がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2024 J1第6節 アビスパ福岡vs鹿島アントラーズ メモ

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スタメン

福岡は前節脳震盪の疑いがあった奈良が欠場。欠場が続いていたグローリが初先発。

鹿島は前節欠場していた佐野が復帰。

 

流れ

福岡のセットプレーキッカーは北島。

大雨の影響でボールがかなり走っているように見える。コントロールが難しさそう。

岩崎が左CBとSBの両方を見る形になっているので、湯澤がSBのマークをもらうタイミングを合わせないと、CBに出たときにSBが浮く。

ザヘディは佐野をマークしてプレスには出ていかない。1人をマンマークで観ているようなイメージで、もう一人のボランチは意識せず。シャドーが背中を気にしながらCBへアタックしてプレスを掛けていく。

チャヴリッチが低い位置まで下りてピックアップしにいったときには土居がサイドサポートに入って経由地になり、チャヴリッチが前に出られるようにする。

福岡がSB裏を使って深さを取り、セットプレーの試行回数を増やしていく。

福岡は相手SBへのマークがシャドーとWBの半々で受け渡していく設計なので、意図が合わないとSBのところが空き、それに伴ってサイドのスペース管理にズレが出る。

グローリから背後へ走る岩崎へシンプルに蹴って深さを取る。つながらずとも、相手がスローインに切ってくれれば、陣地を押し上げられる。

雨でスリッピーになっているピッチの影響もあり、鹿島は地上でつなぐのにストレスを感じていそうな雰囲気。パススピードが上がるので、受け手のコントロールやダイレクトパスの難易度が上がっている。

鹿島は割り切ってロングボールを入れる回数も増えたが、鈴木がイーブンで競り合えるボールが入らず、福岡の強い3バックが簡単に跳ね返していく。

22分、松岡に警告。

福岡がガンガン前に送って行き、ゴール前へ入れるのに対し、鹿島は比較的リスクを避けるプレー選択。

左サイドは北島と前嶋のプレス連動がかなりスムーズ。ひもでつながっているように一緒に前に出ていく。

知念が北島の前に立つことで守備基準を押し付けて、CBとSBに時間を与える。CB→SBのパスでシャドーのスライド対応が若干遅れやすくなる。

3人の関係性で濃野が右サイドの奥に出ていく。名古と佐野のワンタッチの連係。

早川→安西で湯澤を引きつけ、福岡の最終ラインを右に寄せたところで逆サイドへサイドチェンジ。空いた右からのクロスでチャンスメイク。福岡のはね返しの強さとボランチの回収力の高さで二次攻撃には持ち込ませてもらえない。

関川が3トップに向かって運びながら、ボランチ脇に顔を出す土居に縦パスで前進。

鹿島はCBがゴール前待機、逆サイドのSBがしっかり絞って、中央のターゲットにしっかり対応。SBの裏は空くが、それよりも真ん中を優先。

 

福岡がシンプルに前へ送って行くことで陣地を上げ、セットプレーを増やしてゴールへ迫った。鹿島は足元でつないで前進していきたいが、雨でスリッピーなピッチでコントロールの難易度が上がっており、思うように繋げないシーンが散見。途中からはロングボールを使いながらの押し上げも図るが、強ターゲットの鈴木にうまく当てられるボールを送れず、福岡のCBが簡単に跳ね返す。徐々に足元のつなぎから名古や土居がうまく絡んで前進できるシーンも見られたが、単発で、福岡の切り替えが早いこともあって、連続した攻撃は作れず。互いにクリティカルな攻撃は繰り出せなかったものの、福岡がセットプレーを軸にゴール前に圧力を与えられており、福岡のペースで進んだ45分だった。鹿島はまずプレーエリアを押し上げる術を見つける必要がある。

 

後半

福岡の5バックでの回しに対し、鹿島は前4枚で横幅をみながらけん制をかける。

49分、濃野に警告。

51分、福岡先制、1-0。前嶋が深い位置を取ってマークを引きつけ、後ろから出てきた宮へのマイナスでダイレクトクロス。ザヘディが頭で合わせてゲット。関川がマークについていたが、下がりながらうまくパワーを伝えて枠へ飛ばした。

54分、鹿島交代

土居→松村

鈴木が背負って受けようとしているが、田代がかなりタイトにマークについて簡単には受けさせないようにできている。

松岡は警告を受けているが、かなりハードなチャレンジを続けており、カードトラブルのリスクがある。

福岡はプレスに出ていくが、深く追い過ぎず、ハーフウェイラインくらいに3トップのラインを設定する。

58分、福岡交代

松岡→前

警告をすでに受けている中で、リスキーなチャレンジがあったので、カードトラブルのリスク管理だ思われる。

チャンネルカバーの基準が曖昧になったところを見逃さずに前が間を走ってパスを引き出す。

鈴木がボランチ脇まで下りてきて起点作り。さすがにそこまでは田代はついてこない。その後右サイドをぬけだして際どいクロスを送るも中に合わず。この日一番の惜しいチャンス。

64分、鹿島交代

チャヴリッチ、名古→パレジ、樋口

福岡は一度下がったら、CBのところはフリーにしておいて、シャドーがしっかりサイドの守備に戻る。切り替えではザヘディが体を張り、岩崎が縦のスピードを上げてゴールへ向かう。

福岡のボランチは相手のボランチへアタックへ行きつつ、脇に出てくるSHもケアしなければならないので、過負荷がかかる。

68分、中央での連係で樋口がPA内へ抜け出してシュートを打つも村上が距離を詰めてブロック。好対応。鹿島は決定機だったが決め切れず。

福岡のラインが下がり、1stプレスも若干甘くなりつつあるため、鹿島がボールを持って保持のエリアを押し上げられるように。

72分、福岡交代

ザヘディ、北島→ウェリントン、紺野

ウェリントンがアンカー位置を背中で気にしながらボールへアタックしていく。前線2枚を入れ替えて、プレスのエネルギーが上がり、鹿島が前進するのも一工夫必要になった。

選手交代によって福岡が押し返し、鹿島のボーナスタイムが終了。前からの守備が再び機能し始める。

福岡はトランジションで前に運べたときは後ろからホルダーを追い越すことで相手守備陣を下げさせ、保持のフェーズに移行してゲームコントロールに入る。

83分、鹿島交代

濃野→垣田

84分、グローリに警告。

88分、湯澤に警告。

終盤に入り、福岡のギリギリのプレーが増える。エリア外でのファウルでFKが増加。

前線3枚が運動量を上げて簡単には前進を許さない。ただ、後ろはやや重心が下がっているので、個人の強度だけで圧力を掛け切れないと鹿島も前進できる。全体が前に上がって後方のスペースを突かれることだけは避けようとしているか。その中で、前線の頑張りで後ろの負担を減らしたいというプレー。

福岡は敵陣保持で時間を使うプレー選択。サイド奥に人数を掛けてキープ。

 

福岡が多少つなぐ意識を高めながらも前半のやり方を継続。陣地を押し上げたタイミングで宮→ザヘディで先制点を奪取。その後は全体のエネルギーが落ち始め、プレスラインが下がるとともに、最終ラインへの圧力が弱まると、鹿島が保持ラインを上げて攻め込めるように。60分以降は鹿島がチャンスシーンを作り、福岡のPA近辺にストレスをかけたものの、訪れたチャンスを決め切れずにいると福岡が選手交代で手を打つ。前線を2枚入れ替えたことでプレスラインが上がり、鹿島の攻撃の時間を減らすことに成功。再び守備が安定し、プレーエリアを押し上げられるようになった。ただ、1点リードで迎えた終盤は前線のエネルギーの高さとは裏腹に、後ろがリスクを掛けたくないということで重心が下がり、1stプレスを外されると撤退するように。鹿島もそこで捨て身になって人数を掛けて攻め込んだことで、際どいシーンは作られたが、最後のところはしっかりと対応して福岡が逃げ切り成功。鹿島は天候とピッチコンディションが良くなかったという難しい状況はあったものの、自分たちの時間に持ち込める展開が少なく、相手の土俵で戦い続けなければならなくなったことが敗因と言える。一方で福岡はプレー選択をシンプルにしながらプレスと背後へのボールで陣地をしっかり押し上げ、ほぼほぼプランどおりに進められたのではないか。エネルギーが落ちて守勢に回ったところでピンチをしのぎ、選手交代で流れを引き戻したところがターニングポイントだったか。

 

個人的MOM

★田代 雅也

奈良が欠場した中、3バックの中央で出場し、鈴木を自由にさせず。最後のところの迎撃も効いており、完封勝利に貢献した。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷部 茂利監督 ]
今季が始まって調子の良い、うまい鹿島に対して、われわれアビスパ福岡が勝つと誰が思っていたでしょうか。それを覆すことができた、そんなふうに思います。試合は華麗ではなかったし、ミスも多かったですが、今季で一番自分たちらしい試合になったかなと思います。アシストもゴールも素晴らしかったですし、ピンチもありましたが、そのピンチを体を張って防いだ選手たちは、前の選手たちの役割、仕事によってあそこで守ることができたとも言えますし、チームの一体感を感じました。

--今季初先発が3人いる中での勝利となりました。
選手たちは自分が試合に出たときに、活躍もしくは貢献できるように良い準備をしてくれています。そこが分かっているだけに、チャンスがあったら、チャンスを与えたいという気持ちになります。スタッフと話し、また選手とコミュニケーションをとる中で一番良い選択を常にしているつもりです。今日はそれに応えてくれた、選手たちに感謝したいです。

--4試合ぶりの無失点を実現した守備に関して。
相手ゴールに近いところでボールを取れれば得点チャンスなので。ただ、後半の危ない場面につながった、はがされた場面なんかは、前から行ってはがされています。結果勝利をつかめたのですが、危ない場面を作られてもいるので、そのへんは試合の中での判断を伴ったプレーが必要ですし、チームの戦略、戦術ももっと高めないと良くないなと感じました。

