まだシーズンは終わっちゃいない。 

強い東京を思い出して立ち上がれ。

 

 

J1リーグ第28節 サガン鳥栖vsFC東京 プレビュー

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 アウェイ8連戦も前節・松本戦で折り返し。巻き返しの後半4試合に入っていく。

 

初戦の相手は鳥栖。そんな鳥栖の予習をしていこう。

参考試合は26節・G大阪戦と27節・浦和戦の2試合。

 

前節のスタメン

 

 

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鳥栖

2トップに流動的なポジショニングをする選手を置き、サイドで起点を作りながらワイドの選手もゴール前で絡んでくるシステム。

基本フォーメーションは[4-4-2]を用いるが、試合途中でシステム変更を行うことも。

 

FC東京

シーズン開始からメンバーは固定化。

今節も右SH以外は同じ人選だと思われる。

 

 

 

鳥栖簡易分析

 

ボール保持

 

ビルドアップ

 

2CBと2CHの4人を中心にしたボックスビルドアップがベース。そこにSBがサポートに入りながらパスを回す。

SBが高い位置まで上がるときには、SHは内側へポジションを移す。ただし、これは(左)SBが三丸か金井かという選手起用によって差が出る部分ではある。

 

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鳥栖ボール保持配置イメージ

 

 

★サイドで起点づくり

基本的には簡単に蹴っ飛ばさず、後方からつないでいくが、前方のスペースを効率的に使えそうであればロングボールも入れていく。2トップが相手SB裏に流れて、起点を作るのは金崎の得意な形。

 

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※イメージ

 

★中距離砲台の高丘

相手のプレスが強く、前方へのパスが難しい場合にはバックパスをためらわず、GKの高丘をビルドアップに組み込む。

GK高丘には足元の技術があり、少しプレスが来たくらいでは慌てない。そしてキックの質も高く、安易に前から追いかけるとミドルレンジの浮き球パスをフリーになった中盤や大外に届けてくる非常に厄介な仕様。

 

 

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※イメージ 

 

 

GK高丘を使ってくるビルドアップは厄介だが、CB2人のビルドアップ能力はそこまで高くないように思うので、そこを慌てさせるような守り方をしたい。

 

 

チャンスメイクパターン

 

★両サイドを封鎖せよ!

鳥栖の中で最も強烈なのが、両サイドに位置するアタッカーだ。

前節・浦和戦は金森が右SHに起用されたが、これまで右アン・ヨンウ、左クエンカのドリブラーが両翼を務めることが多かった。

このドリブラー2人は対面のDF1枚くらいであれば何事もなく突破してくる。彼らのカットインからのクロスやシュートによって少ない人数の攻撃でも完結できる構造だ。

 

ここに対しては複数人で対応してシャットアウトしたい。使用システムこそ違うが、広島戦の両WBのように徹底した対応が理想。

 

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※広島戦時の守備対応イメージ

 

 

★潤滑油の小野に注意!

一部前述したが、2トップがサイドに流れて起点を作ったところから、SHが内側でフィニッシャーになるパターンも使う。2トップとSHが近い距離でのスイッチを駆使して、マーカーを剥がしシュートまで、という形は何度か見られた。

特に小野は前線の潤滑油的存在になっており、彼がいると各所の連係がうまく取れている印象だ。

 

 小野がスタメンかどうかは微妙なところだが、彼は途中から入ってくるとチームの流れを変えられる選手なので注意したい。

 

 

 

 

ボール非保持

 

[4-4-2]ベース。

そこまで中央を狭めないので、フォーメーションこそ東京と同じだが、守り方は異なる。

 

★中盤の穴を狙え!

最終ラインはやや高めに設定。前から積極的に奪いに行くほどの守備は多くない印象だが、裏のスペースを使われないようにプレスを掛けていく。

まず、2トップが中央への縦パスを消す立ち位置を取りながら相手CBへ寄せていく。2トップの守備対象が相手CBへ移ると2トップ間で受けようとする相手選手へはCHが1枚前に出て対応。

 

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セット時

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プレス時

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CH出張後

 

CHが1枚前に出てきたときには、上図の中盤に生まれているスペースをうまく使えるかがポイントになりそう。

 

 

★CBをつり出せ!