--シャハブ ザヘディ選手の全体的な評価を。
シャハブ選手は非常に攻撃力がある選手ですが、今日のところで言うと、鹿島のCBとボランチがタイトなところで非常に難しいプレーを要求されていて、まだ日本のサッカーや相手選手の特徴を含めて慣れていないのかなというところがあります。ただ、ボックスの中、あるいはシュートレンジに入ったときには、ゴール前にいるし得点を取るし、というのが彼の長所なので、みんなでそれを生かそうというところでした。ミドルサードのところでももっとできますし、相手が良くてボールを失っていたということもあると思うので、そのへんも彼自身もそうですし、チームとしても改善していきたいです。彼への評価は高いです。1-0で勝った試合で1得点をした選手は最高評価です。

 

[ ランコ ポポヴィッチ監督 ]
今日は試合への入り方が、われわれらしくありませんでした。消極的な入りになってしまいましたし、リアクションに回ってしまった時間帯もある入り方でした。押し込まれていない、そして相手に何かを崩されたわけではありませんが、CKやFKを多く与えてしまい、そこから相手にやられているという雰囲気になってしまったかなと思います。自分たちがやりたいことをできたのは、前半の最後の時間に、何本かコンビネーションで抜け出してというのがありましたが、それだけだったかなと感じています。失点をしたあと、やはり自分たちがやりたいことをやる、やろうとしてきたことをやるのでは遅いと思いますし、最初からここまで積み上げてきたものをしっかり見せるべきだったと思います。そういった意味でわれわれが自分たちの良さを出せなかったのは、自分たちの入り方や消極的なプレーなどが原因だったと思います。

失点の場面に関しては、決めた相手をほめるべきだとも思いますが、われわれもああいう場面はトレーニングで積んでいたものではあったので、そこで練習どおりに対応できなかったというところもありました。先ほども言いましたが、失点をしてからわれわれがやりたかったこと、ボールを動かしながら相手の最終ラインの選手を引き出して背後を取る、そういった狙いを持った攻撃ができるようになって、そしてチャンスを何回か作ったと思いますが、残念ながらゴールにつなげることができませんでした。ゴールにつなげることができなかったのも、われわれが失点をしてから流れを出すのでは遅いと思いますし、最初から100%で自分たちの力を出し切れていれば、後半に作った決定的なチャンスも決め切れたんじゃないかと思います。そういった意味で、今日は自分たちがやろうとしていたことが全体を通して出せた試合ではなかった。

 

2024 J1第6節 ガンバ大阪vs京都サンガF.C. メモ

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スタメン

ガンバはジェバリが初のメンバー入り。

京都は安齋が初先発。

 

流れ

ガンバは半田が高めに出ていって、黒川が下がり目。アラートが右インサイド、山田が左インサイドで、IHに近いポジショニングを取る。

京都がミドルゾーンで奪ってから素早くカウンターで攻める。保持でコントロール時間を作るような意志はほとんどなく、奪ったらゴールへ向かう意識で統一。

佐藤がインサイドを取って、外の安齋と連係して左サイドを突破していく形を見せる。

ガンバは宇佐美が1トップ気味でサイド制限を掛け、山田がアンカーケア。

京都は佐藤と安齋で深い位置まで進入してからのクロス攻撃がメイン。左から攻められると豊川をターゲットとして使いやすい。

17分、右に流れた宇佐美のクロスを山田が点で合わせ、こぼれ球から黒川のクロスをアラーノが合わせるもわずかに枠外。いずれも決定機だったが、クソンユンの好セーブも合って決め切れず。京都はCBの配置が整う前に上げ切られ、CB間の距離が開いたところに入られた。

アラーノがしぼってCB監視タスクも持っているので、佐藤は浮きやすくなっているか。武田が最終ラインと2トップ裏を移動。

豊川がCBアタック、それに連動して福田もSBまでジャンプしてくる。背後はアピアタウィアがスライドしてケア。麻田はそこまでスライドしてこないので、CB間が空くが、受け手をつぶせればOK。

ウェルトンのところには川﨑がサポート。豊川は後ろへのマークまではついていかず、ブロックの高い位置で横の運びをケアする。

半田がインサイドを取ってSBを引きつけ、大外のスペースにアラーノが出ていくシーンが何度か。

豊川が中に入ってくるのに対し、安齋は外で張ってもらうことが多い。

川﨑がボックス近くまで入ってきて、豊川との連係で打開を図るシーンが続く。中央は堅いが、コンビネーションから突破を目指す。

原は前を向ければ、ブロック外の遠目からでも果敢に狙っていく。

豊川がプレスを掛ける状態にならないと、福田が前へのスライドをにらみながらウェルトンのマークも持たなければならず、難しい対応を強いられる。逆サイドからでもフィードを飛ばせる選手がガンバにいることも大きい。

34分、アラーノがドリブル中に腿裏を抑えてストップ。筋肉系のトラブル。

36分、ガンバ交代

アラーノ→食野

京都は左サイドから中に入れて少ないタッチで中央突破を狙う。

ガンバは宇佐美だけ最前線に残り、4-4ブロックの前に山田がサポートに入る4-4-1に近い形で組む。

京都は4-5でセットし、ガンバがSHを絞らせてSBを上げてきたらWGが大外で下がって対応。

クリアボールを降りて受けて起点を作る原。三浦が深くまでついていってタイトに寄せるが、失わず。京都は原がアバウトなボールでも収めて押し返せる一方、ガンバは宇佐美が競り合い向きではないので、クリーンに起点を作る必要がある。

 

ゲームをコントロールしたいガンバだが、京都が積極的なプレスと、縦に速い攻撃で全体のコントロールを壊しにかかる。右の豊川がCBまで出ていって、福田とアピアタウィアがスライドしてプレスを掛け、リスクを負った上でウェルトンという長所を消しにいく。逆に左サイドは安齋が攻守で外に張っているポジショニングで、守備はタスクをシンプルに、攻撃では中に入るのではなく、外で受けて仕掛ける役割。京都は安齋が外に張って、佐藤がインサイドをサポートする形で突破を見せた。また、序盤は奥のスペースをついて行ったが、途中からは斜めに刺して、右寄りの連係で中央突破を図っていた。ガンバは京都がプレスに出てくるため、無理につながず、前へ蹴っていく選択が増加。ターゲットタイプがいないため、相手を寄せてから逆サイドで浮く選手を目指すという形。右はアラーノと半田が内外を使い分けて大外を浮かせていたが、京都の対応も間に合っていた。ペースは握れなかったが、三浦と中谷を中心に守備で踏ん張れたので悪くはない。あとは京都が落ちてくるタイミングでどうなるか。

 

後半

ガンバ交代

山田→坂本

ウェルトンが中に入って福田を引きつけた外に上がってくる黒川。豊川が慌ててマークに戻る。豊川はCBにアタックする前向きのタスクも持っているので、大外へ出てくる人へのマークはボケやすい。

原がバイタルに下りてパスコースを作るのに対し、豊川は背後を狙う。

ガンバは簡単にけっとばずというよりも、ロブパスで届ける場所を探しているイメージに変わったが、京都の寄せが間に合うため、落ち着かせどころがない。

53分、ロングボールからウェルトンが抜け出して1対1になったが、シュートは枠外へ。ガンバはここまでで一番のチャンス。

ガンバは前半よりも前向きの矢印を強めてボールにプレッシャーを掛けていく。2トップがそのままCBに寄せて、そこから人をハメていく。

56分、京都交

安齋→トゥーリオ

CBと一森の3人が低い位置で3バックのようになり、相手のプレスを引き出し、空いたサイドに送ってからのセカンド回収を狙うガンバ。京都はWGを内側のプレス部隊として機能させるため、サイドはやや薄くなるが、SBの迎撃と、CBの外までのカバーリングでバランスを保つ。

60分頃からウェルトンと食野が左右を入れ替えた。

ハメにくるガンバに対し、CB→SBから内側にコースを作る松田のサポートで回避。ガンバは基本的にSBからの横サポート消しをトップ下がやっていたので、前の役割が替わるとそこのマークが曖昧になっているか。

68分、佐藤に警告。

2トップでCBにアタックしないときは坂本がアンカー消しタスクでサイドを圧縮する。

72分、ガンバ交代

ラヴィ→ダワン

トゥーリオのカットインの仕掛けに対しては鈴木が横を切ってサポート。

京都のプレスはトゥーリオがCBまでいったら、松田がSBまで寄せる。右サイドと構造が少し違う。佐藤は出ていかずにウェルトンを監視。

78分、CKの流れから京都の波状攻撃。一森のセーブを黒川のゴールカバーで耐える。

81分、ロングフィードで左へ送り、坂本、食野、黒川と人数を掛けて福田を狙い撃ち。そこからサイドを変えて右サイドでの連係で崩しを図る。

82分、ガンバ交代

宇佐美、黒川→ジェバリ、福岡

都交

豊川→平賀

平賀が左WGに入り、トゥーリオが右WGに移る。

ウェルトンは守備に参加はしているが、そこまで強度高く行うわけではないので、ダワンがサイドまで出ていって圧縮度を高める。

京都は一度下がるとなかなかラインを上げられなくなってきた。それに伴ってガンバが二次攻撃に移れる回数も増える。右サイドでの連係から深さを取っての折り返しでバイタル付近のシュートチャンスを作るも、京都も最後のブロックが効いている。

半田が外から斜めのランニングでポケットに入ってバックドアで浮き球を引き出す。

91分、京都交

原→山﨑

終盤はガンバがプレーエリアを上げて敵陣での崩しを図ったが、京都の粘りが上回って終了。

 

後半も京都のエネルギーは高く、プレスを掛ける姿勢は変わらず。京都がWGとSBを押し上げてくることから、ガンバは最終ラインから薄くなっているサイドへ送ることで起点を作ろうとしたが、京都のプレー選択も明確になっており、アピアタウィアの外までのカバーが間に合う。ただ、ロングボールからのセカンド回収がうまくいった際にはバイタルが空きやすく、そこからのスルーパスでチャンスメイク。ガンバはウェルトンが完全に抜け出すシーンを作ったが、そこを決め切れなかったことが痛かった。ブロックを受けなかった場面のチャンスでは唯一だったかもしれない。京都はプレスでペースを握り、セットプレーからビッグチャンスを迎えたが、ガンバも最後の踏ん張りは利いた。終盤になると京都が前に出ていくパワーがなくなってガンバが押し込む展開を作ったが、京都もゴール前の粘りが利いてゴールは許さず。ともに最後のところを死守したことでスコアレスドローでの決着になった。

 

個人的MOM

アピアタウィア 久

前回の出場では致命的なミスや安易な対応での退場があったが、この試合ではアグレッシブさが良い方向に作用し、プレス時の右サイドの安定に貢献。豊川と福田が前に出ていって管理するスペースが広がっても、対応を間に合わせてバランスを保ったのは彼の長所があったからと言える。

 

トピックス

アラーノが負傷交代。ハムストリングのトラブル。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ダニエル ポヤトス監督 ]
今日の試合は本当に強いリズムとインテンシティーの戦いだったなというところがあります。本当に京都の監督さんのキャラクターというか、続けてきていることがしっかりと出た試合だったのかなと相手については思います。

前半、私たちもしっかりとチャンスを作れていて、決定的なチャンスは決め切りたかったなと思うところはあるんですけど、京都さんのほうも私たちにしっかりとダメージを与えてきたので、そこをしっかりと耐えて良い流れで前半を終えたのかなと思っています。後半は(前節・)広島戦の影響があったのかもしれませんが、疲れが見えたなというところもありましたし、(前半でのファン)アラーノ、(山田)康太の違和感、ケガというところもあって、プランを変えていかないといけなかったなと思っています。また、最後の決め切るというところもなかなかうまく発揮できなかったなと思っています。オープンな展開になったときに相手はしっかりとボールを蹴ってきたり、しっかりとボールを収めていく展開になって、(それに対して)私たちのプレースタイルを貫こうとしたんですけど、本当に勝利をしたかったなと心から思っています。

--今季初の無得点試合になったが?
続けてトレーニングしていくのみかなと思っています。ただ、アタックのところでちゃんとダメージを与えるところもありましたし、ハッキリとした決定機もありました。良い流れのときにしっかりと決め切るというところは今後も続けていかないといけないところですし、前半の康太のヘディング、そして後半のウェルトンの決定機。ああいったところを決め切れば試合を決め切れたのかなと思っています。相手を押し込んだときのオーガナイズをもう少し改善していかないといけないのかなと思っていますし、相手が下がったときにスペースをしっかりと見つけていくというところもこれから続けていきたいと思います。

 

[ 曺 貴裁監督 ]
前節(・東京V戦)は自分たちで自分たちの形を崩して勝点2を失ってしまいました。今日はまず90分間やり切れるかどうかというところで、最後まで粘り強い守備を見せてくれました。相手どうこうではなく、自分たちの信じてきたものを最後まで信じるという戦いができたと思います。前節のものより進んだ勝点1が取れたと思いますし、アウェイの難しい試合で最後まで足を止めずに戦ってくれた選手たちに「お疲れさま」と言ってあげたいです。あと10試合経過したら前節と今節の勝点1の重みは同じようにしか捉えられないかもしれませんが、いまの時点では違うと思います。そして、これを勝点3へつなげていかないといけないし、自分たちの目指すところを共有していきたいです。

--武田 将平選手のアンカー起用について。
この形で入ったほうが、相手が[4-4-2]でそろえているところの間を使いやすいなと思いました。(川﨑)颯太と(松田)天馬の走力と(武田)将平の配球によって、特に前半は良いエッセンスでボールが流れていました。また新しい形ができたと思います。これからもトライして、いろんなものを作っていきたいです。皆さんがビックリするようなことで、たまに負けて怒られたりもしますが、失敗を恐れていては監督はできません。選手にチャレンジさせる気持ちを持って、やっていきたいです。

--良い内容だっただけに、選手交代などで動くタイミングが難しかったが。
11人全員が良い出来だったので、選手交代するメリットとデメリットを考えながら、交代枠を5枚すべては使いませんでした。前後半の早いうちに得点を取って、ダメ押しの追加点を取って試合を終えるのが理想的でしたが、今日は少し(交代は)動きづらかったです。その課題も次へ持ち越したいです。また、(安齋)悠人や(平賀)大空、特に悠人は高卒1年目ですが、堂々と物怖じしないところを今日も見せてくれました。非常に楽しみです。

 

2024 J1第6節 北海道コンサドーレ札幌vs名古屋グランパス メモ

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スタメン

札幌は欠場していた宮澤が先発復帰。同じく欠場していた近藤がメンバー復帰。

名古屋は前節で負傷した山岸と、脳震盪の疑いがあったハチャンレが欠場。連戦もあって半数近くを入れ替え。

 

流れ

立ち上がりから札幌が保持する流れ。ボランチを最終ラインに下ろしながらプレスがハマらないように調整し、SB位置の選手につけて相手シャドーを下げさせて保持ラインの押し上げを図る。

名古屋は5-4-1セット。最前線がパトリックということもあり、あまり前から強くプレスを掛けることはない。シャドーがSB位置の選手を監視し、ついていく。

名古屋のビルドアップは三國の右上げ。ボールを持つことにこだわらない上、前から奪いにいくような強度でプレスを掛けるわけでもないので、プレーエリアは必然的に下がる。ただ、ゴール前の人数は多いので、簡単には崩れない。

シャドーが下がってサイドの枚数を確保するため、札幌はサイドに送っても崩しが難しい。宮澤がブロックの外から狭い背後のスペースを狙って中央突破を図る。

椎橋が最終ラインに下りて、稲垣がライン間に残る役割分担。後ろの枚数を増やしながら前進しようとしているが、1stラインを突破することにかなり苦戦している。

トランジションで背後のスペースを狙う鈴木。

札幌は5-4-1セットでシステムがかみ合うので、そのまま当てはめてプレスを掛けに行く。

森島が下りてマーカーを引きつけ、倍井が逆サイドまで出張してスペースを突きにいく。

名古屋は右でもって、3バックの脇のスペースを突くような攻撃が多いか。

23分、岡村の縦パスから小林、鈴木、浅野の3人の関係性で抜け出し、浅野が山中を外してシュートも枠外。最初のチャンス。

25分、荒野に警告。

大きなサイドチェンジを連続させてじわじわとエリアを押し上げる札幌。

29分、札幌先制、1-0。サイドチェンジからシンプルにクロスを入れ、はね返しを回収して二次攻撃に持ち込むと、右サイドのコンビネーションで崩して最後は馬場がゲット。名古屋は人数はいたが、目線をずらされて3人目の動きに対応できず。

30分、名古屋交代

パトリック→永井

パトリックは特に異常が見られず、戦術的な交代か。保持も非保持も押し上げられず、自陣で過ごす時間が長くなっていたことで、前向きのエネルギーを入れられる永井を投入か。ラインが低くても失点しなければOKくらいの割り切ったプランなのかと思ったが、まったく狙いがハマっていなかった模様。

永井が入ったことでボールホルダーへ強くいくようになり、シャドーも連動してしっかりプレスを掛けていく。

降りる宮澤にシャドーが出ていくため、外で馬場が空き、そこへ届けようとする札幌。

36分、吉田に警告。鈴木が吉田を背負いながらトランジションで起点になる。

森島と和泉のところを軸に、名古屋も徐々にパス回しのリズムが出てきた。

逆まで出ていくボランチやシャドーにまではついていかない札幌。名古屋は横移動と押し引きのポジション調整をしていく。

ミドルゾーンだと下りるボランチ、降りるシャドーへのマークはそんなにこない札幌。名古屋はハーフウェイラインくらいまでは困らずに運べる。

 

立ち上がりから札幌の保持と名古屋の非保持という構図が続く。名古屋はパトリックが最前線にいることもあり、前からの圧力はそこまで掛けず、撤退してスペースを埋めるほうが優先。保持でも1stラインを越えることに苦戦し、必然的にプレーエリアは下がる。ただ、エリア内の人数は多いため、簡単に崩されない。札幌はボールを持ちながらもクリティカルな位置にはなかなか入れず、宮澤や小林のパスで中央突破を図る。ボールを持っているうちにサイドチェンジを積極的に使って目線を振っていくように。その流れからPA内右を崩して札幌が先制。名古屋はさすがにエリアが低すぎるということでパトリック→永井の交代を前半のうちに決断。永井が入ったことで前からのチェイシングや、スペースランでの深さ取りなど、陣地を押し上げられるようになった。札幌も相手が前からプレスを掛けてくるのであれば、ピン止めを使いながら、浮きどころを狙っていった。

 

後半

中村でWBを引きつけ、全体を横にスライドする名古屋はCBが菅につき、その背後へ駒井が出ていく3人の連動。深さを取りにいくが、そこには稲垣がしっかりついていく。

52分、インサイドで受けた永井のスルーパスに外から内に抜けた和泉が反応してPA内へ進入。追いかけてきた菅が意図せず倒してしまい、名古屋がPK獲得。全体的にポジション移動しながら札幌のマークを外しにかかっていた名古屋の攻撃が実を結ぶ。

55分、名古屋同点、1-1。森島のPKはコースが甘く、菅野が止めたものの、こぼれ球を森島が頭でプッシュしてゲット。

57分、札幌交代

中村、菅→髙尾、近藤

髙尾が右CBに入り、馬場が左へ移る。

名古屋は河面のところで詰まって無理なパスを出すか前に捨てるかのどちらかになっていることが多い。

62分、名古屋交代

山中、倍井→久保、酒井

久保が右WBに入り、和泉が左WBに移る。

右からの斜めのクサビを鈴木が受けて落とし、前向きを作ってスピードアップを図る札幌。

縦向きで寄せてくる名古屋に対し、近藤が内に運んでからの矢印折りで前に運び出していく。

68分、札幌交代

小林→長谷川

名古屋はそこまでカウンターの色気を残さず、前線3枚も比較的低い位置で守備に参加させる。

73分、札幌交代

宮澤、田中克

名古屋は永井と酒井が少し前残り気味の5-3-2セットっぽくした?流れの中で残っているだけだった模様。1トップのみ、5-4ブロックの外にいる感じだが、オーガナイズ自体は変わらず。