全体的に選手の間がやや広め。その間を通されたときは後ろの選手が迎撃して捕まえる仕組み。

逆に言えば、CB等が自分のポジションを捨てて人を捕まえに来たところをワンタッチで外すことができれば、最終ラインには穴ができた状態となる。

 

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CBをつり出してから一つ横を経由してから裏抜け!という狙い。

ここまで簡単にはいかないだろうが、90分で1回でもこの形を作って決めきることができたら最高である。

 

 

 

また、中盤の選手に帰陣意識が高くないときが見られ、DFが一対一で競り勝てないとかなり後手を踏む印象がある。

27節・浦和戦の先制点はDFが空中戦の競り合いに連続で負けたことであっさり中央でフリーを作られていた。

 

 

 

★クエンカのところのトレードオフ

 最後に今節で最も肝になるかもしれないポイント。

 

それはクエンカがいる鳥栖の左サイド。

 

クエンカは独力で何かを起こせるクオリティーのある選手。鳥栖としてはそのクエンカを極力攻撃に専念させたい。

 

というわけで、クエンカに対してはある一定基準で攻め残りを許容しているように見えた。

自陣深くまでは守備に戻らずポジティブトランジション(守→攻の切り替え)に備える。

この攻め残りによって、鳥栖左サイドの守備はSBの個人守備と左CHのカバー能力に依存しがちになる。そのかわり、奪ってしまえばクエンカが高い位置に置いた状態で攻撃をスタートできるため、カウンターの威力は増す。

 

クエンカ自身は守備タスクが軽減されてることもあり、チームがボールを奪った際の切り替え速度はかなり速く、そこの意識は徹底されているようだった。

 

 

 鳥栖がキン・ミョンヒ体制になってから、やや大味な試合が多くなっているのは、こういったリスクを受け入れて得点の確率を高めている影響があるのかもしれない。

 

 

東京はリスクを承知で得点を取りに行くのであれば、鳥栖の右サイドをつつくような攻撃をしていきたい。

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 クエンカが戻らない深さまで攻め込めば数的優位を作り出しやすい。

 

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右SHを内側に入れることで大外の室屋を浮かせる。

 

 

個人の考えだと、この2つの形を作れたら面白いかなと思う。

 

 

展望

 

どちらも引き分けをよしとせず、欲しいのは勝点3。

27節・松本戦の後半にもあったが、お互いにリスクをかけて攻めに転じる時間ができることが予想される。

 

鳥栖が押し切るか、東京がひっくり返すか

鳥栖は前線に速い選手を揃えているため、カウンターを打てるだけのパワーはある。しかしながら、メンバーの編成を見ると攻撃を受け続けるには少し強度が足りない人選なのかなとも思う。

そういう面もあり、鳥栖がボールを握りたがる展開を予想する。

そうなると非保持型の東京としては好都合にも思えるが、鳥栖の保持パワーもなかなかなので、どっちが先に仕留められるかという試合になるかもしれない。

 

 

★序盤勝負に持ち込む

また、ここ数試合の鳥栖は前半に崩れて、後半に立て直す(勢いづかせる)傾向。

これは立ち上がりが不安定という反面、流れを変える手段を持っているとも捉えることができる。

スタメンは当日にならないと分からないが、鳥栖には小野・豊田という戦術的にもメンタル的にも流れを大きく変えることができる選手がいる影響があるだろう。

対して、東京のここ数試合を見ると、残念ながら途中から入ってきた選手が流れを変えているとは言いづらく、終盤での1点勝負になると分が悪いかもしれない。

 

東京としては立ち上がりが不安定な鳥栖を前半で刺し切って、後半は試合を殺しながらチャンスをうかがうような展開が理想だろう。

 

 

★最後はメンタル!

鳥栖のホーム直近2試合は後半にかなり勢いづく戦いを見せている。

戦術もあるだろうが、おそらくホームの雰囲気が後押ししている部分も大きいのではないかと思う。

 

終盤になって雰囲気にのみ込まれないようにメンタルを制御することも、この試合における重要なテーマになるかもしれない。