名古屋はなかなかボールを奪いにいけず、札幌ボールが続く。また、トランジションでボールを持ててもカウンタープレスを受けて自陣から抜け出せない。

札幌はサイドでの仕掛けや、ブロック外からの浮き球の配球でゴール前に送って行く。

80分、名古屋交代

和泉、椎橋→内田、米本

札幌はマンツーマンのタイトさを上げて一気にペースをつかみにいく。名古屋に自分たちの時間を与えない。

89分、名古屋逆転、1-2。パスカットしたボールをダイレクトで背後へ送り、永井がスペースへ抜け出すとループで菅野の頭を越してゲット。札幌がイケイケになっていたが、逆にそのぶん背後のスペース管理が甘くなり、岡村が永井とのスピード勝負に持ち込まれて間に合わず。逆に名古屋は苦しい時間が続いていた中、一撃で仕留めた。

 

名古屋がポジションチェンジでの連係で打開を図る中、永井と和泉のコンビネーションでPKを取って同点に。その後はこう着状態が続くも徐々に札幌がペースを握って敵陣へ押し込み、攻撃を続ける展開に。70分を過ぎると札幌がサイド攻撃と中央からの浮き球でゴール前へ送り込み、ロスト後もカウンタープレスで名古屋に時間を与えない。ずっと攻め込み続ける札幌だが、名古屋も3バックをゴール前から外さずしっかりとはね返す。押し返せない名古屋だったが、札幌が前がかりになったところを一撃で裏返し、永井が落ち着いて決めて逆転。最後も札幌が攻勢を強めてゴールを目指したがネットは揺らせず。名古屋は前半の入りで重心がかなり低くなり、先制を許したところ、そして後半途中から押し込まれ続け、防戦一方になるなど、決して内容としては良くなかったと思うが、その中で少ないチャンスを生かして勝ちに持っていけたことは非常に大きいはず。札幌はチームとしても個人としてもリスク管理が甘かったのは否めないが、それにしてもこの内容で勝点を1も取れなかったのはダメージが大きい。

 

個人的MOM

★永井 謙佑

途中出場でチームのバランスを整えた。PK奪取につながるスルーパスと決勝点を挙げ、数字も数字以外も文句なし。

 

トピックス

試合後の監督コメントによると、PKキッカーは森島の予定ではなかったが、ピッチの中で選手が決めたんじゃないか、とのこと。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ペトロヴィッチ監督 ]
私の32年の監督キャリアの中で一番残念でガッカリした敗戦だと言っていいと思います。選手たちは立ち上がりから素晴らしいプレーを見せてくれていたと思います。球際なども含めて相手を圧倒してくれましたし、先にリードも得ました。後半も良いプレーをしていましたが、PKから失点。その後もゲームを支配して攻撃を重ねてくれましたが、原因を突き止めることが難しい失点をしてしまいました。再び勝点ゼロで終わってしまったのは残念。ただし、強度の高い試合を90分戦うのは、われわれのチームにとっては難しいものがあるのですが、その中で選手は本来の自分たちのゲームをしてくれた。次に向かっていける戦いをしてくれたと思っています。

 

[ 長谷川 健太監督 ]
勝てて良かったです。前半は非常に苦しい立ち上がりで、札幌が非常に攻勢をかけてきてそれを押し返せなかった。それで永井(謙佑)を早い段階で入れて、失点はしましたが、彼を入れてから攻撃のリズムが非常に良くなったと思います。それが同点につながり、終盤は永井の個の力を生かすしかないのかな、ということで張り気味の位置を取らせ、そこでタイミングよく決めてくれたと思います。

--永井選手の投入のタイミングについて。
永井を使わないと札幌の波状攻撃を収めることはできないかなと思い、使いました。

--永井選手への具体的な指示は?
相手も勝つために前に出てくるでしょうから、それを利用しながらという形で。もうそれしか手がなかったので、本当によく仕事をしてくれたと思います。

--PKを得た場面も良い攻撃の形だった。
前半の途中からは何度か良い形が出せていました。ハーフタイムにもポイントとなる部分を映像で見せて、選手も理解をして(後半に)入っていたと思います。

 

2024 J1第6節 横浜F・マリノスvs川崎フロンターレ メモ

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スタメン



マリノスはポープが出場停止明け。畠中が長期離脱明け後初先発。

川崎はマルシーニョが出場停止明けでベンチ入り。

流れ

芝がかなり荒れており、雨も降っているため、ピッチコンディションは悪そう。

立ち上がりから宮市が積極的に縦に仕掛け、周りも宮市を走らせるボールを使う。

3分、右からのクロスをピンポイントでエリソンが合わせてネットを揺らすもオフサイド

マリノスPA付近守備で、喜田がボールサイドのチャンネル付近まで寄っていくため、そこを越えられるとバイタルのスペースを簡単に使われる。

2トップ裏で受ける喜田。川崎はボランチをアンカーマークには付けないので、2トップが突破されると前を向かれやすい。

ロペスがCBに寄せていき、宮市が外切りでCB,GKまでアタックに出ていく。

大外のエウベルが持った際に内側を抜ける松原には橘田がついていく。

10分、喜田からの縦パスの連続トランジションからエウベル→ロペスで決定機も、足元に入って枠へ飛ばせず。決定機。マリノスは2トップ裏で喜田が上手く受けることで起点作りとスピードアップができており、逆に川崎はそこのケアがまだ定まっていない。

川崎はつながずに蹴っていく。エリソンのところがターゲット。

宮市がGKまで寄せてプレスを掛けるのに対し、ソンリョンからアンカー脇をのぞいた遠野に通してプレス回避。川崎は初めて?地上でしっかりとつなげた。

エリソンサイドにボールがあるときは脇坂がアンカーチェックにつくが、脇坂サイドにボールがあるとアンカーチェック役は誰もいなくなる。脇坂はアンカーを見ながらのCBアタックという2つのタスクを持っているが、エリソンはCBへのアタックだけ。

川崎は低い位置からの大きな展開で空いている逆サイドへ届けて前進を図る。サイドでは人数を掛けて、2人が縦関係、1人がポケット進入、その走りで空けたスペースの奥に横パス受け要員。

21分、高井に警告。

エリソンが深くまで追っていったときは脇坂がアンカーチェック継続で、逆CBには遠野がジャンプしてアタックに出てくる。

29分、エウベルが背後に抜け出してゴールへ向かうも、三浦が後ろからのブロックでギリギリ間に合う。マリノスが最終ラインをブレイクするシーンが続くが、高井、三浦が最後のところで粘って対応している。

エリソンはチェイシングには献身的だが、マークの調整などはあまりできない印象で、マリノスはそこのワンツーなどで引きはがす。

上島のほうには遠野が外からアタックしてくる。マリノスはGKを経由してから喜田に当ててフリースペースを使う。

川崎は敵陣でロスト後、ボール周辺を埋めていくも、マリノスは多少のマークは気にせずしっかりと足元でつないでいき、広いスペースへ抜け出す。川崎は対マリノスで考えるとやや強度が足りないか。

渡辺が足を気にしている様子。前節も腿前あたりを気にしていたので、元々万全ではないのかもしれない。

降りるボランチはIHが捕まえるマリノス。川崎はソンリョン→遠野で前進した序盤の一度くらいで、ほぼほぼつながずに蹴っていく。ただ、エリソンと上島のマッチアップは空中戦では上島に分がある。

49分、橘田に警告。

49分、三浦が座り込む。近くで状況を確認した遠野から×印が出る。詳細不明だが、担架に乗せられてピッチを出る。

50分、川崎交代

三浦→佐々木

 

互いに前からプレスを掛けていくが、蹴っていく川崎と、つないで前進するマリノスという違いがあった。川崎は蹴っても空中戦は上島に優位性があるため、安定した前進手段にはならない。一方でマリノスは相手の守備構造を見た上で2トップ裏の喜田をうまく経由しながら前進してスピードアップ。川崎はボランチをアンカーまで当ててこないので、2トップをどう越えるかが焦点。ただ、そんなに工夫せずともCBからそのままつけられるシーンも多く、川崎はプレスがハマって主体的に奪い取れるシーンはあまりなかったような印象。その流れもあって、ロペスやエウベルが最終ラインを突破してゴールへ向かったり、セットプレーから際どいシーンを多く作ったが、スコアは動かず。マリノスにとってはペースを握っている時間でリードを奪えなかったのは若干嫌な感じ。それでも橘田、高井といった守備の選手に警告を出させたという点で後半も優位性はあるといえる。

 

後半

エリソンがアンカーケアもやるように意識を変えた?

マリノスが同サイドにコンパクトになるため、逆サイドに振ってスペースを取る川崎。左から右への展開が多い。ここは前半から継続。

54分、川崎がトランジションで球際を制し、オープンアタック。遠野が運んで最後はエリソンがボレーを狙うもヒットせず。ビッグチャンス。

55分、家長に警告。

56分、マリノス交代

渡辺、宮市、植中→山根、加藤蓮、天野

大外で持ったエウベルに対し、SB裏へ斜めに出ていく天野。

マリノスは敵陣保持でCB2人がアタッキングサードの入り口くらいまでラインを上げる。

60分、佐々木に警告。

61分、川崎交代

エリソン、遠野→山田、マルシーニョ

63分、エウベルが足首あたりを気にして座り込み、自ら交代を要求。

65分、マリノス交代

エウベル→村上

マリノスのサイドチェンジミスから川崎が裏返し、マルシーニョにビッグチャンスも畠中が好ブロックで阻止。いきなりマルシーニョのスピードが生きる。

天野の斜めの抜け出しでゴール前付近で変化がつく。

72分、マルシーニョが一発退場。松原に対するラフプレー。攻撃でも個で違いを作れる選手だけに、押し返しポイントを1つ失った意味でも痛い。

途中で佐々木と瀬川のサイドを入れ替えている。

川崎は脇坂と家長をSHにした4-4-1。

マリノスは1人多いはずだが、サイドで捕まっているWGにつけて後ろから当たられてロストという形にハマる。CBが高い位置を取るので、背後に山田が走る。

天野は左右両方のポケットに入ってくる。

川崎は山田の1枚を最前線に残し、残りは自陣で4-4ブロックでセット。家長も深い位置まで戻ってくる。

82分、川崎交代

瀬古→大南

家長が1トップになり、山田が3センターの左に入る。5-3-1。

85分、マリノス交代

永戸→ナムテヒ

加藤蓮が左SBへ移る。

山田最前線に戻した?最初が入れ替わっていただけの可能性も。

マリノスはロペスがゴール前に常駐しているが、ロペス以外のターゲットがいないので、クロスを上げてもそこまで脅威になっていない。

マリノスはわざわざ狭いほうから進もうとしているのが気になる。案の定サイドで圧縮されてロストするシーンが目立つ。

川崎がプレスを掛けてくれば畠中→ナムテヒで加藤蓮に落とし、目線をずらして下げさせながら保持ラインを上げていく。

中盤3枚がカバーできないバイタルにはCBが積極的に前へ出て前を向かせない川崎。

マリノスは左サイドで1対1を作れているが、対人で優れた佐々木と、仕掛けにそこまで向いていなさそうな村上のマッチアップになるので、効果的な攻撃になりにくい。

96分、CKの流れから山田がキープして右サイドに出てきた佐々木がフリーになってシュートも枠外。数的優位の川崎が決定機を迎えるもフィニッシュ精度が伴わず。

右からのクロスでファーの村上を狙う形が増える。高さがある村上がファーサイドターゲットになるといくらか怖さが出てきた。

 

マリノスはつなぐ、川崎は蹴る、の展開は同じ。ただ、トランジションからよりオープンな攻撃がいくらか見られるようになり、川崎もスペースを突いてより質の高いチャンスを迎える。早めの選手交代で天野を入れたマリノスは、彼が左右のポケットランニングで攻撃に少し変化がつくも、川崎の中央を崩すには至らず。一方の川崎はマルシーニョの投入で、早速左サイドのスピードを生かしてチャンスメイク。ただ、そのマルシーニョが一発退場で川崎が数的不利になると川崎は4-4-1、交代後は5-3-1で撤退。ただ、まずはボールにアタックしていくというプレー基準は変えず、特に後ろ向きのホルダーにはがっちり当たっていくことで、簡単には運ばせない。自陣撤退になれば、ゴール前を固めつつ、CBがバイタル迎撃に出ることで、中央からのシュートは許さない。マリノスは左サイドを中心に攻めるが、ロペス以外に強いターゲットがいないため、シンプルに上げても川崎はそこまで負荷を掛けずに跳ね返せる状態。マリノスが不用意なロストをしたり、家長や山田で深さを作ったりすることで川崎もスポットで押し返してチャンスを作る。佐々木に訪れた決定機が決まらなかったことは心残り。マリノスも最終盤に右からのクロスでファーサイドターゲットの村上を狙う形でゴールが少し近づいたが、それでもスコアは動かずに終了。マリノスは前半に多くあったビッグチャンスを生かせなかったこと、川崎はエリソン、佐々木と何度かあった決定機を決め切れなかったことが悔やまれる。

 

個人的MOM

★高井 幸大

ファウルで止めて警告を受けるシーンこそあったが、ロペスとの1対1で引けを取らずにしっかりと対応。退場者を出して守勢に回った時間帯でも、ゴール前のはね返し、バイタルへのアタックとマリノスの攻撃を思うようにやらせなかった。

 

トピックス

三浦が負傷交代。詳細は不明。

エウベルが負傷交代。足首当たりをひねった?

マルシーニョが一発退場で次節出場停止。出場停止明けで再度退場に。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ハリー キューウェル監督 ]
非常に悔しいゲームになってしまいました。勝ちに値するゲームをできたと思っています。チャンスも多く作りましたし、プレスも良かったです。川崎Fはとても良いチームです。その川崎Fをとても良いチームに見せないパフォーマンスができました。選手が見せた勇気や勝ちに値するパフォーマンスに喜びを感じています。これは今夜、突然表れたものではなく、日々の練習からの姿勢がつながったのだと思います。ただ、勝点3を取れなかったことについてはとても悔しい気持ちです。

--加藤 蓮選手を右ウイングに起用した狙いを教えてください。
展開を見ていた中での感覚的なものもあります。交代時はかなり大きくゲームが振れてきた時間帯でした。マルシーニョ選手が出てくるのではないか、という予測も含めた交代ではありました。蓮は素晴らしいパフォーマンスをしてくれたと感じています。繰り返しになりますが、川崎Fにはリスペクトの念があります。川崎Fには素晴らしい選手がたくさんいますが、自分たちがゲームを支配したことで普通のチームに見せることができました。

--前半は今季ベストの内容に見えました。どのような点に満足していますか?
まずはありがとうございます。このチームがもともと良いチームであるのは間違いありません。ただ、今季自分が加わり、1つ、2つ手を加え、変化を起こすことに取り組んでいる中、いろいろな選手に厳しい要求をしています。それはチャレンジをしてほしい気持ちからです。確かに前半に関しては、良いパフォーマンスができたとは思いますが、勝つためには得点が必要で、そこはできませんでした。今週末にまた試合がすぐあるので、また一手、二手を加えてこのパフォーマンスを継続して、結果を得られるようにしたいです。

 

[ 鬼木 達監督 ]
まず平日のナイターの中、多くのサポーターの方に集まっていただき、天候が悪い中でしたけど、特に自分たちのチームにとっては(退場で)1人少なくなった中でもサポーターの大きな声援が力になりました。今日は難しいゲームでしたけど、ダービー、アウェイの環境の中で勝点1を取れたことは選手の頑張りもありましたし、大きな後押しがあった中で、交代で入った選手を含めて選手が自分の役割を最後の最後までやってくれたことに感謝します。ただ、この勝点1を次につなげないと意味がないと思っていますので、しっかり回復して次のゲームに向かいたいと思います。

--勝ちたいゲームだったと思うが、数的不利になったところで大南 拓磨選手を最終ラインに入れ、中央を3枚にしたと思う。チームにどのような指示をしたのか?
指示がどこまで通ったかはなかなか難しい状況だったと思いますが、まずプランとしては(横浜FMは)サイドに力を持っているチームですので、そこで多少押し込まれる時間は長くなる可能性がありました。そこのところはある意味、覚悟を決めて、しっかりとブロックを組んだ中でアキ(家長 昭博)のタメや(山田)新のタメ、スピードといったものでしっかりと押し返していこうという話をしていました。ワンチャンスを狙いながら、と思っていたので、最後はよく対応しながら良い時間を過ごしてくれたと思っています。

--今日は準備してきたものが表現できなかった試合でもあったと思うが、どのように分析しているか?
最初の相手のプレッシャーの圧を少し感じてしまったのかなというところはあります。あとは自分たちのボールの出し方、触り方、そういうところで少し偏った形でボールが動いてしまったので、そこを満遍なく、もしくは中心の人たちにボールを渡しながら、ということも必要だったと思います。相手のライン設定がありますので、そこの狙えてしまいそうなところが逆にこのピッチの中でボールロスト、特に背後へのボールが、シンプルに落としてあげればいいボールが長くなってしまったり、ちょっとしたズレとか質のところでカウンターも食らっていたので、そのダメージは大きくなってしまったと思います。ただ、そういうことも含めて、ピッチの状況、相手との兼ね合いでうまくいかないときもありますし、前半はよく耐えたと思います。そこから後半、選手たちは狙いを持ってやってくれた。勝負に出たタイミングで1人減ってしまったことが残念ではありますが、その後の対応もしっかりしてくれたと思っています。

 

2024 J1第6節 サガン鳥栖vsヴィッセル神戸 メモ

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スタメン

鳥栖は中原が初のメンバー入り。

神戸は負傷していた佐々木がメンバー復帰。

 

流れ

いつもどおり左SBを内に絞って3バック化する神戸。鳥栖はそのまま右SHを当てて初瀬に寄せる。

大迫と宮代の中央プロテクト。CB同士のパス交換から広瀬がジャンプしてCBにアタックし、そのままGKまでフルスプリントでプレス。

富樫がひたすらラインブレイクを狙う。

プレスラインを高めに設定して前から奪いに来る神戸。鳥栖は2トップ裏にボランチを置いて相手を引き出しながら、富樫が背後へ走って間延びさせる。富樫が最終ラインを引っ張ることでバイタルが間延びすると鳥栖のセカンド回収チャンスも増える。

大迫は同サイド流れでトランジション準備。

右に流れることが多いが、トゥーレルがしっかりマークについて起点を作らせない。

15分、鳥栖が中盤での奪取からカウンター。最後は右で受けた富樫がシュートも決め切れず。鳥栖がまず際どいチャンスを作る。

鳥栖は2トップでアンカーを背中で消す。神戸はCBが開き、2トップ脇から運ぶ。

福田がサイドに流れてSBからピックアップし、サイドにいた菊地が内側にはいることでパスコースを作りにいく連動でプレス回避を狙う。

19分、広瀬が座り込む。腿を気にしているように見える。すぐに飯野が準備。

20分、神戸交代

広瀬→飯野

飯野が右WGに入り、武藤が左へ移る。

21分、富樫に警告。

神戸は右サイドでの作りに大迫が関与し、中央に宮代、ファーに武藤がターゲットとして待機。

神戸のCKは徹底してファーサイド狙い。

プレス時、福田は下りる扇原へのチェックを気にしているが、ロングボールをにらんでついて行きすぎない。富樫のプレスでどれだけ制限できているかをみながら次の雲行きを予測。

神戸はハイプレス。WGからSB、CBと持ち場を離れてジャンプしてプレスを掛ける。後ろは空くが、強度高く寄せ切ることで背後を消す。山口が近場の前進コースをケア。酒井の連動が早く、寄せも強度が高い。

警告を受けたシーンのモヤモヤもあってか、富樫が判定に対してかなりナーバスになっている。

33分、FKから武藤が完璧に合わせるも朴がファインセーブ。神戸が期待感があったセットプレーからビッグチャンスを作るも朴も好対応。

37分、デザインFKから大迫がシュートも鳥栖がブロック。神戸はセットプレーが攻め手の大きな割合を占めている。

鳥栖はあまり前から行かなくなり、3バック化する最終ラインを放置するように。初瀬から前線へロングフィードが飛ぶ。

WGとSBを押し出してプレスを掛ける神戸に対し、大外で浮く長沼へロングボールを送るも、届くまでに時間がかかれば山川がスライドして十分に対応できる状況。

神戸は立ち上がりこそ広瀬のフルスプリントプレスがあったが、基本的にはWGをジャンプさせて押し上げるのは右サイドがほとんど。酒井の守備機能性を考えた左右バランスか。

バックライン同士のパス交換をきっかけにプレスに出ていく鳥栖。長沼が外切りで山川へ、菊地がそのまま初瀬へ。神戸はSB→WGと縦につないでから中の選手に届けて前向きを作ろうとする。

長沼が前向きに出ていくため、鳥栖は左サイドが前に押し上げるため、キムテヒョンはサイドまで出て広いスペースの管理を求められるが、空中戦、背後のケアなどよく対応できている。

 

神戸がハイプレスからの回収とロングボールでの前進でプレーエリアを押し上げ、ゲームをコントロール。ただ、鳥栖も両CBのロングボール対応や、中盤のセカンド回収で引けを取らず、完全に受け身に回ったわけではない。鳥栖はプレスを掛けても最終ラインからのロングボールで前線の強ターゲットに当てられるため、狙った位置での回収は難しく、いつものように保持でコントロールしようとするも、神戸が人を押し上げながら強度高く出てくるため、落ち着かせどころを作れず。特に鳥栖の左に誘導され、酒井のところで捕まる、後ろへ飛ばしても山川がカバーし切るというところで詰まった。意図的に中盤で奪い取れた際にはオープンな局面から攻め切れるシーンも。神戸は陣地を押し上げたことでセットプレーの機会が増え、トゥーレルや武藤などがターゲットとなって脅かすことができたがゴールは生まれず。朴の好セーブもあった。

 

後半

神戸交代

飯野→佐々木

飯野は途中出場で早々と交代。アクシデントがあった?

大迫がサイドに流れてチャンスメイク役になったときは、宮代と逆サイドWGがターゲットになる。

山口がチャンネルを埋めながら、バイタルに入ってきたところのインターセプトを狙う。

神戸はCBをゴール前から外へ出さずにボランチインサイドをカバーする。鳥栖は深さを取ってSBとボランチを引きつけて、マイナスからクロスを入れようとしているか。

4-4-2ベース同士で人を合わせてくる神戸に対し、SBとボランチのワンツーでマークを外しにかかる鳥栖

鳥栖は安易なパスミスでロストし、一気に被カウンター局面になるシーンが目立つ。神戸の寄せにミスを誘発させられているというよりも、自分たちで相手に渡しているようなイメージ。

GKまで追いかけるくる鳥栖に対し、GKから蹴るのではなく、浮いたアンカーやCBを1つ噛ませてから前に送る神戸。

63分、鳥栖交代

堀米→ヒアン

鳥栖は自陣に引いたとき、中盤がかなり後ろに吸収される傾向があるように見える。ロングボール対策で、後ろから前に出ていくような意図?

佐々木が引いてきてSBを引き出し、その背後に初瀬が入れ替わりで出ていくような押し引きの連係。

富樫だと接近戦に持ち込まれるとマッチアップに優位性を出すことは難しかったが、ヒアンが入ったことで、スピードでちぎって接近戦にさせないバトルもできるように。

75分、鳥栖交代

菊地→中原

76分、中原のインスイングクロスに長沼が飛び込んで点で合わせるもシュートがヒットせず。中原ならではの鋭いクロスで質の高いチャンスを演出。低くて速いボールなら神戸のCBの高さと強さに張り合わなくていい。

80分を過ぎて中盤がかなり間延びし、トランジションからオープンなバトルになりつつある。

中盤でトライアングルを作ってプレスをはがし、スピードアップする鳥栖。神戸は疲労が出てきた中でも帰陣が早いが、それでも少しは間に合わなくなってきているので、陣形が整う前にゴール前のスペースを狙う。

84分、神戸交代

宮代→菊池

菊池を左CBに入れた3バック。前半からセットプレーで惜しいチャンスを作れているので、そこの強化も考えているかもしれない。

富樫がバイタルへ下りてピックアップ、ヒアンが最前線でターゲット、もしくはスペース抜け準備。役割的には縦関係。

88分、鳥栖交代

富樫→木村

神戸はパワープレー気味にサイドから放り込んでゴール前に圧力を掛ける。

 

後半も神戸がセットプレーやクロスからゴール前に圧力を掛けて際どいシーンを作るも鳥栖も最後のところは踏ん張る。ただ、中盤でプレッシャーを受けてない局面での安易なパスミスや、リスキーな縦パスをひっかけられてカウンターを受け、陣地を押し下げられる。それでもサイドと中央をうまく経由して運べるシーンはチラホラあり、敵陣保持に持ち込むが、神戸にセットされると打開策は見えず。そうなるとトランジションからスペースを埋められる前に攻め切ろうとなるが、その攻め方になるとボールを捨てなければならず、ゲームコントロールは難しくなる。神戸は一番後ろからではなく、1つ前につけてからのロングボールで前進を図る。サイドの連係からクロスを上げ、少なくとも2人以上のターゲットが入っているところに送る。終盤は選手交代で鳥栖がヒアン、中原といった尖った特徴を持つ選手を入れたことで、攻撃に変化が生まれる。特に中原の鋭いインスイングクロスに長沼が飛び込んだシーンは決め切りたかった。総じて神戸のほうにチャンスが多く、判定勝ちがあれば神戸の勝利だっただろうが、鳥栖も踏ん張りが利き、ビッグチャンスもあったので、勝てる道筋もわずかにあった。ただ、安易な失点で勝点を落としてきた流れを踏まえれば、鳥栖は次につながるゲームになったといえるはず。また、キレイなサッカーをしようとするバランスのスタートのメンバーに対し、中原という飛び道具が1人加わったのは大きそう。今後に期待。

 

個人的MOM

★キム テヒョン

ロングボールのはね返しやスペースのカバーなど、最後方での奮闘が目立った。無失点に貢献した1人。

 

トピックス

広瀬が負傷交代。ハムストリングのトラブルか。

前半途中に投入された飯野がハーフタイムで交代。アクシデント?

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 川井 健太監督 ]
平日のナイトゲームというところで、雨という天候の中、今日来ていただいたファン・サポーターの皆さんに感謝しています。スタジアムに来ることができなくて、DAZNなどで見て応援してくださった方々、そういったものを見ることができなくても応援してくださった方々には本当に感謝しています。勝点3を取りたかったんですが、それが達成できずに残念です。ただ、やはり、今日は選手たちのメンタリティーを評価してあげたいなというような試合でした。

--前半の戦い方を後半も持続できていたと思います。
この試合に限らず、流れというものは誰の目にも見えないので、非常に厄介なものです。失点したから流れが悪いとか、もちろん、結果論としてそういう捉え方になるんですが、今日で6試合目ですかね、6試合ハーフタイムで後半の入り方(の指示)というところでは特に変わりはなかったですね。特段今日が良かったというわけでもないです。ただ、やはり彼らが学んでいるというところでは失点を改善できた。結果として今日は勇気をもらえたんじゃないかなと思います。そこはメンタリティーだと思いますね。

--無失点で終えられたことについて守備陣への評価は?
ゼロで抑えたことはパーフェクトな仕事ですよね、守備陣としては。

--前節の町田戦に比べて球際など選手の気迫が感じられたシーンが多かった印象ですが、選手たちの変化を感じたようなところはありますか?
町田戦からの3日間で変化というものはないですね。というのもあまりトレーニングをしていないので。いまの質問で非常に的を射ているところがあるのは、今日の試合は誰がどう見ても意志の強さが見えたんじゃないかなと思います。ただ、それが町田戦になかったかというとそれは絶対に違うと思います。ただ、彼らが試合をこなすにあたって成長した部分かなと思います。だから、おそらく町田戦のときはあれがMAXでそこから今日の神戸戦はさらに成長したMAXを出せるようになったという感覚ですね。

 

[ 吉田 孝行監督 ]
立ち上がりから相手も前からプレスを掛けるし、つなぐことよりも背後を狙っていたということでセカンドボールや自陣での判断のところが大事になってくる。そういうところでちょっと歯車が合わなかったり、カウンターを浴びるシーンはあったかなと思います。ただ、前半からもセットプレーを数多く取れたし、そういう中で決定機もありました。難しいゲームではあったんですが、勝つチャンスはあったかなと思います。選手たちは最後までタフに戦ってくれたと思います。

--J1第2節・柏戦もそうでしたが、序盤でリズムをつかめないと苦しむというふうに見えました。
どこのチームもお互いアグレッシブな戦いにはなると思うので、ウチがすごく悪かったかというとそうじゃないと思います。相手の出足は確かに良かったと思いますけど、悲観することはないと思います。次の試合が大事かなと思います。

--佐々木 大樹選手、菊池 流帆選手の投入の意図は?
前半から少しアクシデントがありました。そういうところで交代カードを切りました。菊池に関しては相手が2トップにしてきた中で、終盤お互いに点を取りたいところで行ったり来たりの展開になっていたので、2トップに対して3枚で守って、セットプレーを取ったときに菊地の高さを生かせるかなというのも狙っていました。

--今季ピンチはあまりなかったと思いますが、今日は多く、なんとか無失点という形でした。修正すべき点は?
ちょっとしたところのズレとか球際で奪えないとかパスミスとか、そういうところなので。そこまで大きな問題でもないですし、一人ひとりの意識を高めればいいかなと思います。

 

2024 J1第5節 ヴィッセル神戸vs北海道コンサドーレ札幌 メモ

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スタメン

神戸は菊池が負傷明けでメンバー入り。大卒ルーキーの山内は初のメンバー入り。

札幌は離脱していた菅野が先発復帰。

 

流れ

神戸は宮代と大迫の2トップで4-4-2セットからプレスを掛けていく。

馬場が右CB位置に下りて荒野がアンカー位置に入るミシャ式。高い位置で待つ浅野に髙尾が加勢していく。

札幌が前からきたら、前川から武藤へのロングボールを入れる。中村とのマッチアップで優位に立つ。

6分、酒井のクロスに武藤が飛び込んで合わせるも枠外へ。枠へ飛ばしていれば1点もの。

7分、神戸先制、1-0。ロングボールからマンツーでついてくる相手の背中を取るように動き、大迫、武藤、宮代の連係から最後はフリーになった大迫が流し込んだ。札幌は大迫とのロングボール競り合いのあと、マークにつき切れず。

鈴木が下りてきて背負ってキープし、押し上げるポイントを作る。

神戸は自陣では4-4ブロック。2トップはやや前目でトランジション準備。武藤はブロックに入るが、状況をみながら分離してカウンターに出ていけるようにする。

広瀬はCBとSBの中間ポジションを取りながら、プレスとプレスバックの両方ができるように準備。

宮代と大迫がアンカー選手を受け渡しながら、プレスに出ていく。届かないところはWGが出ていってプレスを掛ける。

駒井と小林は相手ボランチ近辺をうろうろしてライン間でスピードを調整する役。

札幌は鈴木が下りて受けに来るので、0トップ気味にしてまず陣地を押し上げてから、サイドへ運び、そこからのコンビネーションからの打開を図っているか。

鈴木と小林が2トップ気味になり、駒井がアンカー監視でプレスを掛ける札幌。SBにはWBが長い距離出ていって寄せる。

23分、神戸追加点、2-0。浅野がSBのところまで出ていくため、大外でスペースをもらった広瀬へロングボールで届け、ワンツーで出ていった宮代が髙尾とのマッチアップを制してゲット。マンツーで来る相手を、目線をずらして背後を突いたあと、1対1を制した。

ボランチが前目に出ていっている時は、降りる鈴木に対して深くまでついていく山川。

小林が右サイドに流れて攻撃のタクトを振るう。浅野と髙尾は大外とインサイドを使い分け。

右WGがCB位置までジャンプしていったときには、酒井がかなり速くSBまで寄せてくる。後ろを空けても寄せ切れば関係ないという守り方。

34分、中村に警告。

武藤が流れの中で比較的自由に動くため、トランジションからの流れで前線のポジションが入れ替わっているシーンがちょくちょくある。武藤が右サイドからいなくなる分、山口のサイドカバーも増えている印象。

良いタイミングで降りて中村とのマッチアップで先に触る武藤。追い越す動きなどでマークを迷わせて大迫と打開していく。

神戸は右サイドは後ろから人を押し出してプレスをハメ切ろうとするが、左サイドは広瀬が1人でバランスを取って戻るシーンが多いか。本多はそこまで前に出てきていない印象。

42分、神戸追加点、3-0。札幌の組み立てをサイドで追い込んで前向き奪取。扇原がワンタッチで前につけてスピードアップし、札幌の陣形が整っていないうちに武藤がPAないで足を振ってゲット。神戸はそこまで前プレで強く奪いにいっている感じではなかったが、囲い込めるところを見つけて一気に奪ってゴールまで結び付けた。守備と攻撃がつながった流れ。

43分、扇原に警告。

 

神戸はいつもどおり、大迫と武藤へのロングボールを軸にして陣地を押し上げていく。札幌は前から行っても後方のロングボールバトルに簡単に勝てず、セカンド回収部隊も少ないので、高い位置からの守備は効果的に機能せず。また、神戸が縦に速く攻めてくることから、保持する時間はもらえるものの、保持のラインはなかなか押し上げられない。鈴木が下りてきてポイントを作って、押し上げを図るが、そうなるとスピードアップからゴールへ向かう形は作りにくく、敵陣保持でも神戸のブロックを崩すに至ることはなかった。小林が周りを動かしながら配球しているが、穴は空けられず。神戸はリードを得たこともあり、無理にバランスを崩してプレスに出ていくことはほぼない。相手にボールを持たせておいて、サイドや中央に前向きで入ってきたところをつぶしにかかる。つぶせなければ自陣で4-4ブロックでOK。

 

後半

札幌交代

髙尾→スパチョーク

スパチョークがシャドーに入り、駒井と馬場がそれぞれ1列下がる。

神戸交代

本多→初瀬

46分、山川に警告。スパチョークが早速生きる。

46分、小林のFKを岡村がフリーで合わせるも枠へ飛ばせず。札幌は千載一遇のチャンスだったが…。

48分、神戸追加点、4-0。CKから宮代が背負ってからのボレーでゲット。札幌は痛恨のクリアミス。札幌は悪くない入りだったが、いきなりの失点でメンタル的なダメージが大きそう。

神戸はカウンタープレスがかなり速い。後方は手薄になるが、2CBの対人でなんとかできるのでバランスは保てている。

菅についてくる酒井の背後をスパチョークが走る。また、中村も外を追い越して人数をかけ、マークにつききれない選手を作り出す。

札幌は密集を抜け出してオープンで待つ菅へ送ろうとするが、酒井がカットでも1対1でも安定した対応ができている。

半端なプレスになったところで山口がボランチ脇に潜り込み、トゥーレル→山口で一気にスピードアップ。クロスからゴール前に多くの選手が入ってくる。

60分、神戸交代

広瀬→飯野

神戸がプレスを掛けて、サイドで圧力を掛けたところで内側と外側の両方で後ろから強く当たり、奪う。ボランチもかなり前まで出ていくため、イレギュラー的にでも抜け出されるとオープンな局面になりやすい。

63分、神戸交代

扇原→井手口

札幌交代

中村→原

神戸は点差がついたこともあり、連戦でのプレータイムコントロールも考えた交代?

原は左WBに入り、菅が1列下りる。

札幌が前がかりになっていることや、つないで前進しないといけない状況もあって、神戸はオープン局面でのチャンスメイクが続く。ただ、最後のところでなんとか踏ん張る札幌。

神戸は攻めたときにバランスを崩すので、札幌はピンチを迎えたあとに前進しやすい局面が生まれるという、狙っていない「肉を切らせて骨を断つ」的な流れになっている。

70分、札幌交代

鈴木、小林、浅野→大森、長谷川、青木

長谷川が右WBに入る。

71分、神戸追加点、5-0。CKからダイレクトで山川が合わせてゲット。神戸が敵陣でチャンスを作り続け、押し切った。菅野も相当奮闘しているが、ピンチがあまりにも多い。

72分、札幌得点、5-1。右からのクロスをクリアに行った井手口のヘッドがそのままゴールに吸い込まれる。

引いてSHを引きつけたところに大森が潜り込んで受ける。神戸はやや疲労も出てきて、そこまで強烈にプレスにはいけなくなっている。

80分、神戸交代

大迫、宮代→菊池、山内

交代で入った選手たちが前線のプレス強度を上げていく。菊池が左CBに入り、3-4-2-1に変更。

94分、神戸追加点、6-1。初瀬のFKをファーで菊池が折り返し、武藤が詰めてゲット。

 

後半は途中からいくらかオープンになったこともあって、札幌がスポット的に敵陣まで運んで攻められるシーンもあったが、90分を通じてほぼほぼ神戸の支配下にあったゲーム。札幌がチャンスを作れたのは、神戸がチャンスを作った際に攻め切れず、陣形が崩れている時に進めた場合であり、主体的に作れたチャンスはほとんど記憶にない。6-1というスコアだけでも十分に差があるが、菅野が相当止めたこともあって、このスコアをしても、それ以上の差を感じた。神戸は3連戦初戦で早々と大幅リードを得たことで、早めに選手を変えていき、プレータイムコントロールができた。

 

個人的MOM

★宮代 大聖

2得点に加え、大迫、武藤に次ぐ3人目の刺客として機能。巧みな動き出しでパスを引き出し、ギャップを突く働きが効いていた。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 吉田 孝行監督 ]
ホームで勝利がなかったので、勝ててホッとしています。前半から自分たちのサッカーというのが攻守に出せたと思いますし、前半も後半も緩めずに戦ってくれた選手、後押ししてくれたサポーターの皆さんに感謝したいと思います。

--開幕戦以来の先制点。ホーム初得点ということで波に乗っていけた?
そうですね。相手も立ち上がり、勢いよく行きたい中での先制点だったので、チームに勢いを与えてくれたかなと思います。

--前線の3人がゴールを決めた。J1第3節・FC東京戦から起用しているが、彼らの攻撃でどこが効果的だったか?
前線の3人もそうですし、全員ですけど、チームとして攻守に狙っていることができていると思いますし、前にやはり(広瀬)陸斗もそうですし、(宮代)大聖もそうですし、あとはヨッチ(武藤 嘉紀)、サコ(大迫 勇也)のところ、やはり4人が絡んだときの迫力とか、そういうゴールに向かう姿勢は相手に脅威になっていたなと思います。

--武藤選手も今季初ゴールを決めた。
初ゴールというのがなかなか出ないと選手にとってはイヤな感じもあると思いますけど、このタイミングで出たのはチームとしても良かったです。あとはいろんな選手が得点できるのは本当に良いことだと思うので、本当にみんながチームプレーに徹した結果だと思います。

 

[ ペトロヴィッチ監督 ]
神戸が素晴らしいチームであるとは分かっていました。非常にわれわれにとって難しい、厳しいゲームになってしまった。1-6で敗れたということで、その6失点を振り返ると、(1失点目は)やはり大迫(勇也)選手へのロングボール、そのセカンドからのフィニッシュ。後半の3失点に関してはセットプレーから。本来であれば与えてはいけない失点だったと思いますし、相手の強さというものをわれわれは分かっていましたけど、それを抑えられなかった試合だったと思います。

札幌のスタメンは高さのある先発だったんじゃないかと思うが、長いボールが大迫選手に入って、ハチ(岡村 大八)が競り負けて、その後セカンドボールをまた相手につながれて、大迫選手は競ったあとにすぐにゴール前に入っていく中で、われわれの選手が置いていかれて失点してしまった。1失点目の形というのはわれわれの今日の難しさを象徴することになったと思います。

髙尾(瑠)選手に関しては長期離脱していた中で初めて札幌で公式戦を戦いましたけども、やはりまずは彼が復帰できたことを前向きに捉えたいですし、そういった意味でもチームの戦い方に合わせていってくれればいいなと思っています。

今日の戦いはわれわれが相手の良さをしっかり理解しながら、それに対してどうしていこうかと準備してきたが、その部分でわれわれの展開にはなりませんでした。相手が明らかにわれわれを上回ったゲームだと思います。

 

2024 J1第5節 アルビレックス新潟vs柏レイソル メモ

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スタメン

柏は小屋松が欠場で木下が先発。前節で負傷した高嶺が欠場。

新潟は千葉が初先発。

 

流れ

柏は2トップでCBにアタックし、ボランチ1枚がボールサイドのボランチを捕まえる。

1分、前向きの奪取からコンビネーションでサヴィオが抜け出して決定機も枠外。

新潟はボランチが下りて3-1ビルドで数的優位を作る。2トップ脇から運んでSBへ預け、内に入ったSHとのパス交換でアプローチを外し、保持ラインを上げる。

谷口が最前線で強度高くチェイシング。柏はSBを前に引き出してから木下を右奥に走らせる。

藤原は張らずに、インサイドぎみで待機。

中央で縦に出てくるボールに対しては、ボランチもCBもかなりタイトに張り付いてつぶしに出てくる柏。

14分、柏先制、0-1。CK崩れの流れからサヴィオのクロスを木下が体で押し込んでゲット。立ち上がりから敵陣で押し込めていた柏がセットプレーからスコアを動かした。ジエゴ→サヴィオの背後というシンプルな形で取ったCKから。

ヴィオが4-4の左スクエアで受けてジエゴへ展開。

ゴールキックからかなり強烈にプレスを掛けてくる柏。

柏は2-1でプレスを掛け、中央の選手に時間を与えない。

柏のプレスに対して、抜け出せない新潟が自陣から出られず、柏が相手陣内でのプレータイムを増やして押し込む。

太田と関根のマッチアップはここまで関根が上回っている。

千葉から一発で松田に送るボールが何度かあるが、ジエゴが十分に対応できている。最悪セカンド回収から押し上げればOKという意図もある?

柏はサイドに入ってきたときにSBの迎撃と、横からの寄せで一気に圧縮を掛けていく。新潟はそこで苦しそうにしている。サヴィオの戻りも速い。

柏は2トップと2ボランチの間のスペースの圧縮強度がかなり高い。中央で奪えればそのままカウンターに。

CBから松田へのロングフィードを徹底している新潟。つながらずとも、クリアボールの回収やスローインで陣地を上げる確率を高める。

柏は非保持からのプレスでコントロールできているので、保持でもつなぐことにこだわらず、前へ送ることで陣地を上げる。相手ボールになってもそこからプレスを掛ければいいだけというメンタルに見える。

新潟のプレスに対し、ジエゴインサイドに下りてくるサヴィオでサイドチェンジ。藤原がついてくるが、ワンタッチで展開すれば関係ない。

41分、サヴィオジエゴの連係でポケットを取って折り返し。やはり柏は左サイドがストロングで、攻撃はほとんどそちら側で構成される。

新潟は後ろを3枚で回すことにより、保持を安定させることはできるが、4-4-2でセットしている柏のブロックを越えることはほとんどできない。無理やりロングボールを入れればはね返されてロストし、中央にいれれば圧縮を掛けられてカウンターを受ける。

 

柏は立ち上がりからハイプレスを掛けて相手陣内でのプレータイムを伸ばす。特にゴールキックでのプレスはかなり強烈で、後ろが薄くなろうともホルダーにプレスを掛け切れば関係ないと言わんばかりの強度。一度抜け出されたら、ハイラインでのセットに切り替えて、2トップで制限を掛けながら、受け手に強い圧力を掛けて自由を奪う。特に中央と大外の圧縮強度はかなり高く、第2バイタルとSB迎撃時のボールホルダーは気づいたら囲まれているような印象。また、CBの迎撃も速く、降りて行ってもつぶしが利いている状況。千葉→松田で一発の展開も何度か見せたが、ジエゴが十分に対応できている。また、太田vs関根は関根がほぼほぼシャットアウト状態で、新潟はゴールへ近づく術をほとんど見せられなかった。柏は奪ってから2トップとサヴィオを生かしたカウンターや、サヴィオジエゴが絡む左サイドの突破からゴールを脅かした。セットプレーでこじ開けて1点リードで折り返し。

 

後半

秋山が下りて、高木がボランチ位置まで下がってくる。

2トップ脇まで下りて顔を出しながらパスをさばき、SH裏に潜っていく高木。

50分、カウンターで出ていくサヴィオ。細谷とのコンビネーションで崩してGKと1対1になるも小島が我慢してファインセーブ。柏はカウンターからチャンスを作る。

柏はプレスに出ていくところは前半と同じだが、最終ライン設定が若干下がったように見え、そのぶん各ライン間にスペースができている気がする。新潟も余裕はもらえていないとはいえ、間で受けられるようになってきた。

54分、柏交代

木下→山本

柏は前線は前に出ていく一方で、後ろの選手が前半ほどリスクをかけて前に出ていけず、そのギャップによって新潟が前に進めるようになってきている。

56分、新潟同点、1-1。CKの崩れから、高木の左足クロスを千葉がファーで合わせてゲット。柏は中野ターゲットにマークへ行ったことで大外が空いた。

山本がチェイシングでサイドを限定していくが、ホルダーの前を塞げていないので、背後に出されて松田に走られる。ただ、ジエゴが1対1のところで劣勢にならない。

62分、高木に警告。

柏はかなりハイラインを敷いて、2トップでプレスを掛けていく。2トップはGKまで出ていくが、新潟が浮いた選手を使いながらまずは2トップを外して保持ラインを押し上げる。一気にスピードアップを図るよりも、保持の局面を落ち着かせることを優先。

柏は前半よりもショートパスでつなぐ意識が上がった。2-4ビルド。ボランチが空いて2トップの裏で待機しながら、矢印が前に出たら、その背中を取るように動く。

プレス連動ができなくなりかけていた柏だが、持ち直してペースをつかみなおす。

柏は4-4がペナ幅で守るため、ホルダーに寄せ切れないと大外へ展開されてスライドを強いられる。

白井が2トップ裏でうまくピックアップすることで、柏はプレスを食らわずに、前進のポイントを作れている。

72分、柏交代

山田、土屋→島村、熊坂

柏が敵陣へ押し込み、ロスト後も素早いカウンタープレスで即時奪回を繰り返す。

77分、新潟交代

太田、高木、谷口→小見、長谷川元、長倉

79分、柏の波状攻撃。細谷が連続シュートで狙うも小島が連続で好セーブ。

85分、新潟交代

堀米→早川

新潟が保持でペースをつかむ展開に。柏は1stプレスには出ていっているが、一度折られたあとにもう一度寄せ切ることができず、ホルダーに時間が生まれて配球を許す。

89分、柏交代

ヴィオ→戸嶋

さすがに疲労が見えていたサヴィオを下げる。

91分、長倉が左のスペースに抜け出し、PAで横に流して松田がシュートも枠外。ビッグチャンスも決め切れず。

 

後半も序盤は柏のペース。ミドルブロックを組みながら中盤で奪ってカウンターを仕掛ける。ただ、徐々にプレスの連動がハマらなくなってくると新潟も保持から押し上げられるように。新潟が保持で押し込んで柏が自陣で我慢する流れになったが、選手を変えながらギアを上げ直して、再び柏が主導権を握る展開に。白井が保持で落ちつかせどころになりながら、サヴィオと細谷を軸にした攻撃でビッグチャンスも作ったが、小島の壁は破れず。最終盤は新潟がイケイケになってゴールへ迫ったが、こちらもビッグチャンスを決め切れず。トータルで見れば柏のほうが主導権を握れた時間は長く、シュート数や、チャンスの質を見ても勝点3を取り逃したのは柏のほうだった印象が強い。ただ、新潟もうまくいかないなりに最後のところを小島中心に守り、良くなった時間のセットプレーでゴールを奪って勝点1を取れたことは悪くない。ビルドアップは要修正。

 

個人的MOM

★小島 亨介

再三のビッグセーブ。何度も際どいシュートが飛んできたが、的確なポジショニングと動きで最少失点で乗り切った。勝点1獲得に最も貢献したといえる。

 

柏はサヴィオがこの日も圧巻のパフォーマンス。カウンターでの運び出し役に加え、守備での帰陣も非常に早く、相手のスピードアップを遅らせるシーンは多くあった。ジエゴの対人も見事で、劣勢気味のところからでも松田をほぼシャットアウト。ビルドアップの落ち着かせどころになった白井の保持貢献も○。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 松橋 力蔵監督 ]
本当に多くの方々に会場に足を運んでいただいた中で、今回は残念ながらホーム連勝とはいかず、同点という結果になってしまいました。皆さんの熱い声援もあって、選手が後押しされて、後半は少し可能性がある、勝利を引き寄せられるだけのプレーは、いくつかできていたのではないかなと思います。

簡単に勝つことはできないかもしれないんですけど、それと同時に簡単に負けてはいけないという部分では、勝点1は、少しポジティブにとれる部分はあります。 ただ、最後に決めるチャンスがいくつかあったので、そこを仕留めなければやはりあと2つの落としているポイントを取ることはできない。そこはまたしっかりと突き詰めていければなと思います。

--千葉 和彦選手が同点ゴールを決めた。
本当に素晴らしいです。涙が出そうになりました。ここまでゲームには絡めなかったですが、コンディションが悪いわけではなかったですし、今日見ていただいたように、全然まだまだできる選手。そういう中で結果をしっかりと出す。

もちろん彼もこれで満足していないと思います。これを勝ちゲームにしていきたいと思いますし、もっと言えば、守備の選手なら失点はしたくなかったでしょう。そういうところはまたみんなと突き詰めていかなければいけないと思います。

 

[ 井原 正巳監督 ]
今日、新潟さんが相手ということ、勝点で並んでいるチーム同士の対戦ですし、今日勝つことで上の争いができるかできないかという、そういう思いでゲームに入りました。新潟さんはボールをしっかり握ってくるチームですので、前からの強度を弱めずに行こうというゲームプランで入りました。

本当に選手は90分間、その意識を持って全員がやってくれたと思いますし、良い形で前半、非常にゲームの内容的にも良かったのではないかと思っています。追加点を取れなかったというところは今季のわれわれの課題でもあるんですが、今日のゲームも2点目がなかなか取り切れずに、追いつかれて引き分けとなってしまいました。

ただ、ネガティブになることなく、やってきたことがまた次のゲームにしっかりとつながるように、この勝点1をつなげていきたいとも思いますし、中3日でゲームが続きますので、また良い準備をしていきたいと思います。